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特開2022-16343バックルおよびボタンを含むカメラにストラップを固定する固定システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022016343
(43)【公開日】2022-01-21
(54)【発明の名称】バックルおよびボタンを含むカメラにストラップを固定する固定システム
(51)【国際特許分類】
   A44B 11/25 20060101AFI20220114BHJP
   A44B 99/00 20100101ALI20220114BHJP
【FI】
A44B11/25
A44B99/00 601Z
A44B99/00 611N
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021111933
(22)【出願日】2021-07-06
(31)【優先権主張番号】20184774.6
(32)【優先日】2020-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】521297783
【氏名又は名称】ゴービー コーポレイション ユーケイ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】アントン ラックマン
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフィーナ ピッカルド
(72)【発明者】
【氏名】クリスチャン ギブソン
【テーマコード(参考)】
3B090
【Fターム(参考)】
3B090AC01
3B090BB01
3B090BD05
(57)【要約】      (修正有)
【課題】信頼性があり、製造がより安価で、かつ、使用し易い、カメラにストラップを固定する固定システムを提供する。
【解決手段】カメラにストラップ4を固定する固定システム6はバックル10とボタン12から構成され、バックル10はプレートに、第1の穴30と、第2の穴32と、第1の穴30と第2の穴32の間に位置する突出部を含み、ボタン12は、前記ボタン12を前記第1の穴30に挿入し、次いで、前記ボタン12を前記第1の穴30から前記第2の穴32に移動させることによるだけで前記第2の穴32に受け入れられ、かつ、前記ボタン12が、前記ボタン12を前記第2の穴32から前記第1の穴30内に移動させ、次いで、前記ボタン12を前記第1の穴30から除去することによるだけで前記バックル10から除去されることができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレート(16)、および、ストラップ(4)に前記プレート(16)を取り付ける手段(24)を含む、カメラ(2)にストラップ(4)を固定する固定システム(6)のためのバックル(10)であって、前記プレート(16)は、前記固定システム(6)のボタン(12)を受け入れることができる第1の穴(30)と、前記ボタン(12)を受け入れることができる第2の穴(32)と、前記第1の穴(30)と前記第2の穴(32)の間に位置する突出部(38)と、を含み、前記第1の穴(30)は、前記取り付け手段(24)と前記第2の穴(32)の間に位置し、前記第1の穴(30)および前記第2の穴(32)は、前記ボタン(12)が、前記ボタン(12)を前記第1の穴(30)に挿入し、次いで、前記ボタン(12)を前記第1の穴(30)から前記第2の穴(32)に移動させることによるだけで前記第2の穴(32)に受け入れられるように配置されており、かつ、前記ボタン(12)が、前記ボタン(12)を前記第2の穴(32)から前記第1の穴(30)内に移動させ、次いで、前記ボタン(12)を前記第1の穴(30)から除去することによるだけで前記バックル(10)から除去されることができるように配置されている、バックル(10)において、前記プレート(16)は、前記第2の穴(32)から前記プレート(16)の外側縁(18)に向かって延びるスリット(40)をさらに含む、ことを特徴とする、バックル(10)。
【請求項2】
前記スリット(40)は、直線的であり、前記第2の穴(32)から、前記取り付け手段(24)と反対の方向に延びる、請求項1に記載のバックル(10)。
【請求項3】
前記スリット(40)は、前記第1の穴(30)の重心(34)を通り、かつ、前記第2の穴(32)の重心(36)を通る直線方向に延びる、請求項2に記載のバックル(10)。
【請求項4】
前記第1および第2の穴(30、32)は、前記プレート(16)の平面において円形横断面を有し、前記第2の穴(32)は、前記第1の穴(30)の横断面における径よりも小さい横断面における径を有する、請求項1~3のいずれか1項に記載のバックル(10)。
【請求項5】
