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特開2022-163591マスク用体温計、体温計付マスク、及びマスク用体温計アタッチメント
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  • 特開-マスク用体温計、体温計付マスク、及びマスク用体温計アタッチメント 図1
  • 特開-マスク用体温計、体温計付マスク、及びマスク用体温計アタッチメント 図2
  • 特開-マスク用体温計、体温計付マスク、及びマスク用体温計アタッチメント 図3
  • 特開-マスク用体温計、体温計付マスク、及びマスク用体温計アタッチメント 図4
  • 特開-マスク用体温計、体温計付マスク、及びマスク用体温計アタッチメント 図5
  • 特開-マスク用体温計、体温計付マスク、及びマスク用体温計アタッチメント 図6
  • 特開-マスク用体温計、体温計付マスク、及びマスク用体温計アタッチメント 図7
  • 特開-マスク用体温計、体温計付マスク、及びマスク用体温計アタッチメント 図8
  • 特開-マスク用体温計、体温計付マスク、及びマスク用体温計アタッチメント 図9
  • 特開-マスク用体温計、体温計付マスク、及びマスク用体温計アタッチメント 図10
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022163591
(43)【公開日】2022-10-26
(54)【発明の名称】マスク用体温計、体温計付マスク、及びマスク用体温計アタッチメント
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/01 20060101AFI20221019BHJP
   A62B 18/08 20060101ALI20221019BHJP
   A41D 13/11 20060101ALI20221019BHJP
【FI】
A61B5/01
A62B18/08 Z
A41D13/11 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021068607
(22)【出願日】2021-04-14
(71)【出願人】
【識別番号】508376638
【氏名又は名称】株式会社サン・ワイズ
(74)【代理人】
【識別番号】100177264
【弁理士】
【氏名又は名称】柳野 嘉秀
(74)【代理人】
【識別番号】100074561
【弁理士】
【氏名又は名称】柳野 隆生
(74)【代理人】
【識別番号】100124925
【弁理士】
【氏名又は名称】森岡 則夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141874
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 久由
(74)【代理人】
【識別番号】100143373
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 裕人
(72)【発明者】
【氏名】千田 泰史
【テーマコード(参考)】
2E185
4C117
【Fターム(参考)】
2E185AA07
4C117XB01
4C117XB02
4C117XC11
4C117XD07
4C117XD08
4C117XE23
4C117XE24
4C117XG05
4C117XH12
4C117XR01
(57)【要約】
【課題】吸気の影響を低減しつつ、呼気の温度を測定することが容易なマスク用体温計、体温計付マスク、及びマスク用体温計アタッチメントを提供する。
【解決手段】ユーザの口及び鼻口を覆うためのマスク状のマスク本体部Mの内側に、ユーザ側に向けて取り付けられることにより、ユーザの呼気の温度を測定する温度センサ2と、ユーザの吸気よりも呼気の方が、温度センサへ導かれ易くする呼気導入部3とを備えた。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの口及び鼻口を覆うためのマスク状のマスク本体部の内側に、前記ユーザ側に向けて取り付けられることにより、前記ユーザの呼気の温度を測定する温度センサと、
前記ユーザの吸気よりも前記呼気の方が、前記温度センサへ導かれ易くする呼気導入部とを備えるマスク用体温計。
