(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022163468
(43)【公開日】2022-10-26
(54)【発明の名称】中継システム、通信装置、及び監視制御方法
(51)【国際特許分類】
H04L 43/00 20220101AFI20221019BHJP
H04B 10/27 20130101ALI20221019BHJP
【FI】
H04L12/70 100A
H04B10/27
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021068407
(22)【出願日】2021-04-14
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000280
【氏名又は名称】特許業務法人サンクレスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】東 泰彦
【テーマコード(参考)】
5K030
5K102
【Fターム(参考)】
5K030HA08
5K030HB07
5K030JA10
5K030JA14
5K030JL03
5K030LE07
5K030MC09
5K102AM02
5K102AM06
5K102AM09
5K102LA21
5K102LA24
5K102LA31
5K102LA35
5K102LA52
5K102RD28
(57)【要約】
【課題】通信装置をインバンドにより監視制御する。
【解決手段】中継システムは、第1通信装置と第2通信装置とを備え、前記第1通信装置は、第2通信装置の第2管理アドレスを宛先アドレスとして含む制御パケットを管理装置から受信する外部通信インタフェースと、前記制御パケットにおける前記宛先アドレスを、前記第2管理アドレスから第2通信装置の第2リンクローカルアドレスへ変換するアドレス変換部と、前記第2リンクローカルアドレスを前記宛先アドレスとして含む前記制御パケットを送信する第1内部通信インタフェースと、を含み、前記第2通信装置は、前記制御パケットを受信する第2内部通信インタフェースと、前記第2内部通信インタフェースによって受信された前記制御パケットに対する応答パケットの送信経路を、前記第2内部通信インタフェースを含む経路に決定する決定部と、を含む。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1装置と第2装置との間の通信を中継する中継システムであって、
前記第1装置との間で原信号を送受信する第1通信装置と、
前記第2装置との間で原信号を送受信する第2通信装置と、
前記第1通信装置及び前記第2通信装置間を接続する光ファイバと、
を備え、
前記第1通信装置及び前記第2通信装置は、前記原信号に応じた光信号を前記光ファイバを介して送受信し、
前記第1通信装置は、前記第1通信装置が監視制御網を介して接続された管理装置から指定可能な第1管理アドレスと、前記第2通信装置と通信するための第1リンクローカルアドレスとが割り当てられ、
前記第2通信装置は、前記管理装置から指定可能な第2管理アドレスと、前記第1通信装置と通信するための第2リンクローカルアドレスとが割り当てられ、
前記第1通信装置は、
前記第2管理アドレスを宛先アドレスとして含む制御パケットを、前記管理装置から受信する外部通信インタフェースと、
前記制御パケットにおける前記宛先アドレスを、前記第2管理アドレスから前記第2リンクローカルアドレスへ変換するアドレス変換部と、
前記第2リンクローカルアドレスを前記宛先アドレスとして含む前記制御パケットを送信する第1内部通信インタフェースと、
前記第1内部通信インタフェースから送信された前記制御パケットをヘッダに含む第1光伝送フレームを生成する第1フレーマと、
前記第1フレーマによって生成された前記第1光伝送フレームを前記光ファイバを介して前記第2通信装置へ送信する第1光送信器と、
を含み、
前記第2通信装置は、
前記光ファイバを介して前記第1光伝送フレームを受信する第2光受信器と、
前記第2光受信器によって受信された前記第1光伝送フレームから前記制御パケットを抽出し、抽出された前記制御パケットを送信する第2デフレーマと、
前記第2デフレーマから送信された前記制御パケットを受信する第2内部通信インタフェースと、
前記第2内部通信インタフェースによって受信された前記制御パケットに対する応答パケットの送信経路を、前記第2内部通信インタフェースを含む経路に決定する決定部と、
前記第2内部通信インタフェースから送信された前記応答パケットをヘッダに含む第2光伝送フレームを生成する第2フレーマと、
前記第2フレーマによって生成された前記第2光伝送フレームを前記光ファイバを介して前記第1通信装置へ送信する第2光送信器と、
を含み、
前記第1通信装置は、
前記光ファイバを介して前記第2光伝送フレームを受信する第1光受信器と、
前記第1光受信器によって受信された前記第2光伝送フレームから前記応答パケットを抽出し、抽出された前記応答パケットを送信する第1デフレーマと、
を含み、
前記第1内部通信インタフェースは、前記第1デフレーマから送信された前記応答パケットを受信し、
前記アドレス変換部は、前記応答パケットにおける送信元アドレスを、前記第2リンクローカルアドレスから前記第2管理アドレスへ変換し、
前記外部通信インタフェースは、前記第2管理アドレスを前記送信元アドレスとして含む前記応答パケットを、前記管理装置へ送信する、
中継システム。
【請求項2】
前記第1リンクローカルアドレスと前記第2リンクローカルアドレスとが競合する場合に、前記第1リンクローカルアドレス及び前記第2リンクローカルアドレスの少なくとも1つを変更するアドレス調整部をさらに備える、
請求項1に記載の中継システム。
【請求項3】
前記第2通信装置は、前記第2リンクローカルアドレスを通知するための通知パケットを生成する通知パケット生成部をさらに含み、
前記第2内部通信インタフェースは、前記通知パケット生成部によって生成された前記通知パケットを送信し、
前記第2フレーマは、前記第2内部通信インタフェースから送信された前記通知パケットをヘッダに含む第3光伝送フレームを生成し、
前記第2光送信器は、前記第2フレーマによって生成された前記第3光伝送フレームを前記光ファイバを介して前記第1通信装置へ送信し、
前記第1光受信器は、前記光ファイバを介して前記第3光伝送フレームを受信し、
前記第1デフレーマは、前記第1光受信器によって受信された前記第3光伝送フレームから前記通知パケットを抽出し、抽出された前記通知パケットを送信し、
前記第1内部通信インタフェースは、前記第1デフレーマから送信された前記通知パケットを受信し、
前記第1通信装置は、前記アドレス調整部を含み、
前記アドレス調整部は、前記通知パケットによって通知された前記第2リンクローカルアドレスが前記第1リンクローカルアドレスと競合する場合に、前記第1リンクローカルアドレスを変更する、
請求項2に記載の中継システム。
【請求項4】
前記第1通信装置は、前記第1リンクローカルアドレスを通知するための通知パケットを生成する通知パケット生成部をさらに含み、
前記第1内部通信インタフェースは、前記通知パケット生成部によって生成された前記通知パケットを送信し、
前記第1フレーマは、前記第1内部通信インタフェースから送信された前記通知パケットをヘッダに含む第3光伝送フレームを生成し、
前記第1光送信器は、前記第1フレーマによって生成された前記第3光伝送フレームを前記光ファイバを介して前記第2通信装置へ送信し、
前記第2光受信器は、前記光ファイバを介して前記第3光伝送フレームを受信し、
前記第2デフレーマは、前記第2光受信器によって受信された前記第3光伝送フレームから前記通知パケットを抽出し、抽出された前記通知パケットを送信し、
前記第2内部通信インタフェースは、前記第2デフレーマから送信された前記通知パケットを受信し、
前記第2通信装置は、前記アドレス調整部を含み、
前記アドレス調整部は、前記通知パケットによって通知された前記第1リンクローカルアドレスが前記第2リンクローカルアドレスと競合する場合に、前記第2リンクローカルアドレスを変更する、
請求項2に記載の中継システム。
【請求項5】
前記第1通信装置は、前記第1管理アドレスが変更された場合に、変更後の第1管理アドレスを通知するための第1管理アドレス通知パケットを生成する第1管理アドレス通知パケット生成部をさらに含み、
前記第1内部通信インタフェースは、前記第1管理アドレス通知パケット生成部によって生成された前記第1管理アドレス通知パケットを送信し、
前記第1フレーマは、前記第1内部通信インタフェースから送信された前記第1管理アドレス通知パケットをヘッダに含む第4光伝送フレームを生成し、
前記第1光送信器は、前記第1フレーマによって生成された前記第4光伝送フレームを前記光ファイバを介して前記第2通信装置へ送信し、
前記第2光受信器は、前記光ファイバを介して前記第4光伝送フレームを受信し、
前記第2デフレーマは、前記第2光受信器によって受信された前記第4光伝送フレームから前記第1管理アドレス通知パケットを抽出し、抽出された前記第1管理アドレス通知パケットを送信し、
前記第2内部通信インタフェースは、前記第2デフレーマから送信された前記第1管理アドレス通知パケットを受信し、
前記第2通信装置は、前記第2管理アドレスが変更された場合に、変更後の第2管理アドレスを通知するための第2管理アドレス通知パケットを生成する第2管理アドレス通知パケット生成部をさらに含み、
前記第2内部通信インタフェースは、前記第2管理アドレス通知パケット生成部によって生成された前記第2管理アドレス通知パケットを送信し、
前記第2フレーマは、前記第2内部通信インタフェースから送信された前記第2管理アドレス通知パケットをヘッダに含む第5光伝送フレームを生成し、
前記第2光送信器は、前記第2フレーマによって生成された前記第5光伝送フレームを前記光ファイバを介して前記第1通信装置へ送信し、
前記第1光受信器は、前記光ファイバを介して前記第5光伝送フレームを受信し、
前記第1デフレーマは、前記第2光受信器によって受信された前記第5光伝送フレームから前記第2管理アドレス通知パケットを抽出し、抽出された前記第2管理アドレス通知パケットを送信し、
前記第1内部通信インタフェースは、前記第1デフレーマから送信された前記第2管理アドレス通知パケットを受信する、
請求項3又は請求項4に記載の中継システム。
【請求項6】
原信号を第1装置から受信し、光ファイバを介して接続された対向装置へ、受信された前記原信号に応じた光信号を送信し、前記対向装置から光信号を受信し、受信された前記光信号に応じた原信号を前記第1装置へ送信する通信装置であって、
前記通信装置は、前記通信装置が監視制御網を介して接続された管理装置から指定可能な第1管理アドレスと、前記対向装置と通信するための第1リンクローカルアドレスとが割り当てられ、
前記通信装置は、
前記対向装置に割り当てられた第2管理アドレスを宛先アドレスとして含む制御パケットを、前記管理装置から受信する外部通信インタフェースと、
前記制御パケットにおける前記宛先アドレスを、前記第2管理アドレスから、前記対向装置に割り当てられた第2リンクローカルアドレスへ変換するアドレス変換部と、
前記第2リンクローカルアドレスを前記宛先アドレスとして含む前記制御パケットを送信する内部通信インタフェースと、
前記内部通信インタフェースから送信された前記制御パケットをヘッダに含む第1光伝送フレームを生成するフレーマと、
前記フレーマによって生成された前記第1光伝送フレームを前記光ファイバを介して前記対向装置へ送信する光送信器と、
前記制御パケットに対する応答パケットをヘッダに含む第2光伝送フレームを前記光ファイバを介して受信する光受信器と、
前記光受信器によって受信された前記第2光伝送フレームから前記応答パケットを抽出し、抽出された前記応答パケットを送信するデフレーマと、
を備え、
前記内部通信インタフェースは、前記デフレーマから送信された前記応答パケットを受信し、
前記アドレス変換部は、前記応答パケットにおける送信元アドレスを、前記第2リンクローカルアドレスから前記第2管理アドレスへ変換し、
前記外部通信インタフェースは、前記第2管理アドレスを前記送信元アドレスとして含む前記応答パケットを、前記管理装置へ送信する、
通信装置。
【請求項7】
原信号を第2装置から受信し、光ファイバを介して接続された対向装置へ、受信された前記原信号に応じた光信号を送信し、前記対向装置から光信号を受信し、受信された前記光信号に応じた原信号を前記第2装置へ送信する通信装置であって、
