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特開2022-163282ガスメータ用継手、該継手用のアタッチメント及びガスメータ用継手ユニット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022163282
(43)【公開日】2022-10-26
(54)【発明の名称】ガスメータ用継手、該継手用のアタッチメント及びガスメータ用継手ユニット
(51)【国際特許分類】
   G01F 3/22 20060101AFI20221019BHJP
   G01F 1/00 20220101ALI20221019BHJP
   G01F 15/18 20060101ALI20221019BHJP
【FI】
G01F3/22 C
G01F1/00 G
G01F15/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021068126
(22)【出願日】2021-04-14
(71)【出願人】
【識別番号】000241902
【氏名又は名称】北海道瓦斯株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000167325
【氏名又は名称】光陽産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085556
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100115211
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 三十義
(74)【代理人】
【識別番号】100153800
【弁理士】
【氏名又は名称】青野 哲巳
(72)【発明者】
【氏名】山本 幸一
(72)【発明者】
【氏名】宮川 成一
(72)【発明者】
【氏名】金子 知義
【テーマコード(参考)】
2F030
【Fターム(参考)】
2F030CC13
2F030CE11
(57)【要約】
【課題】ガス機器へのガス供給を止めることなくガスメータの交換を可能にし、ガスの盗用を防ぐ。
【解決手段】ガスメータMの導入口及び導出口にそれぞれ接続される導入管及び導出管を有するガスメータ用継手ユニットUは、導入管10から分岐して先端部に第1接続孔1Aを有する第1分岐路1と、導入管10と第1分岐路1の交差部で導入管10と第1分岐路1の連通と遮断を切り換える第1切換弁40と、導出管20から分岐して先端部に第2接続孔2Aを有する第2分岐路2と、第2分岐路2と導出管20の交差部で第2分岐路2と導出管20の連通と遮断を切り換える第2切換弁50と、第1接続孔1Aと第2接続孔2Aに接続されるアタッチメントAと、を備える。アタッチメントAは、第1接続孔1Aと第2接続孔2Aをつなぐバイパス路3と、バイパス路3の連通と遮断を切り換える弁体63とを有し、着脱可能である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスメータの導入口及び導出口にそれぞれ接続される導入管及び導出管を有するガスメータ用継手ユニットであって、
上記導入管から分岐して設けられ先端部に第1接続孔を有する第1分岐路と、
上記導入管と上記第1分岐路の交差部に設けられ、上記導入管と上記第1分岐路の連通と遮断を切り換える第1切換弁と、
上記導出管から分岐して設けられ先端部に第2接続孔を有する第2分岐路と、
この第2分岐路と上記導出管の交差部に設けられ、上記第2分岐路と上記導出管の連通と遮断を切り換える第2切換弁と、
上記第1接続孔と上記第2接続孔に接続されるアタッチメントと、を備え、
このアタッチメントは、上記第1接続孔と上記第2接続孔をつなぐバイパス路と、このバイパス路の連通と遮断を切り換えるバイパス切換弁とを有し、着脱可能であることを特徴とするガスメータ用継手ユニット。
【請求項2】
上記第1接続孔及び上記第2接続孔のうち少なくとも上記第1接続孔には、開閉弁が設けられ、
上記開閉弁は、上記アタッチメントの着脱により開閉されることを特徴とする請求項1に記載のガスメータ用継手ユニット。
【請求項3】
上記第1切換弁には、上記導入管と上記第1分岐路を連通させるための切換えを不能な状態にするとともにその切換え不能状態を第1被押圧部が押圧されることにより解除する第1ロック手段が設けられ、
上記第2切換弁には、上記第2分岐路と上記導出管を連通させるための切換えを不能な状態にするとともにその切換え不能状態を第2被押圧部が押圧されることにより解除する第2ロック手段が設けられ、
上記アタッチメントには、上記バイパス切換弁を切り換えるための操作部が設けられ、この操作部には、上記第1被押圧部及び上記第2被押圧部のうちの一方又は双方を押圧するための押圧部が設けられており、
上記操作部が、上記バイパス路の連通のために上記バイパス切換弁を切り換えるよう操作されたとき、上記押圧部が上記第1被押圧部及び上記第2被押圧部のうちの少なくとも一方を押圧することを特徴とする請求項1または2に記載のガスメータユニット。
【請求項4】
上記アタッチメントには、上記バイパス路内の空気を除去するためのエアパージ部が設けられていることを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載のガスメータ用継手ユニット。
【請求項5】
ガスメータ用継手に取り付けられるアタッチメントであって、上記継手は、ガスメータの導入口及び導出口にそれぞれ接続される導入管及び導出管と、上記導入管から分岐して設けられた第1分岐路と、上記導出管から分岐して設けられた第2分岐路と、を有しており、
上記第1分岐路の先端部と上記第2分岐路の先端部をつなぐバイパス路と、
このバイパス路の連通と遮断を切り換えるバイパス切換弁と、を備え、
上記第1分岐路の先端部と上記第2分岐路の先端部に着脱可能に接続されることを特徴とするガスメータ用継手のアタッチメント。
【請求項6】
上記バイパス路内の空気を除去するためのエアパージ部が設けられていることを特徴とする請求項5に記載のガスメータ用継手のアタッチメント。