前記第1の穴(30)の横断面における径は、14.6mm~16.6mmの範囲内あり、かつ/または、前記第2の穴(32)の横断面における径は、8.6mm~10.6mmの範囲内ある、請求項4に記載のバックル(10)。
【請求項6】
前記第1の穴(30)および/または前記第2の穴(32)は、面取り(42、44)を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載のバックル(10)。
【請求項7】
前記プレート(16)の平面に対する前記面取り(42、44)の角度(α)は、40°~50°の範囲内にある、請求項6に記載のバックル(10)。
【請求項8】
前記スリット(40)は、3mm~5mmの範囲内の幅を有する、請求項1~7のいずれか1項に記載のバックル(10)。
【請求項9】
カメラ(2)にストラップ(4)を固定する固定システム(6)のためのボタン(12)であって、前記ボタン(12)は、前記カメラ(2)に前記ストラップ(4)を固定する前記固定システム(6)のバックル(10)に受け入れられるようになっており、前記ボタン(12)は、第1の前面(50)、第2の前面(52)、前記第1の前面(50)と前記第2の第2の前面(52)の間で前記ボタン(12)に取り付けられおり、前記カメラ(2)に取り付けられるようになっているコード(48)と、前記前記第1の前面(50)と前記第2の第2の前面(52)の間で延びている円筒形面(54)と、を含む、ボタン(12)において、前記ボタン(12)は、前記円筒形面(54)から内方に延びている溝(56)を含む、ボタン(12)。
【請求項10】
前記円筒形面(54)は、円形軸線方向横断面を有する、請求項9に記載のボタン(12)。
【請求項11】
前記第1の前面(50)および前記第2の前面(52)は、平面かつ互いに平行である、請求項9または10に記載のボタン(12)。
【請求項12】
前記溝(56)は、好ましくは、前記円筒形面(56)の軸線に対して40°~50°の範囲の角度(β)をなす少なくとも1つのテーパ面(60、61)を有する、請求項9~11のいずれか1項に記載のボタン(12)。
【請求項13】
前記溝(56)は、好ましくは1mm~2mmの範囲内の幅を有する底部円筒形面(62)を含む、請求項9~12のいずれか1項に記載のボタン(12)。
【請求項14】
請求項1~7のいずれか1項に記載のバックル(10)、および/または、請求項9~13のいずれか1項に記載のボタン(12)を含む、カメラ(2)にストラップ(4)を固定する固定システム(6)。
【請求項15】
カメラ(2)にストラップ(4)を取り付けるための請求項14に記載の固定システム(6)の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラにストラップを取り付けるための固定システムの技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
カメラストラップは、カメラユーザによって一般的に使用されている。主に、カメラストラップは、ユーザが他の行為を行うことを可能にするときに、カメラを保持するために使用される。カメラの扱いにくさを少なくし、或いは、カメラにカメラストラップを固定することを解放可能にするために、カメラストラップが使い古されたときにカメラストラップを交換することは、有用であり得る。
【0003】
種々のシステムが、カメラにストラップを取り付けるために使用されることができる。にもかかわらず、既存のシステムは、固く、製造が高価であり、ほとんど信頼性を有さない。
【0004】
例えば、かかるカメラストラップ取り付け機構の例を開示する文書US2015/113772を参照することができる。この機構では、ストラップに取り付けられたバックルが、各々がカメラに取り付けられたボタンを受け入れることができる孔および穴を含む。ボタンから半径方向外方に延びるリブが、ボタンを孔に通すことなく、穴からボタンを除去することを不可能にする。ストラップにカメラを取り付けるために、ボタンは、孔を通され、次いで、孔から穴内に通される。ばねが、穴から孔へのボタンの望まない移動を防止する。
【0005】
かかる機構は、一般的には、満足がいくと考えられているけれども、ばねが破損するか、或いは、ばねの機構への固定が、ばねがもはやボタンが孔内に移動することを防止しないような仕方で変化することがある。これは、カメラストラップ取り付け機構を信頼できないようにする。
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、上記の欠点を克服することである。
【0007】
さらに詳しくは、本発明の目的は、より信頼性があり、製造がより安価で、かつ、使用がし易い、カメラにストラップを固定する固定システムを提供することである。
【0008】