前記通信装置は、前記対向装置が監視制御網を介して接続された管理装置から指定可能な第2管理アドレスと、前記対向装置と通信するための第2リンクローカルアドレスとが割り当てられ、
前記対向装置は、前記第2管理アドレスを宛先アドレスとして含む制御パケットを前記管理装置から受信し、前記制御パケットにおける前記宛先アドレスを、前記第2管理アドレスから前記第2リンクローカルアドレスへ変換し、前記制御パケットをヘッダに含む第1光伝送フレームを前記光ファイバを介して前記通信装置へ送信し、
前記通信装置は、
前記光ファイバを介して前記第1光伝送フレームを受信する光受信器と、
前記光受信器によって受信された前記第1光伝送フレームから前記制御パケットを抽出し、抽出された前記制御パケットを送信するデフレーマと、
前記デフレーマから送信された前記制御パケットを受信する内部通信インタフェースと、
前記内部通信インタフェースによって受信された前記制御パケットに対する応答パケットの送信経路を、前記内部通信インタフェースを含む経路に決定する決定部と、
前記内部通信インタフェースから送信された前記応答パケットをヘッダに含む第2光伝送フレームを生成するフレーマと、
前記フレーマによって生成された前記第2光伝送フレームを前記光ファイバを介して前記対向装置へ送信する光送信器と、
を備える、
通信装置。
【請求項8】
第1通信装置に光ファイバで接続された第2通信装置を、前記第1通信装置を介して監視制御する監視制御方法であって、
前記第1通信装置が、前記第2通信装置に割り当てられた第2管理アドレスを宛先アドレスとして含む制御パケットを、前記第1通信装置に監視制御網を介して接続された管理装置から外部通信インタフェースによって受信するステップと、
前記第1通信装置が、前記制御パケットにおける前記宛先アドレスを、前記第2管理アドレスから、前記第2通信装置に割り当てられた第2リンクローカルアドレスへ変換するステップと、
前記第1通信装置が、前記第2リンクローカルアドレスを前記宛先アドレスとして含む前記制御パケットを第1内部通信インタフェースから送信するステップと、
前記第1通信装置が、前記第1内部通信インタフェースから送信された前記制御パケットをヘッダに含む第1光伝送フレームを生成するステップと、
前記第1通信装置が、生成された前記第1光伝送フレームを前記光ファイバを介して前記第2通信装置へ送信するステップと、
前記第2通信装置が、前記光ファイバを介して前記第1光伝送フレームを受信するステップと、
前記第2通信装置が、受信された前記第1光伝送フレームから前記制御パケットを抽出するステップと、
前記第2通信装置が、前記制御パケットを第2内部通信インタフェースによって受信するステップと、
前記第2通信装置が、前記第2内部通信インタフェースによって受信された前記制御パケットに対する応答パケットの送信経路を、前記第2内部通信インタフェースを含む経路に決定するステップと、
前記第2通信装置が、前記第2内部通信インタフェースから送信された前記応答パケットをヘッダに含む第2光伝送フレームを生成するステップと、
前記第2通信装置が、生成された前記第2光伝送フレームを前記光ファイバを介して前記第1通信装置へ送信するステップと、
前記第1通信装置が、前記光ファイバを介して前記第2光伝送フレームを受信するステップと、
前記第1通信装置が、受信された前記第2光伝送フレームから前記応答パケットを抽出するステップと、
前記第1通信装置が、前記応答パケットを前記第1内部通信インタフェースによって受信するステップと、
前記第1通信装置が、前記内部通信インタフェースによって受信された前記応答パケットにおける送信元アドレスを、前記第2リンクローカルアドレスから前記第2管理アドレスへ変換するステップと、
前記第1通信装置が、前記第2管理アドレスを前記送信元アドレスとして含む前記応答パケットを、前記外部通信インタフェースによって前記管理装置へ送信するステップと、
を含む、
監視制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、中継システム、通信装置、及び監視制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
モバイル通信ネットワークに含まれるモバイルフロントホール(MFH)、モバイルミッドホール(MMH)、及びモバイルバックホール(MBH)において光通信システムが利用される場合がある。OTN(Optical Transport Network)中継システムでは、光伝送装置が受信したクライアント信号をOTN信号に変換し、光ファイバケーブルを介して接続された光伝送装置間でOTN信号を伝送する。OTN信号を受信した光伝送装置は、OTN信号からクライアント信号を復元し、クライアントポートから送出する。
【0003】
特許文献1には、光伝送装置をインバンドにより監視制御する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
光伝送装置の監視制御に、SNMP(Simple Network Management Protocol)、SSH(Secure Shell)等のIP(Internet Protocol)ベースのプロトコルを使用することが考えられる。アウトバンドの監視制御網に接続されていない光伝送装置には、インバンドによる監視制御を行う必要がある。しかし、特許文献1には、監視制御網内の管理装置と遠隔の光伝送装置との間で制御パケットをどのようにして伝送し、管理装置と光伝送装置との通信を実現するかについては開示されていない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る中継システムは、第1装置と第2装置との間の通信を中継する中継システムであって、前記第1装置との間で原信号を送受信する第1通信装置と、前記第2装置との間で原信号を送受信する第2通信装置と、前記第1通信装置及び前記第2通信装置間を接続する光ファイバと、を備え、前記第1通信装置及び前記第2通信装置は、前記原信号に応じた光信号を前記光ファイバを介して送受信し、前記第1通信装置は、前記第1通信装置が監視制御網を介して接続された管理装置から指定可能な第1管理アドレスと、前記第2通信装置と通信するための第1リンクローカルアドレスとが割り当てられ、前記第2通信装置は、前記管理装置から指定可能な第2管理アドレスと、前記第1通信装置と通信するための第2リンクローカルアドレスとが割り当てられ、前記第1通信装置は、前記第2管理アドレスを宛先アドレスとして含む制御パケットを、前記管理装置から受信する外部通信インタフェースと、前記制御パケットにおける前記宛先アドレスを、前記第2管理アドレスから前記第2リンクローカルアドレスへ変換するアドレス変換部と、前記第2リンクローカルアドレスを前記宛先アドレスとして含む前記制御パケットを送信する第1内部通信インタフェースと、前記第1内部通信インタフェースから送信された前記制御パケットをヘッダに含む第1光伝送フレームを生成する第1フレーマと、前記第1フレーマによって生成された前記第1光伝送フレームを前記光ファイバを介して前記第2通信装置へ送信する第1光送信器と、を含み、前記第2通信装置は、前記光ファイバを介して前記第1光伝送フレームを受信する第2光受信器と、前記第2光受信器によって受信された前記第1光伝送フレームから前記制御パケットを抽出し、抽出された前記制御パケットを送信する第2デフレーマと、前記第2デフレーマから送信された前記制御パケットを受信する第2内部通信インタフェースと、前記第2内部通信インタフェースによって受信された前記制御パケットに対する応答パケットの送信経路を、前記第2内部通信インタフェースを含む経路に決定する決定部と、前記第2内部通信インタフェースから送信された前記応答パケットをヘッダに含む第2光伝送フレームを生成する第2フレーマと、前記第2フレーマによって生成された前記第2光伝送フレームを前記光ファイバを介して前記第1通信装置へ送信する第2光送信器と、を含み、前記第1通信装置は、前記光ファイバを介して前記第2光伝送フレームを受信する第1光受信器と、前記第1光受信器によって受信された前記第2光伝送フレームから前記応答パケットを抽出し、抽出された前記応答パケットを送信する第1デフレーマと、を含み、前記第1内部通信インタフェースは、前記第1デフレーマから送信された前記応答パケットを受信し、前記アドレス変換部は、前記応答パケットにおける送信元アドレスを、前記第2リンクローカルアドレスから前記第2管理アドレスへ変換し、前記外部通信インタフェースは、前記第2管理アドレスを前記送信元アドレスとして含む前記応答パケットを、前記管理装置へ送信する。
【0007】
本開示の一態様に係る通信装置は、原信号を第1装置から受信し、光ファイバを介して接続された対向装置へ、受信された前記原信号に応じた光信号を送信し、前記対向装置から光信号を受信し、受信された前記光信号に応じた原信号を前記第1装置へ送信する通信装置であって、前記通信装置は、前記通信装置が監視制御網を介して接続された管理装置から指定可能な第1管理アドレスと、前記対向装置と通信するための第1リンクローカルアドレスとが割り当てられ、前記通信装置は、前記対向装置に割り当てられた第2管理アドレスを宛先アドレスとして含む制御パケットを、前記管理装置から受信する外部通信インタフェースと、前記制御パケットにおける前記宛先アドレスを、前記第2管理アドレスから、前記対向装置に割り当てられた第2リンクローカルアドレスへ変換するアドレス変換部と、前記第2リンクローカルアドレスを前記宛先アドレスとして含む前記制御パケットを送信する内部通信インタフェースと、前記内部通信インタフェースから送信された前記制御パケットをヘッダに含む第1光伝送フレームを生成するフレーマと、前記フレーマによって生成された前記第1光伝送フレームを前記光ファイバを介して前記対向装置へ送信する光送信器と、前記制御パケットに対する応答パケットをヘッダに含む第2光伝送フレームを前記光ファイバを介して受信する光受信器と、前記光受信器によって受信された前記第2光伝送フレームから前記応答パケットを抽出し、抽出された前記応答パケットを送信するデフレーマと、を備え、前記内部通信インタフェースは、前記デフレーマから送信された前記応答パケットを受信し、前記アドレス変換部は、前記応答パケットにおける送信元アドレスを、前記第2リンクローカルアドレスから前記第2管理アドレスへ変換し、前記外部通信インタフェースは、前記第2管理アドレスを前記送信元アドレスとして含む前記応答パケットを、前記管理装置へ送信する。
【0008】
本開示の他の態様に係る通信装置は、原信号を第2装置から受信し、光ファイバを介して接続された対向装置へ、受信された前記原信号に応じた光信号を送信し、前記対向装置から光信号を受信し、受信された前記光信号に応じた原信号を前記第2装置へ送信する通信装置であって、前記通信装置は、前記対向装置が監視制御網を介して接続された管理装置から指定可能な第2管理アドレスと、前記対向装置と通信するための第2リンクローカルアドレスとが割り当てられ、前記対向装置は、前記第2管理アドレスを宛先アドレスとして含む制御パケットを前記管理装置から受信し、前記制御パケットにおける前記宛先アドレスを、前記第2管理アドレスから前記第2リンクローカルアドレスへ変換し、前記制御パケットをヘッダに含む第1光伝送フレームを前記光ファイバを介して前記通信装置へ送信し、前記通信装置は、前記光ファイバを介して前記第1光伝送フレームを受信する光受信器と、前記光受信器によって受信された前記第1光伝送フレームから前記制御パケットを抽出し、抽出された前記制御パケットを送信するデフレーマと、前記デフレーマから送信された前記制御パケットを受信する内部通信インタフェースと、前記内部通信インタフェースによって受信された前記制御パケットに対する応答パケットの送信経路を、前記内部通信インタフェースを含む経路に決定する決定部と、前記内部通信インタフェースから送信された前記応答パケットをヘッダに含む第2光伝送フレームを生成するフレーマと、前記フレーマによって生成された前記第2光伝送フレームを前記光ファイバを介して前記対向装置へ送信する光送信器と、を備える。
【0009】
