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特開2022-163798包丁ホルダ及び包丁ホルダ装置並びに包丁
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022163798
(43)【公開日】2022-10-27
(54)【発明の名称】包丁ホルダ及び包丁ホルダ装置並びに包丁
(51)【国際特許分類】
   A47J 47/16 20060101AFI20221020BHJP
【FI】
A47J47/16 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021068844
(22)【出願日】2021-04-15
(71)【出願人】
【識別番号】520234763
【氏名又は名称】堤 康博
(74)【代理人】
【識別番号】100092163
【弁理士】
【氏名又は名称】穴見 健策
(72)【発明者】
【氏名】堤康博
【テーマコード(参考)】
4B066
【Fターム(参考)】
4B066AB01
4B066AB04
4B066EE09
4B066EE42
4B066EE48
(57)【要約】      (修正有)
【課題】調理中の頻繁な収納、取り出し操作を安全確実に行え、衛生的な包丁ホルダを提供する。
【解決手段】包丁ホルダ1は、包丁の峰の頂部を保持して包丁全体を空中で吊支するホルダ体10と、ホルダ体に取り付けられ包丁の峰の頂部を吸着しつつ着脱自在に磁力支持する磁石30と、ホルダ体の挿入部から包丁を横方向に挿入させる際に磁石よりも挿入手前位置に設けられ磁石の吸着面から少なくとも低い位置で包丁の峰の頂部に当接する当接部を有する案内器50と、を備える
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
包丁の峰の頂部を保持して包丁全体を空中で吊支するホルダ体と、
ホルダ体に取り付けられ包丁の峰の頂部を吸着しつつ着脱自在に磁力支持する磁石と、
ホルダ体の挿入部から包丁を横方向に挿入させる際に磁石よりも挿入手前位置に設けられ磁石の吸着面から少なくとも低い位置で包丁の峰の頂部に当接する当接部を有する案内器と、を備えたことを特徴とする包丁ホルダ。
【請求項2】
案内器は、包丁の横方向からの挿入方向に交差する方向に設けられた係合子または回転ローラであることを特徴とする請求項1記載の包丁ホルダ。
【請求項3】
請求項1の包丁ホルダと、
該包丁ホルダを横方向に長い状態で基台から所要の高さ位置で支持するスタンド装置と、を含むことを特徴とする包丁ホルダ装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の包丁ホルダの磁石に磁力支持される包丁であり、包丁の峰の頂部に設けられ包丁の峰の頂部線から凹設され案内器の当接部が嵌脱自在に嵌合する凹部を有することを特徴とする包丁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包丁を保持する包丁ホルダ、包丁ホルダ装置並びに包丁に関する。
【背景技術】
【0002】
出願人は、調理作業に際し、台所で煮炊き、味の確認、調味料投入、煮炊き中の食材の攪拌等の煩雑な作業を同時並行して行わねばならず、特に食材の加熱中の作業等の中で、食材切り揃えのための包丁を流し台下の扉裏面や引出等の収容部に戻さざるを得ず、このため調理中の食材を器材外部にこぼしたり、誤って手指を傷つけたりする事故もある点に照らし、特許文献1に示す包丁ホルダ及び包丁ホルダ装置の提案を行った。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6789434号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の包丁ホルダ及び包丁ホルダ装置は、ホルダ体の一端側から見て幅方向略中央位置に磁石列を配置したホルダ体に取り付けた磁石により包丁を着脱自在に磁力支持させる包丁ホルダを提案したものである。これによれば、調理中の包丁の煩雑な収納、取り出し動作でラフな取り扱いでも安定して包丁を収容保持し得る包丁ホルダを提案している。しかしながら、特許文献1の包丁ホルダ及び包丁ホルダ装置では、包丁の落下防止のために強力な磁石を用いるから、収納及び取出し時に、力を入れて包丁を出し入れする必要があり、包丁のホルダへの収容、取り出し動作の安定に欠ける問題があった。また、ホルダへの収納時に包丁保持上、安全な位置までの挿入が不足したり、挿入を深く入れ過ぎて磁石位置からずれてしまい、包丁が落下するおそれがあった。
