(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022163611
(43)【公開日】2022-10-26
(54)【発明の名称】検出装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20221019BHJP
G06F 3/042 20060101ALI20221019BHJP
【FI】
G06F3/041 430
G06F3/042 471
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021068635
(22)【出願日】2021-04-14
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 博文
(72)【発明者】
【氏名】小島 義貴
(57)【要約】
【課題】様々な使用状況や適用部位に対応可能な検出装置を提供する。
【解決手段】検出装置1は、複数の光センサが設けられたセンサ基板21と、光センサを制御する制御回路が設けられた制御基板121と、センサ基板21と制御基板121とを電気的に接続する配線73が設けられたフレキシブルプリント基板71と、を備える。フレキシブルプリント基板71は、センサ基板21と制御基板121との間の長さを変更するための複数の切断指示線74が設けられている。
【選択図】
図12D
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光センサが設けられたセンサ基板と、
前記光センサを制御する制御回路が設けられた制御基板と、
前記センサ基板と前記制御基板とを電気的に接続する配線が設けられたフレキシブルプリント基板と、
を備え、
前記フレキシブルプリント基板は、前記センサ基板と前記制御基板との間の長さを変更するための複数の切断指示線が設けられている、
検出装置。
【請求項2】
前記制御基板には、前記フレキシブルプリント基板を接続するコネクタが設けられ、
前記フレキシブルプリント基板は、前記配線と前記コネクタの接点とを電気的に接続するパッドが複数設けられた端子部を備える、
請求項1に記載の検出装置。
【請求項3】
複数の前記パッドは、複数の前記切断指示線に沿って設けられ、
前記端子部は、複数の前記切断指示線ごとにそれぞれ設けられている、
請求項2に記載の検出装置。
【請求項4】
前記配線は、前記センサ基板に電源を供給する電源配線及びグランド配線を含む、
請求項1から3の何れか一項に記載の検出装置。
【請求項5】
前記切断指示線は、前記フレキシブルプリント基板を貫通する複数のドットで構成されるドット列を含む、
請求項4に記載の検出装置。
【請求項6】
隣り合う前記ドットの間隔は、前記電源配線のうちの少なくとも1つ、及び、前記グランド配線のうちの少なくとも1つの幅よりも大きく、且つ、隣り合う電源配線とグランド配線との間には、少なくとも1つのドットが設けられている、
請求項5に記載の検出装置。
【請求項7】
前記フレキシブルプリント基板の一方の面に設けられた電源配線と、前記フレキシブルプリント基板の他方の面に設けられたグランド配線とは、平面視においてずれて配置されている、
請求項4から6の何れか一項に記載の検出装置。
【請求項8】
前記フレキシブルプリント基板には、複数の前記切断指示線に対応して設けられた複数の切断検出用配線が設けられ、
前記制御基板は、複数の前記切断検出用配線の有無に応じて、複数の前記切断指示線の何れにおいて切断されたかを判定する切断部位判定回路を備える、
請求項3から7の何れか一項に記載の検出装置。
【請求項9】
前記フレキシブルプリント基板には、複数の前記切断指示線に対応して設けられた複数の抵抗が直列接続された直列抵抗回路が設けられ、
前記制御基板は、前記直列抵抗回路の出力に基づき、複数の前記切断指示線の何れにおいて切断されたかを判定する切断部位判定回路を備える、
請求項3から7の何れか一項に記載の検出装置。
【請求項10】
前記フレキシブルプリント基板には、複数の前記切断指示線に対応して設けられた複数の抵抗が並列接続された並列抵抗回路が設けられ、
前記制御基板は、前記並列抵抗回路の出力に基づき、複数の前記切断指示線の何れにおいて切断されたかを判定する切断部位判定回路を備える、
請求項3から7の何れか一項に記載の検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
指紋パターンや静脈などの血管パターンを検出可能な光センサが知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
光センサは、上述した静脈などの血管パターンの他、脈波や、脈波から得られる血中酸素飽和度等、被検出体の種々の生体情報を検出することが要求されている。また、検出対象とする被検出体の生体情報や状況に応じて、最適な構成とすることが要求される。例えば、光センサと、光センサをコントロールするコントローラとは、例えば、フレキシブルプリント基板(FPC:Flexible Printed Circuits)によって接続される構成が考えられる。このような構成では、例えば、被検出体の指を撮像して生体情報を取得する場合や、被検出体の手首を撮像して生体情報を取得する場合、生体情報を取得する対象者の体格の違い、あるいは、臨床にて生体情報を取得する場合や、対象者が運動しているときの生体情報を取得する場合等、様々な使用状況や生体情報を取得する際の適用部位に応じたFPCを用意する必要がある。
【0005】
本発明は、様々な使用状況や適用部位に対応可能な検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る検出装置は、複数の光センサが設けられたセンサ基板と、前記光センサを制御する制御回路が設けられた制御基板と、前記センサ基板と前記制御基板とを電気的に接続する配線が設けられたフレキシブルプリント基板と、を備え、前記フレキシブルプリント基板は、前記センサ基板と前記制御基板との間の長さを変更するための複数の切断指示線が設けられている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、実施形態に係る検出装置を示す平面図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る検出装置の構成例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、複数の部分検出領域を示す回路図である。
【
図5A】
図5Aは、センサ部の概略断面構成を示す断面図である。
【
図5B】
図5Bは、第1変形例に係る検出装置のセンサ部の概略断面構成を示す断面図である。
【
図6】
図6は、検出装置の動作例を表すタイミング波形図である。
【
図7】
図7は、
図6におけるリセット期間の動作例を表すタイミング波形図である。
【
図8】
図8は、
図6における読み出し期間の動作例を表すタイミング波形図である。
【
図9】
図9は、
図6における読み出し期間に含まれる1つのゲート線の駆動期間の動作例を表すタイミング波形図である。
【
図10】
図10は、検出装置のセンサ部の駆動と、光源の点灯動作との関係を説明するための説明図である。
【
図11】
図11は、実施形態に係る検出装置において、FPCの長さを変更可能とする構成の一例を示す概略図である。
【
図16】
図16は、変形例1に係る切断部位判定回路のブロック構成の一例を示す図である。
【
図18】
図18は、変形例1に係る切断部位判定回路における各判定信号と切断部位との関係を示す図である。
【
図19】
図19は、変形例2に係る切断部位判定回路のブロック構成の一例を示す図である。
【
図20】
図20は、変形例2に係る第1抵抗の一例を示す図である。
【
図21】
図21は、変形例2に係る切断部位判定回路における各判定信号と切断部位との関係を示す図である。
【
図22】
図22は、変形例3に係る切断部位判定回路のブロック構成の一例を示す図である。
【
図23】
図23は、変形例3に係る第1抵抗の一例を示す図である。
【
図24】
図24は、変形例3に係る切断部位判定回路における各判定信号と切断部位との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。また、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0009】
図1は、実施形態に係る検出装置を示す平面図である。
図1に示すように、検出装置1は、センサ基板21と、センサ部10と、ゲート線駆動回路15と、信号線選択回路16と、検出回路48と、制御回路122と、電源回路123と、第1光源61及び第2光源62と、を有する。
図1では、第1光源基材51に複数の第1光源61が設けられ、第2光源基材52に複数の第2光源62が設けられる例を示したが、
図1に示す第1光源61及び第2光源62の配置は、あくまで一例であり適宜変更することができる。例えば、第1光源基材51及び第2光源基材52のそれぞれに、複数の第1光源61及び複数の第2光源62が配置されていてもよい。この場合、複数の第1光源61を含むグループと、複数の第2光源62を含むグループとが、第2方向Dyに並んで配置されていてもよいし、第1光源61と第2光源62とが交互に第2方向Dyに配置されていてもよい。また、第1光源61及び第2光源62が設けられる光源基材は1つ又は3つ以上であってもよい。さらには、第1光源61及び第2光源62は、同種の光源であっても良い。あるいは、複数の第1光源61及び複数の第2光源62は、例えば、検出領域AAの直下に設けられた、いわゆる直下型の光源であっても良い。
【0010】
センサ基板21には、フレキシブルプリント基板(FPC:Flexible Printed Circuits)71(以下、「FPC71」とも称する)を介して制御基板121が電気的に接続される。制御基板121には、検出回路48、制御回路122、電源回路123、及び出力回路126が設けられている。なお、FPC71に検出回路48が設けられている態様であっても良い。
【0011】
本開示において、FPC71は、検出装置1の使用状況やアプリケーション等に応じて長さを変更することができる。FPC71の長さを変更するための構成については後述する。
【0012】
制御回路122は、例えばロジック制御信号を出力する制御IC(Control Integrated Circuit)を含む。制御回路122は、例えばFPGA(Field Programmable Gate Array)等のPLD(Programmable Logic Device)を含む態様であっても良い。
【0013】
制御回路122は、センサ部10、ゲート線駆動回路15及び信号線選択回路16に制御信号を供給して、センサ部10の検出動作を制御する。また、制御回路122は、第1光源61及び第2光源62に制御信号を供給して、第1光源61及び第2光源62の点灯又は非点灯を制御する。