本開示の一態様に係る監視制御方法は、第1通信装置に光ファイバで接続された第2通信装置を、前記第1通信装置を介して監視制御する監視制御方法であって、前記第1通信装置が、前記第2通信装置に割り当てられた第2管理アドレスを宛先アドレスとして含む制御パケットを、前記第1通信装置に監視制御網を介して接続された管理装置から外部通信インタフェースによって受信するステップと、前記第1通信装置が、前記制御パケットにおける前記宛先アドレスを、前記第2管理アドレスから、前記第2通信装置に割り当てられた第2リンクローカルアドレスへ変換するステップと、前記第1通信装置が、前記第2リンクローカルアドレスを前記宛先アドレスとして含む前記制御パケットを第1内部通信インタフェースから送信するステップと、前記第1通信装置が、前記第1内部通信インタフェースから送信された前記制御パケットをヘッダに含む第1光伝送フレームを生成するステップと、前記第1通信装置が、生成された前記第1光伝送フレームを前記光ファイバを介して前記第2通信装置へ送信するステップと、前記第2通信装置が、前記光ファイバを介して前記第1光伝送フレームを受信するステップと、前記第2通信装置が、受信された前記第1光伝送フレームから前記制御パケットを抽出するステップと、前記第2通信装置が、前記制御パケットを第2内部通信インタフェースによって受信するステップと、前記第2通信装置が、前記第2内部通信インタフェースによって受信された前記制御パケットに対する応答パケットの送信経路を、前記第2内部通信インタフェースを含む経路に決定するステップと、前記第2通信装置が、前記第2内部通信インタフェースから送信された前記応答パケットをヘッダに含む第2光伝送フレームを生成するステップと、前記第2通信装置が、生成された前記第2光伝送フレームを前記光ファイバを介して前記第1通信装置へ送信するステップと、前記第1通信装置が、前記光ファイバを介して前記第2光伝送フレームを受信するステップと、前記第1通信装置が、受信された前記第2光伝送フレームから前記応答パケットを抽出するステップと、前記第1通信装置が、前記応答パケットを前記第1内部通信インタフェースによって受信するステップと、前記第1通信装置が、前記内部通信インタフェースによって受信された前記応答パケットにおける送信元アドレスを、前記第2リンクローカルアドレスから前記第2管理アドレスへ変換するステップと、前記第1通信装置が、前記第2管理アドレスを前記送信元アドレスとして含む前記応答パケットを、前記外部通信インタフェースによって前記管理装置へ送信するステップと、を含む。
【0010】
本開示は、上記のような特徴的な構成を備える通信装置として実現することができるだけでなく、通信装置における特徴的な処理をステップとする通信方法として実現したり、かかるステップをコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムとして実現したりすることができる。さらに、通信装置の一部又は全部を半導体集積回路として実現したり、通信装置を含む中継システムとして実現したりすることができる。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、管理装置と通信装置との間で制御パケットを伝送し、通信装置をインバンドにより監視制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施形態に係る通信システムの構成の一例を示す模式図である。
【
図2】実施形態に係る第1光伝送装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】実施形態に係る第2光伝送装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】IPパケットのフォーマットを示す図である。
【
図5】実施形態に係るNATテーブルの構成の一例を示す図である。
【
図6】実施形態に係るルーティングテーブルの構成の一例を示す図である。
【
図7】実施形態に係る中継システムによるインバンドパケット転送処理の手順の一例を示すシーケンス図である。
【
図8】実施形態に係る中継システムによる接続初期化処理の手順の一例を示すシーケンス図である。
【
図9】実施形態に係る中継システムによる管理アドレス通知処理の手順の一例を示すシーケンス図である。
【
図10】実施形態に係る中継システムによる接続初期化処理の手順の変形例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<本開示の実施形態の概要>
以下、本開示の実施形態の概要を列記して説明する。
【0014】
(1) 本実施形態に係る中継システムは、第1装置と第2装置との間の通信を中継する中継システムであって、前記第1装置との間で原信号を送受信する第1通信装置と、前記第2装置との間で原信号を送受信する第2通信装置と、前記第1通信装置及び前記第2通信装置間を接続する光ファイバと、を備え、前記第1通信装置及び前記第2通信装置は、前記原信号に応じた光信号を前記光ファイバを介して送受信し、前記第1通信装置は、前記第1通信装置が監視制御網を介して接続された管理装置から指定可能な第1管理アドレスと、前記第2通信装置と通信するための第1リンクローカルアドレスとが割り当てられ、前記第2通信装置は、前記管理装置から指定可能な第2管理アドレスと、前記第1通信装置と通信するための第2リンクローカルアドレスとが割り当てられ、前記第1通信装置は、前記第2管理アドレスを宛先アドレスとして含む制御パケットを、前記管理装置から受信する外部通信インタフェースと、前記制御パケットにおける前記宛先アドレスを、前記第2管理アドレスから前記第2リンクローカルアドレスへ変換するアドレス変換部と、前記第2リンクローカルアドレスを前記宛先アドレスとして含む前記制御パケットを送信する第1内部通信インタフェースと、前記第1内部通信インタフェースから送信された前記制御パケットをヘッダに含む第1光伝送フレームを生成する第1フレーマと、前記第1フレーマによって生成された前記第1光伝送フレームを前記光ファイバを介して前記第2通信装置へ送信する第1光送信器と、を含み、前記第2通信装置は、前記光ファイバを介して前記第1光伝送フレームを受信する第2光受信器と、前記第2光受信器によって受信された前記第1光伝送フレームから前記制御パケットを抽出し、抽出された前記制御パケットを送信する第2デフレーマと、前記第2デフレーマから送信された前記制御パケットを受信する第2内部通信インタフェースと、前記第2内部通信インタフェースによって受信された前記制御パケットに対する応答パケットの送信経路を、前記第2内部通信インタフェースを含む経路に決定する決定部と、前記第2内部通信インタフェースから送信された前記応答パケットをヘッダに含む第2光伝送フレームを生成する第2フレーマと、前記第2フレーマによって生成された前記第2光伝送フレームを前記光ファイバを介して前記第1通信装置へ送信する第2光送信器と、を含み、前記第1通信装置は、前記光ファイバを介して前記第2光伝送フレームを受信する第1光受信器と、前記第1光受信器によって受信された前記第2光伝送フレームから前記応答パケットを抽出し、抽出された前記応答パケットを送信する第1デフレーマと、を含み、前記第1内部通信インタフェースは、前記第1デフレーマから送信された前記応答パケットを受信し、前記アドレス変換部は、前記応答パケットにおける送信元アドレスを、前記第2リンクローカルアドレスから前記第2管理アドレスへ変換し、前記外部通信インタフェースは、前記第2管理アドレスを前記送信元アドレスとして含む前記応答パケットを、前記管理装置へ送信する。これにより、第1通信装置を介して管理装置と第2通信装置との間で制御パケットを伝送し、第2通信装置をインバンドにより監視制御することができる。
【0015】
(2) 前記中継システムは、前記第1リンクローカルアドレスと前記第2リンクローカルアドレスとが競合する場合に、前記第1リンクローカルアドレス及び前記第2リンクローカルアドレスの少なくとも1つを変更するアドレス調整部をさらに備えてもよい。これにより、第1リンクローカルアドレスと第2リンクローカルアドレスとの競合を解消することができる。
【0016】
(3) 前記第2通信装置は、前記第2リンクローカルアドレスを通知するための通知パケットを生成する通知パケット生成部をさらに含み、前記第2内部通信インタフェースは、前記通知パケット生成部によって生成された前記通知パケットを送信し、前記第2フレーマは、前記第2内部通信インタフェースから送信された前記通知パケットをヘッダに含む第3光伝送フレームを生成し、前記第2光送信器は、前記第2フレーマによって生成された前記第3光伝送フレームを前記光ファイバを介して前記第1通信装置へ送信し、前記第1光受信器は、前記光ファイバを介して前記第3光伝送フレームを受信し、前記第1デフレーマは、前記第1光受信器によって受信された前記第3光伝送フレームから前記通知パケットを抽出し、抽出された前記通知パケットを送信し、前記第1内部通信インタフェースは、前記第1デフレーマから送信された前記通知パケットを受信し、前記第1通信装置は、前記アドレス調整部を含み、前記アドレス調整部は、前記通知パケットによって通知された前記第2リンクローカルアドレスが前記第1リンクローカルアドレスと競合する場合に、前記第1リンクローカルアドレスを変更してもよい。これにより、第1リンクローカルアドレスと第2リンクローカルアドレスとの競合を解消することができる。
【0017】
(4) 前記第1通信装置は、前記第1リンクローカルアドレスを通知するための通知パケットを生成する通知パケット生成部をさらに含み、前記第1内部通信インタフェースは、前記通知パケット生成部によって生成された前記通知パケットを送信し、前記第1フレーマは、前記第1内部通信インタフェースから送信された前記通知パケットをヘッダに含む第3光伝送フレームを生成し、前記第1光送信器は、前記第1フレーマによって生成された前記第3光伝送フレームを前記光ファイバを介して前記第2通信装置へ送信し、前記第2光受信器は、前記光ファイバを介して前記第3光伝送フレームを受信し、前記第2デフレーマは、前記第2光受信器によって受信された前記第3光伝送フレームから前記通知パケットを抽出し、抽出された前記通知パケットを送信し、前記第2内部通信インタフェースは、前記第2デフレーマから送信された前記通知パケットを受信し、前記第2通信装置は、前記アドレス調整部を含み、前記アドレス調整部は、前記通知パケットによって通知された前記第1リンクローカルアドレスが前記第2リンクローカルアドレスと競合する場合に、前記第2リンクローカルアドレスを変更してもよい。これにより、第1リンクローカルアドレスと第2リンクローカルアドレスとの競合を解消することができる。
【0018】
(5) 前記第1通信装置は、前記第1管理アドレスが変更された場合に、変更後の第1管理アドレスを通知するための第1管理アドレス通知パケットを生成する第1管理アドレス通知パケット生成部をさらに含み、前記第1内部通信インタフェースは、前記第1管理アドレス通知パケット生成部によって生成された前記第1管理アドレス通知パケットを送信し、前記第1フレーマは、前記第1内部通信インタフェースから送信された前記第1管理アドレス通知パケットをヘッダに含む第4光伝送フレームを生成し、前記第1光送信器は、前記第1フレーマによって生成された前記第4光伝送フレームを前記光ファイバを介して前記第2通信装置へ送信し、前記第2光受信器は、前記光ファイバを介して前記第4光伝送フレームを受信し、前記第2デフレーマは、前記第2光受信器によって受信された前記第4光伝送フレームから前記第1管理アドレス通知パケットを抽出し、抽出された前記第1管理アドレス通知パケットを送信し、前記第2内部通信インタフェースは、前記第2デフレーマから送信された前記第1管理アドレス通知パケットを受信し、前記第2通信装置は、前記第2管理アドレスが変更された場合に、変更後の第2管理アドレスを通知するための第2管理アドレス通知パケットを生成する第2管理アドレス通知パケット生成部をさらに含み、前記第2内部通信インタフェースは、前記第2管理アドレス通知パケット生成部によって生成された前記第2管理アドレス通知パケットを送信し、前記第2フレーマは、前記第2内部通信インタフェースから送信された前記第2管理アドレス通知パケットをヘッダに含む第5光伝送フレームを生成し、前記第2光送信器は、前記第2フレーマによって生成された前記第5光伝送フレームを前記光ファイバを介して前記第1通信装置へ送信し、前記第1光受信器は、前記光ファイバを介して前記第5光伝送フレームを受信し、前記第1デフレーマは、前記第2光受信器によって受信された前記第5光伝送フレームから前記第2管理アドレス通知パケットを抽出し、抽出された前記第2管理アドレス通知パケットを送信し、前記第1内部通信インタフェースは、前記第1デフレーマから送信された前記第2管理アドレス通知パケットを受信してもよい。これにより、第1管理アドレスが変更された場合に、変更後の第1管理アドレスを第2通信装置へインバンドで通知することができ、第2管理アドレスが変更された場合に、変更後の第2管理アドレスを第1通信装置へインバンドで通知することができる。
