(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022163815
(43)【公開日】2022-10-27
(54)【発明の名称】排泄検知クッション
(51)【国際特許分類】
A61F 5/44 20060101AFI20221020BHJP
【FI】
A61F5/44 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021068877
(22)【出願日】2021-04-15
(71)【出願人】
【識別番号】514143437
【氏名又は名称】株式会社aba
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】宇井 吉美
【テーマコード(参考)】
4C098
【Fターム(参考)】
4C098AA09
4C098CD07
(57)【要約】
【課題】椅子や車椅子に座った被介護者等の排泄を適切に検知する。
【解決手段】排泄検知クッションは、荷重を受けて変形可能なクッション本体10と、クッション本体10内に形成され、一端側がクッション本体10の上面開口12a、12bと繋がっている通路部16a、16bと、通路部16a、16bの他端側に設けられ、排泄を検知するためのにおいセンサ(センサーユニット20A、20B)とを備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷重を受けて変形可能なクッション本体と、
前記クッション本体内に形成され、一端側が前記クッション本体の上面開口と繋がっている通路部と、
前記通路部の他端側に設けられ、排泄を検知するためのにおいセンサーと、
を備える、排泄検知クッション。
【請求項2】
前記においセンサーは、前記クッション本体の下面に設けられている、
請求項1に記載の排泄検知クッション。
【請求項3】
前記においセンサーは、フレキシブル基板上に配置されている、
請求項1又は2に記載の排泄検知クッション。
【請求項4】
前記通路部は、前記クッション本体の上面開口と下面開口の間を貫通するように、前記クッション本体の厚さ方向に沿って形成されている、
請求項1から3のいずれか1項に記載の排泄検知クッション。
【請求項5】
前記においセンサーは、前記上面開口を臨む位置に設けられている、
請求項1から4のいずれか1項に記載の排泄検知クッション。
【請求項6】
前記においセンサー及び前記通路部の各々は、前記クッション本体の前後方向において所定間隔離れて複数設けられている、
請求項1から5のいずれか1項に記載の排泄検知クッション。
【請求項7】
前記クッション本体の前部は、前端が高くなるように傾斜した傾斜部となっており、
前記クッション本体の前記上面開口は、前記傾斜部に隣接する位置に位置している、
請求項1から6のいずれか1項に記載の排泄検知クッション。
【請求項8】
前記においセンサーを覆うカバー部材と、
前記カバー部材に形成された開口を塞ぐ防水機能を有するフィルム部材と、を更に備え、
前記フィルム部材は、排泄物から発生するガスを通す、
請求項1から7のいずれか1項に記載の排泄検知クッション。
【請求項9】
前記においセンサーは、排尿を検知するための第1センサーと、排便を検知するための第2センサーとを含む、
請求項1から8のいずれか1項に記載の排泄検知クッション。
【請求項10】
前記クッション本体は、発泡ウレタンから成る、
請求項1から9のいずれか1項に記載の排泄検知クッション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被介護者等の排泄を検知する排泄検知クッションに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被介護者等(例えば、高齢者、障害者、乳幼児等)の排泄を検知する排泄検知システムが利用されている(下記の特許文献1を参照)。この排泄検知システムは、被介護者等が寝ているベッドから吸引されたガスを検知するセンサーを有しており、センサーの検知結果に基づいて排泄状況の判定を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、椅子や車椅子に座っている被介護者等の排泄を検知することのニーズが高まっている。しかし、上述した排泄検知システムは、被介護者等がベッドに寝ていることを前提としており、ガスを吸引する吸引手段への電力確保が必要であるため、上記のニーズに対応できるものではない。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、椅子や車椅子に座った被介護者等の排泄を適切に検知することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一の態様においては、荷重を受けて変形可能なクッション本体と、前記クッション本体内に形成され、一端側が前記クッション本体の上面開口と繋がっている通路部と、前記通路部の他端側に設けられ、排泄を検知するためのにおいセンサーと、を備える、排泄検知クッションを提供する。