【0014】
電源回路123は、センサ電源電位VDDSNS(
図4参照)等の電圧信号をセンサ部10、ゲート線駆動回路15及び信号線選択回路16に供給する。また、電源回路123は、電源電圧を第1光源61及び第2光源62に供給する。
【0015】
出力回路126は、例えばUSBコントローラICであり、制御回路122と外部の上位制御装置(不図示)との間の通信制御を行う。
【0016】
センサ基板21は、検出領域AAと、周辺領域GAとを有する。検出領域AAは、センサ部10が有する複数の光センサPD(
図4参照)が設けられた領域である。周辺領域GAは、検出領域AAの外周と、センサ基板21の端部との間の領域であり、光センサPDが設けられない領域である。
【0017】
ゲート線駆動回路15及び信号線選択回路16は、周辺領域GAに設けられる。具体的には、ゲート線駆動回路15は、周辺領域GAのうち第2方向Dyに沿って延在する領域に設けられる。信号線選択回路16は、周辺領域GAのうち第1方向Dxに沿って延在する領域に設けられ、センサ部10と検出回路48との間に設けられる。
【0018】
なお、第1方向Dxは、センサ基板21と平行な面内の一方向である。第2方向Dyは、センサ基板21と平行な面内の一方向であり、第1方向Dxと直交する方向である。なお、第2方向Dyは、第1方向Dxと直交しないで交差してもよい。また、第3方向Dzは、第1方向Dx及び第2方向Dyと直交する方向であり、センサ基板21の法線方向である。
【0019】
複数の第1光源61は、第1光源基材51に設けられ、第2方向Dyに沿って配列される。複数の第2光源62は、第2光源基材52に設けられ、第2方向Dyに沿って配列される。第1光源基材51及び第2光源基材52は、それぞれ、制御基板121に設けられた端子部124、125を介して、制御回路122及び電源回路123と電気的に接続される。
【0020】
複数の第1光源61及び複数の第2光源62は、例えば、無機LED(Light Emitting Diode)や、有機EL(OLED:Organic Light Emitting Diode)等が用いられる。複数の第1光源61及び複数の第2光源62は、それぞれ異なる波長の第1光及び第2光を出射する。あるいは、複数の第1光源61及び複数の第2光源62は、同一の波長の光を出射する態様であっても良い。
【0021】
第1光源61から出射された第1光は、例えば、主に指Fg等の被検出体の表面で反射されセンサ部10に入射する。これにより、センサ部10は、指Fg等の表面の凹凸の形状を検出することで指紋を検出することができる。第2光源62から出射された第2光は、例えば、指Fgや手首等の被検出体の内部で反射し又は指Fgや手首等を透過してセンサ部10に入射する。これにより、センサ部10は、指Fgや手首等の内部の生体に関する情報を検出できる。生体に関する情報は、例えば、指Fgや手首や掌の脈波、脈拍、血管像等である。すなわち、検出装置1は、指紋や、脈波、脈拍、静脈などの血管パターンを含む、生体に関する情報を検出する検出装置として構成される。
【0022】
第1光は、520nm以上600nm以下、例えば500nm程度の波長を有し、第2光は、780nm以上950nm以下、例えば850nm程度の波長を有していてもよい。この場合、第1光は、青色又は緑色の可視光(青色光又は緑色光)であり、第2光は、赤外光である。センサ部10は、第1光源61から出射された第1光に基づいて、指紋を検出することができる。第2光源62から出射された第2光は、指Fg等の被検出体の内部で反射し又は指Fg等を透過・吸収されてセンサ部10に入射する。これにより、センサ部10は、指Fg等の内部の生体に関する情報として、脈波や、静脈等の血管像(血管パターン)を検出できる。
【0023】
又は、第1光は、600nm以上700nm以下、例えば660nm程度の波長を有し、第2光は、780nm以上950nm以下、例えば850nm程度の波長を有していてもよい。この場合、第1光は、赤色の可視光(赤色光)であり、第2光は、赤外光である。センサ部10は、第1光源61から出射された第1光及び第2光源62から出射された第2光に基づいて、センサ部10は、生体に関する情報として、脈波、脈拍や血管像に加えて、血中酸素濃度を検出することができる。このように、検出装置1は、第1光源61及び複数の第2光源62を有し、第1光に基づいた検出と、第2光に基づいた検出とを行うことで、種々の生体に関する情報を検出することができる。
【0024】
図2は、実施形態に係る検出装置の構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、検出装置1は、さらに検出制御部11と検出部40と、有する。
【0025】
センサ部10は、複数の光センサPDを有する。センサ部10が有する光センサPDはフォトダイオードであり、照射される光に応じた電気信号を、検出信号Vdetとして信号線選択回路16に出力する。また、センサ部10は、ゲート線駆動回路15から供給されるゲート駆動信号Vgclにしたがって検出を行う。
【0026】
検出制御部11は、ゲート線駆動回路15、信号線選択回路16及び検出部40にそれぞれ制御信号を供給し、これらの動作を制御する回路である。検出制御部11は、スタート信号STV、クロック信号CK、リセット信号RST1等の各種制御信号をゲート線駆動回路15に供給する。また、検出制御部11は、選択信号ASW等の各種制御信号を信号線選択回路16に供給する。また、検出制御部11は、各種制御信号を第1光源61及び第2光源62に供給して、それぞれの点灯及び非点灯を制御する。
【0027】
ゲート線駆動回路15は、各種制御信号に基づいて複数のゲート線GCL(
図3参照)を駆動する回路である。ゲート線駆動回路15は、複数のゲート線GCLを順次又は同時に選択し、選択されたゲート線GCLにゲート駆動信号Vgclを供給する。これにより、ゲート線駆動回路15は、ゲート線GCLに接続された複数の光センサPDを選択する。
【0028】
信号線選択回路16は、複数の信号線SGL(
図3参照)を順次又は同時に選択するスイッチ回路である。信号線選択回路16は、例えばマルチプレクサである。信号線選択回路16は、検出制御部11から供給される選択信号ASWに基づいて、選択された信号線SGLと検出回路48とを電気的に接続する。これにより、信号線選択回路16は、光センサPDの検出信号Vdetを検出部40に出力する。
【0029】
検出部40は、検出回路48と、信号処理部44と、記憶部46と、検出タイミング制御部47とを備える。検出タイミング制御部47は、検出制御部11から供給される制御信号に基づいて、検出回路48と、信号処理部44と、が同期して動作するように制御する。
【0030】
検出回路48は、例えばアナログフロントエンド回路(AFE:Analog Front End)である。検出回路48は、少なくとも検出信号増幅部42及びA/D変換部43の機能を有する信号処理回路である。検出信号増幅部42は、検出信号Vdetを増幅する。A/D変換部43は、検出信号増幅部42から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換する。
【0031】
本開示において、信号処理部44は、制御回路122に含まれる。信号処理部44は、検出回路48の出力信号に基づいて、センサ部10により検出された信号の処理を行う論理回路である。
【0032】
本開示において、記憶部46は、制御回路122に含まれる。記憶部46は、信号処理部44で処理された信号を一時的に保存する。記憶部46は、例えばRAM(Random Access Memory)、レジスタ回路等であってもよい。
【0033】
次に、検出装置1の回路構成例について説明する。
図3は、検出装置を示す回路図である。
図3に示すように、センサ部10は、マトリクス状に配列された複数の部分検出領域PAAを有する。複数の部分検出領域PAAには、それぞれ光センサPDが設けられている。
【0034】
ゲート線GCLは、第1方向Dxに延在し、第1方向Dxに配列された複数の部分検出領域PAAと接続される。また、複数のゲート線GCL(1)、GCL(2)、…、GCL(8)は、第2方向Dyに配列され、それぞれゲート線駆動回路15に接続される。なお、以下の説明において、複数のゲート線GCL(1)、GCL(2)、…、GCL(8)を区別して説明する必要がない場合には、単にゲート線GCLと表す。また、
図3では説明を分かりやすくするために、8本のゲート線GCLを示しているが、あくまで一例であり、ゲート線GCLは、M本(Mは8以上、例えばM=256)配列されていてもよい。
【0035】
信号線SGLは、第2方向Dyに延在し、第2方向Dyに配列された複数の部分検出領域PAAの光センサPDに接続される。また、複数の信号線SGL(1)、SGL(2)、…、SGL(12)は、第1方向Dxに配列されて、それぞれ信号線選択回路16及びリセット回路17に接続される。なお、以下の説明において、複数の信号線SGL(1)、SGL(2)、…、SGL(12)を区別して説明する必要がない場合には、単に信号線SGLと表す。
【0036】
また、説明を分かりやすくするために、12本の信号線SGLを示しているが、あくまで一例であり、信号線SGLは、N本(Nは12以上、例えばN=252)配列されていてもよい。また、
図3では、信号線選択回路16とリセット回路17との間にセンサ部10が設けられている。これに限定されず、信号線選択回路16とリセット回路17とは、信号線SGLの同じ方向の端部にそれぞれ接続されていてもよい。
【0037】
ゲート線駆動回路15は、スタート信号STV、クロック信号CK、リセット信号RST1等の各種制御信号を、制御回路122(
図1参照)から受け取る。ゲート線駆動回路15は、各種制御信号に基づいて、複数のゲート線GCL(1)、GCL(2)、…、GCL(8)を時分割的に順次選択する。ゲート線駆動回路15は、選択されたゲート線GCLにゲート駆動信号Vgclを供給する。これにより、ゲート線GCLに接続された複数の第1スイッチング素子Trにゲート駆動信号Vgclが供給され、第1方向Dxに配列された複数の部分検出領域PAAが、検出対象として選択される。
【0038】
なお、ゲート線駆動回路15は、指紋の検出及び異なる複数の生体に関する情報(脈波、脈拍、静脈等の血管像、血中酸素濃度等、以下、単に「生体情報」とも称する)のそれぞれの検出モードごとに、異なる駆動を実行してもよい。例えば、ゲート線駆動回路15は、複数のゲート線GCLを束ねて駆動してもよい。
【0039】