【0019】
(6) 本実施形態に係る通信装置は、原信号を第1装置から受信し、光ファイバを介して接続された対向装置へ、受信された前記原信号に応じた光信号を送信し、前記対向装置から光信号を受信し、受信された前記光信号に応じた原信号を前記第1装置へ送信する通信装置であって、前記通信装置は、前記通信装置が監視制御網を介して接続された管理装置から指定可能な第1管理アドレスと、前記対向装置と通信するための第1リンクローカルアドレスとが割り当てられ、前記通信装置は、前記対向装置に割り当てられた第2管理アドレスを宛先アドレスとして含む制御パケットを、前記管理装置から受信する外部通信インタフェースと、前記制御パケットにおける前記宛先アドレスを、前記第2管理アドレスから、前記対向装置に割り当てられた第2リンクローカルアドレスへ変換するアドレス変換部と、前記第2リンクローカルアドレスを前記宛先アドレスとして含む前記制御パケットを送信する内部通信インタフェースと、前記内部通信インタフェースから送信された前記制御パケットをヘッダに含む第1光伝送フレームを生成するフレーマと、前記フレーマによって生成された前記第1光伝送フレームを前記光ファイバを介して前記対向装置へ送信する光送信器と、前記制御パケットに対する応答パケットをヘッダに含む第2光伝送フレームを前記光ファイバを介して受信する光受信器と、前記光受信器によって受信された前記第2光伝送フレームから前記応答パケットを抽出し、抽出された前記応答パケットを送信するデフレーマと、を備え、前記内部通信インタフェースは、前記デフレーマから送信された前記応答パケットを受信し、前記アドレス変換部は、前記応答パケットにおける送信元アドレスを、前記第2リンクローカルアドレスから前記第2管理アドレスへ変換し、前記外部通信インタフェースは、前記第2管理アドレスを前記送信元アドレスとして含む前記応答パケットを、前記管理装置へ送信する。これにより、通信装置を介して管理装置と対向装置との間で制御パケットを伝送し、対向装置をインバンドにより監視制御することができる。
【0020】
(7) 本実施形態に係る通信装置は、原信号を第2装置から受信し、光ファイバを介して接続された対向装置へ、受信された前記原信号に応じた光信号を送信し、前記対向装置から光信号を受信し、受信された前記光信号に応じた原信号を前記第2装置へ送信する通信装置であって、前記通信装置は、前記対向装置が監視制御網を介して接続された管理装置から指定可能な第2管理アドレスと、前記対向装置と通信するための第2リンクローカルアドレスとが割り当てられ、前記対向装置は、前記第2管理アドレスを宛先アドレスとして含む制御パケットを前記管理装置から受信し、前記制御パケットにおける前記宛先アドレスを、前記第2管理アドレスから前記第2リンクローカルアドレスへ変換し、前記制御パケットをヘッダに含む第1光伝送フレームを前記光ファイバを介して前記通信装置へ送信し、前記通信装置は、前記光ファイバを介して前記第1光伝送フレームを受信する光受信器と、前記光受信器によって受信された前記第1光伝送フレームから前記制御パケットを抽出し、抽出された前記制御パケットを送信するデフレーマと、前記デフレーマから送信された前記制御パケットを受信する内部通信インタフェースと、前記内部通信インタフェースによって受信された前記制御パケットに対する応答パケットの送信経路を、前記内部通信インタフェースを含む経路に決定する決定部と、前記内部通信インタフェースから送信された前記応答パケットをヘッダに含む第2光伝送フレームを生成するフレーマと、前記フレーマによって生成された前記第2光伝送フレームを前記光ファイバを介して前記対向装置へ送信する光送信器と、を備える。これにより、対向装置を介して管理装置と通信装置との間で制御パケットを伝送し、通信装置をインバンドにより監視制御することができる。
【0021】
(8) 本実施形態に係る監視制御方法は、第1通信装置に光ファイバで接続された第2通信装置を、前記第1通信装置を介して監視制御する監視制御方法であって、前記第1通信装置が、前記第2通信装置に割り当てられた第2管理アドレスを宛先アドレスとして含む制御パケットを、前記第1通信装置に監視制御網を介して接続された管理装置から外部通信インタフェースによって受信するステップと、前記第1通信装置が、前記制御パケットにおける前記宛先アドレスを、前記第2管理アドレスから、前記第2通信装置に割り当てられた第2リンクローカルアドレスへ変換するステップと、前記第1通信装置が、前記第2リンクローカルアドレスを前記宛先アドレスとして含む前記制御パケットを第1内部通信インタフェースから送信するステップと、前記第1通信装置が、前記第1内部通信インタフェースから送信された前記制御パケットをヘッダに含む第1光伝送フレームを生成するステップと、前記第1通信装置が、生成された前記第1光伝送フレームを前記光ファイバを介して前記第2通信装置へ送信するステップと、前記第2通信装置が、前記光ファイバを介して前記第1光伝送フレームを受信するステップと、前記第2通信装置が、受信された前記第1光伝送フレームから前記制御パケットを抽出するステップと、前記第2通信装置が、前記制御パケットを第2内部通信インタフェースによって受信するステップと、前記第2通信装置が、前記第2内部通信インタフェースによって受信された前記制御パケットに対する応答パケットの送信経路を、前記第2内部通信インタフェースを含む経路に決定するステップと、前記第2通信装置が、前記第2内部通信インタフェースから送信された前記応答パケットをヘッダに含む第2光伝送フレームを生成するステップと、前記第2通信装置が、生成された前記第2光伝送フレームを前記光ファイバを介して前記第1通信装置へ送信するステップと、前記第1通信装置が、前記光ファイバを介して前記第2光伝送フレームを受信するステップと、前記第1通信装置が、受信された前記第2光伝送フレームから前記応答パケットを抽出するステップと、前記第1通信装置が、前記応答パケットを前記第1内部通信インタフェースによって受信するステップと、前記第1通信装置が、前記内部通信インタフェースによって受信された前記応答パケットにおける送信元アドレスを、前記第2リンクローカルアドレスから前記第2管理アドレスへ変換するステップと、前記第1通信装置が、前記第2管理アドレスを前記送信元アドレスとして含む前記応答パケットを、前記外部通信インタフェースによって前記管理装置へ送信するステップと、を含む。これにより、第1通信装置を介して管理装置と第2通信装置との間で制御パケットを伝送し、第2通信装置をインバンドにより監視制御することができる。
【0022】
<本開示の実施形態の詳細>
以下、図面を参照しつつ、本開示の実施形態の詳細を説明する。なお、以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
【0023】
[1.中継システムの構成]
図1は、実施形態に係る通信システム10の構成の一例を示す模式図である。
図1に示される通信システム10は、モバイルフロントホールである。通信システム10は、ベースバンド装置(以下、「BBU」という)20と、遠隔無線ヘッド(以下、「RRH」という)30とを備える。BBU20は、無線基地局の信号処理部である。RRH30は無線基地局のアンテナである。
【0024】
通信システム10は、BBU20とRRH30との間に中継システム100を含む。中継システム100は、BBU20とRRH30との間の通信を中継する。なお、本実施形態ではMFHに適用される中継システム100が説明されるが、これに限定されない。MBH又はMMHに中継システム100を適用してもよい。
【0025】
中継システム100は、第1光伝送装置200及び第2光伝送装置300を含む。第1光伝送装置200は、第1通信装置の一例であり、第2光伝送装置300は、第2通信装置の一例である。第1光伝送装置200及び第2光伝送装置300は、ITU-T(International Telecommunication Union Telecommunication Standardization Sector) によって規定される通信規格であるOTNに準拠した通信装置であり、5G(第5世代移動通信システム)の通信信号用の光伝送装置である。第1光伝送装置200は、BBU20に光ファイバケーブル21によって接続される。第2光伝送装置300は、RRH30に光ファイバケーブル31によって接続される。第1光伝送装置200及び第2光伝送装置300は、光ファイバケーブル250を介して互いに接続される。
【0026】
第1光伝送装置200及び第2光伝送装置300は、一対一に接続されてもよいし、一対多に接続されてもよいし、多対多に接続されてもよい。第1光伝送装置200及び第2光伝送装置300は、互いに遠隔した拠点に配置される。光ファイバケーブル250は、例えば20km以上の長さを有する。光ファイバケーブル250には、例えばダークファイバが利用される。
図1に示す例では、拠点Aに配置された第1光伝送装置200が、拠点Bに配置された第2光伝送装置300と、拠点Cに配置された第2光伝送装置300とに接続される。
【0027】
第1光伝送装置200は、監視制御網41を介して管理装置40に接続されている。管理装置40は、SNMP (Simple Network Management Protocol) 、SSH(Secure Shell)等のTCP/IP(Transmission Control Protocol /Internet Protocol)におけるアプリケーション層に属する監視制御用プロトコルを用いて、第1光伝送装置200及び第2光伝送装置300を監視制御することができる。監視制御網41は、IPネットワークである。光伝送装置200は、イーサネット(登録商標)ケーブル42によって監視制御網41に接続されている。第2光伝送装置300は、監視制御網41に接続されていない。
【0028】
[2.第1光伝送装置]
図2は、実施形態に係る第1光伝送装置の構成の一例を示すブロック図である。第1光伝送装置200は、制御モジュール210と、回線モジュール220とを含む。
【0029】
[2-1.制御モジュール]
制御モジュール210は、第1光伝送装置200全体の動作を制御するための回路モジュールである。制御モジュール210は、管理装置40と監視制御用プロトコルを用いて通信を行い、管理装置40の要求に応じて第1光伝送装置200の各種の状態情報を提供したり、管理装置40からの遠隔操作を可能としたりする。制御モジュール210は、管理装置40と第2光伝送装置300との間の通信を中継するために、監視制御用プロトコルによる制御パケットのアドレス変換を行う。監視制御用プロトコルによる制御パケットは、例えばSNMP及びSSHのパケットが該当するが、これに限定されず、他の監視制御用プロトコルのパケットであってもよい。
【0030】
制御モジュール210は、プロセッサ211と、不揮発性メモリ212と、揮発性メモリ213と、L2スイッチ(レイヤ2スイッチ)214と、PHY215と、コネクタ216とを含む。
【0031】
揮発性メモリ213は、例えばSRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の半導体メモリである。不揮発性メモリ212は、例えばフラッシュメモリ、ハードディスク、ROM(Read Only Memory)等である。不揮発性メモリ212には、コンピュータプログラムである第1通信プログラム217及び第1通信プログラム217の実行に使用されるNAT(Network Address Translation)テーブル218等のデータが格納される。第1光伝送装置200は、コンピュータを備えて構成され、第1光伝送装置200の各機能は、前記コンピュータの記憶装置に記憶されたコンピュータプログラムである第1通信プログラム217がプロセッサ211によって実行されることで発揮される。
【0032】
第1通信プログラム217は、管理装置40から送信された制御パケットを第2光伝送装置300へ転送し、第2光伝送装置300から送信された応答パケットを管理装置40へ転送するためのコンピュータプログラムである。
【0033】
