(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022163471
(43)【公開日】2022-10-26
(54)【発明の名称】液体歯磨剤入り容器及び歯磨き用キット
(51)【国際特許分類】
A46B 17/08 20060101AFI20221019BHJP
【FI】
A46B17/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021068416
(22)【出願日】2021-04-14
(71)【出願人】
【識別番号】521161624
【氏名又は名称】竹内 俊充
(71)【出願人】
【識別番号】520255218
【氏名又は名称】大熊 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】竹内 俊充
(72)【発明者】
【氏名】大熊 秀明
【テーマコード(参考)】
3B202
【Fターム(参考)】
3B202AA06
3B202AB18
3B202GB00
(57)【要約】
【課題】洗面所のような下水設備のない場所であっても歯磨き及び当該歯磨きによって生じる排液の処理を容易に行うことができる。
【解決手段】液体歯磨剤入り容器10は、第1開口部21aを有する第1収容部21及び第2開口部22aを有するとともに第1収容部21とは隔絶された第2収容部22を有する容器本体20と、第1収容部21に収容された液体歯磨剤Tと、第1開口部21aを封止する第1蓋体31と、第2収容部22に収容された凝固剤Cと、第2開口部22aを封止する第2蓋体32とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1開口部を有する第1収容部及び第2開口部を有するとともに前記第1収容部とは隔絶された第2収容部を有する容器本体と、
前記第1収容部に収容された液体歯磨剤と、
前記第1開口部を封止する第1蓋体と、
前記第2収容部に収容された凝固剤と、
前記第2開口部を封止する第2蓋体と、を備える、
液体歯磨剤入り容器。
【請求項2】
前記容器本体は、筒状であり、
前記容器本体の第1端には、前記第1開口部が設けられており、
前記容器本体の前記第1端とは反対側の第2端には、前記第2開口部が設けられている、
請求項1に記載の液体歯磨剤入り容器。
【請求項3】
前記第2蓋体は、水溶性のシートにより構成されている、
請求項2に記載の液体歯磨剤入り容器。
【請求項4】
カップ開口部を有するカップと、
前記カップに着脱自在であり、前記カップ開口部を覆うように構成されたキャップと、
前記液体歯磨剤入り容器と、を備え、
前記液体歯磨剤入り容器は、前記カップ及び前記キャップの内部に収容されている、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の歯磨き用キット。
【請求項5】
前記キャップは、キャップ周壁及びキャップ底壁を有するキャップ本体と、カバーと、を備え、
前記キャップ周壁と前記キャップ底壁とによって、前記キャップ本体が前記カップに装着された状態において外側に開口する外側収容部が構成されており、
前記カバーは、前記キャップ本体に着脱自在であり、前記外側収容部の開口を覆うように構成されている、
請求項4に記載の歯磨き用キット。
【請求項6】
カップ開口部を有するカップと、
前記カップ開口部を覆うように構成されたキャップと、
前記カップ及び前記キャップの内部において各別に収容された液体歯磨剤及び凝固剤と、を備える、
歯磨き用キット。
【請求項7】
前記キャップは、前記カップに対して着脱自在に構成されている、
請求項6に記載の歯磨き用キット。
【請求項8】
前記カップは、カップ底壁と、前記カップ底壁よりも前記カップ開口部に近い位置に設けられた底部シートとを有する二重底構造であり、
前記凝固剤は、前記カップ底壁と前記底部シートとの間に収容されている、
前記底部シートは、水溶性である、
