(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022163656
(43)【公開日】2022-10-26
(54)【発明の名称】クリーンテーブルブース
(51)【国際特許分類】
F24F 7/06 20060101AFI20221019BHJP
H04R 3/02 20060101ALI20221019BHJP
H04R 3/12 20060101ALI20221019BHJP
H04R 3/00 20060101ALI20221019BHJP
B01D 46/00 20220101ALI20221019BHJP
A47B 13/00 20060101ALI20221019BHJP
A47B 96/04 20060101ALI20221019BHJP
【FI】
F24F7/06 C
H04R3/02
H04R3/12 Z
H04R3/00 320
B01D46/00 F
A47B13/00 Z
A47B96/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021068737
(22)【出願日】2021-04-14
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】501359412
【氏名又は名称】株式会社リンテック21
(74)【代理人】
【識別番号】100144277
【弁理士】
【氏名又は名称】乙部 孝
(72)【発明者】
【氏名】富田 真次
(72)【発明者】
【氏名】田上 貴也
(72)【発明者】
【氏名】瀧田 秀雄
【テーマコード(参考)】
3B053
3L058
4D058
5D220
【Fターム(参考)】
3B053NQ09
3B053NQ10
3L058BF03
4D058JA01
4D058QA03
4D058QA15
4D058QA17
4D058QA21
4D058QA25
4D058SA04
4D058SA15
4D058UA25
5D220AA11
5D220BA06
5D220BC05
5D220CC04
5D220CC06
5D220CC08
(57)【要約】
【課題】
会話や会食の際にウイルス感染の恐れを減らしつつ相互の会話が行える簡便な環境となるクリーンテーブルブースを安価に提供する。
【解決手段】
複数の人が近接して他人と会話又は会食をする際に口や鼻から生じる飛沫の他人への飛散を減少させながら他人との会話又は会食のできる環境を提供するクリーンテーブルブースであって、正面が開放された筐体と、前記クリーンテーブルブースの中に空気流を生じて還流させる送風機と、前記空気流に含まれる飛沫の通過を妨げるフィルタとが設けられる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の人が近接して他人と会話又は会食をする際に口や鼻から生じる飛沫の他人への飛散を減少させながら他人との会話又は会食のできる環境を提供するクリーンテーブルブースであって、
正面が開放された筐体と、
前記クリーンテーブルブースの中に空気流を生じて還流させる送風機と、
前記空気流に含まれる飛沫の通過を妨げるフィルタとが設けられることを特徴とするクリーンテーブルブース。
【請求項2】
すくなくとも前記筐体の側面と背面が透明部材で構成されることを特徴とする請求項1に記載のクリーンテーブルブース。
【請求項3】
前記正面の上部に遮蔽部材が設けられることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のクリーンテーブルブース。
【請求項4】
前記送風機が前記筐体の天井付近に置かれ、下方から吸気する前記送風機の吸気側に前記フィルタが設けられることを特徴とする請求項1乃至請求項3何れかに記載のクリーンテーブルブース。
【請求項5】
前記送風機からの前記空気流が前記正面を囲む位置へ導かれ、所定の向きへ放出されるエアカーテン空気流となりエアカーテンを形成することを特徴とする請求項1乃至請求項4何れかに記載のクリーンテーブルブース。
【請求項6】
前記エアカーテン空気流が前記筐体の内側へ向いていることを特徴とする請求項5に記載のクリーンテーブルブース。
【請求項7】
前記エアカーテン空気流が前記正面の左右又は上部に設けられた配管の穴からの空気流により形成されることを特徴とする請求項5又は6に記載のクリーンテーブルブース。
【請求項8】