【0007】
また、前記においセンサーは、前記クッション本体の下面に設けられていることとしてもよい。
【0008】
また、前記においセンサーは、フレキシブル基板上に配置されていることとしてもよい。
【0009】
また、前記通路部は、前記クッション本体の上面開口と下面開口の間を貫通するように、前記クッション本体の厚さ方向に沿って形成されていることとしてもよい。
【0010】
また、前記においセンサーは、前記上面開口を臨む位置に設けられていることとしてもよい。
【0011】
また、前記においセンサー及び前記通路部の各々は、前記クッション本体の前後方向において所定間隔離れて複数設けられていることとしてもよい。
【0012】
また、前記クッション本体の前部は、前端が高くなるように傾斜した傾斜部となっており、前記クッション本体の前記上面開口は、前記傾斜部に隣接する位置に位置していることとしてもよい。
【0013】
また、前記においセンサーを覆うカバー部材と、前記カバー部材に形成された開口を塞ぐ防水機能を有するフィルム部材と、を更に備え、前記フィルム部材は、排泄物から発生するガスを通すこととしてもよい。
【0014】
また、前記においセンサーは、排尿を検知するための第1センサーと、排便を検知するための第2センサーとを含むこととしてもよい。
【0015】
また、前記クッション本体は、発泡ウレタンから成ることとしてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、椅子や車椅子に座った被介護者等の排泄を適切に検知できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】一の実施形態に係る排泄検知クッション1の平面構成の一例を説明するための模式図である。
【
図2】排泄検知クッション1の側面構成の一例を説明するための分解模式図である。
【
図3】排泄検知クッション1の正面構成の一例を説明するための模式図である。
【
図4】クッション本体10の内部構成の一例を説明するための模式図である。
【
図5】フレキシブル基板40等を平面視した模式図である。
【
図6】フレキシブル基板40等を側面視した模式図である。
【
図7】センサーユニット20の構成を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<排泄検知クッションの構成>
一の実施形態に係る排泄検知クッションの構成について、
図1~
図7を参照しながら説明する。
【0019】
図1は、一の実施形態に係る排泄検知クッション1の平面構成の一例を説明するための模式図である。
図2は、排泄検知クッション1の側面構成の一例を説明するための分解模式図である。
図3は、排泄検知クッション1の正面構成の一例を説明するための模式図である。
図4は、クッション本体10の内部構成の一例を説明するための模式図である。
図5は、フレキシブル基板40等を平面視した模式図である。
図6は、フレキシブル基板40等を側面視した模式図である。なお、
図4では、説明の便宜上、センサーユニット20A、20Bが破線で示されている。
【0020】
排泄検知クッション1は、椅子や車椅子に座っている被介護者等(例えば、高齢者、障害者、乳幼児等)の排泄を検知するためのクッションである。排泄検知クッション1は、椅子や車椅子の座面に載置することが可能となっており、被介護者等が椅子や車椅子に載置された排泄検知クッション1に座っている際に被介護者等の排泄を検知する。排泄検知クッション1は、
図2に示すように、クッション本体10と、センサーユニット20A、20Bと、処理部30と、バッテリー35と、フレキシブル基板40と、支持プレート45とを有する。
【0021】
クッション本体10は、排泄検知クッション1の本体部である。クッション本体10を平面視した際の形状は、例えば