プロセッサ211は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。ただし、プロセッサ211は、CPUに限られない。プロセッサ211は、GPU(Graphics Processing Unit)であってもよい。具体的な一例では、プロセッサ211は、マルチコアGPUである。プロセッサ211は、コンピュータプログラムを実行可能に構成される。ただしプロセッサ211は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)を一部に含んでもよいし、ゲートアレイ、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを一部に含んでもよい。
【0034】
プロセッサ211は、通信インタフェース(I/F)211A,211B,211Cを含む。通信I/F211A,211B,211Cのそれぞれは、イーサネットインタフェースである。以下の説明では、通信I/F211Aは「eth0」、通信I/F211Bは「eth1」、通信I/F211Cは「eth2」とも表記される。通信I/F211A,211B,211Cのそれぞれには、ユニークなMACアドレスが割り当てられる。
【0035】
通信I/F211Aには、管理装置40から指定可能なIPアドレスである管理用ポートアドレス「100.1.1.10」が割り当てられている。通信I/F211Bには、管理装置40から指定可能なIPアドレスである管理アドレス「100.1.1.1」が割り当てられている。通信I/F211Cには、リンクローカルアドレス「169.254.0.10」が割り当てられている。ただし、これらのアドレス「100.1.1.10」、「100.1.1.1」、「169.254.0.10」は例であり、他のアドレスであってもよい。
【0036】
通信I/F211Aは、外部通信インタフェースの一例である。通信I/F211Cは、第1内部通信インタフェースの一例である。
【0037】
通信I/F211A,211B,211CはL2スイッチ214のポートに接続されている。L2スイッチ214の1つのポートは、PHY215を介してコネクタ216に接続されている。コネクタ216は、RJ45コネクタであり、イーサネットケーブル42のコネクタが接続される。PHY215は、イーサネット物理トランシーバである。L2スイッチ214にはさらに複数のポートが設けられており、当該複数のポートは、複数の回線モジュール220に一対一に接続されている。
【0038】
L2スイッチ214は、図示しないアドレステーブルを参照して、受信したイーサネットフレームの宛先MACアドレスに対応するポートからフレームを出力する。VLANによって管理用ポートアドレスが属するネットワークセグメントとリンクローカルアドレスが属するネットワークセグメントとは分割されている。これにより、管理装置40からの通信と、第1光伝送装置200における内部通信(つまり、回線モジュール220からの通信)とが分離される。
【0039】
[2-2.回線モジュール]
回線モジュール220は、複数のクライアント信号を多重化して光伝送する集線装置である。
図2に示す第1光伝送装置200は、2つの回線モジュール220を含む。1つの回線モジュール220は、拠点Bに配置された第2光伝送装置300に一本の光ファイバケーブル250によって接続され、他の1つの回線モジュール220は、拠点Cに配置された第2光伝送装置300に一本の光ファイバケーブル250によって接続されている。
【0040】
回線モジュール220は、複数の送受信部221と、複数の信号処理回路222と、プロセッサ223と、OTNフレーム処理回路224と、送受信部225とを含む。
【0041】
送受信部221は、光ファイバケーブル21を介してBBU20に接続されるクライアントポートである。送受信部221は、例えば、25Gイーサネット(以下、「25GE」ともいう)に対応した光トランシーバを含む。光トランシーバは、光信号と電気信号とを相互変換する。
【0042】
信号処理回路222は、送信回路及び受信回路を含む。信号処理回路222は、入力された電気信号に対して所定の信号処理を施し、OTNフレーム処理回路224へ出力する。信号処理回路222は、例えばFPGAを含むハードウェア回路によって構成される。
【0043】
回線モジュール220はマックスポンダであり、OTNフレーム処理回路224は、BBU20から受信された複数のクライアント信号をOTNフレームに変換するフレーマ224Aの機能を有する。OTNフレーム処理回路224は、第1フレーマの一例である。フレーマ224Aは、クライアント信号を分割したブロックデータを収容したOTNフレーム(第1光伝送フレーム)を生成する。フレーマ224Aは生成されたOTNフレームを送受信部225へ出力する。OTNフレーム処理回路224は、例えば、LSI(Large Scale Integration)として構成される。
【0044】
送受信部225は、対向装置である第2光伝送装置300に接続される通信ポートである。送受信部225は、光ファイバケーブル250に接続される。送受信部225は、例えば、100Gbpsの光信号を送受信することが可能な光トランシーバを含む。送受信部225は、例えば、送信回路、及び受信回路を含む。送受信部225は、入力された電気信号を光信号へ変換し、光ファイバケーブル250へ送出する。送受信部225は、第1光送信器の一例である。
【0045】
送受信部225は、第2光伝送装置300から送信された光信号を受信する。送受信部225は、第1光受信器の一例である。送受信部225は、受信された光信号を電気信号へ変換変換する。送受信部225は、得られた電気信号のOTNフレームをOTNフレーム処理回路224へ出力する。
【0046】
OTNフレーム処理回路224は、第2光伝送装置300から受信されたOTNフレームを複数のクライアント信号に変換するデフレーマ224Bの機能を有する。OTNフレーム処理回路224は、第1デフレーマの一例である。デフレーマ224Bは、入力されたOTNフレーム(第2光伝送フレーム)からクライアント信号を構成するブロックデータを抽出する。
【0047】
信号処理回路222は、OTNフレーム処理回路224が出力したブロックデータに対して所定の信号処理を施す。送受信部221は、得られた電気信号を光信号へ変換し、光ファイバケーブル21へ送出する。
【0048】
プロセッサ223は、例えばCPUである。ただし、プロセッサ223は、CPUに限られない。プロセッサ223は、GPUであってもよい。具体的な一例では、プロセッサ211は、マルチコアGPUである。プロセッサ223は、コンピュータプログラムを実行可能に構成される。ただしプロセッサ223は、例えば、ASICを一部に含んでもよいし、ゲートアレイ、FPGA等のプログラマブルロジックデバイスを一部に含んでもよい。
【0049】
回線モジュール220は、L2スイッチ214から延びる信号線に接続されたPHY226を含む。プロセッサ223は、PHY226に接続されたイーサネットI/F223aを含む。プロセッサ223は、イーサネットI/F223aを監視し、イーサネットI/F223によってパケットが受信された場合、受信されたパケットをOTNフレーム処理回路224へ送信し、当該パケットをOTNフレームのODUkオーバーヘッド(ODUk:Optical Channel Data Unit-k)におけるGCC(General Communication Channel)領域に挿入することを指示する(GCCは、ITU-T Recommendation G.709に規定されている。)。指示を受け付けたOTNフレーム処理回路224は、受信されたパケットをODUkオーバーヘッドのGCC領域に含むOTNフレームを生成する。
【0050】
[3.第2光伝送装置]
図3は、実施形態に係る第2光伝送装置の構成の一例を示すブロック図である。第2光伝送装置300は、制御モジュール310と、回線モジュール320とを含む。
【0051】
[3-1.制御モジュール]
制御モジュール310は、第2光伝送装置300全体の動作を制御するための回路モジュールである。制御モジュール310は、TCP/IPのアプリケーション層における監視制御用プロトコルを用いたインバンドによる監視制御通信を行い、管理装置40の要求に応じて第2光伝送装置300の各種の状態情報を提供したり、管理装置40からの遠隔操作を可能としたりする。
【0052】
制御モジュール310は、プロセッサ311と、不揮発性メモリ312と、揮発性メモリ313と、L2スイッチ314と、PHY315と、コネクタ316とを含む。プロセッサ311、不揮発性メモリ312、揮発性メモリ313、L2スイッチ314、PHY315、及びコネクタ316の構成は、プロセッサ211、不揮発性メモリ212、揮発性メモリ213、L2スイッチ214、PHY215、及びコネクタ216の構成と同様である。以下、プロセッサ211、不揮発性メモリ212、揮発性メモリ213、L2スイッチ214、PHY215、及びコネクタ216と同様の構成については説明を省略する。
【0053】
不揮発性メモリ312には、コンピュータプログラムである第2通信プログラム317及び第2通信プログラム317の実行に使用されるルーティングテーブル318等のデータが格納される。第2光伝送装置300は、コンピュータを備えて構成され、第2光伝送装置300の各機能は、前記コンピュータの記憶装置に記憶されたコンピュータプログラムである第2通信プログラム317がプロセッサ311によって実行されることで発揮される。
【0054】
第2通信プログラム317は、管理装置40から送信され、第1光伝送装置200によって転送された制御パケットに対する応答パケットの送信経路を決定するためのコンピュータプログラムである。
【0055】
プロセッサ311は、通信I/F311A,311B,311Cを含む。通信I/F311A,311B,311Cのそれぞれは、イーサネットインタフェースである。以下の説明では、通信I/F311Aは「eth0」、通信I/F311Bは「eth1」、通信I/F311Cは「eth2」とも表記される。通信I/F311A,311B,311Cのそれぞれには、ユニークなMACアドレスが割り当てられる。
【0056】
通信I/F311Aには、管理装置40から指定可能なIPアドレスである管理用ポートアドレス「100.1.1.20」が割り当てられている。通信I/F311Bには、管理装置40から指定可能なIPアドレスである管理アドレス「100.1.1.2」が割り当てられている。通信I/F311Cには、リンクローカルアドレス「169.254.0.20」が割り当てられている。ただし、これらのアドレス「100.1.1.20」、「100.1.1.2」、「169.254.0.20」は例であり、他のアドレスであってもよい。
【0057】
L2スイッチ314は、図示しないアドレステーブルを参照して、受信したイーサネットフレームの宛先MACアドレスに対応するポートからフレームを出力する。VLANによって管理用ポートアドレスが属するネットワークセグメントとリンクローカルアドレスが属するネットワークセグメントとは分割されている。
【0058】
[3-2.回線モジュール]
回線モジュール320は、複数のクライアント信号を多重化して光伝送する集線装置である。
図3に示す第2光伝送装置300は、1つの回線モジュール320を含む。回線モジュール320は、拠点Aに配置された第1光伝送装置200に一本の光ファイバケーブル250によって接続されている。
【0059】
回線モジュール320は、複数の送受信部321と、複数の信号処理回路322と、プロセッサ323と、OTNフレーム処理回路324と、送受信部325とを含む。送受信部321、複数の信号処理回路322、プロセッサ323、OTNフレーム処理回路324、及び送受信部325の構成は、送受信部221、複数の信号処理回路222、プロセッサ223、OTNフレーム処理回路224、及び送受信部225の構成と同様である。以下、送受信部221、複数の信号処理回路222、プロセッサ223、OTNフレーム処理回路224、及び送受信部225と同様の構成については説明を省略する。
【0060】
送受信部325は、対向装置である第1光伝送装置200に接続される通信ポートである。送受信部225は、光ファイバケーブル250に接続される。送受信部325は、第2光受信器の一例であり、第2光送信器の一例である。
【0061】
OTNフレーム処理回路324は、第1光伝送装置200から受信されたOTNフレームを複数のクライアント信号に変換するデフレーマ324Bの機能を有する。OTNフレーム処理回路324は、第2デフレーマの一例である。デフレーマ324Bは、入力されたOTNフレーム(第1光伝送フレーム)からクライアント信号を構成するブロックデータを抽出する。
【0062】
信号処理回路322は、OTNフレーム処理回路324が出力したブロックデータに対して所定の信号処理を施す。送受信部321は、得られた電気信号を光信号へ変換し、光ファイバケーブル31へ送出する。
