(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022163476
(43)【公開日】2022-10-26
(54)【発明の名称】発電システム及び発電方法
(51)【国際特許分類】
H02K 7/18 20060101AFI20221019BHJP
B25H 3/00 20060101ALI20221019BHJP
【FI】
H02K7/18 A
B25H3/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021068422
(22)【出願日】2021-04-14
(71)【出願人】
【識別番号】515086908
【氏名又は名称】株式会社トヨタプロダクションエンジニアリング
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】特許業務法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】宮下 秀一
【テーマコード(参考)】
5H607
【Fターム(参考)】
5H607AA12
5H607BB02
5H607BB26
5H607CC05
5H607DD03
5H607DD19
5H607FF21
(57)【要約】
【課題】作業工具の動きに応じて発電することが可能な発電システム及び発電方法を提供する。
【解決手段】発電システムは、ワイヤを巻き取って収容することが可能なワイヤ巻取り部と、ワイヤ巻取り部に接続される発電部と、を備える。ワイヤ巻取り部は、回転することにより、ワイヤを巻き取るロータ部と、ロータ部の回転中心に配されると共に、発電部に接続される回転軸と、を備える。ワイヤ巻取り部は、ワイヤの先端部に作業工具が接続されており、作業工具の移動に応じて、ロータ部が回転軸を中心に一方に回転することによりワイヤを巻き取ると共に、ロータ部が回転軸を中心に他方に回転することによりワイヤを送り出してもよい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤを巻き取って収容することが可能なワイヤ巻取り部と、
前記ワイヤ巻取り部に接続される発電部と、を備え、
前記ワイヤ巻取り部は、
回転することにより、ワイヤを巻き取るロータ部と、
前記ロータ部の回転中心に配されると共に、前記発電部に接続される回転軸と、
を備える発電システム。
【請求項2】
前記ワイヤ巻取り部は、ワイヤの先端部に作業工具が接続されており、前記作業工具の移動に応じて、前記ロータ部が前記回転軸を中心に一方に回転することによりワイヤを巻き取ると共に、前記ロータ部が前記回転軸を中心に他方に回転することによりワイヤを送り出す
請求項1に記載の発電システム。
【請求項3】
前記作業工具は、作業員が使用する手作業工具、及び、製品の作成に使用される製造ロボットのうち少なくとも一方である
請求項2に記載の発電システム。
【請求項4】
前記発電部は、前記回転軸を中心とした前記ロータ部の回転に応じて発電を行う
請求項1~3のいずれか1項に記載の発電システム。
【請求項5】
前記発電部によって発電される電力を蓄電することが可能な蓄電部を備える
請求項1~4のいずれか1項に記載の発電システム。
【請求項6】
前記発電部によって発電される電力を利用する機器を備える
請求項1~5のいずれか1項に記載の発電システム。
【請求項7】
回転軸を中心に回転する部材を備え、被加工物の加工に利用される工具に対して助力を行う助力装置と、
前記部材に接続される発電部と、
を備える発電システム。
【請求項8】
ワイヤを巻き取って収容することが可能なワイヤ巻取り部と、前記ワイヤ巻取り部に接続される発電部と、を備え、
前記ワイヤ巻取り部は、回転することによりワイヤを巻き取るロータ部と、前記ロータ部の回転中心に配されると共に前記発電部に接続される回転軸と、を備える発電システムにおいて実行される発電方法であって、
前記発電システムが、
ワイヤの先端部に配される作業工具が送り出されることに応じて、前記回転軸を中心に前記ロータ部が回転する第1回転ステップと、
前記作業工具が巻き戻されることに応じて、前記回転軸を中心に前記ロータ部が回転する第2回転ステップと、
前記第1回転ステップ及び前記第2回転ステップの少なくとも一方に応じて、前記回転軸に接続される前記発電部が当該回転軸の回転に応じて発電する発電ステップと、