図1に示すように長方形である。クッション本体10は、荷重を受けて変形可能である。例えば被介護者等が排泄検知クッション1に座ると、被介護者等の荷重を受けたクッション本体10が変形する。具体的には、クッション本体10が、被介護者等の臀部に密接するように変形する。クッション本体10は、弾力性を有するスポンジ材料から成る。一例として、クッション本体10は、発泡ウレタンから成る。具体的には、クッション本体10は、単発泡のウレタンから成る。
【0022】
クッション本体10は、
図4に示すように、上面開口12a、12bと、下面開口13a、13bと、傾斜部14と、通路部16a、16bとを有する。
【0023】
上面開口12a、12bは、
図4に示すように、クッション本体10の上面12に形成された開口である。上面開口12a、12bは、
図1に示すようにクッション本体10の中央部に配置されており、前後方向において所定間隔だけ離れている。上面開口12aは前後方向の前側に位置し、上面開口12bは前後方向の後側に位置している。上面開口12aは、
図1に示すように、傾斜部14に隣接する位置に位置している。上面開口12a、12bは、ここでは矩形状の開口であるが、これに限定されず、円形や多角形の開口であってもよい。
【0024】
下面開口13a、13bは、
図4に示すように、クッション本体10の下面13に形成された開口である。下面開口13a、13bは、下面13において上面開口12a、12bに対応する位置に形成されている。下面開口13a、13bは、フレキシブル基板40によって閉塞されている。
【0025】
傾斜部14は、クッション本体10の前部であり、
図4に示すように前端が高くなるように傾斜している。すなわち、傾斜部14は、
図4に示すように、クッション本体10の上面12よりも上方に突出するように形成されている。傾斜部14は、
図4に示すように所定の角度で傾斜しているが、これに限定されない。傾斜部14を設けることで、排泄検知クッション1に座った被介護者等の臀部がずれることを抑制できる。これにより、被介護者等がクッション本体10の所定の位置に座った状態が維持されやすくなるので、排泄検知クッション1の検知精度のばらつきを抑制できる。
【0026】
通路部16a、16bは、
図4に示すように、クッション本体10内に形成された空間である。通路部16aの一端側は上面開口12aと繋がっており、通路部16bの一端側は、上面開口12bと繋がっている。このため、排泄物から発生するガスが、上面開口12a、12bから通路部16a、16bに流入しやすくなる。特に、クッション本体10の上面12が被介護者等の臀部に密接するように変形するため、周囲の空気が通路部16a、16bへ流れ難くなり、この結果、排泄物から発生するガスが、通路部16a、16bへ流入し、通路部16a、16b内に留まりやすくなる。
【0027】
通路部16a、16bは、
図4に示すようにクッション本体10を貫通するように、クッション本体10の厚さ方向に沿って形成されている。具体的には、一端側が上面開口12aと繋がっている通路部16aの他端側が、クッション本体10の下面13の下面開口13aと繋がっている。同様に、一端側が上面開口12bと繋がっている通路部16bの他端側が、クッション本体10の下面開口13bと繋がっている。すなわち、通路部16aは、クッション本体10の上面開口12aと下面開口13aの間を真っ直ぐに貫通しており、通路部16bは、クッション本体10の上面開口12bと下面開口13bの間を真っ直ぐに貫通している。これにより、上面開口12a、12bから流入したガスが、クッション本体10の下面13へ向かって流れやすくなる。なお、前述したように下面開口13a、13bはフレキシブル基板40によって閉塞されているため、上面開口12a、12bから流入したガスは、密閉空間となっている通路部16a、16b内で留まった状態となっている。
【0028】
通路部16a、16bは、ここでは、
図4に示すように一端側から他端側へ向けて一定の断面積となっている。しかし、これに限定されず、通路部16a、16bの断面積は、一端側から他端側へ向けて変化していてもよい。
また、上記では、通路部16a、16bが、クッション本体10を真っ直ぐに貫通するように形成されているとしたが、これに限定されず、例えば、通路部16a、16bがクッション本体10内で曲がるように形成されていてもよい。
【0029】
センサーユニット20A、20Bは、
