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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022163517
(43)【公開日】2022-10-26
(54)【発明の名称】減速機
(51)【国際特許分類】
   F16H 1/32 20060101AFI20221019BHJP
【FI】
F16H1/32 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021068508
(22)【出願日】2021-04-14
(71)【出願人】
【識別番号】000001247
【氏名又は名称】株式会社ジェイテクト
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(72)【発明者】
【氏名】上野 健太
(72)【発明者】
【氏名】田代 崇
【テーマコード(参考)】
3J027
【Fターム(参考)】
3J027FB02
3J027FB12
3J027GC03
3J027GC24
3J027GD04
3J027GD07
3J027GD13
3J027GE21
(57)【要約】
【課題】歯車同士が適切に噛み合うように調整可能な減速機を提供する。
【解決手段】減速機10は、偏心支持部32を有する入力軸30と、入力軸30の偏心支持部32に内輪部41が取り付けられた軸受40と、軸受40の外輪部42に固定された入力歯車50と、入力歯車50に噛合する固定歯車25と、内輪部41と偏心支持部32との間に介在し、かつ、径方向の厚みが周方向において異なる筒状の偏心スペーサ60と、を備えている。偏心スペーサ60には、周方向の一部から径方向内方に延びる第一フランジ部64が形成されている。入力軸30には、軸方向において偏心支持部32よりも一端部側の位置であって周方向の一部から径方向外方に延びる第二フランジ部36が形成されている。第一フランジ部64及び第二フランジ部36の一方は、他方に対して軸方向における一端部側に位置しており、他方に対して軸方向にカシメられたカシメ部361を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力軸であって、前記入力軸の軸心に対して偏心した状態に設けられた偏心支持部を有する入力軸と、
前記入力軸の前記偏心支持部に内輪部が取り付けられている軸受と、
前記軸受の外輪部に固定され、外周部において周方向に並んで配置された複数の第一歯からなる第一歯部を有する入力歯車と、
前記第一歯部と噛み合う位置に配置された固定歯車であって、前記第一歯部に対向する位置に並んで配置された複数の固定歯を有する固定歯車と、
前記内輪部と前記偏心支持部との間に介在し、かつ、径方向の厚みが周方向において異なる筒状の偏心スペーサと、を備え、
前記偏心スペーサの内周面には、周方向の一部から径方向内方に延びる第一フランジ部が形成されており、
前記入力軸の外周面には、軸方向において前記偏心支持部よりも一端部側の位置であって周方向の一部から径方向外方に延びる第二フランジ部が形成されており、
前記第一フランジ部及び前記第二フランジ部の一方は、他方に対して前記軸方向における一端部側に位置しており、前記他方に対して前記軸方向にカシメられたカシメ部を有する
減速機。
【請求項2】
前記偏心スペーサは、前記軸方向の他端部が前記偏心支持部における前記軸方向の他端部との間に隙間を形成している
請求項1に記載の減速機。
【請求項3】
前記第一フランジ部及び前記第二フランジ部の他方には、周方向の一部に切欠が形成されており、
前記カシメ部は、前記切欠に対応した位置に設けられている
請求項1または2に記載の減速機。
【請求項4】
前記第二フランジ部は、前記軸方向において前記偏心スペーサの内部に収容されている
請求項1~3のいずれか一項に記載の減速機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力される回転角を減じて出力する減速機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の歯車を備えることで、入力される回転角を減じて出力する減速機が存在する。例えば、特許文献1には、駆動軸を含むモータと、モータの回転数を減速させる減速機構部とを備える直線駆動アクチュエータが開示されている。この直線駆動アクチュエータが備える減速機構部は、モータの駆動力が入力されるとともにモータの駆動軸の回転軸線に対して偏心した状態で回転される原動側ギアと、原動側ギアが有する歯数と異なる歯数を有して原動側ギアに噛み合わされ、回転軸線が前記モータの回転軸線上に配置された従動側ギアとを含む。