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特開2022-16394MGAT2阻害活性を有するジヒドロピラゾロピラジノン誘導体を含有する医薬組成物
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  • 特開-MGAT2阻害活性を有するジヒドロピラゾロピラジノン誘導体を含有する医薬組成物 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022016394
(43)【公開日】2022-01-21
(54)【発明の名称】MGAT2阻害活性を有するジヒドロピラゾロピラジノン誘導体を含有する医薬組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/499 20060101AFI20220114BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20220114BHJP
   A61P 3/04 20060101ALI20220114BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20220114BHJP
   A61P 3/06 20060101ALI20220114BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20220114BHJP
【FI】
A61K31/499
A61P43/00 111
A61P3/04
A61P3/10
A61P3/06
A61P9/10 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021113901
(22)【出願日】2021-07-09
(31)【優先権主張番号】P 2020118847
(32)【優先日】2020-07-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000001926
【氏名又は名称】塩野義製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100113789
【弁理士】
【氏名又は名称】杉田 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100209598
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 秀昭
(74)【代理人】
【識別番号】100219841
【弁理士】
【氏名又は名称】落合 綾子
(72)【発明者】
【氏名】舘野 佑介
(72)【発明者】
【氏名】加藤 学
(72)【発明者】
【氏名】和田 俊博
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086CB05
4C086CB22
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA45
4C086ZA70
4C086ZC20
4C086ZC33
4C086ZC35
(57)【要約】      (修正有)
【課題】MGAT2阻害作用を有する化合物又はそれを含有する医薬組成物を提供する。
【解決手段】下記式で表される化合物又はそれを含有する医薬組成物による。

(式(I)中、R1は、水素等であり;R2aおよびR2bは、隣接する炭素原子と一緒になって、環Bを形成してもよく;R3aは、水素等であり;R3bは、水素等であり;R4aは、下記式で表される基

式中、L3は、単結合または置換もしくは非置換のアルキレンであり、R7は、ハロゲン、置換もしくは非置換のスルファモイル等であり;R4bは、置換もしくは非置換のアルキル等である)
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

(式中、
1は、水素であり;
2aおよびR2bは、隣接する炭素原子と一緒になって、環Bを形成し;
環Bは、式:
【化2】

(式中、R6は、それぞれ独立して、ハロゲン、または置換もしくは非置換のアルキルオキシであり、
nは、1または2である)であり;
3aは、水素であり;
3bは、水素であり;
4aは、式:
【化3】

(式中、
3は、単結合または置換もしくは非置換のアルキレンであり、
7は、ハロゲン、置換もしくは非置換のスルファモイル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、または式:-S(=O)(=N-RN)-RS1であり、
Nは、水素であり、
S1は、置換もしくは非置換のアルキルである)であり;
4bは、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、または置換もしくは非置換の芳香族複素環式基である)で示される化合物、またはその製薬上許容される塩、を含有する医薬組成物。
【請求項2】
環Bが、以下のいずれかの式で示される、請求項1記載の化合物、またはその製薬上許容される塩、を含有する医薬組成物。
式:
【化4】

(式中、R6は、それぞれ独立して、置換もしくは非置換のアルキルオキシである)
【請求項3】
環Bが、以下のいずれかの式で示される、請求項1記載の化合物、またはその製薬上許容される塩、を含有する医薬組成物。
式:
【化5】

(式中、R6は、それぞれ独立して、ハロゲン、または置換もしくは非置換のアルキルオキシである)
【請求項4】
3が、置換もしくは非置換のアルキレンである、請求項1~3のいずれかに記載の化合物、またはその製薬上許容される塩、を含有する医薬組成物。
【請求項5】
7が、ハロゲン、置換もしくは非置換のスルファモイル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、または式:-S(=O)(=N-RN)-RS1である、請求項4記載の化合物、またはその製薬上許容される塩、を含有する医薬組成物。
【請求項6】
3が、単結合である、請求項1~3のいずれかに記載の化合物、またはその製薬上許容される塩、を含有する医薬組成物。
【請求項7】
7が、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基である、請求項6記載の化合物、またはその製薬上許容される塩、を含有する医薬組成物。
【請求項8】
化合物I-6、I-13、I-14、I-20、I-33、I-46、I-58、I-61、I-66、I-79、I-123、I-124、I-126、I-130、I-133、I-136、I-137、I-139、I-141、I-142、I-143、I-145およびI-147からなる群から選択される、請求項1記載の化合物またはその製薬上許容される塩、を含有する医薬組成物。
【請求項9】
化合物I-151およびI-153からなる群から選択される、請求項1記載の化合物またはその製薬上許容される塩、を含有する医薬組成物。
【請求項10】
MGAT2阻害作用を有する、請求項1~9のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項11】
MGAT2の関与する疾患の治療または予防のために用いる、請求項10記載の医薬組成物。
【請求項12】
肥満症、メタボリックシンドローム、高脂血症、高中性脂肪血症、高VLDL血症、高脂肪酸血症、糖尿病または動脈硬化症の治療または予防のために用いる、請求項11記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モノアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ2(monoacylglycerol acyltransferase2、以下MGAT2とも称する)阻害作用を有する化合物、またはその製薬上許容される塩およびそれを含有する医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
肥満は除脂肪体重に対して体内に過剰な脂肪あるいは脂肪組織が蓄積した状態と定義されており、健康問題の主なリスクファクターと認識されている。身体質量指数(BMI)は成人(15歳以上)の集団あるいは個人を過体重や肥満に分類する際に共通して使用されている身長体重比の単純指数である。メートルで表す身長の二乗で割ったキログラムで表す体重(kg/m2)として定義されている。世界保健機関では、BMIが25kg/m2以上を「過体重」、30kg/m2以上を「肥満」としている。一方で、日本肥満学会ではBMIが25kg/m2以上を「肥満」としている。なぜなら、糖尿病や脂質異常症を含む肥満関連疾患の数がBMIに応じて増加する、そしてその疾患の数の平均値のBMIが25kg/m2において1.0以上になるためである。世界保健機関による2005年の調査では、世界中で、約16億人が過体重、少なくとも4億人が肥満であるとされている。肥満は主に身体的活動や日常生活における消費に対するカロリー摂取の割合の増加によってもたらされる。近年の高脂肪、高糖分含有食物の摂取増加により肥満者数は増加しており、2015年には世界中で、7億人以上が肥満と診断されると予想されている。これらの治療には、食事療法、運動療法、薬物療法などが行われている。薬物療法ではオルリスタット、マジンドール、シブトラミンなどの薬物が使用されているが、薬効と副作用の両面で満足できるものはない。
肥満症の原因として中性脂肪の過剰摂取がある。食事によって摂取された中性脂肪(トリグリセロール)は、消化管内において膵リパーゼにより2-モノアシルグリセロールと遊離脂肪酸に分解され、小腸上皮細胞に吸収される。モノアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ(MGAT)によって遊離脂肪酸のアシル基が2-モノアシルグリセロールへ転移される。生成されたジアシルグリセロールは、さらにジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ(DGAT)によって中性脂肪まで変換される。
MGATはMGAT1、MGAT2、およびMGAT3の3種類のアイソフォームが同定されている。このうち、MGAT2およびMGAT3は小腸で高発現しており、小腸における脂肪吸収に関与していると考えられている。
MGAT2ノックアウトマウスによる実験により、高脂肪食負荷により小腸におけるMGAT2の発現が亢進し、MGAT活性が上昇したことが報告されている(非特許文献1)。さらに、MGAT2ノックアウトマウスにおいて、高脂肪食負荷による体重増加の抑制、インスリン抵抗性惹起の抑制、血中コレステロール上昇の抑制、脂肪肝形成などの抑制、エネルギー消費の亢進が確認されている(非特許文献2)。
これまでに、MGAT2阻害活性を有する化合物が報告されているが(特許文献1~19、非特許文献3~13)、下記に示される本発明の化合物の開示はない。なお特許文献20には、出願人によって出願された、MGAT2阻害活性を有する本発明に係る化合物と類似の構造を有する化合物が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2010/095767号
【特許文献2】国際公開第2012/091010号
【特許文献3】国際公開第2012/124744号
【特許文献4】国際公開第2013/082345号
【特許文献5】国際公開第2013/112323号
【特許文献6】国際公開第2013/116065号
【特許文献7】国際公開第2013/116075号
【特許文献8】国際公開第2014/074365号
【特許文献9】国際公開第2014/133134号
【特許文献10】国際公開第2014/193884号
【特許文献11】特開2014-5245号
【特許文献12】特開2014-9165号
【特許文献13】国際公開第2015/112465号
【特許文献14】国際公開第2015/129845号
【特許文献15】国際公開第2015/134699号
【特許文献16】国際公開第2015/134701号
【特許文献17】国際公開第2015/191681号
【特許文献18】国際公開第2016/121782号
【特許文献19】国際公開第2017/069224号
【特許文献20】国際公開第2019/013311号
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Journal of Biological Chemistry (2004), 279, 18878-18886
【非特許文献2】Nature Medicine (2009), 15, (4), 442-446
【非特許文献3】Bioorganic & Medicinal Chemistry Letter (2013), 23, 2721-2726
【非特許文献4】Med. Chem. Commun (2013), 4, 1305-1311
【非特許文献5】Bioorganic & Medicinal Chemistry Letter (2015), 23, 5922-5931
【非特許文献6】Bioorganic & Medicinal Chemistry Letter (2015), 23, 4544-4560
【非特許文献7】Journal of Lipid Research 2015, 56, 747-753
【非特許文献8】European Journal of Pharmacology, 2015, 758, 72-81
【非特許文献9】Journal of Medicinal Chemistry (2015), 58, 3892-3909
【非特許文献10】HETEROCYCLES 2016, 92, 470-484
【非特許文献11】Chemical and Pharmaceutical Bulletin, 2016, 64, 228-238
【非特許文献12】European Journal of Pharmacology, 2016, 791, 569-577
【非特許文献13】Analytical Biochemistry, 2016, 501, 48-55
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、MGAT2阻害作用を有する化合物またはその製薬上許容される塩およびそれらを含有する医薬組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、鋭意研究の結果、MGAT2阻害作用を有する優れた化合物の合成に成功した。すなわち、本発明は、以下に関する。
【0007】
[1]
式(I):
【化1】

(式中、
1は、水素、ヒドロキシ、置換もしくは非置換のカルバモイル、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルキルカルボニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルホニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルホニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルホニル、または置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルホニルであり;
2aは、式:
【化2】

(式中、環Cは、芳香族炭素環、芳香族複素環、非芳香族炭素環、または非芳香族複素環であり;
5は、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシ、置換もしくは非置換のカルバモイル、置換もしくは非置換のチオカルバモイル、置換もしくは非置換のアミジノ、置換もしくは非置換のアミノ、置換もしくは非置換のウレイド、置換もしくは非置換のグアニジノ、ペンタフルオロチオ、スルホ、置換もしくは非置換のスルファモイル、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルカルボニルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルカルボニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルカルボニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルキルスルファニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルファニル、置換もしくは非置換のアルキルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルホニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシ、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環カルボニルオキシ、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環カルボニルオキシ、置換もしくは非置換の芳香族複素環カルボニルオキシ、置換もしくは非置換の非芳香族複素環カルボニルオキシ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルファニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルファニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルファニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルファニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルフィニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルフィニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルホニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルホニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルホニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルホニル、式:-L-N=S(=O)(-RS1)-RS2、式:-L-S(=O)(=N-RN)-RS1、式:-N=S(=N-RN)(-RS1)-RS2、または式:-S(=N-RN2-RS1で示される基であり、
mは、1~5の整数である)であり、
2bは、水素、シアノ、置換もしくは非置換のカルバモイル、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、または置換もしくは非置換のアルキルスルホニルであり、または
2aおよびR2bは、隣接する炭素原子と一緒になって、環Bを形成してもよく、
環Bは、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環または置換もしくは非置換の非芳香族複素環であり;

3aは、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基オキシ、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基オキシ、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基オキシ、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基オキシ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基スルホニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基スルホニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基スルホニル、または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基スルホニルであり、
3bは、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基オキシ、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基オキシ、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基オキシ、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基オキシ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基スルホニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基スルホニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基スルホニル、または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基スルホニルであり、
3aとR3bは、隣接する炭素原子と一緒になって、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環または置換もしくは非置換の非芳香族複素環を形成してもよく、または
2bとR3bは、隣接する炭素原子と一緒になって、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環または置換もしくは非置換の非芳香族複素環を形成してもよく;

4aは、式:
【化3】

であり;
3は、単結合または置換もしくは非置換のアルキレンであり、
7は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシ、置換もしくは非置換のカルバモイル、置換もしくは非置換のチオカルバモイル、置換もしくは非置換のアミジノ、置換もしくは非置換のアミノ、置換もしくは非置換のウレイド、置換もしくは非置換のグアニジノ、ペンタフルオロチオ、スルホ、置換もしくは非置換のスルファモイル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルカルボニルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルカルボニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルカルボニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルキルスルファニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルファニル、置換もしくは非置換のアルキルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルホニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシ、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環カルボニルオキシ、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環カルボニルオキシ、置換もしくは非置換の芳香族複素環カルボニルオキシ、置換もしくは非置換の非芳香族複素環カルボニルオキシ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルファニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルファニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルファニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルファニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルフィニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルフィニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルホニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルホニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルホニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルホニル、式:-L-N=S(=O)(-RS1)-RS2、式:-L-S(=O)(=N-RN)-RS1、式:-N=S(=N-RN)(-RS1)-RS2、または式:-S(=N-RN2-RS1で示される基であり、
ただし、L3が単結合の場合は、R7は、水素、またはハロゲンではなく、
4bは、ハロゲン、シアノ、カルボキシ、置換もしくは非置換のカルバモイル、置換もしくは非置換のチオカルバモイル、置換もしくは非置換のアミジノ、置換もしくは非置換のアミノ、置換もしくは非置換のウレイド、置換もしくは非置換のグアニジノ、ペンタフルオロチオ、スルホ、置換もしくは非置換のスルファモイル、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルカルボニルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルカルボニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルカルボニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルキルスルファニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルファニル、置換もしくは非置換のアルキルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルホニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシ、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環カルボニルオキシ、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環カルボニルオキシ、置換もしくは非置換の芳香族複素環カルボニルオキシ、置換もしくは非置換の非芳香族複素環カルボニルオキシ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルファニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルファニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルファニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルファニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルフィニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルフィニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルホニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルホニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルホニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルホニル、式:-L-N=S(=O)(-RS1)-RS2、式:-L-S(=O)(=N-RN)-RS1、式:-N=S(=N-RN)(-RS1)-RS2、または式:-S(=N-RN2-RS1で示される基であり、
Lは、それぞれ独立して、単結合、アルキレン、またはC(=O)であり、
S1およびRS2は、それぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基であり、または、
同一の硫黄原子に結合しているRS1およびRS2は当該硫黄原子と一緒になって置換もしくは非置換の非芳香族複素環を形成してもよく;
Nは、それぞれ独立して、水素、シアノ、置換もしくは非置換のカルバモイル、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルキルカルボニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環カルボニル、または置換もしくは非置換の非芳香族複素環カルボニルである)で示される化合物、またはその製薬上許容される塩、を含有する医薬組成物。
[2]
環Bが、以下のいずれかの式で示される、前記[1]記載の化合物、またはその製薬上許容される塩、を含有する医薬組成物。
式:
【化4】

(式中、
1は、CR11a11b、NR11c、O、またはSであり、
2は、CR12a12b、NR12c、O、またはSであり、
3は、CR13a13b、NR13c、O、またはSであり、
4は、CR14a14b、NR14c、O、またはSであり、および
5は、CR15a15b、NR15c、O、またはSであり、
11a、R12a、R13a、R14a、およびR15aは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシ、置換もしくは非置換のカルバモイル、置換もしくは非置換のチオカルバモイル、置換もしくは非置換のアミジノ、置換もしくは非置換のアミノ、置換もしくは非置換のウレイド、置換もしくは非置換のグアニジノ、ペンタフルオロチオ、スルホ、置換もしくは非置換のスルファモイル、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルカルボニルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルカルボニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルカルボニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルキルスルファニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルファニル、置換もしくは非置換のアルキルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルホニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシ、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環カルボニルオキシ、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環カルボニルオキシ、置換もしくは非置換の芳香族複素環カルボニルオキシ、置換もしくは非置換の非芳香族複素環カルボニルオキシ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルファニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルファニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルファニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルファニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルフィニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルフィニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルホニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルホニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルホニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルホニル、式:-L-N=S(=O)(-RS1)-RS2、式:-L-S(=O)(=N-RN)-RS1、式:-N=S(=N-RN)(-RS1)-RS2、または式:-S(=N-RN2-RS1で示される基であり、
11b、R12b、R13b、R14b、およびR15bは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシ、置換もしくは非置換のカルバモイル、置換もしくは非置換のチオカルバモイル、置換もしくは非置換のアミジノ、置換もしくは非置換のアミノ、置換もしくは非置換のウレイド、置換もしくは非置換のグアニジノ、ペンタフルオロチオ、スルホ、置換もしくは非置換のスルファモイル、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルカルボニルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルカルボニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルカルボニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルキルスルファニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルファニル、置換もしくは非置換のアルキルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルホニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシ、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環カルボニルオキシ、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環カルボニルオキシ、置換もしくは非置換の芳香族複素環カルボニルオキシ、置換もしくは非置換の非芳香族複素環カルボニルオキシ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルファニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルファニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルファニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルファニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルフィニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルフィニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルホニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルホニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルホニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルホニル、式:-L-N=S(=O)(-RS1)-RS2、式:-L-S(=O)(=N-RN)-RS1、式:-N=S(=N-RN)(-RS1)-RS2、または式:-S(=N-RN2-RS1で示される基であり、
11c、R12c、R13c、R14c、およびR15cは、それぞれ独立して、水素、シアノ、置換もしくは非置換のカルバモイル、置換もしくは非置換のチオカルバモイル、置換もしくは非置換のアミジノ、置換もしくは非置換のアミノ、置換もしくは非置換のウレイド、置換もしくは非置換のグアニジノ、ペンタフルオロチオ、スルホ、置換もしくは非置換のスルファモイル、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルカルボニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルキルスルファニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルファニル、置換もしくは非置換のアルキルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルホニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシ、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルファニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルファニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルファニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルファニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルフィニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルフィニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルホニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルホニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルホニル、または置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルホニルであり、
または、R11aとR12a、R12aとR13a、R13aとR14a、および/またはR14aとR15aは、隣接する炭素原子と一緒になって、置換もしくは非置換の芳香族炭素環、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環、置換もしくは非置換の芳香族複素環、または置換もしくは非置換の非芳香族複素環を形成してもよく、
および/または、R11cとR12a、R11cとR12c、R12cとR11a、R12cとR13a、R12cとR13c、R13cとR12a、R13cとR14a、R13cとR14c、R14cとR13a、R14cとR15a、R14cとR15c、および/またはR15cとR14aは、隣接する原子と一緒になって、置換もしくは非置換の芳香族複素環または置換もしくは非置換の非芳香族複素環を形成してもよく、
および/または、R11aとR13a、R11aとR13c、R11aとR14a、R11aとR14c、R11aとR15a、R11aとR15c、R11cとR13a、R11cとR13c、R11cとR14a、R11cとR14c、R11cとR15a、R11cとR15c、R12aとR14a、R12aとR14c、R12aとR15a、R12aとR15c、R12cとR14a、R12cとR14c、R12cとR15a、R12cとR15c、R13aとR15a、R13aとR15c、R13cとR15a、および/またはR13cとR15cは、一緒になってヘテロ原子を介在してもよいC2-C4架橋を形成してもよく、
および/または、R11bとR12b、R11bとR12c、R11cとR12b、R11cとR12c、R12bとR13b、R12bとR13c、R12cとR13b、R12cとR13c、R13bとR14b、R13bとR14c、R13cとR14b、R13cとR14c、R14bとR15b、R14bとR15c、R14cとR15b、および/またはR14cとR15cは、一緒になって結合を形成してもよく、
その他の記号は、前記[1]と同意義である)
[3]
環Bが、以下のいずれかの式で示される、前記[1]または[2]記載の化合物、またはその製薬上許容される塩、を含有する医薬組成物。
式:
【化5】