【請求項7】
ガスメータの導入口及び導出口にそれぞれ接続される導入管及び導出管を有するガスメータ用継手であって、
上記導入管から分岐して設けられ先端部に第1接続孔を有する第1分岐路と、
上記導入管と上記第1分岐路の交差部に設けられ、上記導入管と上記第1分岐路の連通と遮断を切り換える第1切換弁と、
上記導出管から分岐して設けられ先端部に第2接続孔を有する第2分岐路と、
この第2分岐路と上記導出管の交差部に設けられ、上記第2分岐路と上記導出管の連通と遮断を切り換える第2切換弁と、を備え、
上記第1接続孔と上記第2接続孔には、請求項5又は6に記載のアタッチメントが着脱可能に接続されることを特徴とするガスメータ用継手。
【請求項8】
上記第1接続孔及び上記第2接続孔のうち少なくとも上記第1接続孔には、開閉弁が設けられ、
上記開閉弁は、上記アタッチメントの着脱により開閉されることを特徴とする請求項7に記載のガスメータ用継手。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスメータの交換をガス機器へのガス供給を止めることなく行うためのガスメータ用継手、該継手用のアタッチメント及びガスメータ用継手ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に開示されたガスメータ用継手ユニットは、ガスメータの導入口及び導出口にそれぞれ接続される導入管及び導出管と、導入管と導出管を連通するバイパス路と、上記導入管と上記バイパス路の交差部に設けられ上記導入管と上記バイパス路の連通と遮断を切り換える第1切換弁と、上記バイパス路と上記導出管との交差部に設けられ上記バイパス路と上記導出管の連通と遮断を切り換える第2切換弁と、を備えている。
【0003】
特許文献1のガスメータ用継手ユニットでは、第1、第2切換弁によりガスの流路をバイパス路に切り換えることにより、ガス機器へのガスの供給を止めずにガスメータを交換できる。すなわち、ガスメータを介さずにガス機器にガスが供給される。そのため、ガスが盗用される恐れがあった。
【0004】
ガスの盗用防止のため、下記特許文献2に開示されたガスメータ用継手ユニットは、バイパス路にその連通と遮断を切り換えるためのバイパス切換弁と、バイパス切換弁を切り換えられなくする切換不能手段とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000-275080号公報
【特許文献2】特開2019-32205号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献2のガスメータ用継手ユニットでは、ガスの盗用に対する安全性を高めることができるものの、継手ユニットごとにバイパス切換弁を設けているために、製造コストが割高となっていた。
【0007】
また、バイパス切換弁が、その切換え不能状態を解除されバイパス路を連通するように切り換えられてしまった場合、ガスメータを介さずにガスを供給できてしまうため、ガスが盗用される恐れは依然としてあった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記課題の少なくとも1つを解決するためになされたものであって、本発明の一態様に係るガスメータ用継手ユニットは、
ガスメータの導入口及び導出口にそれぞれ接続される導入管及び導出管を有するガスメータ用継手ユニットであって、
上記導入管から分岐して設けられ先端部に第1接続孔を有する第1分岐路と、
上記導入管と上記第1分岐路の交差部に設けられ、上記導入管と上記第1分岐路の連通と遮断を切り換える第1切換弁と、
上記導出管から分岐して設けられ先端部に第2接続孔を有する第2分岐路と、
この第2分岐路と上記導出管の交差部に設けられ、上記第2分岐路と上記導出管の連通と遮断を切り換える第2切換弁と、
上記第1接続孔と上記第2接続孔に接続されるアタッチメントと、を備え、
このアタッチメントは、上記第1接続孔と上記第2接続孔をつなぐバイパス路と、このバイパス路の連通と遮断を切り換えるバイパス切換弁とを有し、着脱可能であることを特徴とする。
【0009】
上記構成によれば、ガスメータの交換は、第1、第2接続孔にアタッチメントを接続して導入管と導出管の間に第1分岐路、バイパス路及び第2分岐路からなる迂回路を形成し、バイパス切換弁を切り換えてバイパス路を連通させることにより、ガスを供給した状態で行うことができる。ガスの通常使用時には、アタッチメントを取り外しておくことにより、第1分岐路と第2分岐路をつなぐ流路が存在しなくなるため、ガスメータを介さずにガスを供給することはできなくなり、ガスの盗用を防ぐことができる。
【0010】
好ましくは、上記第1接続孔及び上記第2接続孔のうち少なくとも上記第1接続孔には、開閉弁が設けられ、上記開閉弁は、上記アタッチメントの着脱により開閉される。
上記構成によれば、少なくとも第1接続孔からのガスの漏出を防止することができる。
【0011】
好ましくは、上記第1切換弁には、上記導入管と上記第1分岐路を連通させるための切換えを不能な状態にするとともにその切換え不能状態を第1被押圧部が押圧されることにより解除する第1ロック手段が設けられ、
上記第2切換弁には、上記第2分岐路と上記導出管を連通させるための切換えを不能な状態にするとともにその切換え不能状態を第2被押圧部が押圧されることにより解除する第2ロック手段が設けられ、
上記アタッチメントには、上記バイパス切換弁を切り換えるための操作部が設けられ、この操作部には、上記第1被押圧部及び上記第2被押圧部のうちの一方又は双方を押圧するための押圧部が設けられており、
上記操作部が、上記バイパス路の連通のために上記バイパス切換弁を切り換えるよう操作されたとき、上記押圧部が上記第1被押圧部及び上記第2被押圧部のうちの少なくとも一方を押圧する。
上記構成によれば、バイパス路の連通のためのバイパス切換弁の切換えと、第1、第2切換弁の一方又は双方の切換え不能状態の解除とを連動させることにより、ガス流路切換えの作業性を向上させることができる。
【0012】
好ましくは、上記アタッチメントには、上記バイパス路内の空気を除去するためのエアパージ部が設けられている。