当該減速機構部では、この原動側ギアと従動側ギアとが噛み合って回転することで、モータの単位時間当たりの回転数を減じて出力することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-85766号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の減速機構部のように、環状に並ぶ外向きの歯(外歯)を備える原動側ギア(第一歯車)を、環状に並ぶ内向きの歯(内歯)を備える従動側ギア(第二歯車)に内接させて噛合わせる構造を有する減速機では、外歯と内歯との噛み合いの隙間が問題となる。具体的には、内側の第一歯車は、第二歯車の軸心に対して偏心した状態で自転するとともに、第二歯車の軸心を中心に公転する。これにより、第一歯車と第二歯車との噛み合い位置は、第二歯車の周方向で変化する。このとき、外歯と内歯との噛み合いの隙間(バックラッシ)が適切ではない場合、第一歯車の回転(自転及び公転)の抵抗が高くなること、または、噛み合い位置におけるラトル音(異音)が発生すること等の問題が生じる。このような問題を生じさせないための隙間の最適値を、例えば設計時に算出した場合であっても、部品の製造時の公差などにより、実製品で第一歯車と第二歯車との最適な噛み合い状態を再現することは困難である。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、歯車同士が適切に噛み合うように調整可能な減速機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る減速機は、入力軸であって、入力軸の軸心に対して偏心した状態に設けられた偏心支持部を有する入力軸と、入力軸の偏心支持部に内輪部が取り付けられている軸受と、軸受の外輪部に固定され、外周部において周方向に並んで配置された複数の第一歯からなる第一歯部を有する入力歯車と、第一歯部と噛み合う位置に配置された固定歯車であって、第一歯部に対向する位置に並んで配置された複数の固定歯を有する固定歯車と、内輪部と偏心支持部との間に介在し、かつ、径方向の厚みが周方向において異なる筒状の偏心スペーサと、を備え、偏心スペーサの内周面には、周方向の一部から径方向内方に延びる第一フランジ部が形成されており、入力軸の外周面には、軸方向において偏心支持部よりも一端部側の位置であって周方向の一部から径方向外方に延びる第二フランジ部が形成されており、第一フランジ部及び第二フランジ部の一方は、他方に対して軸方向における一端部側に位置しており、他方に対して前記軸方向にカシメられたカシメ部を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、歯車同士が適切に噛み合うように調整可能な減速機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態に係る減速機の外観を示す斜視図である。
図2】実施の形態に係る減速機の構成概要を示す断面図である。
図3】実施の形態に係る減速機の入力側から見た場合の構成概要図である。
図4】実施の形態に係る減速機の出力側から見た場合の構成概要図である。
図5】実施の形態に係る偏心スペーサの外観を示す斜視図である。
図6】実施の形態に係る偏心スペーサによる入力歯車と固定歯車との噛み合い状態の調整例を示す図である。
図7】実施の形態に係る第一フランジ部及び第二フランジ部を説明するための説明図である。
図8】変形例1に係る入力軸と、偏心スペーサとを示す部分断面図である。
図9】変形例2に係る入力軸と、偏心スペーサとを示す部分断面図である。
図10】検討初期の減速機の概略構成を示す断面図である。
図11】検討初期の減速機に備わる偏心スペーサ及び入力軸の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(発明者らの知見)
本願発明者らは、歯車同士が適切に噛み合うように調整可能とするために、以下のような減速機を開発している。その減速機とは、入力軸であって、前記入力軸の軸心に対して偏心した状態に設けられた偏心支持部を有する入力軸と、前記入力軸の偏心支持部に内輪部が取り付けられている軸受と、前記軸受の外輪部に固定され、外周部において周方向に並んで配置された複数の第一歯からなる第一歯部を有する入力歯車と、前記第一歯部と噛み合う位置に配置された固定歯車であって、前記第一歯部に対向する位置に並んで配置された複数の固定歯を有する固定歯車と、前記内輪部と前記偏心支持部との間に介在し、かつ、径方向の厚みが周方向において異なる偏心スペーサと、を備えている。つまり、入力歯車と固定歯車との噛み合い状態は、偏心スペーサが回転されることで調整できるようになっている。
【0010】
ところで、調整後においては偏心スペーサを入力軸に固定する必要があるため、本願発明者らはその固定方法について鋭意検討を重ねた。図10は、検討初期の減速機200の概略構成を示す断面図である。図11は、検討初期の減速機200に備わる偏心スペーサ260及び入力軸230の平面図である。ここでは、減速機200の特徴部分についてのみ詳述し、その他の部位においては、後述する実施の形態と概ね同様であるため、当該実施の形態と同一の符号を付し、その説明は後に譲る。
【0011】
