(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022163598
(43)【公開日】2022-10-26
(54)【発明の名称】洗米装置
(51)【国際特許分類】
B02B 1/04 20060101AFI20221019BHJP
B02B 7/00 20060101ALI20221019BHJP
B02B 7/02 20060101ALI20221019BHJP
【FI】
B02B1/04 101
B02B7/00 C
B02B7/02 101Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021068616
(22)【出願日】2021-04-14
(71)【出願人】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110003041
【氏名又は名称】特許業務法人安田岡本特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松本 好央
(72)【発明者】
【氏名】藥内 裕人
(72)【発明者】
【氏名】奥村 剛浩
(72)【発明者】
【氏名】浜吉 紘敏
【テーマコード(参考)】
4D043
【Fターム(参考)】
4D043AA04
4D043BC15
4D043LA07
(57)【要約】
【課題】貯米部に貯えられた米を良好に排出することができる洗米装置を提供すること。
【解決手段】洗米装置は、米を貯える貯米部と、前記貯米部の米を計量して排出する計量部と、前記計量部から排出した米を洗う洗米部と、を備え、前記貯米部は、前記計量部に向けて米を落下させるための開口部と、前記開口部に向けて下り勾配となるように傾斜した傾斜底板を有し、前記傾斜底板には、当該傾斜底板を振動させる振動発生器が取り付けられている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
米を貯える貯米部と、
前記貯米部の米を計量して排出する計量部と、
前記計量部から排出した米を洗う洗米部と、
を備え、
前記貯米部は、前記計量部に向けて米を落下させるための開口部と、前記開口部に向けて下り勾配となるように傾斜した傾斜底板を有し、
前記傾斜底板には、当該傾斜底板を振動させる振動発生器が取り付けられている洗米装置。
【請求項2】
前記傾斜底板は、前記開口部に向けて夫々異なる下り勾配で傾斜した複数の傾斜底板を含み、
前記振動発生器は、前記複数の傾斜底板のうち、最も緩やかな下り勾配を有する傾斜底板に取り付けられている請求項1に記載の洗米装置。
【請求項3】
前記傾斜底板は、夫々面積が異なる複数の傾斜底板を含み、
前記振動発生器は、前記複数の傾斜底板のうち、最も面積が大きい傾斜底板に取り付けられている請求項1又は2に記載の洗米装置。
【請求項4】
前記振動発生器は、前記傾斜底板の上端と下端の中間高さ位置よりも下方に取り付けられている請求項1~3のいずれか1項に記載の洗米装置。
【請求項5】
前記傾斜底板は、前記振動発生器を取り付け可能な取付部を有し、
前記取付部は、高さ位置が夫々異なる複数の取付部を含む請求項1~4のいずれか1項に記載の洗米装置。
【請求項6】
前記傾斜底板は、前記開口部に向けて夫々異なる下り勾配で傾斜した複数の傾斜底板を含み、
前記複数の傾斜底板の少なくとも2つ以上に前記振動発生器を取り付け可能な取付部が設けられている請求項1~5のいずれか1項に記載の洗米装置。
【請求項7】
複数の傾斜底板は、四角錐台状に一体化された4つの傾斜底板を含み、
前記振動発生器は、前記4つの傾斜底板の少なくとも1つに取り付けられている請求項1~6のいずれか1項に記載の洗米装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、業務用として好適に使用可能な洗米装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、業務用として使用可能な洗米装置として、例えば、特許文献1に開示された炊飯装置に備えられた洗米装置が知られている。この洗米装置は、米を貯える貯米タンク(貯米部)に払い出し口(米排出口)が設けられており、払い出し口はシャッタによって開閉可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した洗米装置では、貯米タンクの底板上に米が載ったままで払い出し口まで落ちなかったり、払い出し口で米粒がブリッジしたりすることによって、貯米タンク内の米が払い出し口から円滑に排出されない場合があった。
本発明は、上記したような実情に鑑みてなされたものであって、貯米部に貯えられた米を良好に排出することができる洗米装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る洗米装置は、米を貯える貯米部と、前記貯米部の米を計量して排出する計量部と、前記計量部から排出した米を洗う洗米部と、を備え、前記貯米部は、前記計量部に向けて米を落下させるための開口部と、前記開口部に向けて下り勾配となるように傾斜した傾斜底板を有し、前記傾斜底板には、当該傾斜底板を振動させる振動発生器が取り付けられている。
【0006】
好ましくは、前記傾斜底板は、前記開口部に向けて夫々異なる下り勾配で傾斜した複数の傾斜底板を含み、前記振動発生器は、前記複数の傾斜底板のうち、最も緩やかな下り勾配を有する傾斜底板に取り付けられている。
好ましくは、前記傾斜底板は、夫々面積が異なる複数の傾斜底板を含み、前記振動発生器は、前記複数の傾斜底板のうち、最も面積が大きい傾斜底板に取り付けられている。
【0007】
好ましくは、前記振動発生器は、前記傾斜底板の上端と下端の中間高さ位置よりも下方に取り付けられている。
好ましくは、前記傾斜底板は、前記振動発生器を取り付け可能な取付部を有し、前記取付部は、高さ位置が夫々異なる複数の取付部を含む。
好ましくは、前記傾斜底板は、前記開口部に向けて夫々異なる下り勾配で傾斜した複数の傾斜底板を含み、前記複数の傾斜底板の少なくとも2つ以上に前記振動発生器を取り付け可能な取付部が設けられている。
【0008】
好ましくは、複数の傾斜底板は、四角錐台状に一体化された4つの傾斜底板を含み、前記振動発生器は、前記4つの傾斜底板の少なくとも1つに取り付けられている。
【発明の効果】
【0009】
上記した洗米装置によれば、振動発生器によって開口部に向けて下り勾配となるように傾斜した傾斜底板を振動させることによって、傾斜底板上に載った米を開口部に向けて滑り落とすことができるとともに、開口部で米粒がブリッジすることを防ぐこともできる。これによって、貯米部に貯えられた米を良好に排出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】洗米炊飯装置の一実施形態を示す正面斜視図である。
【
図8】貯米タンク等を正面側の下方から見た斜視図である。
【
図11】排出口と第2排出口の大きさの差及び位置関係を示す平面図である。
【
図14】シャッタ板が排出口を閉鎖する第1位置にある状態(上側)と排出口を開放する第2位置にある状態(下側)を示す平面図である。
【
図16】上蓋にタンク本体を装着した状態を示す縦断面図である。
【
図20】上蓋の前ガイド部と後ガイド部の下方に延びる長さの差を示す斜視図である。
【
図21】洗米タンク、排水ボックス等を下方から見た斜視図である。
【
図24】上蓋にタンク本体を装着した状態を示す正面図である。
【
図25】上蓋にタンク本体を装着した状態のガイド部と被ガイド部を示す平面断面図である。
【
図26】洗米タンクを上蓋に嵌め入れた状態で保持する保持機構を示す縦断面図である。
【
図28】前ガイド部における保持機構を示す図である。
【
図29】後ガイド部における保持機構を示す図である。
【
図30】蓋体を外した貯米部を上方から見た斜視図である。
【
図36】昇降フレーム、上蓋体、シャッタ支持フレーム、シャッタ等を示す斜視図である。
【
図37】上蓋体、シャッタ支持フレーム、シャッタを示す分解斜視図である。
【
図39】上蓋体、シャッタ支持フレームを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る洗米装置2を備えた洗米炊飯装置1の全体構成を示す斜視図である。洗米炊飯装置1は、洗米装置2と炊飯装置3とを備えている。以下の説明において、
図1に示す矢印A1方向を前方、A2方向を後方、A方向を前後方向、B1方向を左方、B2方向を右方、B方向を装置幅方向として説明する。
【0012】
洗米装置2は、米を貯える貯米部4と、貯米部4の米を計量して排出する計量部5(
図2,
図3参照)と、計量部5から排出した米を洗う洗米部6と、を備えている。
炊飯装置3は、洗米部6の下方に配置され、洗米部6から排出した米を炊飯する。炊飯装置3は、機枠7の下部に支持されている。機枠7は、基台7aと支柱7bとを有している。基台7aは、洗米炊飯装置1の最下部に配置されており、炊飯装置3が載置されている。支柱7bは、基台7aの上面から上方に向けて立設されている。支柱7bは、基台7aの左部と右部に夫々立設されている。
【0013】
貯米部4は、洗米装置2の上部に位置している。貯米部4は、機枠7の上部に支持されている。計量部5は、貯米部4の下方に設けられている。洗米部6は、計量部5の下方に設けられている。
図1、
図3、
図4に示すように、貯米部4は、箱状のケース8と、貯米タンク9と、ケース8及び貯米タンク9の上部を開閉自在に閉鎖する蓋体10と、を有している。ケース8は、四角箱状に形成されている。貯米タンク9は、ケース8の内部に収容されている。
