(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022163845
(43)【公開日】2022-10-27
(54)【発明の名称】ネットワークシステム、電気機器、およびサーバによる情報処理方法
(51)【国際特許分類】
H04M 11/00 20060101AFI20221020BHJP
G06F 13/00 20060101ALI20221020BHJP
【FI】
H04M11/00 301
G06F13/00 358A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021068921
(22)【出願日】2021-04-15
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148275
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100136319
【弁理士】
【氏名又は名称】北原 宏修
(74)【代理人】
【識別番号】100142745
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 世子
(74)【代理人】
【識別番号】100143498
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 健
(72)【発明者】
【氏名】蘭 碩
(72)【発明者】
【氏名】福森 淳正
【テーマコード(参考)】
5K201
【Fターム(参考)】
5K201BA02
5K201CB11
5K201CB13
5K201DC02
5K201DC04
5K201EA05
5K201EC06
5K201ED05
5K201ED08
5K201ED09
5K201EF07
(57)【要約】
【課題】ユーザに向けて適切なタイミングで音声メッセージを出力するための技術を提供する。
【解決手段】センサを有し、センサによる測定結果を送信する電気機器200と、電気機器からの測定結果を蓄積し、測定結果の平均から所定の程度よりも乖離した測定結果を得た場合に、電気機器から問いかけ用のメッセージを音声出力させるサーバ100と、を備える、ネットワークシステム1が提供される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサを有し、前記センサによる測定結果を送信する電気機器と、
前記電気機器からの測定結果を蓄積し、前記測定結果の平均から所定の程度よりも乖離した測定結果を得た場合に、前記電気機器から問いかけ用のメッセージを音声出力させるサーバと、を備える、ネットワークシステム。
【請求項2】
前記電気機器は、前記カメラを有し、
前記サーバは、前記カメラの画像に基づいて認識されるユーザ毎に、前記測定結果の平均を計算し、前記測定結果の平均から所定の程度よりも乖離しているか否かを判断する、請求項1に記載のネットワークシステム。
【請求項3】
前記サーバは、時間帯毎に、前記測定結果の平均を計算し、前記測定結果の平均から所定の程度よりも乖離しているか否かを判断する、請求項1または2に記載のネットワークシステム。
【請求項4】
センサと、
メモリと、
スピーカと、
プロセッサとを備え、
前記プロセッサは、前記センサの測定結果を前記メモリに蓄積し、前記測定結果の平均から所定の程度よりも乖離した測定結果を得た場合に、前記スピーカから問いかけ用のメッセージを音声出力させる、電気機器。
【請求項5】
サーバによる情報処理方法であって、
電気機器からセンサによる測定結果を取得するステップと、
前記電気機器からの測定結果を蓄積するステップと、
前記測定結果の平均から所定の程度よりも乖離した測定結果を得た場合に、前記電気機器から問いかけ用のメッセージを音声出力させるステップとを備える、サーバによる情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザに向けて音声メッセージを出力するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、センサのデータに基づいて音声インターネットなどを各種の情報を提供するための技術が提案されている。たとえば、特表2016-524230号公報(特許文献1)には、ソーシャルセンシング・行動分析システムが開示されている。特許文献1によると、方法は、赤外線センサ、無線通信モジュール、カメラ、加速度計、コンパス、複数のマイクロホン、電磁的データ転送モジュール、および誘導バッテリ充電器を実質的に含む、センサデータを取り込む複数のセンサをそれぞれ備える、複数のウェアラブルで電子的なバッジを提供する過程と、バッジから、センサデータを、サーバに送信する過程と、サーバに複数のセンサデータを集約し、これら複数のセンサデータを処理することにより、人間行動データのセットを作成する過程と、複数の尺度を算出するように、人間行動データの前記セットを分析する過程と、少なくとも1つのユーザ指定に従って、複数の尺度の視覚的表現を、コンピュータ画面上に作成及び表示する過程と、を備える。