【0063】
回線モジュール320はマックスポンダであり、OTNフレーム処理回路324は、RRH30から受信された複数のクライアント信号をOTNフレームに変換するフレーマ324Aの機能を有する。OTNフレーム処理回路324は、第2フレーマの一例である。フレーマ324Aは、クライアント信号を分割したブロックデータを収容したOTNフレーム(第2光伝送フレーム)を生成する。フレーマ324Aは生成されたOTNフレームを送受信部325へ出力する。
【0064】
回線モジュール320は、L2スイッチ314から延びる信号線に接続されたPHY326を含む。プロセッサ323は、PHY326に接続されたイーサネットI/F323aを含む。プロセッサ323は、イーサネットI/F323aを監視し、イーサネットI/F323によってパケットが受信された場合、受信されたパケットをOTNフレーム処理回路324へ送信し、当該パケットをOTNフレームのODUkオーバーヘッドにおけるGCC領域に挿入することを指示する。指示を受け付けたOTNフレーム処理回路324は、受信されたパケットをODUkオーバーヘッドのGCC領域に含むOTNフレームを生成する。
【0065】
[4.中継システムの機能]
再び
図2を参照する。プロセッサ211は、第1通信プログラム217を実行することにより、アドレス変換部231、アドレス調整部232、及び第1管理アドレス通知パケット生成部233として機能する。
【0066】
図4は、IPパケットのフォーマットを示す図である。アドレス変換部231は、管理装置40から第2光伝送装置300宛てに送信された制御パケットの宛先IPアドレスを変換する。
【0067】
管理装置40が第2光伝送装置300の監視制御を行う場合、管理装置40から送信される制御パケットには、宛先アドレスに第2光伝送装置300の管理アドレス「100.1.1.2」が指定されている。アドレス変換部231は、第2光伝送装置300の管理アドレス「100.1.1.2」が宛先アドレスとして指定された制御パケットが通信I/F211Aによって受信された場合、NATテーブル218を参照する。
図5は、実施形態に係るNATテーブルの構成の一例を示す図である。NATテーブル218では、内部ローカルアドレスとして、第2光伝送装置300のリンクローカルアドレス「169.254.0.20」と、内部グローバルアドレスとして、第2光伝送装置300の管理アドレス「100.1.1.2」とが対応付けて登録されている。アドレス変換部231は、NATテーブル218に基づいて、制御パケットの宛先アドレス「100.1.1.2」を第2光伝送装置300のリンクローカルアドレス「169.254.0.20」に変換する。制御パケットは通信I/F211Cから送出され、インバンドで第2光伝送装置300へ送信される。
【0068】
再び
図3を参照する。プロセッサ311は、第2通信プログラム317を実行することにより、決定部331、通知パケット生成部332、及び第2管理アドレス通知パケット生成部333として機能する。
【0069】
インバンドで送信された制御パケットは、第2光伝送装置300の制御モジュール310の通信I/F311Cによって受信される。決定部331は、通信I/F311Cによってパケットを受信した場合、ルーティングテーブル318を参照して、当該パケットに対する応答パケットの送信経路を決定する。
図6は、実施形態に係るルーティングテーブルの構成の一例を示す図である。ルーティングテーブル318には、通信I/F311Cを示す「eth2」がデフォルトルートとして登録されており、他のルートは登録されていない。ルーティングテーブル318は、通信I/F311Cによってパケットが受信された場合に参照されるルーティングテーブルである。したがって、通信I/F311Cによってパケットが受信された場合、当該パケットに対する応答パケットの送信経路は必ず通信I/311Cを含む経路に決定される。
【0070】
管理装置40から送信された制御パケットに対する応答パケットにおいて、送信元IPアドレスには第2光伝送装置300のリンクローカルアドレス「169.254.0.20」が指定され、宛先IPアドレスには管理装置40のIPアドレスが指定される。通信I/F311Cから送出された応答パケットは、インバンドによって第1光伝送装置200へ送信される。
【0071】
再び
図2を参照する。インバンドで送信された制御パケットは、第1光伝送装置200の制御モジュール210の通信I/F211Cによって受信される。アドレス変換部231は、第2光伝送装置300のリンクローカルアドレス「169.254.0.20」が送信元アドレスとして指定された応答パケットが通信I/F211Cによって受信された場合、NATテーブル218を参照する。アドレス変換部231は、NATテーブル218に基づいて、応答パケットの送信元アドレス「169.254.0.20」を第2光伝送装置300の管理アドレス「100.1.1.2」に変換する。応答パケットは通信I/F211Aから送出され、管理装置40へ送信される。
【0072】
上述のようなアドレス変換を行うためには、第1光伝送装置200において、第2光伝送装置300の管理アドレス「100.1.1.2」及びリンクローカルアドレス「169.254.0.20」がNATテーブル218に記憶されている必要がある。再び
図3を参照する。通知パケット生成部332は、第2光伝送装置300の管理アドレス「100.1.1.2」及びリンクローカルアドレス「169.254.0.20」を第1光伝送装置200へ通知するためのアドレス通知パケット(通知パケット)を生成する。アドレス通知パケットは、管理アドレスとリンクローカルアドレスとを格納する領域を含む。生成されたアドレス通知パケットは通信I/F311Cから送出され、インバンドによって第1光伝送装置200へ送信される。
【0073】
再び
図2を参照する。インバンドで送信されたアドレス通知パケットは、第1光伝送装置200の制御モジュール210の通信I/F211Cによって受信される。アドレス調整部232は、第1光伝送装置200のリンクローカルアドレスと、通知された第2光伝送装置300のリンクローカルアドレスとが競合するか否かを判定する。第1光伝送装置200のリンクローカルアドレスと、通知された第2光伝送装置300のリンクローカルアドレスとが競合しない場合、NATテーブル218において、通知されたリンクローカルアドレスが内部ローカルアドレスに、通知された管理アドレスが内部グローバルアドレスに、それぞれ登録される。第1光伝送装置200のリンクローカルアドレスと、通知された第2光伝送装置300のリンクローカルアドレスとが競合する場合、アドレス調整部232は、第1光伝送装置200のリンクローカルアドレスを変更する。これによって、リンクローカルアドレスの競合が解消される。
【0074】
第1光伝送装置200及び第2光伝送装置300において、管理アドレスはユーザによって変更可能である。第1光伝送装置200の管理アドレスが変更された場合、第1管理アドレス通知パケット生成部233は、新しい管理アドレスを第2光伝送装置300に通知するための第1管理アドレス通知パケットを生成する。第1管理アドレス通知パケットは、管理アドレスを格納する領域を含む。生成された第1管理アドレス通知パケットは通信I/F211Cから送出され、インバンドによって第2光伝送装置300へ送信される。
【0075】
再び
図3を参照する。インバンドで送信された第1管理アドレス通知パケットは、第2光伝送装置300の制御モジュール310の通信I/F311Cによって受信される。これにより、第1光伝送装置200の新しい管理アドレスが第2光伝送装置300に通知される。
【0076】
第2光伝送装置300の管理アドレスが変更された場合、第2管理アドレス通知パケット生成部333は、新しい管理アドレスを第1光伝送装置200に通知するための第2管理アドレス通知パケットを生成する。第2管理アドレス通知パケットは、管理アドレスを格納する領域を含む。生成された第2管理アドレス通知パケットは通信I/F311Cから送出され、インバンドによって第1光伝送装置200へ送信される。
【0077】
再び
図2を参照する。インバンドで送信された第2管理アドレス通知パケットは、第1光伝送装置200の制御モジュール210の通信I/F211Cによって受信される。これにより、第2光伝送装置300の新しい管理アドレスが第1光伝送装置200に通知される。NATテーブル218の内部グローバルアドレスは、新しい管理アドレスに書き換えられる。
【0078】
[5.中継システムの動作]
第1光伝送装置200のプロセッサ211が第1通信プログラム217を起動し、第2光伝送装置のプロセッサ311が第2通信プログラム317を起動すると、中継システム100が、後述するようなインバンドパケット転送処理、接続初期化処理、及び管理アドレス通知処理を実行する。
【0079】
図7は、実施形態に係る中継システム100によるインバンドパケット転送処理の手順の一例を示すシーケンス図である。
【0080】
管理装置40は、第2光伝送装置300の監視制御を行うための制御パケットを送信する(ステップS1)。この制御パケットの宛先IPアドレスには、第2光伝送装置300の管理アドレス「100.1.1.2」が指定され、送信元IPアドレスには、管理装置40のIPアドレスが指定されている。
【0081】
制御パケットは監視制御網41を介して第1光伝送装置200の通信I/F211Aによって受信される。第1光伝送装置200のプロセッサ211は、NATテーブル218を参照し、制御パケットの宛先IPアドレスを、管理アドレス「100.1.1.2」からリンクローカルアドレス「169.254.0.20」に変更する(ステップS2)。
【0082】
プロセッサ211は、通信I/F211Cから制御パケットを送出する(ステップS3)。制御パケットは、回線モジュール220のプロセッサ223によって受信される。
【0083】
プロセッサ223は、受信された制御パケットをOTUkオーバーヘッドのGCC領域に格納したOTNフレームを生成する指示をOTNフレーム処理回路224に与える。OTNフレーム処理回路224は、制御パケットをGCC領域に格納したOTNフレームを生成する(ステップS4)。
【0084】
送受信部225は、生成されたOTNフレームを光信号として第2光伝送装置300へ送信する(ステップS5)。OTNフレームは送受信部325によって受信され、電気信号に変換された後、OTNフレーム処理回路324に与えられる。OTNフレーム処理回路324は、受信されたOTNフレームのOTUkオーバーヘッドのGCC領域から制御パケットを抽出する(ステップS6)。
【0085】
制御パケットはプロセッサ323に与えられ、プロセッサ323が通信I/F323aから制御パケットを送出する(ステップS7)。制御モジュール310の通信I/F311Cによって制御パケットが受信される。
【0086】
プロセッサ311は、制御パケットに含まれるデータにしたがって監視制御のための処理を実行し、応答パケットを生成する(ステップS8)。応答パケットの宛先IPアドレスには、管理装置40のIPアドレスが指定され、送信元IPアドレスには、第2光伝送装置300のリンクローカルアドレス「169.254.0.20」が指定されている。
【0087】
プロセッサ311は、ルーティングテーブル318を参照し、応答パケットの送信経路を、デフォルトルートであるeth2(通信I/F311C)を含む経路に決定する(ステップS9)。プロセッサ311は、通信I/F311Cから応答パケットを送出する(ステップS10)。応答パケットは、回線モジュール320のプロセッサ323によって受信される。
【0088】
プロセッサ323は、受信された応答パケットをOTUkオーバーヘッドのGCC領域に格納したOTNフレームを生成する指示をOTNフレーム処理回路324に与える。OTNフレーム処理回路324は、応答パケットをGCC領域に格納したOTNフレームを生成する(ステップS11)。
【0089】
送受信部325は、生成されたOTNフレームを光信号として第1光伝送装置200へ送信する(ステップS12)。OTNフレームは送受信部225によって受信され、電気信号に変換された後、OTNフレーム処理回路224に与えられる。OTNフレーム処理回路224は、受信されたOTNフレームのOTUkオーバーヘッドのGCC領域から応答パケットを抽出する(ステップS13)。
【0090】
応答パケットはプロセッサ223に与えられ、プロセッサ223が通信I/F223aから応答パケットを送出する(ステップS14)。制御モジュール210の通信I/F211Cによって応答パケットが受信される。