具体的には、ゲート線駆動回路15は、制御信号に基づいて、ゲート線GCL(1)、GCL(2)、…、GCL(8)のうち、所定数のゲート線GCLを同時に選択する。例えば、ゲート線駆動回路15は、6本のゲート線GCL(1)からゲート線GCL(6)を同時に選択し、ゲート駆動信号Vgclを供給する。ゲート線駆動回路15は、選択された6本のゲート線GCLを介して、複数の第1スイッチング素子Trにゲート駆動信号Vgclを供給する。これにより、第1方向Dx及び第2方向Dyに配列された複数の部分検出領域PAAを含むブロック単位PAG1、PAG2が、それぞれ検出対象として選択される。ゲート線駆動回路15は、所定数のゲート線GCLを束ねて駆動し、所定数のゲート線GCLごとに順次ゲート駆動信号Vgclを供給する。
【0040】
信号線選択回路16は、複数の選択信号線Lselと、複数の出力信号線Loutと、第3スイッチング素子TrSと、を有する。複数の第3スイッチング素子TrSは、それぞれ複数の信号線SGLに対応して設けられている。6本の信号線SGL(1)、SGL(2)、…、SGL(6)は、共通の出力信号線Lout1に接続される。6本の信号線SGL(7)、SGL(8)、…、SGL(12)は、共通の出力信号線Lout2に接続される。出力信号線Lout1、Lout2は、それぞれ検出回路48に接続される。
【0041】
ここで、信号線SGL(1)、SGL(2)、…、SGL(6)を第1信号線ブロックとし、信号線SGL(7)、SGL(8)、…、SGL(12)を第2信号線ブロックとする。複数の選択信号線Lselは、1つの信号線ブロックに含まれる第3スイッチング素子TrSのゲートにそれぞれ接続される。また、1本の選択信号線Lselは、複数の信号線ブロックの第3スイッチング素子TrSのゲートに接続される。
【0042】
具体的には、選択信号線Lsel1、Lsel2、…、Lsel6は、それぞれ信号線SGL(1)、SGL(2)、…、SGL(6)に対応する第3スイッチング素子TrSと接続される。また、選択信号線Lsel1は、信号線SGL(1)に対応する第3スイッチング素子TrSと、信号線SGL(7)に対応する第3スイッチング素子TrSと、に接続される。選択信号線Lsel2は、信号線SGL(2)に対応する第3スイッチング素子TrSと、信号線SGL(8)に対応する第3スイッチング素子TrSと、に接続される。
【0043】
制御回路122(
図1参照)は、選択信号ASWを順次選択信号線Lselに供給する。これにより、信号線選択回路16は、第3スイッチング素子TrSの動作により、1つの信号線ブロックにおいて信号線SGLを時分割的に順次選択する。また、信号線選択回路16は、複数の信号線ブロックでそれぞれ1本ずつ信号線SGLを選択する。このような構成により、検出装置1は、検出回路48を含むIC(Integrated Circuit)の数、又はICの端子数を少なくすることができる。
【0044】
なお、信号線選択回路16は、複数の信号線SGLを束ねて検出回路48に接続してもよい。具体的には、制御回路122(
図1参照)は、選択信号ASWを同時に選択信号線Lselに供給する。信号線選択回路16は、第3スイッチング素子TrSの動作により、1つの信号線ブロックにおいて複数の信号線SGL(例えば6本の信号線SGL)を選択し、複数の信号線SGLと検出回路48とを接続する。これにより、ブロック単位PAG1、PAG2で検出された信号が検出回路48に出力される。この場合、ブロック単位PAG1、PAG2に含まれる複数の部分検出領域PAA(光センサPD)からの信号が統合されて検出回路48に出力される。
【0045】
ゲート線駆動回路15及び信号線選択回路16の動作により、ブロック単位PAG1、PAG2ごとに検出を行うことで、1回の検出で得られる検出信号Vdetの強度が向上するのでセンサ感度を向上させることができる。
【0046】
図3に示すように、リセット回路17は、基準信号線Lvr、リセット信号線Lrst及び第4スイッチング素子TrRを有する。第4スイッチング素子TrRは、複数の信号線SGLに対応して設けられている。基準信号線Lvrは、複数の第4スイッチング素子TrRのソース又はドレインの一方に接続される。リセット信号線Lrstは、複数の第4スイッチング素子TrRのゲートに接続される。
【0047】
制御回路122は、リセット信号RST2をリセット信号線Lrstに供給する。これにより、複数の第4スイッチング素子TrRがオンになり、複数の信号線SGLは基準信号線Lvrと電気的に接続される。電源回路123は、基準信号COMを基準信号線Lvrに供給する。これにより、複数の部分検出領域PAAに含まれる容量素子Ca(
図4参照)に基準信号COMが供給される。
【0048】
図4は、実施形態に係る検出装置の複数の部分検出領域を示す回路図である。なお、
図4では、検出回路48の回路構成も併せて示している。
図4に示すように、部分検出領域PAAは、光センサPDと、容量素子Caと、第1スイッチング素子Tr1と、第4スイッチング素子Tr4とを含む。容量素子Caは、光センサPDに形成される容量(センサ容量)であり、等価的に光センサPDと並列に接続される。さらに、信号線容量Ccは、信号線SGLに形成される寄生容量であり、等価的に、信号線SGLと、光センサPDのアノード及び容量素子Caの一端側との間に形成される。
【0049】
図4では、複数のゲート線GCLのうち、第2方向Dyに並ぶ2つのゲート線GCL(m)、GCL(m+1)を示す。また、複数の信号線SGLのうち、第1方向Dxに並ぶ2つの信号線SGL(n)、SGL(n+1)を示す。部分検出領域PAAは、ゲート線GCLと信号線SGLとで囲まれた領域である。
【0050】
第1スイッチング素子Trは、光センサPDに対応して設けられる。第1スイッチング素子Trは、薄膜トランジスタにより構成されるものであり、この例では、nチャネルのMOS(Metal Oxide Semiconductor)型のTFT(Thin Film Transistor)で構成されている。
【0051】
第1方向Dxに並ぶ複数の部分検出領域PAAに属する第1スイッチング素子Trのゲートは、ゲート線GCLに接続される。第2方向Dyに並ぶ複数の部分検出領域PAAに属する第1スイッチング素子Trのソースは、信号線SGLに接続される。第1スイッチング素子Trのドレインは、光センサPDのカソード及び容量素子Caに接続される。
【0052】
光センサPDのアノードには、電源回路123からセンサ電源信号VDDSNSが供給される。また、信号線SGL及び容量素子Caには、電源回路123から、信号線SGL及び容量素子Caの初期電位となる基準信号COMが供給される。
【0053】
部分検出領域PAAに光が照射されると、光センサPDには光量に応じた電流が流れ、これにより容量素子Caに電荷が蓄積される。第1スイッチング素子Trがオンになると、容量素子Caに蓄積された電荷に応じて、信号線SGLに電流が流れる。信号線SGLは、信号線選択回路16の第3スイッチング素子TrSを介して検出回路48に接続される。これにより、検出装置1は、部分検出領域PAAごとに、又はブロック単位PAG1、PAG2ごとに光センサPDに照射される光の光量に応じた信号を検出できる。
【0054】
検出回路48は、読み出し期間Pdet(
図6参照)にスイッチSSWがオンになり、信号線SGLと接続される。検出回路48の検出信号増幅部42は、信号線SGLから供給された電流の変動を電圧の変動に変換して増幅する。検出信号増幅部42の非反転入力部(+)には、固定された電位を有する基準電位(Vref)が入力され、反転入力端子(-)には、信号線SGLが接続される。実施形態では、基準電位(Vref)電圧として基準信号COMと同じ信号が入力される。また、検出信号増幅部42は、容量素子Cb及びリセットスイッチRSWを有する。リセット期間Prst(
図6参照)において、リセットスイッチRSWがオンになり、容量素子Cbの電荷がリセットされる。
【0055】
次に、光センサPDの構成について説明する。
図5Aは、センサ部の概略断面構成を示す断面図である。
図5Aに示すように、センサ部10は、センサ基板21と、TFT層22と、絶縁層23と、光センサPDと、絶縁層24a、24b、24c、25を備える。
【0056】
センサ基板21は、絶縁性の基材であり、例えば、ガラスや樹脂材料が用いられる。センサ基板21は、平板状に限定されず、曲面を有していてもよい。この場合、センサ基板21は、フィルム状の樹脂であってもよい。
【0057】
センサ基板21は、第1面と、第1面の反対側の第2面とを有する。第1面に、TFT層22、絶縁層23、光センサPD、絶縁層24、25の順に積層される。
【0058】
TFT層22は、上述したゲート線駆動回路15や信号線選択回路16等の回路が設けられる。また、TFT層22には、第1スイッチング素子Tr等のTFT(Thin Film Transistor)や、ゲート線GCL、信号線SGL等の各種配線が設けられる。センサ基板21及びTFT層22は、所定の検出領域ごとにセンサを駆動する駆動回路基板であり、バックプレーン又はアレイ基板とも呼ばれる。
【0059】
絶縁層23は、有機絶縁層であり、TFT層22の上に設けられる。絶縁層23は、TFT層22に形成される第1スイッチング素子Trや、各種導電層で形成される凹凸を平坦化する平坦化層である。
【0060】
光センサPDは、絶縁層23の上に設けられる。光センサPDは、下部電極35、半導体層31及び上部電極34を有し、この順で積層される。
【0061】
下部電極35は、絶縁層23の上に設けられ、コンタクトホールH1を介してTFT層22の第1スイッチング素子Trと電気的に接続される。下部電極35は、光センサPDのカソードであり、検出信号Vdetを読み出すための電極である。下部電極35は、例えば、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)等の金属材料が用いられる。又は、下部電極35は、これらの金属材料が複数積層された積層膜であってもよい。下部電極35は、ITO(Indium Tin Oxide)等の透光性を有する導電材料であってもよい。
【0062】
半導体層31は、アモルファスシリコン(a-Si)である。半導体層31は、i型半導体層32a、p型半導体層32b及びn型半導体層32cを含む。i型半導体層32a、p型半導体層32b及びn型半導体層32cは、光電変換素子の一具体例である。
図5Aでは、センサ基板21の表面に垂直な方向において、n型半導体層32c、i型半導体層32a及びp型半導体層32bの順に積層されている。ただし、反対の構成、つまり、p型半導体層32b、i型半導体層32a及びn型半導体層32cの順に積層されていてもよい。また半導体層31は、有機半導体からなる光電変換素子であってもよい。
【0063】
n型半導体層32cは、a-Siに不純物がドープされてn+領域を形成する。p型半導体層32bは、a-Siに不純物がドープされてp+領域を形成する。i型半導体層32aは、例えば、ノンドープの真性半導体であり、p型半導体層32b及びn型半導体層32cよりも低い導電性を有する。
【0064】
上部電極34は、光センサPDのアノードであり、電源信号VDDSNSを光電変換層に供給するための電極である。上部電極34は、例えばITO等の透光性導電層であり、光センサPDごとに複数設けられる。