【0014】
<貯米タンクの構成>
貯米タンク9は、上端に設けられた開口部(上側開口部)11と、下端に設けられた開口部(下側開口部)12を有している。上側開口部11は、米を貯米タンク9に供給するための開口部である。下側開口部12は、米を計量部5に向けて落下させるための開口部である。
【0015】
図5、
図6に示すように、下側開口部12は、水平面に対して傾斜して設けられている。下側開口部12は、前側から後側に向けて低くなるように傾斜している。つまり、下側開口部12の後縁は前縁よりも低い位置にある。また、下側開口部12の左縁及び右縁は、前側から後側に向けて低くなるように傾斜している。
尚、下側開口部12の傾斜の方向は、特に限定されず、例えば、後側から前側に向けて低くなるように傾斜していてもよいし、左側から右側に向けて低くなるように傾斜していてもよいし、右側から左側に向けて低くなるように傾斜していてもよい。
【0016】
図7、
図8に示すように、下側開口部12は、傾斜の高い側(前側)から低い側(後側)に向かうにつれて次第に幅が狭くなるように形成されている。下側開口部12は、傾斜の低い側(後側)の縁12aが円弧状に形成されている。本実施形態の場合、下側開口部12は、1つの角部が円弧状に形成された略三角形状であって、当該角部が傾斜の低い側(後側)に配置された縁12aを構成している。
【0017】
図3、
図4、
図8に示すように、貯米タンク9は、四角筒状の上部位9aと、四角錐台状の下部位9bとを有している。上部位9aの上端には、上側開口部11が設けられている。下部位9bは、下方に向かうにつれて横断面積が小さくなっている。下部位9bの下端には、下側開口部12が設けられている。
図7、
図8等に示すように、下部位9bは、下側開口部12に向けて下り勾配となるように傾斜した傾斜底板13を有している。傾斜底板13は、複数の傾斜底板を含む。具体的には、傾斜底板13は、第1傾斜底板13a、第2傾斜底板13b、第3傾斜底板13c、第4傾斜底板13dを含む。第1傾斜底板13a、第2傾斜底板13b、第3傾斜底板13c、第4傾斜底板13dは、四角錐台状に一体化されている。
【0018】
第1傾斜底板13aは、下部位9bの左部に配置されている。第1傾斜底板13aは、左方から右方に向かうにつれて低くなるように傾斜している。第2傾斜底板13bは、下部位9bの右部に配置されている。第2傾斜底板13bは、右方から左方に向かうにつれて低くなるように傾斜している。第3傾斜底板13cは、下部位9bの前部に配置されている。第3傾斜底板13cは、前方から後方に向かうにつれて低くなるように傾斜している。第4傾斜底板13dは、下部位9bの後部に配置されている。第4傾斜底板13dは、後方から前方に向かうにつれて低くなるように傾斜している。
【0019】
第1傾斜底板13a、第2傾斜底板13b、第3傾斜底板13c、第4傾斜底板13dは、夫々異なる下り勾配で傾斜している。具体的には、勾配が小さい方から順番に、第1傾斜底板13a、第3傾斜底板13c、第4傾斜底板13d、第2傾斜底板13bである。つまり、第1傾斜底板13aは、複数(4つ)の傾斜底板のうち、最も緩やかな下り勾配を有している。
【0020】
第1傾斜底板13a、第2傾斜底板13b、第3傾斜底板13c、第4傾斜底板13dは、夫々面積が異なっている。具体的には、面積が大きい方から順番に、第1傾斜底板13a、第3傾斜底板13c、第4傾斜底板13d、第2傾斜底板13bである。つまり、第1傾斜底板13aは、複数(4つ)の傾斜底板のうち、最も大きい面積を有している。
図2、
図3、
図5、
図6に示すように、貯米タンク9の下部には、排出機構14が設けられている。排出機構14は、下側開口部12から米を排出(落下)させるための機構であり、下側開口部12からの米の排出を許容又は停止することができる。
【0021】
図8に示すように、貯米タンク9の下部には、排出機構14を装着するための装着部15が設けられている。装着部15は、四角筒状であって、傾斜底板13の下面から下方に突出して設けられている。装着部15は、排出機構14を装着するための複数(5つ)の装着部15aを有している。装着部15aには、ねじ孔が形成されている。
【0022】
<排出機構の構成>
図6、
図9、
図10に示すように、排出機構14は、下側開口部12の下方に配置される底板16と、底板16に沿って移動可能なシャッタ板17と、シャッタ板17を移動させるための駆動源としてのモータ18と、を有している。シャッタ板17は、モータ18の駆動によって前後方向に移動する。
【0023】
図6に示すように、底板16は、水平面に対して傾斜して設けられている。底板16は、前側から後側に向けて低くなるように傾斜している。底板16の傾斜の方向及び角度は、下側開口部12の傾斜の方向及び角度と同じであって、下側開口部12の傾斜の方向及び角度に合わせて変更することができる。
【0024】
図6、
図9、
図10等に示すように、底板16は、計量部5に向けて米を落下させるための排出口20を有している。排出口20は、下側開口部12の下方であって、下側開口部12と重なる位置に配置されている。排出口20は、傾斜の高い側(前側)から低い側(後側)に向かうにつれて次第に幅が狭くなるように形成されている。排出口20は、傾斜の低い側(後側)の縁20aが円弧状に形成されている。本実施形態の場合、排出口20は、1つの角部が円弧状に形成された略三角形状であって、当該角部が傾斜の低い側(後側)に配置された縁20aを構成している。排出口20は、前側(縁20aと反対側)に向けて拡張された舌状の拡張部20bを有している。また、底板16は、複数の貫通孔16aを有している。貫通孔16aは、底板16を収容部材19に装着するために使用される。
【0025】
図6、
図9、
図10等に示すように、排出機構14は、底板16及びシャッタ板17を収容する収容部材19を有している。
収容部材19は、シャッタ板17の下方に配置される下板19aと、この下板19aの周縁から起立する周壁19bとを有している。下板19aは、シャッタ板17の下方に底板16と平行に配置される。
【0026】
下板19aには、第1孔19cと第2孔19dが設けられている。第1孔19cは、収容部材19を装着部15に装着するために用いられる。第1孔19cに挿通したねじ28を装着部15に形成されたねじ孔15aに螺合することにより、収容部材19が装着部15に装着される。第2孔19dは、底板16を収容部材19に装着するために用いられる。底板16に設けられた貫通孔16aと第2孔19dとを重ねてボルトを挿通し、当該ボルトにナットを螺合することにより、底板16が収容部材19に装着される。
【0027】
図6、
図9に示すように、下板19aは、排出口20を通って落下した米を通過させる第2排出口21を有している。
図6,
図11に示すように、第2排出口21は、排出口20と重なる位置に配置されている。
図11に示すように、第2排出口21の開口面積は、排出口20の開口面積よりも大きい。第2排出口21は、略四角形状に形成されている。第2排出口21は、前側に向けて拡張された舌状の第2拡張部21aを有している。
【0028】
第2排出口21の前縁は、排出口20の前縁と略重なる位置に配置されている。第2排出口21の後縁21bは、排出口20の後端(縁20aの後端)よりも後方に位置している。第2排出口21の左縁は、排出口20の左端よりも左方に位置している。第2排出口21の右縁は、排出口20の右端よりも右方に位置している。第2排出口21の左縁と排出口20の左端との間の距離、及び、第2排出口21の右縁と排出口20の右端との間の距離は、前方に向かうにつれて次第に長くなっている。
【0029】
図9、
図12等に示すように、下板19aは、スリット19eを有している。スリット19eは、シャッタ板17の移動方向(前後方向)に延びている。また、下板19aは、モータ18を取り付けるための取付孔19fと、下方に向けて突出する円筒状の突出筒部19gとを有している。突出筒部19gは、第2排出口21の下方に設けられている。
図6に示すように、突出筒部19gは、第1接続部材22を介して計量部5と接続されている。
【0030】
図6に示すように、シャッタ板17は、底板16と下板19aとの間に配置される。シャッタ板17は、水平面に対して傾斜して設けられている。シャッタ板17は、前側から後側に向けて低くなるように傾斜している。シャッタ板17の傾斜の方向及び角度は、底板16の傾斜の方向及び角度と同じである。シャッタ板17の水平面に対する傾斜の角度は、例えば、10°~30°或いは10°~45°の範囲に設定することができる。シャッタ板17の傾斜の方向及び角度は、底板16の傾斜の方向及び角度と同じであって、底板16の傾斜の方向及び角度に合わせて変更することができる。
【0031】
従って、シャッタ板17の傾斜の方向は、底板16の傾斜の方向に合わせて、例えば、後側から前側に向けて低くなるように傾斜していてもよいし、左側から右側に向けて低くなるように傾斜していてもよいし、右側から左側に向けて低くなるように傾斜していてもよい。また、シャッタ板17の移動の方向は、傾斜の低い側と高い側との間で移動する方向であればよく、前後方向ではなく装置幅方向(左右方向)であってもよい。
【0032】
図9に示すように、収容部材19の下板19aには、シャッタ板17の前後方向の移動をガイドするシャッタガイド23が設けられている。シャッタガイド23は、下板19aの上面から上方に向けて突出する左突条23a、右突条23b、後突条23cを有している。