【0013】
本発明の他の態様は、ガスメータ用継手に取り付けられるアタッチメントであって、上記継手は、ガスメータの導入口及び導出口にそれぞれ接続される導入管及び導出管と、上記導入管から分岐して設けられた第1分岐路と、上記導出管から分岐して設けられた第2分岐路と、を有しており、
上記第1分岐路の先端部と上記第2分岐路の先端部をつなぐバイパス路と、
このバイパス路の連通と遮断を切り換えるバイパス切換弁と、を備え、
上記第1分岐路の先端部と上記第2分岐路の先端部に着脱可能に接続されることを特徴とする。
【0014】
上記構成によれば、ガスメータ用継手の第1、第2分岐路の先端部へのアタッチメントの接続により、ガスを供給した状態でのガスメータの交換を可能にし、ガスの通常使用時にガスメータ用継手からアタッチメントを取り外しておくことにより、ガスの盗用を防ぐことができる。
【0015】
本発明のさらに他の態様は、ガスメータの導入口及び導出口にそれぞれ接続される導入管及び導出管を有するガスメータ用継手であって、
上記導入管から分岐して設けられ先端部に第1接続孔を有する第1分岐路と、
上記導入管と上記第1分岐路の交差部に設けられ、上記導入管と上記第1分岐路の連通と遮断を切り換える第1切換弁と、
上記導出管から分岐して設けられ先端部に第2接続孔を有する第2分岐路と、
この第2分岐路と上記導出管の交差部に設けられ、上記第2分岐路と上記導出管の連通と遮断を切り換える第2切換弁と、を備え、
上記第1接続孔と上記第2接続孔には、上記アタッチメントが着脱可能に接続されることを特徴とする。
【0016】
上記構成によれば、ガスメータ用継手は、バイパス路及びバイパス切換弁を有さないため、製造コストを下げることができるとともに、ガスの盗用を防ぐことができる。また、アタッチメントの接続により、ガスを供給した状態でガスメータを交換することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ガス機器へのガス供給を止めることなくガスメータの交換を可能にし、ガスの盗用を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態に係るガスメータ用継手ユニットの継手とアタッチメントを分離した状態で示す正面図である。
図2】同継手と同アタッチメントを分離した状態で示す平面図である。
図3】(A)は、図1の3A-3A線矢視断面図であり、(B)は、図1の3B-3B線矢視断面図である。
図4】(A)図1の4A-4A線矢視断面図である。(B)図1の4B-4B線矢視断面図である。
図5】(A)同アタッチメントの斜視図である。(B)同継手の分岐路部材を示す斜視図である。
図6】同アタッチメントの分解斜視図である。
図7】同分岐路部材の分解斜視図である。
図8】同継手ユニットの正面図であって、一部を切り欠いた断面で示しており、同継手は通常使用状態、同アタッチメントのバイパス弁は遮断状態にある。
図9図8と同じ状態の同継手ユニットの平面図であって、一部を切り欠いた断面で示す。
図10】同継手ユニットの正面図であって、一部を切り欠いた断面で示しており、バイパス弁は連通状態にある。
図11】同継手ユニットの正面図であって、一部を切り欠いた断面で示しており、第1切換弁は三方開状態でバイパス弁は連通状態にある。
図12】同継手ユニットの正面図であって、一部を切り欠いた断面で示しており、第1切換弁は三方開状態、バイパス弁は連通状態、第2切換弁は第2分岐路と導出管の連通状態にある。
図13】同継手ユニットの正面図であって、一部を切り欠いた断面で示しており、第1切換弁は導入管と第1分岐路の連通状態、バイパス弁は連通状態、第2切換弁は第2分岐路と導出管の連通状態にある。
図14】ガスメータ交換作業における同継手ユニットの流路図である。
図15図14の次の作業手順を示す同継手ユニットの流路図である。
図16図15の次の作業手順を示す同継手ユニットの流路図である。
図17図16の次の作業手順を示す同継手ユニットの流路図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(ガスメータ用継手ユニット)
以下、本発明の一実施形態をなすガスメータ用継手ユニットについて、図面を参照して説明する。
図1図2に示すように、ガスメータ用継手ユニットUは、ガスメータ用継手Jと、この継手Jに取り付けられるアタッチメントAを備えている。
【0020】
(ガスメータ用継手)
ガスメータ用継手Jは、導入管10、導出管20、及び分枝路部材30を備えている。導入管10及び導出管20には、それぞれ第1切換弁40及び第2切換弁50が設けられている。分枝路部材30は、導入管10と導出管20に架け渡されるように設けられており、この架け渡し部分の内部には、図3(A)、(B)に示すように、導入管10側及び導出管20側にそれぞれ、第1分岐路1及び第2分岐路2が互いに独立して形成されている。分枝路部材30に、後述するようにアタッチメントAが取り付けられる。
【0021】
(導入管)
導入管10は、その上流側端部11(図1図2)を図示しない一次側ガス管に接続され、下流側端部12(図1)をガスメータM(図14図17)の導入口に接続ナット12aによって接続される。導入管10の中間部には、分岐管部13が形成されており、分岐管部13の内部は、図3(A)に示すように、第1分岐路1の一部を構成している。
【0022】
(第1切換弁)
図3(A)、図8に示すように、第1切換弁40は、導入管10と分岐管部13の交差部に形成された弁収容部14に設けられ、導入管10と分岐管部13の連通と遮断を切り換えるものである。第1切換弁40は、弁体41(図14図17では模式的に示す)と、弁操作部42とを有している。弁体41は、弁収容部14にその前方の開口から回動自在に収容され、回動軸線を水平方向に向けている。弁操作部42は、ばね43により前方に付勢された状態で弁体41に連結されるとともに、回動可能かつ抜け止め状態で弁収容部14の開口を封止している。
【0023】
(第1切換弁による流路の切換え)
第1切換弁40による継手Jの流路の切換えについて説明する。