請求項6または請求項7に記載の歯磨き用キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体歯磨剤入り容器及び歯磨き用キットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、液体歯磨剤入りの携帯用袋(以下、携帯用袋)が開示されている。この携帯用袋には、1回の歯磨きに必要な量の液体歯磨剤が入れられる。使用者は、外出先などで歯磨きをする際、携帯用袋を開封して液体歯磨剤を取り出す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、使用者は、歯磨きを行った後、使用後の歯磨剤を含む排液を口腔内から排出する必要がある。そのため、洗面所などの下水設備のない場所では、歯磨きを行うことが難しい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための液体歯磨剤入り容器は、第1開口部を有する第1収容部及び第2開口部を有するとともに前記第1収容部とは隔絶された第2収容部を有する容器本体と、前記第1収容部に収容された液体歯磨剤と、前記第1開口部を封止する第1蓋体と、前記第2収容部に収容された凝固剤と、前記第2開口部を封止する第2蓋体と、を備える。
【0006】
同構成によれば、使用者は、まず、第1開口部を開放するとともに、第1収容部内に収容されている液体歯磨剤を第1開口部を通じて取り出す。そして、液体歯磨剤を用いて歯磨きを行う。次に、使用後の液体歯磨剤を含む排液を紙コップなどのカップ内に排出する。次に、第2開口部を開放するとともに、第2収容部内に収容されている凝固剤を第2開口部を通じて取り出す。そして、凝固剤を上記カップ内に投入する。次に、カップ内の排液と凝固剤とを攪拌及び混合することによって排液を凝固させる。そして、カップと共に排液の凝固体を廃棄する。
【0007】
また、液体歯磨剤を用いて歯磨きを行うため、歯磨き後に口腔内に残る歯磨剤を濯ぐ必要がない。このため、上記排液の量が少なくなる。これにより、排液を凝固させるために必要な凝固剤の量を少なくすることができる。
【0008】
したがって、洗面所のような下水設備のない場所であっても歯磨き及び当該歯磨きによって生じる排液の処理を容易に行うことができる。
上記液体歯磨剤入り容器において、前記容器本体は、筒状であり、前記容器本体の第1端には、前記第1開口部が設けられており、前記容器本体の前記第1端とは反対側の第2端には、前記第2開口部が設けられていることが好ましい。
【0009】
同構成によれば、筒状の容器本体を用いて、カップ内の排液と凝固剤とを攪拌することができる。したがって、攪拌のための匙を別途用意しなくて済む。したがって、排液の処理を一層容易に行うことができる。
【0010】
また、上記構成によれば、第1開口部と第2開口部とが容器本体の第1端及び第2端にそれぞれ位置する。このため、第1蓋体を取り外す際に誤って第2蓋体を取り外すといった間違いが生じにくい。
【0011】
上記液体歯磨剤入り容器において、前記第2蓋体は、水溶性のシートにより構成されていることが好ましい。
同構成によれば、容器本体の第2端を、カップ内の排液に浸すと、第2蓋体が溶解する。これにより、第2収容部内に収容されている凝固剤が第2開口部を通じてカップ内に投入されるようになる。したがって、容器本体から第2蓋体を取り外す作業が不要となる。したがって、排液の処理を一層容易に行うことができる。
【0012】
また、上記構成によれば、手指を用いた第2蓋体の取り外しが困難な構成にすることが可能となる。このため、第1蓋体を取り外す際に誤って第2蓋体を取り外すといった間違いの発生を効果的に抑制できる。
【0013】
また、上記課題を解決するための歯磨き用キットは、カップ開口部を有するカップと、前記カップに着脱自在であり、前記カップ開口部を覆うように構成されたキャップと、前記液体歯磨剤入り容器と、を備え、前記液体歯磨剤入り容器は、前記カップ及び前記キャップの内部に収容されている。
【0014】
同構成によれば、排液を排出するカップを別途用意しなくて済む。したがって、排液の処理を一層容易に行うことができる。また、カップ及びキャップの内部に液体歯磨剤入り容器が収容されているため、液体歯磨剤入り容器及びカップを容易に携帯することができる。
【0015】