図13に示すように、左突条23aは、前後方向に延びる左直線部位23a1と、左直線部位23a1の後端から屈曲して右後方に向けて延びる左斜め部位23a2を有している。右突条23bは、前後方向に延びる右直線部位23b1と、右直線部位23b1の後端から屈曲して左後方に向けて延びる右斜め部位23b2を有している。後突条23cは、左突条23aの後端(左斜め部位23a2の後端)と右突条23bの後端(右斜め部位23b2の後端)とを接続している。
【0033】
図13に示すように、シャッタ板17は、シャッタガイド23の内側(左突条23a、右突条23b、後突条23cにより囲まれる領域)に配置される。シャッタ板17は、左直線部位23a1及び右直線部位23b1に沿って前後方向に移動する。つまり、左直線部位23a1及び右直線部位23b1は、シャッタ板17の前後方向の移動をガイドする。
【0034】
図6、
図9に示すように、シャッタ板17は、略長方形状の平板部17aを有している。平板部17aは、底板16と下板19aとの間に挟まれて配置される。平板部17aは、底板16及び下板19aと平行に配置されている。平板部17aには、長孔17bが設けられている。長孔17bは、シャッタ板17の移動方向(前後方向)と直角方向(左右方向)に長く延びる孔である。
図6、
図13に示すように、長孔17bには円筒状のピン24が挿入されている。
図6に示すように、ピン24は、モータ18の回転軸18aに取り付けられた取付具25に取り付けられている。ピン24は、回転軸18aに対して偏心した位置に配置されている。モータ18が駆動されると、取付具25は回転軸18aと共に回転する。このとき、ピン24が長孔17b内に挿入されており、シャッタ板17の移動方向はシャッタガイド23により規定されているため、取付具25の回転に伴ってシャッタ板17がピン24に押されて前後方向に移動する(
図14参照)。このように、モータ18の駆動によって、シャッタ板17が前後方向(詳しくは、前上方から後下方、又は、後下方から前上方)に移動する。
【0035】
シャッタ板17は、前後方向に移動することによって、排出口20を閉鎖する第1位置(
図14の上図参照)と、排出口20を開放する第2位置(
図14の下図参照)とに移動する。シャッタ板17は、第2位置から第1位置に移動するとき、傾斜の高い側から低い側に移動する(
図6の矢印F1参照)。シャッタ板17は、第1位置から第2位置に移動するとき、傾斜の低い側から高い側に移動する(
図6の矢印F2参照)。
【0036】
図13に示すように、シャッタ板17が第1位置にあるとき、第2排出口21は、完全には閉鎖されない。シャッタ板17が第1位置にあるとき、シャッタ板17と第2排出口21の縁部(後縁)21bとの間には隙間GP1が形成される。隙間GP1は、米1粒が通過可能な程度の幅(例えば1~2mm、好ましくは約1mm)である。
図9等に示すように、シャッタ板17は、平板部17aの縁から下方に延びる下延部17cを有している。下延部17cは、平板部17aの右後縁から下方に延びている。下延部17cは、前後方向に間隔をあけて配置された前部位17c1、中間部位17c2、後部位17c3を有している。前部位17c1、中間部位17c2、後部位17c3は、下板19aに設けられたスリット19eに挿入されており、シャッタ板17の移動に伴ってスリット19e内を移動する。
【0037】
図9、
図12、
図13に示すように、排出機構14は、シャッタ板17の位置を検出するセンサ26を有している。センサ26は、収容部材19の下板19aの下面側に取り付けられている。センサ26は、スリット19eの下方に配置されている。センサ26は、第1センサ26Aと第2センサ26Bとを含む。第1センサ26Aは、スリット19eの後部の下方に配置されている。第2センサ26Bは、スリット19eの前部の下方に配置されている。
【0038】
図14の上図に示すように、シャッタ板17が第1位置にあるとき、下延部17cの中間部位17c2が第1センサ26Aにより検出される。
図14の下図に示すように、シャッタ板17が第2位置にあるとき、下延部17cの中間部位17c2が第2センサ26Bにより検出される。このようにして、シャッタ板17が第1位置にある状態と第2位置にある状態を検出することができる。
【0039】
図9等に示すように、シャッタ板17には、当該シャッタ板17から上方に突出する突出部材27が設けられている。突出部材27は、シャッタ板17の後縁近傍に設けられている。突出部材27は、円柱状の棒であって、平板部17aの上面に固定されている。
図10に示すように、突出部材27は、底板16の排出口20を通って上方に延びている。
図6、
図7に示すように、突出部材27は、排出口20を通って貯米部4の内部まで延びている。詳しくは、突出部材27は、排出口20及び下側開口部12を通って貯米タンク9の内部まで延びている。
【0040】
突出部材27は、シャッタ板17の移動に伴って移動する。これにより、排出口20や下側開口部12の上方で米粒がブリッジして排出が妨げられている場合に、突出部材27でブリッジを崩すことができる。そのため、排出口20からの米の排出を円滑に行うことができる。
図14の下図に示すように、シャッタ板17が排出口20を開放する第2位置にあるとき、突出部材27は排出口20の拡張部20b内に位置する。つまり、拡張部20bは、シャッタ板17が第2位置にあるときに、突出部材27が排出口20の縁に当たることを防ぐために設けられている。そのため、突出部材27があることによって、シャッタ板17の移動が妨げられることがない。
【0041】
尚、図示していないが、突出部材27は、シャッタ板17を貫通するように設けてもよい。これにより、突出部材27をシャッタ板17に対して強固に固定することができる。この場合、突出部材27は、シャッタ板17から上方に突出するだけでなく下方にも突出するが、第2排出口21に第2拡張部21aが設けられていることにより、シャッタ板17が第2位置にあるときに、突出部材27が排出口20の縁に当たることを防ぐことができる。
【0042】
シャッタ板17が排出口20を閉鎖する第1位置にあるとき、貯米タンク9内の米は排出口20から落下しない。シャッタ板17が排出口20を開放する第2位置にあるとき、貯米タンク9内の米は、排出口20を通って落下する。詳しくは、貯米タンク9内の米は、下側開口部12、排出口20、第2排出口21、突出筒部19gを順次通過して計量部5へと落下する。
【0043】
<振動発生器>
図4に示すように、貯米タンク9には振動発生器29が取り付けられている。振動発生器29は、貯米タンク9の傾斜底板13に取り付けられている。振動発生器29の駆動によって傾斜底板13を振動させることによって、傾斜底板13上に載った米を下側開口部12に向けて滑り落とすことができる。そのため、傾斜底板13上に排出すべき米が残ってしまうことがない。
【0044】
振動発生器29は、少なくとも1つの傾斜底板13に取り付けられる。本実施形態の場合、振動発生器29は、第1傾斜底板13aに取り付けられている。つまり、振動発生器29は、複数(4つ)の傾斜底板のうち、最も緩やかな下り勾配を有する傾斜底板に取り付けられている。また、振動発生器29は、複数(4つ)の傾斜底板のうち、最も面積が大きい傾斜底板に取り付けられているということもできる。
【0045】
第1傾斜底板13aを振動発生器29で振動させることによって、最も傾斜が緩やかで米が滑り落ちにくい第1傾斜底板13a上に載った米を下側開口部12に向けて滑り落とすことができる。また、最も面積が大きくて多くの米が残りやすい第1傾斜底板13a上に載った米を下側開口部12に向けて滑り落とすことができる。
図4に示すように、振動発生器29は、傾斜底板13の上端と下端の中間高さ位置よりも下方に取り付けられている。これにより、下側開口部12の近くで密集している米を振動によりほぐして排出口20から円滑に排出することができる。
【0046】
図8に示すように、貯米タンク9には、振動発生器29を取り付け可能な取付部30が設けられている。振動発生器29は、取付ブラケット39を介してボルト等によって取付部30に取り付けられる。取付部30は、傾斜底板13の下面に設けられている。取付部30は、高さ位置が異なる複数の取付部を含む。具体的には、取付部30は、第1取付部31、第2取付部32、第3取付部33を含む。第1取付部31は最も上方に位置している。第3取付部33は最も下方に位置している。第2取付部32は、第1取付部31と第3取付部33との間の高さに位置している。
【0047】
このように高さ位置が異なる複数の取付部30を有することによって、振動発生器29の取り付け位置(高さ)を変更することができる。また、複数の振動発生器29を異なる高さ位置に取り付けることもできる。
取付部30は、下側開口部12に向けて夫々異なる下り勾配で傾斜した複数(4つ)の傾斜底板13のうち、少なくとも2つ以上の傾斜底板に設けることができる。これにより、夫々異なる下り勾配で傾斜した複数の傾斜底板13のうち、少なくとも2つ以上の傾斜底板に振動発生器29を取り付けることができる。
【0048】
図8に示すように、下側開口部12を挟んで対向する2つの傾斜底板13に取付部30が設けられている。具体的には、第1傾斜底板13aに第1取付部31、第2取付部32、第3取付部33が設けられ、第2傾斜底板13bに第4取付部34が設けられている。これにより、下側開口部12を挟んで対向する2つの傾斜底板13に振動発生器29を取り付けることができる。
上述したように、傾斜底板13の振動によって下側開口部12から円滑に米を落下させることができる。落下した米は、排出口20等を通って計量部5へと導かれる。
【0049】
<計量部の構成>
図2~