【0005】
本発明は上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、その一つの目的は、調理中の包丁の頻繁な収納、取り出し動作においてもホルダへの一定の収納位置に安定して収容保持させ、安全に取扱いができる包丁ホルダ及び包丁ホルダ装置並びに包丁を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明は、包丁hの峰bhの頂部tを保持して包丁全体を空中で吊支するホルダ体10と、ホルダ体10に取り付けられ包丁hの峰bhの頂部tを吸着しつつ着脱自在に磁力支持する磁石30と、ホルダ体10の挿入部7から包丁hを横方向に挿入させる際に磁石30よりも挿入手前位置に設けられ磁石の吸着面30as、30bsから少なくとも低い位置で包丁hの峰bhの頂部tに当接する当接部52を有する案内器50と、を備えた包丁ホルダ1から構成される。
【0007】
その際、案内器50は、包丁hの横方向からの挿入方向に交差する方向に設けられた係合子54または回転ローラ60であるとよい。
【0008】
また、本発明は、請求項1の包丁ホルダ1と、該包丁ホルダ1を横方向に長い状態で基台152から所要の高さ位置で支持するスタンド装置150と、を含む包丁ホルダ装置120で構成される。
【0009】
さらに、本発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の包丁ホルダ1の磁石30に磁力支持される包丁hであり、包丁hの峰bhの頂部tに設けられ包丁hの峰bhの頂部t線から凹設され案内器50の当接部52が嵌脱自在に嵌合する凹部12を有する包丁hで構成される。
【発明の効果】
【0010】
本発明の包丁ホルダ及び包丁ホルダ装置並びに包丁によれば、調理中の包丁の頻繁な収納、取り出しが必要な場合でも、安定して包丁をホルダ内へ収容、取り出しでき、調理の質、内容を充実させることが可能である
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態に係る包丁ホルダの概略斜視説明図であり、支持すべき包丁と共に示している。
図2図1の包丁ホルダの拡大斜視説明図である。
図3図1の包丁ホルダの一部省略平面説明図である。
図4図1の包丁ホルダの短手側端面図である。
図5】包丁ホルダの案内器を回転ローラとした包丁ホルダの他の実施形態の斜視説明図である。
図6】(a)から(d)は、実施形態の包丁ホルダに装着される包丁の種々の凹部の実施形態を示す側面説明図である。
図7図1図5の包丁ホルダを取り付けた包丁ホルダ装置の正面説明図である。
図8図7の包丁ホルダ装置への包丁の装着状態を示す断面説明図である。
図9図7の包丁ホルダ装置への包丁の装着完了状態を示す断面説明図である。
図10】包丁ホルダ装置の他の実施形態を示す斜視説明図である。
図11図10の包丁ホルダ装置に包丁を取り付け支持させた状態を示す斜視説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下添付図面を参照しつつ本発明の包丁ホルダ及び包丁ホルダ装置並びにそれらに用いられる包丁の実施形態について説明する。
【0013】
図1ないし図4は、本発明の実施形態に係る包丁ホルダの概略構成を示しており、図1、2において包丁ホルダ1は、ホルダ体10と、ホルダ体10に取り付けられた磁石30と、案内器50と、を含む。
【0014】
ホルダ体10は、包丁ホルダの骨格部分を形成して包丁全体を吊支する包丁ホルダの本体部分であり、実施形態において、ホルダ体10は一方向に長い厚肉の板状体で構成されている。
【0015】
ホルダ体10には後述のように長手方向に沿って複数の磁石が取り付けられる。ホルダ体10は、包丁を吊支可能な剛体であればよく、材質は任意のものを選択することができる。例えば硬質プラスチック、軽金属、セラミック、木・竹材質、金属、合金、複合材料等を用いることができる。
【0016】
