(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022163886
(43)【公開日】2022-10-27
(54)【発明の名称】貝排出装置及び貝排出方法
(51)【国際特許分類】
A01K 61/56 20170101AFI20221020BHJP
【FI】
A01K61/56 311
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021068998
(22)【出願日】2021-04-15
(71)【出願人】
【識別番号】300021002
【氏名又は名称】株式会社森機械製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000316
【氏名又は名称】特許業務法人ピー・エス・ディ
(72)【発明者】
【氏名】森 光典
【テーマコード(参考)】
2B104
【Fターム(参考)】
2B104DB04
2B104DB08
2B104DB17
2B104DD01
(57)【要約】
【課題】 ザブトン籠から貝を短時間で確実に排出させることができ、作業者への負担が少ない状態で作業することができるとともに、ザブトン籠内の貝に悪影響を与えることのない、小型、軽量、安価かつ安全な貝排出装置を提供する。
【解決手段】 略四角錐の形状であり、頂点と底面網とを結ぶ稜線の1つに貝出入口が設けられているとともに、互いにロープで連結された複数のザブトン籠から、貝を排出させるための貝排出装置である。貝排出装置は、貝が入った状態の複数のザブトン籠を載せる処理前籠載せ部と、貝出入口を下方に向けて複数のザブトン籠の各々を載せたときに側面網が垂れ下がるように設けられた開口を有する貝排出部と、貝排出部において複数のザブトン籠の各々に対して底面網の側方から振動を与える振動部と、貝が排出された後の複数のザブトン籠を載せる処理済籠載せ部とを備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
略四角形の底面網と略三角形の4面からなる側面網とを有する略四角錐の形状であり、頂点と底面網とを結ぶ稜線の1つに貝出入口が設けられているとともに、互いにロープで連結された複数のザブトン籠から、貝を排出させるための貝排出装置であって、
貝が入った状態の複数のザブトン籠を載せる処理前籠載せ部と、
貝出入口を下方に向けて複数のザブトン籠の各々を載せたときに側面網が垂れ下がるように設けられた開口を有する貝排出部と、
前記貝排出部において複数のザブトン籠の各々に対して底面網の側方から振動を与える振動部と、
貝が排出された後の複数のザブトン籠を載せる処理済籠載せ部と
を備えた貝排出装置。
【請求項2】
前記振動部は、底面網の4つの角部のうち貝出入口が設けられた稜線が交わる角部を横方向に揺動させるように振動を与える振動体を有する、
請求項1に記載の貝排出装置。
【請求項3】
前記振動部は、底面網の4つの角部のうち貝出入口が設けられた稜線が交わる角部と当該角部の隣の2つの角部とを含む3つの角部のうちの少なくとも1つを横方向に揺動させるように振動を与える振動体を有する、
請求項1に記載の貝排出装置。
【請求項4】
前記処理前籠載せ部及び前記処理済籠載せ部は、底面網が起立した状態複数のザブトン籠を載せるように形成されている、
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の貝排出装置。
【請求項5】
略四角形の底面網と略三角形の4面からなる側面網とを有する略四角錐の形状であり、頂点と底面網とを結ぶ稜線の1つに貝出入口が設けられているとともに、互いにロープで連結された複数のザブトン籠から、貝を排出させるための貝排出方法であって、
貝が入った状態の前記複数のザブトン籠を保持する工程と、
前記貝出入口を下方に向けた前記複数のザブトン籠の各々を前記側面網が垂れ下がった状態で保持する工程と、
前記側面網が垂れ下がった状態で保持された前記複数のザブトン籠の各々に対して前記底面網の側方から振動を与える工程と、
貝が排出された後の前記複数のザブトン籠を保持する工程と
を含む貝排出方法。
【請求項6】
前記複数のザブトン籠の各々に対して前記底面網の側方から振動を与える工程は、前記底面網の4つの角部のうち前記貝出入口が設けられた稜線が交わる角部が横方向に揺れるように振動を与えることを含む、
請求項5に記載の貝排出方法。
【請求項7】
前記複数のザブトン籠の各々に対して前記底面網の側方から振動を与える工程は、前記底面網の4つの角部のうち前記貝出入口が設けられた稜線が交わる角部と当該角部の隣の2つの角部とを含む3つの角部のうちの少なくとも1つが横方向に揺れるように振動を与えることを含む、
請求項5に記載の貝排出方法。
【請求項8】
貝が入った状態の前記複数のザブトン籠を保持する工程、及び、貝が排出された後の前記複数のザブトン籠を保持する工程は、前記底面網が起立した状態で前記複数のザブトン籠を保持することを含む、