図5に示すように、計量部5は、排出口20を通って落下した米を受ける受け容器35を有している。受け容器35の上端には、突出筒部19gを通って落下した米を受け入れる受け入れ口35aが設けられている。受け容器35の下端には、計量後の米を洗米部6に向けて落下させるための放出口35bが設けられている。放出口35bには、当該放出口35bを開閉可能な弁(バタフライ弁)36が設けられている。弁36は、駆動装置38(
図2、
図4参照)によって開閉駆動される。受け容器35には、外周面から外方(前方、後方)に突出する突出体35cが設けられている。
【0050】
図2、
図5、
図6に示すように、受け容器35の上部は、第1接続部材22を介して突出筒部19gと接続されている。受け容器35の下部は、第2接続部材37を介して洗米部6の上蓋61(後述する)と接続されている。第1接続部材22及び第2接続部材37は、例えば、ゴムやバネ等の弾性部材(弾性変形可能な部材)から構成されている。
図2、
図5に示すように、計量部5は、受け容器35に落下した米の重量を計量する計量装置40を有している。計量装置40は、受け容器35に収容された米の重量を測定する。本実施形態の場合、計量装置40は、ビーム形のロードセル等から構成されている。但し、計量装置40は、受け容器35に落下した米の重量を計量することができる装置であればよく、ビーム形のロードセルには限定されず、他の形のロードセルであってもよいし、ロードセル以外の計量装置であってもよい。
【0051】
計量装置40は、撓み材41と、撓み材41の撓み量に基づいて米の重量を算出する算出装置(図示略)とを有している。算出装置は、撓み材41に貼付された歪みゲージと、歪みゲージの変形に伴って発生する電気信号に基づいて撓み材41の撓み量を算出する演算装置等を有している。
撓み材41は、前後方向に長く延びている。撓み材41は、受け容器35の前方に配置されている。撓み材41は、固定端41aと自由端41bとを有している。固定端41aは、撓み材41の長手方向の一方側(前側)の端部である。自由端41bは、撓み材41の長手方向の他方側(後側)の端部である。撓み材41は、固定端41a側が固定され、自由端41b側は上下方向に移動可能である片持ち状態で配置されている。固定端41aは、板46を介して後述する上蓋61の上部に固定されている。自由端41bは、受け容器35に固定されている。詳しくは、自由端41bは、受け容器35から外方(前方)に突出して設けられた突出体35cに固定されている。自由端41bは、上蓋61から浮いた(離れた)状態となっている。
【0052】
貯米タンク9の排出口20から落下した米が受け容器35に入ると、第1接続部材22及び第2接続部材37が米の重量に応じて弾性変形し、受け容器35が下方に移動し、自由端41bも下方に移動する。撓み材41は、固定端41aが移動しないため、自由端41bが下方に移動することにより撓みが発生する。計量装置40は、撓み材41の撓み量に応じて発生した電気信号に基づいて撓み材41の撓み量を算出する。
撓み材41の撓み量と受け容器35に入った米の重量との相関関係は予め測定によって求められており、算出装置等の記憶部に記憶されている。算出装置は、この相関関係に基づいて、撓み材41の撓み量から受け容器35に入った米の重量を算出する。
【0053】
<洗米部の構成>
図15に示すように、洗米部6は、洗米タンク60と上蓋61とを有している。
洗米タンク60は、計量部5から排出された米を受け入れるタンクであって、
図17に示すように,上部が開口している。上蓋61は、洗米タンク60の上部を覆う。洗米タンク60の上部(後述する当接上面79(
図17参照))と上蓋61の下部(後述する当接下面81(
図18参照))とは当接している。
図15に示すように、洗米タンク60は、米を収容するタンク本体62と、タンク本体62の下端側に着脱可能に取り付けられた排水ジャケット63とを有している。
【0054】
図15、
図17に示すように、タンク本体62は、円筒状の上部位62aと、円錐台状の下部位62bとを有している。下部位62bは、下方に向かうにつれて横断面積が小さくなっている。下部位62bの下端には開口62cが形成されており、開口62cを覆うように排水ジャケット63が取り付けられている。排水ジャケット63の下部には、洗米後の米を排出する排米口64が設けられている。
【0055】
図16、
図18、
図19に示すように、上蓋61は、計量部5から排出された米が通る通過口65と、弁棒66が挿通される挿通孔67を有している。また、上蓋61は、後述する管体87の上部が挿入される円筒部89を有している。
図15に示すように、弁棒66の下端には排米弁68が取り付けられている。弁棒66は、昇降機構69によって昇降操作される。弁棒66を上昇させると排米弁68が排米口64を閉鎖し、弁棒66を下降させると排米弁68が排米口64を開放する。
【0056】
図18、
図20に示すように、上蓋61は、円環板状の鍔部61aを有している。
図3、
図4に示すように、鍔部61aは、機枠7に固定された支持台45によって下方から支持されている。鍔部61aは、ボルト等によって支持台45に固定されている。
図21、
図36に示すように、支持台45は、略円形の穴45aを有している。洗米タンク60のタンク本体62は、穴45aから下方に突出している。
【0057】
図15に示すように、洗米タンク60の内部には、攪拌棒70が配置されている。攪拌棒70は、上蓋61の上方に配置された攪拌モータによって回転駆動される。上蓋61には、洗米タンク60内に水を供給するための給水口71が設けられている。給水口71には、給水管72が接続されている。給水口71から洗米タンク60内に給水して攪拌棒70を回転させることによって、洗米タンク60内の米を洗う(洗米する)ことができる。
【0058】
図15、
図21に示すように、排水ジャケット63の側方には排水ボックス73が設けられている。排水ジャケット63と排水ボックス73とは排水パイプ74によって接続されている。排水ジャケット63には、分離板75が設けられている。分離板75は、タンク本体62の下端開口62cと排米口64との間の空間を取り囲むように配置されている。分離板75には、水は通すが米は通さない小孔が多数形成されている。米の研ぎ汁は、分離板75を通過して排水パイプ74から排水ボックス73へと流れた後、排水ボックス73から排水溝へと流れるようになっている。排水ボックス73には、排水ジャケット63から排水ボックス73への流体の浸入口を開閉可能な開閉弁76が設けられている。
【0059】
開閉弁76は、ワイヤー86(
図15参照)を上下動することにより開閉する。ワイヤー86は、排水ボックス73から上方に延びる管体87の内部に挿通されている。管体87は、斜め上方に延びる分岐管88と連通している。分岐管88は、後述するオーバーフロー孔77から排出された水を排水ボックス73に導くための管である。
図15~
図17、
図22、
図23に示すように、洗米タンク60は、当該洗米タンク60内の水位が所定高さ以上になったときに水を外部に排出するオーバーフロー孔77を有している。オーバーフロー孔77は、タンク本体62の上部(上部位62a)に設けられている。オーバーフロー孔77は、タンク本体62の上端よりも下方位置に設けられている。
【0060】
図16に示すように、オーバーフロー孔77は、上蓋61と洗米タンク60とが当接する当接面78よりも下方に設けられている。これにより、洗米タンク60内の水位が所定高さ以上になると、余剰な水は当接面78に到達する前にオーバーフロー孔77から外部に排出される。これにより、当接面78にパッキンを設ける必要がなくなる。その結果、当接面78からの水漏れを確実に防止できるとともに、洗米装置2の洗浄の際にパッキンを着脱する必要が無くなり、洗浄作業を省力化することが可能となる。
【0061】
図16、
図17、
図22に示すように、洗米タンク60は、当接面78の一方(下側)を構成する当接上面79を有している。当接上面79は、タンク本体62の上端に位置している。当接上面79には、当該当接上面79から下方に凹んだ凹溝80が設けられている。凹溝80は、円環状に形成されている。
図18、
図19に示すように、上蓋61は、当接面78の他方(上側)を構成する当接下面81を有している。当接下面81は、上蓋61に設けられた鍔部61aの下面である。当接下面81には、当該当接下面81から下向きに延びる凸部82が設けられている。凸部82は、円環状に形成されている。
図16に示すように、凸部82は凹溝80内に位置しており、凹溝80の内面と凸部82の外面との間には隙間GP2が形成されている。これにより、洗米タンク60内の水が上蓋61と洗米タンク60とが当接する当接面78に浸入したとしても、この水は凸部82の先端から隙間GP2に落ちるため、外部に漏れ出すことがない。
【0062】
図16、
図17に示すように、洗米タンク60は、タンク本体62の上部の外周面に沿って設けられた被ガイド部83を有している。被ガイド部83は、当接上面79の外縁から下方に延びて設けられている。被ガイド部83は、略円環状に形成されている。
図16、
図18、
図20、
図24に示すように、上蓋61は、洗米タンク60を下方から上蓋61に嵌め入れるときの移動を案内するガイド部84を有している。ガイド部84は、被ガイド部83の外周面に沿うように設けられている。ガイド部84は、上蓋61の鍔部61aの下面から下方に延びて設けられている。ガイド部84は、略円環状に形成されている。
【0063】
図25に示すように、洗米タンク60を上蓋61に嵌め入れた状態において、上蓋61のガイド部84は、洗米タンク60の被ガイド部83の外周面に沿うように配置される。