本発明の第1の観点によれば、プレート、および、ストラップに前記プレートを取り付ける手段を含む、カメラにストラップを固定する固定システムのためのバックルであって、前記プレートは、前記固定システムのボタンを受け入れることができる第1の穴と、前記ボタンを受け入れることができる第2の穴と、前記第1の穴と前記第2の穴の間に位置する突出部と、を含み、前記第1の穴は、前記取り付け手段と前記第2の穴の間に位置し、前記第1の穴および前記第2の穴は、前記ボタンが、前記ボタンを前記第1の穴に挿入し、次いで、前記ボタンを前記第1の穴から前記第2の穴に移動させることによるだけで第2の穴に受け入れられるように配置されており、かつ、前記ボタンが、前記ボタンを前記第2の穴から前記第1の穴内に移動させ、次いで、前記ボタンを前記第1の穴から除去することによるだけで前記バックルから除去されることができるように配置されている、バックルが、提案される。
【0009】
その一般的な特徴の1つによれば、前記プレートは、前記第2の穴から、前記プレートの外側縁に向かって延びるスリットを含む。
【0010】
前記スリットは、前記突出部と協働して、ユーザがボタンを移動させる努力をしないときに、ボタンが第1の穴内に移動するのを防止する。それ故、前記スリットは、ばねを付加する必要なく、ボタンの望まない除去を防止することを可能にする。かくして、固定システムの信頼性が、増大される。
【0011】
有利な実施形態では、前記スリットは、直線的であり、前記第2の穴から、前記取り付け手段と反対の方向に延びている。
【0012】
これらの特徴を有するスリットは、このスリットが、前記突出部と協働して、ばねを付加する必要なくボタンの望まない除去を防止するときに、特に効率的である。
【0013】
好ましくは、前記スリットは、前記第2の穴から、前記第1の穴の重心および前記第2の穴の重心を通る直線方向に延びる。
【0014】
かかる構成は、ボタンの望まない除去を防止する前記スリットの効率をさらに一層最大化する。
【0015】
別の実施形態では、前記第1および第2の穴は、前記プレートの平面において円形横断面を有し、前記第2の穴は、前記第1の穴の横断面における径よりも小さい横断面における径を有する。
【0016】
かかる構成は、前記バックルと、カメラにストラップを固定する固定システムのボタンとの相互作用の最良化を可能にする。
【0017】
前記第1の穴、および/または、前記第2の穴は、面取りを含むことを考えることもできる。
【0018】
かかる面取りは、カメラにストラップを取り付けるために、前記第1の穴に前記ボタンを挿入することをより容易にする。
【0019】
好ましくは、前記プレートの平面に対する前記面取りの角度は、40°~50°の範囲内にある。
【0020】
もう1つの実施形態では、前記スリットは、3mm~5mmの範囲内の幅を有する。
【0021】
本発明の第2の観点によれば、カメラにストラップを固定する固定システムのためのボタンであって、前記ボタンは、前記カメラに前記ストラップを固定する前記固定システムのバックルに受け入れられるようになっており、前記ボタンは、第1の前面と、第2の前面)と、前記第1の前面と前記第2の前面の間で前記ボタンに取り付けられおり、前記カメラに取り付けられるようになっているコードと、前記前記第1の前面と前記第2の第2の前面の間で延びている円筒形面と、を含む、ボタンにおいて、前記ボタンは、前記円筒形面から内方に延びている溝を含む、ボタンが、提案される。
【0022】
その一般的な特徴の1つによれば、前記ボタンは、前記円筒形面から内方に延びている溝を含む。
【0023】
上記に規定されるような溝は、前記円筒形面の軸線方向のまわりのコードの回転運動のよりよい自由を可能にし、これは、固定システムが、ユーザにとってより心地よいことを可能にする。
【0024】
好ましくは、前記円筒形面は、円形軸線方向横断面を有する。
【0025】
前記円筒形面のかかる形状は、カメラにストラップを固定する固定システムのバックルとの最良の相互作用を有することを可能にする。
【0026】
もう1つの実施形態では、前記第1の前面および前記第2の前面は、平面かつ互いに平行である。
【0027】
かかる設計は、ボタンの製造工程をより容易にかつ安価にする。
【0028】
さらに別の実施形態では、前記溝は、少なくとも1つのテーパ面を含む。
【0029】
好ましくは、前記テーパ面は、前記円筒形面の軸線に対して40°~50°の範囲の角度をなす。
【0030】
もう1つの実施形態では、前記溝は、底部円筒形面を含む。
【0031】
好ましくは、前記底部円筒形面は、1mm~2mmの範囲内の幅を有する。
【0032】
かかる寸法形状は、カメラに取り付けられるようになったコードの寸法形状に特によく適合される。
【0033】
本発明のさらに別の観点によれば、上記のバックル、および、上記のボタンを含む、カメラにストラップを固定する固定システムが、提案される。
【0034】