請求項5から請求項7までのいずれか1項に記載の貝排出方法。
【請求項9】
前記貝出入口を下方に向けた前記複数のザブトン籠の各々を前記側面網が垂れ下がった状態で保持する工程は、前記底面網の4つの角部のうち前記貝出入口が設けられた稜線が交わる角部の対角に位置する角部を持ち上げることによって、前記底面壁を傾けた状態で保持することを含む、
請求項5から請求項8までのいずれか1項に記載の貝排出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ザブトン籠から貝を排出させるための貝排出装置及び貝排出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ホタテ貝の養殖においては、一般に、養殖工程でザブトン籠が用いられる。ザブトン籠1は、ホタテ貝の養殖において、20~80枚程度のホタテ貝を入れて海中に吊るし、貝を育てるための容器であり、
図1に示されるように、典型的には略正方形の枠に網を張って形成された底面網2と、底面網2の各辺に連続する略三角形の4面の網からなる側面網3とによって構成された、略四角錐形状の籠である。ザブトン籠1は、底面網2の一辺が40cm程度のものが主流であるが、さらに大きなサイズのものも用いられることがある。ザブトン籠1は、典型的には、30cm程度の間隔を空けて各々の頂部と底面網2の中央部とをロープ4で互いに連結することによって、縦に10枚~20枚が連結された1セット6として用いられる。例えば籠の交換や洗浄といった作業、貝の販売などのために、ザブトン籠1から貝を排出させる作業が頻繁に行われる。ザブトン籠1には、頂点と底面網2の1つの角部2aとを結ぶ稜線3aの1つに貝出入口5が設けられており、貝の排出はこの貝出入口5から行われる。
【0003】
現在のところ、ザブトン籠1から貝を排出させる作業は、手作業で行われることが多い。排出させるときには、貝が入ったザブトン籠1を、貝出入口5を下に向けた状態で作業者が両手で持ち、左右に揺動させる。貝が入ったザブトン籠1の頂部を真下に向けた状態で保持すると、内部の貝が頂部付近に溜まり、その重みで稜線3aが引っ張られて貝出入口5が閉じるため、貝を排出させることができない。したがって、貝出入口5が真下に向くようにザブトン籠1を傾斜させて保持した状態で、左右に揺動させる必要がある。貝が入った状態のザブトン籠1は、2.5kg~3kg程度であり、これを両手で持ち上げ、傾斜させた状態で10枚~20枚も振るうことは、極めて重労働である。
【0004】
ザブトン籠1から貝を排出させるための装置として、例えば特許文献1に記載の技術が提案されている。この技術は、左右一対の無端軌道を有する搬送体上に、底面網2を上に向けた状態で複数のザブトン籠1を載せて搬送し、搬送中のザブトン籠1に下方から側面網3に対して打撃又は振動を与えることによって、貝出入口5から貝を排出させようとするものである。搬送中のザブトン籠1は、押さえ部によって上から無限軌道に押さえつけられた状態で移動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に提案される技術においては、以下のような課題がある。この技術においては、搬送部が設けられ、複数のザブトン籠1を一定の速度で搬送しながら貝の排出を行う。ところが、陸揚げされたザブトン籠1の状態は、養殖環境に応じてそれぞれ異なる。例えば、海面に近い位置にあったザブトン籠1には大量の異物が付着している一方、水深の深い位置にあったザブトン籠1にはまったく異物が付着していない場合もある。異物の付着の程度によって貝の排出されやすさに違いが生じるので、一定の速度で搬送すると、1セットのうちでも籠によって貝の排出の程度が異なる。また、搬送速度自体は可変であるが、作業中に個々のザブトン籠1の状態に合わせて変化させるわけではない。そのため、異物が多数付着して排出されにくいザブトン籠1に合わせた搬送速度では作業効率が悪く、排出されやすいザブトン籠1に合わせると貝が残る籠が発生し、そうしたザブトン籠1は、結局は手作業で貝を排出しなければならない。
【0007】
また、特許文献1に提案される技術においては、ザブトン籠1には、下方から衝撃が与えられる。下方から衝撃を与えると、貝とザブトン籠1とが同時に上下に振動するため、ザブトン籠1の内部で貝が踊り、排出されにくくなる。この問題に対応するために強力かつ高速で打撃を与えて貝を排出させようとすると、振動、騒音、籠の消耗が早いなどといった問題が生じたり、下からの振動体が貝を直撃し、貝割れや噛み込みが発生したりすることがある。衝撃によって、ザブトン籠1が搬送体から外れることもある。
【0008】
さらに、隣接するザブトン籠1の間は約30cm程度の長さのロープで連結されている。ロープが短いため、複数のザブトン籠1をその貝出入口5が重ならないように搬送体上に平らに並べると、進行方向前方のザブトン籠1が後方のザブトン籠1を引っ張り、貝出入口5が塞がれることになる。そうすると、振動や衝撃を与えてもザブトン籠1から貝が出ないことがあり、手作業で貝を排出する必要がある。