上記歯磨き用キットにおいて、前記キャップは、キャップ周壁及びキャップ底壁を有するキャップ本体と、カバーと、を備え、前記キャップ周壁と前記キャップ底壁とによって、前記キャップ本体が前記カップに装着された状態において外側に開口する外側収容部が構成されており、前記カバーは、前記キャップ本体に着脱自在であり、前記外側収容部の開口を覆うように構成されていることが好ましい。
【0016】
使用者は、まず、キャップ本体からカバーを取り外すとともに、液体歯磨剤を外側収容部に移す。そして、外側収容部内の液体歯磨剤を、複数回に分けて口に含みながら歯磨きを行う。
【0017】
上記構成によれば、歯磨きの途中において液体歯磨剤を収容するキャップ本体を安定した姿勢で仮置きすることができる。
また、上記構成によれば、使用後のキャップ本体に対してカバーを取り付けることにより、外側収容部内に残った液体歯磨剤が外部に漏出することを抑制できる。
【0018】
なお、上記構成によれば、液体歯磨剤を外側収容部内に少量残しておくことで、当該液体歯磨剤を用いて使用後の歯ブラシBを濯ぐことができる。
また、上記課題を解決するための歯磨き用キットは、カップ開口部を有するカップと、前記カップ開口部を覆うように構成されたキャップと、前記カップ及び前記キャップの内部において各別に収容された液体歯磨剤及び凝固剤と、を備える。
【0019】
使用者は、まず、カップからキャップを取り外すとともに、収容されている液体歯磨剤を取り出す。そして、液体歯磨剤を用いて歯磨きを行う。次に、使用後の液体歯磨剤を含む排液をカップ内に排出する。次に、カップ内の排液と凝固剤とを攪拌及び混合することによって排液を凝固させる。そして、カップと共に排液の凝固体を廃棄する。
【0020】
また、液体歯磨剤を用いて歯磨きを行うため、歯磨き後に口腔内に残る歯磨剤を濯ぐ必要がない。このため、上記排液の量が少なくなる。これにより、排液を凝固させるために必要な凝固剤の量を少なくすることができる。
【0021】
したがって、洗面所のような下水設備のない場所であっても歯磨き及び排液の処理を容易に行うことができる。
上記歯磨き用キットにおいて、前記キャップは、前記カップに対して着脱自在に構成されていることが好ましい。
【0022】
同構成によれば、使用後の液体歯磨剤を含む排液をカップ内に排出した後、カップにキャップを装着することでカップ開口部をキャップによって覆うことができる。そして、カップ及びキャップを振ることでカップ内の排液と凝固剤とを容易に攪拌及び混合して排液を凝固させることができる。
【0023】
上記歯磨き用キットにおいて、前記カップは、カップ底壁と、前記カップ底壁よりも前記カップ開口部に近い位置に設けられた底部シートとを有する二重底構造であり、前記凝固剤は、前記カップ底壁と前記底部シートとの間に収容されており、前記底部シートは、水溶性であることが好ましい。
【0024】
同構成によれば、使用後の液体歯磨剤を含む排液をカップ内に排出すると、水溶性の底部シートが溶解する。これにより、排液が凝固剤に攪拌及び混合されるようになる。このように、凝固剤をカップ内に投入する作業が不要となるため、排液の処理を一層容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、洗面所のような下水設備のない場所であっても歯磨き及び当該歯磨きによって生じる排液の処理を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図2】(a)、(b)は、同実施形態の歯磨き用キットの使用手順を説明する図。
【
図3】(a)、(b)は、同実施形態の歯磨き用キットの使用手順を説明する図。
【
図4】同実施形態の歯磨き用キットの使用手順を説明する図。
【
図5】(a)、(b)は、同実施形態の歯磨き用キットの使用手順を説明する図。
【
図6】同実施形態の歯磨き用キットの使用手順を説明する図。
【
図7】同実施形態の歯磨き用キットの使用手順を説明する図。
【
図9】(a)、(b)は、第1変形例の歯磨き用キットの使用手順を説明する図。
【
図10】歯磨き用キットの第2変形例を示す断面図。
【
図11】歯磨き用キットの第3変形例を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、
