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特開2022-16337クレーンブーム用の解体可能な格子部品
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022016337
(43)【公開日】2022-01-21
(54)【発明の名称】クレーンブーム用の解体可能な格子部品
(51)【国際特許分類】
   B66C 23/64 20060101AFI20220114BHJP
【FI】
B66C23/64
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021111248
(22)【出願日】2021-07-05
(31)【優先権主張番号】10 2020 118 256.2
(32)【優先日】2020-07-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】597120075
【氏名又は名称】リープヘル-ヴェルク エーインゲン ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Liebherr-Werk EhingenGmbH
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヴィーデマン ウルリッヒ
(72)【発明者】
【氏名】ボーナカー ローランド
(72)【発明者】
【氏名】シュタングル トーマス
【テーマコード(参考)】
3F205
【Fターム(参考)】
3F205AA05
3F205CA01
3F205CA10
3F205JA02
(57)【要約】
【課題】迅速且つ簡単に組み立てることができる、解体可能な格子部品を提供する。
【解決手段】本発明は、複数の接続バーによって互いに溶接で固定される少なくとも2つのコーナーバーによってそれぞれが形成される2つの側部コーナーバーを有し、コーナーバープレートにジブで取り付け可能な横接続部を有する、クレーンブーム用の解体可能な格子部品に関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の接続バーによって互いに溶接で固定される少なくとも2つのコーナーバーを有する2つの側部コーナーバー部品と、側部コーナーバー部品を連結し且つ側部コーナーバー部品にジブで取り付けられる少なくとも1つの横接続部とを有する、クレーンブーム用の解体可能な格子部品。
【請求項2】
請求項1の格子部品において、
横接続部は、側部コーナーバー部品にジブで取り付けられる複数の斜め方向バーを有し、横接続部の斜め方向バーは、好ましくは、側部コーナーバー部品のコーナーバー及び/または支柱及び/または他の接続バー及び/またはフォークフィンガー接続部にジブで取り付け可能であることを特徴とする格子部品。
【請求項3】
請求項1または2の格子部品において、
横接続部は、側部コーナーバー部品に垂直にジブで取り付け可能な2つの平板状の格子プレートを有し、格子プレートは、好ましくは側部コーナーバー部品の端部領域においてジブで取り付けられ且つ格子部品の側面を形成することを特徴とする格子部品。
【請求項4】
請求項3の格子部品において、
斜め方向バー及び/または支柱によって接続され、特に溶接で互いに固定される2つの平行な長手方向ビーム材を有することを特徴とする格子部品。
【請求項5】
請求項1から4の何れか1つの格子部品において、
側部コーナーバー部品は、搬送のために互いに積み重ねられた側部コーナーバー部品を互いに連結できるように、それぞれ少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つの接続コンソール、特にツイストロックコンソールを備えていることを特徴とする格子部品。
【請求項6】
請求項1の格子部品において、
少なくとも2つの側部コーナーバー部品は、それぞれが4つのコーナーバーを有する空間的に広がりのある側部コーナーバー部品であり、1つの平面に配置されるコーナーバーは、接続バー、特に斜め方向バー及び/または支柱によって互いに溶接で固定されることを特徴とする格子部品。
【請求項7】
請求項6の格子部品において、
2つの側部コーナーバー部品がx字形状の横接続部によって互いにジブで取り付けられていることを特徴とする格子部品。
【請求項8】
請求項7の格子部品において、
x字形状の斜め連結部は、互いに平行に配置され理想的にはバーによって互いに溶接された少なくとも1組の交差する斜め方向バー、好ましくは2組の交差する斜め方向バーによって形成されていることを特徴とする格子部品。
【請求項9】
請求項8の格子部品において、