【0003】
特開2019-194839号公報(特許文献2)には、人工知能に基づくサービス実施が開示されている。特許文献2によると、実施システムにおいて、音声データを生成するために、音声電話が分析される。音声データは、テキストデータに変換される。テキストデータは、キーワードを識別するために分析される。識別されたキーワードの分析に基づいて、複数のユーザの中のユーザが識別される。複数のユーザ支援フローのうち、識別されたユーザの判断された意図に対応するユーザ支援フローが特定される。音声電話は、判断された意図に対応するユーザ支援フローに基づいて、人工知能に基づく支援を識別されたユーザに提供されるデジタルアシスタントへ転送される。
【0004】
特開2009-253848号公報(特許文献3)には、表情認識装置、撮像装置、方法及びプログラムが開示されている。特許文献3によると、表情認識装置は、入力された画像から人物の顔画像を検出し、当該検出した顔画像から表情毎に対応した表情評価値を算出し、当該算出された表情評価値と、表情評価値に対応して設けられた表情判定用閾値との関係を顔画像に基づき更新するとともに、当該更新された表情評価値と表情判定用閾値との関係に基づき顔画像の表情を判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2016-524230号公報
【特許文献2】特開2019-194839号公報
【特許文献3】特開2009-253848号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、ユーザに向けて適切なタイミングで音声メッセージを出力するための技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明のある態様に従うと、センサを有し、センサによる測定結果を送信する電気機器と、電気機器からの測定結果を蓄積し、測定結果の平均から所定の程度よりも乖離した測定結果を得た場合に、電気機器から問いかけ用のメッセージを音声出力させるサーバと、を備える、ネットワークシステムが提供される。
【発明の効果】
【0008】
以上のように、本発明によれば、ユーザに向けて適切なタイミングで音声メッセージを出力するための技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1の実施の形態にかかるネットワークシステム1の全体構成を示すイメージ図である。
【
図2】第1の実施の形態にかかるネットワークシステム1の動作概要を示すイメージ図である。
【
図3】第1の実施の形態にかかる電気機器200の構成を示すブロック図である。
【
図4】第1の実施の形態にかかるサーバ100の構成を示すブロック図である。
【
図5】第1の実施の形態にかかるユーザ情報データ121を示す図である。
【
図6】第1の実施の形態にかかる機器情報データ122を示す図である。
【
図7】第1の実施の形態にかかる履歴データ123を示す図である。
【
図8】第1の実施の形態にかかる統計データ124を示す図である。
【
図9】第1の実施の形態にかかるサーバ100の処理手順を示すフローチャートである。
【
図10】第1の実施の形態にかかるその他のユースケースを示す表である。
【
図11】第3の実施の形態にかかる特徴データ325を示すイメージ図である。
【
図12】第3の実施の形態にかかる履歴データ123を示す図である。
【
図13】第3の実施の形態にかかる統計データ124を示す図である。
【
図14】第3の実施の形態にかかるサーバ100の処理手順を示すフローチャートである。
【
図15】第5の実施の形態にかかるサーバ100の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
<第1の実施の形態>
<ネットワークシステムの全体構成>
【0011】
まず、本実施の形態にかかるネットワークシステム1の全体構成について説明する。
図1を参照して、ネットワークシステム1は、主に、本実施の形態にかかる音声対話サービスを提供するためのサーバ100と、当該サーバ100と接続可能であって、ユーザ宅に配置されるエアコンや冷蔵庫や空気清浄機や洗濯機などの複数種類の電気機器200と、ユーザに利用されるスマートフォンなどの通信端末300と、を含むものである。
【0012】