【0009】
したがって、本発明は、ザブトン籠から貝を短時間で確実に排出させることができ、作業者への負担が少ない状態で作業することができるとともに、ザブトン籠内の貝に悪影響を与えることのない、小型、軽量、安価かつ安全な貝排出装置と、貝排出装置を用いた貝排出方法とを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明にかかる貝排出装置では、搬送部が設けられておらず、手作業でザブトン籠を逆さまにして貝排出部に載せ、振動部に当ててザブトン籠を揺動させることによって貝を下方に排出させ、排出を確認したら次のザブトン籠を排出部に載せる作業を繰り返す。貝を排出させる前のザブトン籠は、好ましくは底面網を起立させた状態で処理前籠載せ部に保持されており、貝を排出させた後のザブトン籠は、好ましくは底面網を起立させた状態で処理済籠載せ部に保持する。貝を排出させた後のザブトン籠を処理済籠載せ部に移動させることによって、その籠にロープで繋がれている次の籠が、処理前籠載せ部から引っ張られて貝排出部に移動する。
【0011】
貝排出部では、底面網を上方に向けた状態のザブトン籠に底面網の側方から振動を与えるため、作業者がザブトン籠を持って左右に振るうときと同様の動きを、ザブトン籠に与えることができる。貝排出部に載せたザブトン籠の一部を手で押さえながら籠を振動部に当てることによって、重たいザブトン籠でも容易に揺動させることができる。ザブトン籠の貝出入口が設けられた稜線が交わる角部を振動部で揺動させることが好ましい。その際、ザブトン籠の貝出入口の近くの角部とは底面網の対角線に位置する角を上下に移動させることによって、内部の貝が貝出入口に集まって出やすくなる角度になるようにザブトン籠の傾きを調整することが好ましい。
【0012】
本発明の一態様によれば、略四角形の底面網と略三角形の4面からなる側面網とを有する略四角錐の形状であり、頂点と底面網とを結ぶ稜線の1つに貝出入口が設けられているとともに、互いにロープで連結された複数のザブトン籠から、貝を排出させるための貝排出装置を提供する。貝排出装置は、貝が入った状態の複数のザブトン籠を載せる処理前籠載せ部と、貝出入口を下方に向けて複数のザブトン籠の各々を載せたときに側面網が垂れ下がるように設けられた開口を有する貝排出部と、貝排出部において複数のザブトン籠の各々に対して底面網の側方から振動を与える振動部と、貝が排出された後の複数のザブトン籠を載せる処理済籠載せ部とを備える。
【0013】
一実施形態において、振動部は、底面網の4つの角部のうち貝出入口が設けられた稜線が交わる角部を横方向に揺動させるように振動を与える振動体を有することが好ましい。別の実施形態においては、振動部は、底面網の4つの角部のうち貝出入口が設けられた稜線が交わる角部と当該角部の隣の2つの角部とを含む3つの角部のうちの少なくとも1つを横方向に揺動させるように振動を与える振動体を有することが好ましい。
【0014】
一実施形態において、処理前籠載せ部及び処理済籠載せ部は、底面網が起立した状態の複数のザブトン籠を載せるように形成されることが好ましい。
【0015】
本発明の別の態様によれば、略四角形の底面網と略三角形の4面からなる側面網とを有する略四角錐の形状であり、頂点と底面網とを結ぶ稜線の1つに貝出入口が設けられているとともに、互いにロープで連結された複数のザブトン籠から、貝を排出させるための貝排出方法を提供する。貝排出方法は、貝が入った状態の複数のザブトン籠を保持する工程と、貝出入口を下方に向けた複数のザブトン籠の各々を側面網が垂れ下がった状態で保持する工程と、側面網が垂れ下がった状態で保持された複数のザブトン籠の各々に対して底面網の側方から振動を与える工程と、貝が排出された後の複数のザブトン籠を保持する工程とを含む。
【0016】
一実施形態において、複数のザブトン籠の各々に対して底面網の側方から振動を与える工程は、底面網の4つの角部のうち貝出入口が設けられた稜線が交わる角部が横方向に揺れるように振動を与えることを含むことが好ましい。別の実施形態において、複数のザブトン籠の各々に対して底面網の側方から振動を与える工程は、底面網の4つの角部のうち貝出入口が設けられた稜線が交わる角部と当該角部の隣の2つの角部とを含む3つの角部のうちの少なくとも1つが横方向に揺れるように振動を与えることを含むことが好ましい。
【0017】
一実施形態において、貝が入った状態の複数のザブトン籠を保持する工程、及び、貝が排出された後の複数のザブトン籠を保持する工程は、底面網が起立した状態で前記複数のザブトン籠を保持することを含むことが好ましい。
【0018】