図1~
図4を参照して、液体歯磨剤入り容器及び歯磨き用キットを具体化した一実施形態について説明する。
図1に示すように、歯磨き用キットは、カップ開口部44を有するカップ40と、カップ40に着脱自在であり、カップ開口部44を覆うように構成されたキャップ50と、液体歯磨剤入り容器10とを備えている。
【0028】
<カップ40>
カップ40は、筒状のカップ周壁42と、カップ周壁42の一端(同図の下端)を閉塞するカップ底壁43とを有している。カップ周壁42は、カップ底壁43に近づくほど縮径されている。カップ40は、例えば紙または合成樹脂により構成されている。本実施形態の歯磨き用キットは、互いに重ね合わされた3つのカップ40を備えている。なお、カップ40の数は、3つに限られるものではなく、1つ、2つ、または4つ以上に変更することができる。
【0029】
<キャップ50>
キャップ50は、キャップ本体51と、カバー60とを備えている。
キャップ本体51は、筒状のキャップ周壁52と、キャップ周壁52の軸線方向においてキャップ周壁52の一端(同図の下端)と他端(同図の上端)との間に設けられるとともにキャップ周壁52の内部を仕切るキャップ底壁53とを有している。
【0030】
キャップ周壁52とキャップ底壁53とによって、キャップ本体51がカップ40に装着された状態においてカップ40の内部空間に連通するキャップ開口部54と、外側に開口する外側収容部55とが構成されている。キャップ本体51は、紙または合成樹脂により構成されている。
【0031】
カバー60は、キャップ本体51に着脱自在であり、外側収容部55の開口を覆うように構成されている。詳しくは、カバー60は、キャップ底壁53に対向する頂壁61と、頂壁61の周縁からキャップ周壁52に向かって突出する係合部62とを有している。係合部62は、キャップ周壁52の外周面に係合自在であり、同外周面を覆うように構成されている。カバー60は、紙または合成樹脂により構成されている。
【0032】
<液体歯磨剤入り容器10>
液体歯磨剤入り容器10は、カップ40及びキャップ50の内部に収容されている。本実施形態の歯磨き用キットは、3つの液体歯磨剤入り容器10を備えている。なお、液体歯磨剤入り容器10の数は、3つに限られるものではなく、1つ、2つ、または4つ以上に変更することができる。
【0033】
液体歯磨剤入り容器10は、筒状の容器本体20を備えている。容器本体20は、例えば合成樹脂により構成されている。
容器本体20の第1端(同図の上端)には、第1開口部21aが設けられている。容器本体20の第1端とは反対側の第2端(同図の下端)には、第2開口部22aが設けられている。
【0034】
容器本体20の軸線方向の途中には、容器本体20の内部を、第1開口部21a側と第2開口部22a側とに仕切る仕切壁23が設けられている。
容器本体20は、第1開口部21aを有する第1収容部21と、第2開口部22aを有するとともに第1収容部21とは隔絶された第2収容部22とを有している。
【0035】
第1収容部21には、周知の液体歯磨剤Tが収容されている。詳しくは、1回の歯磨きに必要な量の液体歯磨剤Tが収容されている。液体歯磨剤入り容器10は、第1開口部21aを封止する第1蓋体31を備えている。第1蓋体31は、例えば合成樹脂製シートにより構成されており、容器本体20の第1端に接着されている。第1蓋体31は、手指によって摘まむためのタブ31aを有している。
【0036】
第2収容部22には、周知の凝固剤Cが収容されている。詳しくは、使用後の液体歯磨剤Tを含む排液D全体を凝固させることのできる量の凝固剤Cが収容されている。凝固剤Cは、例えば粉末状または顆粒状の吸水性樹脂を含んでいる。液体歯磨剤入り容器10は、第2開口部22aを封止する第2蓋体32を備えている。第2蓋体32は、周知の水溶性のシートにより構成されている。このシートは、例えばポリビニルアルコールにより構成されている。第2蓋体32は、容器本体20の第2端よりも仕切壁23に近い位置に設けられている。
【0037】
次に、本実施形態の作用について説明する。
使用者は、まず、カップ40からキャップ50を取り外すとともに、液体歯磨剤入り容器10を取り出す。