本発明およびその利点は、非制限的な例として与えられ、添付の図面によって示されている特定の実施形態の詳細な説明を検討することによって、よりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】本発明の一観点による固定システムの等角図である。
図2図1の固定システムのバックルおよびボタンの等角図である。
図3図2のバックルの頂面図である。
図4図2および図3のバックルの横断面図である。
図5図2の固定システムのボタンの頂面図である。
図6図2および図5のボタンの側面図である。
図7】非ロック位置にある図2の固定システムの頂面図である。
図8】ロック位置にある図2および図7の固定システムの頂面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1を参照すると、カメラ2、および、ストラップ4が、概略的に示されている。ストラップは、カメラ2が、ユーザが手でカメラを保持する必要なく、支持されることができように、ユーザの首(図示せず)のまわりに通されることができる。
【0037】
そのために、2つの固定システム6が、カメラ2にストラップ4を取り付けるために想定される。図1および図2を参照すると、各固定システム6は、バックル10、および、ボタン12を含む。バックル10に取り付けられた直交方向ベクトル基底が規定される。基底14は、ベクトルX、ベクトルY、および、ベクトルZからなる。
【0038】
本願では、用語「水平」、「鉛直」、「下方」、および、「上方」は、バックル10が、水平平坦面上に通常設置されたときの、すなわち、ベクトルZが、鉛直方向上方に向けられていると仮定した基底に対する参照として理解される。
【0039】
語「円筒形」は、その一般的な定義に従って理解され、すなわち、円筒形面は、与えられた線と平行であり、与えられた線と平行でない平面において湾曲する固定された平面を通るすべての線上のすべての点からなる面である。
【0040】
今、図3を参照すると、バックル10は、外側縁18によって外方に画定される水平なプレート16を含む。外側縁18は、図4で見える丸みを有する。
【0041】
水平平面において、プレート16は、2つの長手方向端20および22を備えた細長い形状を有する。端20は、端22よりもストラップ4により近くにあるようになっているのに対し、端22は、端20よりもカメラ2により近くにあるようになっている。
【0042】
プレート16は、ベクトルZと垂直な第1の対称平面100(図4に示されている)に関して対称的であり、かつ、ベクトルXと垂直な第2の対称平面102に関して対称的である。
【0043】
端20に近接して、バックル10は、貫通オリフィス24を含む。オリフィス24は、中央矩形部分26、および、平面102に関して対称的な2つの半円形部分28を含む。中央部分26は、ベクトルXの方向に沿って長さl26および、ベクトルYの方向に沿って幅w26を有する。開示されている例では、長さl26は、16mm~18mmの間にあり、幅w26は、3mm~5mmの間にある。半円形部分28は、それぞれ、部分26のより小さい側から延びており、幅w26に等しい径d26を有する。オリフィス24の縁は、縁18の丸みと同様な丸みを有する。
【0044】
この構成により、ストラップ4の端8は、オリフィス24内に挿入されることができる。かくして、バックル10にストラップ4を取り付けることができる。
【0045】
プレート16は、貫通穴30および32をさらに有する。貫通穴30および32は、水平円形横断面を有する。さらに詳しくは、穴30および32のそれぞれの円形横断面の中心34および36は、平面100上に位置する。穴32の中心36は、ベクトルYに沿って位置し、穴30の中心34と端22の間に位置する。穴30の水平円形横断面の径d30は、穴32の水平円形横断面のよりも大きい。さらに詳しくは、径d32は、9mm~10.2mmの範囲にあり、径d30は、15mm~16.2mmの範囲にある。
【0046】
中心34と中心36の間の距離は、径d30および径d32の平均の0.8倍よりも小さい。さらに詳しくは、中心34と中心36の間の距離は、8.4mm~9.2mmの範囲内にある。それ故、穴30および32は、1対の突出部38を形成するように互いに連通している。突出部38は、穴30および32の間に位置している。各突出部38は、対称平面102に向かってベクトルXに沿って延びている。突出部38の間の距離d38は、径d32よりも小さい。示されている実施形態では、プレート16上に労力が及ぼされていないときには、突出部38の間の距離d38は、7.2mm~8mmの範囲内にある。
【0047】
プレート16は、スリット40を含む。スリット40は、ベクトルYの方向に沿って矩形である。さらに詳しくは、スリット40は、プレート16の端22で、穴32と縁18の間に延びている。それ故、スリット40は、穴32から中心34および36の整列方向に沿ってオリフィス24と反対の方向に延びている。ベクトルXの方向に沿ったスリット40の幅w40は、3mm~5mmの間にある。