各々の前記筐体にマイクとスピーカーが備えられ、自筐体のマイクからの信号が他筐体のみへ送られ、他筐体のマイクからの信号が自筐体へ送られるよう構成される音響装置を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項6何れかに記載のクリーンテーブルブース。
【請求項9】
前記マイクが、前記筐体を使用する使用者の口に向けた指向性を有する指向性マイクであることを特徴とする請求項8に記載のクリーンテーブルブース。
【請求項10】
前記筐体の壁面が断面コの字型の保持部材へ嵌め込まれたアクリル板で構成され、 取り外しと組立が簡単で、日常のクリーニングが容易に出来る事を特徴とする請求項1乃至請求項9何れかに記載のクリーンテーブルブース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は会話や会食の際に他人からの飛沫によるウイルス感染を減らす環境を提供するクリーンテーブルブースに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、面談での会話や会食の際に他人からの飛沫を受けウイルス感染する可能性が高まることが指摘されている。そのためウイルス感染の拡大に伴い、面談での会話や会食の機会が奪われることが増えている。対策として他人からの飛沫を避けるために机の上にパーティションを置く新型コロナウイルス感染症対策家具が提案されている(特許文献1)。また、机の上に自立するための脚板を備え下端の中央に開放部を設けたパーティションが開示されている(特許文献2)。さらに病院のベッドを覆う簡易クリーンブースも開示されている(特許文献3)。
【0003】
特許文献1及び特許文献2に示される簡便に使えるパーティションは飛沫の対策に不安が残る。また、特許文献3に示す本格的な対策が可能なクリーンブースは大掛かりで費用も嵩むので事務所や飲食店への導入は難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3230675号公報
【特許文献2】特許第6757056号公報
【特許文献3】特開2004-44823号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願発明の課題の設定は上述した事情に鑑みなされたもので、本願発明の主たる目的は、会話や会食の際にウイルス感染の恐れを減らしつつ相互の会話が行える簡便な環境となるクリーンテーブルブースを安価に提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のクリーンテーブルブースは、複数の人が近接して他人と会話又は会食をする際に口や鼻から生じる飛沫の他人への飛散を減少させながら他人との会話又は会食のできる環境を提供するクリーンテーブルブースであって、正面が開放された筐体と、前記クリーンテーブルブースの中に空気流を生じて還流させる送風機と、前記空気流に含まれる飛沫の通過を妨げるフィルタとが設けられることを特徴とするクリーンテーブルブースである。
【0007】
複数の人が近接して他人と会話又は会食をする際に口や鼻から生じる飛沫の他人への飛散を減少させながら他人との会話又は会食のできる環境を提供するクリーンテーブルブースであって、正面が開放された筐体と、前記クリーンテーブルブースの中に空気流を生じて還流させる送風機と、前記空気流に含まれる飛沫の通過を妨げるフィルタとが設けられることを特徴とするクリーンテーブルブースなので、感染の恐れが少ない環境を容易に構成することができる。
【0008】
請求項2に記載のクリーンテーブルブースは、すくなくとも前記筐体の側面と背面が透明部材で構成されることを特徴とする請求項1に記載のクリーンテーブルブースである。
【0009】
前記筐体の側面と背面が透明部材で構成されるので対面及び両脇の人の表情や雰囲気を容易に把握することができる。
【0010】
請求項3に記載のクリーンテーブルブースは、前記正面の上部に遮蔽部材が設けられることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のクリーンテーブルブースである。
【0011】
正面の上部に遮蔽部材が設けられるので、筐体内部の空気の筐体の外部への流出の抑止を図れる。
【0012】
請求項4に記載のクリーンテーブルブースは、前記送風機が前記筐体の天井付近に置かれ、下方から吸気する送風機の吸気側に前記フィルタが設けられることを特徴とする請求項1乃至請求項3何れかに記載のクリーンテーブルブースである
【0013】