(式中、
1は、C、CR11a、またはNであり、
2は、C、CR12aまたはNであり、
3は、CR13a13b、NR13c、OまたはSであり、
4は、CR14a14b、NR14c、OまたはSであり、
5は、CR15a15b、NR15c、OまたはSであり、
11a、R12a、R13a、R14a、およびR15aは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシ、置換もしくは非置換のカルバモイル、置換もしくは非置換のチオカルバモイル、置換もしくは非置換のアミジノ、置換もしくは非置換のアミノ、置換もしくは非置換のウレイド、置換もしくは非置換のグアニジノ、ペンタフルオロチオ、スルホ、置換もしくは非置換のスルファモイル、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルカルボニルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルカルボニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルカルボニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルキルスルファニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルファニル、置換もしくは非置換のアルキルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルホニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシ、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環カルボニルオキシ、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環カルボニルオキシ、置換もしくは非置換の芳香族複素環カルボニルオキシ、置換もしくは非置換の非芳香族複素環カルボニルオキシ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルファニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルファニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルファニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルファニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルフィニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルフィニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルホニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルホニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルホニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルホニル、式:-L-N=S(=O)(-RS1)-RS2、式:-L-S(=O)(=N-RN)-RS1、式:-N=S(=N-RN)(-RS1)-RS2、または式:-S(=N-RN2-RS1で示される基であり、
13b、R14b、およびR15bは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシ、置換もしくは非置換のカルバモイル、置換もしくは非置換のチオカルバモイル、置換もしくは非置換のアミジノ、置換もしくは非置換のアミノ、置換もしくは非置換のウレイド、置換もしくは非置換のグアニジノ、ペンタフルオロチオ、スルホ、置換もしくは非置換のスルファモイル、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルカルボニルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルカルボニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルカルボニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルキルスルファニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルファニル、置換もしくは非置換のアルキルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルホニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシ、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環カルボニルオキシ、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環カルボニルオキシ、置換もしくは非置換の芳香族複素環カルボニルオキシ、置換もしくは非置換の非芳香族複素環カルボニルオキシ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルファニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルファニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルファニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルファニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルフィニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルフィニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルホニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルホニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルホニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルホニル、式:-L-N=S(=O)(-RS1)-RS2、式:-L-S(=O)(=N-RN)-RS1、式:-N=S(=N-RN)(-RS1)-RS2、または式:-S(=N-RN2-RS1で示される基であり、
13c、R14c、およびR15cは、それぞれ独立して、水素、シアノ、置換もしくは非置換のカルバモイル、置換もしくは非置換のチオカルバモイル、置換もしくは非置換のアミジノ、置換もしくは非置換のアミノ、置換もしくは非置換のウレイド、置換もしくは非置換のグアニジノ、ペンタフルオロチオ、スルホ、置換もしくは非置換のスルファモイル、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルカルボニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルキルスルファニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルファニル、置換もしくは非置換のアルキルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルホニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシ、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルファニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルファニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルファニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルファニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルフィニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルフィニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルホニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルホニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルホニル、または置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルホニルであり、
または、R11aとR13a、R11aとR13c、R11aとR14a、R11aとR14c、R11aとR15a、R11aとR15c、R12aとR14a、R12aとR14c、R12aとR15a、R12aとR15c、R13aとR15a、R13aとR15c、R13cとR15a、および/またはR13cとR15cは、一緒になってヘテロ原子を介在してもよいC2-C4架橋を形成してもよく、
および/または、R11aとR12a、R12aとR13b、R12aとR13c、R13bとR14b、R13bとR14c、R13cとR14b、R13cとR14c、R14bとR15b、R14bとR15c、R14cとR15b、および/またはR14cとR15cは、一緒になって結合を形成してもよく、
環Dは、芳香族炭素環、非芳香族炭素環、芳香族複素環、または非芳香族複素環であり、
6は、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシ、置換もしくは非置換のカルバモイル、置換もしくは非置換のチオカルバモイル、置換もしくは非置換のアミジノ、置換もしくは非置換のアミノ、置換もしくは非置換のウレイド、置換もしくは非置換のグアニジノ、ペンタフルオロチオ、スルホ、置換もしくは非置換のスルファモイル、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルカルボニルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルカルボニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルカルボニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルキルスルファニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルファニル、置換もしくは非置換のアルキルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルホニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシ、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環カルボニルオキシ、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環カルボニルオキシ、置換もしくは非置換の芳香族複素環カルボニルオキシ、置換もしくは非置換の非芳香族複素環カルボニルオキシ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルファニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルファニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルファニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルファニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルフィニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルフィニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルホニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルホニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルホニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルホニル、式:-L-N=S(=O)(-RS1)-RS2、式:-L-S(=O)(=N-RN)-RS1、式:-N=S(=N-RN)(-RS1)-RS2、または式:-S(=N-RN2-RS1で示される基であり、
nは、1~4の整数であり、
その他の記号は、前記[1]と同意義である)
[4]
環Bが、以下のいずれかの式で示される、前記[1]~[3]のいずれかに記載の化合物、またはその製薬上許容される塩、を含有する医薬組成物。
式:
【化6】

(式中、B3、B4、B5、R6およびnは、前記[3]と同意義である)
[5]
環Bが、以下のいずれかの式で示される、前記[1]~[4]のいずれかに記載の化合物、またはその製薬上許容される塩、を含有する医薬組成物。
式:
【化7】

(式中、R6、R13a、R13b、R14a、R14b、R15a、R15b、およびnは、前記[3]と同意義である)
[6]
6が、それぞれ独立して、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、置換もしくは非置換のアミノ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のカルバモイル、置換もしくは非置換のスルファモイル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシ、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルホニル、または置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルホニルである、前記[3]または[4]記載の化合物、またはその製薬上許容される塩、を含有する医薬組成物。
[7]
6が、それぞれ独立して、ハロゲン、または置換もしくは非置換のアルキルオキシである、前記[3]~[5]のいずれかに記載の化合物、またはその製薬上許容される塩、を含有する医薬組成物。
[8]
環Bが、以下のいずれかの式で示される、前記[3]~[5]のいずれかに記載の化合物、またはその製薬上許容される塩、を含有する医薬組成物。
式:
【化8】

(式中、R6は、それぞれ独立して、置換もしくは非置換のアルキルオキシであり、R13a、R13b、R14a、R14b、R15a、およびR15bは、前記[3]と同意義である)
[9]
環Bが、以下のいずれかの式で示される、前記[3]~[5]のいずれかに記載の化合物、またはその製薬上許容される塩、を含有する医薬組成物。
式:
【化9】

(式中、R6は、それぞれ独立して、ハロゲン、または置換もしくは非置換のアルキルオキシであり、R13a、R13b、R14a、R14b、R15a、およびR15bは、前記[3]と同意義である)
[10]
環Cが、芳香族炭素環または芳香族複素環である、前記[1]記載の化合物、またはその製薬上許容される塩、を含有する医薬組成物。
[11]
5が、それぞれ独立して、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、置換もしくは非置換のアミノ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のカルバモイル、置換もしくは非置換のスルファモイル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシ、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルホニル、または置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルホニルであり、
mが1~3である、前記[1]または[10]記載の化合物、またはその製薬上許容される塩、を含有する医薬組成物。
[12]
2bが、置換もしくは非置換のアルキルである、前記[1]、[10]または[11]のいずれかに記載の化合物、またはその製薬上許容される塩、を含有する医薬組成物。
[13]
4aが、以下に示される基である、前記[1]~[12]のいずれかに記載の化合物、またはその製薬上許容される塩、を含有する医薬組成物。
【化10】

(式中、
3、およびR7は、前記[1]と同意義である)。
[14]
3が、置換もしくは非置換のアルキレンである、前記[1]~[13]のいずれかに記載の化合物、またはその製薬上許容される塩、を含有する医薬組成物。
[15]
7が、ハロゲン、置換もしくは非置換のスルファモイル、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、または式:-L-S(=O)(=N-RN)-RS1である、前記[14]記載の化合物、またはその製薬上許容される塩、を含有する医薬組成物。
[16]
3が、単結合である、前記[1]~[13]のいずれかに記載の化合物、またはその製薬上許容される塩、を含有する医薬組成物。
[17]
7が、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基である、前記[16]記載の化合物、またはその製薬上許容される塩、を含有する医薬組成物。
[18]
4bが、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、または置換もしくは非置換の芳香族複素環式基である、前記[1]~[17]のいずれかに記載の化合物、またはその製薬上許容される塩、を含有する医薬組成物。
[19]
3aおよびR3bが水素である、前記[1]~[18]のいずれかに記載の化合物、またはその製薬上許容される塩、を含有する医薬組成物。
[20]
化合物I-6、I-13、I-14、I-20、I-33、I-46、I-58、I-61、I-66、I-79、I-126、I-130、I-133、I-137およびI-142からなる群から選択される、前記[1]記載の化合物またはその製薬上許容される塩、を含有する医薬組成物。
[20-1]
化合物I-123、I-124、I-136、I-139、I-141、I-143、I-145およびI-147からなる群から選択される、前記[1]記載の化合物またはその製薬上許容される塩、を含有する医薬組成物。
[20-2]
化合物I-151およびI-153からなる群から選択される、前記[1]記載の化合物またはその製薬上許容される塩、を含有する医薬組成物。
[21]
MGAT2阻害作用を有する、前記[1]~[20]または[20-1]~[20-2]のいずれかに記載の医薬組成物。
[22]
MGAT2の関与する疾患の治療または予防のために用いる、前記[21]記載の医薬組成物。
[23]
肥満症、メタボリックシンドローム、高脂血症、高中性脂肪血症、高VLDL血症、高脂肪酸血症、糖尿病または動脈硬化症の治療または予防のために用いる、前記[22]記載の医薬組成物。
【0008】
[1’]
式(I):
【化11】

(式中、
1は、水素であり;
2aおよびR2bは、隣接する炭素原子と一緒になって、環Bを形成し;
環Bは、式:
【化12】

(式中、R6は、それぞれ独立して、ハロゲン、または置換もしくは非置換のアルキルオキシであり、
nは、1または2である)であり;
3aは、水素であり;
3bは、水素であり;
4aは、式:
【化13】

(式中、
3は、単結合または置換もしくは非置換のアルキレンであり、
7は、ハロゲン、置換もしくは非置換のスルファモイル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、または式:-S(=O)(=N-RN)-RS1であり、
Nは、水素であり、
S1は、置換もしくは非置換のアルキルである)であり;
4bは、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、または置換もしくは非置換の芳香族複素環式基である)で示される化合物、またはその製薬上許容される塩、を含有する医薬組成物。
[2’]
環Bが、以下のいずれかの式で示される、前記[1’]記載の化合物、またはその製薬上許容される塩、を含有する医薬組成物。
式:
【化14】

(式中、R6は、それぞれ独立して、置換もしくは非置換のアルキルオキシである)
[3’]
環Bが、以下のいずれかの式で示される、前記[1’]記載の化合物、またはその製薬上許容される塩、を含有する医薬組成物。
式:
【化15】

(式中、R6は、それぞれ独立して、ハロゲン、または置換もしくは非置換のアルキルオキシである)
[4’]
3が、置換もしくは非置換のアルキレンである、前記[1’]~[3’]のいずれかに記載の化合物、またはその製薬上許容される塩、を含有する医薬組成物。
[5’]
7が、ハロゲン、置換もしくは非置換のスルファモイル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、または式:-S(=O)(=N-RN)-RS1である、前記[4’]記載の化合物、またはその製薬上許容される塩、を含有する医薬組成物。
[6’]
3が、単結合である、前記[1’]~[3’]のいずれかに記載の化合物、またはその製薬上許容される塩、を含有する医薬組成物。
[7’]
7が、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基である、前記[6’]記載の化合物、またはその製薬上許容される塩、を含有する医薬組成物。
[8’]
化合物I-6、I-13、I-14、I-20、I-33、I-46、I-58、I-61、I-66、I-79、I-126、I-130、I-133、I-137およびI-142からなる群から選択される、前記[1’]記載の化合物またはその製薬上許容される塩、を含有する医薬組成物。
[8’-1]
化合物I-123、I-124、I-136、I-139、I-141、I-143、I-145およびI-147からなる群から選択される、前記[1’]記載の化合物またはその製薬上許容される塩、を含有する医薬組成物。
[8’-2]
化合物I-151およびI-153からなる群から選択される、前記[1’]記載の化合物またはその製薬上許容される塩、を含有する医薬組成物。
[9’]
MGAT2阻害作用を有する、前記[1’]~[8’]または[8’-1]~[8’-2]のいずれかに記載の医薬組成物。
[10’]
MGAT2の関与する疾患の治療または予防のために用いる、前記[9’]記載の医薬組成物。
[11’]
肥満症、メタボリックシンドローム、高脂血症、高中性脂肪血症、高VLDL血症、高脂肪酸血症、糖尿病または動脈硬化症の治療または予防のために用いる、前記[10’]記載の医薬組成物。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る化合物は、MGAT2阻害作用を有し、肥満症、メタボリックシンドローム、高脂血症、高中性脂肪血症、高VLDL血症、高脂肪酸血症、糖尿病または動脈硬化症の予防剤、および/または治療剤として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】化合物I-142を用い、試験例6に従い測定した結果である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に本明細書において用いられる各用語の意味を説明する。各用語は特に断りのない限り、単独で用いられる場合も、または他の用語と組み合わせて用いられる場合も、同一の意味で用いられる。
「からなる」という用語は、構成要件のみを有することを意味する。
「含む」という用語は、構成要件に限定されず、記載されていない要素を排除しないことを意味する。
【0012】
「ハロゲン」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、およびヨウ素原子を包含する。特にフッ素原子および塩素原子が好ましい。
【0013】
「アルキル」とは、炭素数1~15、好ましくは炭素数1~10、より好ましくは炭素数1~6、さらに好ましくは炭素数1~4の直鎖又は分枝状の炭化水素基を包含する。例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n-ヘキシル、イソヘキシル、n-へプチル、イソヘプチル、n-オクチル、イソオクチル、n-ノニル、n-デシル等が挙げられる。
「アルキル」の好ましい態様として、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチルが挙げられる。さらに好ましい態様として、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、tert-ブチルが挙げられる。
【0014】
「アルケニル」とは、任意の位置に1以上の二重結合を有する、炭素数2~15、好ましくは炭素数2~10、より好ましくは炭素数2~6、さらに好ましくは炭素数2~4の直鎖又は分枝状の炭化水素基を包含する。例えば、ビニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、プレニル、ブタジエニル、ペンテニル、イソペンテニル、ペンタジエニル、ヘキセニル、イソヘキセニル、ヘキサジエニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、トリデセニル、テトラデセニル、ペンタデセニル等が挙げられる。
「アルケニル」の好ましい態様として、ビニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニルが挙げられる。
【0015】
「アルキニル」とは、任意の位置に1以上の三重結合を有する、炭素数2~10、好ましくは炭素数2~8、さらに好ましくは炭素数2~6、さらに好ましくは炭素数2~4の直鎖又は分枝状の炭化水素基を包含する。さらに任意の位置に二重結合を有していてもよい。例えば、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニル、デシニル等を包含する。
「アルキニル」の好ましい態様として、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニルが挙げられる。
【0016】
「アルキレン」とは、炭素数1~15、好ましくは炭素数1~10、より好ましくは炭素数1~6、さらに好ましくは炭素数1~4の直鎖又は分枝状の2価の炭化水素基を包含する。例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン等が挙げられる。
【0017】
「芳香族炭素環式基」とは、単環または2環以上の、環状芳香族炭化水素基を意味する。例えば、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル等が挙げられる。
「芳香族炭素環式基」の好ましい態様として、フェニルが挙げられる。
【0018】
「非芳香族炭素環式基」とは、単環または2環以上の、環状飽和炭化水素基または環状非芳香族不飽和炭化水素基を意味する。2環以上の「非芳香族炭素環式基」は、単環または2環以上の非芳香族炭素環式基に、上記「芳香族炭素環式基」における環が縮合したものも包含する。
さらに、「非芳香族炭素環式基」は、以下のように架橋している基、またはスピロ環を形成する基も包含する。
【化16】