【0038】
次に、キャップ本体51からカバー60を取り外すとともに、キャップ本体51を外側収容部55を上にしてテーブルや床の上などの平坦な場所に置く。
次に、
図2(a)に示すように、第1蓋体31のタブ31aを引っ張ることで第1開口部21aを開放する。
【0039】
次に、
図2(b)に示すように、第1収容部21内に収容されている液体歯磨剤Tを第1開口部21aを通じてキャップ本体51の外側収容部55に移す。
次に、
図3(a)に示すように、外側収容部55内の液体歯磨剤Tを、複数回に分けて口に含みながら歯磨きを行う。
【0040】
次に、
図3(b)に示すように、使用後の液体歯磨剤Tを含む排液Dをカップ40内に排出する。
ここで、
図4に示すように、液体歯磨剤Tをキャップ本体51の外側収容部55に少量残しておくことで、当該液体歯磨剤Tを用いて使用後の歯ブラシBを濯ぐことが可能である。
【0041】
次に、
図5(a)に示すように、容器本体20の第2端を、カップ40内の排液Dに浸すと、第2蓋体32が溶解する。これにより、
図5(b)に示すように、第2収容部22内に収容されている凝固剤Cが第2開口部22aを通じてカップ40内に投入されるようになる(以上、作用1)。
【0042】
次に、容器本体20によってカップ40内の排液Dと凝固剤Cとを攪拌及び混合することによって排液Dを凝固させる。
次に、
図6に示すように、レジ袋などの袋70に、使用済みの容器本体20及びカップ40を入れて密封する。そして、袋70と共に容器本体20及びカップ40を可燃ゴミとして廃棄する(以上、作用2)。
【0043】
このように、液体歯磨剤Tを用いて歯磨きを行うため、歯磨き後に口腔内に残る歯磨剤を濯ぐ必要がない。このため、上記排液Dの量が少なくなる。これにより、排液Dを凝固させるために必要な凝固剤Cの量を少なくすることができる(以上、作用3)。
【0044】
最後に、
図7に示すように、使用後のキャップ本体51に対してカバー60を取り付ける。
次に、本実施形態の効果について説明する。
【0045】
(1)液体歯磨剤入り容器10は、容器本体20と、液体歯磨剤Tと、第1蓋体31と、凝固剤Cと、第2蓋体32とを備える。
こうした構成によれば、上記作用2及び上記作用3を奏することから、洗面所のような下水設備のない場所であっても歯磨き及び当該歯磨きによって生じる排液Dの処理を容易に行うことができる。
【0046】
(2)容器本体20は、筒状であり、容器本体20の第1端には、第1開口部21aが設けられており、容器本体20の第1端とは反対側の第2端には、第2開口部22aが設けられている。
【0047】
こうした構成によれば、筒状の容器本体20を用いて、カップ40内の排液Dと凝固剤Cとを攪拌することができる。したがって、攪拌のための匙を別途用意しなくて済む。したがって、排液Dの処理を一層容易に行うことができる。
【0048】
また、上記構成によれば、第1開口部21aと第2開口部22aとが容器本体20の第1端及び第2端にそれぞれ位置する。このため、第1蓋体31を取り外す際に誤って第2蓋体32を取り外すといった間違いが生じにくい。
【0049】
(3)第2蓋体32は、水溶性のシートにより構成されている。
こうした構成によれば、上記作用1を奏することから、容器本体20から第2蓋体32を取り外す作業が不要となる。したがって、排液Dの処理を一層容易に行うことができる。
【0050】
また、上記構成によれば、手指を用いた第2蓋体32の取り外しが困難な構成にすることが容易にできる。このため、第1蓋体31を取り外す際に誤って第2蓋体32を取り外すといった間違いの発生を効果的に抑制できる。
【0051】
(4)歯磨き用キットは、カップ40と、キャップ50と、液体歯磨剤入り容器10とを備え、液体歯磨剤入り容器10は、カップ40及びキャップ50の内部に収容されている。
【0052】
こうした構成によれば、排液Dを排出するカップ40を別途用意しなくて済む。したがって、排液Dの処理を一層容易に行うことができる。また、カップ40及びキャップ50の内部に液体歯磨剤入り容器10が収容されているため、液体歯磨剤入り容器10及びカップ40を容易に携帯することができる。
【0053】