【請求項2】
前記呼気導入部は、
前記温度センサの少なくとも一部を覆うように前記ユーザ側方向に膨らむ覆い状の形状を有する覆い部を含み、
前記覆い部には開口部が形成されている請求項1記載のマスク用体温計。
【請求項3】
前記温度センサ及び前記覆い部は、板状の基部の前記ユーザ側の面に取り付けられ、
前記覆い部は、ドーム状の形状が、前記ユーザ側の面に対して60度以上、90度以下の角度をなす切断面で切り落とされた形状を有し、
前記切断面が、前記開口部となっている請求項2記載のマスク用体温計。
【請求項4】
前記開口部は、前記ユーザ側に向けて開口するように、前記覆い部に複数形成されている請求項2記載のマスク用体温計。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載のマスク用体温計と、
前記マスク本体部とを備え、
前記温度センサは、前記マスク本体部の内側に取り付けられている体温計付マスク。
【請求項6】
請求項3に記載のマスク用体温計と、
前記マスク本体部とを備え、
前記温度センサは、前記マスク本体部の内側に取り付けられ、
前記開口部は、前記マスク本体部の左右方向の中央の方向に開口している体温計付マスク。
【請求項7】
請求項1~4のいずれか1項に記載のマスク用体温計と、
前記マスク用体温計を、前記マスク本体部に取り付ける取付部とを備え、
前記取付部は、
前記マスク用体温計を支持する板状の基部と、
前記基部の一端側に取り付けられたクリップ部とを備え、
前記クリップ部は、前記マスク本体部の縁を挟むことにより前記マスク本体部に取り付け可能であり、前記マスク本体部に取り付けられた状態で、前記基部の他端側を、前記マスク本体部における前記クリップ部の取付方向の中央に向けて保持するマスク用体温計アタッチメント。
【請求項8】
請求項3に記載のマスク用体温計と、
前記マスク用体温計を、前記マスク本体部に取り付ける取付部とを備え、
前記取付部は、
前記マスク用体温計を支持する板状の基部と、
前記基部の一端側に取り付けられたクリップ部とを備え、
前記クリップ部は、前記マスク本体部の縁を挟むことにより前記マスク本体部に取り付け可能であり、前記マスク本体部に取り付けられた状態で、前記基部の他端側を、前記マスク本体部における前記クリップ部の取付方向の中央に向けて保持し、
前記開口部は、前記他端側に開口しているマスク用体温計アタッチメント。
【請求項9】
前記覆い部は、前記基部よりも熱伝導率が低い請求項7又は8に記載のマスク用体温計アタッチメント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの呼気の温度を測定することができるマスク用体温計、体温計付マスク、及びマスク用体温計アタッチメントに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、マスクに取り付けた温度センサで呼気の温度を測定することにより、体温を測定する顔面マスク型生体信号測定装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-78754号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、人が呼吸すると、呼気は体の中で暖められてマスク内に放出されるので、呼気には体温が反映される。一方、吸気は外気がマスク内に取り込まれるので、吸気には体温が反映されない。そのため、吸気の影響を低減しつつ、呼気の温度を測定することが好ましいと考えられる。
【0005】
本発明の目的は、吸気の影響を低減しつつ、呼気の温度を測定することが容易なマスク用体温計、体温計付マスク、及びマスク用体温計アタッチメントを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るマスク用体温計は、ユーザの口及び鼻口を覆うためのマスク状のマスク本体部の内側に、前記ユーザ側に向けて取り付けられることにより、前記ユーザの呼気の温度を測定する温度センサと、前記ユーザの吸気よりも前記呼気の方が、前記温度センサへ導かれ易くする呼気導入部とを備える。
【0007】
この構成によれば、呼気導入部によって、ユーザの吸気よりも呼気の方が、温度センサへ導かれ易くなるので、吸気の影響を低減しつつ、呼気の温度を測定することが容易となる。