一実施形態において、貝出入口を下方に向けた複数のザブトン籠の各々を側面網が垂れ下がった状態で保持する工程は、底面網の4つの角部のうち貝出入口が設けられた稜線が交わる角部の対角に位置する角部を持ち上げることによって、底面壁を傾けた状態で保持することを含むことが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、個々のザブトン籠について最適な方法で貝を排出させることができる。本発明にかかる貝排出装置は、最も効率よく貝を排出させることができるザブトン籠の姿勢及び振動で、すなわち貝出入口を下方に向けてその周辺を左右に揺動させる振動をザブトン籠に与えることによって、貝を排出させる時間を短縮することができるとともに、それぞれのザブトン籠からの貝の出具合を目視で確認して、確実に貝が排出されたザブトン籠を素早く手作業で交換するので、1セットのザブトン籠全体から貝を排出させるための処理時間を、従来技術より短縮することができる。
【0020】
貝を排出させるザブトン籠の移動(すなわち、処理前籠載せ部から貝排出部への移動及び貝排出部から処理済籠載せ部への移動)は作業者が手作業で素早く行うため、作業時間を短縮することができる。貝排出の際には、ザブトン籠を貝排出部に載せ、振動させる角部と対角に位置する角部を軽く支えるだけであるため、ザブトン籠の重さは作業者の負担にはならない。ザブトン籠への振動は、底面網の側方から与えられるため、貝割れや噛み込みを発生させることがない。
【0021】
また、本発明によれば、小型、軽量、安価、かつ安全な貝排出装置を提供することができる。本発明にかかる貝排出装置は、従来技術には設けられている搬送体が存在せず、貝排出部も籠1枚分のスペースしか必要としないため、構造を簡素化させることができ、小型、軽量、かつ安価な貝排出装置を構成することができる。さらに、搬送体が存在しないため、ザブトン籠が搬送体から振動で外れる事も無く、搬送体の出口におけるザブトン籠の巻き込み等も発生せず、安全である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】ホタテ貝の養殖に用いられるザブトン籠を示す。
【
図2】本発明の一実施形態による貝排出装置の構成を示し、(a)は上面図、(b)は正面図、(c)は左側面図、(d)は右側面図である。
【
図3】本発明による貝排出装置における振動体の配置位置の実施形態を示す。
【
図4】本発明による貝排出装置における振動体の形状及び運動方法の実施形態を示す。
【
図5】本発明の一実施形態による貝排出装置用いた貝排出方法の工程を示す。
【
図6】本発明の一実施形態による貝排出装置の利用形態の例を示す図であり、複数の貝排出装置をコンベア装置の上に配置することによって構成された貝取出搬送装置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0024】
(装置の概要)
図2は、本発明の一実施形態による貝排出装置10の概略的な構成を示す。
図2(a)は上面図、
図2(b)は正面図、
図2(c)は左側面図、
図2(d)は右側面図である。なお、
図2においては、内部の構成を示す目的で、外部からは見えない一部の部材が点線で描かれている。また、
図2(a)では、ザブトン籠1の底面網2の配置される位置が一点鎖線で示されている。
【0025】
貝排出装置10は、貝が入った状態の複数のザブトン籠1を載せることができる処理前籠載せ部11と、複数のザブトン籠1の各々から貝を排出させるための貝排出部12と、貝を排出させた複数のザブトン籠1を載せることができる処理済籠載せ部15とを備える。貝排出装置10においては、処理前籠載せ部11に載せられた複数のザブトン籠1を、1つずつ手作業で貝排出部12に載せ、振動部13で振動させて貝を排出させ、排出させた後に手作業で処理済籠載せ部15に載せることによって、10個~20個からなる1セット6から、素早く容易に貝を排出させることができる。
【0026】
貝排出部12では、動力部14から伝達された動力によって作動する振動部13が、ザブトン籠1に対して底面網2の側方から、底面網2を構成する辺に対して振動を与えることによって、ザブトン籠1を左右に揺動させて側面網3を揺らし、貝を貝出入口5から排出させる。底面網2が上を向いた状態でザブトン籠1を上下ではなく左右に揺動させることによって、作業者がザブトン籠1から手作業で貝を排出させるときの動きを再現することができる。振動部13がザブトン籠1に振動を与えるときには、振動が与えられている角部と対角に位置する角部付近を作業者が保持することが好ましい。
【0027】
貝排出装置10は、さらに貝受け部17及び給水部18を備えることが好ましい。ザブトン籠1から排出された貝は、貝排出部12の下方に配置された、傾斜した貝受け部17に落下する。貝受け部17の内面には、給水部18から流水が供給されており、貝受け部17に落下した貝は傾斜に沿って水に流され、回収される。
【0028】
上述した処理前籠載せ部11、貝排出部12、振動部13、動力部14、処理済籠載せ部15、貝受け部17、及び給水部18は、架台19に支持されている。架台19は、上記各部を支持するフレーム19aを有しており、さらにフレーム19aを支持する脚19bを有することが好ましい。
【0029】
(処理前籠載せ部)