送風機が前記筐体の天井付近に置かれ、下方から吸気する前記送風機の吸気側に前記フィルタが設けられるので筐体の空気が繰り返しフィルタを通ることでフィルタ作用が効果的になる。
【0014】
請求項5に記載のクリーンテーブルブースは、前記送風機の排気側からの前記空気流が前記正面を囲む位置へ導かれ、所定の向きへ放出されるエアカーテン空気流となりエアカーテンを形成することを特徴とする請求項1乃至請求項4何れかに記載のクリーンテーブルブースである。
【0015】
前記送風機の排気側からの前記空気流が前記正面を囲む位置へ導かれ、所定の向きへ放出されるエアカーテン空気流となりエアカーテンを形成するので、筐体内部の空気の外部への漏れの減少を図れる。
【0016】
請求項6に記載のクリーンテーブルブースは、前記エアカーテン空気流が前記筐体の内側へ向いていることを特徴とする請求項5に記載のクリーンテーブルブースである。
【0017】
前記エアカーテン空気流が前記筐体の内側へ向いているので筐体内部の空気の外部への漏れの減少を図る効果の向上を図れる。
【0018】
請求項7に記載のクリーンテーブルブースは、前記エアカーテン空気流が前記正面の左右又は上部に設けられた配管の穴からの空気流により形成されることを特徴とする請求項5又は6に記載のクリーンテーブルブースである。
【0019】
エアカーテン空気流が前記正面の左右又は上部に設けられた配管の穴からの空気流により形成されるので穴の位置大きさを選ぶことで所定のエアカーテン空気流の生成が容易になる。
【0020】
請求項8に記載のクリーンテーブルブースは、各々の前記筐体にマイクとスピーカーが備えられ、自筐体のマイクからの信号が他筐体のみへ送られ、他筐体のマイクからの信号が自筐体へ送られるよう構成される音響装置を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項7何れかに記載のクリーンテーブルブースである。
【0021】
各々の前記筐体にマイクとスピーカーが備えられ、自筐体のマイクからの信号が他筐体のみへ送られ、他筐体のマイクからの信号が自筐体へ送られるよう構成される音響装置を備えるので他の筐体の参加者との会話を容易に行うことができる。
【0022】
請求項9に記載のクリーンテーブルブースは、マイクが、前記筐体を使用する使用者の口に向けた指向性を有する指向性マイクであることを特徴とする請求項8に記載のクリーンテーブルブースである。
【0023】
筐体に備えられたマイクが筐体を使用する使用者の口に向けた指向性を有する指向性マイクであるのでハウリングを起こしづらく明瞭な音声で会話をすることができる。
【0024】
請求項10に記載のクリーンテーブルブースは、前記筐体の壁面が断面コの字型の保持部材へ嵌め込まれたアクリル板で構成され、 取り外しと組立が簡単で、日常のクリーニングが容易に出来ることを特徴とする請求項1乃至請求項9何れかに記載のクリーンテーブルブースである。
【0025】
筐体の壁面が断面コの字型の保持部材へ嵌め込まれたアクリル板で構成されるのでアクリル板の取り外しや組み立て取り付けが容易になり必要に応じてアクリス板の消毒を容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】クリーンテーブルブース全体の外観図である。
【
図2】クリーンテーブルブースの(A)筐体、(B)空気流関連装置の説明図である。
【
図3】(A)送風機と配管の平面図、(B)送風機と配管の斜め下からの斜視図である。
【
図4】(A)送風機と空気流、(B)筐体内の送風機と空気流の説明図である。
【
図5】(A)音響装置の構成図,(B)RJ―45端子の説明図である。
【
図6】(A)干渉菅型指向性マイク、(B)二次音圧傾度型指向性マイク、(C)保持具の断面図の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
ウイルスによる感染症の拡大を防ぐために対面での会話や会食が大きく制限される現状は人々の生活に大きな影響を与えている。本発明は従来提供されている感染症対策の手段の抱える問題点を解決するべく発明者の試行錯誤の開発から生まれたものである。以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0028】
ウイルスは生体に寄生することで生存しており寄生先の存在しない環境では単独でその活性を維持することができない。したがって人から人への感染はウイルスを含む人の鼻や口などからの体液中のウイルスを摂取することにより広がる。そこで近接しての会話や会食でのウイルスの感染対策には会話や会食の際に生じる鼻や口からの飛沫が会話や会食相手により摂取されることを防止することが必要になる。