電気機器に関しては、エアコンや冷蔵庫や空気清浄機や洗濯機には限られず、掃除機、加湿器、除湿器、自動調理鍋、電子レンジ、炊飯器、照明などの家電、パーソナルコンピュータ、ハードディスクレコーダ、プロジェクタ、音楽プレーヤー、ゲーム機、テレビ、スピーカなどのAV(オーディオ・ビジュアル)機器、太陽光発電システム、蓄電池システム、給湯システムや、温水洗浄便座などのHEMS設備、組み込み照明、インターホン、電気錠、給湯器、温水洗浄便座コントローラなどの住宅設備、などであってもよい。以下では、これらの機器を総称して電気機器200という。
【0013】
ユーザ端末に関してもスマートフォンには限られず、タブレットや、パーソナルコンピュータや、スピーカなどであってもよく、以下では、これらの機器を総称して、通信端末300という。
<ネットワークシステムの動作概要>
【0014】
そして、
図2に示すように、本実施の形態にかかるネットワークシステム1では、ユーザに関する各種の状態が通常と異なる場合に、電気機器200が、「どうかしましたか?」という問いかけメッセージを音声出力するものである(ステップS002)。これによって、ユーザが、電気機器200の不具合に関する情報を電気機器200に入力したり、自分の気持ちや出来事などを電気機器200に入力したりする(ステップS004)。サーバ100は、ユーザからの音声メッセージ応じて、ユーザに向けて回答メッセージを音声出力したり(ステップS006)、現状に応じた適切な動作を電気機器200に行わせたり、ユーザが利用する通信端末300にエラー情報を送信したりする(ステップS008)。
【0015】
以下では、このような機能を実現するための、本実施の形態にかかるネットワークシステム1を構成する各装置の構成や機能について説明する。
<電気機器200の構成>
【0016】
次に、
図3を参照して、ネットワークシステム1を構成する電気機器200の構成の一態様について説明する。本実施の形態にかかる電気機器200は、主たる構成要素として、CPU210と、メモリ220と、ディスプレイ230、操作部240と、通信インターフェイス260と、スピーカ270と、マイク280と、機器駆動部290と、各種のセンサ295と、カメラ299などを含む。
【0017】
CPU210は、メモリ220あるいは外部の記憶媒体に記憶されているプログラムを実行することによって、電気機器200の各部を制御する。
【0018】
メモリ220は、各種のRAM(Random Access Memory)、各種のROM(Read‐Only Memory)などによって実現されて、CPU210によって実行されるプログラムや、CPU210によるプログラムの実行により生成されたデータ、操作部240を介して入力されたデータ、リモコンから受信したデータ、ルータ400やインターネットを介してサーバ100から受信したデータ、電気機器200に対応するサーバのアドレスなどのように、各種サービスを利用するために必要な情報などを記憶する。
【0019】
ディスプレイ230は、CPU210からの信号に基づいて、文字や画像などを出力する。なお、ディスプレイ230は、単にLEDライトなどであってもよい。
【0020】
操作部240は、ボタン、タッチパネルなどによって実現され、ユーザからの命令を受け付けて、当該命令をCPU210に入力する。なお、ディスプレイ230と操作部240とは、タッチパネル250を構成してもよい。
【0021】
通信インターフェイス260は、無線通信を行うためのアンテナや、有線通信を行うためのコネクタなどによって実現される。CPU210は、通信インターフェイス260を利用することによって、ルータ400やインターネットなどを介して、サーバ100や他の電気機器200や通信端末300と各種のデータをやり取りする。
【0022】
スピーカ270は、CPU210からの音声データに基づいて音声メッセージなどを出力する。
【0023】
マイク280は、外部の音声を受け付けて、音声データをCPU210に入力したり、メモリ220に蓄積したりする。
【0024】
機器駆動部290は、CPU210からの信号に基づいて、電気機器200の各部(モータやヒータやセンサやアンテナなど)を制御する。機器駆動部290は、たとえば、テレビに関しては受信アンテナやチューナであったり、冷蔵庫に関しては圧縮機やファンやダンパであったり、電子レンジに関しては加熱調理のためのアンテナや回転テーブルであったり、エアコンに関しては圧縮機やファンや風向き変更機構やイオン発生装置であったりする。
【0025】
各種のセンサ295は、振動センサであったり、温度センサであったり、音感センサであったり、扉開閉センサであったり、人感センサであったりする。CPU110は、定期的に、あるいは何らかの操作を受け付けた際に、あるいは人感センサが人を検知した際などに、センサ295に、各種のパラメータを測定させて、当該測定結果をメモリ220に蓄積したり、通信インターフェイス260を介してサーバ100にアップロードしたりする。
【0026】
カメラ299は、静止画像や動画像を撮影して、そのデータをCPU210に入力したり、メモリ220に蓄積したりする。
【0027】