(5)キャップ50は、キャップ本体51と、カバー60とを備える。キャップ周壁52とキャップ底壁53とによって、外側収容部55が構成されている。カバー60は、キャップ本体51に着脱自在であり、外側収容部55の開口を覆うように構成されている。
【0054】
こうした構成によれば、歯磨きの途中において液体歯磨剤Tを収容するキャップ本体51を安定した姿勢で仮置きすることができる。
また、上記構成によれば、液体歯磨剤Tをキャップ本体51の外側収容部55に少量残しておくことで、当該液体歯磨剤Tを用いて使用後の歯ブラシBを濯ぐことができる。
【0055】
また、上記構成によれば、
図7に示すように、使用後のキャップ本体51に対してカバー60を取り付けることにより、外側収容部55内に残った液体歯磨剤Tが外部に漏出することを抑制できる。
【0056】
<変更例>
上記実施形態は、例えば以下のように変更して実施することもできる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0057】
・キャップ本体51は、外側収容部55を有するものに限定されず、外側収容部55を省略することもできる。この場合、第1収容部21内に収容されている液体歯磨剤Tを、キャップ開口部54内に移すようにすればよい。またこの場合、カバー60を省略することができる。
【0058】
・第2蓋体32は、水溶性のシートにより構成されているものに限定されず、非水溶性の材料により構成されるものであってもよい。
・容器本体20は筒状に限定されない。第1開口部21aと第2開口部22aとが隣り合って設けられるものであってもよい。
【0059】
・液体歯磨剤Tと凝固剤Cとは、同一の容器本体に収容されていなくてもよい。例えば、
図8に示すように、カップ140及びキャップ150の内部において液体歯磨剤Tと凝固剤Cとが各別に収容されているものであってもよい。
【0060】
なお、
図8に示す第1変形例の歯磨き用キットにおいて、上記実施形態と同一の構成については同一の符号を付すとともに、対応する構成については、上記実施形態の構成の符号「**」に「100」を加算した符号「1**」を付すことにより、重複する説明を省略する。
【0061】
カップ140は、カップ底壁143と、カップ底壁143よりもカップ開口部144に近い位置に設けられた底部シート145とを有する二重底構造である。カップ底壁143と底部シート145との間には、凝固剤Cが収容されている。底部シート145は、水溶性である。
【0062】
容器本体120の第1端(同図の上端)には、開口部121aが設けられている。容器本体120の第1端とは反対側の第2端(同図の下端)には、底壁124が設けられている。
【0063】
次に、この歯磨き用キットの作用について説明する。
使用者は、カップ140からキャップ150を取り外すとともに、液体歯磨剤入り容器110を取り出す。
【0064】
次に、キャップ開口部154を上にしてキャップ150をテーブルや床の上などの平坦な場所に置く。
次に、蓋体131のタブ131aを引っ張ることで開口部121aを開放する。
【0065】
次に、収容部121内に収容されている液体歯磨剤Tをキャップ開口部154を通じてキャップ150内に移す。
次に、液体歯磨剤Tを、複数回に分けて口に含みながら歯磨きを行う。
【0066】
次に、
図9(a)に示すように、使用後の液体歯磨剤Tを含む排液Dをカップ140内に排出する。この排液Dによって底部シート145が溶解する。
次に、
図9(b)に示すように、容器本体120によってカップ140内の排液Dと凝固剤Cとを攪拌及び混合することによって排液Dを凝固させる。
【0067】
以降、上記実施形態と同様にして、袋70と共に容器本体120、カップ140及びキャップ150を可燃ゴミとして廃棄する。
こうした構成によれば、液体歯磨剤T及び凝固剤Cをカップ140及びキャップ150の内部において各別に収容することで、洗面所のような下水設備のない場所であっても歯磨き及び排液Dの処理を容易に行うことができる。
【0068】
・
図8に示す第1変形例において、底部シート145は水溶性のものに限定されない。例えば、底部シート145を容器本体120の先端などによって押圧することで破ることのできる脆弱なシートによって構成することもできる。