単環の非芳香族炭素環式基としては、炭素数3~16が好ましく、より好ましくは炭素数3~12、さらに好ましくは炭素数4~8である。例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロヘキサジエニル等が挙げられる。
2環以上の非芳香族炭素環式基としては、炭素数8~20が好ましく、より好ましくは炭素数8~16である。例えば、インダニル、インデニル、アセナフチル、テトラヒドロナフチル、フルオレニル等が挙げられる。
【0019】
「芳香族炭素環」とは、単環または2環以上の、環状芳香族炭化水素を包含する。例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環等が挙げられる。
「芳香族炭素環」の一つの態様として、ベンゼン環、ナフタレン環が挙げられる。別の態様として、ベンゼン環が挙げられる。
「非芳香族炭素環」とは、単環または2環以上の、環状飽和炭化水素または環状非芳香族不飽和炭化水素を包含する。2環以上の「非芳香族炭素環」は、単環または2環以上の非芳香族炭素環に、上記「芳香族炭素環」における環が縮合したものも包含する。
さらに、「非芳香族炭素環」は、以下のように架橋している環、またはスピロ環を形成する環も包含する。
【化17】

単環の非芳香族炭素環としては、炭素数3~16が好ましく、より好ましくは炭素数3~12、さらに好ましくは炭素数3~8である。例えば、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン、シクロデカン、シクロプロペン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロヘキサジエン等が挙げられる。
2環以上の非芳香族炭素環としては、炭素数8~20が好ましく、より好ましくは炭素数8~16である。例えば、インダン、インデン、アセナフチレン、テトラヒドロナフタレン、フルオレン等が挙げられる。
【0020】
「芳香族複素環式基」とは、O、SおよびNから任意に選択される同一または異なるヘテロ原子を環内に1以上有する、単環または2環以上の、芳香族環式基を意味する。2環以上の芳香族複素環式基は、単環または2環以上の芳香族複素環式基に、上記「芳香族炭素環式基」における環が縮合したものも包含する。
単環の芳香族複素環式基としては、5~8員が好ましく、より好ましくは5員または6員である。例えば、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアゾリル、トリアジニル、テトラゾリル、フリル、チエニル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、イソチアゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル等が挙げられる。
2環の芳香族複素環式基としては、8~10員が好ましく、より好ましくは9員または10員である。例えば、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、インドリジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、プリニル、プテリジニル、ベンズイミダゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンズオキサジアゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾフリル、イソベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンゾトリアゾリル、イミダゾピリジル、トリアゾロピリジル、イミダゾチアゾリル、ピラジノピリダジニル、オキサゾロピリジル、チアゾロピリジル等が挙げられる。
3環以上の芳香族複素環式基としては、例えば、カルバゾリル、アクリジニル、キサンテニル、フェノチアジニル、フェノキサチイニル、フェノキサジニル、ジベンゾフリル等が挙げられる。
【0021】
「非芳香族複素環式基」とは、O、SおよびNから任意に選択される同一または異なるヘテロ原子を環内に1以上有する、単環または2環以上の、環状非芳香族環式基を意味する。2環以上の非芳香族複素環式基は、単環または2環以上の非芳香族複素環式基に、上記「芳香族炭素環式基」、「非芳香族炭素環式基」、および/または「芳香族複素環式基」におけるそれぞれの環が縮合したもの、さらに、単環または2環以上の非芳香族炭素環式基に、上記「芳香族複素環式基」における環が縮合したものも包含する。
さらに、「非芳香族複素環式基」は、以下のように架橋している基、またはスピロ環を形成する基も包含する。
【化18】

単環の非芳香族複素環式基としては、3~8員が好ましく、より好ましくは5員または6員である。例えば、ジオキサニル、チイラニル、オキシラニル、オキセタニル、オキサチオラニル、アゼチジニル、チアニル、チアゾリジニル、ピロリジニル、ピロリニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリニル、モルホリノ、チオモルホリニル、チオモルホリノ、ジヒドロピリジル、テトラヒドロピリジル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロチアゾリル、テトラヒドロチアゾリル、テトラヒドロイソチアゾリル、ジヒドロオキサジニル、ヘキサヒドロアゼピニル、テトラヒドロジアゼピニル、テトラヒドロピリダジニル、ヘキサヒドロピリミジニル、ジオキソラニル、ジオキサジニル、アジリジニル、ジオキソリニル、オキセパニル、チオラニル、チイニル、チアジニル等が挙げられる。
2環以上の非芳香族複素環式基としては、8~20員が好ましく、より好ましくは8~10員である。例えば、インドリニル、イソインドリニル、クロマニル、イソクロマニル等が挙げられる。
【0022】
「芳香族複素環」とは、O、SおよびNから任意に選択される同一または異なるヘテロ原子を環内に1以上有する、単環または2環以上の、芳香族環を包含する。
2環以上の「芳香族複素環」は、単環または2環以上の芳香族複素環に、上記「芳香族炭素環」における環が縮合したものも包含する。
単環の芳香族複素環としては、5~8員が好ましく、より好ましくは5員または6員である。例えば、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアゾール、トリアジン、テトラゾール、フラン、チオフェン、イソオキサゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、イソチアゾール、チアゾール、チアジアゾール等が挙げられる。
2環の芳香族複素環としては、8~10員が好ましく、より好ましくは9員または10員である。例えば、インドール、イソインドール、インダゾール、インドリジン、キノリン、イソキノリン、シンノリン、フタラジン、キナゾリン、ナフチリジン、キノキサリン、プリン、プテリジン、ベンズイミダゾール、ベンズイソオキサゾール、ベンズオキサゾール、ベンズオキサジアゾール、ベンズイソチアゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾチアジアゾール、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンゾトリアゾール、イミダゾピリジン、トリアゾロピリジン、イミダゾチアゾール、ピラジノピリダジン、オキサゾロピリジン、チアゾロピリジン等が挙げられる。
3環以上の芳香族複素環としては、11~26員が好ましく、より好ましくは13または14員である。例えば、カルバゾール、アクリジン、キサンテン、フェノチアジン、フェノキサチイン、フェノキサジン、ジベンゾフラン等が挙げられる。
「非芳香族複素環」とは、酸素原子、硫黄原子および窒素原子から任意に選択される同一または異なるヘテロ原子を環内に1以上有する、単環または2環以上の、環状非芳香族環を包含する。
2環以上の「非芳香族複素環」は、単環または2環以上の非芳香族複素環に、上記「芳香族炭素環」、「非芳香族炭素環」、および/または「芳香族複素環」におけるそれぞれの環が縮合したものも包含する。
さらに、「非芳香族複素環」は、以下のように架橋している環、またはスピロ環を形成する環も包含する。
【化19】

単環の非芳香族複素環としては、3~8員が好ましく、より好ましくは5員または6員である。例えば、ジオキサン、チイラン、オキシラン、オキセタン、オキサチオラン、アゼチジン、チアン、チアゾリジン、ピロリジン、ピロリン、イミダゾリジン、イミダゾリン、ピラゾリジン、ピラゾリン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリン、ジヒドロピリジン、テトラヒドロピリジン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジヒドロチアゾール、テトラヒドロチアゾール、テトラヒドロイソチアゾール、ジヒドロオキサジン、ヘキサヒドロアゼピン、テトラヒドロジアゼピン、テトラヒドロピリダジン、ヘキサヒドロピリミジン、ジオキソラン、ジオキサジン、アジリジン、ジオキソール、オキセパン、チオラン、チイン、チアジン等が挙げられる。
2環以上の非芳香族複素環としては、8~20員が好ましく、より好ましくは8~10員である。例えば、インドリン、イソインドリン、クロマン、イソクロマン等が挙げられる。
【0023】
「置換カルバモイル」、「置換チオカルバモイル」、「置換アミジノ」、「置換アミノ」、「置換ウレイド」、「置換グアニジノ」、「置換スルファモイル」、「置換アルキル」、「置換アルケニル」、「置換アルキニル」、「置換アルキレン」、「置換アルキルオキシ」、「置換アルケニルオキシ」、「置換アルキルカルボニルオキシ」、「置換アルケニルカルボニルオキシ」、「置換アルキルカルボニル」、「置換アルケニルカルボニル」、「置換アルキルオキシカルボニル」、「置換アルケニルオキシカルボニル」、「置換アルキルスルファニル」、「置換アルケニルスルファニル」、「置換アルキルスルフィニル」、「置換アルケニルスルフィニル」、「置換アルキルスルホニル」、および「置換アルケニルスルホニル」の置換基としては、次の置換基が挙げられる。任意の位置の炭素原子または窒素原子が次の置換基から選択される1以上の基と結合していてもよい。
置換基:ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ホルミル、ホルミルオキシ、チオホルミル、カルボキシ、チオカルボキシ、ジチオカルボキシ、カルバモイル、チオカルバモイル、アミジノ、アミノ、ヒドロキシアミノ、ヒドロキシイミノ、アジド、ヒドラジノ、ウレイド、グアニジノ、ペンタフルオロチオ、チオール、スルフィノ、スルホ、スルファモイル、トリアルキルシリル、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、アルキルオキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、ハロアルキルオキシ、ハロアルキルオキシアルキル、アルキルカルボニルオキシ、アルケニルカルボニルオキシ、アルキニルカルボニルオキシ、アルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルキニルカルボニル、アルキルオキシカルボニル、アルケニルオキシカルボニル、アルキニルオキシカルボニル、アルキルスルファニル、アルケニルスルファニル、アルキニルスルファニル、アルキルスルフィニル、アルケニルスルフィニル、アルキニルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルケニルスルホニル、アルキニルスルホニル、モノアルキルアミノスルホニル、モノアルケニルアミノスルホニル、モノアルキニルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、ジアルケニルアミノスルホニル、ジアルキニルアミノスルホニル、モノアルキルアミノ、モノアルケニルアミノ、モノアルキニルアミノ、ジアルキルアミノ、ジアルケニルアミノ、ジアルキニルアミノ、モノアルキルカルボニルアミノ、モノアルケニルカルボニルアミノ、モノアルキニルカルボニルアミノ、ジアルキルカルボニルアミノ、ジアルケニルカルボニルアミノ、ジアルキニルカルボニルアミノ、モノアルキルオキシカルボニルアミノ、モノアルケニルオキシカルボニルアミノ、モノアルキニルオキシカルボニルアミノ、ジアルキルオキシカルボニルアミノ、ジアルケニルオキシカルボニルアミノ、ジアルキニルオキシカルボニルアミノ、モノアルキルスルホニルアミノ、モノアルケニルスルホニルアミノ、モノアルキニルスルホニルアミノ、ジアルキルスルホニルアミノ、ジアルケニルスルホニルアミノ、ジアルキニルスルホニルアミノ、モノアルキルカルバモイル、モノアルケニルカルバモイル、モノアルキニルカルバモイル、ジアルキルカルバモイル、ジアルケニルカルバモイル、ジアルキニルカルバモイル、モノアルキルオキシカルバモイル、モノアルケニルオキシカルバモイル、モノアルキニルオキシカルバモイル、ジアルキルオキシカルバモイル、ジアルケニルオキシカルバモイル、ジアルキニルオキシカルバモイル、モノアルキルカルボニルカルバモイル、モノアルケニルカルボニルカルバモイル、モノアルキニルカルボニルカルバモイル、モノアルキルオキシカルボニルカルバモイル、モノアルケニルオキシカルボニルカルバモイル、モノアルキニルオキシカルボニルカルバモイル、モノアルキルスルホニルカルバモイル、モノアルケニルスルホニルカルバモイル、モノアルキニルスルホニルカルバモイル、モノアルキルスルファモイル、モノアルケニルスルファモイル、モノアルキニルスルファモイル、ジアルキルスルファモイル、ジアルケニルスルファモイル、ジアルキニルスルファモイル、モノアルキルオキシスルファモイル、モノアルケニルオキシスルファモイル、モノアルキニルオキシスルファモイル、ジアルキルオキシスルファモイル、ジアルケニルオキシスルファモイル、ジアルキニルオキシスルファモイル、モノアルキルカルボニルスルファモイル、モノアルケニルカルボニルスルファモイル、モノアルキニルカルボニルスルファモイル、モノアルキルオキシカルボニルスルファモイル、モノアルケニルオキシカルボニルスルファモイル、モノアルキニルオキシカルボニルスルファモイル、モノアルキルスルホニルスルファモイル、モノアルケニルスルホニルスルファモイル、モノアルキニルスルホニルスルファモイル、置換基群Aで置換されてもよい芳香族炭素環式基、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族炭素環式基、置換基群Aで置換されてもよい芳香族複素環式基、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族複素環式基、置換基群Aで置換されてもよい芳香族炭素環オキシ、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族炭素環オキシ、置換基群Aで置換されてもよい芳香族複素環オキシ、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族複素環オキシ、置換基群Aで置換されてもよい芳香族炭素環カルボニルオキシ、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族炭素環カルボニルオキシ、置換基群Aで置換されてもよい芳香族複素環カルボニルオキシ、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族複素環カルボニルオキシ、置換基群Aで置換されてもよい芳香族炭素環カルボニル、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族炭素環カルボニル、置換基群Aで置換されてもよい芳香族複素環カルボニル、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族複素環カルボニル、置換基群Aで置換されてもよい芳香族炭素環オキシカルボニル、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族炭素環オキシカルボニル、置換基群Aで置換されてもよい芳香族複素環オキシカルボニル、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族複素環オキシカルボニル、置換基群Aで置換されてもよい芳香族炭素環スルファニル、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族炭素環スルファニル、置換基群Aで置換されてもよい芳香族複素環スルファニル、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族複素環スルファニル、置換基群Aで置換されてもよい芳香族炭素環スルフィニル、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族炭素環スルフィニル、置換基群Aで置換されてもよい芳香族複素環スルフィニル、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族複素環スルフィニル、置換基群Aで置換されてもよい芳香族炭素環スルホニル、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族炭素環スルホニル、置換基群Aで置換されてもよい芳香族複素環スルホニル、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族複素環スルホニル、置換基群Aで置換されてもよい芳香族炭素環アルキル、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族炭素環アルキル、置換基群Aで置換されてもよい芳香族複素環アルキル、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族複素環アルキル、置換基群Aで置換されてもよい芳香族炭素環アルキルオキシ、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族炭素環アルキルオキシ、置換基群Aで置換されてもよい芳香族複素環アルキルオキシ、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族複素環アルキルオキシ、置換基群Aで置換されてもよい芳香族炭素環アルキルカルボニル、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族炭素環アルキルカルボニル、置換基群Aで置換されてもよい芳香族複素環アルキルカルボニル、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族複素環アルキルカルボニル、置換基群Aで置換されてもよい芳香族炭素環アルキルオキシカルボニル、非芳香族炭素環アルキルオキシカルボニル、置換基群Aで置換されてもよい芳香族複素環アルキルオキシカルボニル、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族複素環アルキルオキシカルボニル、置換基群Aで置換されてもよい芳香族炭素環アルキルスルファニル、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族炭素環アルキルスルファニル、置換基群Aで置換されてもよい芳香族複素環アルキルスルファニル、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族複素環アルキルスルファニル、置換基群Aで置換されてもよい芳香族炭素環アルキルスルフィニル、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族炭素環アルキルスルフィニル、置換基群Aで置換されてもよい芳香族複素環アルキルスルフィニル、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族複素環アルキルスルフィニル、置換基群Aで置換されてもよい芳香族炭素環アルキルスルホニル、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族炭素環アルキルスルホニル、置換基群Aで置換されてもよい芳香族複素環アルキルスルホニル、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族複素環アルキルスルホニル、置換基群Aで置換されてもよい芳香族炭素環アルキルアミノ、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族炭素環アルキルアミノ、置換基群Aで置換されてもよい芳香族複素環アルキルアミノ、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族複素環アルキルアミノ、置換基群Aで置換されてもよい芳香族炭素環アルキルカルボニルアミノ、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族炭素環アルキルカルボニルアミノ、置換基群Aで置換されてもよい芳香族複素環アルキルカルボニルアミノ、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族複素環アルキルカルボニルアミノ、置換基群Aで置換されてもよい芳香族炭素環アルキルオキシカルボニルアミノ、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族炭素環アルキルオキシカルボニルアミノ、置換基群Aで置換されてもよい芳香族複素環アルキルオキシカルボニルアミノ、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族複素環アルキルオキシカルボニルアミノ、置換基群Aで置換されてもよい芳香族炭素環アルキルスルホニルアミノ、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族炭素環アルキルスルホニルアミノ、置換基群Aで置換されてもよい芳香族複素環アルキルスルホニルアミノ、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族複素環アルキルスルホニルアミノ、置換基群Aで置換されてもよい芳香族炭素環オキシアルキルアミノ、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族炭素環オキシアルキルアミノ、置換基群Aで置換されてもよい芳香族複素環オキシアルキルアミノ、および置換基群Aで置換されてもよい非芳香族複素環オキシアルキルアミノ。
「置換基群Aで置換されてもよい」とは、任意の位置の炭素原子、窒素原子または硫黄原子が置換基群Aから選択される1以上の基と結合していてもよい。
置換基群A:オキソ、ハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルキルオキシ、ハロアルキルオキシ、アルキルオキシカルボニルアルキル、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、芳香族炭素環式基、芳香族複素環式基、および芳香族炭素環オキシ。
以下において「置換基群Bで置換されてもよい」も同様である。
置換基群B:ハロゲン、アルキル、およびハロアルキル。
【0024】
「置換非芳香族炭素環」、「置換非芳香族複素環」、「置換芳香族炭素環式基」、「置換非芳香族炭素環式基」、「置換芳香族複素環式基」、「置換非芳香族複素環式基」、「置換芳香族炭素環オキシ」、「置換非芳香族炭素環オキシ」、「置換芳香族複素環オキシ」、「置換非芳香族複素環オキシ」、「置換芳香族炭素環カルボニルオキシ」、「置換非芳香族炭素環カルボニルオキシ」、「置換芳香族複素環カルボニルオキシ」、「置換非芳香族複素環カルボニルオキシ」、「置換芳香族炭素環カルボニル」、「置換非芳香族炭素環カルボニル」、「置換芳香族複素環カルボニル」、「置換非芳香族複素環カルボニル」、「置換芳香族炭素環オキシカルボニル」、「置換非芳香族炭素環オキシカルボニル」、「置換芳香族複素環オキシカルボニル」、「置換非芳香族複素環オキシカルボニル」、「置換芳香族炭素環スルファニル」、「置換非芳香族炭素環スルファニル」、「置換芳香族複素環スルファニル」、「置換非芳香族複素環スルファニル」、「置換芳香族炭素環スルフィニル」、「置換非芳香族炭素環スルフィニル」、「置換芳香族複素環スルフィニル」、「置換非芳香族複素環スルフィニル」、「置換芳香族炭素環スルホニル」、「置換非芳香族炭素環スルホニル」、「置換芳香族複素環スルホニル」、および「置換非芳香族複素環スルホニル」の「芳香族炭素環」、「非芳香族炭素環」、「芳香族複素環」および「非芳香族複素環」の環上の置換基としては、次の置換基が挙げられる。環上の任意の位置の原子が次の置換基から選択される1以上の基と結合していてもよい。
置換基:オキソ、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ホルミル、ホルミルオキシ、チオホルミル、カルボキシ、チオカルボキシ、ジチオカルボキシ、カルバモイル、チオカルバモイル、アミジノ、アミノ、ヒドロキシアミノ、イミノ、ヒドロキシイミノ、アジド、ヒドラジノ、ウレイド、グアニジノ、ペンタフルオロチオ、チオール、スルフィノ、スルホ、スルファモイル、トリアルキルシリル、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、アルキルオキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、ハロアルキルオキシ、ハロアルケニルオキシ、ハロアルキニルオキシ、アルキルオキシアルキルオキシ、ハロアルキルオキシアルキルオキシ、ヒドロキシアルキル、アルキルカルボニルオキシ、アルケニルカルボニルオキシ、アルキニルカルボニルオキシ、アルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルキニルカルボニル、アルキルオキシカルボニル、アルケニルオキシカルボニル、アルキニルオキシカルボニル、アルキルスルファニル、アルケニルスルファニル、アルキニルスルファニル、アルキルスルフィニル、アルケニルスルフィニル、アルキニルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルケニルスルホニル、アルキニルスルホニル、モノアルキルアミノスルホニル、モノアルケニルアミノスルホニル、モノアルキニルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、ジアルケニルアミノスルホニル、ジアルキニルアミノスルホニル、モノアルキルアミノ、モノアルケニルアミノ、モノアルキニルアミノ、モノハロアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ジアルケニルアミノ、ジアルキニルアミノ、モノアルキルカルボニルアミノ、モノアルケニルカルボニルアミノ、モノアルキニルカルボニルアミノ、モノハロアルキルカルボニルアミノ、ジアルキルカルボニルアミノ、ジアルケニルカルボニルアミノ、ジアルキニルカルボニルアミノ、モノアルキルオキシカルボニルアミノ、モノアルケニルオキシカルボニルアミノ、モノアルキニルオキシカルボニルアミノ、ジアルキルオキシカルボニルアミノ、ジアルケニルオキシカルボニルアミノ、ジアルキニルオキシカルボニルアミノ、モノアルキルスルホニルアミノ、モノアルケニルスルホニルアミノ、モノアルキニルスルホニルアミノ、ジアルキルスルホニルアミノ、ジアルケニルスルホニルアミノ、ジアルキニルスルホニルアミノ、アルキルイミノ、アルケニルイミノ、アルキニルイミノ、アルキルオキシイミノ、アルケニルオキシイミノ、アルキニルオキシイミノ、モノアルキルカルバモイル、モノアルケニルカルバモイル、モノアルキニルカルバモイル、ジアルキルカルバモイル、ジアルケニルカルバモイル、ジアルキニルカルバモイル、モノアルキルオキシカルバモイル、モノアルケニルオキシカルバモイル、モノアルキニルオキシカルバモイル、ジアルキルオキシカルバモイル、ジアルケニルオキシカルバモイル、ジアルキニルオキシカルバモイル、モノアルキルカルボニルカルバモイル、モノアルケニルカルボニルカルバモイル、モノアルキニルカルボニルカルバモイル、モノアルキルオキシカルボニルカルバモイル、モノアルケニルオキシカルボニルカルバモイル、モノアルキニルオキシカルボニルカルバモイル、モノアルキルスルホニルカルバモイル、モノアルケニルスルホニルカルバモイル、モノアルキニルスルホニルカルバモイル、モノアルキルスルファモイル、モノアルケニルスルファモイル、モノアルキニルスルファモイル、ジアルキルスルファモイル、ジアルケニルスルファモイル、ジアルキニルスルファモイル、モノアルキルオキシスルファモイル、モノアルケニルオキシスルファモイル、モノアルキニルオキシスルファモイル、ジアルキルオキシスルファモイル、ジアルケニルオキシスルファモイル、ジアルキニルオキシスルファモイル、モノアルキルカルボニルスルファモイル、モノアルケニルカルボニルスルファモイル、モノアルキニルカルボニルスルファモイル、モノアルキルオキシカルボニルスルファモイル、モノアルケニルオキシカルボニルスルファモイル、モノアルキニルオキシカルボニルスルファモイル、モノアルキルスルホニルスルファモイル、モノアルケニルスルホニルスルファモイル、モノアルキニルスルホニルスルファモイル、置換基群Aで置換されてもよい芳香族炭素環式基、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族炭素環式基、置換基群Aで置換されてもよい芳香族複素環式基、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族複素環式基、置換基群Aで置換されてもよい芳香族炭素環オキシ、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族炭素環オキシ、置換基群Aで置換されてもよい芳香族複素環オキシ、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族複素環オキシ、置換基群Aで置換されてもよい芳香族炭素環カルボニルオキシ、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族炭素環カルボニルオキシ、置換基群Aで置換されてもよい芳香族複素環カルボニルオキシ、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族複素環カルボニルオキシ、置換基群Aで置換されてもよい芳香族炭素環カルボニル、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族炭素環カルボニル、置換基群Aで置換されてもよい芳香族複素環カルボニル、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族複素環カルボニル、置換基群Aで置換されてもよい芳香族炭素環オキシカルボニル、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族炭素環オキシカルボニル、置換基群Aで置換されてもよい芳香族複素環オキシカルボニル、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族複素環オキシカルボニル、置換基群Aで置換されてもよい芳香族炭素環スルファニル、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族炭素環スルファニル、置換基群Aで置換されてもよい芳香族複素環スルファニル、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族複素環スルファニル、置換基群Aで置換されてもよい芳香族炭素環スルフィニル、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族炭素環スルフィニル、置換基群Aで置換されてもよい芳香族複素環スルフィニル、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族複素環スルフィニル、置換基群Aで置換されてもよい芳香族炭素環スルホニル、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族炭素環スルホニル、置換基群Aで置換されてもよい芳香族複素環スルホニル、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族複素環スルホニル、置換基群Aで置換されてもよい芳香族炭素環アミノ、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族炭素環アミノ、置換基群Aで置換されてもよい芳香族複素環アミノ、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族複素環アミノ、置換基群Aで置換されてもよい芳香族炭素環アルキル、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族炭素環アルキル、置換基群Aで置換されてもよい芳香族複素環アルキル、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族複素環アルキル、置換基群Aで置換されてもよい芳香族炭素環アルキルオキシ、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族炭素環アルキルオキシ、置換基群Aで置換されてもよい芳香族複素環アルキルオキシ、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族複素環アルキルオキシ、置換基群Aで置換されてもよい芳香族炭素環アルキルカルボニル、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族炭素環アルキルカルボニル、置換基群Aで置換されてもよい芳香族複素環アルキルカルボニル、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族複素環アルキルカルボニル、置換基群Aで置換されてもよい芳香族炭素環アルキルオキシカルボニル、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族炭素環アルキルオキシカルボニル、置換基群Aで置換されてもよい芳香族複素環アルキルオキシカルボニル、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族複素環アルキルオキシカルボニル、置換基群Aで置換されてもよい芳香族炭素環アルキルスルファニル、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族炭素環アルキルスルファニル、置換基群Aで置換されてもよい芳香族複素環アルキルスルファニル、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族複素環アルキルスルファニル、置換基群Aで置換されてもよい芳香族炭素環アルキルスルフィニル、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族炭素環アルキルスルフィニル、置換基群Aで置換されてもよい芳香族複素環アルキルスルフィニル、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族複素環アルキルスルフィニル、置換基群Aで置換されてもよい芳香族炭素環アルキルスルホニル、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族炭素環アルキルスルホニル、置換基群Aで置換されてもよい芳香族複素環アルキルスルホニル、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族複素環アルキルスルホニル、置換基群Aで置換されてもよい芳香族炭素環アルキルアミノ、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族炭素環アルキルアミノ、置換基群Aで置換されてもよい芳香族複素環アルキルアミノ、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族複素環アルキルアミノ、置換基群Aで置換されてもよい芳香族炭素環アルキルカルボニルアミノ、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族炭素環アルキルカルボニルアミノ、置換基群Aで置換されてもよい芳香族複素環アルキルカルボニルアミノ、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族複素環アルキルカルボニルアミノ、置換基群Aで置換されてもよい芳香族炭素環アルキルオキシカルボニルアミノ、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族炭素環アルキルオキシカルボニルアミノ、置換基群Aで置換されてもよい芳香族複素環アルキルオキシカルボニルアミノ、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族複素環アルキルオキシカルボニルアミノ、置換基群Aで置換されてもよい芳香族炭素環アルキルスルホニルアミノ、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族炭素環アルキルスルホニルアミノ、置換基群Aで置換されてもよい芳香族複素環アルキルスルホニルアミノ、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族複素環アルキルスルホニルアミノ、置換基群Aで置換されてもよい芳香族炭素環オキシアルキルアミノ、置換基群Aで置換されてもよい非芳香族炭素環オキシアルキルアミノ、置換基群Aで置換されてもよい芳香族複素環オキシアルキルアミノ、および置換基群Aで置換されてもよい非芳香族複素環オキシアルキルアミノ。
【0025】
式(I)で示される化合物における、各置換基の態様および好ましい態様を以下に示す。下記に示す、各置換基のそれぞれの態様の可能な組合せの化合物が好ましい。
【0026】
1としては、水素、ヒドロキシ、置換もしくは非置換のカルバモイル、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルキルカルボニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルホニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルホニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルホニル、または置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルホニルが挙げられる。
1の好ましい態様としては、水素、またはヒドロキシが挙げられる。
1の更に好ましい態様としては、水素が挙げられる。
1が置換されている場合の置換基の例としては、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルキル、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、芳香族炭素環式基、非芳香族炭素環式基、芳香族複素環式基、または非芳香族複素環式基が挙げられる。
【0027】
2aおよびR2bは、隣接する炭素原子と一緒になって、環Bを形成するものが好ましい態様である。
2aおよびR2bの別の態様として、以下の態様も好ましく、
2aは、式:
【化20】