交差する斜め方向バーが、斜めの軸の周りで旋回可能な交差ポイントで互いに接続されていることを特徴とする格子部品。
【請求項10】
請求項7から9の何れか1つの格子部品において、
側部コーナーバー部品に直角にジブで取り付け可能な2つの平面状の格子プレートが設けられ、平面状の格子プレートが、格子部品の側面を形成する側部コーナーバー部品の端部領域においてジブで取り付けられることを特徴とする格子部品。
【請求項11】
請求項10の格子部品において、
格子プレートは、それぞれ、斜め方向バー及び/または支柱によって接続され、特に互いに溶接で固定された2つの平行な長手方向ビーム材を有すること、及び/または格子プレートがx字形状の横接続部の端部にジブで取り付けられることを特徴とする格子部品。
【請求項12】
請求項1から11の何れか1つの格子部品において、
格子部品の作業高さが、格子部品の個々の部品から形成される搬送ユニットの搬送幅に実質的に対応すること、及び/または格子部品の個々の部品のすべてが搬送ユニットを形成すること、及び/または側部コーナーバー部品が組み立て位置に対してコーナーバーの長手方向の軸の周りで90°回転することを特徴とする格子部品。
【請求項13】
クレーン、特に移動式クレーンであって、
請求項1から12の何れか1つの格子部品を少なくとも1つ有するクレーン、特に移動式クレーン。
【請求項14】
請求項1から5または12の何れか1つの格子部品を組み立てる方法であって、
コーナーバープレートを90°立ち上げ且つコーナーバープレートを組み立てフレーム及び/または組み立てコンソールに固定して、組み立てフレーム及び/または組み立てコンソール上に立設するステップと、
第2のコーナーバープレートを、コーナーバーの上で立設するように90°起立させ、コーナーバープレートを組み立てフレーム及び/または組み立てコンソールに接続するステップと、
第1の格子プレートを組み立てまたは折りたたみ、格子プレートを反対側に配置されたコーナーバープレートに接続するステップと、
少なくとも1つの斜め方向バーを挿入するステップと、
第2の格子プレートを組み立てまたは折りたたみ、第2の格子プレートを反対側に配置されたコーナーバープレートに接続するステップと、
を有する方法。
【請求項15】
請求項14の方法において、
第2の格子プレートの組み立て後に、さらにすべての斜め方向バーを挿入し、好ましくはまずすべてのバーを地面上または地面近くのコーナーバーの間に挿入し、斜め方向バーの挿入後に金属のギャングウェイプレートを好ましくは斜め方向バーに取り付けることを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項6から12の何れか1つの格子部品を組み立てる方法において、
x字形状の横筋交い材を長手方向の軸心で90°回転させて起立させるステップと、
x字形状の横筋交い材を組み立てフレームに配置するステップと、
第1及び第2の格子プレートを展開するステップと、
第1及び第2のコーナーバープレートをその長手方向の軸の周りで90°起立させてx形状の横筋交い材にジブで取り付けるステップと、を有する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クレーンブーム用の解体可能な格子部品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
格子状のマストクレーンに使用される、解体できない平行六面体の格子部品は、一般的に幅が3~4メートルであり、その理由は、これらの寸法が格子部品を経済的に搬送するための一般的な限界値だからである。しかし、格子部品の幅が大きいことは、クレーンブームで得ることができる剛性に関しては望ましい。その理由は、格子部品の幅が大きいと結果的に格子部品の部分の慣性モーメントが大きくなり、側方へのブームの変形が小さくなるためである。
【0003】
そのため、前述の4メートルよりも大きな幅寸法にしても経済面で実用的に搬送でき、可能な限り大きな、剛性の高い格子部品を使用できる大型クレーンの解決手段が求められている。具体的に、分割可能な格子部品を提案するという不完全な解決手段はすでに分かっている。このような格子部品は、格子部品を構築するために互いにジブで取り付け可能な個別のバーで構成される。また、2つの個別のセグメントを備え、個別の各セグメントが空間的に広がる支持構造を表すものも知られている。これらの個別の要素は、斜め方向のチューブによって互いに接続される。しかしながら、これらの解決策はいずれも、搬送に関して、そして迅速な組み立てに関しても、最適化する必要がある。
【0004】