図10及び図11に示すように、減速機200の入力軸230は、当該入力軸230の軸方向の一部において軸線Laに対して偏心した偏心支持部232を有している。また、この偏心支持部232には、径方向の厚みが周方向において異なる筒状の偏心スペーサ260が取り付けられている。
【0012】
偏心スペーサ260の一端面には、径方向に延びる溝部269が形成されている。また、入力軸230は、偏心スペーサ260の一端面に重なるフランジ部237を有している。フランジ部237において溝部269に対応する箇所がカシメられて、カシメ部238となっている。このカシメ部238によって偏心スペーサ260と入力軸230との相対的な回転が規制されることとなる。
【0013】
ところで、カシメ時においては、フランジ部237を介して偏心スペーサ260が軸方向に移動する場合がある。偏心スペーサ260が移動してしまうと、当該偏心スペーサ260の他端部側に配置された部材(例えばカウンターウエイト90)に干渉する(例えばカシメ時の衝撃を受けて部材が変形したり、部材の位置が軸方向にずれるなどの悪影響を及ぼす)おそれがある。このため、本実施の形態においては、上記した目的に加え、偏心スペーサ260が他の部材に干渉することを抑制できる減速機100を提供することを目的としている。
【0014】
(実施の形態)
以下、実施の形態(その変形例も含む)について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、製造工程の順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。
【0015】
また、図面は、本発明を示すために適宜強調、省略、または比率の調整を行った模式的な図となっており、実際の形状、位置関係、及び比率とは異なる場合がある。さらに、以下の実施の形態において、平行及び直交などの、相対的な方向または姿勢を示す表現が用いられる場合があるが、これらの表現は、厳密には、その方向または姿勢ではない場合も含む。例えば、2つの方向が平行である、とは、当該2つの方向が完全に平行であることを意味するだけでなく、実質的に平行であること、すなわち、例えば数%程度の差異を含むことも意味する。
【0016】
[減速機の全般的な構成及び動作について]
以下、図1図4を用いて、実施の形態に係る減速機10の全般的な構成及び動作を説明する。図1は、実施の形態に係る減速機10の外観を示す斜視図である。図2は、実施の形態に係る減速機10の構成概要を示す断面図である。図2では出力軸70及び各歯車(25、50、80)が有する歯については断面ではなく側面が図示されている。また、図2において、入力軸30及び出力歯車80のそれぞれを回転自在に支持する軸受は簡易的に図示されており、その説明は省略する。
【0017】
図3は、実施の形態に係る減速機10の入力側から見た場合の構成概要図である。図4は、実施の形態に係る減速機10の出力側から見た場合の構成概要図である。図3及び図4では、各構成要素を識別しやすいように、それぞれの構成要素には、図3の断面図と同じハッチングが付されている。また、各歯車(25、50、80)が有する複数の歯については、一部のみを図示し、他の図示は省略されている。また、複数の歯のそれぞれについては簡易的に台形状の部位として図示しているが、各歯の形状に特に限定はなく、インボリュート歯形、サイクロイド歯形、または、これらを合成した歯形などであってもよい。
【0018】
減速機10は、入力される回転角及び回転速度を減じてさせて出力する装置である。本実施の形態では、減速機10は、入力軸30の回転速度より小さな回転速度で出力軸70を回転させる構造を有している。減速機10の用途に特に限定はないが、例えば、自動車等の移動体が備えるステアリング装置におけるパワーアシスト用、または、移動体の転舵輪を転舵させる力を発生する転舵駆動用などの用途で用いられる。
【0019】
図1に示すように、減速機10は、ハウジング20と、ハウジング20に収容された複数の歯車(入力歯車50、出力歯車80、及び固定歯車25)とを備える。入力歯車50は、軸受40を介して入力軸30に取り付けられている。軸受40は、内輪部41及び外輪部42と、内輪部41と外輪部42との間に配置された複数の回転体43とを有し、外輪部42及び内輪部41の一方は他方に対して回転自在に支持されている。回転体43は、例えば球状または円柱状の金属体である。軸受40の内輪部41は、入力軸30に対して偏心した状態で入力軸30に取り付けられている。具体的には、入力軸30は、軸線Laを中心に回転する軸本体部31と、入力軸30の軸方向の一部において軸線Laに対して偏心した状態に設けられた偏心支持部32とを有する。より詳細には、偏心支持部32は、軸線Laの方向(本実施の形態ではZ軸方向と一致する方向であり、以下、単に「軸方向」ともいう。)から見た場合、つまり、軸方向視において円形であり、かつ、中心軸Lb(図3参照)が軸線Laから径方向に離れた位置に配置されている。偏心支持部32の、軸線Laと中心軸Lbとを結ぶ直線上に位置する部分である大径部32aが、軸線Laから径方向に最も離れた外周面を形成する部分である。図3では、大径部32aが、Y軸方向プラス側に位置した状態が図示されている。この偏心支持部32の外周面に、後述する偏心スペーサ60を介して軸受40の内輪部41が固定されており、軸受40の外輪部42には、入力歯車50が固定されている。つまり、入力軸30が回転した場合、軸方向視における入力歯車50の中心は、軸線La周りに回転する。すなわち、入力歯車50は、入力軸30の回転に伴って公転する。