であり、
2bは、水素、シアノ、置換もしくは非置換のカルバモイル、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、または置換もしくは非置換のアルキルスルホニルである。
2bの更に好ましい態様としては、水素、または置換もしくは非置換のアルキルである。
2bの特に好ましい態様としては、置換もしくは非置換のアルキルが挙げられ、特に、アルキル、ハロアルキルが好ましい。
なお、R2bが置換されている場合の置換基の例としては、ハロゲンが挙げられる。
【0028】
環Bとしては、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環、または置換もしくは非置換の非芳香族複素環が挙げられる。
環Bの好ましい態様としては、式:
【化21】

が挙げられる。
環Bの更に好ましい態様としては、式:
【化22】

が挙げられる。
環Bの特に好ましい態様としては、式:
【化23】

が挙げられる。
環Bの別の好ましい態様としては、式:
【化24】

が挙げられ、更に好ましくは、式:
【化25】

が挙げられる。
環Bの別の好ましい態様としては、式:
【化26】

が挙げられ、更に好ましくは、式:
【化27】

が挙げられ、特に好ましくは、式:
【化28】

が挙げられる。
環Bの別の好ましい態様としては、式:
【化29】

が挙げられ、更に好ましくは、式:
【化30】

が挙げられる。
環Bの別の好ましい態様としては、式:
【化31】

が挙げられ、更に好ましくは、式:
【化32】

が挙げられる。
【0029】
環Bの更に別の態様としては、式:
【化33】

が挙げられる。
【0030】
環Dとしては、芳香族炭素環、非芳香族炭素環、芳香族複素環、または非芳香族複素環が挙げられる。
環Dの好ましい態様としては、芳香族炭素環が挙げられる。
【0031】
1としては、CR11a11b、NR11c、O、またはSが挙げられる。
1の好ましい態様としては、CR11a11bが挙げられる。
1の更に好ましい態様としては、Cが挙げられる。
【0032】
2としては、CR12a12b、NR12c、O、またはSが挙げられる。
2の好ましい態様としては、CR12a12bが挙げられる。
2の更に好ましい態様としては、Cが挙げられる。
【0033】
3としては、CR13a13b、NR13c、O、またはSが挙げられる。
3の好ましい態様としては、CR13a13b、またはOが挙げられる。
3の好ましい具体的な態様としては、例えば、CH2、またはOが挙げられる。
【0034】
4としては、CR14a14b、NR14c、O、またはSが挙げられる。
4の好ましい態様としては、CR14a14bが挙げられる。
4の好ましい具体的な態様としては、CH2、またはCF2が挙げられる。
【0035】
5としては、CR15a15b、NR15c、O、またはSが挙げられる。
5の好ましい態様としては、CR15a15bが挙げられる。
5の好ましい具体的な態様としては、CH2が挙げられる。
【0036】
ただし、-B1-B2-B3-B4-または-B1-B2-B3-B4-B5-が、-O-O-O-O-や-S-S-S-S-等のようにN、O、およびSのいずれか1種の原子が3つ以上連続して結合することはない。
【0037】
11a、R12a、R13a、R14a、およびR15aとしては、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシ、置換もしくは非置換のカルバモイル、置換もしくは非置換のチオカルバモイル、置換もしくは非置換のアミジノ、置換もしくは非置換のアミノ、置換もしくは非置換のウレイド、置換もしくは非置換のグアニジノ、ペンタフルオロチオ、スルホ、置換もしくは非置換のスルファモイル、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルカルボニルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルカルボニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルカルボニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルキルスルファニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルファニル、置換もしくは非置換のアルキルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルホニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシ、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環カルボニルオキシ、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環カルボニルオキシ、置換もしくは非置換の芳香族複素環カルボニルオキシ、置換もしくは非置換の非芳香族複素環カルボニルオキシ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルファニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルファニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルファニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルファニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルフィニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルフィニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルホニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルホニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルホニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルホニル、式:-L-N=S(=O)(-RS1)-RS2、式:-L-S(=O)(=N-RN)-RS1、式:-N=S(=N-RN)(-RS1)-RS2、または式:-S(=N-RN2-RS1で示される基が挙げられる。
ここで、式:-L-N=S(=O)(-RS1)-RS2、式:-L-S(=O)(=N-RN)-RS1、式:-N=S(=N-RN)(-RS1)-RS2、式:-S(=N-RN2-RS1で示される基は、それぞれ以下の化学構造を有する基である。
【化34】

