(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022163819
(43)【公開日】2022-10-27
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/338 20060101AFI20221020BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20221020BHJP
【FI】
H01L29/80 H
H01L29/78 301B
H01L29/78 301Y
H01L29/78 301V
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021068881
(22)【出願日】2021-04-15
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100157901
【弁理士】
【氏名又は名称】白井 達哲
(74)【代理人】
【識別番号】100172188
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 敬人
(74)【代理人】
【識別番号】100197538
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 功
(72)【発明者】
【氏名】スミス マシュー デイビッド
【テーマコード(参考)】
5F102
5F140
【Fターム(参考)】
5F102GB01
5F102GC01
5F102GD10
5F102GJ02
5F102GJ03
5F102GK04
5F102GL04
5F102GM04
5F102GM08
5F102GQ01
5F102GR04
5F102GV05
5F102GV06
5F102GV07
5F102GV08
5F140BA06
5F140BB06
5F140BB18
5F140BD02
5F140BD05
5F140BD13
5F140BF43
5F140CC01
5F140CC08
(57)【要約】
【課題】安定した特性が得られる半導体装置を提供する。
【解決手段】実施形態によれば、半導体装置は、第1半導体領域、第1電極及び第1絶縁部材を含む。前記第1半導体領域は、Al
z1Ga
1-z1N(0≦z1<1)を含む。前記第1半導体領域は、第1部分領域を含む。前記第1絶縁部材は、前記第1部分領域と前記第1電極との間の第1絶縁部分を含む。前記第1絶縁部分は、第1絶縁領域及び第2絶縁領域を含む。前記第2絶縁領域は、前記第1絶縁領域と前記第1電極との間に設けられる。前記第1絶縁領域は、Al
1-x1Si
x1O(x1<0.5)を含む。前記第2絶縁領域は、Al
1-x2Si
x2O(0.5<x2)を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
Alz1Ga1-z1N(0≦z1<1)を含む第1半導体領域であって、前記第1半導体領域は、第1部分領域を含む、前記第1半導体領域と、
第1電極と、
前記第1部分領域と前記第1電極との間の第1絶縁部分を含む第1絶縁部材であって、前記第1絶縁部分は、第1絶縁領域及び第2絶縁領域を含み、前記第2絶縁領域は、前記第1絶縁領域と前記第1電極との間に設けられ、前記第1絶縁領域は、Al1-x1Six1O(x1<0.5)を含み、前記第2絶縁領域は、Al1-x2Six2O(0.5<x2)を含む、前記第1絶縁部材と、
を備えた半導体装置。
【請求項2】
前記第1絶縁領域と前記第2絶縁領域との間において、アルミニウムの組成比、及び、シリコンの組成比の少なくともいずれかは、連続的に変化する、請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
Alx1Ga1-x1N(0≦x1<1)を含む第1半導体領域であって、前記第1半導体領域は、第1部分領域を含む、前記第1半導体領域と、
第1電極と、
前記第1部分領域と前記第1電極との間の第1絶縁部分を含む第1絶縁部材であって、前記第1絶縁部分は、第1絶縁領域及び第2絶縁領域を含み、前記第2絶縁領域は、前記第1絶縁領域と前記第1電極との間に設けられ、前記第1絶縁領域は、Al1-x1Six1Oy1N1-y1(x1<0.5、y1<0.5)を含み、前記第2絶縁領域は、Al1-x2Six2Oy2N1-y2(0.5<x2、0.5<y2)を含む、前記第1絶縁部材と、
を備えた半導体装置。
【請求項4】
前記第1絶縁領域と前記第2絶縁領域との間において、アルミニウムの組成比、シリコンの組成比、酸素の組成比、及び、窒素の組成比の少なくともいずれかは、連続的に変化する、請求項3記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第1絶縁領域は、前記第1部分領域と接した、請求項1~4のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第1絶縁部分は、中間領域を含み、