処理前籠載せ部11は、貝が入った複数のザブトン籠1を底面網2が起立した状態で載せることができる台であり、2枚の板がV字を構成するように配置されることによって形成された断面V字形状の底面111を有する。底面111のV字形状は、限定されるものではないが、ザブトン籠1の底面網2の1つの角部とその角部を形成する2辺とで形成されるV字形状と概ね同じ形状であることが好ましい。したがって、V字の角度は、例えば略正方形の底面網2を安定して載せることができるように90度であることが好ましく、底面111の最下部の谷線111aから上辺111bまでの長さは、底面網2の辺と概ね同じ長さであることが好ましい。処理前籠載せ部11は、最下部の谷線111aが貝排出部12の方向に向くように配置される。別の実施形態においては、処理前籠載せ部は、底面網2のいずれかの辺を下にして起立した状態で複数のザブトン籠1を載せることができるように平らな底面を有する台であってもよい。
【0030】
底面網2が起立した状態でV字形状の底面111にザブトン籠1を載せるときには、底面網2の4つの角部2a~2dのうち貝出入口5が設けられた稜線3aが交わる角部2aを下に向けた状態で載せることが好ましい。このようにザブトン籠1を載せることによって、それぞれのザブトン籠1の中の貝が貝出入口5の付近に集まるため、貝排出部12における容易かつ素早い貝排出が可能となる。
【0031】
処理前籠載せ部11の貝排出部12側の側面112には、貝排出部12に載せるために作業者が処理前籠載せ部11からザブトン籠1を引き出したときに、ザブトン籠1が貝排出部12の方向に引っ掛かりなく移動するように、上部が貝排出部12側に向かって湾曲したガイド板113を設けることが好ましい。処理前籠載せ部11は、複数のザブトン籠1からなる1セット6のすべてを載せることができる大きさであることが好ましいが、1セット6のうちの一部(例えば半分など)を載せることができる大きさであってもよい。
【0032】
(貝排出部)
貝排出部12は、貝出入口5を下に向けた状態で(すなわち、底面網2を上に向けた状態で)1つのザブトン籠1を載せることができる程度の広さの天板121と、内部空間を囲む側壁122とを有する。貝排出部12の下面は、ザブトン籠1から排出された貝が貝受け部17に落下するように、開放されている。天板121には、ザブトン籠1の側面網3が貝の重みで貝排出部12の内部空間に垂れ下がるように、上面開口123が設けられている。
【0033】
天板121は、側面網3が垂れ下がった状態でザブトン籠1を載せることができるようになっており、底面網2の4つの角部のうちの3つが載る部分121a、121b、121cが少なくとも設けられた略コの字形状であることが好ましい。天板121に載る3つの角部は、この実施形態においては、貝出入口5が設けられた稜線3aが交わる角部2aと当該角部2aの隣の2つの角部2b、2dである(
図1参照)。天板121は、さらに、ザブトン籠1を安定させる目的で、上に載る3つの角部のうち中央の角部(例えば2a)とそれに隣接する2つの角部(例えば2b及び2d)の各々とを結ぶ2つの辺(例えば2ab及び2da)が載る部分121d、121eが設けられることが好ましい。
【0034】
上面開口123は、天板121の上方からみると、処理済籠載せ部15に最も近い位置が開放された、野球のホームベースのような形状を有する。また、側壁のうち処理済籠載せ部15の方向の側壁122は、上辺から高さ方向の途中まで設けられた側面開口124を有する。したがって、貝排出部12は、上面から処理済籠載せ部15側の側面にわたって設けられた開口を有する。このような開口を有することによって、後述される
図5(d)に示されるように、2つのザブトン籠1を連結する短いロープ4がこの空間に収まり、2つのザブトン籠1の一方が貝排出部12にあるときでも、他方を最短距離で処理済籠載せ部15に載せることができる。
【0035】
天板121には、この実施形態においては処理前籠載せ部11に近い位置121aに、後述される振動体131、132が挿通される振動体開口121fが設けられている。振動体開口121fは、振動体131、132の形状と振動体131、132の振動方法及び振動幅とを考慮して、形状及び大きさを定めればよい。本実施形態においては、振動体開口121fは、板状体である振動体131、132が左右に移動することを考慮して、
図2に示されるように、長さ方向が振動体131、132と位置合わせされた、振動体131、132の幅より長い開口として形成されている。
【0036】
処理前籠載せ部11と貝排出部12との距離は、処理前籠載せ部11に載っている、次の処理予定のザブトン籠1と、貝排出部12で排出中のザブトン籠1とを結ぶロープ4が、ザブトン籠1の振動が可能になる程度の余裕を持つ状態となる距離に設定される。したがって、処理前籠載せ部11において底面網2が起立した状態でザブトン籠1が保持されるようにすれば、処理前籠載せ部11と貝排出部12との距離をより近くすることができる。このように配置されることによって、本発明の目的を達成しながら最小限の全長で済むコンパクトで軽量な貝排出装置10を構成することができ、装置の使用準備、移動、撤去や、漁船への積載なども、手作業で容易に行うことができる。