【0020】
また、入力軸30において軸本体部31の外周面34には、軸方向(Z軸方向)において偏心支持部32よりも一端部側(Z軸マイナス方向)の位置であって周方向の一部から径方向外方に延びる複数の第二フランジ部36が偏心支持部32に連続するように形成されている。第二フランジ部36の詳細については後述する。
【0021】
また、軸本体部31の外周面34には、軸方向において偏心支持部32よりも他端部側(Z軸プラス方向)に、カウンターウエイト90が固定されている。このカウンターウエイト90により、偏心支持部32のアンバランスな回転を打ち消すことができる。カウンターウエイト90は、偏心支持部32における他端面に当接するように、軸本体部31に取り付けられている。カウンターウエイト90は、偏心支持部32のアンバランスな回転を打ち消すことができる形状、位置であれば、その構成が特に限定されるものではない。
【0022】
入力歯車50の外周部には周方向に並んで配置された複数の第一歯55aからなる第一歯部55が設けられている。入力歯車50の第一歯部55と噛み合う位置に固定歯車25が配置されている。固定歯車25は、ハウジング20に固定された歯車であり、第一歯部55に対向する位置に並んで配置された複数の固定歯26を有している。また、第一歯部55が有する第一歯55aの数をZaとし、固定歯26の数をZbとした場合、Za>Zbである。上記構造において、入力軸30の回転に伴って入力歯車50が公転した場合、入力歯車50の第一歯部55の一部と固定歯車25との噛み合い位置が、固定歯車25の周方向で移動し、これにより、入力歯車50は、入力軸30とは逆向きに回転する。具体的には、図3に示すように、第一歯部55における、偏心支持部32の大径部32aの外側の位置を含む所定の範囲が、固定歯車25と噛み合いながら、入力歯車50が公転する。このような動きを行う入力歯車50は、例えば、固定歯車25を太陽歯車とする内接式の遊星歯車であると表現できる。
【0023】
例えば、減速機10を軸方向の出力側(Z軸方向プラス側)から見た場合に、入力軸30が時計回りに回転した場合、第一歯部55と固定歯車25との噛み合い位置も時計回りに移動し、その結果、入力歯車50は、軸受40を中心に反時計回りに回転(自転)する。具体的には、例えばZa=41かつZb=40である場合において、入力軸30が時計回りに360°回転することで第一歯部55と固定歯車25との噛み合い位置が、360°回転した場合を想定する。この場合、入力歯車50は、軸受40周りに、360°×((41-40)/40)=9°だけ反時計回りに回転する。つまり、減速機10は、入力歯車50の回転角(回転速度)をそのまま出力するように構成した場合、減速比が1/4
0の減速機として動作することができる。
【0024】
本実施の形態では、減速機10はさらに、軸線Laを中心として回転するように配置された出力軸70と、出力軸70と同軸になるように出力軸70に固定された出力歯車80とを備える。入力歯車50は、出力歯車80と噛み合う複数の第二歯56aからなる第二歯部56を有している。具体的には、出力歯車80は、出力軸70が固定された本体部81と、本体部81の外周部に設けられた第三歯部85とを有する。第三歯部85は、第二歯部56に対向する位置に並んで配置された複数の第三歯85aを有している。また、第二歯部56が有する第二歯56aの数をZcとし、第三歯部85が有する第三歯85a数をZdとした場合、Zc>Zdである。
【0025】
出力歯車80は入力軸30と同軸であり、かつ、入力歯車50は、入力軸30に対して偏心した状態で回転する。したがって、入力歯車50が、入力軸30の回転に伴って公転及び自転した場合、入力歯車50の第二歯部56の一部と出力歯車80との噛み合い位置が、出力歯車80の周方向で移動し、これにより、出力歯車80は、入力軸30とは逆向きに回転する。このとき、入力歯車50に内接する出力歯車80の回転角は、入力歯車50の公転による回転角と、入力歯車50の自転による回転角とを加えた値となる。
【0026】
例えば、Za=41、Zb=40、Zc=42、Zd=41である場合を想定する。この場合において、上述のように、入力軸30が時計回りに360°回転した場合、入力歯車50は、軸線Laを中心に時計回りに360°公転しながら、9°だけ反時計回りに自転する。したがって、入力歯車50が公転することで、第二歯部56と出力歯車80との噛み合い位置は時計回りに、360°移動し、この公転による出力歯車80の軸線La周りの回転角(反時計回り)は、R1=360°×((42-41)/41)である。さらに、入力歯車50の反時計回りの自転(9°)による、出力歯車80の軸線La周りの回転角(反時計回り)は、R2=9°×((42-41)/41)である。したがって、入力軸30の時計回りの回転角が360°である場合における。出力歯車80の反時計回りの回転角は、R1+R2=369°×(1/41)=9°である。