前記中間領域は、前記第1部分領域と前記第1絶縁領域との間に設けられ、
前記中間領域は、アルミニウム及び窒素を含む、請求項1~4のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第1絶縁部分は、第3絶縁領域をさらに含み、
前記第3絶縁領域は、前記第2絶縁領域と前記第1電極との間に設けられ、
前記第3絶縁領域は、シリコン及び酸素を含み、
前記第3絶縁領域は、アルミニウムを含まない、または、前記第3絶縁領域におけるアルミニウムの組成比は、前記第2絶縁領域におけるアルミニウムの組成比よりも低い、請求項1~6のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第2絶縁領域と前記第3絶縁領域との間において、アルミニウムの組成比、及び、シリコンの組成比の少なくとも1つは、連続的に変化する、請求項7記載の半導体装置。
【請求項9】
前記第1絶縁部分は、第4絶縁領域をさらに含み、
前記第4絶縁領域は、前記第3絶縁領域と前記第1電極との間に設けられ、
前記第4絶縁領域は、シリコン、酸素及び窒素を含み、
前記第3絶縁領域は、窒素を含まない、または、前記第3絶縁領域における窒素の組成比は、前記第4絶縁領域における窒素の組成比よりも低い、請求項7または8に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記第3絶縁領域と前記第4絶縁領域との間において、窒素の組成比、及び、酸素の組成比の少なくともいずれかは、連続的に変化する、請求項9記載の半導体装置。
【請求項11】
前記第1絶縁部分は、第5絶縁領域をさらに含み、
前記第5絶縁領域は、前記第4絶縁領域と前記第1電極との間に設けられ、
前記第5絶縁領域は、シリコン、酸素及び窒素を含み、
前記第5絶縁領域における窒素の組成比は、前記第4絶縁領域における窒素の組成比よりも高い、請求項9または10に記載の半導体装置。
【請求項12】
前記第4絶縁領域と前記第5絶縁領域との間において、窒素の組成比、及び、酸素の組成比の少なくともいずれかは、連続的に変化する、請求項11記載の半導体装置。
【請求項13】
前記第2絶縁領域におけるアルミニウムの組成比、及び、前記第2絶縁領域におけるシリコンの組成比の少なくともいずれかは、前記第1部分領域から前記第1電極への方向において、増減を繰り返す、請求項1~12のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項14】
前記第1絶縁領域におけるアルミニウムの組成比、及び、前記第1絶縁領域におけるシリコンの組成比の少なくともいずれかは、前記第1部分領域から前記第1電極への方向において、増減を繰り返す、請求項1~12のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項15】
第2電極と、
第3電極と、
Alz2Ga1-z2N(z1<z2≦1)を含む第2半導体領域と、
をさらに備え、
前記第2電極から前記第3電極への方向は、第1方向に沿い、
前記第1電極の前記第1方向における位置は、前記第2電極の前記第1方向における位置と、前記第3電極の前記第1方向における位置と、の間にあり、
前記第1半導体領域は、第2部分領域、第3部分領域、第4部分領域及び第5部分領域をさらに含み、
前記第2部分領域から前記第2電極への方向は、前記第1方向と交差する第2方向に沿い、
前記第3部分領域から前記第3電極への方向は、前記第2方向に沿い、
前記第4部分領域の前記第1方向における位置は、前記第2部分領域の前記第1方向における位置と、前記第1部分領域の前記第1方向における位置と、の間にあり、
前記第5部分領域の前記第1方向における位置は、前記第1部分領域の前記第1方向における前記位置と、前記第3部分領域の前記第1方向における位置と、の間にあり、
前記第2半導体領域は、第1半導体部分及び第2半導体部分を含み、
前記第4部分領域から前記第1半導体部分への方向は、前記第2方向に沿い、
前記第5部分領域から前記第2半導体部分への方向は、前記第2方向に沿う、請求項1~14のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項16】
シリコン及び窒素を含む第2絶縁部材をさらに備え、
前記第1半導体部分は、前記第2方向において、前記第4部分領域と、前記第2絶縁部材の一部と、の間にあり、
前記第2半導体部分は、前記第2方向において、前記第5部分領域と、前記第2絶縁部材の別の一部と、の間にある、請求項15記載の半導体装置。
【請求項17】
前記第1絶縁部分の少なくとも一部は、前記第1方向において、前記第4部分領域と前記第5部分領域と、の間にある、請求項15または16に記載の半導体装置。
【請求項18】
前記第1電極の少なくとも一部は、前記第1方向において、前記第4部分領域と前記第5部分領域と、の間にある、請求項15~17のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項19】