図2に示すように、クッション本体10の前後方向において所定間隔だけ離れて設けられており、クッション本体10に座っている被介護者等の排泄を検知するためのセンサーユニットである。具体的には、センサーユニット20A、20Bは、被介護者等の排尿や排便を検知するために利用される。センサーユニット20A、20Bは、所定間隔で順次検知を行い、検知した結果を処理部30に出力する。
【0030】
センサーユニット20Aは、排泄検知クッション1の前後方向の前側に位置し、センサーユニット20Bは、前後方向の後側に位置する。センサーユニット20Aは、
図4に示すように、通路部16aを介して上面開口12aを臨む位置に設けられており、センサーユニット20Bは、通路部16bを介して上面開口12bを臨む位置に設けられている。このため、センサーユニット20Aは、上面開口12aから流入して通路部16aに留まっているガス(排泄物から発生するガス)を検知する。同様に、センサーユニット20Bは、上面開口12bから流入して通路部16bに留まっているガスを検知する。
【0031】
また、センサーユニット20A、20Bは、
図4に示すように、クッション本体10の下面13に設けられている。具体的には、センサーユニット20Aは、下面開口13aに位置しており、センサーユニット20Bは、下面開口13bに位置している。センサーユニット20A、20Bの大きさは、下面開口13a、13bの開口面積とほぼ同じである。また、センサーユニット20A、20Bは、
図6に示すように、フレキシブル基板40上に配置されている。このため、下面開口13a、13bは、センサーユニット20A、20B及びフレキシブル基板40によって閉塞されている。
【0032】
センサーユニット20A、20Bが、被介護者等の臀部に触れるクッション本体10の上面12とは反対側の下面13に位置するので、センサーユニット20A、20Bが被介護者等の臀部に触れることを防止でき、この結果、臀部の床ずれの発生を抑制できる。また、排泄検知クッション1の使用時に、固い物体であるセンサーユニット20A、20Bに起因して被介護者等に違和感を与えることを抑制できる。
【0033】
センサーユニット20A、20Bは、同様な構成である。このため、以下では、センサーユニット20A、20Bをセンサーユニット20と総称して、センサーユニット20の具体的な構成について説明する。
【0034】
図7は、センサーユニット20の構成を説明するための模式図である。
図7には、センサーユニット20の内部構成が示されている。センサーユニット20は、
図7に示すように、においセンサー22a、22bと、カバー部材24と、フィルム部材26とを有する。
【0035】
においセンサー22a、22bは、排泄検知クッション1に座っている被介護者等の排泄を検知するためのセンサーである。においセンサー22a、22bは、排泄検知クッション1に座っている被介護者等の排泄物から発生するガスを検知する。例えば、においセンサー22は、ガスの濃度等を検知する。
【0036】
本実施形態では、においセンサー22aが、排尿を検知するための第1センサーに該当し、においセンサー22bが、排便を検知するための第2センサーに該当する。例えば、においセンサー22aは、アンモニアに反応しやすいセンサーであり、においセンサー22bは、硫化水素に反応しやすいセンサーである。においセンサー22a、22bは、
図7に示すように、所定間隔だけ離れて配置されている。においセンサー22a、22bを設けることで、被介護者等の排尿と排便を識別して検知可能となる。
【0037】
上記では、センサーユニット20(具体的には、においセンサー22a、22b)がクッション本体10の下面13に配置されていることとしたが、これに限定されない。例えば、においセンサー22a、22bは、通路部15の途中(すなわち、クッション本体10の内部)に設けられていてもよい。
また、上記では、センサーユニット20は、2つのにおいセンサー22a、22bを有することとしたが、これに限定されない。例えば、センサーユニット20は、一つのにおいセンサーのみを有していてもよい。
【0038】
カバー部材24は、
図7に示すように、においセンサー22a、22bを覆っている。カバー部材24は、においセンサー22a、22bを囲むように箱状に形成されたケースである。カバー部材24の上面の中央には、開口25が形成されている。開口25は、ここでは円形の開口である。通路部16a、16bに流入したガスは、開口25を通過して、カバー部材24内に流入する。このため、カバー部材24内に配置されたにおいセンサー22a、22bは、ガスの濃度を検知可能である。
【0039】