【0008】
また、前記呼気導入部は、前記温度センサの少なくとも一部を覆うように前記ユーザ側方向に膨らむ覆い状の形状を有する覆い部を含み、前記覆い部には開口部が形成されていることが好ましい。
【0009】
この構成によれば、ユーザ側方向に膨らむ覆い状の覆い部に開口部が形成されているので、ユーザが吐き出した呼気が開口部から覆い部内に入り込みやすくなる。その覆い部は、温度センサの少なくとも一部を覆っているので、覆い部に入った呼気が温度センサへ導かれ易くなる。
【0010】
また、前記温度センサ及び前記覆い部は、板状の基部の前記ユーザ側の面に取り付けられ、前記覆い部は、ドーム状の形状が、前記ユーザ側の面に対して60度以上、90度以下の角度をなす切断面で切り落とされた形状を有し、前記切断面が、前記開口部となっていることが好ましい。
【0011】
板状の基部のユーザ側の面に取り付けられ、ドーム状の形状が、ユーザ側の面に対して60度以上、90度以下の角度をなす切断面で切り落とされた形状を有し、切断面が開口部となった覆い部は、ユーザの呼気がマスク本体部の内側に当たり、マスク本体部の内面に沿って流れた場合に、その呼気を効率よく捉えて温度センサへ導くことが容易となる。
【0012】
また、前記開口部は、前記ユーザ側に向けて開口するように、前記覆い部に複数形成されていることが好ましい。
【0013】
この構成によれば、覆い部の複数の開口部がユーザ側に向けて開口し、ユーザの呼気が吐き出される方向を向いているので、複数の開口部から覆い部内へ効率よく呼気を取り込んで、温度センサへ導くことが容易となる。
【0014】
また、本発明に係る体温計付マスクは、上述のマスク用体温計と、前記マスク本体部とを備え、前記温度センサは、前記マスク本体部の内側に取り付けられている。
【0015】
この構成によれば、マスク本体部の内側に取り付けられたマスク用体温計によって、吸気の影響を低減しつつ、呼気の温度を測定することが容易となる。
【0016】
また、本発明に係る体温計付マスクは、上述のマスク用体温計と、前記マスク本体部とを備え、前記温度センサは、前記マスク本体部の内側に取り付けられ、前記開口部は、前記マスク本体部の左右方向の中央の方向に開口している。
【0017】
この構成によれば、ユーザの呼気がマスク本体部の内側に当たり、マスク本体部の内面に沿って流れた場合に、マスク用体温計の覆い部によって、その呼気を効率よく捉えて温度センサへ導くことが容易となる。その結果、吸気の影響を低減しつつ、呼気の温度を測定することが容易となる。
【0018】
また、本発明に係るマスク用体温計アタッチメントは、上述のマスク用体温計と、前記マスク用体温計を、前記マスク本体部に取り付ける取付部とを備え、前記取付部は、前記マスク用体温計を支持する板状の基部と、前記基部の一端側に取り付けられたクリップ部とを備え、前記クリップ部は、前記マスク本体部の縁を挟むことにより前記マスク本体部に取り付け可能であり、前記マスク本体部に取り付けられた状態で、前記基部の他端側を、前記マスク本体部における前記クリップ部の取付方向の中央に向けて保持する。
【0019】
この構成によれば、マスク用体温計アタッチメントのクリップ部でマスク本体部の縁を挟むことにより、マスク本体部の縁部よりも内側よりの位置にマスク用体温計を取り付けることができる。その結果、マスク用体温計アタッチメントによりマスク本体部の内側に取り付けられたマスク用体温計によって、吸気の影響を低減しつつ、呼気の温度を測定することが容易となる。
【0020】
また、本発明に係るマスク用体温計アタッチメントは、上述のマスク用体温計と、前記マスク用体温計を、前記マスク本体部に取り付ける取付部とを備え、前記取付部は、前記マスク用体温計を支持する板状の基部と、前記基部の一端側に取り付けられたクリップ部とを備え、前記クリップ部は、前記マスク本体部の縁を挟むことにより前記マスク本体部に取り付け可能であり、前記マスク本体部に取り付けられた状態で、前記基部の他端側を、前記マスク本体部における前記クリップ部の取付方向の中央に向けて保持し、前記開口部は、前記他端側に開口している。
【0021】