ホルダ体10は、図に示すように、板状体の板面を上下に配置した場合にそれぞれ上下の板面の中央部分が板状体の全長にわたって長手方向に溝状に凹設した凹部12を有している。したがって、図2に示すように端面側から見ると鉄亜鈴状に中央部分の上下の凹部12で挟まれた部分が薄肉部14を形成し、両端側が拡大部16を形成している。そして、ホルダ体10の端面側が包丁を挿入装着する際の挿入部7とされる。なお、ホルダ体10の形状は、断面鉄亜鈴状のものに限られない。例えば、ホルダ体10の上面側は円弧状、隆起状に拡大、突出したものでもよい。包丁の峰の頂部を磁石の磁力で吊支する必要から、下面側は刃を下に向けた横長状態の包丁の厚みより大きな厚み幅のスペースを形成させる必要がある。
【0017】
拡大部16はホルダ体10を横長状態で種々のスタンドや既存の台所の下部や設備等に取り付ける際、アングル金具や取付金具との連結基部となる。
【0018】
図2,3において、ホルダ体10の厚み内部には薄肉部14を含んでホルダ体の長手方向に長矩形板状の孔18が開孔されている。そして、孔18の一端開口側から例えば小形の永久磁石30を挿入して所要の間隔幅でホルダ体10内に磁石30を埋設させている。そして、各磁石30の磁界中心で包丁hの峰の頂部tを磁気吸着して包丁を横長状態で吊支する。薄肉部内の永久磁石30により包丁hの峰の頂部を確実に磁気吸着して包丁の刃の下向き状態での吊支を確実にすることができる。実施形態では図2,3において、下側の薄肉部14と拡大部16との接続部分は下向きに拡大方向に傾斜した壁面を有して台形状空間STを形成するので、その中央部において包丁の峰の頂部tを磁力吸着させたときにその両側に十分な空隙が形成され、ラフな取り扱いでも確実に設定位置に包丁を保持することが可能となる。
【0019】
磁石30は、包丁hの峰bhの頂部tを着脱自在に磁力支持する磁石手段であり、該磁石30は、ホルダ体10に取り付けられてホルダ体10の下面側で包丁hの刃bを下に向けた状態で吊支する。磁石30は、間隔Dを設けて磁石が2個以上列状に設けられて包丁hの峰bhの頂部tを着脱自在に磁力支持する。実施形態において、磁石30として2個の永久磁石30a、30bが間隔Dをあけて取り付けられている。なお、41は包丁のグリップ、42は包丁本体をグリップ41に取り付ける口金である。
【0020】
さらに、本実施形態において、ホルダ体10の一端側からみて幅方向略中央位置に磁石30が配置されている。これによって、包丁hの峰bhの頂部tを磁力吸着して包丁の刃43を下側に向けて吊支する際に包丁の身44の両側に十分な空隙ができ大まかな包丁の出し入れ動作の際にも包丁の身が周囲の壁面や設備機器等に接触することなく、包丁を使用することができる。
【0021】
包丁ホルダ1は、ホルダ体10を支持する支持スタンドやフレームを利用して台所の大部分に設置して使用することができる。また、通常、包丁を収納する空間の壁部や設備等を利用して既設壁面や設備自体に直接に取り付けてもよい。
【0022】
本発明において特徴的なことは、ホルダ体10への包丁hの横方向挿入手前位置に案内器50を設けたことである。案内器50は、包丁hの横方向挿入手前位置に配置される当接部52を有している。当接部52は磁石30の吸着面30as、30bs(図8図9)の高さ位置より少なくとも低い位置で包丁hの峰bhの頂部tに当接し包丁の挿入入口において磁石吸着力を比較的に小さくして吸着力を抑制しつつ、包丁をホルダ体の下面位置に挿入案内する案内手段である。さらに、包丁自体に設けた後述する凹部12と協働して包丁の包丁ホルダ1への挿入位置決めを行う位置決め手段の構成要素である。
【0023】
案内器50は、取付高さ位置を種々変更することにより磁石30による吸着力の大きさを変更することができる。また、当接部52の高さを微調整により上下変更可能としてもよい。
【0024】
案内器50の具体的な構成は磁石吸着面30as、30bsより低位置で包丁の峰の頂部に当接する当接部52を有しておればよく、限定されるものではない。本実施形態において、案内器50は、当接部52を有する係合子54又は回転ローラ60から構成されている。
【0025】
図1ないし図4の実施形態では、案内器50は、係合子54としての半円柱形のピン55から構成されている。実施形態において、半円柱形のピン55は、円弧部を下側に向けてホルダ体10の長手方向に交差あるいは略直交する方向にその長手方向を配置させてビス止めや嵌合その他の固定手段でホルダ体10の下面側に固定されている。そして、このピン55が第1の永久磁石30aよりも挿入手前位置であって、半円柱形のピン55の円弧頂部線が第1永久磁石30aの吸着面30as(図6図7)よりも低い位置に設定されている。これによって、必要以上に力を入れて包丁ホルダ1へ包丁を挿入させることなく軽い操作でホルダへ装着し、吊支させることができる。本実施形態では、案内器50はホルダ体10に組み込まれているが、ホルダ体とは別体で既成の設備や支持部等に案内器を取り付けてホルダ体の磁石と協働して包丁の挿入、装着を円滑に行えるようにしてもよい。