そして、たとえば、CPU210は、通信インターフェイス260を介して、センサ295による測定データや機器駆動部290の動作状態やマイク280からの音声データなどをサーバ100に送信したり、音声データや遠隔制御命令をサーバ100から受信したりする。CPU210は、サーバ100からの音声データに基づいてスピーカ270から音声を出力したり、遠隔制御命令に基づいて機器駆動部290を制御したりする。
<サーバ100の構成>
【0028】
次に、本実施の形態にかかるネットワークシステム1を構成するサーバ100の構成の一態様について説明する。
図4を参照して、サーバ100は、主たる構成要素として、CPU(Central Processing Unit)110と、メモリ120と、操作部140と、通信インターフェイス160とを含む。
【0029】
CPU110は、メモリ120に記憶されているプログラムを実行することによって、サーバ100の各部を制御する。たとえば、CPU110は、メモリ120に格納されているプログラムを実行し、各種のデータを参照することによって、後述する各種の処理を実行する。
【0030】
メモリ120は、各種のRAM、各種のROMなどによって実現され、サーバ100に内包されているものであってもよいし、サーバ100の各種インターフェイスに着脱可能なものであってもよいし、サーバ100からアクセス可能な他の装置の記録媒体であってもよい。メモリ120は、CPU110によって実行されるプログラムや、CPU110によるプログラムの実行により生成されたデータ、入力されたデータ、その他の本実施の形態にかかる音声対話サービスに利用されるデータベースなどを記憶する。
【0031】
メモリ120は、
図5に示すような、ユーザ情報データ121を記憶する。ユーザ情報データ121は、ユーザ毎に、ユーザIDと、ユーザ名と、家族IDと、メールアドレスと、住所と、郵便番号と、ユーザが加入している各種のサービスの情報などの対応関係を格納する。
【0032】
また、メモリ120は、
図6に示すような、機器情報データ122を記憶する。機器情報データ122は、電気機器毎に、機器IDと、機器の種類と、所有者のユーザIDなどの対応関係を格納する。
【0033】
また、メモリ120は、
図7に示すような、履歴データ123を記憶する。履歴データ123は、電気機器200毎に準備される。履歴データ123は、測定日時と、測定したセンサの種類と、測定データのなどの対応関係を蓄積する。
【0034】
また、メモリ120は、
図8に示すような、統計データ124を記憶する。統計データ124は、電気機器200の識別情報と、センサの種類と、平均値と、標準偏差などの対応関係を記憶する。
【0035】
図4に戻って、操作部140は、サービスの管理者などの命令を受け付けて、当該命令をCPU110に入力する。
【0036】
通信インターフェイス160は、CPU110からのデータを、インターネット、キャリア網、ルータなどを介して、電気機器200や通信端末300などの他の装置に送信する。逆に、通信インターフェイス160は、インターネット、キャリア網、ルータなどを介して他の装置からのデータを受信して、CPU110に受け渡す。
<サーバ100の情報処理>
【0037】
次に、
図9を参照して、サーバ100における情報処理について説明する。本実施の形態にかかるサーバ100のCPU110は、通信インターフェイス160を介して電気機器200からデータを受信すると、メモリ120のプログラムに従って、以下の処理を実行する。
【0038】
CPU110は、受信データに基づいて電気機器200を特定する(ステップS102)。
【0039】
CPU110は、受信データからセンサ295による測定データを読み出して、メモリ120に履歴データ123として蓄積する(ステップS104)。
【0040】
CPU110は、履歴データ123を参照して、所定期間における測定データの平均値や標準偏差などを計算して統計データ124としてメモリ120に蓄積する(ステップS106)。たとえば、センサ295が振動センサである場合には、CPU110は、振動の大きさや振動の期間の長さなどを履歴データ123として蓄積して、直近1週間における振動の大きさや長さの平均値や標準偏差などを統計データ124としてメモリ120に記憶させたり上書きしたりする。
【0041】
CPU110は、今回の測定データが平均値から標準偏差以上離れているか否かを判断する(ステップS108)。たとえば、いつもよりも明らかに振動が大きいことを検知するのである。
【0042】
CPU110は、今回の測定データが平均値から標準偏差以上離れている場合(ステップS108にてYESである場合)、ユーザに問いかけるための音声メッセージのデータを電気機器200に送信する(ステップS110)。これによって、電気機器200のCPU210は、サーバ100からの音声データに基づいて、スピーカ270に、問いかけのメッセージを音声出力させる。