を実行する発電方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電システム及び発電方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、製品を製造する工場等では、作業工具(例えば、製造ロボット等)が使用されている。特許文献1には、橋梁などの箱型ブロック内の溶接に利用される、多関節型のロボットが記載されている。そのロボットは、各関節を伸縮させることにより、適切な溶接姿勢を取り、狭い空間においても溶接を可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように、ロボット等の作業工具を利用する場合、そのロボットが運動を行う。ロボットが運動する場合には運動エネルギが発生するが、従来はその運動エネルギを利用できておらず、エネルギ効率が悪いものとなっていた。
【0005】
本発明は、作業工具の動きに応じて発電することが可能な発電システム及び発電方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様の発電システムは、ワイヤを巻き取って収容することが可能なワイヤ巻取り部と、ワイヤ巻取り部に接続される発電部と、を備え、ワイヤ巻取り部は、回転することにより、ワイヤを巻き取るロータ部と、ロータ部の回転中心に配されると共に、発電部に接続される回転軸と、を備える。
【0007】
一態様の発電システムは、回転軸を中心に回転する部材を備え、被加工物の加工に利用される工具に対して助力を行う助力装置と、部材に接続される発電部と、を備える。
【0008】
一態様の発電方法は、ワイヤを巻き取って収容することが可能なワイヤ巻取り部と、ワイヤ巻取り部に接続される発電部と、を備え、ワイヤ巻取り部は、回転することによりワイヤを巻き取るロータ部と、ロータ部の回転中心に配されると共に発電部に接続される回転軸と、を備える発電システムにおいて実行される発電方法であって、発電システムが、ワイヤの先端部に配される作業工具が送り出されることに応じて、回転軸を中心にロータ部が回転する第1回転ステップと、作業工具が巻き戻されることに応じて、回転軸を中心にロータ部が回転する第2回転ステップと、第1回転ステップ及び第2回転ステップの少なくとも一方に応じて、回転軸に接続される発電部がその回転軸の回転に応じて発電する発電ステップと、を実行する。
【発明の効果】
【0009】
一態様の発電システムは、ワイヤを巻き取って収容することが可能なワイヤ巻取り部(助力装置)と、ワイヤ巻取り部に接続される発電部と、を備える。ワイヤ巻取り部は、回転することにより、ワイヤを巻き取るロータ部と、ロータ部の回転中心に配されると共に、発電部に接続される回転軸と、を備える。これにより、一態様の発電システムは、作業工具の動きに応じて発電することができる。
一態様の発電方法は、上述した一態様の発電システムと同様の効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】一実施形態に係る発電システムについて説明するための図である。
【
図2】ワイヤ巻取り部の一例について説明するための分解図である。
【
図3】助力装置の変形例について説明するための図である。
【
図4】一実施形態に係る発電方法について説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態について説明する。
【0012】
[発電システムの概略構成]
まず、一実施形態に係る発電システム1の概略について説明する。
図1は、一実施形態に係る発電システム1について説明するための図である。
【0013】
発電システム1は、助力装置100(ワイヤ巻取り部101)、発電部200及び蓄電部300を備える。
ワイヤ巻取り部101は、ワイヤ500を巻き取って収容し、ワイヤ500の先端に接続される作業工具400の動きに応じてそのワイヤ500の送り出しと巻取りが可能である。この場合、ワイヤ巻取り部101は、自機に収容するワイヤの先端にフック等の金具を配し、その金具に後述する作業工具400に接続されるワイヤ500を接続してもよい。また、作業工具400にフック等の金具を配し、その金具にワイヤ500の先端に配される上述した金具を付けてもよい。すなわち、作業工具400に配される金具と、ワイヤ500の先端に配される金具とを係合させてもよい。ワイヤ巻取り部101は、ワイヤ500の送り出しと巻取りを行う場合、回転軸103を中心に回転する部材(後述するロータ部102)を有する。その回転軸103には発電部200が接続される。発電部200は、回転軸103の回転に応じて発電を行い、発電した電力を蓄電部300に送電する。蓄電部300は、発電部200によって発電された電力を蓄電する。発電部200で発電される電力は、蓄電部300に蓄電されるばかりでなく、種々の用途に利用されてもよい。すなわち、発電部200で発電される電力は、種々の機器で利用することが可能である。種々の機器の一例は、電気機器及び電子機器の少なくとも一方であってもよい。
なお、
図1は、発電システム1を説明するためのものである。