【0037】
(動力部及び振動部)
振動部13は、側面網3が垂れ下がるように底面網2を上向きにして貝排出部12に載せたザブトン籠1を、左右に揺動させることができる。振動部13は、それぞれが細長い板状体であり、互いの長辺が対向するように配置された2つの振動体131、132と、振動体131、132それぞれの概ね中間部131b、132bで両者を連結する連結板133と、振動体131、132をそれぞれの下部131c、132cで回転可能に支持する2本の支持シャフト134、135とを有する。2本の支持シャフト134、135の両端は、貝排出部12の側壁122の適切な位置に取り付けられる。
【0038】
本実施形態では、振動体131、132は板状体であるが、これに限定されるものではなく、例えば棒状体などの形態であってもよい。また、本実施形態においては、振動体131、132は、長辺が互いに横に並んだ位置で対向するように配置されているが、これに限定されるものではなく、例えば、板状体の面が互いに対向するように配置されてもよい。
【0039】
振動体131、132は、貝排出部12の内部空間で、互いの側辺同士の間に適切な間隔を設けた状態で立設される。振動体131、132の上部131a、132aは、天板121に設けられた振動体開口121fから上方に突出している。2つの上部131aと132aとの間隔は、底面網2に側方から振動を与えて左右に揺動させることができるように、底面網2の角部付近のある程度の範囲が収まる間隔であれば、特に限定されるものではない。また、上部131a、132aが振動体開口121fから突出する量は、ザブトン籠1の角部が振動中に振動体131、132の間から外れない程度であれば、特に限定されるものではない。上部131a、132aは、ザブトン籠を傷つけないように、縁部の角を丸めた加工を施すか、柔らかい素材で縁部を覆うことが好ましい。
【0040】
振動体131、132の概ね中間部131b、132bは、横方向に延びる連結板133で互いに連結されている。中間部131b、132bの各々と連結板133とは、互いに回転可能に連結される。また、振動体131、132の下部131c、132cは、それぞれ支持シャフト134、135で回転可能に支持されている。したがって、振動体131、132は、連結板133をその長さ方向に往復移動させることによって、支持シャフト134、135で支持された下部131c、132cを支点として、上部131a、132aが左右に振動する。
【0041】
振動体131、132は、動力部14によって振動させることができる。動力部14は、モータ141と、モータ141と連結板133とを接続するクランク部142とを有する。モータ141の回転運動がクランク部142によって往復直線運動に変換され、連結板133をその長さ方向に往復移動させることによって、振動体131、132が連結板133の往復移動する方向と同じ向きに振動する。なお、回転運動を直線運動に変換するクランク部142は、当業者に周知の構成を適宜採用することができ、ここでは詳細には説明しない。振動体131、132が振動する速さと、振動体131、132がザブトン籠1に当たる強さは、貝がザブトン籠1の貝出入口5から最も排出されやすい速さ及び強さに設定される。
【0042】
(処理済籠載せ部)
処理済籠載せ部15は、貝排出部12で貝を排出させた後の複数のザブトン籠1を底面網2が起立した状態で載せることができる台であり、平らな底面151と、底面151の対向する2辺(貝排出部12側と、それに対向する側)に立設された側面152とを有する。側面152は、底面151を囲むように4辺すべてに立設されていてもよい。別の実施形態においては、処理済籠載せ部は、処理前籠載せ部11と同様に2枚の板がV字を構成するように配置されることによって形成された断面V字形状の底面を有する台であってもよい。
【0043】
底面151は、貝排出部12の側面開口124の下縁より低い位置にあることが好ましい。より好ましくは、底面151の高さは、底面網2を起立させた状態でザブトン籠1を処理済籠載せ部15に載せたときに、底面網2の中心の位置が貝排出部12の側面開口124の高さに対応する位置にくるように定められる。このように底面151の高さを定めることによって、貝排出部12にあるザブトン籠1と処理済籠載せ部15にあるザブトン籠1とを連結するロープ4(典型的には約30cm程度の長さ)が、貝排出部12の上面開口123及び側面開口124によって形成される空間に、最短距離で収まることになる。ロープ4のルートをこのように確保することによって、本発明の目的を達成しながら最小限の全長で済むコンパクトで軽量な貝排出装置10を構成することができ、装置の使用準備、移動、撤去や、漁船への積載なども、手作業で容易に行うことができる。
【0044】
(振動部の別の実施形態)
図2に示される振動部13は、連結板133で連結された2つの振動体131、132が、貝排出部12の処理前籠載せ部11側に配置された実施形態であるが、振動体の配置位置及び形態は、これに限定されるものではない。