格子部品のサイズを大きくする代わりに、平行なクレーンタワーを有するクレーンの構造も知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、経済面で実用的な搬送寸法を有しながら、大きな格子部品を形成するためにできるだけ迅速且つ簡単に組み立てることができる、解体可能な格子部品に関する他の解決手段を示すことである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、請求項1の特徴に係る解体可能な格子部品によって達成される。格子部品の有利な実施形態は、従属請求項の対象である。
【0007】
本発明によれば、このような格子部品を2つの側部コーナーバー部品から組み立てることが提案される。各側部コーナーバー部品、特に側部コーナーバープレートは、複数の接続バーによって互いに溶接で固定される少なくとも2つのコーナーバーを有し、したがって独立した支持構造を形成する。これら個別の側部コーナーバー部品は、搬送のために互いに積み重ねることができ、したがって、特に省スペースな方法で配置場所へ搬送できる。本発明に係る格子部品の組み立てに必要なのは、特にこの目的のために設けられる横接続部によって、少なくとも2つの側部コーナーバー部品を一つにまとめることだけである。横接続部は、この目的のために2つの側部コーナーバー部品にジブで取り付けられる。
【0008】
組み立てた作業形態において、格子部品は、経済的な搬送寸法、及び一部の国で認可されている寸法よりも大幅に大きい。しかしながら、この格子部品は、横接続部へのジブでの取り付けを解除することにより2つの側部コーナーバー部品が互いに分離される点で、道路搬送のために簡単に解体できる。側部コーナーバー部品は、ジブ取り付けを解除した後に、特にその長手方向の軸の周りで90°回転させて、互いに積み重ねることができる。横接続部またはその個々の部品は、理想的には、積み重ねられた側部コーナーバー部品の上またはその間に格納できる。格子部品の全体は、解体された搬送状態において、許容される搬送幅及び搬送高さを超えない。このために、側部コーナーバー部品の高さ、すなわちコーナーバーの相互の距離が搬送幅内であることが重要である。解体された格子部品の個々の部品は、搬送状態において、搬送ユニットを形成することが好ましい。
【0009】
横接続部は、例えば、側部コーナーバー部品にジブで取り付け可能な複数の斜め方向バーを有する。斜め方向バーは、端部側の側部コーナーバー部品のコーナーバーにジブで取り付けることができる。
【0010】
それに加えて、あるいはそれに代えて、横接続部は、側部コーナーバー部品に直角にジブで取り付けられる少なくとも2つの平面状の格子プレートを有していてもよい。これらの格子プレートは、組み立てられた格子部品の側面を形成する。これらの格子プレートのそれぞれは、側部コーナーバー部品の端部領域にジブで取り付けることが好ましい。格子プレートは、ジブでの取り付けにより、搬送のために側部コーナーバー部品から取り外されるか、または側部コーナーバー部品の上に折り畳むことができる。したがって、格子部品の外形は、両方の側部コーナーバー部品と両方の格子プレートによって形成される。これらの格子プレートは、それぞれ、例えば、斜め方向バー及び/または支柱により互いに接続、特に溶接で固定される2つの平行な長手方向ビーム材を有することができる。
【0011】
側部コーナーバー部品自体は、少なくとも1つの接続コンソールで構成できる。このような接続コンソールは、搬送中に、互いに積み重ねられた個々の側部コーナーバー部品を相互に固定する役割を果たす。このような接続コンソールは、好ましくは、側部コーナーバー部品のコーナーバーに配置でき、特に、垂直に突出した形で溶接できる。好ましくは、少なくとも2つの接続コンソールが、側部コーナーバー部品またはコーナーバーごとに設けられる。接続コンソールは、理想的には、コンテナ分野で既に知られている、いわゆるツイストロックコンソールとして構成される。
【0012】
本発明のさらに有利な実施形態によれば、少なくとも2つの側部コーナーバー部品を、空間的に広がる側部コーナーバー部品として構成することもできる。空間的な広がりの範囲は、空間的に広がる平行六面体形状の構造を形成するために、適切な接続ビーム、特に支柱及び/または斜め方向材で互いに接続される4つの各コーナーバーによって得られる。側部コーナーバー部品自体は、一般的に幅の狭い格子部品として構成される。ここで、コーナーバーは接続ビームによって互いに溶接で固定される。直接的に隣接するコーナーバー、すなわち共通の平面上に配置されたコーナーバーは、好ましくは、接続ビーム材、好ましくは斜め方向ビーム材及び/または支柱によって互いに溶接で固定される。
【0013】