【0065】
絶縁層23の上に絶縁層24a及び絶縁層24bが設けられている。絶縁層24aは、上部電極34の周縁部を覆い、上部電極34と重なる位置に開口が設けられている。接続配線36は、上部電極34のうち、絶縁層24aが設けられていない部分で上部電極34と接続される。絶縁層24bは、上部電極34及び接続配線36を覆って絶縁層24aの上に設けられる。絶縁層24bの上に平坦化層である絶縁層24cが設けられる。絶縁層24cの上に絶縁層25が設けられる。ただし、絶縁層25は、なくてもよい。
【0066】
図5Bは、第1変形例に係る検出装置のセンサ部の概略断面構成を示す断面図である。
図5Bに示すように、第1変形例の検出装置1Aにおいて、光センサPDAは、絶縁層23aの上に設けられる。絶縁層23aは、絶縁層23を覆って設けられた無機絶縁層であり、例えば窒化シリコン(SiN)で形成される。光センサPDAは、光電変換層31Aと、下部電極35(カソード電極)と、上部電極34(アノード電極)と、を有する。センサ基板21の第1面S1に垂直な方向において、下部電極35、光電変換層31A、上部電極34の順に積層される。
【0067】
光電変換層31Aは、照射される光に応じて特性(例えば、電圧電流特性や抵抗値)が変化する。光電変換層31Aの材料として、有機材料が用いられる。具体的には、光電変換層31Aとして、例えば、低分子有機材料であるC60(フラーレン)、PCBM(フェニルC61酪酸メチルエステル:Phenyl C61-butyric acid methyl ester)、CuPc(銅フタロシアニン:Copper Phthalocyanine)、F16CuPc(フッ素化銅フタロシアニン)、rubrene(ルブレン:5,6,11,12-tetraphenyltetracene)、PDI(Perylene(ペリレン)の誘導体)等を用いることができる。
【0068】
光電変換層31Aは、これらの低分子有機材料を用いて蒸着型(Dry Process)で形成することができる。この場合、光電変換層31Aは、例えば、CuPcとF16CuPcとの積層膜、又はrubreneとC60との積層膜であってもよい。光電変換層31Aは、塗布型(Wet Process)で形成することもできる。この場合、光電変換層31Aは、上述した低分子有機材料と高分子有機材料とを組み合わせた材料が用いられる。高分子有機材料として、例えばP3HT(poly(3-hexylthiophene))、F8BT(F8-alt-benzothiadiazole)等を用いることができる。光電変換層31Aは、P3HTとPCBMとが混合した状態の膜、又はF8BTとPDIとが混合した状態の膜とすることができる。
【0069】
下部電極35と、上部電極34とは、光電変換層31Aを挟んで対向する。上部電極34は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)等の透光性を有する導電性材料が用いられる。下部電極35は、例えば、銀(Ag)やアルミニウム(Al)等の金属材料が用いられる。又は、下部電極35は、これらの金属材料の少なくとも1以上を含む合金材料であってもよい。
【0070】
下部電極35の膜厚を制御することで、透光性を有する半透過型電極として下部電極35を形成できる。例えば、下部電極35は、膜厚10nmのAg薄膜で形成することで、60%程度の透光性を有する。この場合、光センサPDAは、センサ基板21の両面側から照射される光、例えば第1面S1側から照射される光L1及び第2面S2側から照射される光の両方を検出できる。
【0071】
図5Bでは図示を省略するが、上部電極34を覆って絶縁層24が設けられてもよい。絶縁層は、パッシベーション膜であり、光センサPDAを保護するために設けられている。
【0072】
図5Bに示すように、TFT層22には、光センサPDAに電気的に接続される第1スイッチング素子Trが設けられる。第1スイッチング素子Trは、半導体層81、ソース電極82、ドレイン電極83及びゲート電極84、85を有する。光センサPDAの下部電極35は、絶縁層23、23aに設けられたコンタクトホールH11を介して、第1スイッチング素子Trのドレイン電極83と電気的に接続される。
【0073】
第1スイッチング素子Trは、半導体層81の上側及び下側の両方にゲート電極84、85が設けられた、いわゆるデュアルゲート構造である。ただし、これに限定されず、第1スイッチング素子Trはトップゲート構造でもよく、ボトムゲート構造でもよい。
【0074】
なお、
図5Bでは、周辺領域GAに設けられた第2スイッチング素子TrA及び端子部を、模式的に示している。第2スイッチング素子TrAは、例えば、ゲート線駆動回路15(
図1参照)に設けられたスイッチング素子である。第2スイッチング素子TrAは、半導体層86、ソース電極87、ドレイン電極88及びゲート電極89を有する。第2スイッチング素子TrAは、半導体層86の上側にゲート電極89が設けられた、いわゆるトップゲート構造である。半導体層86の下側で、半導体層86とセンサ基板21との間には、遮光層90が設けられる。ただし、これに限定されず、第2スイッチング素子TrAはボトムゲート構造でもよく、デュアルゲート構造でもよい。
【0075】
第1スイッチング素子Trの半導体層81と、第2スイッチング素子TrAの半導体層86とは、異なる層に設けられる。第1スイッチング素子Trの半導体層81は、例えば酸化物半導体である。第2スイッチング素子TrAの半導体層86は、例えばポリシリコンである。
【0076】
次に、検出装置1の動作例について説明する。
図6は、検出装置の動作例を表すタイミング波形図である。
図7は、
図6におけるリセット期間の動作例を表すタイミング波形図である。
図8は、
図6における読み出し期間の動作例を表すタイミング波形図である。
図9は、
図6における行読み出し期間VRに含まれる1つのゲート線の駆動期間の動作例を表すタイミング波形図である。
図10は、検出装置のセンサ部の駆動と、光源の点灯動作との関係を説明するための説明図である。
【0077】
図6に示すように、検出装置1は、リセット期間Prst、露光期間Pex及び読み出し期間Pdetを有する。電源回路123は、リセット期間Prst、露光期間Pex及び読み出し期間Pdetに亘って、センサ電源信号VDDSNSを光センサPDのアノードに供給する。センサ電源信号VDDSNSは光センサPDのアノード-カソード間に逆バイアスを印加する信号である。例えば、光センサPDのカソードには実質0.75Vの基準信号COMがされているが、アノードに実質-1.25Vのセンサ電源信号VDDSNSを印加することにより、アノード-カソード間は実質2.0Vで逆バイアスされる。制御回路122は、リセット信号RST2を”H”とした後にゲート線駆動回路15にスタート信号STVおよびクロック信号CKを供給し、リセット期間Prstが開始する。リセット期間Prstにおいて、制御回路122は、基準信号COMをリセット回路17に供給し、リセット信号RST2によってリセット電圧を供給するための第4スイッチング素子TrRをオンさせる。これにより各信号線SGLにはリセット電圧として基準信号COMが供給される。基準信号COMは、例えば0.75Vとされる。
【0078】
リセット期間Prstにおいて、ゲート線駆動回路15は、スタート信号STV、クロック信号CK及びリセット信号RST1に基づいて、順次ゲート線GCLを選択する。ゲート線駆動回路15は、ゲート駆動信号Vgcl{Vgcl(1)~Vgcl(M)}をゲート線GCLに順次供給する。ゲート駆動信号Vgclは、高レベル電圧である電源電圧VDDと低レベル電圧である電源電圧VSSとを有するパルス状の波形を有する。
図6では、M本(例えばM=256)のゲート線GCLが設けられており、各ゲート線GCLに、ゲート駆動信号Vgcl(1)、…、Vgcl(M)が順次供給され、複数の第1スイッチング素子Trは各行毎に順次導通され、リセット電圧が供給される。リセット電圧として例えば、基準信号COMの電圧0.75Vが供給される。
【0079】
具体的には、
図7に示すように、ゲート線駆動回路15は、期間V(1)において、ゲート線GCL(1)に、高レベル電圧(電源電圧VDD)のゲート駆動信号Vgcl(1)を供給する。制御回路122は、ゲート駆動信号Vgcl(1)が高レベル電圧(電源電圧VDD)の期間に、選択信号ASW1、…、ASW6のいずれか1つ(
図7では選択信号ASW1)を、信号線選択回路16に供給する。これにより、ゲート駆動信号Vgcl(1)により選択された部分検出領域PAAの信号線SGLが検出回路48に接続される。この結果、第3スイッチング素子TrSと検出回路48との間の接続配線にもリセット電圧(基準信号COM)が供給される。
【0080】
同様に、ゲート線駆動回路15は、期間V(2)、…、V(M-1)、V(M)において、ゲート線GCL(2)、…、GCL(M-1)、GCL(M)に、それぞれ高レベル電圧のゲート駆動信号Vgcl(2)、…、Vgcl(M-1)、Vgcl(M)を供給する。
【0081】
これにより、リセット期間Prstでは、全ての部分検出領域PAAの容量素子Caは、順次信号線SGLと電気的に接続されて、基準信号COMが供給される。この結果、容量素子Caの容量がリセットされる。尚、部分的にゲート線、および信号線SGLを選択することにより部分検出領域PAAのうち一部の容量素子Caの容量をリセットすることも可能である。
【0082】
露光するタイミングの例として、ゲート線非選択時露光制御方法と常時露光制御方法がある。ゲート線非選択時露光制御方法においては、検出対象の光センサPDに接続された全てのゲート線GCLにゲート駆動信号{Vgcl(1)~(M)}が順次供給され、検出対象の全ての光センサPDにリセット電圧が供給される。その後、検出対象の光センサPDに接続された全てのゲート線GCLが低電圧(第1スイッチング素子Trがオフ)になると露光が開始され、露光期間Pexの間に露光が行われる。露光が終了すると前述のように検出対象の光センサPDに接続されたゲート線GCLにゲート駆動信号{Vgcl(1)~(M)}が順次供給され、読み出し期間Pdetに読み出しが行われる。常時露光制御方法においては、リセット期間Prst、読み出し期間Pdetにおいても露光を行う制御(常時露光制御)をすることも可能である。この場合は、リセット期間Prstにゲート駆動信号Vgcl(1)がゲート線GCLに供給された後に、露光期間Pex(1)が開始する。ここで、露光期間Pex{(1)・・・(M)}とは光センサPDから容量素子Caへ充電される期間とされる。リセット期間Prstに容量素子Caにチャージされた電荷が光照射によって光センサPDに逆方向電流(カソードからアノードへ)が流れ、容量素子Caの電位差は減少する。なお、各ゲート線GCLに対応する部分検出領域PAAでの、実際の露光期間Pex(1)、…、Pex(M)は、開始のタイミング及び終了のタイミングが異なっている。露光期間Pex(1)、…、Pex(M)は、それぞれ、リセット期間Prstでゲート駆動信号Vgclが高レベル電圧の電源電圧VDDから低レベル電圧の電源電圧VSSに変化したタイミングで開始される。また、露光期間Pex(1)、…、Pex(M)は、それぞれ、読み出し期間Pdetでゲート駆動信号Vgclが電源電圧VSSから電源電圧VDDに変化したタイミングで終了する。各露光期間Pex(1)、…、Pex(M)の露光時間の長さは等しい。