図3は、貝排出装置における振動体の配置位置に関して、複数の実施形態を示す。
図3では、ザブトン籠1の底面網2の配置される位置が一点鎖線で示されている。
図3(a)は、
図2に示される実施形態である。この実施形態では、上述のように、2つの振動体131、132が、天板121の処理前籠載せ部11側、すなわち天板121の部分121aから突出するように配置されている。2つの振動体131、132の間には、貝出入口5が設けられた稜線3aが交わる角部2aが配置される。
【0045】
図3(b)に示される実施形態では、2つの振動体131、132が、天板121の部分121bから突出するように配置されている。この場合にも、2つの振動体131、132の間に、貝出入口5が設けられた稜線3aが交わる角部2aが配置されることが好ましい。
【0046】
図3(c)に示される実施形態では、振動体131、132が2対設けられ、それぞれ、天板121の部分121b及び部分121cから突出するように配置されている。この場合には、2対の振動体131、132の間のうちのどちらに角部2aが配置されてもよい。このように振動体を配置することによって、ザブトン籠1をより強く揺動させることができる。
【0047】
図3(d)に示される実施形態では、振動体131、132が3対設けられ、それぞれ、天板121の部分121a、部分121b、及び部分121cから突出するように配置されている。この場合には、3対の振動体131、132の間のうちのどこに角部2aが配置されてもよい。このように振動体を配置することによって、ザブトン籠1をさらに強く揺動させることができるとともに、処理前籠載せ部11から引き出したザブトン籠1を貝排出部12に載せるときに、角部2aを置く位置を正確に定める必要がないため、作業時間の短縮が可能となる。
【0048】
次に、
図4は、貝排出装置における振動体の態様(構成及び運動方法)に関して、複数の実施形態を示す。
図4(a)は、
図2に示される実施形態である。この実施形態では、上述のように、下部が支持された細長い板状体である2つの振動体131、132は、それぞれの概ね中間部で連結板133によって互いに連結され、連結板133がその長さ方向に往復移動することに伴って、下部131c、132cを支点として弧を描くように振動する。
【0049】
図4(b)に示される実施形態では、2つの振動体131、132は、それぞれの下部が横方向に延びる連結部材137と連続するように構成されている。すなわち、振動体131、132及び連結部材137は、上向きコの字形状になるように構成されている。連結部材137は、その中間部137cにおいて、例えば、貝排出部12に両端が取り付けられた支持シャフトによって支持される。振動体131、132は、それらのどちらかに接続されたクランク部142の動作に伴って、中間部137cを支点として弧を描くように振動する。
【0050】
図4(c)に示される実施形態では、2つの振動体131、132は、それぞれの下部が横方向に延びる連結部材138と連続するように構成されている。連結部材138には2つのローラ139が取り付けられている。振動体131、132は、それらのどちらかに接続されたクランク部142の動作に伴って、ローラ139が貝排出部12の内側に設けられたレール(図示せず)上を往復走行することによって、水平に振動する。
【0051】
(貝排出装置を用いた貝排出方法)
次に、貝排出装置10の使用方法を通して貝排出方法を説明する。
図5は、貝排出装置10を用いた貝排出方法の工程を示す図である。
図5においては、ザブトン籠1が一点鎖線で示されている。
【0052】
最初に、貝排出装置10の処理前籠載せ部11に、10枚~20枚からなるザブトン籠1の束を載せる。ザブトン籠1は、好ましくは、
図5(a)に示されるように、底面網2を起立させた状態で載せることが好ましい(なお、
図5(a)では、図が煩雑にならないように、処理前籠載せ部11に載せられたザブトン籠1の枚数は実際より少なく描かれている)。処理前籠載せ部11は、上述のようにV字形状の底面111を有するものであることが好ましく、この場合には、貝出入口5が設けられた稜線3aが交わる角部2aがV字形状の底面111の最下部の谷線111aに位置するように、ザブトン籠1を処理前籠載せ部11に載せることが好ましい。このように、底面網2を起立させ、角部2aを下方に向けて保持することによって、それぞれのザブトン籠1の中の貝が貝出入口5の付近にあらかじめ集まるため、貝排出部12における容易かつ素早い貝排出が可能となる。
【0053】
次に、
図5(a)に示されるように、処理前籠載せ部11から貝排出部12に最も近い先頭のザブトン籠1を引き出して、貝排出部12に載せる。ザブトン籠1は、底面網2を上方に向けて、貝排出部12の上面開口123内に側面網3が垂れ下がるように、天板121に配置する。次に、