フィルム部材26は、カバー部材24の開口25を塞ぐ薄膜の部材である。フィルム部材26は、防水機能を有しており、液体等がにおいセンサー22a、22bに付着することを防止する。一方で、フィルム部材26は、排泄物から発生するガスを通す。これにより、カバー部材24内のにおいセンサー22a、22bが、ガスの濃度を検知する機能を適切に発揮できる。
【0040】
なお、上記では、2つのセンサーユニット20A、20Bが設けられていることとしたが、これに限定されない。例えば、一つのセンサーユニットのみが設けられていてもよい。この場合には、通路部16a、16bも一つのみ設ければよい。
【0041】
処理部30は、センサーユニット20A、20Bの検出結果に基づいて、各種の処理を行う。例えば、処理部30は、センサーユニット20A、20Bから出力される検出結果(例えば、ガス濃度)を用いて、クッション本体10に座っている被介護者等の排泄の有無を判断する処理を行う。処理部30は、
図6に示すように、フレキシブル基板40上に配置されている。
【0042】
バッテリー35は、充電可能な二次電池であり、処理部30に電力を供給する。バッテリー35は、処理部30に近接する位置に設けられている。また、バッテリー35は、
図3に示すように、クッション本体10の前側の凹部18に嵌合するように配置されている。バッテリー35が設けられていることで、椅子が電源から離れている場合や、車椅子を使用している場合でも、排泄検知クッション1が被介護者等の排泄を検知できる。
【0043】
フレキシブル基板40は、クッション本体10の下面13に接するように配置されている。フレキシブル基板40は、
図2に示すように、クッション本体10の前後方向に沿って配置されている。フレキシブル基板40には、センサーユニット20A、20B及び処理部30が接続されている。フレキシブル基板40においてセンサーユニット20A、20B及び処理部30を支持する部分には、
図6に示すように、補強部41a、41b、41cが設けられている。これにより、フレキシブル基板40においてセンサーユニット20A等を支持する部分の強度が高まり、フレキシブル基板40が損傷することを抑制できる。
【0044】
支持プレート45は、フレキシブル基板40を支持するプレートである。支持プレート45は、
図2に示すように、クッション本体10の前後方向に沿って配置されている。支持プレート45の厚さは、フレキシブル基板40の厚さよりも大きい。また、支持プレート45は、フレキシブル基板40よりも広い範囲に亘って設けられている。
【0045】
上記では、バッテリー35がクッション本体10の前側に配置されていることとしたが、これに限定されない。例えば、バッテリー35は、
図8に示すように、クッション本体10の後側に配置されていてもよい。
【0046】
図8は、変形例を説明するための模式図である。変形例においては、バッテリー35は、クッション本体10の後部に配置されている。具体的には、バッテリー35は、クッション本体10の後部の凹部に嵌合するように、配置されている。また、変形例においては、処理部30も、クッション本体10の後部に配置されている。
【0047】
<本実施形態における効果>
上述した実施形態の排泄検知クッション1は、クッション本体10内に形成され、一端側がクッション本体10の上面開口12a、12bと繋がっている通路部16a、16bと、通路部16a、16bの他端側に設けられ、排泄を検知するためのにおいセンサー22a、22bとを有する。
上記の構成の場合には、被介護者等がクッション本体10に座ると、荷重を受けたクッション本体10が被介護者等の臀部に密接するように変形するため、上面開口12a、12bと繋がった通路部16a、16bが密閉空間となる。この状態で被介護者等の排泄物から発生したガスは、上面開口12a、12bから通路部16a、16bへ流れて滞留しやすくなる。これにより、通路部16a、16bの他端側に位置するにおいセンサー22a、22bは、通路部16a、16b内のガスの濃度を適切に検知できるため、椅子や車椅子に座った被介護者等の排泄の有無を精度良く検知できる。
【0048】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0049】
1 排泄検知クッション
10 クッション本体
12a、12b 上面開口
13a、13b 下面開口
14 傾斜部
16a、16b 通路部
20、20A、20B センサーユニット
22a、22b においセンサー
24 カバー部材
25 開口
26 フィルム部材
40 フレキシブル基板