【0027】
つまり、減速機10は、入力軸30の回転角を1/40に減じて出力することができる。すなわち、本実施の形態に係る減速機10は、減速比が1/40の減速機である。なお、上記の各歯数(Za~Zd)のそれぞれは例示であり、各歯数(Za~Zd)は、減速機10の用途等から決定される減速比が得られるように、適宜決定されてもよい。
【0028】
このような基本構成を有する減速機10において、本実施の形態ではさらに、入力歯車50の偏心量を調整するための構造を有している。これにより、入力歯車50の第一歯部55と、固定歯車25との噛み合いを適切な状態にすることができる。具体的には、図2及び図3に示すように、減速機10には、軸受40の内輪部41と入力軸30との間に介在する偏心スペーサ60が備えられている。偏心スペーサ60は、入力軸30の偏心支持部32に支持されており、つまり、入力軸30に対して偏心した状態で配置されている。さらに、偏心スペーサ60も、偏心した位置に、偏心支持部32に偏心スペーサ60を取り付けるための円形の開口部を有している。この偏心スペーサ60について、さらに図5及び図6を参照しながら詳細に説明する。
【0029】
[偏心スペーサ構成及びその効果について]
図5は、実施の形態に係る偏心スペーサ60の外観を示す斜視図である。図6は、実施の形態に係る偏心スペーサ60による入力歯車50と固定歯車25との噛み合い状態の調整例を示す図である。図6では、減速機10の入力側から見た場合の入力歯車50と固定歯車25との噛み合い部分が拡大して示されている。
【0030】
本実施の形態に係る偏心スペーサ60は、第一偏心スペーサの一例であり、図5に示すように、円環状の部材である。偏心スペーサ60の外形は、図3及び図5に示すように円形であり、かつ、偏心した位置に円形の開口部61を有している。つまり、偏心スペーサ60は、径方向の厚みが周方向において均一ではない形状に形成されている。具体的には、偏心スペーサ60には、厚みが最も大きい厚肉部60aと、厚みが最も小さい薄肉部60bとが形成されている。つまり、厚肉部60aの厚みTaと薄肉部60bの厚みTbとはTa>Tbの関係にある。偏心スペーサ60の素材は特に限定はないが、例えば、ポリフェニレンスルファイド(PPS)もしくはポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの耐熱性の高い樹脂、または、鉄またはステンレス鋼(SUS)などの金属が採用される。
【0031】
このように構成された偏心スペーサ60の開口部61に、入力軸30の偏心支持部32が嵌め合わされ、偏心スペーサ60の外周面62に、軸受40の内輪部41が嵌め合わされる。この状態において、偏心スペーサ60は、偏心支持部32に対して周方向に回転可能である。したがって、例えば、偏心スペーサ60の偏心支持部32に対する回転位置(位相)を、図6に示す偏心支持部32の大径部32aの外側に厚肉部60aが位置する位相にした場合、第一歯部55と固定歯車25との噛み合い部分における隙間が最も小さくなる。この隙間は例えばゼロ、あるいは負隙間とし、偏心支持部32の大径部32aの外側に厚肉部60aが位置する位相になる前に隙間がゼロになるようにしてもよい。
【0032】
偏心スペーサ60を、その位相から図6における時計回りまたは反時計回りに回転させることで、偏心スペーサ60の、大径部32aの外側に位置する部分の厚みは小さくなる。そして、偏心スペーサ60の薄肉部60bが大径部32aの外側に位置した場合、第一歯部55と固定歯車25との噛み合い部分における隙間が最も大きくなる。なお、この場合においても軸線Laから偏心スペーサ60の外周面62までの距離の最大値は、軸線Laから大径部32aを通過して薄肉部60bの外側の外周面62に至るまでの距離である。すなわち、偏心支持部32の偏心量D(偏心支持部32の中心軸Lbと軸線Laとの距離、図6参照)と、厚肉部60aの厚みTa及び薄肉部60bの厚みTbの差分との関係は、D>Ta-Tbである。したがって、例えば減速機10の組み立て時において、入力軸30の偏心支持部32における大径部32aを基準として、偏心スペーサ60の位相を変更することで、第一歯部55と固定歯車25との噛み合い部分における隙間の大きさを調整することができる。
【0033】
また、図5に示すように、偏心スペーサ60において開口部61の内周面63には、Z軸方向の中間位置に、周方向の一部から径方向内方に向けて延びる複数の第一フランジ部64が形成されている。各第一フランジ部64は、弧状かつ平板状に形成されている。具体的には、複数の第一フランジ部64は、厚肉部60aの近傍に設けられた第一フランジ部64aと、薄肉部60bの近傍に設けられた第一フランジ部64bとである。周方向において第一フランジ部64aと第一フランジ部64bとの間は空間となっている。