図5(b)に示されるように、ザブトン籠1の貝出入口5が設けられた稜線3aが交わる角部2aが、振動部13の2つの振動体131、132の間に位置するように配置する。ザブトン籠1には、底面網2の側方から振動が与えられるので、貝出入口5を左右に揺らすことができ、
図5(c)に示されるように貝を貝出入口5から容易に排出させることができる。
【0054】
2つの振動体131、132がザブトン籠1に振動を与えるときには、
図2(b)、
図2(c)に示されるように、振動が与えられている角部2aと対角に位置する角部2cを作業者が保持して浮かせ、角部2cを上下させて貝を貝出入口5に誘導することが好ましい。このように保持することによって、浮き上がったザブトン籠1は、保持された角部2cを支点として貝出入口5の近く角部2aが自由に左右に揺動することが可能になる。ザブトン籠1自体は天板121から浮いているため、その動きは軽く、振動体131、132の振動幅をあまり大きくすることなく、静かな動きでもザブトン籠1を効果的に揺動させることができる。このように揺動させることによって、ザブトン籠1を下から叩く振動と比べて、貝が最も排出されやすい手作業に近い動きを再現することができる。また、ザブトン籠1の内部の貝が跳ねる事なく貝出入口5に集まり、集まった重みでも貝出入口5から貝が滑り出る。貝が集中する角部2aが天板121上(より具体的には、天板121の部分121a)に載るため、ザブトン籠1の重みが作業者に負担を与えることはない。
【0055】
ザブトン籠1から貝が排出されたのを確認した後、
図5(d)に示されるように、作業者は、ザブトン籠1を貝排出部12から移動させ、処理済籠載せ部15に載せる。ザブトン籠1は、好ましくは、底面網2を起立させた状態で載せることが好ましい。このとき、処理済籠載せ部15に移動させるザブトン籠1にロープ4で繋がれている次のザブトン籠1が、処理前籠載せ部11から引っ張られて貝排出部12に移動する。貝排出部12に移動したザブトン籠1と処理済籠載せ部15にあるザブトン籠1とを連結するロープ4は、上述のように、貝排出部12の上面開口123及び側面開口124によって形成される空間に、最短距離で収まる。引っ張られて貝排出部12に移動したザブトン籠1を、再び角部2aを振動体131、132の間に位置するように配置して、上記と同様の作業を繰り返す(
図5(e))。
【0056】
(貝排出装置の利用形態)
図6は、本発明の一実施形態による貝排出装置10の利用形態の例を示す。
図6に示される例は、複数台の貝排出装置10をコンベア装置20の上に配置することによって構成された貝取出搬送装置30を示す。
貝排出装置10には、搬送体が存在しないため小型で軽量である。したがって、
図6に示されるように、複数の貝排出装置10を1つのコンベア装置の上に配置し、複数の作業者がそれぞれの貝排出装置10を用いてザブトン籠1から貝を排出させることができる。なお、それぞれの貝排出装置10を支持する支持部は、既存の技術を適宜用いて実現可能であり、図面の煩雑さを避けるため
図6には図示しない。この利用形態を採用する場合には、貝排出装置10から貝受け部17及び給水部18を取り除くことができる。排出された貝は、そのままのコンベア装置20のコンベアベルト21の上に落下し、コンベア装置20の端部付近に配置された貝受け部40まで搬送することができる。また、コンベアベルト21の上に落下した貝を別の工程又は装置(例えば、コンベア装置20のコンベアベルト21の移動方向下流側に配置された貝選別機など)に送ることもできる。
【0057】
さらに、貝排出装置10は、小型かつ軽量であるため、小型船舶に搭載して使用することも容易である。例えば、漁船の船縁に配置された籠引き揚げ装置を介して海中から引き揚げたザブトン籠1を、直接、引き揚げ装置の近くに配置された貝排出装置10の処理前籠載せ部11に載せ、処理前籠載せ部11に載せたザブトン籠1を順次、貝排出部12に移動させて、ザブトン籠1から貝を排出させることができる。貝排出装置10とともに用いることができる籠引き揚げ装置として、例えば、本出願の出願人による特開2020-5575に提案された「養殖籠引き揚げ装置」、同じく本出願人による特開2018-174732及び意匠登録第1593427号に開示された漁労用回転ドラムなどを挙げることができる。
【符号の説明】
【0058】
1 ザブトン籠
2 底面網
2a,2b、2c、2d 角部
3 側面網
3a 貝出入口が設けられた稜線
5 貝出入口
4 ロープ
6 複数のザブトン籠のセット
10 貝排出装置
11 処理前籠載せ部
111 V字型底面
112 側面
113 ガイド板
12 貝排出部
121 天板
121f 振動体開口
122 側壁
123 上面開口
124 側面開口
13 振動部
131、132 振動体
133 連結板
134、135 支持シャフト
137、138 連結部材
139 ローラ
14 動力部
141 モータ
142 クランク部
15 処理済籠載せ部
151 底面
152 側面
16 ON/OFFスイッチ
17 貝受け部
18 給水口
19 架台
19a フレーム
19b 脚
20 コンベア装置
30 貝取出搬送装置