【0029】
本発明のクリーンテーブルブースは会話や会食の参加者毎に用意される感染防止の環境を提供するために、
図1に示すような構造を備える。本発明のクリーンテーブルブースは使用者の椅子の前の机の上に設置され参加者は個別にクリーンテーブルブースの提供する環境を使用する。
【0030】
「第1実施例」
本願発明のクリーンテーブルブース10を以下に説明する。
図1に示すクリーンテーブルブースの筐体11の寸法は間口が70cm,奥行き60cm,高さ90cmである。この寸法は目的に応じて適宜選択される。
図1に示すように、クリーンテーブルブースの正面は開放されておりそこへ使用者が頭と手を入れて作業や食事を行うので他人への飛沫の飛散が減少し使用者からの飛沫が直接届くことが無くなる。正面の上部には内部の空気の外部への流出を抑える遮蔽部材17としてアクリル板が設けてある。この板は透明だと頭をぶつけやすいので有色透明やラッピングで目立ちやすい色にすることが好ましい。クリーンテーブルブースの側面及び背面は透明部材で構成されているので目の前に居る人や両脇に座る人の顔や様子がよく分かる。透明部材は無色透明でも有色や模様が含まれていても良い。
【0031】
筐体11の天井部材12は透明でも不透明でも良い。天井部材の上に送風機20が備えられて筐体の天井部材の穴を通して下部から吸気して配気管30へ排気する。送風機の吸気側には会話者や会食者からの飛沫を捉え飛沫の通過を妨げるフィルタが装着されている。
【0032】
会話者や会食者からの飛沫は送風機の生成する空気流に乗って送風機の吸入側へ吸い込まれる際に吸気側に装着されたフィルタにより概ね除去される。フィルタは通気性の有る布、紙、スポンジなどが使用可能であるが今回は入手の容易さから市販の不織布マスクを使用した。不織布マスクのフィルタ効果について、国立病院機構仙台医療センター臨床研究部ウイルスセンター長の西村秀一医師による研究では、不織布マスクにおいて2.0-5.0μmの粒子では98.4%、0.3-0.5μmの粒子で90%以上の微粒子除去性能が報告されている。筐体内の空気が内部へ還流され複数回フィルタを通過すると除去効果はさらに大きくなることが期待される。
【0033】
図2に示すようにクリーンテーブルブース10は筐体11の上に送風機20と配管30を組み合わせて構成される。配管から送出される空気流の一部は筐体内に送られ再度送風機の吸入口へと流れフィルタを通過する。筐体内の空気を外部へ排気せずに筐体の内部へ還流させることで食事の際の料理の香りが筐体内に留まるので会食に適した環境となる。
【0034】
図3に送風機と配管の様子を示す。
図3(A)は送風機20と配管30の平面図である。送風機の羽は一般の換気扇で使われるプロペラフィアンを用いた。用途に応じて風量、風圧に勝るシロッコファンやターボファンを用いても良い。
【0035】
図3(B)の配管は筐体11の正面の開放部の両脇と上部へ筐体正面を囲む位置へ空気流を導き筐体の内部へエアカーテン空気流を形成する。配管30に開けられた穴31,32は左右両側から斜め内側へ放出されて筐体の内部へ向く空気流を生じる。又上部の配管の穴33から下方へ吹き出す空気流も筐体の内側向いていて、両側の配管の穴31,32からの空気流を合わさってエアカーテン空気流となりエアカーテンを形成する。
【0036】
「第2実施例」
図4を用いて本願発明の第2実施例のクリーンテーブルブース60を説明する。
図4に示すクリーンテーブルブース60の筐体61の寸法は間口が70cm,奥行き60cm,高さ90cmである。この寸法は目的に応じて適宜選択される。
図4に示すように、クリーンテーブルブースの正面は開放されておりそこへ使用者が頭と手を入れて作業や食事を行うので他人への飛沫の飛散が減少し使用者からの飛沫が直接届くことが無くなる。正面の上部には内部の空気の外部への流出を抑える遮蔽部材67としてアクリル板が設けてある。この板は透明だと頭をぶつけやすいので有色透明やラッピングで目立ちやすい色にすることが好ましい。クリーンテーブルブースの側面及び背面は透明部材で構成されているので目の前に居る人や両脇に座る人の顔や様子がよく分かる。透明部材は無色透明でも有色や模様が含まれていても良い。
【0037】