【0083】
ゲート線非選択時露光制御方法において、露光期間Pex{(1)・・・(M)}及では、各部分検出領域PAAで、光センサPDに照射された光に応じて電流が流れる。この結果、各容量素子Caに電荷が蓄積される。
【0084】
読み出し期間Pdetが開始する前のタイミングで、制御回路122は、リセット信号RST2を低レベル電圧にする。これにより、リセット回路17の動作が停止する。尚、リセット信号はリセット期間Prstのみ高レベル電圧としてもよい。読み出し期間Pdetでは、リセット期間Prstと同様に、ゲート線駆動回路15は、ゲート線GCLにゲート駆動信号Vgcl(1)、…、Vgcl(M)を順次供給する。
【0085】
具体的には、
図8に示すように、ゲート線駆動回路15は、行読み出し期間VR(1)において、ゲート線GCL(1)に、高レベル電圧(電源電圧VDD)のゲート駆動信号Vgcl(1)を供給する。制御回路122は、ゲート駆動信号Vgcl(1)が高レベル電圧(電源電圧VDD)の期間に、選択信号ASW1、…、ASW6を、信号線選択回路16に順次供給する。これにより、ゲート駆動信号Vgcl(1)により選択された部分検出領域PAAの信号線SGLが順次、又は同時に検出回路48に接続される。この結果、検出信号Vdetが部分検出領域PAAごとに検出回路48に供給される。
【0086】
同様に、ゲート線駆動回路15は、行読み出し期間VR(2)、…、VR(M-1)、VR(M)において、ゲート線GCL(2)、…、GCL(M-1)、GCL(M)に、それぞれ高レベル電圧のゲート駆動信号Vgcl(2)、…、Vgcl(M-1)、Vgcl(M)を供給する。すなわち、ゲート線駆動回路15は、行読み出し期間VR(1)、VR(2)、…、VR(M-1)、VR(M)ごとに、ゲート線GCLにゲート駆動信号Vgclを供給する。各ゲート駆動信号Vgclが高レベル電圧となる期間ごとに、信号線選択回路16は選択信号ASWに基づいて、順次信号線SGLを選択する。信号線選択回路16は、信号線SGLごとに順次、1つの検出回路48に接続する。これにより、読み出し期間Pdetで、検出装置1は、全ての部分検出領域PAAの検出信号Vdetを検出回路48に出力することができる。
【0087】
以下、
図9を参照して、
図6における1つのゲート駆動信号Vgcl(j)の供給期間である行読み出し期間VR中の動作例について説明する。
図6では、最初のゲート駆動信号Vgcl(1)に行読み出し期間VRの符号を付しているが、他のゲート駆動信号Vgcl(2)、…、Vgcl(M)についても同様である。jは、1からMのいずれかの自然数である。
【0088】
図9および
図4に示すように、第3スイッチング素子TrSの出力(Vout)は予め基準電位(Vref)電圧にリセットされている。基準電位(Vref)電圧はリセット電圧とされ、例えば0.75Vとされる。次にゲート駆動信号Vgcl(j)がハイレベルとなり当該行の第1スイッチング素子Trがオンし、各行の信号線SGLは当該部分検出領域PAAの容量(容量素子Ca)に蓄積された電荷に応じた電圧になる。ゲート駆動信号Vgcl(j)の立ち上がりから期間t1の経過後、選択信号ASW(k)がハイになる期間t2が生じる。選択信号ASW(k)がハイになって第3スイッチング素子TrSがオンすると、当該第3スイッチング素子TrSを介して検出回路48と接続されている部分検出領域PAAの容量(容量素子Ca)に充電された電荷により、第3スイッチング素子TrSの出力(Vout)(
図4参照)が当該部分検出領域PAAの容量(容量素子Ca)に蓄積された電荷に応じた電圧に変化する(期間t3)。
図9の例では期間t3のようにこの電圧はリセット電圧から下がっている。その後、スイッチSSWがオン(SSW信号のハイレベルの期間t4)すると当該部分検出領域PAAの容量(容量素子Ca)に蓄積された電荷が検出回路48の検出信号増幅部42の容量(容量素子Cb)へ電荷が移動し、検出信号増幅部42の出力電圧は容量素子Cbに蓄積された電荷に応じた電圧となる。このとき検出信号増幅部42の反転入力部はオペアンプのイマジナリショート電位となるため、基準電位(Vref)に戻っている。検出信号増幅部42の出力電圧はA/D変換部43で読み出す。
図9の例では、各列の信号線SGLに対応する選択信号ASW(k)、ASW(k+1)、…の波形がハイになって第3スイッチング素子TrSを順次オンさせ、同様の動作を順次行うことで当該ゲート線GCLに接続された部分検出領域PAAの容量(容量素子Ca)に蓄積された電荷を順次読み出している。なお
図9におけるASW(k)、ASW(k+1)…は、例えば、
図9におけるASW1からASW6のいずれかである。
【0089】
具体的には、スイッチSSWがオンになる期間t4が生じると、部分検出領域PAAの容量(容量素子Ca)から検出回路48の検出信号増幅部42の容量(容量素子Cb)へ電荷が移動する。このとき検出信号増幅部42の非反転入力(+)は、基準電位(Vref)電圧(例えば、0.75[V])にバイアスされている。このため、検出信号増幅部42の入力間のイマジナリショートにより第3スイッチング素子TrSの出力(Vout)も基準電位(Vref)電圧になる。また、容量素子Cbの電圧は、選択信号ASW(k)に応じて第3スイッチング素子TrSがオンした箇所の部分検出領域PAAの容量(容量素子Ca)に蓄積された電荷に応じた電圧となる。検出信号増幅部42の出力は、イマジナリショートによって第3スイッチング素子TrSの出力(Vout)が基準電位(Vref)電圧になった後に、容量素子Cbの容量に応じた電圧になり、この出力電圧をA/D変換部43で読み取る。なお、容量素子Cbの電圧とは、例えば、容量素子Cbを構成するコンデンサに設けられる2つの電極間の電圧である。
【0090】
なお、期間t1は、例えば20[μs]である。期間t2は、例えば60[μs]である。期間t3は、例えば44.7[μs]である。期間t4は、例えば0.98[μs]である。
【0091】
図10に示すように、期間t(1)、期間t(2)、期間t(3)、期間t(4)のそれぞれにおいて、検出装置1は、上述したリセット期間Prst、露光期間Pex{(1)・・・(M)}及び読み出し期間Pdetを実行する。リセット期間Prst及び読み出し期間Pdetにおいて、ゲート線駆動回路15は、ゲート線GCL(1)からゲート線GCL(M)まで順次走査する。以下の説明において、各期間tでの検出、すなわち、リセット期間Prst及び読み出し期間Pdetでゲート線GCL(1)からゲート線GCL(M)まで走査され、各列の信号線SGLから検出信号Vdetを取得する検出を、1フレームの検出と表す。
【0092】
制御回路122は、検出対象に応じて光源の点灯、非点灯を制御することができる。
図10では、期間t(1)及び期間t(3)に第1光源61が点灯され、期間t(2)及び期間t(4)に第2光源62が点灯される例を示している。すなわち、
図10に示す例において、制御回路122は、1フレームの検出ごとに、第1光源61と第2光源62とを交互に点灯、非点灯を切り換える。これに限らず、例えば、制御回路122は、所定期間ごとに第1光源61及び第2光源62の点灯、非点灯を切り換えてもよいし、いずれか一方を連続して点灯してもよい。
【0093】
なお、
図6から
図10では、ゲート線駆動回路15がゲート線GCLを個別に選択する例を示したが、これに限定されない。ゲート線駆動回路15は、2以上の所定数のゲート線GCLを同時に選択し、所定数のゲート線GCLごとに順次ゲート駆動信号Vgclを供給してもよい。また、信号線選択回路16も、2以上の所定数の信号線SGLを同時に1つの検出回路48に接続してもよい。また更には、ゲート線駆動回路15は、複数のゲート線GCLを間引いて走査してもよい。
【0094】
図8に示すように、行読み出し期間VR(1)において、ゲート駆動信号Vgcl(1)が高レベル電圧(電源電圧VDD)の期間に、選択信号ASW1、…、ASW6が、信号線選択回路16に順次供給される。すなわち、時刻t11で選択信号ASW1が低レベル電圧になった後も、時刻t13でゲート駆動信号Vgcl(1)が低レベル電圧になるまでの露光期間Pex-1に、継続して露光される。露光期間Pex-1に応じた電荷が、光センサPDから、選択信号ASW1に対応する信号線SGL(1)にチャージされる。
【0095】
同様に、各選択信号ASW1、…、ASW6に応じた露光期間Pex-1、…、Pex-6のそれぞれで、各信号線SGLに電荷がチャージされる。例えば、露光期間Pex-6は時刻t12で選択信号ASW6が低レベル電圧になった後、時刻t13でゲート駆動信号Vgcl(1)が低レベル電圧になるまでの期間であり、列ごとに露光期間Pexが異なる。
【0096】
そして、次の行読み出し期間VR(2)では、2行目の検出信号Vdetに、前の行読み出し期間VR(1)の露光期間Pex-1(SGL(1))・・・・Pex-6(SGL(6))の期間でチャージされた電荷分が合計された信号が、検出回路48に供給される。
【0097】
上述したように、本開示において、FPC71は、検出装置1の使用状況やアプリケーション等に応じて長さを変更することができる。例えば、検出対象が指Fgであるか手首であるか、臨床にて生体情報を取得するか、あるいは、検査対象者が運動しているときの生体情報を取得するか、検査対象者の体格の違い、さらには、検出装置1が用いられるシステムの全体構成等の差異によって、FPC71の長さを最適化する必要がある。
【0098】
以下、検出装置1のFPC71の長さを変更可能とする構成について説明する。
図11は、実施形態に係る検出装置において、FPCの長さを変更可能とする構成の一例を示す概略図である。
【0099】
図11に示すように、本実施形態において、検出装置1のFPC71には、センサ基板21と制御基板121との間の複数個所に、切断可能であることを示す切断指示線74が設けられている。また、FPC71は、複数の切断指示線74ごとに、それぞれ端子部72が設けられている。具体的には、FPC71の制御基板121側の端部、及び、切断指示線74のセンサ基板21側、すなわち、各切断指示線74で切断した際にFPC71の制御基板121側の端部となる箇所には、制御基板121と接続するための端子部72が設けられている。各切断指示線74は、例えばFPC71にシルク印刷される態様であっても良い。
【0100】
図12Aは、FPCと制御基板との第1接続例を示す図である。
図12Aでは、FPC71を切断指示線74aで切断し、制御基板121と接続した例を示している。