前記第1絶縁部材は、第2絶縁部分及び第3絶縁部分をさらに含み、
前記第2絶縁部分の一部は、前記第1方向において、前記第4部分領域と前記第1電極との間にあり、
前記第3絶縁部分の一部は、前記第1方向において、前記第1電極と前記第5部分領域との間にある、請求項15~18のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項20】
前記第1絶縁部材は、第4絶縁部分及び第5絶縁部分をさらに含み、
前記第2絶縁部材の前記一部は、前記第1半導体部分と前記第4絶縁部分との間にあり、
前記第2絶縁部材の前記別の一部は、前記第2半導体部分と前記第5絶縁部分との間にある、請求項16記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば窒化物半導体を用いたトランジスタなどの半導体装置がある。半導体装置において、安定した特性が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2013/0252386号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、安定した特性が得られる半導体装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態によれば、半導体装置は、第1半導体領域、第1電極及び第1絶縁部材を含む。前記第1半導体領域は、Alz1Ga1-z1N(0≦z1<1)を含む。前記第1半導体領域は、第1部分領域を含む。前記第1絶縁部材は、前記第1部分領域と前記第1電極との間の第1絶縁部分を含む。前記第1絶縁部分は、第1絶縁領域及び第2絶縁領域を含む。前記第2絶縁領域は、前記第1絶縁領域と前記第1電極との間に設けられる。前記第1絶縁領域は、Al1-x1Six1O(x1<0.5)を含む。前記第2絶縁領域は、Al1-x2Six2O(0.5<x2)を含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1(a)及び
図1(b)は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
【
図2】
図2(a)~
図2(c)は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式図である。
【
図3】
図3(a)及び
図3(b)は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
【
図5】
図5は、半導体装置の特性を例示するグラフ図である。
【
図6】
図6は、半導体装置の特性を例示するグラフ図である。
【
図7】
図7は、半導体装置の特性を例示するグラフ図である。
【
図8】
図8は、半導体装置の特性を例示するグラフ図である。
【
図9】
図9は、半導体装置の特性を例示するグラフ図である。
【
図10】
図10は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
【
図11】
図11は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
【
図12】
図12は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
【
図13】
図13(a)及び
図13(b)は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚さと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0008】
(第1実施形態)
図1(a)及び
図1(b)は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図1(b)は、
図1(a)の拡大図である。
図1(a)に示すように、実施形態に係る半導体装置110は、第1半導体領域10、第1電極51及び第1絶縁部材41を含む。
【0009】
第1半導体領域10は、Alz1Ga1-z1N(0≦z1<1)を含む。組成比z1は、例えば、0以上0.1以下である。第1半導体領域10は、例えばGaNを含む。第1半導体領域10は、第1部分領域11を含む。
【0010】
第1絶縁部材41は、第1絶縁部分41aを含む。第1絶縁部分41aは、第1部分領域11と第1電極51との間に設けられる。
【0011】
第1部分領域11から第1電極51への方向をZ軸方向とする。Z軸方向に対して垂直な1つの方向をX軸方向とする。Z軸方向及びX軸方向に対して垂直な方向をY軸方向とする。Z軸方向は、第1部分領域11、第1絶縁部分41a及び第1電極51の積層方向に対応する。
【0012】
図1(b)に示すように、第1絶縁部分41aは、第1絶縁領域r1及び第2絶縁領域r2を含む。第2絶縁領域r2は、第1絶縁領域r1と第1電極51との間に設けられる。第1絶縁領域r1は、Al
1-x1Si