弁操作部42が図3(A)、図8の位置のとき、第1切換弁40の弁体41は、図14(A)に示すように、導入管10の入側と出側を連通させ、導入管10と第1分岐路1を遮断させている。
この状態から、図11に示すように弁操作部42を反時計回りに45度回転させると、弁体41は、図14(B)に示すように、導入管10の入側と出側を連通させるとともに導入管10と第1分岐路1を連通させた三方開状態となる。
【0024】
さらに、図13に示すように弁操作部42を反時計回りに90度まで回転させると、弁体41は、図16(A)に示すように、導入管10の入側と出側を遮断するとともに導入管10の入側と第1分岐路1を連通させたバイパス状態となる。
【0025】
(第1ロック手段)
第1切換弁40には、図3(A)、図8に示すように、第1切換弁40の切換えを不能な状態にしたり、その切換え不能状態を解除したりする第1ロック手段L1が設けられている。第1ロック手段L1は、図8に示すように、ロックピン44と、弁収容部14の開口端部に設けられた規制凹部15及び円弧壁部16とを含む。
【0026】
ロックピン44は、弁操作部42の内部に弁操作部42の回動軸線と直交する方向に移動可能に収容され、抜け止め状態でばね45により弁操作部42の径方向外方向に常時付勢されている。ロックピン44は、中間部に径が細いくびれ部44aを有し、外方向の先端部44b(被押圧部)を弁操作部42の側部から露出させており、図3(A)、図8に示す導入管10のみの連通状態のとき(図14(A))、分岐管部13の突出方向と同方向を向いている。
【0027】
規制凹部15は、弁収容部14の開口端部の分岐管部13側に配置され、ロックピン44の移動を弁操作部42の周方向に規制している。規制凹部15は、周方向長さが180度より若干長い。
円弧壁部16は、規制凹部15の一端部の内側から周方向に延びるように設けられている。円弧壁部16の周方向長さは、90度より若干短い。円弧壁部16の周方向の一端部と他端部の間には、円弧壁部16の端面を切り欠いた係止凹部16aが形成されている。
【0028】
(第1ロック手段の作用)
図3(A)、図8に示すように、弁操作部42が、導入管10のみを連通させ導入管10と第1分岐路1を遮断させた位置(図14(A))にあるときには、図8に示すように、ロックピン44が円弧壁部16に当接しているため、反時計回りに弁操作部42を回すことができない。すなわち、第1切換弁40は、導入管10と第1分岐路1を連通させるための切換えが不能な状態にある。
【0029】
図10に示すように、ロックピン44の先端部44bを内方向へ押し込むことにより、ロックピン44のくびれ部44aが円弧壁部16の位置まで入り込む。これにより、くびれ部44aが円弧壁部16を跨ぐことができるので、弁操作部42を反時計回りに回転させることができるようになる。すなわち、第1切換弁40は、導入管10と第1分岐路1を連通させるための切換えが不能な状態を解除される。
【0030】
次に、図11に示すように、弁操作部42を反時計回りに45度回転させると、ロックピン44は係止凹部16aに位置するとともに、ばね45の付勢力により外方向に移動する。これにより、ロックピン44が円弧壁部16と当接するため、弁操作部42を回すことができなくなる。すなわち、第1切換弁40は図14(B)の三方開状態から切換えられなくなる。
【0031】
次に、ロックピン44の先端部44bを内方向へ押し込んで、図13に示すように、弁操作部42をさらに反時計回りに45度回転させ、第1切換弁40を図16(A)に示すバイパス状態にしたとき、ロックピン44は、規制凹部15の一端部に当接するので、それ以上反時計回りに弁操作部42を回せなくなる。
【0032】
(導出管)
導出管20は、その上流側端部21(図1)をガスメータMの導出口に接続ナット21aによって接続され、下流側端部22(図1図2)を図示しない二次側ガス管に接続される。導出管20の中間部には、分岐管部23が形成されており、分岐管部23の内部は、図3(A)に示すように、第2分岐路2の一部を構成している。図1に示す上流側端部21と分岐管部23との間には、検圧プラグを取り付けるための検圧孔21bが形成されている。
【0033】
(第2切換弁)
図3(A)、図8に示すように、第2切換弁50は、導出管20と分岐管部23の交差部に形成された弁収容部24に設けられ、導出管20と分岐管部23の連通と遮断を切り換えるものである。第2切換弁50は、弁体51(図14図17では模式的に示す)と、弁操作部52とを有している。弁体51は、弁収容部24にその前方の開口から回動自在に収容され、回動軸線を水平方向に向けている。弁操作部52は、ばね53により前方に付勢された状態で弁体51に連結されるとともに、回動可能かつ抜け止め状態で弁収容部24の開口を封止している。尚、弁収容部24の開口近くの周壁には、上記分岐管部23と同方向に突出して内部に後述するロックピン54の一部を収容するピン収容突部24aが設けられている。
【0034】
(第2切換弁による流路の切換え)
第2切換弁50による継手Jの流路の切換えについて説明する。
弁操作部52が図3(A)、図8の位置のとき、第2切換弁50の弁体51は、図14(A)に示すように、導出管20の入側と出側を連通させ、第2分岐路2と導出管20を遮断させている。
この状態から、図12に示すように弁操作部52を反時計回りに90度回転させると、弁体51は、図15(B)に示すように、導出管20の入側と出側を遮断するとともに第2分岐路2と導出管20の出側を連通させたバイパス状態となる。尚、このバイパス状態に弁体51が切り換わる際、過渡的に、導出管20の入側と出側が連通し、かつ導出管20と第2分岐路2が連通した三方開状態となるため、ガスの流路が遮断されることはない。
【0035】
(第2ロック手段)
第2切換弁50には、図3(A)、図8に示すように、第2切換弁50の切換えを不能な状態にしたり、その切換え不能状態を解除したりする第2ロック手段L2が設けられている。第2ロック手段L2は、図8に示すように、ロックピン54と、弁収容部24の開口端部に設けられた規制凹部25とを含む。
【0036】