図18~
図20に示すように、ガイド部84は、上蓋61の前部に設けられた前ガイド部84aと、上蓋61の後部に設けられた後ガイド部84bとを含む。
図19において、符号R1で示す範囲の部分が前ガイド部84aであり、符号R2で示す範囲の部分が後ガイド部84bである。
図18、
図20に示すように、後ガイド部84bは、前ガイド部84aよりも下方に長く延びている。つまり、後ガイド部84bの下端は、前ガイド部84aの下端よりも下方に位置している。
図20において、後ガイド部84bと前ガイド部84aとの下方向に延びる長さの差を符号L1で示している。
【0064】
上述したガイド部84と被ガイド部83によれば、洗米タンク60を下方から上蓋61に嵌め入れるときに、被ガイド部83をガイド部84に沿わせて上方に移動させることで、嵌め入れる作業を確実に且つ容易に行うことが可能となる。また、後ガイド部84bが前ガイド部84aよりも下方に長く延びていることにより、作業者が前方から後ガイド部84bを視認可能となり、ガイド部84の後部の位置を容易に把握できる。そのため、被ガイド部83をガイド部84の後ガイド部84bに当てた後、後ガイド部84bに沿わせて上方に移動させることによって、洗米タンク60を下方から上蓋61に嵌め入れる作業を容易に且つ確実に行うことができる。
【0065】
図18、
図20に示すように、後ガイド部84bは、上方に向けて凹んだ凹部85を有している。後ガイド部84bは、凹部85が設けられた部分においては、前ガイド部84aとの長さの差L1が無い。つまり、後ガイド部84bの凹部85の下端と前ガイド部84aの下端とは、上下方向の位置(高さ)が同じである。
図21に示すように、ガイド部84は、支持台45の穴45aに嵌め入れられる。
図2に示すように、後ガイド部84bは、支持台45から下方に突出している。具体的には、後ガイド部84bは、凹部85以外の部分が支持台45から下方に突出している。凹部85及び前ガイド部84aは、支持台45から下方に突出していない。
【0066】
図16、
図17、
図21~
図25に示すように、被ガイド部83は、オーバーフロー孔77の上方においてタンク本体62の外周面よりも外側に張り出して設けられた張り出し部83aを含む。張り出し部83aは、平面視にて略U字状に外側に張り出している。張り出し部83aは、略半円筒状に形成されている。オーバーフロー孔77の一部又は全部は、タンク本体62内の張り出し部83aにより囲まれる領域に設けられている。本実施形態の場合、
図22に示すように、オーバーフロー孔77の約半分の領域が、タンク本体62内の張り出し部83aにより囲まれる領域に設けられている。また、
図16、
図17に示すように、オーバーフロー孔77は、張り出し部83aの上端よりも下方位置に形成されている。
【0067】
図18、
図19に示すように、上蓋61のガイド部84は、外側に張り出して設けられた張り出しガイド部84cを含む。張り出しガイド部84cは、平面視にて略U字状に外側に張り出している。張り出しガイド部84cは、略半円筒状に形成されている。
図16、
図25に示すように、張り出しガイド部84cは、張り出し部83aの外面に沿うように設けられている。張り出しガイド部84cは、前ガイド部84aに含まれる張り出し前ガイド部84c1と、後ガイド部84bに含まれる張り出し後ガイド部84c2とを含む。そのため、後ガイド部84bは、張り出し部83aの外面に沿うように設けられた張り出し後ガイド部84c2を含む。
【0068】
洗米タンク60を下方から上蓋61に嵌め入れる作業において、被ガイド部83を後ガイド84c2に当てて上方に移動させるときに、張り出し部83aと張り出し後ガイド部84c2との位置を合わせることによって、上蓋61に対する洗米タンク60の周方向の位置決めを容易に行うことができる。
図21、
図24~
図27等に示すように、洗米装置2は、洗米タンク60を上蓋61に嵌め入れた状態で保持する保持機構50を備えている。保持機構50は、洗米タンク60側に設けられた被当接部51と、上蓋61側に設けられた係止部材52とを有している。
【0069】
図19、
図25に示すように、係止部材52は、周方向に等しい間隔をあけて複数個(3つ)設けられている。
図18、
図19、
図24、
図25等に示すように、上蓋61には、係止部材52を取り付けるための筒体53が設けられている。筒体53は、ガイド部84の外側に配置されている。筒体53の数及び位置は、係止部材52の数及び位置と対応している。
【0070】
図23に示すように、被当接部51は、洗米タンク60の被ガイド部83の下面に設けられている。被当接部51は、周方向に等しい間隔をあけて複数個(3つ)設けられている。被当接部51の数及び位置は、係止部材52の数及び位置と対応している。
図26~
図29に示すように、係止部材52は、筒体53の下方に配置されている。係止部材52は、筒体53に挿入された軸体54の下端部に設けられている。軸体54の上部には、抜け止め用のピン55が設けられている。ピン55は、軸体54を水平方向に貫通している。筒体53の内部空間には、係止部材52を上方に向けて付勢する付勢部材56が配置されている。付勢部材56はコイルばねであって、コイルばねの内部に軸体54が挿通されている。付勢部材56の下端部は筒体53の内部空間に形成された段部53aに当接しており、付勢部材56の上端部はピン55の下面に当接している。付勢部材56は、ピン55を押し上げる方向の付勢力を有しており、これによって係止部材52を上方に向けて付勢している。
【0071】
軸体54は、筒体53の内部で上下方向の軸Z1(
図19、
図24参照)回りに回転可能である。軸体54が筒体53の内部で上下方向の軸Z1回りに回転すると、係止部材52は筒体53の下方で上下方向の軸Z1回りに回転する。
図27に示すように、筒体53の上端には下向きに切り欠かれた切り欠き53bが形成されている。ピン55の端部は、軸体54から突出して切り欠き53b内に配置されている。これにより、軸体54の回転に伴うピン55の動きは、切り欠き53bが形成されている範囲内のみで許容される。これにより、係止部材52が回転可能な範囲が規制されている。本実施形態の場合、係止部材52が回転可能な範囲は90°に規制されている。
図19の矢印D1は、係止部材52が回転可能な範囲を示している。係止部材52は、上下方向の軸Z1回りに回転することによって、第1位置P1と第2位置P2とに移動可能となっている。
【0072】
係止部材52は、第1位置P1(
図19参照)にあるとき、被当接部51の下面に当接する。これにより、洗米タンク60は、上蓋61に嵌め入れられた状態で保持される(
図21、
図24参照)。このとき、係止部材52は、付勢部材56の付勢力によって上方に付勢されている。そのため、被当接部51は、係止部材52によって押し上げられた状態で保持される。これにより、
図16に示すように、洗米タンク60の当接上面79と上蓋61の当接下面81とが密着する。
【0073】
係止部材52は、第2位置P2(
図19参照)にあるとき、被当接部51の下面に当接しない。そのため、洗米タンク60を上蓋61に嵌め入れられた状態から下方に引き抜くことができる。つまり、洗米タンク60を上蓋61から離脱させることができる。
図19に示すように、複数の係止部材52は、前ガイド部84aに対応する位置に設けられた前係止部材52Aと、後ガイド部84bに対応する位置に設けられた後係止部材52Bとを含む。後係止部材52Bは、後ガイド部84bの凹部85に対応する位置に設けられている。前係止部材52Aは、第1位置P1にあるとき、前ガイド部84aの下方であって、前ガイド部84aと上下方向に重なる位置にある。後係止部材52Bは、第1位置P1にあるとき、後ガイド部84bの凹部85の下方であって、凹部85と上下方向に重なる位置にある。
【0074】
図28は、第1位置P1にある前係止部材52Aを示している。
図29は、第1位置P1にある後係止部材52Bを示している。
図29に示すように、後係止部材52Bは、第1位置P1にあるとき、後ガイド部84bの凹部85内に位置する。
図28、
図29に示すように、被ガイド部83の下面には、下向きに隆起する隆起部83bが形成されている。
図23に示すように、隆起部83bは、洗米タンク60の被ガイド部83の下面に設けられている。被当接部51は、周方向に等しい間隔をあけて複数個(3つ)設けられている。被当接部51の数及び位置は、係止部材52の数及び位置と対応している。
【0075】
隆起部83bの下面は、被当接部51を構成している。
図28、
図29に示すように、隆起部83bは、上蓋61のガイド部84の下端よりも下方に突出している。隆起部83bは、平面部83b1と傾斜面部83b2とを有している。平面部83b1は、係止部材52が第1位置P1(
図19参照)にあるときに当接する部分である。傾斜面部83b2は、係止部材52が第1位置P1から第2位置P2(
図19参照)に移動するときに摺接する部分である。つまり、係止部材52を第1位置P1から第2位置P2に移動(回転)するとき、係止部材52は傾斜面部83b2に沿って下方に少し移動しながら第2位置P2に向けて移動(回転)し、傾斜面部83b2を越えて平面部83b1に当接する第2位置P2に到達する。
【0076】
このように、隆起部83bが設けられていることによって、付勢部材56による上方への付勢力を増大させることができ、洗米タンク60を上蓋61に嵌め入れられた状態で確実に保持することができる。また、隆起部83bが傾斜面部83b2を有することによって、係止部材52を平面部83b1に当接する位置(第2位置P2)まで容易に移動させることができる。