x1O(x1<0.5)を含む。第2絶縁領域r2は、Al
1-x2Si
x2O(0.5<x2)を含む。第1絶縁領域r1は、例えば、AlリッチのAlSiOを含む。第2絶縁領域r2は、例えば、SiリッチのAiSiOを含む。
【0013】
この例では、第1絶縁領域r1は、第1部分領域11と接する。後述するように、第1部分領域11と第1絶縁領域r1との間にAl組成比が高い領域(例えばAlN領域)が設けられても良い。
【0014】
第1絶縁領域r1及び第2絶縁領域r2が設けられることで、半導体装置において、より安定した特性が得られる。例えば、高い熱安定性が得られる。例えば、周波数に対してより安定した特性が得られる。例えば、第1部分領域11と第1絶縁領域r1との間を含む領域における界面準位が低減できる。これにより高い安定性が得られる。例えば、周波数及び熱に対しての高い安定性が得られる。
【0015】
図1(b)に示すように、第1絶縁部分41aは、第3絶縁領域r3を含んでも良い。第3絶縁領域r3は、第2絶縁領域r2と第1電極51との間に設けられる。第3絶縁領域r3は、シリコン及び酸素を含む。第3絶縁領域r3は、アルミニウムを含まない。または、第3絶縁領域r3におけるアルミニウムの組成比は、第2絶縁領域r2におけるアルミニウムの組成比よりも低い。第3絶縁領域r3は、例えば、SiO
2を含む。このような第3絶縁領域r3が設けられることで、例えば、高い耐圧が得易くなる。例えば、リーク電流を抑制できる。
【0016】
図1(a)に示すように、この例では、半導体装置110は、第2電極52、第3電極53、及び、第2半導体領域20を含む。第2半導体領域20は、Al
z2Ga
1-z2N(z1<z2≦1)を含む。組成比z2は、例えば、0.15以上0.8以下である。第2半導体領域20は、例えば、AlGaNを含む。
【0017】
第2電極52から第3電極53への方向は、第1方向に沿う。第1方向は、例えば、X軸方向に沿う。第1電極51の第1方向における位置は、第2電極52の第1方向における位置と、第3電極53の第1方向における位置と、の間にある。
【0018】
第1半導体領域10は、第2部分領域12、第3部分領域13、第4部分領域14及び第5部分領域15をさらに含む。第2部分領域12から第2電極52への方向は、第2方向に沿う。第2方向は、第1方向と交差する。第2方向は、例えばZ軸方向である。第3部分領域13から第3電極53への方向は、第2方向に沿う。第4部分領域14の第1方向(X軸方向)における位置は、第2部分領域12の第1方向における位置と、第1部分領域11の第1方向における位置と、の間にある。第5部分領域15の第1方向における位置は、第1部分領域11の第1方向における位置と、第3部分領域13の第1方向における位置と、の間にある。
【0019】
第2半導体領域20は、第1半導体部分21及び第2半導体部分22を含む。第4部分領域14から第1半導体部分21への方向は、第2方向(Z軸方向)に沿う。第5部分領域15から第2半導体部分22への方向は、第2方向に沿う。
【0020】
例えば、第2電極52と第3電極53との間に流れる電流は、第1電極51の電位により制御できる。電位は、例えば、第2電極52の電位を基準にした電位である。例えば、第2電極52と第1電極51との間の距離は、第1電極51と第3電極53との間の距離よりも短い。例えば、第1電極51は、ゲート電極である。第2電極52は、ソース電極である。第3電極53は、ドレイン電極である。半導体装置110は、例えばトランジスタである。
【0021】
例えば、第1半導体領域10と第2半導体領域20との間の界面の近傍にキャリア領域(例えば2次元電子ガス)が形成される。半導体装置110は、例えば、HEMT(High Electron Mobility Transistor)である。
【0022】
図1(a)に示すように、半導体装置110は、基体10Sを含んでも良い。基体10Sは、例えば、基板(例えばシリコン基板、または、SiC基板など)である。半導体装置110は、窒化物半導体領域10Bを含んでも良い。窒化物半導体領域10Bは、例えば、基体10Sと第1半導体領域10との間にある。基体10Sの上に、窒化物半導体領域10B、第1半導体領域10及び第2半導体領域20がこの順で設けられる。
【0023】
図1(a)に示すように、半導体装置110は、第2絶縁部材42を含んでも良い。第2絶縁部材42は、シリコン及び窒素を含む。第2絶縁部材42は、例えばSiNを含む。第1半導体部分21は、第2方向(Z軸方向)において、第4部分領域14と、第2絶縁部材42の一部42aと、の間にある。第2半導体部分22は、第2方向において、第5部分領域15と、第2絶縁部材42の別の一部42bと、の間にある。第2絶縁部材42が設けられることで、例えば、第2半導体領域20が保護される。
【0024】
図1(a)に示すように、第1絶縁部分41aの少なくとも一部は、第1方向(X軸方向)において、第4部分領域14と第5部分領域15と、の間にある。この例では、第1電極51の少なくとも一部は、第1方向(X軸方向)において、第4部分領域14と第5部分領域15と、の間にある。このような構成により、例えば、高いしきい値電圧が得易くなる。第1電極51は、例えば、リセス型(またはトレンチ型)のゲート電極である。