有利には、2つの空間的に広がる側部コーナーバー部品は、x字形状の横接続部によって互いにジブで取り付けられるか、またはジブで取り付け可能である。x字形状の横接続部は、好ましい実施形態によれば、一対の交差する斜め方向ビームによって形成でき、斜め方向ビームは、好ましくは、交点で互いに連結される。それらは、好ましくは、接続される側部コーナーバー部品の間の距離の約半分の、中央部で交差する。このようなx字形状の横接続部は、格子部品のねじり抵抗の増加に役立つ。2つの個々の未接続の側部コーナーバー部品についてのねじり抵抗は、x字形状の横接続部の斜め方向接続によって大幅に増加する。x字形状の横接続部の斜め部分は、ここでは、2つの側部コーナーバー部品が互いへ向かうねじれと変位を防止する(斜め部分は、ここでは、張力と圧縮に対応する。
【0014】
このような交差する斜め方向バーの複数組を、x字形状の横接続部に用いることも同様に考えられる。これらの組は、接続される側部コーナーバー部品の間に、互いに平行に配置するのが好ましい。交差する斜め方向バーの隣接する組は、1つ以上のバーを介して互いに溶接で固定できる。斜め方向の接続部は、ここでは平面的な枠組みとして構成できる。幅が狭い個々の側部コーナーバー部品のねじれ長さは、格子部品の全長に対応してい。側部コーナーバー部品は、一般的な格子部品として構成された枠組みにより、格子部品の全長にわたって圧縮されたときには剛性が大きい。
【0015】
特に有利な実施形態によれば、交差する斜め方向バーは、交差点において少なくとも1つの旋回軸の周りで互いに旋回可能である。少なくとも1つの旋回軸は、特に斜め方向バーの長手方向と交差する。旋回軸により、特に斜め方向バーが互いにほぼ平行に、特に好ましくは互いに接触して配置されるように、搬送経路のためのx字形状の横接続部を省スペースな方法で折り畳むことができる。
【0016】
このx字形状の横接続部に加えて、空間的に広がる2つの側部コーナーバー部品は、1つまたはそれより多くの格子プレートによって互いに接続できる。格子プレートは、端部側で側部コーナーバー部品にジブで取り付けることができる。ここで、格子プレートは、前述したように、斜め方向バー及び/または支柱によって互いに溶接で固定された平行な2本の長手方向ビーム材から組み立ててもよい。側部コーナーバー部品の端部の領域にジブで取り付けられた格子プレートは、側部コーナーバー部品と共に、結果として得られる格子部品の外形を形成する。x字形状の横接続部の端部は、好ましくは、格子プレートの端部領域またはコーナーバープレートの端部領域に接続、すなわち、ジブで取り付けられる。
【0017】
格子プレートは、理想的には、少なくとも1つの側部コーナーバー部品に旋回可能にジブで取り付けられる。それによって、格子プレートは、対応する側部コーナーバー部品上で、搬送のために省スペースな方法で折り畳むこともできる。
【0018】
空間的に広がる側部コーナーバー部品としての側部コーナーバー部品及び空間的に広がらない側部コーナーバー部品としての側部コーナーバー部品としての両方に適用される本発明のさらに有利な態様は、格子部品の作業高さが、格子部品の個々の部品から形成される搬送ユニットの搬送幅に実質的に対応することである。側部コーナー部品、横接続部、及び/または格子プレートなどの解体された個々の部品の複数は、搬送ユニットを形成するために、省スペースな方法で互いに積み重ねられるか、または互いに折り畳まれる。搬送ユニットは、理想的には、解体された格子部品のすべての個々の部品を含む。側部コーナーバー部品は、搬送ユニットを形成するために、組み立て/解体の方向に対してコーナーバーの長手方向軸の周りで90°回転する。このことには、組み立てられた格子部品の高さが、動作中の搬送ユニットの搬送幅に対応する効果がある。取り付け手順としては、側部コーナーバー部品をコーナーバーの長手方向の軸の周りで90°回転させて、搬送ユニットにおける位置から、必要な取り付け位置に移動させる。
【0019】
搬送状態におけるジブでの取り付けは、好ましくは、前記接続コンソールまたはツイストロックコンソールで行われる。このことにより、側部コーナーバー部品と中央の格子40とを安価に接続できる。前記コンソールは、複数の格子部品を積み重ねるために使用してもよい。
【0020】
本発明は、本発明に係る格子部品に加えて、本発明に係る少なくとも1つの格子部品を有するクレーン、特に移動式クレーンに関する。クレーンは、好ましくは、本発明に係る複数の格子部品から組み立てられるタワー及び/または格子状ブームを有する。したがって、クレーンは、本発明に係る格子部品と同じ効果及び特性を特徴とし、繰り返しを避けるために上記の記載を参照するものとする。
【0021】