この構成によれば、マスク用体温計アタッチメントのクリップ部でマスク本体部の縁を挟むことにより、マスク本体部の縁部よりも内側よりの位置にマスク用体温計を取り付けることができる。さらにこの状態で、覆い部の開口部が、マスク本体部の中央方向に開口する。その結果、ユーザの呼気がマスク本体部の内側に当たり、マスク本体部の内面に沿って流れた場合に、マスク用体温計の覆い部によって、その呼気を効率よく捉えて温度センサへ導くことが容易となる。その結果、吸気の影響を低減しつつ、呼気の温度を測定することが容易となる。
【0022】
また、前記覆い部は、前記基部よりも熱伝導率が低いことが好ましい。
【0023】
この構成によれば、覆い部内に入り込んだユーザの呼気の温度が、覆い部からの熱伝導によって低下するおそれが低減される。
【発明の効果】
【0024】
このような構成のマスク用体温計、体温計付マスク、及びマスク用体温計アタッチメントは、体温測定精度を向上させることが容易である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の一実施形態に係るマスク用体温計アタッチメントがマスク本体部に取り付けられた状態を、マスク本体部の内側から見た正面図である。
図2図1に示すマスク用体温計アタッチメントがマスク本体部に取り付けられた状態を、マスク本体部の外側から見た斜視図である。
図3図1図2に示すマスク用体温計アタッチメントの四面図である。
図4図1に示すマスク用体温計アタッチメントの斜視図である。
図5図3に示すマスク用体温計アタッチメントを拡大して示す側面図である。
図6図3に示すマスク用体温計アタッチメントの電気的構成の一例を示すブロック図である。
図7】マスク用体温計アタッチメントが取り付けられたマスク本体部をユーザが着けて、呼吸した状態を示す説明図である。
図8図3に示すマスク用体温計アタッチメントの変形例を示す二面図である。
図9図8に示すマスク用体温計アタッチメントの斜視図である。
図10図8に示すマスク用体温計アタッチメントが取り付けられたマスク本体部をユーザが着けて、呼吸した状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。
【0027】
図1は、本発明の一実施形態に係るマスク用体温計アタッチメントがマスク本体部に取り付けられた状態を、マスク本体部の内側から見た正面図である。図2は、図1に示すマスク用体温計アタッチメントがマスク本体部に取り付けられた状態を、マスク本体部の外側から見た斜視図である。図1図2に示すマスク本体部Mは、ユーザの口及び鼻口を覆うための、いわゆるマスクである。
【0028】
図3は、図1図2に示すマスク用体温計アタッチメント1の四面図である。図4は、図1に示すマスク用体温計アタッチメント1の斜視図である。図1図4に示すマスク用体温計アタッチメント1は、温度センサ2、呼気導入部3、回路ブロック4、基部5、及びクリップ部6を備えている。呼気導入部3は、開口部32が形成された覆い部31から構成されている。基部5及びクリップ部6は、取付部の一例に相当している。
【0029】
温度センサ2及び呼気導入部3が、本発明の一実施形態に係るマスク用体温計の一例に相当している。
【0030】
基部5は、略矩形の板状形状を有している。基部5は、温度センサ2、呼気導入部3、及び回路ブロック4を支持可能な強度を有し、通気性を有さない、空気を通さない素材で構成されている。
【0031】
基部5の一端E1側には、クリップ部6が取り付けられている。クリップ部6は、いわゆるクリップであり、例えば弾性を有する金属等により構成されている。クリップ部6は、マスク本体部Mの縁を弾性的に挟むことによりマスク本体部Mに取り付け可能である。
【0032】
基部5の、クリップ部6によって挟まれるマスク本体部Mとは逆側の面51に、回路ブロック4が取り付けられている。回路ブロック4は、例えば円盤状のハウジングに収容されている。回路ブロック4の、基部5とは反対側の略中央に、温度センサ2が取り付けられている。
【0033】
面51は、マスク用体温計アタッチメント1が取り付けられたマスク本体部Mを、ユーザが装着した場合にユーザ側を向く面である。以下、マスク用体温計アタッチメント1が取り付けられたマスク本体部Mを、ユーザが装着した場合にユーザ側となる方向を、単にユーザ側と称する。
【0034】