【0026】
また、案内器50は図5に示すように、回転ローラ60で構成することもできる。図5の実施形態では、ホルダ体10の長手方向に交差あるいは略直交する方向にその長手方向を配置させてローラ軸62を取り付け、このローラ軸にローラ体64を回転自在に設けている。そして、この回転ローラ60が第1の永久磁石30aよりも挿入手前位置であって、ローラ面の最低位位置が第1永久磁石30aの吸着面30as(図6図7)よりも低い位置に設定される。これによって、必要以上に力を入れて包丁ホルダ1へ包丁を挿入させることなく軽い操作でホルダへ装着し、吊支させることができる。この実施形態では、ローラ体64が回転するので、挿入方向への包丁の変位を円滑に行える。
【0027】
また、案内器50の当接部52は、単に下向きに突設された突起体としてもよい。突起体の突起形状は例えば球体あるいは半球体あるいは任意の立体形状でもよい。
【0028】
実施形態による図1ないし図5の包丁ホルダ1に対し、ホルダに装着する包丁自体についても特徴的構成を有することにより有利な効果を得ることができる。図1、2、8、9、10、11において、包丁ホルダ1に装着支持される包丁hは、包丁の峰bhの頂部線から凹設された凹部12を有している。凹部12は、磁石の吸着面より下位に設置された案内器50の当接部52が包丁の横移動の際に滑落して嵌合し包丁のホルダへの挿入位置位置あるいは挿入停止位置を決めると共に、その際に実質的に包丁の峰の頂部tが上昇するぶんだけ吸着面に接近して吸着力を大きくし磁石による吸着吊支を確実にする位置決め指示手段である。
【0029】
図1、2、8、9、10、11の実施形態では、凹部12は、反転下底長台形形状である。凹部12は、案内器50の当接部52が包丁の横移動の際に滑落して嵌合し包丁hの峰の頂部tが実質的に上昇する動きを行えばよく、凹部の形状自体が限定的である必要はない。例えば、図6(a)のように包丁ホルダの短手方向に設置した棒状の係合子であって、下向きに凹設される断面V字形、図6(b)の断面円弧形としてもよい。また、図6(c)は、球体または半球体の凹部、図6(d)は、下向き棒形状の凹部でもよい。図6(c)、(d)は、案内器50の当接部52を、下向きに突設した突起体とした場合に緊密な嵌合状態で嵌合するものであり、それぞれ、嵌合状態では包丁が前後、左右にぶれない安定性を保持したり、完全なロック機能を有することとなり、保管時、展示時の安全性を保持し得る。なお、図上、41は包丁のグリップ、42は、包丁本体をグリップ41に取り付ける口金、43は包丁の刃である。
【0030】
次に、図7図9において本発明の第2の実施形態に係る包丁ホルダ装置120について説明する。包丁ホルダ装置120は、第1実施形態で説明した包丁ホルダ1と、包丁ホルダ1を所要の高さ位置で支持するスタンド装置150と、を含む。
【0031】
スタンド装置150は、包丁ホルダ1を横方向に長い状態で基台152から所要の高さ位置で支持する高さ支持手段であり、少なくとも包丁hの刃先から峰までの直線長さ(身幅)よりも高い高さで支持する。実施形態において、スタンド装置150は、基台152と基台152に一体に連結したL字板部154とからなる全体がコ字形の装置である。この実施形態のスタンド装置150は、包丁の挿入方向の左又は右側が開口しており、これによって、包丁の出し入れを比較的にラフな動作であってもできる。また、製作が簡単で低コストで製作可能である。特に、アクリル板その他の透明プラスチック材等で構成することにより台所等に適した清潔感を生じさせる。包丁ホルダ1のスタンド装置150への取り付けは接着、ビス固定その他任意の固定方法を用いて行える。
【0032】
また、図10図11に示すように、第3実施形態としてのスタンド装置170を構成することができる。図において、スタンド装置170は、台板172と、枢支部174を介して台板172に対して一端側を枢着させ他端側を開閉自在に高さ調整可能な取付部176と、を含む。実施形態において、台板172に基柱178を立設し、基柱178の上端部に設けた図示しない枢支ピンを有する枢支部174を介して取付部176の他端側が開閉自在に回動可能となっている。そして、任意の回動位置で係止可能となっている。取付部176は長矩形板から構成されており、端部下面側に包丁ホルダ1が固定されている。第3実施形態において案内器50の係合子は下に凸の半円柱体であり、反転下底長台形形状の凹部12を有する包丁hと嵌合する。この実施形態でもスタンド装置170自体を簡単に移動して使用することができるほか、包丁ホルダ1を担持する取付部176の包丁挿入端側が開閉するから包丁の挿入方向を任意に設定することが可能である。なお、スタンド装置170自体は、これに限定されるものではなく、包丁ホルダ1を横方向に長い状態で基台から所要の高さ位置で支持する構造であれば、特に限定されるものではない。