図1には、ワイヤ巻取り部101には、2つの作業工具400(手作業工具401及び製造ロボット402)がワイヤ500で接続される例を示すが、ワイヤ巻取り部101には1つの作業工具400がワイヤ500で接続されてもよい。
【0014】
[発電システム1の詳細構成]
次に、一実施形態に係る発電システム1について詳細に説明する。
【0015】
上述したように、発電システム1は、ワイヤ500の送り出し又は巻取りに応じてワイヤ巻取り部101を構成する部材が回転し、その部材の回転に応じて発電部200が発電を行う。ワイヤ500の先端部には、作業工具400が接続される。作業工具400は、作業員が使用する手作業工具401、及び、製品の作成に使用される製造ロボット402のうち少なくとも一方であってもよい。
【0016】
手作業工具401は、例えば、作業員が手に持って種々の作業(一例として、製品の製造及び加工等の作業)を行う場合に利用される。具体的な一例として、手作業工具401は、はんだごて、電動ドライバ及び電動ドリル等を始めとする種々の工具であってもよい。
手作業工具401には、作業員による作業の邪魔になりにくい位置にワイヤ500が取り付けられる。
【0017】
製造ロボット402は、例えば、工場に設置される製造装置又は加工装置である。すなわち、製造ロボット402は、製品の製造及び加工等の種々の作業に利用される装置であってもよい。具体的な一例として、製造ロボット402は、
図1に示すように多関節型のロボットであってもよい。
製造ロボット402には、その自機の動作の邪魔になりにくい位置にワイヤ500が取り付けられる。例えば、製造ロボット402が多関節型の場合、移動範囲が相対的に大きくなる先端部(一例として、先端上部等)にワイヤ500が取り付けられてもよい。
【0018】
図2は、ワイヤ巻取り部101の一例について説明するための分解図である。
【0019】
ワイヤ巻取り部101は、ワイヤ500を巻き取って収容することが可能である。上述したように、ワイヤ巻取り部101は、自機に収容するワイヤの先端にフック等の金具を配し、その金具に後述する作業工具400に接続されるワイヤ500を接続してもよい。この場合でも、ワイヤ巻取り部101は、自機に収容されるワイヤと、金具を介して作業工具400に接続されるワイヤ500とを同様に扱うことが可能である。したがって、
図2では、ワイヤ巻取り部101は、自機に収容されるワイヤについても符号「500」を付して説明する。また、作業工具400にフック等の金具を配し、その金具にワイヤ500の先端に配される上述した金具を付けてもよい。すなわち、作業工具400に配される金具と、ワイヤ500の先端に配される金具とを係合させてもよい。ワイヤ巻取り部101は、例えば、手作業工具401を利用して作業員が作業をする作業位置の上方に配されてもよい。また、ワイヤ巻取り部101は、例えば、製造ロボット402が配される位置(装置設置位置)の上方に配されてもよい。ワイヤ巻取り部101は、上述した作業位置及び装置設置位置の上方に配される吊り棒10(
図1参照)に設置されてもよい。
【0020】
ワイヤ巻取り部101は、例えば、スプリングバランサ(助力装置100)であってもよい。ワイヤ巻取り部101は、被加工物の加工(製造)に利用される工具(作業工具400)に対して助力を行う。すなわち、ワイヤ巻取り部101(スプリングバランサ)は、例えば、作業工具400に対する助力として、スプリング(ゼンマイ)104の張力を利用して、吊り下げ物(作業工具400)の重さを軽減する。すなわち、ワイヤ巻取り部101は、例えば、作業員等が手作業工具401を利用する場合に、作業員にとって相対的に軽い力で手作業工具401を移動させる(例えば、上下左右前後の移動等)ことを可能にする。同様に、ワイヤ巻取り部101は、製造ロボット402の可動部が相対的に軽い力で移動する(例えば、上下左右前後の移動等)ことを可能にする。
【0021】
上述したように、ワイヤ巻取り部101には、自機に配されるワイヤ500の先端部に作業工具400が接続されている。そのようなワイヤ巻取り部101は、ロータ部102及び回転軸103を備える。ワイヤ巻取り部101は、その作業工具400の移動に応じて、ロータ部102が回転軸103を中心に一方に回転することによりワイヤ500を巻き取ると共に、ロータ部102が回転軸103を中心に他方に回転することによりワイヤ500を送り出す。
【0022】