ロックピン54は、係止ピン54aと被押圧ピン54b(被押圧部)の2つの部材からなり、弁操作部52が図3(A)、図8の位置のとき、弁操作部52の回動軸線と直交する方向に移動可能に、弁操作部52及びピン収容突部24aの内部に収容されている。このとき、ロックピン54では、内側の係止ピン54aと外側の被押圧ピン54bが同軸上に配置されている。
【0037】
係止ピン54aは、弁操作部52とピン収容突部24aに跨りばね55により弁操作部52の径方向外方向に常時付勢されている。被押圧ピン54bは、ピン収容突部24a内で係止ピン54aの先端面に接するとともに抜け止めされており、外方向の先端部をピン収容突部24aから露出させている。
【0038】
規制凹部25は、弁収容部24の開口端部の分岐管部23側から検圧孔21b側にかけて形成され、係止ピン54aの移動を弁操作部52の周方向に規制している。規制凹部25は、周方向長さが90度より若干長い。規制凹部25は、その一端部で上記ピン収容突部24aの内部と連なっている。
【0039】
(第2ロック手段の作用)
図3(A)、図8に示すように、弁操作部52が、導入管20のみを連通させ第2分岐路2と導出管20を遮断させた位置(図14(A))にあるときには、図8に示すように、係止ピン54aが、弁操作部52とピン収容突部24aに跨り、規制凹部25の一端部に当接しているため、弁操作部52を回すことができない。すなわち、第2切換弁50は、第2分岐路2と導出管20を連通させるための切換えが不能な状態にある。
【0040】
図10に示すように、ロックピン54の被押圧ピン54bを内方向へ押し込むことにより、係止ピン54aの外側端部が規制凹部25の位置まで入り込む。これにより、弁操作部52を反時計回りに回転させることができるようになる。すなわち、第2切換弁50は、第2分岐路2と導出管20を連通させるための切換えが不能な状態を解除される。このとき、時計回りには、係止ピン54aが規制凹部25の一端部に当接するので弁操作部52を回転させることはできない。
【0041】
図12に示すように、弁操作部52を反時計回りに90度回転させ、第2切換弁50を図15(B)に示すバイパス状態にしたとき、係止ピン54aは、規制凹部25の他端部に当接するので、それ以上弁操作部52を回せなくなる。
【0042】
(分岐路部材)
図5(B)、図7に示す分岐路部材30は、平面視概略T字状に形成され、2つの腕部31,32と、腕部31,32の基端部にそれぞれ設けられた胴部33,34を有している。胴部33は腕部31の基端部から前方に突出している。胴部34は腕部32の基端部から上方にわずかに延びて前方に突出している。
【0043】
図3(A)、(B)に示すように、腕部31と胴部33の内部及び腕部32と胴部34の内部には、それぞれ貫通孔が形成され互いに独立している。胴部33,34の先端部には、それぞれ接続筒部35,36が螺合により取り付けられている。腕部31、胴部33、接続筒部35の内部は、第1分岐路1における上記分岐管部13の内部以外の部分を構成している。腕部32、胴部34、接続筒部36の内部は、第2分岐路2における上記分岐管部23の内部以外の部分を構成している。
【0044】
胴部33の前方突出部分及び接続筒部35内の第1分岐路1は、第1接続孔1Aとなっており、胴部32の前方突出部分及び接続筒部36内の第2分岐路2は、第2接続孔2Aとなっている。第1、第2接続孔1A,2Aには、接続筒部35,36の先端部の雄ねじ35a,36aを介して後述するようにアタッチメントAが取り付けられる。
【0045】
第1接続孔1A内には、図3(B)、図7に示すように、開閉弁37が設けられている。開閉弁37は、有底筒状をなしており、後側の底部37aと、底部37aより径の小さい筒部に形成された窓孔37bを有している。底部37aの奥側にばね38が設けられ、手前側に弁座部材としてのリング状のパッキン39xが設けられている。パッキン39xには、ばね38に付勢された開閉弁37の筒部が挿通されるとともに弁37の底部37aの鍔状部分が着座している。これにより、第1接続孔1Aは閉じられている。
【0046】
ばね38の付勢力に抗して開閉弁37が押され、底部37aがパッキン39xから離間し、窓孔37bの一部がパッキン39xより奥側に位置すると、第1接続孔1Aは開かれる。また、接続筒部35の内周には、シール部材としてのOリング39yが設けられ、開閉弁37の筒部と対向している。
【0047】
第2接続孔2A内にも第1接続孔1Aと同様の構造で、開閉弁37、ばね38、パッキン39x、Oリング39yが設けられている。開閉弁37,37により、第1、第2接続孔1A,2Aからのガスの漏出を防止することができる。
第1、第2接続孔1A,2Aは、図3図5(B)、図7に示すように、接続筒部35,36の雄ねじ35a,36aにそれぞれ蓋c1,c2を螺合取り付けすることにより、閉塞される。そのため、アタッチメントAが取り外された状態のとき、第1、第2接続孔1A,2Aの開口を塞いでおくことができる。
【0048】
腕部31は、図3(A)、図7に示すように、抜け止め部材のC字状のストップリング31aと、シール部材の2つのOリング31bを介して導入管10の分岐管部13に抜け止め状態かつシール状態で接続されている。これにより、第1分岐路1が構成されている。
腕部32も同様にC字状のストップリング32aと、2つのOリング32bを介して導出管20の分岐管部23に抜け止め状態かつシール状態で接続され、さらに、平行ピン32cを介して分岐管部23に対して回り止めされている。この接続により、第2分岐路2が構成されている。
【0049】
(アタッチメント)
アタッチメントAは、内部にバイパス路3を有し、分岐路部材30の第1、第2接続孔1A,2Aに接続されることにより、バイパス路3が第1接続孔1Aと第2接続孔2Aをつなぐものである。図2図5(A)に示すように、アタッチメントAは、平面視概略Y字状に形成され、図4図6に示すように、ト字状の第1本体61と、L字状の第2本体62と、弁体63(バイパス切換弁)と、ドライブシャフト64及び操作つまみ65で構成される操作部66と、解除金具67と、エアパージ部70とを含む。
【0050】
(第1本体)