【0048】
図4は、ベクトルYと垂直なかつ中心34を通る平面に沿って取られたバックル10の横断面を示している。穴30、32およびスリット40は、2つの両側の面取り42、44を含む。面取り42、44は、プレート16の2つのそれぞれの水平な面から、平面100に向かって延びている。面取りの角度αは、40°~50°の範囲内にある。面取り42、44の間では、円筒形または丸い面46が、半径方向内方に穴30、32およびスリット40を画定する。
【0049】
今、図1図2、および、図5を参照すると、ボタン12は、コード48を含む。コード48は、例えば、ランヤードヒッチによって、カメラ2に取り付けられるようになっている。
【0050】
図6を参照すると、ボタン12は、上側前面50および下側前面52を含む。面50および52は、平面かつベクトルXの方向と垂直である。面50および52は、実質的に同一、円形、かつ、径d30よりもわずかに大きい径d12を有する。示されている実施形態では、径d12は、14mm~16mmの範囲内にある。面50および52の間でベクトルZの方向に沿った距離l12は、9.5mm~10mmの範囲内にある。
【0051】
ボタン12は、円筒形面54を有する。面54は、前面50および52の外側縁の間に延びている。それ故、面54は、面52および54の中心が通る軸線のまわりの回転円筒である。円筒形面54の軸線方向横断面は、面52および54と同じ径d12を有する。
【0052】
ボタン12は、溝56を含む。溝56は、円筒形面54から半径方向内方に延びている。さらに詳しくは、溝56は、ベクトルZと垂直な1対の前面58、59と、1つのテーパ面60、61と、底面62と、を含む。前面58および59の間でベクトルZの方向に沿った距離d59-59は、プレート16の2つの両側の水平な面の間の距離よりもわずかに大きい。示されている実施形態では、距離d59-59は、4.4mm~4.80mmの間にある。ベクトルZの方向に対するテーパ面の角度βは、角度αとわずかに同じである。示されている実施形態では、角度βは、40°~50°の範囲にある。ベクトルZに沿った底面62の幅w62は、1mm~2mmの範囲内にある。底面62は、円筒形面54の円形横断面と同じ軸線のまわりの軸線方向円形横断面を有する。底面62の軸線方向横断面は、幅w40よりもわずかに大きく、径d32よりもわずかに小さい径d62を有する。示されている実施形態では、径d62は、8mm~9.5mmの範囲内にある。
【0053】
図6で見えるように、コード48は、底面62から延びている。それ故、ボタン12に対するコード48の運動の自由は、特にベクトルZの方向のまわりの回転において、増大される。
【0054】
カメラ2にストラップ4を取り付けるために、先ず、ストラップ4の端8にバックル10を取り付ける。そうするために、端8をオリフィス24に通す。この固定は、ストラップ4の遠隔部分上に設けられた長さ調節バックル(図示せず)によって実行されることができる。
【0055】
その間に、例えば、ランヤードヒッチによって、カメラ2にコード48を取り付ける。そうするために、ボタン12は、前面50および52の外側縁が穴30と同軸であるように、プレート16に対して、位置決めされるのがよい。それ故、ボタン12は、プレート16が前面52および54の間に位置する位置にベクトルZの方向に沿って並進移動されるのがよい。コード48は、図7に示されているように、穴32およびスリット40に沿って通されるために、ベクトルYに沿って、ベクトルYと反対の方向に移動される。
【0056】
ボタン12が、この位置に到達した後、ボタン12は、ユーザによって、穴30から穴32に移動される。この移動中、スリット40は、突出部38の間の距離がわずかに増大することを可能にする。かくして、ボタン12は、穴32に入り、図8に示されている位置に位置決めされる。
【0057】
かくして、カメラ2は、ストラップ4の一方の端にしっかりと取り付けられる。同じ動作が、ストラップ4にカメラ2をしっかりと取り付けるために、他方の端8上で他方の固定システム6によって実行される。さらに、ばねがないために、固定システムの信頼性が増大される。
【0058】
ストラップ4へのカメラ2の取り付けを解放するためには、同じ動作が、逆の順序で実行される。すなわち、先ず、ボタン12が、穴32から穴30に移動される。スリット40により、ボタン12を移動させるユーザの努力が、突出部38を互いから移動させ、ボタン12は、図7に示される位置に到達することができる。次いで、ボタン12は、穴30から除去されるために、鉛直方向に移動されるのがよい。このときに、カメラ2は、ストラップ4にもはや取り付けられていない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8