【0034】
また、第一フランジ部64aにおいて周方向の中央部には、径方向に延びZ軸方向に貫通した切欠641aが形成されている。同様に第一フランジ部64bにおいて周方向の中央部には、径方向に延びZ軸方向に貫通した切欠641bが形成されている。第一フランジ部64a、64bは、入力軸30の第二フランジ部36に係合することで、偏心スペーサ60が入力軸30の偏心支持部32に対して滑ることを規制する部位である。このため、以降では、第一フランジ部64a、64bと第二フランジ部36との係合について説明する。
【0035】
[第一フランジ部と第二フランジ部との係合について]
図7は、実施の形態に係る第一フランジ部64及び第二フランジ部36を説明するための説明図である。具体的には、図7の(a)~(c)は、偏心スペーサ60を入力軸30に取り付ける際の第一フランジ部64及び第二フランジ部36の状態を示している。図7の(a)~(c)のそれぞれでは、平面図及び部分断面図を示している。部分断面図では、入力軸30のみ側面図であり、他の部材が断面図となっている。
【0036】
まず、第二フランジ部36について説明する。図7に示すように、第二フランジ部36は、入力軸30の軸心を挟んで対向するように、軸本体部31の外周面34に一対設けられている。各第二フランジ部36は、軸方向(Z軸方向)において偏心支持部32よりも一端部側(Z軸マイナス方向)の位置であって、軸本体部31の外周面34の一部から径方向外方に延びている。各第二フランジ部36は、弧状かつ平板状に形成されている。各第二フランジ部36の周方向の長さは、第一フランジ部64a、64bの周方向の長さよりも長い。これにより、各第二フランジ部36の周方向の長さの範囲で、各第一フランジ部64a、64bの係合位置を調整することが可能である。また、周方向において、各第二フランジ部36の間の長さは、各第一フランジ部64a、64bの周方向の長さよりも大きい。このため、入力軸30に偏心スペーサ60を取り付ける際には、各第一フランジ部64a、64bが、各第二フランジ部36の間を通過できるようになっている。
【0037】
次に、偏心スペーサ60を入力軸30に取り付ける際の動作について説明する。なお、以下の説明では、取り付け時に入力軸30を偏心スペーサ60に対して回転させる場合を例示するが、偏心スペーサ60を入力軸30に対して回転させてもよい。
【0038】
まず、図7の(a)に示すように、作業者は、各第一フランジ部64a、64bが各第二フランジ部36の間を通過するように、偏心スペーサ60を入力軸30の偏心支持部32に取り付ける。このとき、偏心支持部32は、偏心スペーサ60の開口部61に嵌合している。また、偏心支持部32の一端面(Z軸マイナス方向の端面)は各第一フランジ部64a、64bに当接している。
【0039】
次いで、作業者は、図7の(b)に示すように、入力軸30を反時計回りに回転させて、各第二フランジ部36を各第一フランジ部64a、64bに対向させる。これにより、偏心スペーサ60の各第一フランジ部64a、64bは、偏心支持部32と各第二フランジ部36とにより挟持され、Z軸方向の移動が規制された状態となる。また、この状態では、各第二フランジ部36は、軸方向において偏心スペーサ60の開口部61内に収容されており、偏心スペーサ60から突出していない。また、偏心スペーサ60において軸方向の他端部は、偏心支持部32の他端部との間に隙間Sを形成している。この隙間Sにより、偏心スペーサ60とカウンターウエイト90との干渉がより確実に抑制されている。
【0040】
次いで、図7の(c)に示すように、作業者は、入力軸30を時計回りまたは反時計回りに回転させることで、偏心スペーサ60の位相を変更し、第一歯部55と固定歯車25との噛み合い部分における隙間の大きさを調整する。
【0041】
次いで、作業者は、各第二フランジ部36において、各切欠641a、641bに対応する箇所をかしめることで当該部位にカシメ部361を形成する。これにより、各カシメ部361は、各切欠641a、641b内で、各第一フランジ部64a、64bに係合するので、入力軸30に対する偏心スペーサ60の回転が規制される。つまり、偏心スペーサ60は、偏心支持部32周りに回転することなく、入力軸30とともに回転することになる。
【0042】
[効果など]
以上説明したように、本実施の形態によれば、偏心スペーサ60は、軸受40の内輪部41と入力軸30の偏心支持部32との間に介在し、かつ、径方向の厚みが周方向において異なっている。
【0043】