【0101】
センサ基板21の各配線(不図示)と、FPC71の各配線73とは、例えば異方性導電膜(ACF:Anisotropic Conductive Film)を用いて電気的に接続される。
【0102】
制御基板121には、コネクタ127が設けられている。FPC71の端部の端子部72(
図12では、端子部72a)がコネクタ127に差し込まれることで、FPC71と制御基板121とが接続される。具体的に、制御基板121の各配線(不図示)と、FPC71の各配線73とは、FPC71の各配線73に設けられた端子部72(
図12では、端子部72a)の各パッドがコネクタ127の各接点(不図示)と接触することで、電気的に接続される。
【0103】
FPC71の各配線73は、制御基板121の各構成部と電気的に接続される。具体的に、FPC71の各配線73は、それぞれコネクタ127の各接点を介して、検出回路48、制御回路122、電源回路123、出力回路126と接続される。
【0104】
図12Bは、FPCと制御基板との第2接続例を示す図である。
図12Bでは、FPC71を切断指示線74bで切断し、制御基板121と接続した例を示している。
【0105】
図12Cは、FPCと制御基板との第3接続例を示す図である。
図12Cでは、FPC71を切断指示線74cで切断し、制御基板121と接続した例を示している。
【0106】
図12Dは、FPCと制御基板との第4接続例を示す図である。
図12Dでは、FPC71を切断指示線74dで切断し、制御基板121と接続した例を示している。
【0107】
図11に示すように、検出装置1のFPC71のセンサ基板21と制御基板121との間の複数個所に切断指示線74を設け、各切断部位A,B,C,Dでそれぞれ切断指示線74a、切断指示線74b、切断指示線74c、切断指示線74dに沿って切断することで、
図12A、
図12B、
図12C、
図12Dに示すように、FPC71の長さを変更することができる。これにより、FPC71の長さを、検出装置1の使用状況や生体情報を取得する際の適用部位に応じて最適化することができる。
【0108】
図13A及び
図13Bは、FPCの各切断指示線における断面図の例を示す図である。
図13Aでは、FPC71の片面に各配線73を設けた例を示している。
図13Bでは、FPC71の両面に各配線73を設けた例を示している。
図13A及び
図13Bにおいて、各配線73aはグランド配線を示し、各配線73bは電源配線を示している。また、各配線73cは、各種信号配線を示している。電源配線73bは、例えば、電源回路123からセンサ部10に供給される基準信号COM、センサ電源信号VDDSNS等の配線を含む。信号配線73cは、センサ部10から出力される光センサPDの検出信号Vdet等の配線を含む。センサ部10と検出回路48との間の接続に用いられる信号配線73cは、例えば、8mm幅の範囲に70本~80本の信号配線73cが設けられる。
【0109】
FPC71の両面に各配線73を設けた場合、切断指示線74に沿ってFPC71を切断した際に、FPC71の基材が変形して各面に設けた配線がショートする可能性がある。
図13Bに示すように、FPC71の基材を挟んで対向する各配線を同電位の配線とすることで、異なる電位の配線がFPC71を切断した際にショートすることを防ぐことができる。具体的には、
図13Bに示すように、例えば、グランド配線73aの裏面にグランド配線73aを配置し、電源配線73bの裏面に電源配線73bを配置する。このような態様とすることで、FPC71の一方の面に設けられた電源配線73bと、FPC71の他方の面に設けられたグランド配線73aとは、平面視においてずれて配置される。これにより、FPC71を切断した際に、FPC71の一方の面に設けられた電源配線73bと、FPC71の他方の面に設けられたグランド配線73aとがショートすることを防ぐことができる。
【0110】
図14は、切断指示線の断面図である。
図14に示すように、切断指示線74は、例えば、各配線73の間に、FPC71の基材を貫通するドット列で構成される態様であっても良い。この場合、
図14に示すように、隣り合うドットdの間隔Sは、グランド配線73a及び電源配線73bの幅Wよりも大きく、且つ、グランド配線73aと電源配線73bとの間には、少なくとも1つのドットdが設けられていることが望ましい。これにより、切断指示線74に沿ってFPC71を切断した際に、隣り合うグランド配線73aと電源配線73bとがショートすることを防ぐことができる。
【0111】
図15A、
図15B、及び
図15Cは、端子部に設けられるパッドの配置例を示す図である。
図15A及び
図15Bは、FPC71を一方面から見たときのパッドPの配置例を示している。
図15Cは、FPC71の両面にパッドPを設けた場合の切断指示線74に沿う断面図を示している。
【0112】
端子部72に設けられるパッドPは、例えば、
図15Aに示すように、切断指示線74に沿って一列に並ぶ態様であっても良いし、例えば、
図15Bに示すように、切断指示線74に沿って千鳥配置とした態様であっても良い。また、
図15Cに示すように、FPC71の両面にパッドPが設けられる態様であっても良い。なお、
図15A及び
図15Bに示すように、パッドが並ぶ端子部72の表面には、絶縁性の保護シールSTが貼り付けられた態様であることが好ましい。さらに、
図15Cに示すように、FPC71の両面にパッドPを設ける場合には、両面のパッドPが互い違いになるように配置される態様であっても良い。なお、絶縁性の保護シールSTに代えて、絶縁性材料が塗布される態様であっても良い。
【0113】
ここで、FPC71の長さを変更すると、センサ部10と検出回路48との間の配線長が変化する。センサ部10と検出回路48との間の配線長が変化すると、信号配線73cの容量成分や抵抗成分が変化する。具体的には、センサ部10と検出回路48との間の配線長が長くなると、信号配線73cの容量成分や抵抗成分が大きくなる。信号配線73cの容量成分や抵抗成分の変化に伴い、センサ部10から出力される信号の波形が変化すると、後段の制御回路122の信号処理部44における処理後のデータ値に影響を及ぼし、適切な制御を行えない可能性がある。
【0114】
以下、制御回路122がFPC71の切断部位を判断して適切な制御を行うための構成について説明する。
【0115】
(変形例1)
図16は、変形例1に係る切断部位判定回路のブロック構成の一例を示す図である。
図17は、
図16に示す切断検出用配線の一例を示す図である。
【0116】
図16に示すように、変形例1に係る切断部位判定回路200は、切断検出部210と、比較部220と、判定部230と、を備える。
【0117】
切断検出部210は、第1抵抗211a,211b,211c,211dと、第2抵抗212a,212b,212c,212dと、切断検出用配線73da,73db,73dc,73ddと、を含む。変形例1において、第1抵抗211a,211b,211c,211d及び第2抵抗212a,212b,212c,212dは、制御基板121上に設けられる。なお、変形例1では、第1抵抗211a,211b,211c,211dの抵抗値をr1とし、第2抵抗212a,212b,212c,212dの抵抗値をr2としている。
【0118】
切断検出用配線73da,73db,73dc,73ddは、
図17に示すように、それぞれ切断指示線74a,74b,74c,74dに対応して、FPC71上に設けられる。具体的に、切断検出用配線73daは、制御基板121から延びてFPC71の切断指示線74d、切断指示線74c、切断指示線74b、切断指示線74aを跨ぎ、再び、切断指示線74a、切断指示線74b、切断指示線74c、切断指示線74dを跨いで制御基板121に戻る。切断検出用配線73dbは、制御基板121から延びてFPC71の切断指示線74d、切断指示線74c、切断指示線74bを跨ぎ、再び、切断指示線74b、切断指示線74c、切断指示線74dを跨いで制御基板121に戻る。切断検出用配線73dcは、制御基板121から延びてFPC71の切断指示線74d、切断指示線74cを跨ぎ、再び、切断指示線74c、切断指示線74dを跨いで制御基板121に戻る。切断検出用配線73ddは、制御基板121から延びてFPC71の切断指示線74dを跨ぎ、再び、切断指示線74dを跨いで制御基板121に戻る。
【0119】
変形例1において、切断部位判定回路200は、切断検出用配線73da,73db,73dc,73ddの電圧レベルに応じて、複数の切断指示線74a,74b,74c,74dの何れにおいて切断されたかを判定する。
【0120】
第1抵抗211aと第2抵抗212aとは、切断検出用配線73daを介して直列接続されている。第1抵抗211a、第2抵抗212a、及び切断検出用配線73daからなる直列回路は、第1抵抗211a側の端部に電源回路123から電源電圧Vdcが供給され、第2抵抗212a側の端部がグランド電位GNDに接続されている。切断検出用配線73daと第2抵抗212aとの接続点における検出電位VDout(A)が、比較部220に出力される。
【0121】
第1抵抗211bと第2抵抗212bとは、切断検出用配線73dbを介して直列接続されている。第1抵抗211b、第2抵抗212b、及び切断検出用配線73dbからなる直列回路は、第1抵抗211b側の端部に電源回路123から電源電圧Vdcが供給され、第2抵抗212b側の端部がグランド電位GNDに接続されている。切断検出用配線73dbと第2抵抗212bとの接続点における検出電位VDout(B)が、比較部220に出力される。
【0122】
第1抵抗211cと第2抵抗212cとは、切断検出用配線73dcを介して直列接続されている。第1抵抗211c、第2抵抗212c、及び切断検出用配線73dcからなる直列回路は、第1抵抗211c側の端部に電源回路123から電源電圧Vdcが供給され、第2抵抗212c側の端部がグランド電位GNDに接続されている。切断検出用配線73dcと第2抵抗212cとの接続点における検出電位VDout(C)が、比較部220に出力される。
【0123】
第1抵抗211dと第2抵抗212dとは、切断検出用配線73ddを介して直列接続されている。第1抵抗211d、第2抵抗212d、及び切断検出用配線73ddからなる直列回路は、第1抵抗211d側の端部に電源回路123から電源電圧Vdcが供給され、第2抵抗212d側の端部がグランド電位GNDに接続されている。切断検出用配線73ddと第2抵抗212dとの接続点における検出電位VDout(D)が、比較部220に出力される。
【0124】
比較部220及び判定部230は、制御基板121上に設けられる。なお、比較部220及び判定部230は、いずれか一方あるいは双方が制御回路122に含まれる態様であっても良い。
【0125】
比較部220は、ボルテージフォロワ回路221a,221b,221c,221dと、コンパレータ回路222a,222b,222c,222dと、を備えている。
【0126】