【0077】
<貯米部の載置台等の構成>
図30~
図32に示すように、貯米部4の上部には、米を供給するための供給口42が設けられている。供給口42は、貯米タンク9の上側開口部11から構成されている。以下、上側開口部11を供給口42ともいう。供給口(上側開口部)42の縁部(貯米タンク9の上縁部9c)は、貯米タンク9を収容するケース8の上縁8aに載っている。貯米タンク9の四角筒状の上部位9a(
図8参照)の内面は、供給口42の周囲を囲う周壁部43を構成している。
【0078】
供給口42には、米袋K1を載置可能な載置台90が設けられている。載置台90は、米袋K1を下方から支持可能な支持部91と、米(米粒)が通過可能な通過部92とを有している。載置台90は、支持部91と通過部92とが交互に配置された簀の子状に形成されている。支持部91及び通過部92は、前後方向に延びている。通過部92の幅は、人の手を差し入れることが可能な幅に設定されている。これにより、貯米タンク9内に米を供給した後、通過部92から手を差し入れて貯米タンク9内の米を手で均すことができる。人の手を差し入れることが可能な幅は、少なくとも手の平を差し入れることができる幅であり、例えば50~100mmである。但し、通過部92の幅は、この範囲には限定されない。
【0079】
また、通過部92が前後方向に延びていることにより、通過部92に差し入れた手を前後方向に動かすことで、貯米タンク9内の米を全体的に均すことができる。通過部92が左右方向に延びていた場合、貯米タンク9の後ろの方にある通過部92には手が届きにくくなるため、貯米タンク9内の米を全体的に均すことが難しい。
図33に示すように、載置台90は、基材93と、複数の棒材94とを有している。
【0080】
基材93は、貯米タンク9の周壁部43に沿って配置される。基材93は、前基材93Aと後基材93Bとを含む。前基材93Aと後基材93Bとは互いに平行に配置されている。前基材93Aは、貯米タンク9の前側の周壁部43に沿って配置される。後基材93Bは、貯米タンク9の後側の周壁部43に沿って配置される。基材93(前基材93Aと後基材93B)は、水平板部93aと垂直板部93bとを有している。水平板部93aと垂直板部93bとは、L字状に一体的に設けられている。
図30~
図32に示すように、水平板部93aは、周壁部43の上面に載置される。垂直板部93bは、周壁部43の内面に当接して配置される。
【0081】
複数の棒材94は、互いに平行に配置されており、基材93に固定されている。棒材94の前端は、前基材93Aの垂直板部93bに固定されている。棒材94の後端は、後基材93Bの垂直板部93bに固定されている。複数の棒材94の上部が支持部91を構成している。複数の棒材94の上部で米袋K1を下方から支持することができる。
作業者は、米袋K1から貯米タンク9内に米を入れるときに、米袋K1を支持部91の上に載置し、載置した状態で米袋K1を傾けることにより、通過部92を通して米を貯米タンク9内に供給することができる。そのため、従来のように重量物である米袋K1を手で持ちながら米を貯米タンク9内に入れる必要がなく、米を補給する際の作業者の負担を軽減することができる。
【0082】
図31等に示すように、棒材94は円柱形状である。棒材94は、例えば、円筒状のパイプから構成されている。棒材94の外形が、円柱形状であることにより、米が棒材94の上に載っても滑り落ちるため、棒材94の上部に米が載った状態で残ることが防がれる。尚、棒材94の外形は、円柱形状には限定されず、例えば角部を上に向けた三角柱形状や四角柱形状であってもよい。
【0083】
図32に示すように、前基材93Aは貯米タンク9の前側の周壁部43に当接し、後基材93Bは、貯米タンク9の後側の周壁部43に当接している。そして、
図30に示すように、複数の棒材94は、供給口42の内部において、前基材93Aと後基材93Bとを接続して設けられている。これにより、載置台90は、貯米タンク9を内面側から補強する補強材として機能している。供給口42に載置台90が設けられていることによって、貯米タンク9に外力が加わっても変形しにくくなる。
【0084】
図31、
図32に示すように、複数の棒材94、即ち支持部91は、周壁部43の上端(貯米タンク9の上縁部9c)よりも下方位置に配置されている。支持部91の前端(棒材94の前端)は、周壁部43の前部の上端よりも下方位置に配置されている。支持部91の後端(棒材94の後端)は、周壁部43の後部の上端よりも下方位置に配置されている。これにより、支持部91上に載置した米袋K1の周囲を周壁部43が囲むため、米袋K1が前方等に落下するのを防ぐことができる。
【0085】
図32に示すように、供給口42は、前部が後部に比べて低くなるように傾斜している。言い換えれば、周壁部43の上端(貯米タンク9の上縁部9c)は、前部が後部に比べて低くなるように傾斜している。また、複数の棒材94は、周壁部43の上縁と平行に配置されている。そのため、複数の棒材94、即ち支持部91も、前部が後部に比べて低くなるように傾斜している。これにより、作業者が、前方から米袋K1を支持部91上に載せる作業を容易化することができる。
【0086】
<排水ボックス等の構成>
図15、
図21、
図34、
図35に示すように、排水ボックス73は、ボックス本体73Aと蓋74Bを有している。ボックス本体73Aは、四角箱状であって、前側が開口している。蓋74Bは、ボックス本体73Aの開口73a(
図35参照)を塞ぐようにボックス本体73Aに装着されている。蓋74Bは、右縁がボックス本体73Aにヒンジ95を介して取り付けられている。ボックス本体73Aの左部には、蓋74Bの左縁を係止可能な係止具96が設けられている。係止具96を蓋74Bの左縁に係止した状態では、蓋74Bがボックス本体73Aの開口73aを塞ぐ。係止具96の係止を解除すると、ヒンジ95を支点として蓋74Bを開くことができ、これによりボックス本体73Aの開口73aが開放される。
【0087】
図1、
図34に示すように、排水ボックス73は、支柱7b(左側の支柱7b)の前方に配置されている。排水ボックス73は、前方から見て支柱7bと重なる位置に配置されている。排水ボックス73の後面73bには、排水ボックス73内の水を排出する排水ホース97の一端部(前端部)が装着されている。排水ホース97は、後方に向けて延びてから屈曲して下方に向けて延びている。
【0088】
図34に示すように、排水ボックス73の後面73bは、装置幅方向において支柱7bから離れる方向に向かうにつれて(左方から右方に向かうにつれて)前方に移行するように、平面視にて傾斜している。そのため、排水ボックス73の後面73bに装着された排水ホース97の向きを、後方に向かうにつれて、装置幅方向にて支柱7bから離れる方向(右方)に傾けて延ばすことができる。これにより、排水ホース97を屈曲させずとも、排水ホース97が支柱7bに干渉することを回避できるため、排水ホース97の装着の作業性を向上させることができる。
【0089】
図35に示すように、排水ボックス73の内底面73cは、蓋74Bから遠い側(後側)から蓋74Bに近い側(前側)に向かうにつれて高くなるように傾斜している。これにより、蓋74Bを開けたときに、排水ボックス73の内底面73c上に溜まった排水が開口73aから落ちることを防ぐことができる。
【0090】
<炊飯装置のシャッタ等の構成>
図1に示すように、炊飯装置3は、釜体100と上蓋体101を有している。釜体100は、洗米タンク60から落下した米を収容する内釜と、内釜を収容するとともに内釜を加熱する加熱装置を備えた外釜とを有している。上蓋体101は、釜体100の上端開口を開閉自在に塞ぐ。
図37に示すように、上蓋体101には、米投入口102が設けられている。米投入口102は、洗米タンク60の排米口64から落下排出される洗われた米と水加減水を内釜へと導くための円形穴である。
【0091】
図36に示すように、上蓋体101は、昇降フレーム103に取り付けられている。昇降フレーム103は、機枠7に昇降可能に支持されている。
図38に示すように、上蓋体101の上部には、シャッタ支持フレーム104及びシャッタ105が取り付けられている。
図37に示すように、シャッタ支持フレーム104は、上蓋体101の米投入口102と重なる円形穴104aを有している。シャッタ105は、シャッタ支持フレーム104に支持されている。シャッタ105は、後述する歯車機構107の歯車と噛み合うラッチ105aを有している。シャッタ105は、シャッタ支持フレーム104に設けられたガイド部104gに沿って前後方向に移動可能である。
【0092】
シャッタ105は、モータ106や歯車機構107を含む駆動機構108(
図38参照)の駆動に伴って前後方向に移動する。シャッタ105の前後方向の移動によって米投入口102を開閉することができる。
図38に示すように、炊飯装置3は、シャッタ105の開閉を検出する検出機構110を有している。検出機構110は、シャッタ105の開閉に伴って棒体111と共に回転する検知体112と、検知体112の動作を検知するセンサ113A,113Bとを有している。シャッタ105が閉じているとき、検知体112はセンサ113Aにより検知される。シャッタ105が開いているとき、検知体112はセンサ113Bにより検知される。これにより、シャッタ105の開閉を検出することができる。
【0093】
図37に示すように、上蓋61の上部には、頭付きピン114が突設されている。シャッタ支持フレーム104には、頭付きピン114が挿入される挿入部104bが設けられている。