図5は、図3に示すマスク用体温計アタッチメント1を拡大して示す側面図である。覆い部31は、基部5に取り付けられている。覆い部31は、回路ブロック4の、一端E1側縁部から立ち上がり、温度センサ2の少なくとも一部、例えば半分程度を覆うようにユーザ側方向に膨らむ覆い状の形状を有している。覆い部31は、基部5の面51に対して60度以上、90度以下の角度R1をなす切断面Cで切り落とされた形状を有している。覆い部31の切断面Cが、他端E2側に開口する開口部32となっている。覆い部31は、基部5よりも熱伝導率が低い材料によって構成されている。
【0035】
クリップ部6は、マスク本体部Mに取り付けられた状態で、基部5の他端E2側を、マスク本体部Mにおけるクリップ部6の取付方向の中央に向けて保持する。マスク本体部Mの左右の縁にクリップ部6が取り付けられた場合、取付方向は左右方向であり、マスク本体部Mの上下の縁にクリップ部6が取り付けられた場合、取付方向は上下方向である。
【0036】
図1では、マスク本体部Mの左右の縁にクリップ部6が取り付けられた場合を示しており、取付方向は左右方向である。これにより、基部5の他端E2側が、マスク本体部Mの左右方向の中央CTに向けて保持される。開口部32は、他端E2側に開口している。その結果、マスク用体温計アタッチメント1がマスク本体部Mに取り付けられると、開口部32は、中央CTに向けて開口する。
【0037】
図6は、図3に示すマスク用体温計アタッチメント1の電気的構成の一例を示すブロック図である。図6に示すマスク用体温計アタッチメント1は、温度センサ2と、回路ブロック4とを備えている。温度センサ2は、例えば熱電対やサーミスタ等を用いて温度tを検出するいわゆる温度センサであり、回路ブロック4の制御部41に接続されている。
【0038】
回路ブロック4は、制御部41、通信部42、及び電池43を備えている。通信部42は、外部の端末装置との間で無線通信可能な無線回路である。通信部42の通信方式としては、Bluetooth(登録商標)、WiFi(登録商標)、移動体無線通信等、種々の無線方式を用いることができる。通信部42から無線信号を受信する端末装置は、例えばスマートフォン、タブレット端末、及びパーソナルコンピュータ等、種々の情報処理装置であってよい。
【0039】
制御部41は、例えば所定の演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶装置、及びその周辺回路等を備えている。そして、制御部41は、上述の記憶装置等に記憶されたプログラムを実行することによって、通信処理部44として機能する。
【0040】
通信処理部44は、温度センサ2によって検出された温度tを、通信部42によって外部の端末装置へ送信させる。電池43は、温度センサ2、制御部41、及び通信部42の動作用電力を供給する。
【0041】
次に、上述のように構成されたマスク用体温計アタッチメント1の動作について説明する。図7は、マスク用体温計アタッチメント1が取り付けられたマスク本体部Mをユーザが着けて、呼吸した状態を示す説明図である。ユーザが吐いた呼気の流れを実線矢印で、ユーザが吸った吸気の流れを破線矢印で示している。図7に実線矢印で示すように、ユーザが口や鼻から吐いた呼気の一部は、マスク本体部Mの内側に当たって、マスク本体部Mの中央付近から周りに拡がるように流れる。
【0042】
一方、覆い部31の開口部32は、中央CTに向けて開口している。そのため、開口部32の開口方向は、呼気が流れてくる方向を向いていることになる。その結果、ユーザの呼気は、開口部32から入って覆い部31で受け止められる。覆い部31で覆われた領域に温度センサ2が位置しているため、ユーザの呼気の温度tが効率よく温度センサ2によって測定される。
【0043】
温度センサ2によって測定された呼気の温度tは、通信処理部44によって、通信部42から外部の端末装置へ無線送信される。呼気の温度tには、ユーザの体温が反映されているから、通信部42から送信された温度tを受信した端末装置では、温度tに基づきユーザの体温を取得することが可能となる。
【0044】
他方、図7に破線矢印で示すように、ユーザが吸った吸気は、マスク本体部Mを通り抜けてユーザの口や鼻へ向かう。そのため、吸気が流れる方向は、開口部32の開口方向とは異なる。従って、吸気は、呼気と比べて開口部32から覆い部31に入りにくくなる。その結果、ユーザの吸気よりも呼気の方が、温度センサ2へ導かれ易くなる。