ト字状の第1本体61は、図4(A)、図6に示すように、直線状の主部61aと、その中間部から直交方向に分岐した枝部61bとを有している。主部61aの内部には、その軸線上を一端から他端まで貫通する貫通孔61cが形成されている。枝部61bの内部には、先端から基端まで貫通し、貫通孔61cと連通する貫通孔61dが形成されている。貫通孔61cと貫通孔61dの交差部には、弁体63を収容するための弁体収容部61hが形成されている。貫通孔61c及び貫通孔61dは、バイパス路3の一部を構成している。
【0051】
主部61aの一端部は、上記第1接続孔1Aとの接続に供される第1接続部61Xとなっており、C字形状のストップリング61eを介して自在ナット61fが抜け止め状態で回転可能に取り付けられている。自在ナット61fから主部61aの一端が突出している。図4(A)に示すように、主部61aの一端部の貫通孔61cは、一端からの所定位置で段差面61gを境に内径が小さくなっている。
【0052】
(第2本体)
L字状の第2本体62は、第1本体61の枝部61bに取り付けられる基部62aと、基部62aと直交方向に延びる主部62bと、を有している。第2本体62には、基部62aと主部62bの内部を貫通する貫通孔62cが形成されている。貫通孔62cは、バイパス路3の一部を構成している。すなわち、上記第1本体の貫通孔61c,61d、及び第2本体の貫通孔62cにより、バイパス路3が構成されている。
【0053】
第2本体62の基部62aは、第1本体61の枝部61bに、C字状のストップリング62dを介して抜け止め状態で、弾性材の2つのOリング62eを介してシール状態で、接続され、基部62aの貫通孔62cが、枝部61bの貫通孔61dと連通する。これによりバイパス路3が構成される。
【0054】
第2本体62の主部62bの先端部は、上記第2接続孔2Aに接続される第2接続部62Xとなっており、C字形状のストップリング62gを介して自在ナット62hが抜け止め状態で回転可能に取り付けられている。自在ナット62hから主部62bの先端が突出している。図4(A)に示すように、主部62bの先端部において、貫通孔62cは先端からの所定位置で段差面62iを境に内径が小さくなっている。
【0055】
(バイパス切換弁)
弁体63(バイパス切換弁)は、上記第1本体61の弁体収容部61hに貫通孔61cの軸線を中心として回動自在に収容され、貫通孔61cと貫通孔61dの連通と遮断を切り換えるものであり、ひいては、バイパス路3の連通と遮断を切り換えるものである。
【0056】
弁体63には、回動軸線方向の第1接続部61X側から弁体63の側方に貫通して、貫通孔61c,61dと連絡可能な連絡孔63aが形成されている。弁体63は、図4(A)に示す位置が遮断位置であり、この遮断位置から周方向に90度ずれた位置が連通位置である。
【0057】
弁体63における第1接続部61X側とは反対側には、操作部66の取付けのための円柱軸部63bが設けられている。円柱軸部63bは、弁体63の回動軸線と同軸をなして、先端部に径方向に延びる係合凹部63cを有しており、操作部66のドライブシャフト64の取付けに用いられる。
【0058】
(操作部)
操作部66は、弁体63を切換え操作するためのものであり、操作部66を構成するドライブシャフト64は、図4(A)、図6に示すように、概略円柱状に形成され、上記第1本体61の主部61aの内部に弁体63と同軸に配置されている。ドライブシャフト64の弁体63側には、上記弁体63の円柱軸部63bに対応した円形凹部64aが形成され、円形凹部64a内には、上記弁体63の係合凹部63cに対応した係合凸部64bが形成されている。円柱軸部63bが円形凹部64aに嵌り、係合凹部63cと係合凸部64bが係合することにより、弁体63とドライブシャフト64は相対回動不能に連結されている。また、弁体63とドライブシャフト64の間には、ばね68が配設されている。
【0059】
ドライブシャフト64の側面には、係止軸69が貫通する切欠き64c,64cが周方向に延びて径方向に対向して一対形成されている。係止軸69は、その両端部を上記第1本体61の主部61aの周壁に固定されており、ドライブシャフト64が回動したとき、係止軸69が切欠き64cの周方向の端部に当接することにより、回動が規制される。
ドライブシャフト64における弁体63とは反対側の端面には、係合凸部64dが設けられ操作つまみ65の取付けに用いられる。
【0060】
操作部66を構成する操作つまみ65は、円形のキャップ状に形成され、底部の内底面に形成された係合凹部65aをドライブシャフト64の係合凸部64dに係合させることにより、ドライブシャフト64に相対回動不能に連結されるとともに、上記第1本体61の主部61aの他端側の開口を閉塞している。操作つまみ65の底部の外底面には概略直方体状をなし径方向に延びるつまみ部65bが設けられている。つまみ部65bの端面には、つまみ部65bと同方向に延びる溝部65cが形成され、解除金具67の取付けに用いられる。
【0061】
(解除金具)
解除金具67は、上記第1切換弁40の第1ロック手段L1及び上記第2切換弁50の第2ロック手段L2を押圧操作するためのものであって、図5(A)、図6に示すように、細長い金属板を折り曲げて形成されている。解除金具67は、取付基部67aと、第1押圧部67bと、第2押圧部67cとを有している。
取付基部67aは、上記操作つまみ65の溝部65cに嵌め込まれており、ビスvが取付基部67a、操作つまみ65及びドライブシャフト64を一体に固定している。
【0062】
第1押圧部67bは、取付基部67aの一端から直交方向に折れ曲がって上記第1本体61の主部61aと同方向に延びている。第1押圧部67bの先端部は、図10に示すように、第1ロック手段L1のロックピン44の先端部44b(被押圧部)の押圧に用いられる。
【0063】
第2押圧部67cは、取付基部67aの他端から直交方向に折れ曲がって第1押圧部67bと同方向に平行に延びて、先端部67dが第1押圧部67bとは反対側に直角に折り曲げられている。第2押圧部67cの先端部67dは、図10に示すように、第2ロック手段L2のロックピン54の被押圧ピン54b(被押圧部)の押圧に用いられる。