図39に示すように、挿入部104bは、頭付きピン114の頭部114aを挿入可能な孔部104cと、孔部104cと連続して形成された溝部104dとを有している。溝部104dの幅は、頭付きピン114の頭部114aの外径よりも狭く、頭付きピン114の軸部の外径よりも広い。
【0094】
頭部114aを孔部104cに挿入した後、シャッタ支持フレーム104を矢印E1方向に回転することによって、頭部114aが溝部104dに移動する(
図39に実線で示す頭部114a参照)。これによって、シャッタ支持フレーム104が上蓋体101に装着される。シャッタ支持フレーム104を矢印E2方向に回転すると、頭部114aが溝部104dから孔部104cに移動するため(
図39に仮想線で示す頭部114a参照)、シャッタ支持フレーム104を上蓋体101から取り外すことができる。
【0095】
図37に示すように、上蓋体101には第1貫通孔101aが形成されている。シャッタ支持フレーム104には、第2貫通孔104eが形成されている。前側の第1貫通孔101aと第2貫通孔104eは、シャッタ支持フレーム104を上蓋体101に装着した状態において上下方向に重なる。
図39~
図41に示すように、第1貫通孔101aと第2貫通孔104eには、回り止めピン115が挿入される。回り止めピン115は、シャッタ支持フレーム104を上蓋体101に装着した状態において、シャッタ支持フレーム104が矢印E2方向(シャッタ支持フレーム104を取り外す方向)に回らないようにする回り止め防止機能を有する。
【0096】
図40、
図41に示すように、回り止めピン115は、頭部115aと軸部115bを有している。頭部115aの直径は、第1貫通孔101a及び第2貫通孔104eの直径よりも大きい。軸部115bは、第2貫通孔104eを貫通しており、第1貫通孔101aに対して挿脱可能となっている。軸部115bには、抜け止め用ピン116が水平方向に貫通している。抜け止め用ピン116は、例えば、スプリングピンである。シャッタ支持フレーム104の上面には、下方に向けて凹んだ凹み部104fが形成されている。頭部115aは、凹み部104f内に配置されている。
【0097】
図41に示すように、シャッタ支持フレーム104と上蓋61との間には、空間SP1が形成されている。抜け止め用ピン116は、空間SP1内に配置されている。抜け止め用ピン116の長さ(伸長状態の長さ)は、第1貫通孔101a及び第2貫通孔104eの直径よりも長い。これにより、回り止めピン115を上方に移動させたときに、第2貫通孔104eから上方に抜けることが防止されている。
【0098】
シャッタ支持フレーム104を上蓋体101に装着した状態(頭付きピン114の頭部114aが溝部104dに嵌まっている状態)とすると、第1貫通孔101aと第2貫通孔104eとが上下方向に重なる。そのため、回り止めピン115の軸部115bは、自身の重量で下降し、軸部115bの先端が第1貫通孔101aに挿入される。これにより、回り止めピン115は、
図41に実線で示す位置となる。この状態では、軸部115bが第1貫通孔101aと第2貫通孔104eの両方を貫通しているため、シャッタ支持フレーム104が矢印E2方向(シャッタ支持フレーム104を取り外す方向)に回らない。そのため、シャッタ支持フレーム104を矢印E2方向に回して上蓋体101から取り外すことができない。
【0099】
シャッタ支持フレーム104を取り外す際には、回り止めピン115の軸部115bの先端を指で上方に押し上げる。すると、回り止めピン115の軸部115bの先端は、第1貫通孔101aから離脱する。これにより、回り止めピン115は、
図41に仮想線で示す位置となる。この状態では、軸部115bが第2貫通孔104eのみを貫通しているため、シャッタ支持フレーム104を矢印E2方向(シャッタ支持フレーム104を取り外す方向)に回すことができる。そのため、シャッタ支持フレーム104を矢印E2方向に回して上蓋体101から取り外すことが可能となる。
【0100】
従来、シャッタ支持フレーム104の上蓋体101に対する回り止め機構は、突起と凹凸との噛み合いを利用したデテント機構が用いられていた。しかし、このような回り止め機構は、突起を凹凸に対して摺動させることによって噛み合い状態と噛み合い解除状態とを変更するため、繰り返しの摺動によって突起や凸部が摩耗して回り止め機能が低下するおそれがあった。これに対して、上記した回り止めピン115を利用した回り止め機構によれば、部材の摩耗が生じにくいため、回り止め機能の低下を防ぐことができる。そのため、シャッタ支持フレーム104が作業者の意図に反して上蓋体101から外れることを、長期間にわたって確実に防止することが可能となる。
【0101】
<洗米装置による作用効果>
上記実施形態に係る洗米装置2によれば、以下の効果を奏することができる。
洗米装置2は、米を貯える貯米部4と、貯米部4の米を計量して排出する計量部5と、計量部5から排出した米を洗う洗米部6と、を備え、貯米部4は、計量部5に向けて米を落下させるための排出口20を有する底板16と、排出口20を閉鎖する第1位置と排出口20を開放する第2位置とに底板16に沿って移動可能なシャッタ板17と、を有し、シャッタ板17は、水平面に対して傾斜して配置されている。
【0102】
この構成によれば、シャッタ板17の上面に載った米を傾斜に沿って滑り落とすことができるため、シャッタ板17上に米が残りにくくなる。そのため、貯米部4に貯えられた米を排出口20から良好に排出することが可能となる。
また、シャッタ板17には、当該シャッタ板17から上方に突出する突出部材27が設けられ、突出部材27は、排出口20を通って貯米部4の内部まで延びている。
【0103】
この構成によれば、突出部材27がシャッタ板17の移動に伴って移動することにより、排出口20の上方で米粒がブリッジして排出が妨げられている場合に、突出部材27でかき混ぜてブリッジを崩すことができる。そのため、排出口20からの米の排出を円滑に行うことができる。
また、排出口20は、シャッタ板17の傾斜の高い側から低い側に向かうにつれて次第に幅が狭くなるように形成されている。
【0104】
この構成によれば、シャッタ板17を傾斜の高い側から低い側に移動させて排出口20を閉鎖するとき、閉鎖側に近づくにつれてシャッタ板17の移動量の変化に対応する排出口20の開口面積の変化量が小さくなるため、排出口20の開口面積を微調整することが可能となる。
また、排出口20は、傾斜の低い側の縁が円弧状に形成されている。
【0105】
この構成によれば、シャッタ板17を傾斜の高い側から低い側に移動させて排出口20を閉鎖するとき、閉鎖側に近づいた状態では、縁を直線状に形成した場合に比べて排出口20の開口面積が小さくなる。そのため、シャッタ板17と排出口20との間に噛み込む米粒の数を少なくすることができる。
また、シャッタ板17の下方に底板16と平行に配置された下板19aを備え、下板19aは、排出口20と重なる位置に配置され且つ排出口20よりも開口面積が大きい第2排出口21を有している。
【0106】
この構成によれば、シャッタ板17を下板19aで下方から支持することができるとともに、排出口20から落下した米粒をシャッタ板17と第2排出口21との間に詰まらせることなく円滑に落下させることができる。
また、シャッタ板17が第1位置にある状態において、シャッタ板17と第2排出口21の縁部21bとの間に隙間GP1が形成される。
【0107】
この構成によれば、シャッタ板17を閉鎖するときに、シャッタ板17と他の部材との間に噛み込みそうになった米粒を隙間GP1から落とすことができ、米粒が噛み込むことを防ぐことができる。
また、計量部5は、排出口20を通って落下した米を受ける受け容器35と、受け容器35に落下した米の重量を計量する計量装置40と、を有している。
【0108】
この構成によれば、計量部5が米の体積ではなく米の重量を測るため、洗米部6に供給される米の重量(水分を含む米の重量)を一定とすることができ、洗米作業を良好に行うことが可能となる。
また、計量装置40は、固定端41aと自由端41bとを有し且つ自由端41b側が受け容器35に固定された撓み材41と、撓み材41の撓み量に基づいて米の重量を算出する算出装置と、を有している。
【0109】
この構成によれば,受け容器35に収容された米の重量を正確に算出することができる。
また、洗米装置2は、米を貯える貯米部4と、貯米部4の米を計量して排出する計量部5と、計量部5から排出した米を洗う洗米部6と、を備え、貯米部4は、計量部5に向けて米を落下させるための開口部(下側開口部)12と、開口部12に向けて下り勾配となるように傾斜した傾斜底板13を有し、傾斜底板13には、当該傾斜底板13を振動させる振動発生器29が取り付けられている。
【0110】
この構成によれば、振動発生器29によって開口部12に向けて下り勾配となるように傾斜した傾斜底板13を振動させることによって、傾斜底板13上に載った米を開口部12に向けて滑り落とすことができるとともに、開口部12で米粒がブリッジすることを防ぐこともできる。これによって、貯米部4に貯えられた米を良好に排出することが可能となる。
【0111】
また、傾斜底板13は、開口部12に向けて夫々異なる下り勾配で傾斜した複数の傾斜底板(第1傾斜底板13a~第4傾斜底板13d)を含み、振動発生器29は、複数の傾斜底板13のうち、最も緩やかな下り勾配を有する傾斜底板(第1傾斜底板13a)に取り付けられている。
この構成によれば、米粒が載った状態で残りやすい最も緩やかな下り勾配を有する傾斜底板(第1傾斜底板13a)を振動発生器29で振動させることによって、傾斜底板13上に米粒が残ることを効果的に防止できる。