11a、R12a、R13a、R14a、およびR15aの好ましい態様としては、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、または置換もしくは非置換のアルキルが挙げられる。
11a、R12a、R13a、R14a、およびR15aの更に好ましい態様としては、水素またはハロゲンが挙げられる。
11a、R12a、R13a、R14a、およびR15aが置換されている場合の置換基は、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルキル、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、芳香族炭素環式基、非芳香族炭素環式基、芳香族複素環式基、または非芳香族複素環式基である。
【0038】
11b、R12b、R13b、R14b、およびR15bとしては、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシ、置換もしくは非置換のカルバモイル、置換もしくは非置換のチオカルバモイル、置換もしくは非置換のアミジノ、置換もしくは非置換のアミノ、置換もしくは非置換のウレイド、置換もしくは非置換のグアニジノ、ペンタフルオロチオ、スルホ、置換もしくは非置換のスルファモイル、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルカルボニルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルカルボニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルカルボニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルキルスルファニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルファニル、置換もしくは非置換のアルキルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルホニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシ、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環カルボニルオキシ、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環カルボニルオキシ、置換もしくは非置換の芳香族複素環カルボニルオキシ、置換もしくは非置換の非芳香族複素環カルボニルオキシ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルファニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルファニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルファニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルファニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルフィニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルフィニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルホニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルホニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルホニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルホニル、式:-L-N=S(=O)(-RS1)-RS2、式:-L-S(=O)(=N-RN)-RS1、式:-N=S(=N-RN)(-RS1)-RS2、または式:-S(=N-RN2-RS1で示される基が挙げられる。
11b、R12b、R13b、R14b、およびR15bの好ましい態様としては、水素、またはハロゲンが挙げられる。
11b、R12b、R13b、R14b、およびR15bが置換されている場合の置換基は、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルキル、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、芳香族炭素環式基、非芳香族炭素環式基、芳香族複素環式基、または非芳香族複素環式基である。
【0039】
11c、R12c、R13c、R14c、およびR15cとしては、それぞれ独立して、水素、シアノ、置換もしくは非置換のカルバモイル、置換もしくは非置換のチオカルバモイル、置換もしくは非置換のアミジノ、置換もしくは非置換のアミノ、置換もしくは非置換のウレイド、置換もしくは非置換のグアニジノ、ペンタフルオロチオ、スルホ、置換もしくは非置換のスルファモイル、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルカルボニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルキルスルファニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルファニル、置換もしくは非置換のアルキルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルホニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシ、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルファニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルファニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルファニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルファニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルフィニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルフィニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルホニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルホニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルホニル、または置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルホニルが挙げられる。
11c、R12c、R13c、R14c、およびR15cの好ましい態様としては、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、または置換もしくは非置換のアルキルが挙げられる。
11c、R12c、R13c、R14c、およびR15cの更に好ましい態様としては、水素が挙げられる。
11c、R12c、R13c、R14c、およびR15cが置換されている場合の置換基は、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルキル、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、芳香族炭素環式基、非芳香族炭素環式基、芳香族複素環式基、または非芳香族複素環式基である。
【0040】
11aとR12a、R12aとR13a、R13aとR14a、および/またはR14aとR15aは、隣接する炭素原子と一緒になって、置換もしくは非置換の芳香族炭素環、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環、置換もしくは非置換の芳香族複素環、または置換もしくは非置換の非芳香族複素環を形成してもよく、
および/または、R11cとR12a、R11cとR12c、R12cとR11a、R12cとR13a、R12cとR13c、R13cとR12a、R13cとR14a、R13cとR14c、R14cとR13a、R14cとR15a、R14cとR15c、および/またはR15cとR14aは、隣接する原子と一緒になって、置換もしくは非置換の芳香族複素環または置換もしくは非置換の非芳香族複素環を形成してもよく、
および/または、R11aとR13a、R11aとR13c、R11aとR14a、R11aとR14c、R11aとR15a、R11aとR15c、R11cとR13a、R11cとR13c、R11cとR14a、R11cとR14c、R11cとR15a、R11cとR15c、R12aとR14a、R12aとR14c、R12aとR15a、R12aとR15c、R12cとR14a、R12cとR14c、R12cとR15a、R12cとR15c、R13aとR15a、R13aとR15c、R13cとR15a、および/またはR13cとR15cは、一緒になってヘテロ原子を介在してもよいC2-C4架橋を形成してもよく、
および/または、R11bとR12b、R11bとR12c、R11cとR12b、R11cとR12c、R12bとR13b、R12bとR13c、R12cとR13b、R12cとR13c、R13bとR14b、R13bとR14c、R13cとR14b、R13cとR14c、R14bとR15b、R14bとR15c、R14cとR15b、および/またはR14cとR15cは、一緒になって結合を形成してもよい。
【0041】
nとしては、1~4の整数が挙げられる。
nの好ましい態様としては、1~3の整数である。
nの更に好ましい態様としては、1または2である。
【0042】
S1およびRS2としては、それぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基であるか、または、同一の硫黄原子に結合しているRS1およびRS2は当該硫黄原子と一緒になって置換もしくは非置換の非芳香族複素環を形成してもよい。
S1およびRS2の好ましい態様としては、それぞれ独立して、水素、または置換もしくは非置換のアルキルが挙げられる。
S1およびRS2の更に好ましい態様としては、水素が挙げられる。
S1およびRS2が置換されている場合の置換基の例としては、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルキル、アルキルオキシ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、芳香族炭素環式基、非芳香族炭素環式基、芳香族複素環式基、または非芳香族複素環式基が挙げられる。
【0043】
Nとしては、それぞれ独立して、水素、シアノ、置換もしくは非置換のカルバモイル、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルキルカルボニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環カルボニル、または置換もしくは非置換の非芳香族複素環カルボニルが挙げられる。
Nの好ましい態様としては、それぞれ独立して、水素、または置換もしくは非置換のアルキルが挙げられる。
Nの更に好ましい態様としては、それぞれ独立して、置換もしくは非置換のアルキルが挙げられる。
Nが置換されている場合の置換基の例としては、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルキル、アルキルオキシ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、芳香族炭素環式基、非芳香族炭素環式基、芳香族複素環式基、または非芳香族複素環式基等が挙げられる。
【0044】
Lとしては、それぞれ独立して、単結合、アルキレンまたはC(=O)が挙げられる。
Lの好ましい態様としては、それぞれ独立して単結合またはアルキレンが挙げられる。
Lの更に好ましい態様としては、単結合が挙げられる。
【0045】
mとしては、1~5の整数が挙げられる。
mの好ましい態様としては、1~3の整数である。
mの更に好ましい態様としては、1または2である。
【0046】
環Cとしては、芳香族炭素環、芳香族複素環、非芳香族炭素環、または非芳香族複素環が挙げられる。
環Cの好ましい態様としては、芳香族炭素環、または芳香族複素環が挙げられる。
環Cの更に好ましい態様としては、ベンゼン、ナフタレン、インダン、ピリジン、ピリミジン、ピラゾール、ピペリジン、ピペラジン、ベンゾジオキソール、ベンゾチオフェン、またはチアゾールが挙げられる。
環Cのより好ましい態様としては、ベンゼンまたはピリジンが挙げられる。
環Cの特に好ましい態様としては、ベンゼンが挙げられる。
【0047】
5としては、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシ、置換もしくは非置換のカルバモイル、置換もしくは非置換のチオカルバモイル、置換もしくは非置換のアミジノ、置換もしくは非置換のアミノ、置換もしくは非置換のウレイド、置換もしくは非置換のグアニジノ、ペンタフルオロチオ、スルホ、置換もしくは非置換のスルファモイル、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルカルボニルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルカルボニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルカルボニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルキルスルファニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルファニル、置換もしくは非置換のアルキルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルホニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシ、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環カルボニルオキシ、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環カルボニルオキシ、置換もしくは非置換の芳香族複素環カルボニルオキシ、置換もしくは非置換の非芳香族複素環カルボニルオキシ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルファニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルファニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルファニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルファニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルフィニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルフィニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルホニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルホニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルホニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルホニル、式:-L-N=S(=O)(-RS1)-RS2、式:-L-S(=O)(=N-RN)-RS1、式:-N=S(=N-RN)(-RS1)-RS2、または式:-S(=N-RN2-RS1で示される基が挙げられる。
5の好ましい態様としては、それぞれ独立して、ハロゲン、シアノ、置換もしくは非置換のカルバモイル、置換もしくは非置換のアミノ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシ、または置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシが挙げられる。
5のより好ましい態様としては、それぞれ独立して、ハロゲン、シアノ、置換もしくは非置換のアミノ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシ、または置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシが挙げられる。
5の更に好ましい態様としては、それぞれ独立して、ハロゲン、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシ、または置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシが挙げられる。
5の特に好ましい態様としては、ハロゲン、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基が挙げられる。
5が置換されている場合の置換基の例としては、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、シアノアルキル、アルキルオキシアルキル、ハロアルキルカルボニル、非芳香族炭素環式基、非芳香族複素環式基、非芳香族炭素環アルキル、芳香族複素環アルキル、非芳香族複素環アルキルが挙げられる。
【0048】
3aとしては、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基オキシ、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基オキシ、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基オキシ、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基オキシ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基スルホニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基スルホニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基スルホニル、または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基スルホニルが挙げられる。
3aの好ましい態様としては、水素が挙げられる。
3aが置換されている場合の置換基の例としては、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルキル、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、芳香族炭素環式基、非芳香族炭素環式基、芳香族複素環式基、または非芳香族複素環式基が挙げられる。
【0049】
3bとしては、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基オキシ、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基オキシ、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基オキシ、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基オキシ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基スルホニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基スルホニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基スルホニル、または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基スルホニルが挙げられる。
3bの好ましい態様としては、水素が挙げられる。
3bが置換されている場合の置換基の例としては、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルキル、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、芳香族炭素環式基、非芳香族炭素環式基、芳香族複素環式基、または非芳香族複素環式基が挙げられる。
【0050】
4aとしては、式:
【化35】

が挙げられる。
4aのより好ましい態様としては、
【化36】

が挙げられる。
【0051】
4bとしては、ハロゲン、シアノ、カルボキシ、置換もしくは非置換のカルバモイル、置換もしくは非置換のチオカルバモイル、置換もしくは非置換のアミジノ、置換もしくは非置換のアミノ、置換もしくは非置換のウレイド、置換もしくは非置換のグアニジノ、ペンタフルオロチオ、スルホ、置換もしくは非置換のスルファモイル、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルカルボニルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルカルボニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルカルボニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルキルスルファニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルファニル、置換もしくは非置換のアルキルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルホニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシ、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環カルボニルオキシ、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環カルボニルオキシ、置換もしくは非置換の芳香族複素環カルボニルオキシ、置換もしくは非置換の非芳香族複素環カルボニルオキシ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルファニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルファニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルファニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルファニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルフィニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルフィニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルホニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルホニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルホニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルホニル、式:-L-N=S(=O)(-RS1)-RS2、式:-L-S(=O)(=N-RN)-RS1、式:-N=S(=N-RN)(-RS1)-RS2、または式:-S(=N-RN2-RS1で示される基が挙げられる。
4bの好ましい態様としては、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基が挙げられる。
4bの更に好ましい態様としては、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、または置換もしくは非置換の芳香族複素環式基が挙げられる。
4bが置換されている場合の置換基の例としては、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アルキル、アルケニル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルキルオキシ、ハロアルキルオキシ、アルキルスルホニル、ジアルキルアミノ、置換基群Bで置換されてもよい芳香族炭素環式基、置換基群Bで置換されてもよい非芳香族炭素環式基、置換基群Bで置換されてもよい芳香族複素環式基、および置換基群Bで置換されてもよい非芳香族複素環式基が挙げられる。
4bが置換されている場合の好ましい置換基としては、ハロゲン、シアノ、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルキルオキシ、ハロアルキルオキシ、アルキルスルホニル、置換基群Bで置換されてもよい芳香族炭素環式基、置換基群Bで置換されてもよい非芳香族炭素環式基、置換基群Bで置換されてもよい芳香族複素環式基、置換基群Bで置換されてもよい非芳香族複素環式基、置換基群Bで置換されてもよい芳香族炭素環オキシ、置換基群Bで置換されてもよい非芳香族炭素環オキシ、置換基群Bで置換されてもよい芳香族複素環オキシ、および置換基群Bで置換されてもよい非芳香族複素環オキシが挙げられる。
【0052】
3としては、単結合または置換もしくは非置換のアルキレンが挙げられる。
3の好ましい態様としては、単結合、非置換のアルキレン、またはハロゲンで置換されたアルキレンである。
3の好ましい具体的な態様としては、単結合、メチレン、または式:
【化37】

が挙げられる。
【0053】
7としては、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシ、置換もしくは非置換のカルバモイル、置換もしくは非置換のチオカルバモイル、置換もしくは非置換のアミジノ、置換もしくは非置換のアミノ、置換もしくは非置換のウレイド、置換もしくは非置換のグアニジノ、ペンタフルオロチオ、スルホ、置換もしくは非置換のスルファモイル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルカルボニルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルカルボニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルカルボニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルキルスルファニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルファニル、置換もしくは非置換のアルキルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルホニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシ、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環カルボニルオキシ、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環カルボニルオキシ、置換もしくは非置換の芳香族複素環カルボニルオキシ、置換もしくは非置換の非芳香族複素環カルボニルオキシ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルファニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルファニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルファニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルファニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルフィニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルフィニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルホニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルホニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルホニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルホニル、式:-N=S(=O)(-RS1)-RS2、式:-S(=O)(=N-RN)-RS1、式:-N=S(=N-RN)(-RS1)-RS2、または式:-S(=N-RN2-RS1で示される基が挙げられる。
7の好ましい態様としては、ハロゲン、置換もしくは非置換のスルファモイル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、式:-S(=O)(=N-RN)-RS1で示される基が挙げられる。
7が置換されている場合の置換基の例としては、オキソ、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、アルキル、ハロアルキル、アルキルオキシ、ハロアルキルオキシ、ヒドロキシアルキル、アルキルカルボニル、またはアルキルスルホニルが挙げられる。
【0054】
6としては、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシ、置換もしくは非置換のカルバモイル、置換もしくは非置換のチオカルバモイル、置換もしくは非置換のアミジノ、置換もしくは非置換のアミノ、置換もしくは非置換のウレイド、置換もしくは非置換のグアニジノ、ペンタフルオロチオ、スルホ、置換もしくは非置換のスルファモイル、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルカルボニルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルカルボニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルカルボニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルキルスルファニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルファニル、置換もしくは非置換のアルキルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルホニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシ、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環カルボニルオキシ、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環カルボニルオキシ、置換もしくは非置換の芳香族複素環カルボニルオキシ、置換もしくは非置換の非芳香族複素環カルボニルオキシ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルファニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルファニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルファニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルファニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルフィニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルフィニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルホニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルホニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルホニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルホニル、式:-L-N=S(=O)(-RS1)-RS2、式:-L-S(=O)(=N-RN)-RS1、式:-N=S(=N-RN)(-RS1)-RS2、または式:-S(=N-RN2-RS1で示される基が挙げられる。
6の好ましい態様としては、それぞれ独立して、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、置換もしくは非置換のアミノ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のカルバモイル、置換もしくは非置換のスルファモイル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシ、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルホニル、または置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルホニルが挙げられる。
6の更に好ましい態様としては、それぞれ独立して、ハロゲン、または置換もしくは非置換のアルキルオキシが挙げられる。
6のより好ましい態様としては、それぞれ独立して、ハロゲン、またはハロアルキルオキシが挙げられる。
6が置換されている場合の置換基の例としては、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、シアノアルキル、ヒドロキシアルキル、アルキルオキシ、ハロアルキルオキシ、アルキルオキシアルキル、ハロアルキルカルボニル、アルキルオキシカルボニルアルキル、置換基群Bで置換されてもよい芳香族炭素環式基、置換基群Bで置換されてもよい非芳香族炭素環式基、置換基群Bで置換されてもよい芳香族複素環式基、置換基群Bで置換されてもよい非芳香族複素環式基、置換基群Bで置換されてもよい芳香族炭素環オキシ、置換基群Bで置換されてもよい非芳香族炭素環オキシ、置換基群Bで置換されてもよい芳香族複素環オキシ、および置換基群Bで置換されてもよい非芳香族複素環オキシが挙げられる。
【0055】
16としては、水素、置換もしくは非置換のカルバモイル、置換もしくは非置換のチオカルバモイル、置換もしくは非置換のアミジノ、置換もしくは非置換のアミノ、置換もしくは非置換のウレイド、置換もしくは非置換のグアニジノ、ペンタフルオロチオ、スルホ、置換もしくは非置換のスルファモイル、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルカルボニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルキルスルファニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルファニル、置換もしくは非置換のアルキルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルホニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシ、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルファニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルファニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルファニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルファニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルフィニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルフィニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルホニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルホニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルホニル、または置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルホニル等が挙げられる。
16の好ましい態様としては、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環カルボニル、または置換もしくは非置換の非芳香族複素環カルボニルが挙げられる。
16の好ましい態様としては、置換もしくは非置換のアルキル、置換基群Bで置換されてもよい芳香族炭素環式基、置換基群Bで置換されてもよい非芳香族炭素環式基、置換基群Bで置換されてもよい芳香族複素環式基、置換基群Bで置換されてもよい非芳香族複素環式基、置換基群Bで置換されてもよい芳香族炭素環カルボニル、置換基群Bで置換されてもよい非芳香族炭素環カルボニル、置換基群Bで置換されてもよい芳香族複素環カルボニル、または置換基群Bで置換されてもよい非芳香族複素環カルボニルが挙げられる。
16の特に好ましい態様としては、置換基群Bで置換されてもよい芳香族炭素環式基が挙げられる。
16が置換されている場合の置換基の例としては、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、置換基群Bで置換されてもよい芳香族炭素環式基、置換基群Bで置換されてもよい非芳香族炭素環式基、置換基群Bで置換されてもよい芳香族複素環式基、および置換基群Bで置換されてもよい非芳香族複素環式基が挙げられる。
【0056】
本発明に係る化合物の特徴は、式(I)で示されるジヒドロピラゾロピラジノン誘導体とすることによりMGAT2阻害作用を有する点である。また、別の特徴としては、式(I)で示されるジヒドロピラゾロピラジノン誘導体は、ジヒドロピラジノン環にピラゾール環が縮合した構造を有しており、エノン構造が回避でき、毒性を抑えられる点である。更に式(I)で示されるジヒドロピラゾロピラジノン誘導体の特徴として、溶解度および代謝安定性が高く、酸性溶液中での安定性が高い点が挙げられる。
【0057】
式(I)で示される化合物は、特定の異性体に限定するものではなく、全ての可能な異性体(例えば、ケト-エノール異性体、イミン-エナミン異性体、ジアステレオ異性体、光学異性体、回転異性体等)、ラセミ体またはそれらの混合物を含む。
【0058】
式(I)で示される化合物の一つ以上の水素、炭素および/または他の原子は、それぞれ水素、炭素および/または他の原子の同位体で置換され得る。そのような同位体の例としては、それぞれ2H、3H、11C、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18F、123Iおよび36Clのように、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、ヨウ素および塩素が包含される。式(I)で示される化合物は、そのような同位体で置換された化合物も包含する。該同位体で置換された化合物は、医薬品としても有用であり、式(I)で示される化合物のすべての放射性標識体を包含する。また該「放射性標識体」を製造するための「放射性標識化方法」も本発明に包含され、該「放射性標識体」は、代謝薬物動態研究、結合アッセイにおける研究および/または診断のツールとして有用である。
【0059】
式(I)で示される化合物の放射性標識体は、当該技術分野で周知の方法で調製できる。例えば、式(I)で示されるトリチウム標識化合物は、トリチウムを用いた触媒的脱ハロゲン化反応によって、式(I)で示される特定の化合物にトリチウムを導入することで調製できる。この方法は、適切な触媒、例えばPd/Cの存在下、塩基の存在下または非存在下で、式(I)で示される化合物が適切にハロゲン置換された前駆体とトリチウムガスとを反応させることを包含する。トリチウム標識化合物を調製するための他の適切な方法は、“Isotopes in the Physical and Biomedical Sciences,Vol.1,Labeled Compounds (Part A),Chapter 6 (1987年)”を参照することができる。14C-標識化合物は、14C炭素を有する原料を用いることによって調製できる。
【0060】
式(I)で示される化合物の製薬上許容される塩としては、例えば、式(I)で示される化合物と、アルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属(例えば、カルシウム、バリウム等)、マグネシウム、遷移金属(例えば、亜鉛、鉄等)、アンモニア、有機塩基(例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メグルミン、エチレンジアミン、ピリジン、ピコリン、キノリン等)およびアミノ酸との塩、または無機酸(例えば、塩酸、硫酸、硝酸、炭酸、臭化水素酸、リン酸、ヨウ化水素酸等)、および有機酸(例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、マンデル酸、グルタル酸、リンゴ酸、安息香酸、フタル酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸等)との塩が挙げられる。特に塩酸、硫酸、リン酸、酒石酸、メタンスルホン酸との塩等が挙げられる。これらの塩は、通常行われる方法によって形成させることができる。
【0061】
本発明の式(I)で示される化合物またはその製薬上許容される塩は、溶媒和物(例えば、水和物等)、共結晶および/または結晶多形を形成する場合があり、本発明はそのような各種の溶媒和物、共結晶および結晶多形も包含する。「溶媒和物」は、式(I)で示される化合物に対し、任意の数の溶媒分子(例えば、水分子等)と配位していてもよい。式(I)で示される化合物またはその製薬上許容される塩を、大気中に放置することにより、水分を吸収し、吸着水が付着する場合や、水和物を形成する場合がある。また、式(I)で示される化合物またはその製薬上許容される塩を、再結晶することで結晶多形を形成する場合がある。「共結晶」は、式(I)で示される化合物または塩とカウンター分子が同一結晶格子内に存在することを意味し、任意の数のカウンター分子と形成していてもよい。
【0062】
本発明の式(I)で示される化合物またはその製薬上許容される塩は、プロドラッグを形成する場合があり、本発明はそのような各種のプロドラッグも包含する。プロドラッグは、化学的又は代謝的に分解できる基を有する本発明に係る化合物の誘導体であり、加溶媒分解により又は生理学的条件下でインビボにおいて薬学的に活性な本発明に係る化合物となる化合物である。プロドラッグは、生体内における生理条件下で酵素的に酸化、還元、加水分解等を受けて式(I)で示される化合物に変換される化合物、胃酸等により加水分解されて式(I)で示される化合物に変換される化合物等を包含する。適当なプロドラッグ誘導体を選択する方法および製造する方法は、例えば“Design of Prodrugs, Elsevier, Amsterdam, 1985”に記載されている。プロドラッグは、それ自身が活性を有する場合がある。
【0063】
式(I)で示される化合物またはその製薬上許容される塩がヒドロキシル基を有する場合は、例えば、ヒドロキシル基を有する化合物と適当なアシルハライド、適当な酸無水物、適当なスルホニルクロライド、適当なスルホニルアンハイドライド及びミックスドアンハイドライドとを反応させることにより或いは縮合剤を用いて反応させることにより製造されるアシルオキシ誘導体やスルホニルオキシ誘導体のようなプロドラッグが例示される。例えば、CH3COO-、C25COO-、tert-BuCOO-、C1531COO-、PhCOO-、(m-NaOOCPh)COO-、NaOOCCH2CH2COO-、CH3CH(NH2)COO-、CH2N(CH32COO-、CH3SO3-、CH3CH2SO3-、CF3SO3-、CH2FSO3-、CF3CH2SO3-、p-CH3O-PhSO3-、PhSO3-、p-CH3PhSO3-が挙げられる。
【0064】
(本発明の化合物の製造法)
本発明に係る式(I)で示される化合物は、例えば、下記に示す一般的合成法によって製造することができる。抽出、精製等は、通常の有機化学の実験で行う処理を行えばよい。
本発明の化合物は、当該分野において公知の手法を参考にしながら合成することができる。
【0065】
(一般的合成法)
本発明に係る式(I)で示される化合物(下記a17)は、例えば下記の製法によって製造することができる。
【化38】