ロータ部102は、回転することにより、ワイヤ500を巻き取って収容することが可能である。ロータ部102の回転中心には、回転軸103が配される。すなわち、回転軸103は、一端側がロータ部102の回転中心に固定される。これにより、回転軸103は、ロータ部102の回転に伴って回転する。一例として、作業工具400が相対的に上方に移動した場合、すなわち、作業工具400がワイヤ巻取り部101に近づく方向に移動した場合、ロータ部102が一方の方向に回転するのに応じて回転軸103も一方の方向に回転する。この場合、ワイヤ巻取り部101は、ワイヤ500を巻き取って収容する。同様に、一例として、作業工具400が相対的に下方に移動した場合、すなわち、作業工具400がワイヤ巻取り部101から離れる方向に移動した場合、ロータ部102が他方の方向に回転するのに応じて回転軸103も他方の方向に回転する。この場合、ワイヤ巻取り部101は、ワイヤ500を送り出す。
【0023】
上述したスプリング(ゼンマイ)104、ロータ部102及び回転軸103は、例えば、ワイヤ巻取り部101のケーシング105内に配される。回転軸103は、発電部200に接続される。すなわち、回転軸103は、他端側がケーシング105から突出して発電部200に接続される。
【0024】
発電部200は、ワイヤ巻取り部101に接続される。発電部200は、例えば、種々の発電機であってもよい。一例として、発電部200は、ギヤ付きモータ(発電機)であってもよい。この場合、モータは、鉄心を使用しない形態であれば、相対的な小型化及び軽量化が可能になる。また、モータは、例えば、高効率、コギングレス、高速回転及び高トルクのうち少なくとも1つを可能にしたものであってもよい。
【0025】
発電部200は、回転軸103を中心としたロータ部102の回転に応じて発電を行う。発電部200は、例えば、回転軸103の回転数に応じた電圧の電力を発電してもよい。より具体的な一例として、発電部200は、5000回転する場合に48Vの電力を発電してもよい。なお、発電部200は、例えば、三相から単相に変換する変換トランスを備えていてもよい。
【0026】
蓄電部300は、発電部200によって発電される電力を蓄電することが可能である。蓄電部300は、例えば、種々の蓄電池であってもよい。より具体的な一例として、蓄電部300は、単相100V5Aの電力を蓄電可能な蓄電池であってもよい。
【0027】
なお、発電部200によって発電される電力は、蓄電部300に蓄えられるばかりでなく、種々の用途に利用されてもよい。すなわち、発電部200から発電される出力は、種々の機器で利用することが可能である。発電システム1は、発電部200によって発電される電力を利用する機器を備えてもよい。その機器は、例えば、電気機器及び電子機器のうち少なくとも一方であってもよい。この場合、電気機器及び電子機器の一例は、照明機器、モータ等を始めとする種々の動力機器、及び、工場で製品等を製造する製造機器うちの少なくとも1つであってもよい。発電部200によって発電される電力を利用する機器の一例としての製造機器は、例えば、上述した作業工具400(手作業工具401及び製造ロボット402)等であってもよく、他の種々の機器(例えば、工具及びロボット等)であってもよい。
【0028】
[助力装置100の変形例]
次に、助力装置100の変形例について説明する。
上述した実施形態では、助力装置100としてワイヤ巻取り部101を利用する形態について説明した。しかし、助力装置100は、上述した一例(ワイヤ巻取り部101)に限定されることはなく、次のような装置であってもよい。
【0029】
図3は、助力装置100の変形例について説明するための図である。
【0030】
助力装置100は、回転軸を中心に回転する部材を備え、被加工物の加工に利用される工具に対して助力を行う。すなわち、助力装置100は、例えば、ゼンマイモータ110であってもよい。ゼンマイモータ110は、例えば、工場等の製造及び加工工程に配される走行ロボット403(作業工具400)(
図3(A)参照)、すなわち、被加工物の加工に利用され、平面方向に移動可能な製造ロボット等に配される。一例として、ゼンマイモータ110は、走行ロボット403が走行する場合に走行の助力を行ってもよい。
図3(B)に一例を示すように、ゼンマイモータ110は、駆動源となるゼンマイ111を備える。すなわち、ゼンマイ111は、回転軸(部材)112の周囲に巻かれて配される。ゼンマイモータ110は、例えば、走行ロボット403が一方の方向に走行する場合、回転軸(部材)112が一方の方向に回転することに応じてゼンマイ111を巻き締めする(
図3(C)参照)。同様に、ゼンマイモータ110は、例えば、走行ロボット403が他方の方向に走行する場合、ゼンマイ111の巻き締めを解放することにより回転軸(部材)112が他方の方向に回転する(
図3(D)参照)。走行ロボット403は、ゼンマイモータ110に配されるゼンマイ111の巻き締め及び解放に応じて回転軸(部材)112が回転し、その回転軸(部材)112に配される走行部材(一例として、車輪等)403aが回転することにより走行が可能である。