本発明では、さらに、本発明に係る格子部品を組み立てる方法が保護される。側部コーナーバー部品を互いに接続する個々の斜め方向バーを有する格子部品の実施形態では、少なくとも側部コーナーバー部品、好ましくは格子部品の個々の構成要素の全てを、互いに積み重ねて搬送が行われる。その後、設置場所において以下の方法ステップで格子部品が設置される。
【0022】
側部コーナーバー部品を、組み立てによって、すなわち、その長手方向の軸の周りで90度回転させることによって搬送位置から立ち上げ、側部コーナーバー部品を、組み立てフレームまたは組み立てコンソールに固定して組み立てる。この組み立て位置では、側部コーナーバー部品は、地面上のコーナーバーの長さの全体でコーナーバーの上に位置するか、または組み立てコンソール内で、特に地面に近くで、例えばジブにより取り付けられる。
【0023】
続くステップでは、第2の側部コーナーバー部品が類似の方法で立ち上げられ、組み立てフレーム及び/または組み立てコンソールに接続される。このようにして、2つの側部コーナーバー部品を、組み立てフレームによって、互いから固定的に定められた距離に位置合わせすることができ、その距離は、特に格子プレートの寸法に合わされる。
【0024】
第1の格子プレートの組み立てまたは展開と、格子プレートの対向配置された側部コーナーバー部品への接続またはジブでの取り付けが、次に行われる。組み立てフレームによって2つの側部コーナーバー部品の距離が前もって定められているので、少なくとも1つの格子プレートと側部コーナーバー部品は直ちにジブで取り付けられる位置になる。ジブでの取り付けの後は、側部コーナーバー部品を接続する少なくとも1つの斜め方向バーがそれらの安定化のために使用される。
【0025】
その後、第2の格子プレートを、展開または組み立てて、対向配置された側部コーナーバー部品にジブで取り付けることができる。既に説明したように、個々の格子プレートは、側部コーナーバー部品から完全に取り外されるか、または、その代わりに、少なくとも1つの側部コーナーバー部品にジブで取り付けられたままで搬送目的のために既存のジブ接続部の周りで側部コーナーバー部品上へ折り畳まれる。
【0026】
有利な実施形態によれば、2つの側部コーナーバー部品を互いに接続するすべての斜め方向バーの組み立てを、第2の格子プレートの組み立て後に行うことができる。すべての斜め方向バーを、まず、地面上に位置するかまたは地面に近い2つのコーナーバーの間に挿入することが好ましい。その後、個々の側部コーナーバー部品の上向きに配置された2つのコーナーバーを接続するために、斜め方向バーの組み立てを行うことができる。すべての斜め方向バーを組み立てた後は、金属製のギャングウェイを斜め方向バーに任意に設置できる。
【0027】
空間的に広がる側部コーナーバー部品とx字形状の横筋交い材を備えた格子部品の実施形態では、組み立ての手順は、わずかな違いはあるがほぼ同じである。格子部品の個々の構成要素は、ここでは同様に、搬送のために互いに積み重ねられる。そして、第1のステップでは、x字形状の横筋交い材を、その長手方向の軸の周りで90度回転させることにより設置する。地面に設置された組み立てフレームにx字形状の横筋交い接続部を配置した後は、x字形状の横筋交い接続部にジブで取り付けられた個々の格子プレートを展開できる。これに続き、第1及び第2の側部コーナーバー部品を、互いに90度で設置することができ、x字形状の横筋交い接続部にジブで取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1a図1aは、本発明の第1実施形態に係る格子部品を示す図である。
図1b図1bは、本発明の第1実施形態に係る格子部品を示す、図1aと異なる図である。
図1c図1cは、本発明の第1実施形態に係る格子部品を示す、図1a,図1bと異なる図である。
図1d図1dは、本発明の第1実施形態に係る格子部品を示す、図1a~図1cと異なる図である。
図2a図2aは、図1a~図1dに係る解体された格子部品を示す、積み重ねた部品要素の図である。
図2b図2bは、図1a~図1dに係る解体された格子部品を示す、積み重ねた部品要素の図である。
図2c図2cは、図1a~図1dに係る解体された格子部品を示す、積み重ねた部品要素の図である。
図3a図3aは、図1a~図1dに係る格子部品の組み立てに必要な組み立てステップを経時的に示す図である。
図3b図3bは、図1a~図1dに係る格子部品の組み立てに必要な組み立てステップを経時的に示す図である。
図3c図3cは、図1a~図1dに係る格子部品の組み立てに必要な組み立てステップを経時的に示す図である。
図3d図3dは、図1a~図1dに係る格子部品の組み立てに必要な組み立てステップを経時的に示す図である。
図4a図4aは、本発明の第2実施形態に係る格子部品を示す図である。
図4b図4bは、本発明の第2実施形態に係る格子部品を示す、図4aと異なる図である。