(式中、各記号は、前記と同意義である。)

工程A-1
化合物a1とtert-ブチルスルフィンアミドとテトライソプロポキシチタニウムやテトラエトキシエタン等を反応させることにより化合物a2を得ることができる。
反応温度は、20℃~120℃、好ましくは70℃~100℃である。
反応時間は、1時間~12時間、好ましくは3時間~6時間である。
反応溶媒としては、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、トルエン等が挙げられる。

工程A-2
リチウムジイソプロピルアミドやリチウムヘキサメチルジシラジドなどの塩基とa3と反応させた後、必要に応じて塩化チタントリイソプロポキシドなどを添加し、化合物a2と反応させることで化合物a4を得ることができる。
化合物a3におけるRとしては、メチル、エチル、tert-ブチルなどが挙げられる。
反応温度は、リチウムジイソプロピルアミドやリチウムヘキサメチルジシラジドなどの塩基とエステルa3との反応および、続く化合物a2との反応は-78℃~-20℃である。
塩基とエステルa3の反応時が30分~2時間、続く化合物a2との反応が1~5時間である。
反応溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルなどが挙げられる。

工程A-3
化合物a4に、酸またはルイス酸を反応させ、その後、塩基の存在下、Boc2Oを反応させることにより、化合物a5を得ることができる。
酸としては、塩酸-酢酸エチル、塩酸-メタノール、塩酸-ジオキサン、硫酸、ギ酸、トリフルオロ酢酸等が挙げられる。ルイス酸としては、ヨウ化トリメチルシリル、BBr3、AlCl3、BF3・(Et2O)等が挙げられ、化合物a4に対して1~10モル当量用いることができる。
塩基としては、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸セシウム、ピリジン、トリエチルアミン等が挙げられ、化合物a4に対して3~15モル当量用いることができる。
反応温度は、0℃~60℃、好ましくは0℃~20℃である。
反応時間は、0.5時間~24時間、好ましくは6時間~18時間である。
反応溶媒としては、メタノール、エタノール、水、アセトン、アセトニトリル、DMF等が挙げられ、単独または混合して用いることができる。

工程A-4
化合物a5に、還元剤を反応させることにより、化合物a6を得ることができる。
還元剤としては、水素化ホウ素リチウム、水素化アルミニウムリチウム等が挙げられ、化合物a5に対して、1~10モル当量用いることができる。
反応温度は、0℃~還流温度、好ましくは20℃~還流温度である。
反応時間は、0.2時間~48時間、好ましくは1時間~24時間である。
反応溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジクロロメタン、水等が挙げられ、単独または混合して用いることができる。

工程A-5
化合物a6と2-ヨードキシ安息香酸やデスマーチンペルヨージナンなどの酸化剤と反応させることにより、化合物a7を得ることができる。
反応温度は、-10℃~50℃、好ましくは0℃~30℃である。
反応時間は、1時間~24時間、好ましくは5時間~20時間である。
反応溶媒としては、ジメチルスルホキシドなどを用いることができる。

工程A-6
化合物a7と四酸化オスミウム、4-メチルモルホリン、4-メチルモルホリンN-オキシド、過ヨウ素酸ナトリウムなどを反応させることにより、化合物a8を得ることができる。
反応温度は、-10℃~50℃、好ましくは0℃~30℃である。
反応時間は、1時間~24時間、好ましくは5時間~20時間である。
反応溶媒としては、アセトンと水の混合溶媒などを用いることができる。

工程A-7
化合物a8と求核剤a9を反応させることにより、化合物a10を得ることができる。
求核剤a9としては、メチルリチウム、エチルリチウム等のリチウム試薬やメチル臭化マグネシウム、メチル塩化マグネシウム、メチルヨウ化マグネシウム、エチル臭化マグネシウム、エチル塩化マグネシウム、エチルヨウ化マグネシウム等のグリニャール試薬およびこれらと金属塩の混合試薬が挙げられ、化合物a8に対して、1~5モル当量用いることができる。
反応温度は、-78℃~溶媒の還流温度、好ましくは-45℃~0℃である。
反応時間は、0.5~24時間、好ましくは1時間~6時間である。
反応溶媒としては、テトラヒドロフラン、ヘキサン、ジエチルエーテル、メチルtert-ブチルエーテル、トルエン、ジクロロメタン、メタノール等が挙げられ、単独または混合して用いることができる。
求核剤a9は、ハロゲン化物をn-ブチルリチウム等のアルキルリチウムを用いてリチオ化することにより、調整することができる。
反応溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどアルキルリチウムと反応しない溶媒でなければ特に限定されない。リチオ化反応の温度は、-78℃~0℃程度が好ましい。
なお、求核剤a9の代わりに、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化アルミニウムリチウム等の還元剤を作用させることで、R3bが水素である化合物を得ることができる。

工程A-8
化合物a10と塩化チオニルと塩基を反応させることにより、化合物a11を得ることができる。
塩基としては、ピリジン、トリエチルアミン等が挙げられ、化合物a10に対して1~5モル当量用いることができる。
反応温度は、-10℃~50℃、好ましくは0℃~30℃である。
反応時間は、1時間~24時間、好ましくは5時間~10時間である。
反応溶媒としては、アセトニトリル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、DMFなどを用いることができる。

工程A-9
化合物a11と塩化ルテニウム水和物、過ヨウ素酸ナトリウムなどを反応させることにより、化合物a12を得ることができる。
反応温度は、-10℃~50℃、好ましくは0℃~30℃である。
反応時間は、1時間~24時間、好ましくは5時間~20時間である。
反応溶媒としては、酢酸エチルと水の混合溶媒などを用いることができる。

工程A-10
化合物a12と化合物a13と塩基を反応させることにより、化合物a14を得ることができる。
塩基としては、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸セシウム、ピリジン、トリエチルアミン等が挙げられ、化合物a13に対して1~5モル当量用いることができる。
反応温度は、0℃~150℃、好ましくは50℃~100℃である。
反応時間は、0.5時間~24時間、好ましくは1時間~5時間である。
反応溶媒としては、メタノール、エタノール、アセトニトリル、DMF等が挙げられ、単独または混合して用いることができる。

工程A-11
化合物a14と塩基を反応させることにより、化合物a15を得ることができる。
塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水素化ナトリウム等が挙げられ、化合物a14に対して1~5モル当量用いることができる。
反応温度は、0℃~100℃、好ましくは0℃~30℃である。
反応時間は、0.5時間~24時間、好ましくは1時間~5時間である。
反応溶媒としては、メタノール、エタノール、アセトニトリル、水、DMF等が挙げられ、単独または混合して用いることができる。

工程A-12
化合物a15に、酸またはルイス酸を反応させることにより、化合物a16を得ることができる。
酸としては、塩酸-酢酸エチル、塩酸-メタノール、塩酸-ジオキサン、硫酸、ギ酸、トリフルオロ酢酸等が挙げられる。ルイス酸としては、ヨウ化トリメチルシリル、BBr3、AlCl3、BF3・(Et2O)等が挙げられ、化合物a15に対して1~50モル当量用いることができる。
反応温度は、0℃~60℃、好ましくは0℃~20℃である。
反応時間は、0.5時間~24時間、好ましくは6時間~18時間である。
反応溶媒としては、酢酸エチル、メタノール、エタノール、水、アセトン、アセトニトリル、DMF等が挙げられ、単独または混合して用いることができる。

工程A-13
化合物a16に、縮合剤と塩基を反応させることにより、化合物a17を得ることができる。
縮合剤としては、ジシクロへキシルカルボジイミド、カルボニルジイミダゾール、ジシクロヘキシルカルボジイミド-N-ヒドロキシベンゾトリアゾール、EDC、4-(4, 6-ジメトキシ-1,3,5,-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウムクロリド、HATU等が挙げられ、化合物a16に対して1~5モル当量用いることができる。
塩基としては、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等が挙げられ、化合物a16に対して1~5モル当量用いることができる。
反応温度は、-20℃~60℃、好ましくは0℃~30℃である。
反応時間は、0.1時間~24時間、好ましくは1時間~5時間である。
反応溶媒としては、DMF、DMA、NMP、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロメタン、アセトニトリル等が挙げられ、単独または混合して用いることができる。
【0066】
本発明に係る化合物は、MGAT2阻害作用を有し、肥満症、メタボリックシンドローム、高脂血症、高中性脂肪血症、高VLDL血症、高脂肪酸血症、糖尿病、動脈硬化症等の予防剤または治療剤として有用である。
本発明に係る化合物は、MGAT2阻害作用のみならず、医薬としての有用性を備えており、下記いずれか、あるいは全ての優れた特徴を有している。
a)代謝安定性が高い。
b)高い溶解性を示す。
c)光毒性の懸念が小さい。
d)肝毒性の懸念が小さい。
e)腎毒性の懸念が小さい。
f)心血管系への毒性懸念が小さい。
g)消化管障害の懸念が小さい。
h)薬物相互作用の懸念が小さい。
i)経口吸収性が高い。
j)クリアランスが小さい。
k)標的組織への移行性が高い。
l)酵素活性が強い。
m)薬物代謝酵素の誘導が少ない。
n)薬効が強い。
o)MGAT2阻害作用の選択性が高い。
p)化学的安定性が高い。
【0067】
本発明の医薬組成物は、経口的、非経口的のいずれの方法でも投与することができる。非経口投与の方法としては、経皮、皮下、静脈内、動脈内、筋肉内、腹腔内、経粘膜、吸入、経鼻、点眼、点耳、膣内投与等が挙げられる。
【0068】
経口投与の場合は常法に従って、内用固形製剤(例えば、錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、丸剤、フィルム剤等)、内用液剤(例えば、懸濁剤、乳剤、エリキシル剤、シロップ剤、リモナーデ剤、酒精剤、芳香水剤、エキス剤、煎剤、チンキ剤等)等の通常用いられるいずれの剤型に調製して投与すればよい。錠剤は、糖衣錠、フィルムコーティング錠、腸溶性コーティング錠、徐放錠、トローチ錠、舌下錠、バッカル錠、チュアブル錠または口腔内崩壊錠であってもよく、散剤および顆粒剤はドライシロップであってもよく、カプセル剤は、ソフトカプセル剤、マイクロカプセル剤または徐放性カプセル剤であってもよい。
【0069】
非経口投与の場合は、注射剤、点滴剤、外用剤(例えば、点眼剤、点鼻剤、点耳剤、エアゾール剤、吸入剤、ローション剤、注入剤、塗布剤、含嗽剤、浣腸剤、軟膏剤、硬膏剤、ゼリー剤、クリーム剤、貼付剤、パップ剤、外用散剤、坐剤等)等の通常用いられるいずれの剤型でも好適に投与することができる。注射剤は、O/W、W/O、O/W/O、W/O/W型等のエマルジョンであってもよい。
【0070】
本発明に係る化合物の有効量にその剤型に適した賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等の各種医薬用添加剤を必要に応じて混合し、医薬組成物とすることができる。さらに、該医薬組成物は、本発明に係る化合物の有効量、剤型および/または各種医薬用添加剤を適宜変更することにより、小児用、高齢者用、重症患者用または手術用の医薬組成物とすることもできる。小児用医薬組成物は、12歳または15歳未満の患者に投与するのが好ましい。また、小児用医薬組成物は、出生後27日未満、出生後28日~23か月、2歳~11歳または12歳~16歳若しくは18歳の患者に投与されうる。高齢者用医薬組成物は、65歳以上の患者に投与するのが好ましい。
【0071】
本発明の医薬組成物の投与量は、患者の年齢、体重、疾病の種類や程度、投与経路等を考慮した上で設定することが望ましいが、経口投与する場合、通常0.05~100mg/kg/日であり、好ましくは0.1~10mg/kg/日の範囲内である。非経口投与の場合には投与経路により大きく異なるが、通常0.005~10mg/kg/日であり、好ましくは0.01~1mg/kg/日の範囲内である。これを1日1回~数回に分けて投与すれば良い。
【0072】
併用薬剤の投与量は、臨床上用いられている用量を基準として適宜選択することができる。また、本発明に係る化合物と併用薬剤の配合比は、投与対象、投与ルート、対象疾患、症状、組み合わせ等により適宜選択することができる。例えば、投与対象がヒトである場合、本発明に係る化合物1重量部に対し、併用薬剤を0.01~100重量部用いればよい。
【0073】
本発明の医薬組成物は、肥満症(ただし、2型糖尿病及び脂質異常症を共に有し、食事療法・運動療法を行ってもBMIが25kg/m2以上の場合に限る)に対しても有効である。
【0074】
本発明の医薬組成物は、あらかじめ適用した食事療法及び運動療法の効果が不十分な高度肥満症に対しても有効である。
【0075】
本発明の医薬組成物は、他の抗肥満薬(抗肥満作用を有する化合物を含有する医薬組成物、肥満症や肥満症における体重管理等に用いることのできる薬剤)と組み合わせて用いることもできる。例えば、抗肥満作用を有する化合物を含有する医薬組成物を、本発明に係る化合物と併用することにより、肥満症の予防および/または治療や肥満症における体重管理等に用いることができる。また、本発明に係る化合物を含有する医薬組成物を、抗肥満作用を有する化合物を含有する医薬組成物と併用することにより、肥満症の予防および/または治療や肥満症における体重管理等に用いることができる。また、本発明の医薬組成物の投与療法は、食事療法、薬物療法、運動等と組み合わせて用いることもできる。
【0076】
本明細書中で用いる略語は以下の意味を表す。
Boc:tert-ブトキシカルボニル
DMA:ジメチルアセトアミド
DMF:N,N-ジメチルホルムアミド
DMSO:ジメチルスルホキシド
EDC:1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド
Et:エチル
HATU:O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート
NMP:N-メチルピロリドン
【0077】
以下に実施例および試験例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
本発明に係る化合物およびその中間体のNMRスペクトルデータを示した。各実施例で得られたNMR分析は400MHzで行い、重クロロホルム(CDCl3)またはジメチルスルホキシド(d6-DMSO)を用いて測定した。
【実施例0078】
【化39】

工程1 化合物2の合成
(R)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(631mg、5.21mmol)をトルエン(2.5mL)に溶解させ、テトラエトキシチタン(0.654mL、3.12mmol)を加えた。その後、既知化合物1(384mg、2.08mmol)をトルエン(2.5mL)に溶解させて加え、100℃で3時間撹拌した。その後、室温下、クエン酸水溶液と酢酸エチルを加えて、不溶物を濾過し、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル)により精製して化合物2(428mg、収率72%)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.32 (s, 9H), 3.31-3.38 (m, 1H), 3.45-3.52 (m, 1H), 4.27-4.33 (m, 1H), 4.36-4.41 (m, 1H), 6.43-6.49 (m, 2H).

工程2 化合物3の合成
リチウムヘキサメチルジシラジド1Mテトラヒドロフラン溶液(2.23mL、2.23mmol)に、テトラヒドロフラン(1mL)と酢酸メチル(0.178mL、2.23mmol)を-78℃で加え、1時間撹拌した。その後、塩化チタントリイソプロポキシド1Mヘキサン溶液(2.98mL、2.98mmol)を-78℃で滴下し、30分間撹拌した。その後、化合物2(428mg、1.49mmol)をテトラヒドロフラン(1mL)に溶解させて-78℃で滴下し、4時間撹拌した。その後、10%のクエン酸水溶液とロッシェル塩を加え、室温に昇温して12時間撹拌した。その後、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和重層水と飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル)により精製して化合物3(305mg、収率57%)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.22 (s, 9H), 2.19-2.27 (m, 1H), 2.45-2.49 (m, 1H), 2.74 (d, J = 15.9 Hz, 1H), 3.40 (d, J = 15.9 Hz, 1H), 3.70 (s, 3H), 4.19-4.24 (m, 1H), 4.51-4.57 (m, 1H), 5.02 (s, 1H), 6.36-6.47 (m, 2H).

工程3 化合物4の合成
化合物3(2.31 g、 6.40 mmol)をメタノール(18.5 mL)に溶解し、4mol/Lの塩酸ジオキサン溶液(3.20 mL、12.8mmol)を加え、室温で1時間15分撹拌した。水(9.3mL)で希釈し、炭酸水素ナトリウム(1.61 g、 19.2 mmol)と二炭酸ジ-tert-ブチル(2.79 g、 12.8 mmol)を加え、室温でさらに18時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、さらに酢酸エチルで共沸脱水を行った後に酢酸エチルで希釈し不溶物をろ過した。溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン―酢酸エチル、シリカゲル)により精製して、化合物4(1.85g、純度96.1%、収率78%)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 6.42-6.33 (2H, m), 5.50 (1H, s), 4.27-4.13 (2H, m), 3.64 (3H, s), 3.37-3.30 (1H, m), 3.04 (1H, d, J = 14.6 Hz), 2.91-2.82 (1H, m), 2.27-2.18 (1H, m), 1.38 (9H, br s).