【0043】
このように本実施の形態においては、通常とは異なる状況を検知して、ユーザに「何かあった?」というような問いかけメッセージを音声出力することができる。
<その他のユースケース>
【0044】
振動の大きさに限らず、その他の種類の測定結果に基づいて、通常とは異なる状況を判断してもよい。
【0045】
たとえば、操作部240やタッチパネル250などのボタンの下に圧力センサを設けてもよい。そして、CPU110は、ボタンが押される強さや長さなどを履歴データ123として蓄積し、ボタンが押される圧力や長さの平均値や標準偏差などを統計データ124として記憶する。CPU110は、ボタンがいつもよりも強く押された場合などに電気機器200に問いかけメッセージを出力させる。
【0046】
あるいは、センサ295が赤外線サーモセンサである場合には、CPU110は、電気機器200の前にいるユーザの体温を履歴データ123として蓄積し、体温の平均値や標準偏差などを統計データ124として記憶する。CPU110は、体温がいつもよりも高い場合などに電気機器200に問いかけメッセージを出力させる。
【0047】
他にも、
図10に示すように、電気機器200の周囲のユーザの挙動や表情や操作の内容や操作の速度や操作の種類などに応じて、いつもと違うという状況を認識した場合に、問いかけメッセージを出力させてもよい。
<第2の実施の形態>
【0048】
上記の実施の形態においては、今回の測定結果が、通常よりも有意に乖離したものであるか否かの判断するために、今回の測定データが平均値から標準偏差以上離れているか否かを判断するものであったが、このような形態には限られない。
【0049】
たとえば、CPU110は、ステップS108において、今回の測定データが平均値から標準偏差の2倍以上離れているか否かを判断してもよい。
【0050】
あるいは、CPU110は、ステップS106において、所定の期間、たとえば1週間において、測定データの最大値と最小値を特定してメモリ120に統計データ124として格納してもよい。そして、CPU110は、ステップS108において、今回の測定データが最大値または2番目に大きい値よりも大きいか否かを判断することによって、通常よりも優位に乖離していることを判断してもよい。
<第3の実施の形態>
【0051】
上記の実施の形態においては、電気機器200毎かつセンサ295毎に、1つの平均値と1つの標準偏差を利用して、通常と異なるか否かを判断するものであった。しかしながら、電気機器200毎かつセンサ295毎に加えて、ユーザ毎に、平均値と標準偏差を計算して、当該ユーザに関して通常の状態と異なるか否かを判断してもよい。
【0052】
本実施の形態においては、サーバ100は、
図11に示すような、ユーザ特徴データ325を記憶する。ユーザ特徴データ325は、ユーザ毎に、ユーザの識別情報と、ユーザを識別するための顔画像などの特徴データと、当該ユーザを検知した電気機器200の識別情報などの対応関係を格納する。
【0053】
また本実施の形態においては、サーバ100は、
図12に示すような、履歴データ323を記憶する。履歴データ323は、電気機器200毎に準備される。履歴データ323は、測定日時と、測定したセンサの種類と、ユーザの識別情報と、測定データのなどの対応関係を蓄積する。
【0054】
また、メモリ120は、
図13に示すような、統計データ324を記憶する。統計データ324は、電気機器200の識別情報と、センサの種類と、ユーザの識別情報と、平均値と、標準偏差などの対応関係を記憶する。
【0055】
本実施の形態においては、電気機器200のCPU210は、センサ295による測定を行う際などに、カメラ299で周囲を撮影するものである。そして、CPU210は、通信インターフェイス160を介して、測定結果と撮影画像とをサーバ100にアップロードする。
【0056】
図14を参照して、CPU110は、受信データに基づいて電気機器200を特定する(ステップS302)。
【0057】
CPU110は、受信データから画像データを取得してユーザを特定する(ステップS303)。
【0058】
CPU110は、受信データからセンサ295による測定データを読み出して、メモリ120に、当該ユーザに対応付けて、履歴データ123として蓄積する(ステップS304)。
【0059】
CPU110は、履歴データ123を参照して、所定期間における当該ユーザに関する測定データの平均値や標準偏差などを計算してユーザ毎の統計データ124としてメモリ120に蓄積する(ステップS306)。
【0060】
CPU110は、今回の測定データが、当該ユーザに関して、平均値から標準偏差以上離れているか否かを判断する(ステップS308)。
【0061】
CPU110は、今回の測定データが平均値から標準偏差以上離れている場合(ステップS308にてYESである場合)、ユーザに問いかけるための音声メッセージのデータを電気機器200に送信する(ステップS310)。