図4c図4cは、本発明の第2実施形態に係る格子部品を示す、図4a,図4bと異なる図である。
図5a図5aは、図4a~図4cに係る解体された格子部品を示す、積み重ねた部品要素の図である。
図5b図5bは、図4a~図4cに係る解体された格子部品を示す、積み重ねた部品要素の図である。
図6a図6aは、図4a~図4cに係る格子部品の組み立てに必要な組み立てステップを経時的に示す図である。
図6b図6bは、図4a~図4cに係る格子部品の組み立てに必要な組み立てステップを経時的に示す図である。
図6c図6cは、図4a~図4cに係る格子部品の組み立てに必要な組み立てステップを経時的に示す図である。
図6d図6dは、図4a~図4cに係る格子部品の組み立てに必要な組み立てステップを経時的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に、本発明のさらに他の利点と特徴を、図に示された実施形態を参照してより詳細に説明する。
【0030】
図1から図3は、本発明に係る格子部品の第1実施形態を示す。このような格子部品1は、個別の斜め方向材4と平面的に直角の格子プレート3とによって接続される、2つの個別の側部コーナーバー部品2ないし側部コーナーバープレート2を有する。図1aは格子部品1の側面斜視図、図1bは格子部品1の側面図、図1cは格子部品1の平面図、そして図1dは格子部品1の正面図である。
【0031】
各側部コーナーバー部品2は、2つのコーナーバー5を有し、コーナーバー5は、それぞれ多角形または楕円形のコーナーバー断面を有する。2つのコーナーバー5は、各垂直支柱6を介して互いに溶接で固定される。また、2本の支柱6の間に配置され且つコーナーバー5を接続する斜め方向バー7も、コーナーバー5に溶接で固定される。コーナーバー5の端部には、クレーンまたはクレーンブームを設置するための格子部品を組み立てることができるように、フィンガーフォーク接続のための接続要素8が配置される。
【0032】
図1aに示す格子部品の組み立て形状を形成するために、2つの側部コーナーバー部品が、着脱可能な横接続部によって互いに接続されている。横接続部は、複数の斜め方向バー4と平面状の垂直な格子プレート3とを有する。図示の実施形態では、側部コーナーバー部品2の、対向して配置されたコーナーバー5が、各斜め方向バー4a,4bによって接続され、図面において上側に配置されたコーナーバー5の斜め方向バーには参照符号4aを付し、下側に配置されたコーナーバー5を接続するための下側の斜め方向バーには参照符号4bを付している。斜め方向バーはジブマウント5aにジブで取り付けられている。ジブマウント5aは、図示するように、コーナーバー5に設けてもよいが、その代わりにフォーク8または支柱6に設けてもよい。
【0033】
平面状の格子プレート3は、それぞれ、平行に延びる2本の長手方向ビーム材9を有し、この長手方向ビーム材9は、各側部バー10とその間に配置される斜め方向バー11により互いに溶接で固定される。長手方向ビーム材9の端部は、同様に、コーナーバー5の対応するジブマウント5aにジブで取り付けることができる。格子プレート3は、搬送のために側部コーナーバー部品2にジブで取り付けられた状態を維持し、既存のジブ接続部の周囲でその上に折り畳まれる。
【0034】
側部コーナーバー部品2は、接続コンソール12、好ましくはツイストロックコンソール(いわゆる「コンテナコーナー」)を有し、この接続コンソールにより、側部コーナーバー部品2を効率的な搬送のために互いに積み重ねて互いに接続できる。ここでの接続は、海上コンテナの接続にも用いられるツイストロックを使って行うことが好ましい。これを図2bに示す。
【0035】
搬送状態における格子部品2の搬送幅bTransportは、作業状態における格子の高さに対応する。構成要素は、搬送状態において、許容される搬送寸法内にとどまる。このことは、互いに積み重ねられた2つの側部コーナーバー部品2を示す図2aに示されている。平行に延びる側部コーナーバー部品2の2つのコーナーバー5の間の距離は、ここでは搬送幅bTransportと示されている。
【0036】
以下では、図3a~図3dを参照して、格子部品1の基本的な組み立て方法を説明する。
【0037】
開始点は図2cの搬送状態であり、複数の側部コーナーバー部品2が互いに積み重ねられ、そのコーナーバー5にあるコンソール12でツイストロックにより接続される。組み立てフレーム20の設置と、組み立てフレーム20の安定化のためのバラストウェイト21への組み立てフレーム20の接続とが最初に行われる。さらに、個々の組み立てコンソール2が、組み立てフレーム20に対向するように設置される。
【0038】