工程4 化合物5の合成
化合物4(1.85 g, 4.97 mmol)をテトラヒドロフラン(9.3mL)に溶解し、-78℃にて水素化ホウ素リチウムの1mol/Lテトラヒドロフラン溶液(2.50 ml, 2.50 mmol)を加え、室温下18.5時間撹拌した。反応液に氷を加え、2mol/L塩酸水溶液を加えてpH4とし酢酸エチルで抽出した。溶媒を減圧留去し、得られた残渣をジメチルスルホキシド(9.1 mL)に溶解させ、2-ヨードキシ安息香酸 (2.09 g, 7.46 mmol)を加え室温下、19.5時間撹拌した後、さらに2-ヨードキシ安息香酸 (0.418 g, 1.41 mmol)を加え4時間撹拌した。反応液に酢酸エチルと水を加え、析出した固体をろ別し、有機層を水洗し溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン―酢酸エチル、シリカゲル)により精製して、化合物5(1.70g、純度94.4%、収率99%)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 9.65 (1H, q, J = 1.7 Hz), 6.45-6.36 (2H, m), 5.03 (1H, s), 4.23 (1H, tt, J = 11.3, 4.0 Hz), 4.18 (1H, td, J = 11.3, 2.3 Hz), 3.59-3.51 (1H, m), 3.34 (1H, dt, J = 17.1, 1.7 Hz), 2.96-2.88 (1H, m), 2.19 (1H, ddd, J = 14.2, 10.9, 4.1 Hz), 1.42 (9H, s).

工程5 化合物6の合成
化合物5(1.70 g、 4.89 mmol)をアセトン(30 mL)と水(3 mL)に溶解し、5%マイクロカプセル封入四酸化オスミウム(0.889 g、 0.245 mmol)、4-メチルモルホリン(1.24g、 12.2 mmol)、4-メチルモルホリンN-オキシド(1.15 g、 9.79 mmol)、過ヨウ素酸ナトリウム(6.07 g、 24.5 mmol)を加え、室温で15時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、酢酸エチルと水で希釈後、チオ硫酸ナトリウム5水和物(6.07 g、 24.5 mmol)を加え、不溶物を濾別して有機層を水洗し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をメタノール(12 mL)に溶解し、水素化ホウ素ナトリウム(93.0 mg、 2.45 mmol)を加え、室温で20分撹拌した。反応液を減圧濃縮し、水で希釈後、2mol/L塩酸水溶液を加えてpH4とし酢酸エチルで抽出し、有機層を水洗後に溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン―酢酸エチル、シリカゲル)により精製して、化合物6(1.06 g、収率68%)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 6.43-6.37 (2H, m), 5.17 (1H, s), 4.49-4.44 (1H, m), 4.28-4.14 (3H, m), 3.70 (1H, dd, J = 11.4, 10.1 Hz), 2.51-2.36 (2H, m), 1.42 (9H, s).

工程6 化合物7の合成
塩化チオニル(1.22 g、10.3 mmol)のアセトニトリル(10 mL)溶液に-50℃で化合物6(1.05g、3.32mmol)のアセトニトリル(12 mL)溶液を滴下し、同温にて1時間撹拌後にピリジン(1.05g、23.3mmol)を加え室温で3時間撹拌した。水で希釈後、酢酸エチルで抽出し、水洗後に溶媒を減圧濃縮し、得られた残差をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン―酢酸エチル、シリカゲル)により精製して、化合物7(1.09g、純度91.2%、収率83%)をジアステレオマー比92.6対7.4の混合物として得た。両ジアステレオマーは分離することなく次の工程に使用した。

工程7 化合物8の合成
化合物7(1.08 g、2.73 mmol)を酢酸エチル(10 mL)と水(10mL)に溶解し、塩化ルテニウム水和物(3.0mg、0.01mmol)と過ヨウ素酸ナトリウム(642mg、3.00mmol)を0℃で加え、室温で2時間撹拌した。室温下、水(10mL)を加え、塩化ルテニウム水和物(2.1mg、0.01mmol)、過ヨウ素酸ナトリウム(117mg、0.546mmol)を加え,室温にてさらに3時間撹拌した。酢酸エチルで抽出し、水洗後に乾燥シリカゲルを詰めたカラムを通してろ過した。ろ液を減圧濃縮後にヘキサン―酢酸エチルで粉末化させることで化合物8(873mg、収率85%)を得た。
1H-NMR (DMSO-D6) δ: 6.93 (1H, ddd, J = 11.4, 9.2, 2.7 Hz), 6.72 (1H, dt, J = 10.1, 2.0 Hz), 5.09 (1H, d, J = 10.2 Hz), 4.63 (1H, dd, J = 10.2, 1.0 Hz), 4.42 (1H, ddd, J = 12.2, 4.0, 2.6 Hz), 4.22 (1H, td, J = 12.4, 2.0 Hz), 2.47-2.32 (2H, m), 1.22 (9H, s).

工程8 化合物10の合成
化合物9(110mg、0.439mmol)をDMF(4mL)に溶解し、炭酸カリウム(60.6 mg、0.439 mmol)を加え100℃に加熱し、化合物8(151 mg、0.399 mmol)を加え100℃で40分撹拌した。水で希釈後、酢酸エチルで抽出し,水洗後に溶媒を減圧濃縮し,得られた残差をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン―酢酸エチル、シリカゲル)により精製して、化合物10(151 mg、純度96.3%、収率67%)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 8.42 (1H, d, J = 2.8 Hz), 8.01-7.95 (1H, m), 7.46 (1H, td, J = 8.5, 2.8 Hz), 6.84 (1H, s), 6.44-6.32 (2H, m), 5.87 (2H, s), 5.15-4.86 (2H, m), 4.44-4.19 (4H, m), 2.68-2.91 (1H, m),1.90-1.81 (1H, m), 1.42 (3H, t, J = 7.2 Hz), 1.32 (9H, br s).

工程9 化合物11の合成
化合物10(150 mg、0.439mmol)をDMF(4mL)に溶解し、60%水素化ナトリウム(42.3mg、1.06mmol)を加え室温で1時間撹拌し、氷で希釈後に1mol/L塩酸水溶液を加えてpH4とし、酢酸エチルで抽出した。水洗後に溶媒を減圧濃縮し、得られた残差に4mol/L塩酸ジオキサン(4mL、16.0mmol)を加え室温で1時間撹拌した。溶媒を減圧濃縮し、DMF(6mL)で希釈し、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロりん酸塩(151 mg、0.398 mmol)とトリエチルアミン(0.257mL、1.86 mmol)を加え室温で30分撹拌した。水を加え酢酸エチルで抽出し、水洗後に溶媒を減圧濃縮し、得られた残差をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン―酢酸エチル、シリカゲル)により精製して、化合物11(59.5mg、純度97.4%、収率55%)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 8.43 (1H, d, J = 2.9 Hz), 7.96 (1H, dd, J = 8.9, 4.5 Hz), 7.45 (1H, td, J = 8.6, 2.9 Hz), 6.54-6.49 (2H, m), 5.75 (1H, s), 5.68 (2H, s), 4.77 (1H, d, J = 13.1 Hz), 4.29-4.19 (3H, m), 2.37-2.21 (2H, m).

工程10 化合物I-119の合成
化合物11(30.8 mg、0.075 mmol)と2-(メチルスルフォニル)酢酸(20.6mg、0.149mmol)をテトラヒドロフラン(4 mL)に溶解し、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロりん酸塩(56.8 mg、0.149 mmol)とトリエチルアミン(0.041 mL、0.299 mmol)を加え室温で2時間撹拌した。水を加え酢酸エチルで抽出し、水洗後に溶媒を減圧濃縮し、得られた残差をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム―メタノール、アミノシリカゲル)により精製して、化合物I-119(35.4mg、純度97.0%、収率88%)を得た。
1H-NMR (DMSO-D6) δ: 10.07 (1H, s), 8.97 (1H, s), 8.56 (1H, d, J = 2.8 Hz), 7.89 (1H, dd, J = 8.8, 4.6 Hz), 7.77 (1H, td, J = 8.8, 2.8 Hz), 6.91 (1H, ddd, J = 11.0, 9.2, 2.2 Hz), 6.74-6.70 (1H, m), 4.76 (1H, d, J = 13.6 Hz), 4.71 (1H, d, J = 13.6 Hz), 4.39-4.19 (3H, m), 3.17 (3H, s), 2.25-2.19 (1H, m), 2.10-2.02 (1H, m).
【実施例0079】
【化40】

工程1 化合物9の合成
エタノール(20mL)に0℃にて60%水素化ナトリウム(314 mg、7.86 mmol)を加え、10分間撹拌後に既知化合物12(1.00 g, 7.15 mmol)と88.3%ジアゾ酢酸エチル(1.02g、7.86mmol)を滴下し室温で5時間撹拌した。反応液に0℃にて2mol/L塩酸水溶液を加えpH8.6とし酢酸エチルで抽出した。水洗後に溶媒を大部分減圧留去し、ヘキサン―酢酸エチルで粉末化させることで化合物9(1.49g、収率84%)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 8.42 (1H, d, J = 3.0 Hz), 8.02 (1H, dd, J = 8.8, 4.5 Hz), 7.46 (1H, td, J = 8.5, 3.0 Hz), 5.66 (2H, br s), 4.42 (2H, q, J = 7.2 Hz), 1.43 (3H, t, J = 7.2 Hz).
【0080】
以下に示す化合物も同様にして合成した。各化合物の物理データを以下に示す。
表中に「RT」とあるのは、LC/MS(液体クロマトグラフィー/質量分析)での保持時間(分)を表し、「MS」とあるのは、LC/MSでの質量(M+H)を表し、「LCMS Method」とあるのは、LC/MSの以下のいずれかの測定条件を表す。
[測定条件A]
カラム:ACQUITY UPLC(登録商標)BEH C18 (1.7μm i.d.2.1x50mm)(Waters)
流速:0.55 mL/分
UV検出波長:254nm
移動相:[A]は0.1%ギ酸含有水溶液、[B]は0.1%ギ酸含有アセトニトリル溶液
グラジェント:3分間で5%-100%溶媒[B]のリニアグラジエントを行い、0.5分間、100%溶媒[B]を維持した。
[測定条件B]
カラム:ACQUITY UPLC(登録商標)BEH C18 (1.7μm i.d.2.1x50mm)(Waters)
流速:0.8 mL/分
UV検出波長:254nm
移動相:[A]は0.1%ギ酸含有水溶液、[B]は0.1%ギ酸含有アセトニトリル溶液
3.5分間で5%-100%溶媒[B]のリニアグラジエントを行った後、0.5分間、100%溶媒[B]を維持した。
[測定条件C]
カラム:ACQUITY UPLC(登録商標)BEH C18 (1.7μm i.d.2.1x50mm)(Waters)
流速:0.8 mL/分
UV検出波長:254nm
移動相:[A]は0.1%ギ酸含有水溶液、[B]は0.1%ギ酸含有アセトニトリル溶液
3.5分間で5%-100%溶媒[B]のリニアグラジエントを行った後、0.5分間、100%溶媒[B]を維持した。
[測定条件D]
カラム:Shim-pack XR-ODS (2.2μm i.d.50x3.0mm) (Shimadzu)
流速:1.6 mL/分
UV検出波長:254nm;
移動相:[A]は0.1%ギ酸含有水溶液、[B]は0.1%ギ酸含有アセトニトリル溶液
グラジェント:3分間で10%-100%溶媒[B]のリニアグラジエントを行い、0.5分間、100%溶媒[B]を維持した。
【0081】
【表1】
【0082】
【表2】
【0083】
【表3】
【0084】
【表4】
【0085】
【表5】
【0086】
【表6】
【0087】
【表7】
【0088】
【表8】
【0089】
【表9】
【0090】
【表10】
【0091】
【表11】
【0092】
【表12】
【0093】
【表13】
【0094】
【表14】
【0095】
【表15】
【0096】
【表16】
【0097】
【表17】
【0098】
【表18】
【0099】
【表19】
【0100】
【表20】
【0101】
【表21】
【0102】
【表22】
【0103】
なお、I-54およびI-55は母核の不斉炭素はR/S=1/1の混ざりである。
I-62およびI-63は母核の立体は単一であるが、絶対配置は未決定である。
I-72、I-105、I-106およびI-107はスルホキシイミンの立体は単一であるが、絶対配置は未決定である。
I-73、I-108およびI-112はスルホキシイミンの立体はR/S=1/1の混ざりである。
【0104】
【表23】
【0105】
以下に、本発明に係る化合物の生物試験例を記載する。
本発明に係る式(I)で示される化合物は、MGAT2阻害作用を有し、MGAT2を阻害するものであればよい。
具体的には、以下に記載する評価方法において、IC50は100nM以下が好ましく、より好ましくは、50nM以下、さらにより好ましくは10nM以下である。
【0106】
調製例1:リコンビナントヒトMGAT2の調製
N末端にFlag-tagを付加した全長のヒトMGAT2遺伝子をpFastBac(Invitrogen社製)に挿入した。Bac-to-Bacバキュロウイルス発現システム(Invitrogen社製)のプロトコールに従い、組換えバキュロウイルスを作製し、Sf-9細胞に感染した。回収した細胞を超音波破砕後、遠心分離によって膜画分を回収した。抗Flag抗体によるウェスタンブロット分析により発現を確認し、リコンビナントヒトMGAT2酵素液とした。
【0107】
試験例1:ヒトMGAT2阻害活性の測定
各々の本発明に係る化合物のDMSO溶液0.2μLを分注したコーニング社製ポリスチレン製384穴マイクロプレートに、アッセイ緩衝液(2mmol/l DTTを含む100mmol/Lリン酸緩衝液(pH7.4))で調製した酵素溶液5μLと基質溶液(100mmol/Lリン酸緩衝液(pH7.4)、30μmol/L 2-Oleoylglycerol、10μmol/L Oleoyl-CoA)5μLを添加し、撹拌および遠心後、湿潤箱中で室温1時間インキュベーションした。酵素反応後、Internal Standard(IS)を含む停止液(0.2μmol/L Diolein-d5、0.4%ギ酸および50%イソプロパノールを含む)50μLを添加により反応を停止し、島津GLC社製プレートにシール後、撹拌および遠心し、RapidFire360およびAgilent 6550 Q-TOF質量分析装置を用いてエレクトロスプレーイオン化法で測定を行った。基質である2-Oleoylglycerolの反応産物(P) DioleinとISのアンモニウム付加体イオンを検出し、そのピーク高さを用いてピーク強度比P/ISを算出し阻害活性を評価した。阻害活性は酵素添加あり/なしをそれぞれControl(+)/Control(-)と規定し、阻害率をそれぞれ0%および100%阻害として、発明化合物を添加した時のピーク強度比P/ISをSampleとして、下記の数式によりTIBCO Spotfire(TIBCO Software社製)にて算出した。
阻害活性(%)=[1-{Sample-Control(-)} / {Control(+)-Control(-)}] * 100
各々の本発明に係る化合物の阻害活性結果を次の表に示す。表中のIC50(nM)とは、50%の酵素阻害を呈する濃度を示す。
【0108】
【表24】
【0109】
試験例2:代謝安定性試験
市販のプールドヒト肝ミクロソームと本発明に係る化合物を一定時間反応させ、反応サンプルと未反応サンプルの比較により残存率を算出し、本発明に係る化合物が肝で代謝される程度を評価した。
【0110】
ヒト肝ミクロソーム0.5mgタンパク質/mLを含む0.2mLの緩衝液(50mmol/L Tris-HCl pH7.4、150mmol/L 塩化カリウム、10mmol/L 塩化マグネシウム)中で、1mmol/L NADPH存在下で37℃、0分あるいは30分間反応させた(酸化的反応)。反応後、メタノール/アセトニトリル=1/1(v/v)溶液の100μLに反応液50μLを添加、混合し、3000rpmで15分間遠心した。その遠心上清中の本発明に係る化合物をLC/MS/MSにて定量し、反応後の本発明に係る化合物の残存量を0分反応時の化合物量を100%として計算した。
(結果)化合物濃度0.5μmol/Lでの残存率を以下の表に示す。
化合物I-6: 92.4%
化合物I-13: 76%
化合物I-14: 103%
化合物I-20: 74.5%
化合物I-33: 98.5%
化合物I-46: 78.1%
化合物I-58: 88.4%
化合物I-61: 95.6%
化合物I-66: 105%
化合物I-79: 77.2%
化合物I-126: 100%
化合物I-130: 94.8%
化合物I-137: 101%
化合物I-141: 99.4%
化合物I-142: 106%
化合物I-147: 89.8%
化合物I-151: 104%
【0111】
試験例3:溶解性試験:
本発明に係る化合物の溶解度は、1%DMSO添加条件下で決定した。DMSOにて10mmol/L化合物溶液を調製し、本発明に係る化合物溶液6μLをpH6.8人工腸液(0.2mol/L リン酸二水素カリウム試液250mLに0.2mol/L NaOH試液118mL、水を加えて1000mLとした)594μLに添加した。25℃で16時間静置させた後、混液を吸引濾過した。濾液をメタノール/水=1/1(V/V)にて2倍希釈し、絶対検量線法によりHPLCまたはLC/MS/MSを用いて濾液中濃度を測定した。なお、希釈濃度や希釈溶媒は、必要に応じて変更した。
(結果)
化合物I-6: >50 μmol/L
化合物I-14: 41.8 μmol/L
化合物I-46: >50 μmol/L
化合物I-58: >50 μmol/L
化合物I-66: >50 μmol/L
化合物I-79: >50 μmol/L
化合物I-126: >50 μmol/L
化合物I-130: >50 μmol/L
化合物I-137: >50 μmol/L
化合物I-141: 48.9 μmol/L
化合物I-142: >50 μmol/L
化合物I-147: >50 μmol/L
化合物I-151: >50 μmol/L
【0112】
試験例4:光毒性試験
In vitro光毒性試験として、生体膜に対する作用および光過酸化を指標とした評価法である赤血球光溶血試験(Wolfgang J.W. Pepe et al., ATLA29, 145-162, 2001)を行う。本法では、ジメチルスホキシドを媒体とした本発明に係る化合物の調製液に対し2.5%(v/v)のヒツジ赤血球液を添加した混合液(濃度:0.1~0.0008%)を用いる。この混合液を添加したマイクロプレートを二つ用意し、一つのマイクロプレートに紫外線蛍光ランプ(GL20SEランプ、三共電気及びFL20S-BLBランプ、パナソニック)を用いてUVA及びUVB領域での光照射(10J/cm2、290~400nm)を行い、光照射を行わなかったマイクロプレートと共に遠心操作を加えた後、上清の吸光度(540nmまたは630nm)を測定する。光毒性の判定に用いる二つの指標(生体膜に対する作用および光過酸化)を求めるために、本発明に係る化合物から得られた吸光度について光照射および未照射のそれぞれで媒体での吸光度を差し引いた値を算出し、以降の計算に供する。生体膜に対する作用に関しては光照射と未照射の吸光度(540nm)の差から光溶血率を求め、光過酸化に対しては光照射と未照射の吸光度(630nm)の変化量を求める。なお光溶血率の計算においては蒸留水を用いて強制溶血させた2.5%(v/v)のヒツジ赤血球液から得られた吸光度(540nm)を光溶血率100%の基準とする。光溶血率が10%未満であり、630nmでの吸光度の変化量が0.05未満の場合を(-)とし、光溶血率が10%以上であり、630nmでの吸光度の変化量が0.05以上の場合を(+)とする。
【0113】
試験例5:細胞障害性試験
細胞イメージアナライザーであるToxinsight(Thermofisher Scientific社)を用いて、化合物曝露後の細胞数を自動測定し、本発明に係る化合物の細胞障害性を評価する。
HepG2細胞(ヒト肝がん細胞由来)を384ウェルプレートに60000cells/mLとなるように播種し、24時間後に各ウェルに化合物溶液を添加する。化合物溶液としては、本発明に係る化合物を含むDMSO溶液(最高濃度を50μmol/Lに設定し2倍公比で5段階希釈、最低濃度は約3.1μmol/L)、陰性対照としてDMSOのみの溶液、陽性対照としてカンプトテシン溶液を用いる。本発明に係る化合物のDMSO溶液、陰性対照溶液、または陽性対照溶液を各ウェルに添加する。71時間後に、最終濃度1μg/mLになるようにダルベッコリン酸緩衝液(D-PBS)で希釈したHoechst 33342溶液を各ウェルに添加し、37℃、5%CO2インキュベーター内で1時間核の染色を行う。染色後、4%パラフォルムアルデヒドを用いて20分間、37℃のCO2インキュベーター内で固定する。最後に、D-PBSで3回洗浄後、Toxinsight(Thermofisher Scientific社)を用いて、ウェル毎の蛍光発色した核の数を計測する。1濃度あたり4ウェルを設け、4ウェル中の核の数(障害性がみられなかった細胞数)の平均値とばらつき(SD)を算出する。陰性対照群と比較し、平均値が陰性対照の平均値から50%以上減少する化合物曝露濃度(IC50)を算出する。IC50の値が小さいほど細胞障害性のリスクが高いと判断する。
【0114】
試験例6:抗肥満作用試験
実施例の化合物の抗肥満作用を、高脂肪食(TestDiet;58Y1)を与えたC57BL/6jマウス(DIOマウス)において検討した。
5週齢の雄性C57BL/6j(日本クレア)を購入し、12時間の明暗サイクル下、高脂肪食を与え、4週間飼育し、DIOマウスを作成した。化合物投与の3週間前より1日2回、0.5%ヒドロキシプロピルメチルセルロース水溶液(0.5%HPMC水溶液)を投与した。馴化投与期間中の体重、摂餌量変化によって無作為化を行い、群分けを実施した(n=7)。Day1よりDay28まで1日2回、0.5%HPMC水溶液あるいはこの水溶液に懸濁した実施例化合物の強制経ロ投与を行った。対照群には溶媒である0.5%HPMC水溶液を同様に投与した。体重、摂餌量は毎日測定した。Day28に解剖し、精巣上体脂肪重量の測定、および採取した血液の生化学検査を実施した。
試験の結果、本発明に係る化合物を投与されたマウスは、化合物を投与しないマウスに比べて明らかな体重増加抑制効果が認められた。
【0115】
試験例7(脂質吸収抑制作用)
コーンオイルの投与17時間前より絶食させた雄性C57BL/6jマウス(7-8週齢)に0.5%HPMC水溶液あるいはこの水溶液に懸濁した実施例化合物を強制経口投与した。13時間後、血中トリグリセリド(TG)クリアランスの影響を取り除くためにリポプロテインリパーゼ阻害剤(Pluronic F-127:Sigma,50mg/mL)を10mL/kgの用量で腹腔内投与し、その15分後に14C標識トリオレイン含有のコーンオイル(5uCi/mL)を200uL/マウスの用量で強制経口投与した。コーンオイルの投与4時間後に麻酔下で下大静脈より採血を行い、ヘパリン入りのチューブに血液を回収した。遠心分離によって血漿を分離し、そのうち20μLをシンチレーションカクテル200uLとよく混ぜ合わせ、液体シンチレーションカウンターを用いて放射活性を測定した。0.5%HPMC水溶液投与群の血漿中放射活性に対する化合物投与群の血漿中放射活性の減少率を脂質吸収抑制率(%)とした。
(結果)
【表25】