検出電位VDout(A)は、ボルテージフォロワ回路221aに入力される。ボルテージフォロワ回路221aの出力は、コンパレータ回路222aに入力される。検出電位VDout(B)は、ボルテージフォロワ回路221bに入力される。ボルテージフォロワ回路221bの出力は、コンパレータ回路222bに入力される。検出電位VDout(C)は、ボルテージフォロワ回路221cに入力される。ボルテージフォロワ回路221cの出力は、コンパレータ回路222cに入力される。検出電位VDout(D)は、ボルテージフォロワ回路221dに入力される。ボルテージフォロワ回路221dの出力は、コンパレータ回路222dに入力される。なお、
図16に示す比較部220の構成は一例であって、
図16に示す構成とは異なる構成を採用することも可能である。比較部220の構成によって本開示が限定されるものではない。
【0127】
比較部220は、切断検出部210から出力される検出電位VDout(A),VDout(B),VDout(C),VDout(D)のそれぞれと比較基準電位VCrefとを比較し、判定信号LGout(A),LGout(B),LGout(C),LGout(D)を判定部230に出力する。判定部230は、比較部220から出力される判定信号LGout(A),LGout(B),LGout(C),LGout(D)に基づき、FPC71の切断部位を判定し、判定結果を制御回路122に出力する。
【0128】
次に、変形例1に係る切断部位判定回路200の動作について説明する。
図18は、変形例1に係る切断部位判定回路における各判定信号と切断部位との関係を示す図である。
【0129】
FPC71が切断指示線74aに沿って切断部位Aで切断され、制御基板121に接続されているとき、切断検出用配線73daのみが導通し、切断検出用配線73db,73dc,73ddが非導通となる。このとき、検出電位VDout(A)は、Vdc×r2/(r1+r2)となり、検出電位VDout(B),VDout(C),VDout(D)は、グランド電位GNDとなる。
【0130】
変形例1では、比較基準電位VCrefをVdc×r
2/(r
1+r
2)>VCrefとなるように設定する。このとき、判定信号LGout(A),LGout(B),LGout(C),LGout(D)は、
図18に示すように、「L」、「H」、「H」、「H」となる。判定部230は、FPC71が切断部位Aで切断されていることを示す判定結果を制御回路122に出力する。
【0131】
FPC71が切断指示線74bに沿って切断部位Bで切断され、制御基板121に接続されているとき、切断検出用配線73da,73dbが導通し、切断検出用配線73dc,73ddが非導通となる。このとき、検出電位VDout(A),VDout(B)は、Vdc×r2/(r1+r2)となり、検出電位VDout(C),VDout(D)は、グランド電位GNDとなる。
【0132】
このとき、判定信号LGout(A),LGout(B),LGout(C),LGout(D)は、
図18に示すように、「L」、「L」、「H」、「H」となる。判定部230は、FPC71が切断部位Bで切断されていることを示す判定結果を制御回路122に出力する。
【0133】
FPC71が切断指示線74cに沿って切断部位Cで切断され、制御基板121に接続されているとき、切断検出用配線73da,73db,73dcが導通し、切断検出用配線73ddのみが非導通となる。このとき、検出電位VDout(A),VDout(B),VDout(C)は、Vdc×r2/(r1+r2)となり、検出電位VDout(D)は、グランド電位GNDとなる。
【0134】
このとき、判定信号LGout(A),LGout(B),LGout(C),LGout(D)は、
図18に示すように、「L」、「L」、「L」、「H」となる。判定部230は、FPC71が切断部位Cで切断されていることを示す判定結果を制御回路122に出力する。
【0135】
FPC71が切断指示線74dに沿って切断部位Dで切断され、制御基板121に接続されているとき、全ての切断検出用配線73da,73db,73dc,73ddが導通となる。このとき、検出電位VDout(A),VDout(B),VDout(C),VDout(D)は、Vdc×r2/(r1+r2)となる。
【0136】
このとき、判定信号LGout(A),LGout(B),LGout(C),LGout(D)は、
図18に示すように、「L」、「L」、「L」、「L」となる。判定部230は、FPC71が切断部位Dで切断されていることを示す判定結果を制御回路122に出力する。
【0137】
上述した変形例1の構成により、制御回路122がFPC71の切断部位を判断して適切な制御を行うことができる。
【0138】
(変形例2)
図19は、変形例2に係る切断部位判定回路のブロック構成の一例を示す図である。
図20は、変形例2に係る第1抵抗の一例を示す図である。
【0139】
図19に示すように、変形例2に係る切断部位判定回路200Aは、切断検出部210Aと、比較部220Aと、判定部230Aと、を備える。
【0140】
切断検出部210Aは、第1抵抗75と、第2抵抗212Aと、を含む。変形例2において、第1抵抗75は、抵抗75a,75b,75c,75dからなる直列抵抗回路である。第1抵抗75は、
図20に示すように、それぞれ切断指示線74a,74b,74c,74dに対応する抵抗75a,75b,75c,75dが直列接続されてFPC71上に設けられる。具体的に、抵抗75a,75b,75c,75dは、制御基板121から延びてFPC71の切断指示線74d、切断指示線74c、切断指示線74b、切断指示線74aを跨ぎ、再び、切断指示線74a、切断指示線74b、切断指示線74c、切断指示線74dを跨いで制御基板121に戻る配線上に設けられる。抵抗75aは、切断指示線74aのセンサ基板21側に設けられる。抵抗75bは、切断指示線74aと切断指示線74bとの間に設けられる。抵抗75cは、切断指示線74bと切断指示線74cとの間に設けられる。抵抗75dは、切断指示線74cと切断指示線74dとの間に設けられる。
【0141】
変形例2において、切断部位判定回路200Aは、抵抗75a,75b,75c,75dからなる直列抵抗回路の出力に基づき、複数の切断指示線74a,74b,74c,74dの何れにおいて切断されたかを判定する。
【0142】
また、変形例2において、第2抵抗212Aは、制御基板121上に設けられる。なお、変形例2では、第1抵抗75を構成する抵抗75a,75b,75c,75dの抵抗値をr1とし、第2抵抗212Aの抵抗値をr2としている。
【0143】
切断検出部210Aは、第1抵抗75と第2抵抗212Aとが直列接続されて構成される。第1抵抗75及び第2抵抗212Aからなる直列回路は、第1抵抗75側の端部に電源回路123から電源電圧Vdcが供給され、第2抵抗212A側の端部がグランド電位GNDに接続されている。第1抵抗75と第2抵抗212Aとの接続点における検出電位VDout(X)(Xは、A,B,C,D)が、比較部220Aに出力される。
【0144】
比較部220A及び判定部230Aは、制御基板121上に設けられる。なお、比較部220A及び判定部230Aは、いずれか一方あるいは双方が制御回路122に含まれる態様であっても良い。
【0145】
比較部220Aは、ボルテージフォロワ回路221と、コンパレータ回路222a,222b,222c,222dと、を備えている。
【0146】
検出電位VDout(X)は、ボルテージフォロワ回路221に入力される。ボルテージフォロワ回路221の出力は、コンパレータ回路222a,222b,222c,222dに入力される。なお、
図19に示す比較部220Aの構成は一例であって、
図19に示す構成とは異なる構成を採用することも可能である。比較部220Aの構成によって本開示が限定されるものではない。
【0147】
比較部220Aは、切断検出部210Aから出力される検出電位VDout(X)と、第1比較基準電位VCrefa、第2比較基準電位VCrefb、第3比較基準電位VCrefc、第1比較基準電位VCrefdのそれぞれと比較し、判定信号LGout(A),LGout(B),LGout(C),LGout(D)を判定部230Aに出力する。判定部230Aは、比較部220Aから出力される判定信号LGout(A),LGout(B),LGout(C),LGout(D)に基づき、FPC71の切断部位を判定し、判定結果を制御回路122に出力する。
【0148】
次に、変形例2に係る切断部位判定回路200Aの動作について説明する。
図21は、変形例2に係る切断部位判定回路における各判定信号と切断部位との関係を示す図である。
【0149】
FPC71が切断指示線74aに沿って切断部位Aで切断され、制御基板121に接続されているとき、第1抵抗75の抵抗値R1は、抵抗75aの抵抗値r1となる(R1=r1)。このとき、検出電位VDout(X)(=VDout(A))は、Vdc×r2/(r1+r2)となる。
【0150】
FPC71が切断指示線74bに沿って切断部位Bで切断され、制御基板121に接続されているとき、第1抵抗75の抵抗値R1は、抵抗75a,75bの合成抵抗値2×r1となる(R1=2×r1)。このとき、検出電位VDout(X)(=VDout(B))は、Vdc×r2/(2×r1+r2)となる。
【0151】
FPC71が切断指示線74cに沿って切断部位Cで切断され、制御基板121に接続されているとき、第1抵抗75の抵抗値R1は、抵抗75a,75b,75cの合成抵抗値3×r1となる(R1=3×r1)。このとき、検出電位VDout(X)(=VDout(C))は、Vdc×r2/(3×r1+r2)となる。
【0152】
FPC71が切断指示線74dに沿って切断部位Dで切断され、制御基板121に接続されているとき、第1抵抗75の抵抗値R1は、抵抗75a,75b,75c,75dの合成抵抗値4×r1となる(R1=4×r1)。このとき、検出電位VDout(X)(=VDout(D))は、Vdc×r2/(4×r1+r2)となる。
【0153】
変形例2では、第1比較基準電位VCrefa、第2比較基準電位VCrefb、第3比較基準電位VCrefc、第4比較基準電位VCrefd、検出電位VDout(A),VDout(B),VDout(C),VDout(D)の大小関係を、VCrefa>VDout(A)>VCrefb>VDout(B)>VCrefc>VDout(C)>VCrefd>VDout(D)となるように設定する。
【0154】
FPC71が切断指示線74aに沿って切断部位Aで切断され、制御基板121に接続されているとき、判定信号LGout(A),LGout(B),LGout(C),LGout(D)は、
図21に示すように、「H」、「L」、「L」、「L」となる。判定部230Aは、FPC71が切断部位Aで切断されていることを示す判定結果を制御回路122に出力する。
【0155】