【0031】
そのようなゼンマイモータ110(助力装置100)には、発電部200が接続される。すなわち、発電部200は、回転軸(部材)112に接続される。発電部200は、上述した実施形態と同様の構成であってもよい。
【0032】
蓄電部300(
図3には図示せず)は、発電部200によって発電される電力を蓄電することが可能である。蓄電部300は、上述した実施形態と同様の構成であってもよい。また、発電部200によって発電される電力は、種々の機器で利用可能であってもよい。
【0033】
[本実施形態の発電方法]
次に、一実施形態に係る発電方法について説明する。
図4は、一実施形態に係る発電方法について説明するためのフローチャートである。
【0034】
ステップST101において、ワイヤ巻取り部101は、作業工具400の移動に応じてワイヤ500を送り出し又は巻き戻す。すなわち、ワイヤ巻取り部101は、例えば、自機から作業工具400が相対的に遠ざかると、ワイヤ500を送り出す。一方、ワイヤ巻取り部101は、例えば、自機に作業工具400が相対的に近づくと、ワイヤ500を巻き取って収容する。
【0035】
ステップST102において、ワイヤ巻取り部101は、ステップST101のワイヤ500の送り出し及び巻取りに応じて、ロータ部102と、そのロータ部102の回転中心に配される回転軸103とが回転する。すなわち、ワイヤ巻取り部101は、例えば、ワイヤ500の先端部に配される作業工具400の移動に基づきワイヤ500が送り出されることに応じて、回転軸103を中心にロータ部102が回転する第1回転ステップを行う。また、ワイヤ巻取り部101は、例えば、作業工具400の移動に基づきワイヤ500が巻き戻されることに応じて、回転軸103を中心にロータ部102が回転する第2回転ステップを行う。
【0036】
ステップST103において、発電部200は、ステップST102の回転軸103の回転に応じて発電を行う。すなわち、発電部200は、上述した第1回転ステップ及び第2回転ステップの少なくとも一方に応じて、すなわち、ワイヤ巻取り部101の回転軸103の回転に応じて発電する。
ステップST103の処理の後に、後述するステップST104の処理が行われてもよく、又は、ステップST104の代わりに若しくはステップST104と共に、ステップST103で発電される電力が種々の機器で利用されてもよい。
【0037】
ステップST104において、蓄電部300は、ステップST103で発電される出力を蓄電する。
蓄電部300に蓄電される電力は、種々の用途に利用することが可能である。
【0038】
[本実施形態の効果]
次に、本実施形態の効果について説明する。
発電システム1は、ワイヤ巻取り部101(助力装置100)及び発電部200を備える。この場合、ワイヤ巻取り部101は、ロータ部102及び回転軸103を備える。この場合、ワイヤ巻取り部101(助力装置100)は、例えば、ワイヤバランサであってもよい。
発電システム1は、ワイヤ巻取り部101の動作に応じて発電部200が発電するので、ワイヤ500を介してワイヤ巻取り部101に接続する作業工具400(駆動源)(作業者又は製造ロボット402)等の負荷が増大することを抑制することができる。すなわち、発電システム1は、ワイヤ巻取り部101(助力装置100)を利用するので、作業工具400(手作業工具401)の重量を軽減でき、作業員の作業を行いやすくすることができる。また、発電システム1は、ワイヤ巻取り部101(助力装置100)を利用するので、製造ロボット402に掛かる負荷を軽減することができる。発電システム1は、作業工具400の外部に発電部200を備えるので、作業工具内部に発電部を備える必要がなく、作業工具400の重量を軽減でき、作業工具内部に発電部を備える場合に比べて作業工具400を相対的に小型化することができる。
また、発電システム1は、作業工具400の動きに応じて発電することができ、効率的に蓄電をすることができる。すなわち、発電システム1は、作業工具400の動きに応じてエネルギを効率よく回収することができる。
また、発電システム1は、発電部200で発電される電力を蓄電部300に蓄電することができ、また発電部200で発電される電力を種々の機器で利用することができる。発電システム1は、蓄電部300に蓄電される電力を種々の用途に利用することができ、電力を効率的に利用することができる。発電システム1は、発電部200で発電される電力を種々の機器に利用することができ、電力を効率的に利用することができる。
【0039】
発電システム1では、ワイヤ巻取り部101は、作業工具400の移動に応じてロータ部102が回転軸103を中心に一方(又は、他方)に回転することによりワイヤ500を巻き取る(又は、送り出す)こととしてもよい。