試験の結果、本発明に係る化合物を投与されたマウスは、脂質吸収の抑制効果が認められた。
以上の結果から、本発明の医薬組成物は、肥満症、メタボリックシンドローム、高脂血症、高中性脂肪血症、高VLDL血症、高脂肪酸血症、糖尿病または動脈硬化症の予防剤、および/または治療剤として有用であることが示された。
【0116】
試験例8:CYP阻害試験
市販のプールドヒト肝ミクロソームを用いて、ヒト主要CYP5分子種(CYP1A2、2C9、2C19、2D6、3A4)の典型的基質代謝反応として7-エトキシレゾルフィンのO-脱エチル化(CYP1A2)、トルブタミドのメチル-水酸化(CYP2C9)、メフェニトインの4’-水酸化(CYP2C19)、デキストロメトルファンのO脱メチル化(CYP2D6)、テルフェナジンの水酸化(CYP3A4)を指標とし、それぞれの代謝物生成量が本発明に係る化合物によって阻害される程度を評価した。
反応条件は以下のとおり:基質、0.5μmol/L エトキシレゾルフィン(CYP1A2)、100μmol/L トルブタミド(CYP2C9)、50μmol/L S-メフェニトイン(CYP2C19)、5μmol/L デキストロメトルファン(CYP2D6)、1μmol/L テルフェナジン(CYP3A4);反応時間、15分;反応温度、37℃;酵素、プールドヒト肝ミクロソーム0.2mg タンパク質/mL;本発明に係る化合物濃度、1、5、10、20μmol/L(4点)。
96穴プレートに反応溶液として、50mmol/L Hepes緩衝液中に各5種の基質、ヒト肝ミクロソーム、本発明に係る化合物を上記組成で加え、補酵素であるNADPHを添加して、指標とする代謝反応を開始した。37℃、15分間反応した後、メタノール/アセトニトリル=1/1(V/V)溶液を添加することで反応を停止した。3000rpm、15分間の遠心後、遠心上清中のレゾルフィン(CYP1A2代謝物)を蛍光マルチラベルカウンタまたはLC/MS/MSで定量し、トルブタミド水酸化体(CYP2C9代謝物)、メフェニトイン4’水酸化体(CYP2C19代謝物)、デキストロルファン(CYP2D6代謝物)、テルフェナジンアルコール体(CYP3A4代謝物)をLC/MS/MSで定量した。
薬物を溶解した溶媒であるDMSOのみを反応系に添加したものをコントロール(100%)とし、残存活性(%)を算出し、濃度と抑制率を用いて、ロジスティックモデルによる逆推定によりIC50を算出した。
(結果)
化合物I-6:5種 >20μmol/L
化合物I-14:5種 >20μmol/L
化合物I-20:5種 >20μmol/L
化合物I-33:5種 >20μmol/L
化合物I-46:5種 >20μmol/L
化合物I-58:5種 >20μmol/L
化合物I-66:5種 >20μmol/L
化合物I-126:5種 >20μmol/L
化合物I-130:5種 >20μmol/L
化合物I-141:5種 >20μmol/L
化合物I-142:5種 >20μmol/L
化合物I-147:5種 >20μmol/L
化合物I-151:5種 >20μmol/L
【0117】
試験例9:BA試験
経口吸収性の検討実験材料と方法
(1)使用動物:マウスあるいはSDラットを使用した。
(2)飼育条件:マウスあるいはSDラットは、固形飼料および滅菌水道水を自由摂取させた。
(3)投与量、群分けの設定:経口投与、静脈内投与を所定の投与量により投与した。以下のように群を設定した。(化合物ごとで投与量は変更有)
経口投与 1~30mg/kg(n=2~3)
静脈内投与 0.5~10mg/kg(n=2~3)
(4)投与液の調製:経口投与は溶液または懸濁液として投与した。静脈内投与は可溶化して投与した。
(5)投与方法:経口投与は、経口ゾンデにより強制的に胃内に投与した。静脈内投与は、注射針を付けたシリンジにより尾静脈または大腿静脈から投与した。
(6)評価項目:経時的に採血し、血漿中本発明に係る化合物濃度をLC/MS/MSを用いて測定した。
(7)統計解析:血漿中本発明に係る化合物濃度推移について、非線形最小二乗法プログラムWinNonlin(登録商標)を用いて血漿中濃度‐時間曲線下面積(AUC)を算出し、経口投与群と静脈内投与群のAUCから本発明に係る化合物のバイオアベイラビリティ(BA)を算出した。
(結果)
化合物I-6:55.1%
化合物I-20:63.4%
化合物I-33:60.5%
化合物I-46:53.1%
化合物I-58:88.2%
化合物I-137:49%
化合物I-141:67%
化合物I-142:66.2%
【0118】
試験例10:CYP3A4(MDZ)MBI試験
本発明に係る化合物のCYP3A4阻害に関して代謝反応による増強からMechanism based inhibition(MBI)能を評価する試験である。プールドヒト肝ミクロソームを用いてミダゾラム(MDZ)の1-水酸化反応を指標としてCYP3A4阻害を評価した。
反応条件は以下のとおり:基質、10μmol/L MDZ;プレ反応時間、0または30分;反応時間、2分;反応温度、37℃;プールドヒト肝ミクロソーム、プレ反応時0.5mg/mL、反応時0.05mg/mL(10倍希釈時);本発明に係る化合物プレ反応時の濃度、1、5、10、20μmol/L(4点)。
96穴プレートにプレ反応液としてK-Pi緩衝液(pH7.4)中にプールドヒト肝ミクロソーム、本発明に係る化合物溶液を上記のプレ反応の組成で加え、別の96穴プレートに基質とK-Pi緩衝液で1/10希釈されるようにその一部を移行し、補酵素であるNADPHを添加して指標とする反応を開始し(プレ反応無)、所定の時間反応後、メタノール/アセトニトリル=1/1(V/V)溶液を加えることによって反応を停止した。また残りのプレ反応液にもNADPHを添加しプレ反応を開始し(プレ反応有)、所定時間プレ反応後、別のプレートに基質とK-Pi緩衝液で1/10希釈されるように一部を移行し指標とする反応を開始した。所定の時間反応後、メタノール/アセトニトリル=1/1(V/V)溶液を加えることによって反応を停止した。それぞれの指標反応を行ったプレートを3000rpm、15分間の遠心後、遠心上清中の1-水酸化ミダゾラムをLC/MS/MSで定量した。
本発明に係る化合物を溶解した溶媒であるDMSOのみを反応系に添加したものをコントロール(100%)とし、本発明に係る化合物をそれぞれの濃度添加したときの残存活性(%)を算出し、濃度と阻害率を用いて、ロジスティックモデルによる逆推定によりICを算出した。Preincubataion 0minのIC/Preincubataion 30minのICをShifted IC値とし、Shifted ICが1.5以上であればPositive、Shifted ICが1.0以下であればNegativeとした。
(結果)
化合物I-6:Negative
化合物I-14:Negative
化合物I-20:Negative
化合物I-46:Negative
化合物I-58:Negative
化合物I-66:Negative
化合物I-126:Negative
化合物I-130:Negative
化合物I-147:Negative
化合物I-151:Negative
【0119】
試験例11:粉末溶解度試験
適当な容器に本発明に係る化合物を適量入れ、各容器にJP-1液(塩化ナトリウム2.0g、塩酸7.0mLに水を加えて1000mLとする)、JP-2液(pH6.8のリン酸塩緩衝液500mLに水500mLを加える)、20mmol/L タウロコール酸ナトリウム(TCA)/JP-2液(TCA1.08gにJP-2液を加え100mLとする)を200μLずつ添加した。試験液添加後に全量溶解した場合には、適宜、本発明に係る化合物を追加した。密閉して37℃で1時間振とう後に濾過し、各濾液100μLにメタノール100μLを添加して2倍希釈を行った。希釈倍率や希釈溶媒は、必要に応じて変更した。気泡および析出物がないかを確認し、密閉して振とうした。絶対検量線法によりHPLCを用いて本発明に係る化合物を定量した。
化合物I-46:JP-2液 8.64 μmol/L
【0120】
試験例12:Fluctuation Ames試験
本発明に係る化合物の変異原性を評価した。
凍結保存しているネズミチフス菌(Salmonella typhimurium TA98株、TA100株)20μLを10mL液体栄養培地(2.5% Oxoid nutrient broth No.2)に接種し37℃にて10時間、振盪前培養した。TA98株は8.0mLの菌液を遠心(2000×g、10分間)して培養液を除去した。8.0mLのMicro F緩衝液(K2HPO4:3.5g/L、KH2PO4:1g/L、(NH42SO4:1g/L、クエン酸三ナトリウム二水和物:0.25g/L、MgSO4・7H20:0.1g/L)に菌を懸濁し、120mLのExposure培地(ビオチン:8μg/mL、ヒスチジン:0.2μg/mL、グルコース:8mg/mLを含むMicroF緩衝液)に添加した。TA100株は3.1mL菌液に対しExposure培地120mLに添加し試験菌液を調製した。本発明に係る化合物DMSO溶液(最高用量50mg/mLから2~3倍公比で数段階希釈)、陰性対照としてDMSO、陽性対照として非代謝活性化条件ではTA98株に対しては50μg/mLの4-ニトロキノリン-1-オキシドDMSO溶液、TA100株に対しては0.25μg/mLの2-(2-フリル)-3-(5-ニトロ-2-フリル)アクリルアミドDMSO溶液、代謝活性化条件ではTA98株に対して40μg/mLの2-アミノアントラセンDMSO溶液、TA100株に対しては20μg/mLの2-アミノアントラセンDMSO溶液それぞれ12μLと試験菌液588μL(代謝活性化条件では試験菌液498μLとS9 mix 90μLの混合液)を混和し、37℃にて90分間、振盪培養した。本発明に係る化合物を暴露した菌液230μLを、Indicator培地(ビオチン:8μg/mL、ヒスチジン:0.2μg/mL、グルコース:8mg/mL、ブロモクレゾールパープル:37.5μg/mLを含むMicroF緩衝液)1150μLに混和し、50μLずつマイクロプレート48ウェル/用量に分注し、37℃にて3日間、静置培養した。アミノ酸(ヒスチジン)合成酵素遺伝子の突然変異によって増殖能を獲得した菌を含むウェルは、pH変化により紫色から黄色に変色するため、1用量あたり48ウェル中の黄色に変色した菌増殖ウェルを計数し、陰性対照群と比較して評価した。変異原性が陰性のものを(-)、陽性のものを(+)として示す。
化合物I-33:(-)
【0121】
試験例13:hERG試験
本発明に係る化合物の心電図QT間隔延長リスク評価を目的として、human ether-a-go-go related gene (hERG)チャネルを発現させたCHO細胞を用いて、心室再分極過程に重要な役割を果たす遅延整流K+電流(IKr)への本発明に係る化合物の作用を検討した。
全自動パッチクランプシステム(QPatch;Sophion Bioscience A/S)を用い、ホールセルパッチクランプ法により、細胞を-80mVの膜電位に保持し、-50mVのリーク電位を与えた後、+20mVの脱分極刺激を2秒間、さらに-50mVの再分極刺激を2秒間与えた際に誘発されるIKrを記録した。発生する電流が安定した後、本発明に係る化合物を目的の濃度で溶解させた細胞外液(NaCl:145 mmol/L、KCl:4 mmol/L、CaCl2:2 mmol/L、MgCl2:1 mmol/L、グルコース:10 mmol/L、HEPES(4-(2-hydroxyethyl)-1-piperazineethanesulfonic acid、4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸):10mmol/L、pH=7.4)を室温条件下で、10分間細胞に適用させた。得られたIKrから、解析ソフト(Falster Patch;Sophion Bioscience A/S)を使用して、保持膜電位における電流値を基準に最大テール電流の絶対値を計測した。さらに、本発明に係る化合物適用前の最大テール電流に対する阻害率を算出し、本発明に係る化合物のIKrへの影響を評価した。
(結果)化合物濃度10μmol/Lでの阻害率を示す。
化合物I-20:27.8%
化合物I-33:21.3%
化合物I-66:14.6%
化合物I-79:25.5%
化合物I-14:25.5%
化合物I-126:14.2%
化合物I-130:15.4%
化合物I-137:23.6%
化合物I-141:14.0%
化合物I-142:10.6%
化合物I-147:21.6%
化合物I-151:25.8%
【0122】
試験例14(溶液安定性試験)
本発明に係る化合物0.4mgを4mLスクリューバイアルに秤取し、各種媒体pH=1(0.1N HClaq.+30% MeCN)、pH=7(pH7リン酸Buffer (100mM+30%MeCN)、pH=9(pH9 炭酸Buffer (100mM+30%MeCN)を2mLずつ添加した。完全溶解を確認した。溶解していない場合は、0.45μmフィルターで濾過を行った。HPLC用バイアルに、溶解液もしくは濾液を入れた。HPLCのサンプルクーラーを40℃に設定し、HPLCにて0,3,6,9,12,15,18時間にサンプリングするようにシーケンスを組んだ。0hr品の面積値を100%とし、経時における安定性を評価した。
(結果)
化合物I-3 40℃18hrの残存率:pH=1 100.2%,pH=7 100.9%,pH=9 100.2%
【0123】
(比較例)
試験例14記載の方法に従って、特許文献20記載の化合物I-190について溶液安定性を測定した結果は以下のとおりである。
【化41】

化合物I-190 40℃18hrの残存率:pH=1 91.6%,pH=7 98.6%,pH=9 97.8%
【0124】
製剤例
本発明に係る化合物は、任意の従来の経路により、特に、経腸、例えば、経口で、例えば、錠剤またはカプセル剤の形態で、または非経口で、例えば注射液剤または懸濁剤の形態で、局所で、例えば、ローション剤、ゲル剤、軟膏剤またはクリーム剤の形態で、または経鼻形態または座剤形態で医薬組成物として投与することができる。少なくとも1種の薬学的に許容される担体または希釈剤と一緒にして、遊離形態または薬学的に許容される塩の形態の本発明の化合物を含む医薬組成物は、従来の方法で、混合、造粒またはコーティング法によって製造することができる。例えば、経口用組成物としては、賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤等および有効成分等を含有する錠剤、顆粒剤、カプセル剤とすることができる。また、注射用組成物としては、溶液剤または懸濁剤とすることができ、滅菌されていてもよく、また、保存剤、安定化剤、緩衝化剤等を含有してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0125】
本発明に係る化合物は、MGAT2阻害作用を有するので、例えば、肥満症、メタボリックシンドローム、高脂血症、高中性脂肪血症、高VLDL血症、高脂肪酸血症、糖尿病、動脈硬化症等のMGAT2が関与する疾患のための医薬として有用である。
図1