【0025】
図1(a)に示すように、この例では、第1絶縁部材41は、第2絶縁部分41b及び第3絶縁部分41cを含む。第2絶縁部分41bの一部は、第1方向(X軸方向)において、第4部分領域14と第1電極51との間にある。第3絶縁部分41cの一部は、第1方向において、第1電極51と第5部分領域15との間にある。
【0026】
例えば、第2絶縁部分41bの別の一部は、第1方向(X軸方向)において、第1半導体部分21と第1電極51との間にある。第3絶縁部分41cの別の一部は、第1方向において、第1電極51と第2半導体部分22との間にある。
【0027】
第2絶縁部分41b及び第3絶縁部分41cのそれぞれは、第1絶縁部分41aと同様の構成を有して良い。例えば、第2絶縁部分41b及び第3絶縁部分41cのそれぞれは、第1絶縁領域r1及び第2絶縁領域r2を含んで良い。例えば、第2絶縁部分41b及び第3絶縁部分41cのそれぞれは、第3絶縁領域r3を含んで良い。
【0028】
第1絶縁部材41は、第4絶縁部分41d及び第5絶縁部分41eを含んでも良い。第2絶縁部材42の一部42aは、第1半導体部分21と第4絶縁部分41dとの間にある。第2絶縁部材42の別の一部42bは、第2半導体部分22と第5絶縁部分41eとの間にある。
【0029】
第4絶縁部分41d及び第5絶縁部分41eのそれぞれは、第1絶縁部分41aと同様の構成を有して良い。例えば、第4絶縁部分41d及び第5絶縁部分41eのそれぞれは、第1絶縁領域r1及び第2絶縁領域r2を含んで良い。例えば、第4絶縁部分41d及び第5絶縁部分41eのそれぞれは、第3絶縁領域r3を含んで良い。
【0030】
図2(a)~
図2(c)は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式図である。 これらの図は、第1絶縁部分41aにおける組成比を例示している。これらの図の横軸は、Z軸方向における位置pZである。縦軸は、AlまたはSiの組成比C1である。これらの図には、Alの組成比C(Al)、及び、Siの組成比C(Si)が示されている。
【0031】
図2(a)に示すように、第1構成CF1において、第2絶縁領域r2における組成比C(Al)は、第1絶縁領域r1における組成比C(Al)よりも低い。第3絶縁領域r3における組成比C(Al)は、第2絶縁領域r2における組成比C(Al)よりも低い。第2絶縁領域r2における組成比C(Si)は、第1絶縁領域r1における組成比C(Si)よりも高い。第3絶縁領域r3における組成比C(Si)は、第2絶縁領域r2における組成比C(Si)よりも高い。第1構成においては、第1絶縁領域r1を含む領域において、組成比C(Al)及び組成比C(Si)は、実質的に一定である。第3絶縁領域r3を含む領域において、組成比C(Al)及び組成比C(Si)は、実質的に一定である。第1絶縁領域r1と第3絶縁領域r3との間において、組成比C(Al)及び組成比C(Si)は、連続的に変化する。この例では、組成比は、Z軸方向において、直線的に変化する。
【0032】
図2(b)に示すように、第2構成CF2において、組成比C(Al)及び組成比C(Si)は、滑らかに、連続的に変化する。連続的な組成比の変化により、例えば、欠陥が抑制し易くなる。
【0033】
図2(c)に示すように、第3構成CF3において、第2絶縁領域r2の一部において、組成比C(Al)及び組成比C(Si)は、実質的に一定である。例えば、第1絶縁領域r1と第2絶縁領域r2との間において、組成比C(Al)及び組成比C(Si)は、滑らかに連続的に変化する。例えば、第2絶縁領域r2と第3絶縁領域r3との間において、組成比C(Al)及び組成比C(Si)は、滑らかに連続的に変化する。
【0034】
このように、実施形態において、第1絶縁領域r1と第2絶縁領域r2との間において、アルミニウムの組成比C(Al)、及び、シリコンの組成比C(Si)の少なくともいずれかは、連続的に変化して良い。
【0035】
実施形態において、第2絶縁領域r2と第3絶縁領域r3との間において、アルミニウムの組成比(Al)、及び、シリコンの組成比C(Si)の少なくとも1つは、連続的に変化して良い。
【0036】
図3(a)及び
図3(b)は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式図である。
これらの図は、第1絶縁部分41aにおける組成比を例示している。これらの図の横軸は、Z軸方向における位置pZである。縦軸は、AlまたはSiの組成比C1である。
【0037】
図3(a)に示すように、第4構成CF4において、第1絶縁領域r1と第3絶縁領域r3との間において、組成比C(Al)及び組成比C(Si)は、増減を繰り返す。このように、第2絶縁領域r2におけるアルミニウムの組成比C(Al)、及び、第2絶縁領域r2におけるシリコンの組成比C(Si)の少なくともいずれかは、Z軸方向(第1部分領域11から第1電極51への方向)において、増減を繰り返して良い。