【0064】
(エアパージ部)
エアパージ部70は、バイパス路3内の空気を除去するためのものであって、図4(B)、図6に示すように、上記第2本体62の基部62aと主部62bの交差部に形成されたパージ孔71と、パージ孔71に取り付けられたプラグ72とを含む。
【0065】
パージ孔71は、上記第2本体62の貫通孔62cに連通している。プラグ72は、日本産業規格JIS S 2135に規定されたガス栓用迅速継手タイプのプラグの外形及び寸法を有している。プラグ72は、その内部の孔部に、球弁73、ばね74及びOリング75を有している。
【0066】
球弁73は、プラグ72の孔部を移動可能である。球弁73は、ばね74によりプラグ72の先端方向に付勢されて、弁座部材としてのOリング75に着座している。これにより、プラグ72の孔部は閉じている。球弁73がばね74の付勢力に抗してOリング75から離間させられるとプラグ72の孔部は開かれる。プラグ72には、図示しないソケットが装着されることにより孔部が開かれるが、プラグ72とソケットの接続構造は、周知のものと同様であるのでその詳細な説明は省略する。
【0067】
(アタッチメントの分岐路部材への取付け)
アタッチメントAの分岐路部材30への取付けは、第1本体61の第1接続部61Xを第1分岐路1の第1接続孔1Aに接続し、第2本体62の第2接続部62Xを第2分岐路2の第2接続孔2Aに接続することによりなされる。
【0068】
第1接続部61Xの接続では、図9に示すように、自在ナット61fから突出する主部61aの一端を第1接続孔1Aに差し込むと、貫通孔61cの段差面61gが開閉弁37を押し、第1接続孔1Aは開かれる。このとき、主部61aの外周と第1接続孔1Aの接続筒部35の内周は、Oリング39yによりシールされている。
【0069】
第2接続部62Xの接続においても、第1接続部61Xと同様に、自在ナット62hから突出する主部62bの先端を第2接続孔2Aに差し込むと、貫通孔62cの段差面62iが開閉弁37を押し、第2接続孔2Aは開かれる。このとき、主部62bの外周と第2接続孔2Aの接続筒部36の内周は、Oリング39yによりシールされている。
【0070】
第1、第2接続部61X,62Xは、それぞれ自在ナット61f、62hにより、接続筒部35,36の雄ねじ35a,36aに螺合固定され、螺合の解除により第1、第2接続孔1A,2Aから取外し可能となる。すなわち、第1、第2接続部61X,62Xは、第1、第2接続孔1A,2Aに着脱可能であり、ひいては、アタッチメントAは分岐路部材30に着脱可能である。
【0071】
アタッチメントAの分岐路部材30への取付けにより、バイパス路3が第1接続孔1Aと第2接続孔2Aをつなぐ。これにより、導入管10と導出管20の間に、第1分岐路1、バイパス路3及び第2分岐路2からなる迂回路が形成される。
【0072】
図8図9に示すように、アタッチメントAが分岐路部材30に取り付けられ、バイパス路3内の弁体63が遮断位置にあるとき、つまみ部65bは上下方向に延びており、解除金具67の第1、第2押圧部67b,67cがそれぞれ、操作つまみ65の上方及び下方に位置している。この状態から、図10に示すように、操作つまみ65を反時計周りに90度回転させると、弁体63が連通位置となる。
【0073】
(ガスメータの交換方法)
上記ガスメータ用継手ユニットUを用いたガスメータMの交換方法について説明する。
図1図3に示すガスメータ用継手Jは、通常使用状態のものであり、流路は、図14(A)に示すように、第1切換弁40の弁体41が、導入管10の入側と出側を連通させるとともに導入管10と第1分岐路1を遮断させている。第2切換弁50の弁体51が、導出管20の入側と出側を連通させるとともに導出管20と第2分岐路2を遮断させている。
【0074】
先ず、アタッチメントAをガスメータ用継手Jに取り付ける。この取付けでは、図8図9に示すように、アタッチメントA内の弁体63(バイパス切換弁)を遮断位置にして、アタッチメントAの第1、第2接続部61X,62Xを、それぞれ、ガスメータ用継手Jの第1、第2接続孔1A,2Aに接続する。
【0075】
次に、アタッチメントAのバイパス路3を連通させる。この連通では、図8図9に示す、弁体63が遮断位置にある状態から、図10に示すように、操作つまみ65を反時計周りに90度回転させ、弁体63を連通位置に切り換える。このとき、解除金具67の第1押圧部67bの先端部が第1ロック手段L1のロックピン44の先端部44bを押圧し、第2押圧部67cの先端部67dが第2ロック手段L2のロックピン54の被押圧ピン54bを押圧する。よって、第1切換弁40における導入管10と第1分岐路1を連通させるための切換えが不能な状態と、第2切換弁50における第2分岐路2と導出管20を連通させるための切換えが不能な状態とが、同時に解除される。
【0076】
次に、図11に示すように、第1切換弁40の弁操作部42を反時計回りに45度回転させ、図14(B)に示すように、弁体41を、導入管10の入側及び出側と第1分岐路1とを連通させた三方開状態にする。この状態で、プラグ72に図示しないソケットを接続し、バイパス路3を大気に連通させ、図15(A)に示すように、バイパス路3のエアパージを行う。
【0077】
次に、図12に示すように、第2切換弁50の弁操作部52を反時計回りに90度回転させ、図15(B)に示すように、弁体51をバイパス状態にすると、導出管20におけるガスメータM側からの流路は遮断され、ガスは導入管10の入側から第1分岐路1、バイパス路3及び第2分岐路2を経由して導出管20の出側に流れるようになる。
【0078】
次に、図12の状態において、第1ロック手段L1のロックピン44の先端部44bを押圧して、図13に示すように第1切換弁40の弁操作部42を反時計回りに45度回転させる。このとき、図16(A)に示すように、弁体41は、バイパス状態となり、導入管10の入側と第1分岐路1のみを連通させ、ガスメータM側にはガスが流れなくなり、ガスメータMを取り外して新たなガスメータに交換することが可能になる。
【0079】
(ガスメータの交換後)