そして、まず側部コーナーバー部品2をその長手方向の軸の周りで90°回転させて設置し、組み立てフレーム20と組み立てコンソール22に接続する(図3a参照)。次に第2の側部コーナーバー部品2を、同様にその長手方向の軸の周りで90°回転させて設置する(図3b参照)。第2の側部コーナーバー部品2は、組み立てフレーム20及びさらに他の組み立てコンソール22にも接続され、それによってその位置が安定する。組み立てフレーム20は、ここで側部コーナーバー部品2の間の距離を定める。
【0039】
続いて、第1の格子プレート3を展開し、第2の側部コーナーバー部品2にジブで取り付けることができる(図3b参照)。次に、補助クレーンを用いて下部斜め方向バー4bの少なくとも1つが挿入されて両側部がジブで取り付けられ、側部コーナーバー部品2が安定化する。
【0040】
次のステップでは、第2の格子プレート3が展開され、第1の側部コーナーバー部品2に接続される(図3c参照)。そして、側部コーナーバー部品2の間にまず残りの下部斜め方向バー4aを挿入し、次に上部斜め方向バー4aを挿入できる。最後に、ギャングウェイ13を上部斜め方向バー4aの上に配置し、組み立てられた格子部品2を組み立てフレーム20、22から持ち上げることができる(図3d参照)。
【0041】
説明したステップは、格子部品を解体するためには逆の順序で実施される。
【0042】
本発明に係る格子部品の特徴は、以下のように要約できる。
【0043】
道路搬送における経済的な(そして一部の国で許可された)搬送寸法よりも作業形態の寸法が大きい、解体可能な格子部品1。
【0044】
2つの側部コーナーバー部品2を横接続するための2つの折り畳み可能な平面状の格子プレート3。
【0045】
側部コーナーバー部品2の間にジブで取り付け可能な個別の斜め方向バー4。
【0046】
搬送のために組み合わされて90°回転する構成要素。
【0047】
作業形態における格子部品1の高さが、許容される又は経済的な搬送幅よりも小さい(作業時の高さ=長手方向の軸心の周りでの90°回転による搬送時の幅)。
【0048】
格子部品1が、
1)個別の部品に解体して搬送でき、
2)すべての部品を折りたたみ、1つの搬送ユニットとして互いに積み重ねて搬送できる。
【0049】
搬送状態のコンソール12での格子部品1の個々の側部コーナーバー部品2のジブ取り付けが、「コンテナコーナー」(ツイストロックコンソール)とツイストロックを使用して行われ、側部コーナーバー部品を経済的に接続できる。
【0050】
コンソール12が、複数の格子部品1を積み重ねるために使用できる。
【0051】
本発明に係る格子部品の第2実施形態を図4図6に示す。第1実施形態と異なり、この例は、それぞれが格子部品として構成された2つの個別の空間的に広がりのある側部コーナーバー部品30を有する。2つの側部コーナーバー部品30は、解体可能なx字形状の横接続部40によって接続されている。図4aは、格子部品100の側面斜視図を示し、図4bは、格子部品30の側面図、図4cは、格子部品100の平面図である。
【0052】
各側部コーナーバー部品30は、4つのコーナーバー31を有し、その空間的に広がる配置により平行六面体が形成されている。隣接するコーナーバー31は、複数の斜め方向バー32を介して溶接で固定され、より大きく間隔を空けて配置されたコーナーバー31、ここでは上部及び下部コーナーバーは、さらに、垂直支柱33によって両端部で接続されている。また、コーナーバー31の端部には、フィンガーフォーク接続用の接続要素34が配置されている。
【0053】
2つの側部コーナーバー部品30は、交差する2組41,42の斜め方向バー43,44によって形成される解体可能または折り畳み可能なx字形状の横接続部40により互いに接続されている。斜め方向バー43,44の端部は、その上に設けられたジブマウント35によりコーナーバー31にジブで取り付けられいる。各組41,42は、連続する斜め方向バー43と、2つに分割された斜め方向バー44とを有する。斜め方向バー44の個々のバーは、それぞれ、回転軸D1,D2の周りで旋回可能な連続する斜め方向バー43に連結されている。斜め方向バー43,44の2つの各端部は、格子プレート50が格子部品1の第1実施形態の格子プレート3と同様に設置された状態で、平面状の格子プレート50を介して互いに接続されている。格子プレート50の長手方向ビーム材の端部が、斜め方向バー43,44及びコーナーバー31のジブマウント35に旋回可能に接続されているため、x字形状の斜め連結部40の全体構造を、格子プレート50とともに省スペースで折り畳むことができる。
【0054】
格子部品100のすべての構成要素は、図5a、図5bに示すように、搬送のために互いに積み重ねることができる。搬送幅に関する利点も、第1実施形態について既に説明したのと同様に得ることができる。