【0091】
プロセッサ211は、NATテーブル218を参照し、応答パケットの宛先IPアドレスを、リンクローカルアドレス「169.254.0.20」から管理アドレス「100.1.1.2」に変更する(ステップS15)。
【0092】
プロセッサ211は、通信I/F211Aから応答パケットを送出する(ステップS16)。応答パケットは、監視制御網41を介して管理装置40に送信される。以上で、インバンドパケット転送処理が終了する。
【0093】
図8は、実施形態に係る中継システム100による接続初期化処理の手順の一例を示すシーケンス図である。
【0094】
接続初期化処理は、第1光伝送装置200と第2光伝送装置300との接続初期に実行される。第1光伝送装置200及び第2光伝送装置300は、ハンドシェイクによって接続を確立する。すなわち、第2光伝送装置300のプロセッサ311がHelloパケットを通信I/F311Cから送信する。Helloパケットは、第1光伝送装置200に対する接続要求である。Helloパケットは、OTNフレーム処理回路324によってOTNフレームのGCC領域にマッピングされ、当該OTNフレームが光ファイバ250を介して第1光伝送装置200へ送信される。Helloパケットは、OTNフレーム処理回路224によってOTNフレームのGCC領域から抽出され、通信I/F211Cによって受信される。プロセッサ211は、第2光伝送装置300の接続を許可するためのAckパケットを通信I/F211Cから送信する。Ackパケットは、OTNフレーム処理回路224によってOTNフレームのGCC領域にマッピングされ、当該OTNフレームが光ファイバ250を介して第2光伝送装置300へ送信される。Helloパケットは、OTNフレーム処理回路324によってOTNフレームのGCC領域から抽出され、通信I/F311Cによって受信される。プロセッサ311は、接続開始を表すAckパケットを通信I/F311Cから送信する。Ackパケットは、OTNフレームのGCC領域にマッピングされ、当該OTNフレームが光ファイバ250を介して第1光伝送装置200へ送信される。Ackパケットは、OTNフレームのGCC領域から抽出され、通信I/F311Cによって受信される。以上で、第1光伝送装置200と第2光伝送装置300との接続が確立される。
【0095】
第1光伝送装置200との接続が確立されると、第2光伝送装置300のプロセッサ311は、アドレス通知パケットを生成する(ステップS21)。アドレス通知パケットの管理アドレス及びリンクローカルアドレスの格納領域には、第2光伝送装置300の管理アドレス及びリンクローカルアドレスが格納される。
【0096】
プロセッサ311は、通信I/F311Cからアドレス通知パケットを送出する(ステップS22)。アドレス通知パケットは、上記の応答パケットと同様にして、インバンドにより第1光伝送装置200へ送信される(ステップS23~S26)。制御モジュール210の通信I/F211Cによってアドレス通知パケットが受信される。
【0097】
プロセッサ211は、アドレス通知パケットから第2光伝送装置300の管理アドレス及びリンクローカルアドレスを取得する。プロセッサ211は、第1光伝送装置200のリンクローカルアドレスと第2光伝送装置300のリンクローカルアドレスとが競合するか否かを判定する。第1光伝送装置200のリンクローカルアドレスと第2光伝送装置300のリンクローカルアドレスとが競合する場合、プロセッサ211は、第1光伝送装置200のリンクローカルアドレスを変更する(ステップS27)。例えば、第1光伝送装置200及び第2光伝送装置300のリンクローカルアドレスが共に「169.254.0.1」であった場合、第1光伝送装置200のリンクローカルアドレスが「169.254.0.2」に変更される。これにより、リンクローカルアドレスの競合が解消される。第1光伝送装置200のリンクローカルアドレスと第2光伝送装置300のリンクローカルアドレスとが競合しない場合、プロセッサ211は、第1光伝送装置200のリンクローカルアドレスを変更しない。
【0098】
プロセッサ211は、通知された第2光伝送装置300の管理アドレス及びリンクローカルアドレスを、NATテーブル218の内部グローバルアドレス及び内部ローカルアドレスに登録する(ステップS28)。
【0099】
プロセッサ211は、通知応答パケットを生成する(ステップS29)。通知応答パケットは、アドレス通知パケットに対する応答パケットであり、第1光伝送装置200の管理アドレス及びリンクローカルアドレスを第2光伝送装置300へ通知するためのパケットである。通知応答パケットは、第1光伝送装置200の管理アドレス及びリンクローカルアドレス、並びに第2光伝送装置300の管理アドレス及びリンクローカルアドレスを格納するための領域を含む。プロセッサ211は、第1光伝送装置200の管理アドレス及びリンクローカルアドレス、並びに第2光伝送装置300の管理アドレス及びリンクローカルアドレスを格納するための通知応答パケットの領域に、第1光伝送装置200の管理アドレス及びリンクローカルアドレス、並びに第2光伝送装置300の管理アドレス及びリンクローカルアドレスを格納する。
【0100】
プロセッサ211は、通信I/F211Cから通知応答パケットを送出する(ステップS30)。通知応答パケットは、上記の制御パケットと同様にして、インバンドにより第2光伝送装置300へ送信される(ステップS31~S34)。制御モジュール310の通信I/F311Cによって通知応答パケットが受信される。
【0101】
プロセッサ311は、通知応答パケットによって通知された第1光伝送装置200の管理アドレス及びリンクローカルアドレスを、不揮発性メモリ212に格納する。以上で、接続初期化処理が終了する。
【0102】
第1光伝送装置200又は第2光伝送装置300において管理アドレスが変更される場合、管理アドレス通知処理が実行される。
図9は、実施形態に係る中継システム100による管理アドレス通知処理の手順の一例を示すシーケンス図である。以下、
図9を参照して、第2光伝送装置300の管理アドレスが変更される場合の管理アドレス通知処理を説明する。
【0103】
例えば、第2光伝送装置300に接続された外部端末をユーザが操作して、第2光伝送装置300の管理アドレスの変更を指示する。プロセッサ311は、管理アドレスの変更指示を受け付け、管理アドレスを変更する(ステップS41)。
【0104】
管理アドレスが変更されると、プロセッサ311は、第2管理アドレス通知パケットを生成する(ステップS42)。第2管理アドレス通知パケットの管理アドレスの格納領域には、第2光伝送装置300の新しい管理アドレスが格納される。
【0105】
プロセッサ311は、通信I/F311Cから第2管理アドレス通知パケットを送出する(ステップS43)。第2管理アドレス通知パケットは、上記の応答パケットと同様にして、インバンドにより第1光伝送装置200へ送信される(ステップS44~S47)。制御モジュール210の通信I/F211Cによって第2管理アドレス通知パケットが受信される。
【0106】
プロセッサ211は、第2管理アドレス通知パケットから第2光伝送装置300の管理アドレスを取得する。プロセッサ211は、NATテーブル218の内部グローバルアドレスを、新たな管理アドレスに更新する(ステップS48)。以上で、管理アドレス通知処理が終了する。
【0107】
なお、第1光伝送装置200の管理アドレスが変更される場合の管理アドレス通知処理は、ステップS48を除いて、第1光伝送装置200の処理と第2光伝送装置300の処理とが入れ替わるだけであるので、その説明を省略する。第2光伝送装置300のプロセッサ311は、ステップS48に代えて、第1光伝送装置200の新たな管理アドレスを不揮発性メモリ312に格納する。
【0108】
[6.変形例]
上述した実施形態では、接続初期化処理において、第2光伝送装置300がアドレス通知パケットを第1光伝送装置200へ送信し、アドレス通知パケットを受信した第1光伝送装置200が通知応答パケットを第2光伝送装置300へ送信したが、これに限定されない。第1光伝送装置200がアドレス通知パケットを第2光伝送装置300へ送信し、アドレス通知パケットを受信した第2光伝送装置300が通知応答パケットを第1光伝送装置200へ送信してもよい。
【0109】
上述した実施形態では、第1光伝送装置200がアドレス調整部232を含み、第1光伝送装置200のリンクローカルアドレスと第2光伝送装置300のリンクローカルアドレスとが競合する場合に、アドレス調整部232が、第1光伝送装置200のリンクローカルアドレスを変更したが、これに限定されない。第2光伝送装置300がアドレス調整部を含み、第1光伝送装置200のリンクローカルアドレスと第2光伝送装置300のリンクローカルアドレスとが競合する場合に、アドレス調整部が、第2光伝送装置300のリンクローカルアドレスを変更してもよい。
【0110】
図10は、実施形態に係る中継システム100による接続初期化処理の手順の変形例を示すシーケンス図である。
【0111】
第2光伝送装置300との接続が確立されると、第1光伝送装置200のプロセッサ211は、アドレス通知パケットを生成する(ステップS201)。アドレス通知パケットの管理アドレス及びリンクローカルアドレスの格納領域には、第1光伝送装置200の管理アドレス及びリンクローカルアドレスが格納される。
【0112】
プロセッサ211は、通信I/F211Cからアドレス通知パケットを送出する(ステップS202)。アドレス通知パケットは、上記の制御パケットと同様にして、インバンドにより第2光伝送装置300へ送信される(ステップS203~S206)。制御モジュール310の通信I/F311Cによってアドレス通知パケットが受信される。
【0113】
プロセッサ311は、アドレス通知パケットから第1光伝送装置200の管理アドレス及びリンクローカルアドレスを取得する。プロセッサ311は、第1光伝送装置200のリンクローカルアドレスと第2光伝送装置300のリンクローカルアドレスとが競合するか否かを判定する。第1光伝送装置200のリンクローカルアドレスと第2光伝送装置300のリンクローカルアドレスとが競合する場合、プロセッサ311は、第2光伝送装置300のリンクローカルアドレスを変更する(ステップS207)。これにより、リンクローカルアドレスの競合が解消される。第1光伝送装置200のリンクローカルアドレスと第2光伝送装置300のリンクローカルアドレスとが競合しない場合、プロセッサ311は、第2光伝送装置300のリンクローカルアドレスを変更しない。
【0114】
プロセッサ311は、通知された第1光伝送装置200の管理アドレス及びリンクローカルアドレスを、不揮発性メモリ312に格納する。
【0115】
プロセッサ311は、通知応答パケットを生成する(ステップS208)。通知応答パケットは、アドレス通知パケットに対する応答パケットであり、第2光伝送装置300の管理アドレス及びリンクローカルアドレスを第1光伝送装置200へ通知するためのパケットである。プロセッサ311は、第1光伝送装置200の管理アドレス及びリンクローカルアドレス、並びに第2光伝送装置300の管理アドレス及びリンクローカルアドレスを格納するための通知応答パケットの領域に、第1光伝送装置200の管理アドレス及びリンクローカルアドレス、並びに第2光伝送装置300の管理アドレス及びリンクローカルアドレスを格納する。
【0116】
プロセッサ311は、通信I/F311Cから通知応答パケットを送出する(ステップS209)。通知応答パケットは、上記の応答パケットと同様にして、インバンドにより第1光伝送装置200へ送信される(ステップS210~S213)。制御モジュール210の通信I/F211Cによって通知応答パケットが受信される。
【0117】
プロセッサ211は、通知応答パケットによって通知された第2光伝送装置300の管理アドレス及びリンクローカルアドレスを、NATテーブル218の内部グローバルアドレス及び内部ローカルアドレスに登録する(ステップS214)。以上で、接続初期化処理が終了する。
【0118】
[7.効果]