新たなガスメータM’の取付け、及びその気密検査の後、検圧孔21bに図示しないソケットを接続し、ガスメータM’を大気に連通させエアパージを行う。ガスメータM’のエアパージをするとき、図13の状態から図12に示すように、第1切換弁40の弁操作部42を時計回りに45度回転させ、図16(B)に示すように、弁体41を三方開状態にする。
【0080】
ガスメータM’のエアパージの後、ガスメータ用継手Jを通常使用状態に戻すために、図12の状態から図11に示すように、第2切換弁50の弁操作部52を時計回りに90度回転させ、図17(A)に示すように、弁体51を導出管20の入側と出側のみを連通させた状態にする。
次に、図11の状態から図10に示すように、第1切換弁40の弁操作部42を時計回りに45度回転させ、図17(B)に示すように、弁体41を導入管10の入側と出側のみを連通させた状態にする。これにより、ガスメータ用継手Jは通常使用状態となる。
【0081】
最後に、図10の状態から、図8図9に示すようにアタッチメントAの操作つまみ65を時計まわりに90度回転させ、弁体63を遮断位置にして、図1図2に示すように、アタッチメントAをガスメータ用継手Jから取り外す。また、第1、第2接続孔1A,2Aには、図3(A),(B)に想像線で示すように、蓋c1,c2を取り付ける。
【0082】
(実施形態の効果)
上記実施形態によれば、ガスメータ用継手JにアタッチメントAを接続することにより、ガスメータの交換をガスの供給を止めることなく行うことができる。
上記実施形態によれば、ガスの通常使用時には、アタッチメントAを取り外しておくことにより、ガスの盗用を防ぐことができる。
上記実施形態によれば、アタッチメントAの弁体63の連通位置への切換え操作と、第1、第2切換弁40,50の切換え不能状態の解除操作とを連動させることにより、ガス流路切換えの作業性を向上させ、ひいてはガスメータ交換の作業性を向上させることができる。
上記実施形態によれば、ガスメータ用継手Jには、バイパス路及びバイパス切換弁を設けないため、製造コストを下げることができる。また、アタッチメントAは、ガスメータの交換業者に所有されればよく、複数のガスメータ用継手Jにおけるガスメータの交換に用いることができる。
【0083】
(変形例)
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において各種の変形例を採用することができる。
上記実施形態では、分岐路部材の第1、第2接続孔の双方に開閉弁を設けたが、第1接続孔にのみ設けてもよい。
上記実施形態では、解除金具を用いて、バイパス切換弁の連通位置への切換えと、第1、第2切換弁の双方の切換え不能状態の解除とを同時に行ったが、バイパス切換弁の連通位置への切換えと、第1、第2切換弁のどちらか一方の切換え不能状態の解除とを同時に行ってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明は、ガスメータの交換をガス機器へのガス供給を止めることなく行うためのガスメータ用継手、該継手用のアタッチメント及びガスメータ用継手ユニットに適用することができる。
【符号の説明】
【0085】
U:ガスメータ用継手ユニット、J:ガスメータ用継手、A:アタッチメント、M,M’:ガスメータ、L1:第1ロック手段、L2:第2ロック手段、c1,c2:蓋、1:第1分岐路、1A:第1接続孔、2:第2分岐路、2A:第2接続孔、3:バイパス路、10:導入管、11:上流側端部、12:下流側端部、12a:接続ナット、13:分岐管部(第1分岐路)、14:弁収容部(交差部)、15:規制凹部(第1ロック手段)、16:円弧壁部(第1ロック手段)、16a:係止凹部(第1ロック手段)、20:導出管、21:上流側端部、21a:接続ナット、21b:検圧孔、22:下流側端部、23:分岐管部(第2分岐路)、24:弁収容部(交差部)、24a:ピン収容突部、25:規制凹部(第2ロック手段)、30:分岐路部材、31:腕部(第1分岐路)、32:腕部(第2分岐路)、31a,32a:ストップリング、31b,32b:Oリング、32c:平行ピン、33:胴部(第1分岐路、第1接続孔)、34:胴部(第2分岐路、第2接続孔)、35:接続筒部(第1分岐路、第1接続孔)、36:接続筒部(第2分岐路、第2接続孔)、35a,36a:雄ねじ、37:開閉弁、37a:開閉弁の底部、37b:開閉弁の窓孔、38:ばね、39x:パッキン、39y:Oリング、40:第1切換弁、41:弁体、42:弁操作部、43:ばね、44:ロックピン(第1ロック手段)、44a:ロックピンのくびれ部(第1ロック手段)、44b:ロックピンの先端部(第1被押圧部、第1ロック手段)、45:ばね、50:第2切換弁、51:弁体、52:弁操作部、53:ばね、54:ロックピン(第2ロック手段)、54a:係止ピン(ロックピン、第2ロック手段)、54b:被押圧ピン(第2被押圧部、第2ロック手段)、55:ばね、61:第1本体(アタッチメント)、61a:主部、61b:枝部、61c:貫通孔(バイパス路)、61d:貫通孔(バイパス路)、61e:ストップリング、61f:自在ナット(第1接続部)、61g:段差面(第1接続部)、61h:弁体収容部、61X:第1接続部、62:第2本体(アタッチメント)、62a:基部、62b:主部、62c:貫通孔(バイパス路)、62d:ストップリング、62e:Oリング、62g: ストップリング、62h:自在ナット(第2接続部)、62i:段差面(第2接続部)、62X:第2接続部、63:弁体(バイパス切換弁)、63a:連絡孔、63b:円柱軸部、63c:係合凹部、64:ドライブシャフト(操作部)、64a:円形凹部、64b:係合凸部、64c:切欠き、64d:係合凸部、65:操作つまみ(操作部)、65a:係合凹部、65b:つまみ部、65c:溝部、66:操作部、67:解除金具、67a:取付基部、67b:第1押圧部、67c:第2押圧部、67d:第2押圧部の先端部、68:ばね、69:係止軸、70:エアパージ部、71:パージ孔、72:プラグ、73:球弁、74:ばね、75:Oリング
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