【0112】
また、傾斜底板13は、夫々面積が異なる複数の傾斜底板(第1傾斜底板13a~第4傾斜底板13d)を含み、振動発生器29は、複数の傾斜底板13のうち、最も面積が大きい傾斜底板(第1傾斜底板13a)に取り付けられている。
この構成によれば、最も多くの米粒が載ることができる最も面積が大きい傾斜底板(第1傾斜底板13a)を振動発生器29で振動させることによって、傾斜底板13上に米粒が残ることを効果的に防止できる。
【0113】
また、振動発生器29は、傾斜底板13の上端と下端の中間高さ位置よりも下方に取り付けられている。
この構成によれば、振動発生器29によって傾斜底板13の開口部12に近い位置を振動させることができるため、開口部12に詰まった米粒をほぐして良好に排出することができる。
【0114】
また、傾斜底板13は、振動発生器29を取り付け可能な取付部30を有し、取付部30は、高さ位置が夫々異なる複数の取付部(第1取付部31~第4取付部34)を含む。
この構成によれば、振動発生器29の取り付け高さを変更したり、複数の高さ位置に振動発生器29を取り付けたりすることができる。そのため、貯米部4の大きさや形状、貯米部4に貯蔵される米の種類や量等に応じて、最適な位置や数で振動発生器29を取り付けることができる。
【0115】
また、傾斜底板13は、開口部12に向けて夫々異なる下り勾配で傾斜した複数の傾斜底板(第1傾斜底板13a~第4傾斜底板13d)を含み、複数の傾斜底板の少なくとも2つ以上に振動発生器29を取り付け可能な取付部30が設けられている。
この構成によれば、振動発生器29によって夫々傾斜が異なる少なくとも2つ以上の傾斜底板13を振動させることができるため、傾斜底板13上に載った米を効果的に滑り落とすことができる。
【0116】
また、複数の傾斜底板13は、四角錐台状に一体化された4つの傾斜底板(第1傾斜底板13a~第4傾斜底板13d)を含み、振動発生器29は、4つの傾斜底板の少なくとも1つに取り付けられている。
この構成によれば、振動発生器29によって4つの傾斜底板(第1傾斜底板13a~第4傾斜底板13d)を一体的に振動させることができ、傾斜底板13上に載った米を効果的に滑り落とすことができる。
【0117】
また、洗米装置2は、米を貯える貯米部4と、貯米部4の米を計量して排出する計量部5と、計量部5から排出した米を洗う洗米部6と、を備え、貯米部4の上部には、米を供給するための供給口42が設けられ、供給口42には、米袋K1を載置可能な載置台90が設けられ、載置台90は、米袋K1を下方から支持可能な支持部91と、米が通過可能な通過部92とを有している。
【0118】
この構成によれば、貯米部4に米を補給する際に、載置台90に米袋を載せた後、支持部91に米袋K1を支持させた状態で通過部92を介して米を貯米部4に入れることができる。そのため、貯米部4への米の補給を容易に行うことができ、作業者の負担を軽減することができる。
また、載置台90は、支持部91と通過部92とが交互に配置された簀の子状に形成されている。
【0119】
この構成によれば、複数の支持部91によって米袋K1を安定して支持できるとともに、複数の通過部92から米を満遍なく貯米部4に入れることができる。
また、支持部91及び通過部92は、前後方向に延びている。
この構成によれば、通過部92に手や棒等を入れて前後方向に移動させることで、貯米部4内の前部だけでなく後部まで米を均すことができる。
【0120】
また、通過部92の幅は、人の手を差し入れることが可能な幅に設定されている。
この構成によれば、通過部92から人の手を差し入れて貯米部4内の米を均すことができる。
また、貯米部4は、供給口42の周囲を囲う周壁部43を有し、支持部91は、周壁部43の上端よりも下方位置に配置されている。
【0121】
この構成によれば、支持部91上に米袋K1を載せたとき、米袋K1の落下(滑り落ち)を周壁部43によって防止することができる。
また、供給口42は、前部が後部に比べて低くなるように傾斜している。
この構成によれば、作業者が前方から供給口42に設けられた載置台90に米袋K1を載せる作業を容易化することができる。
【0122】
また、載置台90は、周壁部43に沿って配置された基材93と、互いに平行に配置され且つ基材93に固定された複数の棒材94と、を有し、複数の棒材94の上部が支持部91を構成している。
この構成によれば、載置台90が高い剛性を有する構造となるため、この載置台90を供給口42に設けることで、貯米部4の強度を向上させることができる。
【0123】
また、棒材94は、円柱形状である。
この構成によれば、棒材94の上部に米粒が載った場合でも滑り落ちるため、載置台90上に米粒が残ることを防止できる。また、米袋K1に対する棒材94の接触面が曲面となるため、米袋K1が破れたり傷付いたりすることを防止できる。
また、洗米装置2は、米を貯える貯米部4と、貯米部4の米を計量して排出する計量部5と、計量部5から排出した米を洗う洗米部6と、を備え、洗米部6は、洗米タンク60と、洗米タンク60の上部を覆う上蓋61と、を有し、洗米タンク60は、当該洗米タンク60内の水位が所定高さ以上になったときに水を外部に排出するオーバーフロー孔77を有し、オーバーフロー孔77は、上蓋61と洗米タンク60とが当接する当接面78よりも下方に設けられている。
【0124】
この構成によれば、オーバーフロー孔77が上蓋61と洗米タンク60とが当接する当接面78よりも下方に設けられているため、当接面78からの水漏れを防ぐことができる。そのため、洗米タンク60上端へのパッキンの装着を不要とすることが可能となり、洗米装置2の洗浄作業の作業性を向上させることができる。
また、洗米タンク60は、当接面78の一方を構成する当接上面79を有し、上蓋61は、当接面78の他方を構成する当接下面81を有し、当接上面79には、当該当接上面79から下方に凹んだ凹溝80が設けられ、当接下面81には、当該当接下面81から下向きに延びて凹溝80内に位置する凸部82が設けられ、凹溝80の内面と凸部82の外面との間には隙間GP2が形成されている。
【0125】
この構成によれば、当接面78に水が浸入した場合でも、浸入した水を凸部82から凹溝80に落下させて隙間GP2に導くことができる。そのため、パッキンを用いなくとも当接面78からの水漏れを防ぐことができる。
また、洗米タンク60は、米を収容するタンク本体62と、タンク本体62の上部の外周面に沿って設けられた被ガイド部83を有し、上蓋61は、被ガイド部83の外周面に沿うように設けられ、洗米タンク60を下方から上蓋61に嵌め入れるときの移動を案内するガイド部84を有している。
【0126】
この構成によれば、洗米タンク60を下方から上蓋61に嵌め入れるときに、被ガイド部83をガイド部84に沿わせて上方に移動させることで、嵌め入れる作業を確実に且つ容易に行うことが可能となる。
また、ガイド部84は、上蓋61の前部に設けられた前ガイド部84aと、上蓋61の後部に設けられた後ガイド部84bと、を含み、後ガイド部84bは、前ガイド部84aよりも下方に長く延びている。
【0127】
この構成によれば、作業者が前方から後ガイド部84bを視認することができるため、ガイド部84の後部の位置を容易に把握することができる。そのため、被ガイド部83をガイド部84の後ガイド部84bに当てた後、後ガイド部84bに沿わせて上方に移動させることによって、洗米タンク60を下方から上蓋61に嵌め入れる作業を容易に且つ確実に行うことができる。
【0128】
また、被ガイド部83は、オーバーフロー孔77の上方においてタンク本体62の外周面よりも外側に張り出して設けられた張り出し部83aを含み、後ガイド部84bは、張り出し部83aの外面に沿うように設けられた張り出し後ガイド部84c2を含む。
この構成によれば、張り出し部83aと張り出し後ガイド部84c2との位置を合わせることによって、上蓋61に対する洗米タンク60の周方向の位置決めを容易に行うことができる。
【0129】
また、洗米装置2は、洗米タンク60を上蓋61に嵌め入れた状態で保持する保持機構50を備え、保持機構50は、洗米タンク60側に設けられた被当接部51と、上蓋61側に設けられた係止部材52と、を有し、係止部材52は、上下方向の軸Z1回りに回転することによって、被当接部51の下面に当接する第1位置と、被当接部51の下面に当接しない第2位置とに移動可能である。
【0130】
この構成によれば、係止部材52を上下方向の軸Z1回りに回転するという簡単な操作によって、洗米タンク60を上蓋61に嵌め入れた状態での保持と、この保持の解除とを確実に行うことができる。
また、保持機構50は、係止部材52を上方に向けて付勢する付勢部材56を有し、被ガイド部83の下面には、下向きに隆起する隆起部83bが形成されており、隆起部83bは、係止部材52が第1位置にあるときに当接する平面部83b1と、係止部材52が第2位置から第1位置に移動するときに摺接する傾斜面部83b2を有している。
【0131】
この構成によれば、隆起部83bによって、付勢部材56による上方への付勢力を増大させることができ、洗米タンク60を上蓋61に嵌め入れられた状態で確実に保持することができる。傾斜面部83b2によって、係止部材52を平面部83b1に当接する位置(第2位置P2)まで容易に移動させることができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0132】
2 洗米装置
4 貯米部
5 計量部
6 洗米部
12 開口部(下側開口部)
13 傾斜底板
29 振動発生器
30 取付部