【0033】
以上説明した、実施形態の包丁ホルダでは、包丁の峰の頂部を保持して包丁全体を空中で吊支するホルダ体と、ホルダ体に取り付けられ包丁の峰の頂部を吸着しつつ着脱自在に磁力支持する磁石と、ホルダ体の挿入部から包丁を横方向に挿入させる際に磁石よりも挿入手前位置に設けられ磁石の吸着面から少なくとも低い位置で包丁の峰の頂部に当接する当接部を有する案内器と、を備えた構成とすることにより、包丁へのホルダへの挿入時に軽くて楽な挿入操作で操作でき、挿入装着作業を安定して行えると共に、包丁側に案内器と協働して磁力吸着面への近接と挿入位置決めを行うことにより調理中の包丁の頻繁な収納、取り出し動作においてもホルダへの一定の収納位置に安定して収容保持させ、安全に取扱いが可能である。
【0034】
また、案内器は、包丁の横方向からの挿入方向に交差する方向に設けられた係合子または回転ローラであることにより、包丁の包丁ホルダへの挿入時に軽くて楽な挿入操作で操作でき、挿入装着作業を安定して行えると共に、挿入操作時に具体的に包丁の挿入位置決めと、軽吸着力から強吸着力への変動を具体的に生じさせることができる。また、案内器を回転ローラで構成することにより、包丁の挿入操作をさらに円滑に行うことができる。
【0035】
また、包丁ホルダと、該包丁ホルダを横方向に長い状態で基台から所要の高さ位置で支持するスタンド装置と、を含む包丁ホルダ装置とすることにより、スタンド装置ごと自在に移動して台所や調理作業場の任意箇所に配置して包丁ホルダを使用することができる。
【0036】
さらに、包丁ホルダの磁石に磁力支持される包丁であり、包丁の峰の頂部に設けられ包丁の峰の頂部線から凹設され案内器の当接部が嵌脱自在に嵌合する凹部を有する包丁とすることにより、上記の包丁ホルダの案内器と協働して挿入操作時の包丁の挿入位置決めと、軽吸着力から強吸着力への変動を具体的に生じさせることができる。
【0037】
本発明の包丁ホルダ及び包丁ホルダ装置並びに包丁は、上記した実施形態のみの構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の本質を逸脱しない範囲において、他の実施形態を用いるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明の包丁ホルダ及び包丁ホルダ装置、並びに包丁は、日常使いの台所、調理台周り等に設置して食材の調理時に有効に利用できる。
【符号の説明】
【0039】
1 包丁ホルダ
10 ホルダ体
12 凹部
30 磁石
30as、30bs 吸着面
50 案内器
52 当接部
54 係合子
60 回転ローラ
120 包丁ホルダ装置
150 スタンド装置
170 スタンド装置
bh 峰
h 包丁
t 頂部













































図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2021-04-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
図2,3において、ホルダ体10の厚み内部には薄肉部14を含んでホルダ体の長手方向に長矩形板状の孔18が開孔されている。そして、孔18の一端開口側から例えば小形の永久磁石30を挿入して所要の間隔幅でホルダ体10内に磁石30を埋設させている。そして、各磁石30の磁界中心で包丁hの峰の頂部tを磁気吸着して包丁を横長状態で吊支する。薄肉部内の永久磁石30により包丁hの峰の頂部を確実に磁気吸着して包丁の刃の下向き状態での吊支を確実にすることができる。実施形態では図2,3において、下側の薄肉部14と拡大部16との接続部分は下向きに拡大方向に傾斜した壁面を有して台形状空間を形成するので、その中央部において包丁の峰の頂部tを磁力吸着させたときにその両側に十分な空隙が形成され、ラフな取り扱いでも確実に設定位置に包丁を保持することが可能となる。