FPC71が切断指示線74bに沿って切断部位Bで切断され、制御基板121に接続されているとき、判定信号LGout(A),LGout(B),LGout(C),LGout(D)は、
図21に示すように、「H」、「H」、「L」、「L」となる。判定部230Aは、FPC71が切断部位Bで切断されていることを示す判定結果を制御回路122に出力する。
【0156】
FPC71が切断指示線74cに沿って切断部位Cで切断され、制御基板121に接続されているとき、判定信号LGout(A),LGout(B),LGout(C),LGout(D)は、
図21に示すように、「H」、「H」、「H」、「L」となる。判定部230Aは、FPC71が切断部位Cで切断されていることを示す判定結果を制御回路122に出力する。
【0157】
FPC71が切断指示線74dに沿って切断部位Dで切断され、制御基板121に接続されているとき、判定信号LGout(A),LGout(B),LGout(C),LGout(D)は、
図21に示すように、「H」、「H」、「H」、「H」となる。判定部230Aは、FPC71が切断部位Dで切断されていることを示す判定結果を制御回路122に出力する。
【0158】
上述した変形例2の構成により、制御回路122がFPC71の切断部位を判断して適切な制御を行うことができる。
【0159】
(変形例3)
図22は、変形例3に係る切断部位判定回路のブロック構成の一例を示す図である。
図23は、変形例3に係る第1抵抗の一例を示す図である。
【0160】
図22に示すように、変形例3に係る切断部位判定回路200Bは、切断検出部210Bと、比較部220Bと、判定部230Bと、を備える。
【0161】
切断検出部210Bは、第1抵抗76と、第2抵抗212Bと、を含む。変形例3において、第1抵抗76は、抵抗76a,76b,76c,76dからなる並列抵抗回路である。第1抵抗76は、
図23に示すように、それぞれ切断指示線74a,74b,74c,74dに対応する抵抗76a,76b,76c,76dが並列接続されてFPC71上に設けられる。具体的に、抵抗76a,76b,76c,76dは、制御基板121から延びてFPC71の切断指示線74d、切断指示線74c、切断指示線74b、切断指示線74aを跨ぐ2本の配線の間に設けられる。抵抗76aは、切断指示線74aのセンサ基板21側に設けられる。抵抗76bは、切断指示線74aと切断指示線74bとの間に設けられる。抵抗76cは、切断指示線74bと切断指示線74cとの間に設けられる。抵抗76dは、切断指示線74cと切断指示線74dとの間に設けられる。
【0162】
変形例3において、切断部位判定回路200Bは、抵抗76a,76b,76c,76dからなる並列抵抗回路の出力に基づき、複数の切断指示線74a,74b,74c,74dの何れにおいて切断されたかを判定する。
【0163】
また、変形例3において、第2抵抗212Bは、制御基板121上に設けられる。なお、変形例3では、第1抵抗76を構成する76a,76b,76c,76dの抵抗値をr1とし、第2抵抗212Bの抵抗値をr2としている。
【0164】
切断検出部210Bは、第1抵抗76と第2抵抗212Bとが直列接続されて構成される。第1抵抗76及び第2抵抗212Bからなる直列回路は、第1抵抗76側の端部に電源回路123から電源電圧Vdcが供給され、第2抵抗212B側の端部がグランド電位GNDに接続されている。第1抵抗76と第2抵抗212Bとの接続点における検出電位VDout(X)(Xは、A,B,C,D)が、比較部220Bに出力される。
【0165】
比較部220B及び判定部230Bは、制御基板121上に設けられる。なお、比較部220B及び判定部230Bは、いずれか一方あるいは双方が制御回路122に含まれる態様であっても良い。
【0166】
比較部220Bは、ボルテージフォロワ回路221と、コンパレータ回路222a,222b,222c,222dと、を備えている。
【0167】
検出電位VDout(X)は、ボルテージフォロワ回路221に入力される。ボルテージフォロワ回路221の出力は、コンパレータ回路222a,222b,222c,222dに入力される。なお、
図22に示す比較部220Bの構成は一例であって、
図22に示す構成とは異なる構成を採用することも可能である。比較部220Bの構成によって本開示が限定されるものではない。
【0168】
比較部220Bは、切断検出部210Bから出力される検出電位VDout(X)と、第1比較基準電位VCrefa、第2比較基準電位VCrefb、第3比較基準電位VCrefc、第1比較基準電位VCrefdのそれぞれと比較し、判定信号LGout(A),LGout(B),LGout(C),LGout(D)を判定部230Bに出力する。判定部230Bは、比較部220Bから出力される判定信号LGout(A),LGout(B),LGout(C),LGout(D)に基づき、FPC71の切断部位を判定し、判定結果を制御回路122に出力する。
【0169】
次に、変形例3に係る切断部位判定回路200Bの動作について説明する。
図24は、変形例3に係る切断部位判定回路における各判定信号と切断部位との関係を示す図である。
【0170】
FPC71が切断指示線74aに沿って切断部位Aで切断され、制御基板121に接続されているとき、第1抵抗76の抵抗値R1は、抵抗76aの抵抗値r1となる(R1=r1)。このとき、検出電位VDout(X)(=VDout(A))は、Vdc×r2/(r1+r2)となる。
【0171】
FPC71が切断指示線74bに沿って切断部位Bで切断され、制御基板121に接続されているとき、第1抵抗76の抵抗値R1は、抵抗76a,76bの合成抵抗値r1/2となる(R1=r1/2)。このとき、検出電位VDout(X)(=VDout(B))は、Vdc×r2/(r1/2+r2)となる。
【0172】
FPC71が切断指示線74cに沿って切断部位Cで切断され、制御基板121に接続されているとき、第1抵抗76の抵抗値R1は、抵抗76a,76b,76cの合成抵抗値r1/3となる(R1=r1/3)。このとき、検出電位VDout(X)(=VDout(B))は、Vdc×r2/(r1/3+r2)となる。
【0173】
FPC71が切断指示線74dに沿って切断部位Dで切断され、制御基板121に接続されているとき、第1抵抗76の抵抗値R1は、抵抗76a,76b,76c,76dの合成抵抗値r1/4となる(R1=r1/4)。このとき、検出電位VDout(X)(=VDout(B))は、Vdc×r2/(r1/4+r2)となる。
【0174】
変形例3では、第1比較基準電位VCrefa、第2比較基準電位VCrefb、第3比較基準電位VCrefc、第4比較基準電位VCrefd、検出電位VDout(A),VDout(B),VDout(C),VDout(D)の大小関係を、VCrefa>VDout(D)>VCrefb>VDout(C)>VCrefc>VDout(B)>VCrefd>VDout(A)となるように設定する。
【0175】
FPC71が切断指示線74aに沿って切断部位Aで切断され、制御基板121に接続されているとき、判定信号LGout(A),LGout(B),LGout(C),LGout(D)は、
図24に示すように、「H」、「H」、「H」、「H」となる。判定部230Bは、FPC71が切断部位Aで切断されていることを示す判定結果を制御回路122に出力する。
【0176】
FPC71が切断指示線74bに沿って切断部位Bで切断され、制御基板121に接続されているとき、判定信号LGout(A),LGout(B),LGout(C),LGout(D)は、
図24に示すように、「H」、「H」、「H」、「L」となる。判定部230Bは、FPC71が切断部位Bで切断されていることを示す判定結果を制御回路122に出力する。
【0177】
FPC71が切断指示線74cに沿って切断部位Cで切断され、制御基板121に接続されているとき、判定信号LGout(A),LGout(B),LGout(C),LGout(D)は、
図24に示すように、「H」、「H」、「L」、「L」となる。判定部230Bは、FPC71が切断部位Cで切断されていることを示す判定結果を制御回路122に出力する。
【0178】
FPC71が切断指示線74dに沿って切断部位Dで切断され、制御基板121に接続されているとき、判定信号LGout(A),LGout(B),LGout(C),LGout(D)は、
図24に示すように、「H」、「L」、「L」、「L」となる。判定部230Bは、FPC71が切断部位Dで切断されていることを示す判定結果を制御回路122に出力する。
【0179】
上述した変形例3の構成により、制御回路122がFPC71の切断部位を判断して適切な制御を行うことができる。
【0180】
なお、上述した各変形例における判定結果の利用目的により本開示が限定されるものではない。例えば、上述した各変形例において、検出装置1の起動時の判定結果として、制御基板121にFPCが接続されていない場合、具体的には、例えば、変形例1において、判定信号LGout(A),LGout(B),LGout(C),LGout(D)が「H」、「H」、「H」、「H」となった場合には、外部の上位制御装置(不図示)にセンサ基板21の付け直しを促すメッセージを表示させる態様であっても良い。
【0181】
以上、本発明の好適な実施の形態を説明したが、本発明はこのような実施の形態に限定されるものではない。実施の形態で開示された内容はあくまで一例にすぎず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で行われた適宜の変更についても、当然に本発明の技術的範囲に属する。上述した各実施形態及び各変形例の要旨を逸脱しない範囲で、構成要素の種々の省略、置換及び変更のうち少なくとも1つを行うことができる。
【符号の説明】
【0182】
1 検出装置
10 センサ部
11 検出制御部
15 ゲート線駆動回路
16 信号線選択回路
21 センサ基板
40 検出部
48 検出回路
61 第1光源(光源)
62 第2光源(光源)
71 フレキシブルプリント基板(FPC)
72,72a,72b,72c,72d 端子部
73 配線
73a グランド配線
73b 電源配線
73c 信号配線
73da,73db,73dc,73dd 切断検出用配線
74,74a,74b,74c,74d 切断指示線
75,76 第1抵抗
122 制御回路
123 電源回路
126 出力回路
200,200A,200B 切断部位判定回路
210,210A,210B 切断検出部
211a,211b,211c,211d 第1抵抗
212a,212b,212c,212d,212A,212B 第2抵抗
220,220A,220B 比較部
221,221a,221b,221c,221d ボルテージフォロワ回路
222a,222b,222c,222d コンパレータ回路
230,230A,230B 判定部
AA 検出領域
GA 周辺領域
GCL ゲート線
PD 光センサ
SGL 信号線
Tr 第1スイッチング素子
Vgcl ゲート駆動信号