【0038】
図3(b)に示すように、第5構成CF5において、第1絶縁領域r1において、組成比C(Al)及び組成比C(Si)は、増減を繰り返す。このように、第1絶縁領域r1におけるアルミニウムの組成比C(Al)、及び、第1絶縁領域r1におけるシリコンの組成比C(Si)の少なくともいずれかは、Z軸方向(第1部分領域11から第1電極51への方向)において、増減を繰り返して良い。
【0039】
構成CF1~構成CF5の特性は、例えば、元素の拡散の程度などにより得られても良い。これらの特性は、例えば、組成比に関する分析手法に依存する解像度により、区別されても良い。
【0040】
図4は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図4は、第1絶縁部分41aの1つの例を示している。
図4に示すように、第1絶縁部分41aの少なくとも一部は、複数の第1層La及び複数の第2層Lbを含んでも良い。複数の第1層Laは、例えば、アルミニウム及び酸素を含む。複数の第2層Lbは、例えば、シリコン及び酸素を含む。複数の第1層Laのそれぞれは、例えばALD(Atomic Layer Deposition)により形成されて良い。複数の第2層Lbのそれぞれは、例えばALDにより形成されて良い。例えば、第1層Laの密度、及び、第2層Lbの密度を変更することで、Al及びSiの組成比が変更できる。
【0041】
このような構成において、例えば、第4構成CF4または第5構成CF5に例示した構成が得られても良い。
【0042】
以下、半導体装置の特性の例について説明する。
【0043】
図5は、半導体装置の特性を例示するグラフ図である。
図5は、第1試料SP1、第2試料SP2及び第3試料SP3の特性を例示する。第1試料SP1においては、第1絶縁部分41aは、AlリッチのAl
1-xaSi
xaOである。第1試料SP1において、組成比xaは、0.42である。第2試料SP2においては、第1絶縁部分41aは、SiリッチのAl
1-xaSi
xaOである。第2試料SP2において、組成比xaは、0.58である。第3試料SP3においては、第1絶縁部分41aは、SiO
2である。
図5の横軸は、周波数f1である。縦軸は、フラットバンド電圧の変化dVFB1である。変化dVFB1は、周波数f1で測定されたフラットバンド電圧と、100kHzで測定されたフラットバンド電圧と、の差に対応する。
【0044】
図5に示すように、第3試料SP3においては、フラットバンド電圧の変化dVFB1は、周波数f1によって大きく変化する。第1試料SP1においては、フラットバンド電圧の変化dVFB1の周波数f1による変化は非常に小さい。第2試料SP2においては、フラットバンド電圧の変化dVFB1の周波数f1による変化は、第1試料SP1と第3試料SP3との間である。
【0045】
このように、AlリッチのAlSiOにおいては、フラットバンド電圧の変化dVFB1の周波数依存性は小さい。例えば、AlリッチのAlSiOにより、第1絶縁部分41aと第1半導体領域10との間の領域において、欠陥が抑制される。欠陥の抑制により、フラットバンド電圧の変化dVFB1の周波数依存性は小さくなると考えられる。
【0046】
図6は、半導体装置の特性を例示するグラフ図である。
図6は、第1試料SP1、第2試料SP2及び第3試料SP3の特性が例示されている。
図6の横軸は、温度Tmである。縦軸は、温度Tmにおけるフラットバンド電圧と、25℃におけるフラットバンド電圧と、の差dVFB2である。
【0047】
図6に示すように、第3試料SP3においては、差dVFB2が大きい。第3試料SP3においては、フラットバンド電圧の変化が非常に大きい。第1試料SP1においては、差dVFB2は、小さい。第2試料SP2における差dVFB2は、第1試料SP1と第3試料SP3との間である。
【0048】
このように、AlリッチのAlSiOにおいては、フラットバンド電圧の変化の温度依存性が小さい。
【0049】
第1半導体領域10と接する絶縁領域が高いAl組成比を有することで、周波数の変化に対して高い安定性が得られる。第1半導体領域10と接する絶縁領域が高いAl組成比を有することで、温度の変化に対して高い安定性が得られる。
【0050】
図7は、半導体装置の特性を例示するグラフ図である。
図7は、正バイアス電圧印加におけるフラットバンド電圧の変化(シフト)を例示している。第1~第3試料SP1~SP3において、第1電極51に+15Vの正バイアス電圧が印加される。印加時の温度は、150℃である。正バイアス電圧の印加の時間の経過と共に、フラットバンド電圧が変化する。
図7の横軸は、時間tmである。
図7の縦軸は、150℃における、フラットバンド電圧の初期値からの差dVFB3である。
【0051】
図7に示すように、第3試料SP3(SiO