【0045】
従って、ユーザの体温が反映されない吸気よりもユーザの体温が反映された呼気の方が、温度センサ2へ導かれ易くなるから、吸気の影響を低減しつつ、呼気の温度を測定することが可能となる。
【0046】
図8は、図3に示すマスク用体温計アタッチメント1の変形例を示す二面図である。図9は、図8に示すマスク用体温計アタッチメント1aの斜視図である。図8図9に示すマスク用体温計アタッチメント1aは、マスク用体温計アタッチメント1とは、呼気導入部3aが異なる。その他の点ではマスク用体温計アタッチメント1aは、マスク用体温計アタッチメント1と同様に構成されている。
【0047】
呼気導入部3aは、複数の開口部32aが形成された覆い部31aから構成されている。複数の開口部32aは、ユーザ側に向けて開口するように、覆い部31aに複数形成されている。覆い部31aは、基部5に取り付けられ、回路ブロック4の周縁部から立ち上がり、温度センサ2を覆うようにユーザ側方向に膨らむ覆い状の形状を有している。より具体的には、覆い部31aは、略有底筒状の形状を有し、ユーザ側を向いた底部に開口部32aが複数形成されている。覆い部31aは、基部5よりも熱伝導率が低い材料によって構成されている。
【0048】
覆い部31,31aが、基部5よりも熱伝導率が低い材料によって構成されることによって、覆い部31,31a内に入り込んだユーザの呼気の温度が、覆い部31,31aからの熱伝導によって低下するおそれが低減される。なお、覆い部31,31aは、必ずしも基部5よりも熱伝導率が低い材料によって構成される例に限らない。
【0049】
図10は、図8図9に示すマスク用体温計アタッチメント1aが取り付けられたマスク本体部Mをユーザが着けて、呼吸した状態を示す説明図である。呼気の流れを実線矢印で、吸気の流れを破線矢印で示している。図10に実線矢印で示すように、ユーザが口や鼻から吐いた呼気は、ユーザ側からマスク本体部Mへ向かって流れる。
【0050】
一方、覆い部31aの開口部32aは、ユーザ側に向けて開口している。そのため、開口部32aの開口方向は、呼気が流れてくる方向を向いていることになる。その結果、ユーザの呼気は、開口部32aから入って覆い部31aで受け止められる。覆い部31aで覆われた領域に温度センサ2が位置しているため、ユーザの呼気の温度tが効率よく温度センサ2によって測定される。
【0051】
他方、図10に破線矢印で示すように、ユーザが吸った吸気は、マスク本体部Mを通り抜けてユーザの口や鼻へ向かう。そのため、吸気が流れる方向は、各開口部32aの開口方向とは異なる。従って、吸気は、呼気と比べて開口部32aから覆い部31aに入りにくくなる。その結果、ユーザの吸気よりも呼気の方が、温度センサ2へ導かれ易くなる。
【0052】
従って、ユーザの体温が反映されない吸気よりもユーザの体温が反映された呼気の方が、温度センサ2へ導かれ易くなるから、吸気の影響を低減しつつ、呼気の温度を測定することが可能となる。
【0053】
なお、マスク用体温計アタッチメント1,1aは、基部5を備えず、回路ブロック4が基部として用いられてもよく、覆い部31,31a及びクリップ部6は、基部としての回路ブロック4に取り付けられていてもよい。
【0054】
また、温度センサ2、呼気導入部3,3a、及び回路ブロック4を備えるマスク用体温計は、マスク用体温計アタッチメント1,1aを構成する例に限らない。マスク用体温計は、例えば粘着剤や粘着シート等により、マスク本体部Mに取り付けられてもよい。
【0055】
また、マスク用体温計がマスク本体部Mに取り付けられた、体温計付マスクとして構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0056】
1,1a マスク用体温計アタッチメント
2 温度センサ
3,3a 呼気導入部
4 回路ブロック
5 基部(取付部)
6 クリップ部(取付部)
31,31a 覆い部
32,32a 開口部
41 制御部
42 通信部
43 電池
44 通信処理部
51 面
C 切断面
CT 中央
E1 一端
E2 他端
M マスク本体部
R1 角度
t 温度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10