このため、入力歯車50と固定歯車25との噛み合い状態を、偏心スペーサ60によって調整することができる。例えば、偏心スペーサ60を、入力軸30の偏心支持部32周りに回転させることで、入力歯車50の第一歯部55を、固定歯車25の固定歯26に対して近づけることができ、これにより、入力歯車50と固定歯車25との噛み合い部分における隙間(バックラッシ)を減少させることができる。その結果、入力歯車50と固定歯車25との噛み合いにおけるがたつき、または、異音の発生が抑制される。また、偏心スペーサ60の位相の変更という可逆的な作業により入力歯車50と固定歯車25との噛み合い状態が調整される。そのため、当該噛み合い状態の調整を行って減速機10を稼働させた後に、調整をやり直すことも可能である。このように、本実施の形態に係る減速機10によれば、歯車同士が適切に噛み合うように調整することが可能である。
【0044】
特に、偏心スペーサ60の内周面63には、周方向の一部から径方向に延びる第一フランジ部64a、64bが形成されている。また、入力軸30の軸本体部31の外周面34には、軸方向において偏心支持部32よりも一端部側の位置であって周方向の一部から径方向外方に延びる第二フランジ部36が形成されている。この第二フランジ部36は、第一フランジ部64a、64bに対して軸方向の一端部側の位置しており、第一フランジ部64a、64bに対して軸方向にカシメられたカシメ部361を有している。
【0045】
これにより、カシメ部361が第一フランジ部64a、64bに対してカシメられ係合しているので、入力軸30に対する偏心スペーサ60の回転が規制される。したがって、偏心スペーサ60は、偏心支持部32周りに回転することなく、入力軸30とともに回転することになる。
【0046】
また、カシメ部361を形成する際には、偏心スペーサ60の第一フランジ部64a、64bがカウンターウエイト90に近づく方向(Z軸プラス方向)に押されることになるが、第一フランジ部64a、64bは偏心支持部32に当接しているために、偏心スペーサ60のそれ以上の移動が規制されている。このため、偏心スペーサ60がカウンターウエイト90に干渉することが抑制されている。
【0047】
このように、実施の形態に係る減速機10では、偏心スペーサ60を用いて、第一歯部55と固定歯車25とを適切に噛み合わせることを実現しつつも、偏心スペーサ60が他の部材に干渉することを抑制可能としている。
【0048】
また、偏心スペーサ60において軸方向の他端部は、偏心支持部32の他端部との間に隙間Sを形成している。この隙間Sにより、偏心スペーサ60とカウンターウエイト90との干渉がより確実に抑制されている。
【0049】
また、各カシメ部361は、第一フランジ部64a、64bに備わる各切欠641a、641bに対応した位置に設けられている。このため、各カシメ部361は、各切欠641a、641b内で各第一フランジ部64a、64bに強固に係合する。これにより、入力軸30に対する偏心スペーサ60の回転をより確実に規制することができる。
【0050】
また、各第二フランジ部36が、軸方向において偏心スペーサ60の開口部61内に収容されているので、第二フランジ部36を偏心スペーサ60から突出させない状態にすることができる。したがって、軸方向における大型化を抑制することが可能である。
【0051】
[変形例]
次に、実施の形態に係る減速機の変形例について説明する。なお、以降の説明において、上記実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
【0052】
(変形例1)
上記実施の形態では、第一フランジ部64が偏心スペーサ60のZ軸方向の中間位置に設けられている場合を例示した。この変形例1では、第一フランジ部64cが偏心スペーサ60cの一端部(Z軸マイナス方向の端部)に設けられている場合について説明する。
【0053】
図8は、変形例1に係る入力軸30と、偏心スペーサ60cとを示す部分断面図である。図8では、入力軸30のみ側面図であり、他の部材が断面図となっている。図8に示すように、変形例1では、各第一フランジ部64cは、偏心スペーサ60cの一端部に設けられている。このため、第二フランジ部36は、偏心スペーサ60cから突出した位置に配置されることになる。
【0054】
(変形例2)
上記実施の形態では、第二フランジ部36にカシメ部361が形成される場合を例示した。しかしながら、第一フランジ部にカシメ部を設けてもよい。
【0055】
図9は、変形例2に係る入力軸30と、偏心スペーサ60dとを示す部分断面図である。図9では、入力軸30のみ側面図であり、他の部材が断面図となっている。図9に示すように、偏心スペーサ60dには、各第一フランジ部64a、64bよりも一端部側であって、各第一フランジ部64a、64bに対向する位置に、複数の他の第一フランジ部64dが設けられている。具体的には、偏心スペーサ60dにおいて開口部61の内周面63には、Z軸マイナス方向の端部に、周方向の一部から径方向内方に向けて各第一フランジ部64dが形成されている。各第一フランジ部64dは、対応する第一フランジ部64a、64bと概ね同形状であるが、切欠部を有していない点で異なる。各第一フランジ部64dは、各第二フランジ部36よりも一端部側に位置している。各第一フランジ部64dと、各第一フランジ部64a、64bは、各第二フランジ部36をZ軸方向で挟持している。各第一フランジ部64dには、各第二フランジ部36に対してカシメられたカシメ部641dが形成されている。ここでは、カシメ部641dは、第二フランジ部36に対して圧着されている場合を例示しているが、第二フランジ部36に切欠を設け、その切欠に対応した位置にカシメ部641dを設けてもよい。