2)において、フラットバンド電圧が実質的に変化しない。または、フラットバンド電圧は、僅かに正方向にシフトする。第2試料SP2(SiリッチのAlSiO)において、フラットバンド電圧が負方向にシフトする。シフトの程度は小さい。第1試料SP1(AlリッチのAlSiO)において、フラットバンド電圧が大きく負方向にシフトする。
【0052】
正バイアス電圧印加におけるフラットバンド電圧のシフトは、例えば、可動電荷に起因すると考えられる。
【0053】
第1絶縁部分41aが、SiO2またはSiリッチのAlSiOを含むことで、正バイアス電圧印加におけるフラットバンド電圧のシフトを抑制できる。第1絶縁部分41aが第2絶縁領域r2を含むことで、フラットバンド電圧のシフトを抑制できる。第1絶縁部分41aが第3絶縁領域r3を含むことで、フラットバンド電圧のシフトをさらに抑制できる。
【0054】
図8は、半導体装置の特性を例示するグラフ図である。
図8は、第1絶縁部分41aがAi
1-xaSi
xaOである場合の特性を例示している。
図7の横軸は、組成比xaである。縦軸は、破壊電圧に関する評価パラメータP1である。評価パラメータP1は、破壊電圧の第1絶縁部分41aの厚さに対する比である。
図8には、700℃、800℃または900℃の熱処理における特性が例示されている。
【0055】
図8に示すように、組成比xaが低く、Alの組成比が高いと、評価パラメータP1が小さくなり、破壊電圧が低くなる。組成比xaが高く、Siの組成比が高いと、評価パラメータP1が大きくなり、破壊電圧が高くなる。Siの組成比が高いと、例えば、可動電荷(例えばイオン)が抑制できると考えられる。
【0056】
例えば、第1絶縁部分41aが、高Si組成領域(例えば第3絶縁領域r3)を含むことで、高い耐圧が得られる。
【0057】
図9は、半導体装置の特性を例示するグラフ図である。
図9は、第1絶縁部分41aがAi
1-xaSi
xaOである場合の特性を例示している。
図7の横軸は、組成比xaである。縦軸は、リーク電流密度Lc1である。
【0058】
図9に示すように、組成比xaが低く、Alの組成比が高いと、リーク電流密度Lc1が高くなる。組成比xaが高く、Siの組成比が高いと、リーク電流密度Lc1が低くなる。Siの組成比が高いと、例えば、可動電荷(例えばイオン)が抑制できると考えられる。その結果、低いリーク電流密度Lc1が得られると考えられる。
【0059】
例えば、第1絶縁部分41aが高Si組成領域(例えば第3絶縁領域r3)を含むことで、低いリーク電流が得られる。
【0060】
以下、第1絶縁部分41aに関するいくつかの例について説明する。
図10は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図10に示すように、実施形態に係る半導体装置111において、第1絶縁部分41aは、第4絶縁領域r4をさらに含む。第4絶縁領域r4は、第3絶縁領域r3と第1電極51との間に設けられる。第4絶縁領域r4は、シリコン、酸素及び窒素を含む。第4絶縁領域r4は、アルミニウム、シリコン、酸素及び窒素を含んでも良い。第3絶縁領域r3は、窒素を含まない。または、第3絶縁領域r3における窒素の組成比は、第4絶縁領域r4における窒素の組成比よりも低い。第4絶縁領域r4は、例えば、OリッチのAlSiONを含む。
【0061】
第1電極51は、例えばTiNを含む。第1電極51は、第1絶縁部分41aに対向する部分を含む。この対向する部分がTiNを含んでも良い。上記のような第4絶縁領域r4が設けられることで、例えば、より高い安定性が得られる。
【0062】
第3絶縁領域r3と第4絶縁領域r4との間において、窒素の組成比、及び、酸素の組成比の少なくともいずれかは、連続的に変化して良い。欠陥が抑制され、より高い安定性が得られる。
【0063】
図11は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図11に示すように、実施形態に係る半導体装置112において、第1絶縁部分41aは、第5絶縁領域r5をさらに含む。第5絶縁領域r5は、第4絶縁領域r4と第1電極51との間に設けられる。第5絶縁領域r5は、シリコン、酸素及び窒素を含む。第5絶縁領域r5は、アルミニウム、シリコン、酸素及び窒素を含んでも良い。第5絶縁領域r5における窒素の組成比は、第4絶縁領域r4における窒素の組成比よりも高い。上記のような第5絶縁領域r5が設けられることで、例えば、より高い安定性が得られる。
【0064】
第4絶縁領域r4と第5絶縁領域r5との間において、窒素の組成比、及び、酸素の組成比の少なくともいずれかは、連続的に変化して良い。欠陥が抑制され、より高い安定性が得られる。
【0065】
図12は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図12に示すように、実施形態に係る半導体装置113において、第1絶縁部分41aは、中間領域rxを含む。中間領域rxは、第1部分領域11と第1絶縁領域r1との間に設けられる。中間領域rxは、アルミニウム及び窒素を含む。中間領域rxは、例えば、AlNを含む。1つの例において、中間領域rxにおけるアルミニウムの組成比は、第1絶縁領域におけるアルミニウムの組成比よりも高い。中間領域rxが設けられる場合も、例えば、周波数の変化に対して高い安定性が得られる。例えば、温度の変化に対して高い安定性が得られる。