図4(A)は、筐体61の内部へ収めた送風機25とこれが生成する空気流41を示す。送風機25は筐体の天井部材12に取り付けられた梁部材13へ固定される。送風機25が下部から吸気して上部へ排気する空気流は天井部材12で反射されて横へ向かい下方へと送出される。
【0038】
図4(B)に示す筐体60に設置された送風機25からの空有流の正面側へ送気される成分は遮蔽部材67となるアクリル板などに反射されて筐体61の中へ還流する。
図4(B)に示すように下方へ創出された空気流はテーブルにより反射されて上方へ向かう空気流40となり送風機の吸入口への向かい再度フィルタを通過して排気されるので筐体内の空気の一部が還流することでフィルタを複数回通過する。開放されている正面からの外部からの空気は送風機25からの風圧に押され、主に正面の下部から流入する。
【0039】
図5(A)に、複数の参加者が各々のクリーンテーブルブースの前に座った状態で会話を可能にする音響装置の構成図を示す。配線は市販のLANケーブルを用い接続には
図5(B)に示すRJ-45コネクタを用いた。RJ-45コネクタ及び市販のLANケーブルにより8本のピンと芯線が接続される。8本の芯線の中GNDと電源に芯線2本を使い残りの6本の芯線により6回線のバス型配線の構成とした。各々のクリーンテーブルブースにはマイクとスピーカーが備えられている。各々のクリーンテーブルブースにはそれぞれ1番から6番までの番号が割り当てられる。1番のクリーンテーブルブースはユニット1として、1番のマイクスイッチをONにしてそれ以外を全てOFFとする。また1番のスピーカースイッチをOFFにしてその他全てのスイッチをONにする。そうするとユニット1からの発話はユニット1以外のユニットへ伝送されるがユニット1のスピーカーには伝送されない。また他のユニット2乃至ユニット6全ての人の発話はユニット1で聞くことができる。6回線を超える場合は、LANケーブルと音響装置を増やして対応する。
【0040】
6つのクリーンテーブルブースを一組として設置した場合に6回線は二組に分けて使用することもできる。Aグループをユニット12,3、4とし、Bグループをユニット5、6とする場合は、ユニット1,2,3,4を接続し、ユニット5,6をのみを接続することでグループAとグル-プBを分離して使うことができる。それぞれ自分のグループ内のみでの会話を行える。
【0041】
クリーンテーブルブースの自筐体からの音声は他の他筐体のユニットを経由して自分のスピーカーへ戻って来るのでハウリングが問題となる。また鼻や口からの飛沫を少なくするためには会話はなるべく小さな声で話すことが求められる。そこで、今回マイクには発話者の口へ向けて指向性を有する指向性マイクを用いた。ハウリング防止には、ハウリングを起こす周波数帯をフィルタで減衰させることや、発話者の音声信号を逆位相で発話者の筐体のスピーカーへ供給することで打ち消すこともできる。
【0042】
指向性マイクには
図6(A)に示す干渉菅型と
図6(B)に示す二次音圧傾度型がよく使われている。干渉菅型はマイクに取り付けた干渉菅の機械的な構造により音波の位相差により非指向性方向からの音を打ち消している。二次音圧傾度型は正相と逆相2つの単一指向性マイクロホンユニットの出力を組み合わせて指向性を獲得している。
【0043】
本発明の筐体に使われるアクリル板などの透明部材を
図6(C)に示すコの字型断面を有する保持部材に嵌め込むことで壁面を簡便に構成することができる。コの字型の部材は、机の上に置かれる保持部材の他に、壁面の部材であるアクリル板を保持する保持部材である柱部材16にも使用される。
【0044】
コの字型の部材を採用することで透明部材の保持部材からの取り外しも容易なので飲食店などで客の交代に合せて透明部材を消毒済のクリーニングした透明部材に交換することで感染対策の向上を図ることができる。
【0045】
本発明は簡便な感染症対策の環境の提供を課題としており、その解決手段が本発明の技術思想である。本発明により会話や会食を行うための感染の不安が少ない環境を提供することができるので昨今の対面会話や会食の需要を満たすことに繋がり産業の発展に帰するものである。
【符号の説明】
【0046】
10 第1実施例のクリーンテーブルブース
11 筐体
12 天井部材
13 梁部材
15 保持部材
16 柱部材
17 遮蔽部材
20 送風機「第1実施例」
25 送風機「第2実施例」
30 配管
31,32,33 空気孔
40 上昇空気流
41 下方空気流
42 外部からの空気流
50 音響装置
55 RJ-45コネクタ
60 第2実施例のクリーンテーブルブース
61 筐体
67 遮蔽部材