【0056】
このように、カシメ部641dが第二フランジ部36に対してカシメられ係合しているので、入力軸30に対する偏心スペーサ60dの回転が規制される。したがって、偏心スペーサ60dは、偏心支持部32周りに回転することなく、入力軸30とともに回転することになる。
【0057】
また、カシメ部641dを形成する際には、偏心スペーサ60dがカウンターウエイト90に近づく方向(Z軸プラス方向)に押されることになるが、第一フランジ部64a、64bは偏心支持部32に当接しているために、偏心スペーサ60dのそれ以上の移動が規制されている。このため、偏心スペーサ60dがカウンターウエイト90に干渉することが抑制されている。
【0058】
(他の実施の形態)
以上、本発明に係る歯車装置について、実施の形態及びその変形例に基づいて説明した。しかしながら、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を上記実施の形態に施したものも、あるいは、上記説明された複数の構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
【0059】
例えば、偏心スペーサ60は、完全な環状である必要はない。例えば、一部を欠いたC字状の偏心スペーサが減速機10に備えられてもよい。この場合であっても、径方向の厚みが周方向で異なるように、より具体的には、厚みが最も大きな径大部から周方向に離れるにしたがって厚みが小さくなるように、偏心スペーサが形成されていればよい。これにより、偏心スペーサの、偏心支持部32に対する回転位置(位相)を変更することで、第一歯部55と固定歯車25との噛み合い部分における隙間の大きさを調整することができる。
【0060】
また、例えば、実施の形態に係る減速機10において、入力歯車50の回転角をそのまま出力してもよい。例えば、入力歯車50が有する第二歯56aの数Zcと、出力歯車80の第三歯85aの数Zdとを同数とすることで、入力軸30と同軸上で回転する出力軸70によって、入力歯車50の回転角をそのまま出力することができる。また、減速機10は、出力歯車80及び出力軸70を備えなくてもよい。この場合、入力歯車50とともに公転しながら自転する部材(フレキシブルなケーブル、または、自在継手で接続された複数の軸体等)を用いて、ハウジング20内において公転しながら自転する入力歯車50のトルクを取り出してもよい。
【0061】
また、上記実施の形態では、偏心スペーサ60において軸方向の他端部と、偏心支持部32の他端部との間に隙間Sが形成されている場合を例示したが、隙間Sがなくてもよい。
【0062】
また、上記実施の形態では、第一フランジ部64a、64bに、Z軸方向に貫通した切欠641a、641bが形成されている場合を例示した。しかしながら、切欠は、カシメ部が係合するのであれば、第一フランジ部において第二フランジ部に対向する面に形成された、Z軸方向に貫通していない凹部であってもよい。また第一フランジ部に切欠がなくとも、カシメ部が第一フランジ部に圧着される形態であっても、入力軸に対する偏心スペーサの回転を規制することが可能である。
【0063】
また、減速機10は、パワーステアリング装置におけるパワーアシスト用の減速機等の、移動体に搭載される減速機である必要はない。減速機10は、移動体以外の各種の機械及び装置における減速機として採用することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明は、例えば、自動車等の移動体または産業機械等に搭載される減速機として有用である。
【符号の説明】
【0065】
10…減速機、20…ハウジング、25…固定歯車、26…固定歯、30,230…入力軸、31…軸本体部、32,232…偏心支持部、32a…大径部、34…外周面、36…第二フランジ部、40…軸受、41…内輪部、42…外輪部、43…回転体、50…入力歯車、55…第一歯部、55a…第一歯、56…第二歯部、56a…第二歯、60,60c,60d,260…偏心スペーサ、60a…厚肉部、60b…薄肉部、61…開口部、62…外周面、63…内周面、64,64a,64b,64c,64d…第一フランジ部、70…出力軸、80…出力歯車、81…本体部、85…第三歯部、85a…第三歯、90,290…カウンターウエイト、100,200…減速機、237…フランジ部、269…溝部、238,361,641d…カシメ部、641a,641b…切欠、D…偏心量、La…軸線、Lb…中心軸、S…隙間
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