【0069】
・
図8に示す第1変形例に代えて、キャップ150をキャップ底壁153と底部シート(図示略)とを備える二重底構造とするとともに、キャップ底壁153と底部シートとの間に凝固剤Cを収容するようにしてもよい。
【0070】
・
図10に示すように、カップ240及びキャップ250の内部において液体歯磨剤Tと凝固剤Cとが各別に収容されているものであってもよい。
なお、
図10に示す第2変形例の歯磨き用キットにおいて、上記実施形態と同一の構成については同一の符号を付すとともに、対応する構成については、上記実施形態の構成の符号「**」に「200」を加算した符号「2**」を付すことにより、重複する説明を省略する。
【0071】
この場合、2つのカップ240が重ね合わされている。また、2つのキャップ250が重ね合わされている。キャップ250は、カップ240に対して着脱自在に構成されている。カップ240の内部には、第1容器80及び第2容器90が2つずつ収容されている。
【0072】
第1容器80は、開口部を有する第1容器本体81と、開口部に対して取り外し自在に接合されて同開口部を覆う第1蓋体82とを有している。第1容器本体81内には、液体歯磨剤Tが収容されている。
【0073】
第2容器90は、開口部を有する第2容器本体91と、開口部に対して取り外し自在に接合されて同開口部を覆う第2蓋体92とを有している。第2容器本体91内には、凝固剤Cが収容されている。
【0074】
こうした構成によれば、使用後の液体歯磨剤Tを含む排液Dをカップ240内に排出した後、カップ240にキャップ250を装着することでカップ開口部244をキャップ250によって覆うことができる。そして、カップ240及びキャップ250を振ることでカップ240内の排液Dと凝固剤Cとを容易に攪拌及び混合して排液Dを凝固させることができる。
【0075】
なお、第2変形例において、カップ240の数を1つにすることもできるし、3つ以上にすることもできる。この場合、カップ240の数に合わせて、キャップ250、第1容器80及び第2容器90の数を適宜変更すればよい。
【0076】
・
図11に示すように、カップ340及びキャップ350の内部において液体歯磨剤Tと凝固剤Cとが各別に収容されているものであってもよい。
なお、
図11に示す第3変形例の歯磨き用キットにおいて、上記第2変形例と同一の構成については同一の符号を付すとともに、対応する構成については、上記第2変形例の構成の符号「**」に「100」を加算した符号「3**」を付すことにより、重複する説明を省略する。
【0077】
以下、第2変形例との相違点を中心に説明する。
キャップ350は、カップ開口部344に対して取り外し自在に接合されている。カップ340の内部には、第1容器80及び第2容器90が1つずつ収容されている。また、カップ340の内部には、マドラー71が1つ収容されている。
【0078】
こうした構成によれば、使用後の液体歯磨剤Tを含む排液Dをカップ340内に排出した後、マドラー71を用いてカップ240内の排液Dと凝固剤Cとを容易に攪拌及び混合して排液Dを凝固させることができる。
【符号の説明】
【0079】
10,110…液体歯磨剤入り容器
20,120…容器本体
21…第1収容部
21a…第1開口部
22…第2収容部
22a…第2開口部
23…仕切壁
31…第1蓋体
31a…タブ
32…第2蓋体
40,140,240,340…カップ
42,142,242,342…カップ周壁
43,143,243,343…カップ底壁
44,144,244,344…カップ開口部
45…底部シート
50,150,250,350…キャップ
51…キャップ本体
52,152,252…キャップ周壁
53,153,253…キャップ底壁
54,154…キャップ開口部
55…外側収容部
60…カバー
61…頂壁
62…係合部
70…袋
71…マドラー
80…第1容器
81…第1容器本体
82…第1蓋体
90…第2容器
91…第2容器本体
92…第2蓋体
121…収容部
121a…開口部
124…底壁
131…蓋体
131a…タブ
145…底部シート
B…歯ブラシ
C…凝固剤
T…液体歯磨剤