【0066】
このような中間領域rxは、半導体装置110~112のいずれにおいても適用されて良い。
【0067】
(第2実施形態)
図13(a)及び
図13(b)は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図13(b)は、
図13(a)の拡大図である。
図13(a)に示すように、実施形態に係る半導体装置120は、第1半導体領域10、第1電極51及び第1絶縁部材41を含む。
【0068】
半導体装置120においても、第1半導体領域10は、Alx1Ga1-x1N(0≦x1<1)を含む。第1半導体領域10は、第1部分領域11を含む。第1絶縁部材41は、第1絶縁部分41aを含む。第1絶縁部分41aは、第1部分領域11と第1電極51との間に設けられる。第1絶縁部分41aは、第1絶縁領域r1及び第2絶縁領域r2を含む。第2絶縁領域r2は、第1絶縁領域r1と第1電極51との間に設けられる。
【0069】
半導体装置120においては、第1絶縁領域r1は、Al1-x1Six1Oy1N1-y1(x1<0.5、y1<0.5)を含む。第2絶縁領域r2は、Al1-x2Six2Oy2N1-y2(0.5<x2、0.5<y2)を含む。このような構成により、例えば、周波数の変化に対して高い安定性が得られる。例えば、温度の変化に対して高い安定性が得られる。安定した特性が得られる半導体装置を提供できる。
【0070】
半導体装置120において、第1絶縁領域r1と第2絶縁領域r2との間において、アルミニウムの組成比、シリコンの組成比、酸素の組成比、及び、窒素の組成比の少なくともいずれかは、連続的に変化して良い。欠陥が抑制され、より安定した特性が得られる。
【0071】
図13(a)及び
図13(b)に示すように、半導体装置120において、第1絶縁部分41aは、上記の第3絶縁領域r3をさらに含んでも良い。半導体装置120において、第1絶縁部分41aは、上記の第4絶縁領域r4、第5絶縁領域r5及び中間領域rxの少なくともいずれかをさらに含んでも良い。
【0072】
実施形態によれば、特性を向上できる半導体装置が提供できる。
【0073】
本願明細書において、「垂直」及び「平行」は、厳密な垂直及び厳密な平行だけではなく、例えば製造工程におけるばらつきなどを含むものであり、実質的に垂直及び実質的に平行であれば良い。
【0074】
なお、本明細書において「窒化物半導体」とは、BxInyAlzGa1-x-y-zN(0≦x≦1,0≦y≦1,0≦z≦1,x+y+z≦1)なる化学式において組成比x、y及びzをそれぞれの範囲内で変化させた全ての組成比の半導体を含むものとする。またさらに、上記化学式において、N(窒素)以外のV族元素もさらに含むもの、導電形などの各種の物性を制御するために添加される各種の元素をさらに含むもの、及び、意図せずに含まれる各種の元素をさらに含むものも、「窒化物半導体」に含まれるものとする。
【0075】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、半導体装置に含まれる半導体部材、電極、導電部材及び絶縁部材などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
【0076】
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0077】
その他、本発明の実施の形態として上述した半導体装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての半導体装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0078】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【0079】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0080】
10…半導体領域、 10B…窒化物半導体領域、 10S…基体、 11~15…第1~第5部分領域、 20…第2半導体領域、 21、22…第1、第2半導体部分、 41…第1絶縁部材、 41a~41e…第1~第5絶縁部分、 42…第2絶縁部材、 42a、42b…一部、 51~53…第1~第3電極、 110~113、120…半導体装置、 C1、C(Al)、C(Si)組成比、 CF1~CF5…第1~第5構成、 La、Lb…第1、第2層、 Lc1…リーク電流密度、 P1…評価パラメータ、 SP1~SP3…第1~第3試料、 Tm…温度、 dVFB1…変化、 dVFB2、dVFB3…差、 f1…周波数、 pZ…位置、 r1~r5…第1~第5絶縁領域、 rx…中間領域、 xa…組成比