【0055】
格子部品を設置するための個々の組み立てステップを、図6a~6dの図を参照して以下に説明する。この点において、図5a、図5bに係る個々の部品を積み重ねることが想定される。搬送中の個々の部品間の接続は、ここでは、第1の実施形態の例と同様に、ツイストロックを用いて接続要素36を介して行うことが好ましい。
【0056】
中央のx字形状の格子40(格子プレート50を含む斜め方向バー43,44)は、組み立てのための第1ステップにおいて、その長手方向の軸の周りで90°回転させて設置され、垂直方向の組み立てを可能にする組み立てフレーム60に固定される(図6a参照)。搬送位置からギャングウェイ51を取り外した後(ギャングウェイ51は、格子部品100が個別の状態または折り畳まれたの状態のいずれかで搬送される)、中央格子40の第1の折り畳み可能な格子プレート50を、組み立てフレーム60上で回転の中心軸D1の周りで展開できる(図6b参照)。次に、中央格子40の第2の折り畳み可能な格子プレート50が、組み立てフレーム60上の回転の中心軸D2の周りで展開される(図6c参照)。
【0057】
次いで、第1の側部コーナーバー部品30を、その長手方向の軸を中心とする90°の回転によって設置でき、中央格子40にジブで取り付けることができる。このことは、第2の側部コーナーバー部品30に対して同様に行われる(図6d参照)。側部コーナーバー部品の長手方向の軸周りでの必要な回転は、適切に配置された取り付け孔(eye)を介して部品30を持ち上げ可能な補助クレーンを用いて行われる。
【0058】
最後に、ギャングウェイ51が再び配置され、格子部品100が組み立てフレーム60から取り外される。
【0059】
第2実施形態の例の利点は、第1の例のそれと同様であるが、以下に再度列挙する。
【0060】
解体可能な格子部品100の作業形態が、道路搬送における経済的な(そして一部の国で許可された)搬送寸法よりも大きい。
【0061】
従来の組み立て品である幅の狭い2つの側部コーナーバー部品30が、Pブームまたは2つのタワーを有するブームに類似する4つのコーナーバー31、フォークフィンガー接続部34、及び溶接された斜め方向材32及び支柱33を有する。
【0062】
追加される中央のx字形状の格子40が、格子部品100のねじり抵抗を高める。
【0063】
未接続の2つの個々の側部コーナーバー部品30に関するねじり抵抗が、中央の格子40の斜め方向接続部によって大幅に増加する。中央格子40の斜め方向材は、ここでは、互いに向かう2つの格子部品タワーのねじれと変位を防止する(斜め方向材は、ここでは張力と圧縮を受ける)。
【0064】
x字形状の斜め方向接続部40が折り畳み可能である。
【0065】
x字形状の斜め方向接続部40を、ここでは平面的な枠組みとして構成できる。
【0066】
2つのx字形状の斜め方向材の間の自由距離を、x字形状の格子により全格子部品とほぼ同じ長さにできる。2つのx字形状の斜め方向バーの間に上記の自由なねじれ長さがあるにもかかわらず、圧力荷重下で動作する際にねじれないために、側部コーナーバー部品の断面の垂直軸に関する慣性の領域モーメントを非常に大きくしなければならない。このように側部コーナーバー部品の断面の垂直軸に対して求められる慣性の大きな領域モーメントが、側部コーナーバー部品の空間的に広がりのある構成によって達成される。つまり、x字形状のチェッカー(checkering)が側部のディスクの断面の慣性の非常に大きな領域モーメントを必要とする。
【0067】
斜め方向接続部40としてのx字形状の中央格子を、すべての格子部品100に対して行われなければならない。
【0068】
格子部品100の構成要素が搬送のために折り畳み可能であり、長手方向の軸心を中心に90°回転可能である。
【0069】
作業形態における格子部品100の高さが、許容される搬送幅(作動時の高さ=90°回転することによる搬送時の幅)よりも小さい。
【0070】
格子部品100が、
1)個々の部品に解体して搬送でき、または
2)すべての部品を折りたたんで、単一の搬送ユニットとして搬送できる。
【0071】
搬送状態でのジブの取り付けが、好ましくは、「コンテナコーナー」(ツイストロックコンソール)とツイストロックを用いてスタックコンソール36で行われ、側部コーナーバー部品30と中央格子40を安価に接続できる。
【0072】
コンソール36を、複数の格子部品100を積み重ねるために使用できる。
図1a
図1b
図1c
図1d
図2a
図2b
図2c
図3a
図3b
図3c
図3d
図4a
図4b
図4c
図5a
図5b
図6a
図6b
図6c
図6d
【外国語明細書】