これにより、発電システム1は、作業工具400が動く場合に、作業工具400に接続されるワイヤ500の巻き取り又は送り出しに応じて発電することができる。すなわち、発電システム1は、作業工具400を利用した作業が行われることに応じて発電することができ、効率的な発電を行うことができる。
【0040】
発電システム1では、作業工具400は、手作業工具401及び製造ロボット402のうち少なくとも一方であってもよい。
上述したように、発電システム1は、作業工具400の外部に発電部200を備える。発電システム1は、手作業工具401、及び、相対的に小型の製造ロボット402を利用する場合でも、それらの作業工具400に動きに応じて発電することができる。これにより、発電システム1は、種々の作業工具400を利用でき、汎用性を高めることができる。
【0041】
発電システム1では、発電部200は、ワイヤ巻取り部101の回転に応じて発電してもよい。
これにより、発電システム1は、ワイヤ巻取り部101の回転に応じて生じるエネルギを電気エネルギに変換することができる。
【0042】
発電システム1は、回転軸103を中心に回転する部材を備える助力装置100、及び、その部材に接続される発電部200を備える。
これにより、発電システム1は、被加工物の加工に利用される工具に対して助力を行う種々の助力装置100の動作に基づいて発電を行うことができる。すなわち、発電システム1は、作業工具400の動きに応じてエネルギを効率よく回収することができる。
【0043】
発電方法では、上述した発電システム1が、ワイヤ500が送り出されることに応じて回転軸103を中心にロータ部102が回転する第1回転ステップと、ワイヤ500が巻き戻されることに応じて回転軸103を中心にロータ部102が回転する第2回転ステップと、第1,2回転ステップに応じて、回転軸103に接続される発電部200が発電する発電ステップと、を実行する。
これにより、発電方法は、ワイヤ500の先端部に接続される作業工具400の動きに応じて発電することができ、効率的に電力を利用でき、また効率的に蓄電をすることができる。すなわち、発電方法は、作業工具400の動きに応じてエネルギを効率よく回収することができる。
【0044】
[本実施形態の一態様]
次に、本実施形態の一態様について説明する。
(態様1)
発電システムは、ワイヤを巻き取って収容することが可能なワイヤ巻取り部と、ワイヤ巻取り部に接続される発電部と、を備え、ワイヤ巻取り部は、回転することにより、ワイヤを巻き取るロータ部と、ロータ部の回転中心に配されると共に、発電部に接続される回転軸と、を備える。
【0045】
(態様2)
発電システムでは、ワイヤ巻取り部は、ワイヤの先端部に作業工具が接続されており、作業工具の移動に応じて、ロータ部が回転軸を中心に一方に回転することによりワイヤを巻き取ると共に、ロータ部が回転軸を中心に他方に回転することによりワイヤを送り出すこととしてもよい。
【0046】
(態様3)
発電システムでは、作業工具は、作業員が使用する手作業工具、及び、製品の作成に使用される製造ロボットのうち少なくとも一方であることとしてもよい。
【0047】
(態様4)
発電システムでは、発電部は、回転軸を中心としたロータ部の回転に応じて発電を行うこととしてもよい。
【0048】
(態様5)
発電システムは、発電部によって発電される電力を蓄電することが可能な蓄電部を備えてもよい。
【0049】
(態様6)
発電システムは、発電部によって発電される電力を利用する機器を備えてもよい。
【0050】
(態様7)
発電システムは、回転軸を中心に回転する部材を備え、被加工物の加工に利用される工具に対して助力を行う助力装置と、部材に接続される発電部と、を備える。
【0051】
(態様8)
発電方法は、ワイヤを巻き取って収容することが可能なワイヤ巻取り部と、ワイヤ巻取り部に接続される発電部と、を備え、ワイヤ巻取り部は、回転することによりワイヤを巻き取るロータ部と、ロータ部の回転中心に配されると共に発電部に接続される回転軸と、を備える発電システムにおいて実行される発電方法であって、発電システムが、ワイヤの先端部に配される作業工具が送り出されることに応じて、回転軸を中心にロータ部が回転する第1回転ステップと、作業工具が巻き戻されることに応じて、回転軸を中心にロータ部が回転する第2回転ステップと、第1回転ステップ及び第2回転ステップの少なくとも一方に応じて、回転軸に接続される発電部が当該回転軸の回転に応じて発電する発電ステップと、を実行する。
【符号の説明】
【0052】
1 発電システム
100 助力装置
101 ワイヤ巻取り部
102 ロータ部
103 回転軸
200 発電部
300 蓄電部
400 作業工具
401 手作業工具
402 作業ロボット
500 ワイヤ