中継システム100は、BBU20(第1装置)とRRH30(第2装置)との間の通信を中継する。中継システム100は、第1光伝送装置200と、第2光伝送装置300と、第1光伝送装置200及び第2光伝送装置300間を接続する光ファイバケーブル250とを含む。第1光伝送装置200は、BBU20との間で原信号を送受信する。第2光伝送装置300は、RRH30との間で原信号を送受信する。第1光伝送装置200及び第2光伝送装置300は、原信号に応じた光信号を光ファイバケーブル250を介して送受信する。第1光伝送装置200は、第1光伝送装置200が監視制御網41を介して接続された管理装置40から指定可能な管理アドレス(第1管理アドレス)と、第2通信装置と通信するためのリンクローカルアドレス(第1リンクローカルアドレス)とが割り当てられる。第2光伝送装置300は、管理装置40から指定可能な管理アドレス(第2管理アドレス)と、第1光伝送装置200と通信するためのリンクローカルアドレス(第2リンクローカルアドレス)とが割り当てられる。第1光伝送装置200は、通信I/F211A(外部通信インタフェース)と、アドレス変換部231と、通信I/F211C(第1内部通信インタフェース)と、フレーマ224A(第1フレーマ)と、送受信部225(第1光送信器)と、を含む。通信I/F211Aは、第2光伝送装置300の管理アドレスを宛先アドレスとして含む制御パケットを、管理装置40から受信する。アドレス変換部231は、制御パケットにおける宛先アドレスを、第2光伝送装置300の管理アドレスから第2光伝送装置300のリンクローカルアドレスへ変換する。通信I/F211Cは、第2光伝送装置300のリンクローカルアドレスを宛先アドレスとして含む制御パケットを送信する。フレーマ224Aは、通信I/F211Cから送信された制御パケットをOTUkオーバーヘッドのGCC領域に含むOTNフレーム(第1光伝送フレーム)を生成する。送受信部225は、フレーマ224Aによって生成されたOTNフレームを光ファイバケーブル250を介して第2光伝送装置300へ送信する。第2光伝送装置300は、送受信部325(第2光受信器,第2光送信器)と、デフレーマ324B(第2デフレーマ)と、通信I/F311C(第2内部通信インタフェース)と、決定部331と、フレーマ324A(第2フレーマ)と、を含む。送受信部325は、光ファイバケーブル250を介してOTNフレームを受信する。デフレーマ324Bは、送受信部325によって受信されたOTNフレームから制御パケットを抽出し、抽出された制御パケットを送信する。通信I/F311Cは、デフレーマ324Bから送信された制御パケットを受信する。決定部331は、通信I/F311Cによって受信された制御パケットに対する応答パケットの送信経路を、通信I/F311C(eth2)を含む経路に決定する。フレーマ324Aは、通信I/F311Cから送信された応答パケットをOTUkオーバーヘッドのGCC領域に含むOTNフレーム(第2光伝送フレーム)を生成する。送受信部325は、フレーマ324Aによって生成されたOTNフレームを光ファイバケーブル250を介して第1光伝送装置200へ送信する。第1光伝送装置200は、デフレーマ224B(第1デフレーマ)を含む。送受信部225は、光ファイバケーブル250を介してOTNフレームを受信する。デフレーマ224Bは、送受信部225によって受信されたOTNフレームから応答パケットを抽出し、抽出された応答パケットを送信する。通信I/F211Cは、デフレーマ224Bから送信された応答パケットを受信する。アドレス変換部231は、応答パケットにおける送信元アドレスを、第2光伝送装置300のリンクローカルアドレスから第2光伝送装置300の管理アドレスへ変換する。通信I/F211Aは、第2光伝送装置300の管理アドレスを送信元アドレスとして含む応答パケットを、管理装置40へ送信する。これにより、第1光伝送装置200を介して管理装置40と第2光伝送装置300との間で制御パケットを伝送し、第2光伝送装置300をインバンドにより監視制御することができる。
【0119】
中継システム100は、アドレス調整部232を含んでもよい。アドレス調整部232は、第1光伝送装置200のリンクローカルアドレスと第2光伝送装置300のリンクローカルアドレスとが競合する場合に、第1光伝送装置200のリンクローカルアドレス及び第2光伝送装置300のリンクローカルアドレスの少なくとも1つを変更する。これにより、第1光伝送装置200のリンクローカルアドレスと第2光伝送装置300のリンクローカルアドレスとの競合を解消することができる。
【0120】
第2光伝送装置300は、通知パケット生成部332を含んでもよい。通知パケット生成部332は、第2光伝送装置300のリンクローカルアドレスを通知するためのアドレス通知パケット(通知パケット)を生成する。通信I/F311Cは、通知パケット生成部332によって生成されたアドレス通知パケットを送信してもよい。フレーマ324Aは、通信I/F331Cから送信されたアドレス通知パケットをOTUkオーバーヘッドのGCC領域に含むOTNフレーム(第3光伝送フレーム)を生成してもよい。送受信部325は、フレーマ324Aによって生成されたOTNフレームを光ファイバケーブル250を介して第1光伝送装置200へ送信してもよい。送受信部225は、光ファイバケーブル250を介してOTNフレームを受信してもよい。デフレーマ224Bは、送受信部225によって受信されたOTNフレームからアドレス通知パケットを抽出し、抽出されたアドレス通知パケットを送信してもよい。通信I/F211Cは、デフレーマ224Bから送信されたアドレス通知パケットを受信してもよい。第1光伝送装置200は、アドレス調整部232を含んでもよい。アドレス調整部232は、アドレス通知パケットによって通知された第2光伝送装置300のリンクローカルアドレスが第1光伝送装置200のリンクローカルアドレスと競合する場合に、第1光伝送装置200のリンクローカルアドレスを変更してもよい。これにより、第1光伝送装置200のリンクローカルアドレスと第2光伝送装置300のリンクローカルアドレスとの競合を解消することができる。
【0121】
第1光伝送装置200は、通知パケット生成部をさらに含んでもよい。通知パケット生成部は、第1光伝送装置200のリンクローカルアドレスを通知するためのアドレス通知パケットを生成する。通信I/F211Cは、通知パケット生成部によって生成されたアドレス通知パケットを送信してもよい。フレーマ224Aは、通信I/F211Cから送信されたアドレス通知パケットをOTUkオーバーヘッドのGCC領域に含むOTNフレーム(第3光伝送フレーム)を生成してもよい。送受信部225は、フレーマ224Aによって生成されたOTNフレームを光ファイバケーブル250を介して第2光伝送装置300へ送信してもよい。送受信部325は、光ファイバケーブル250を介してOTNフレームを受信してもよい。デフレーマ324Bは、送受信部325によって受信されたOTNフレームからアドレス通知パケットを抽出し、抽出されたアドレス通知パケットを送信してもよい。通信I/F311Cは、デフレーマ324Bから送信された前記通知パケットを受信してもよい。第2光伝送装置300は、アドレス調整部を含んでもよい。アドレス調整部は、アドレス通知パケットによって通知された第1光伝送装置200のリンクローカルアドレスが第2光伝送装置300のリンクローカルアドレスと競合する場合に、第2光伝送装置300のリンクローカルアドレスを変更してもよい。これにより、第1光伝送装置200のリンクローカルアドレスと第2光伝送装置300のリンクローカルアドレスとの競合を解消することができる。
【0122】
第1光伝送装置200は、第1管理アドレス通知パケット生成部233をさらに含んでもよい。第1管理アドレス通知パケット生成部233は、第1光伝送装置200の管理アドレスが変更された場合に、変更後の第1光伝送装置200の管理アドレスを通知するための第1管理アドレス通知パケットを生成する。通信I/F211Cは、第1管理アドレス通知パケット生成部233によって生成された第1管理アドレス通知パケットを送信してもよい。フレーマ224Aは、通信I/F211Cから送信された第1管理アドレス通知パケットをOTUkオーバーヘッドのGCC領域に含むOTNフレーム(第4光伝送フレーム)を生成してもよい。送受信部225は、フレーマ224Aによって生成されたOTNフレームを光ファイバケーブル250を介して第2光伝送装置300へ送信してもよい。送受信部325は、光ファイバケーブル250を介してOTNフレームを受信してもよい。デフレーマ324Bは、送受信部325によって受信されたOTNフレームから第1管理アドレス通知パケットを抽出し、抽出された第1管理アドレス通知パケットを送信してもよい。通信I/F311Cは、デフレーマ324Bから送信された第1管理アドレス通知パケットを受信してもよい。第2光伝送装置300は、第2管理アドレス通知パケット生成部333をさらに含んでもよい。第2管理アドレス通知パケット生成部333は、第2光伝送装置300の管理アドレスが変更された場合に、変更後の第2光伝送装置300の管理アドレスを通知するための第2管理アドレス通知パケットを生成する。通信I/F311Cは、第2管理アドレス通知パケット生成部333によって生成された第2管理アドレス通知パケットを送信してもよい。フレーマ324Aは、通信I/F311Cから送信された第2管理アドレス通知パケットをOTUkオーバーヘッドのGCC領域に含むOTNフレーム(第5光伝送フレーム)を生成してもよい。送受信部325は、フレーマ324Aによって生成されたOTNフレームを光ファイバケーブル250を介して第1光伝送装置200へ送信してもよい。送受信部225は、光ファイバケーブル250を介してOTNフレームを受信してもよい。デフレーマ224Bは、送受信部325によって受信されたOTNフレームから第2管理アドレス通知パケットを抽出し、抽出された第2管理アドレス通知パケットを送信してもよい。通信I/F211Cは、デフレーマ224Bから送信された第2管理アドレス通知パケットを受信してもよい。これにより、第1光伝送装置200の管理アドレスが変更された場合に、変更後の第1光伝送装置200の管理アドレスを第2光伝送装置300へインバンドで通知することができ、第2光伝送装置300の管理アドレスが変更された場合に、変更後の第2光伝送装置300の管理アドレスを第1光伝送装置200へインバンドで通知することができる。
【0123】
[8.補記]
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的ではない。本発明の権利範囲は、上述の実施形態ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及びその範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0124】
10 通信システム
20 BBU(第1装置)
30 RRH(第2装置)
21,31,250 光ファイバケーブル
40 管理装置
41 監視制御網
42 イーサネットケーブル
100 中継システム
200 第1光伝送装置(第1通信装置)
210 制御モジュール
211 プロセッサ
211A 通信インタフェース(通信I/F)(外部通信インタフェース)
211B 通信インタフェース(通信I/F)
211C 通信インタフェース(通信I/F)(第1内部通信インタフェース)
212 不揮発性メモリ
213 揮発性メモリ
214 L2スイッチ
215 PHY
216 コネクタ
217 第1通信プログラム
218 NATテーブル
220 回線モジュール
221 送受信部
222 信号処理回路
223 プロセッサ
223a 通信インタフェース(通信I/F)
224 OTNフレーム処理回路
224A フレーマ(第1フレーマ)
224B デフレーマ(第1デフレーマ)
225 送受信部(第1光受信器,第1光送信器)
226 PHY
231 アドレス変換部
232 アドレス調整部
233 第1管理アドレス通知パケット生成部
300 第2光伝送装置(第2通信装置)
310 制御モジュール
311 プロセッサ
311A 通信インタフェース(通信I/F)
311B 通信インタフェース(通信I/F)
311C 通信インタフェース(通信I/F)(第2内部通信インタフェース)
312 不揮発性メモリ
313 揮発性メモリ
314 L2スイッチ
315 PHY
316 コネクタ
317 第2通信プログラム
318 ルーティングテーブル
320 回線モジュール
321 送受信部
322 信号処理回路
323 プロセッサ
323a 通信インタフェース(通信I/F)
324 OTNフレーム処理回路
324A フレーマ(第2フレーマ)
324B デフレーマ(第2デフレーマ)
325 送受信部(第2光受信器,第2光送信器)
326 PHY
331 決定部
332 通知パケット生成部
333 第2管理アドレス通知パケット生成部