【0062】
これによって、ユーザ毎に、通常とは異なる状況を検知して、対象となるユーザに「何かあった?」というような問いかけメッセージを音声出力することができる。
<第4の実施の形態>
【0063】
さらに上記の実施の形態に加えて、時間帯毎に、通常の状態と異なるか否かを判断してもよい。たとえば、第3の実施の形態におけるユーザの識別情報の代わりに、サーバ100のCPU110は、時間帯に対応付けて測定値をメモリ120に蓄積したり、時間帯毎に測定値の平均値や標準偏差を計算したり、時間帯毎に測定値が平均から乖離しているか否かを判断する。これによって、たとえば、ユーザ毎に、かつ時間帯にも応じて、通常とは異なる状況であることを検知して、対象となるユーザに「何かあった?」というような問いかけメッセージを音声出力することができる。
<第5の実施の形態>
【0064】
上記の実施の形態のネットワークシステム1の各装置の役割の一部または全部を他の装置が実行してもよい。たとえば、サーバ100や電気機器200や通信端末300の各々の役割の一部または全部を別の装置が担ったり、それらの装置の1つ1つの役割の一部または全部を複数の装置で分担したりしてもよい。
【0065】
より詳細には、サーバ100が、1つの装置で実現されてもよいし、クラウド上の複数の装置によって実現されてもよい。あるいは、電気機器200や通信端末300が、サーバ100や電気機器200の処理の一部の役割を担ったりしてもよい。
【0066】
たとえば、
図15を参照して、電気機器200のCPU210は、メモリ220のプログラムに従って、以下の処理を実行する。
【0067】
CPU210は、定期的に、あるいは何らかの操作を受け付けるたびに、あるいは人感センサが人を検知した際に、センサ295による測定データを読み出して、メモリ220に履歴データ123として蓄積する(ステップS504)。
【0068】
CPU210は、履歴データ123を参照して、所定期間における測定データの平均値を計算して統計データ124としてメモリ220に蓄積する(ステップS506)。
【0069】
CPU210は、今回の測定データが平均値から標準偏差以上離れているか否かを判断する(ステップS508)。
【0070】
CPU210は、今回の測定データが平均値から標準偏差以上離れている場合(ステップS508にてYESである場合)、ユーザに問いかけるための音声メッセージをスピーカ270から出力させる(ステップS510)。
【0071】
これによって、通常とは異なる状況を検知して、ユーザに「何かあった?」というような問いかけメッセージを音声出力することができる。
<まとめ>
【0072】
上記の実施の形態においては、センサを有し、センサによる測定結果を送信する電気機器と、電気機器からの測定結果を蓄積し、測定結果の平均から所定の程度よりも乖離した測定結果を得た場合に、電気機器から問いかけ用のメッセージを音声出力させるサーバと、を備える、ネットワークシステムが提供される。
【0073】
好ましくは、電気機器は、カメラを有する。サーバは、カメラの画像に基づいて認識されるユーザ毎に、測定結果の平均を計算し、測定結果の平均から所定の程度よりも乖離しているか否かを判断する。
【0074】
好ましくは、サーバは、時間帯毎に、測定結果の平均を計算し、測定結果の平均から所定の程度よりも乖離しているか否かを判断する。
【0075】
上記の実施の形態においては、センサと、メモリと、スピーカと、プロセッサとを備える電気機器が提供される。プロセッサは、センサの測定結果をメモリに蓄積し、測定結果の平均から所定の程度よりも乖離した測定結果を得た場合に、スピーカから問いかけ用のメッセージを音声出力させる。
【0076】
上記の実施の形態においては、サーバによる情報処理方法が提供される。情報処理方法は、電気機器からセンサによる測定結果を取得するステップと、電気機器からの測定結果を蓄積するステップと、測定結果の平均から所定の程度よりも乖離した測定結果を得た場合に、電気機器から問いかけ用のメッセージを音声出力させるステップとを備える。
【0077】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0078】
1 :ネットワークシステム
100 :サーバ
110 :CPU
120 :メモリ
121 :ユーザ情報データ
122 :機器情報データ
123 :履歴データ
124 :統計データ
140 :操作部
160 :通信インターフェイス
200 :電気機器
210 :CPU
220 :メモリ
230 :ディスプレイ
240 :操作部
250 :タッチパネル
260 :通信インターフェイス
270 :スピーカ
280 :マイク
290 :機器駆動部
295 :センサ
299 :カメラ
300 :通信端末
400 :ルータ