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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022163975
(43)【公開日】2022-10-27
(54)【発明の名称】土木用資材及び土木用資材製造方法
(51)【国際特許分類】
   C09K 17/42 20060101AFI20221020BHJP
   E01C 3/04 20060101ALI20221020BHJP
   E01C 13/00 20060101ALI20221020BHJP
   C09K 17/06 20060101ALI20221020BHJP
   C09K 17/02 20060101ALI20221020BHJP
   C09K 17/10 20060101ALI20221020BHJP
   C09K 17/22 20060101ALI20221020BHJP
   C09K 17/44 20060101ALI20221020BHJP
   C09K 103/00 20060101ALN20221020BHJP
【FI】
C09K17/42 P
E01C3/04
E01C13/00 A
E01C13/00 Z
C09K17/06 P
C09K17/02 P
C09K17/10 P
C09K17/22 P
C09K17/44 P
C09K103:00
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021069141
(22)【出願日】2021-04-15
(71)【出願人】
【識別番号】500305380
【氏名又は名称】株式会社シーマコンサルタント
(74)【代理人】
【識別番号】100197642
【弁理士】
【氏名又は名称】南瀬 透
(74)【代理人】
【識別番号】100099508
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 久
(74)【代理人】
【識別番号】100182567
【弁理士】
【氏名又は名称】遠坂 啓太
(74)【代理人】
【識別番号】100219483
【弁理士】
【氏名又は名称】宇野 智也
(71)【出願人】
【識別番号】517202283
【氏名又は名称】株式会社成建
(74)【代理人】
【識別番号】100197642
【弁理士】
【氏名又は名称】南瀬 透
(74)【代理人】
【識別番号】100099508
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 久
(74)【代理人】
【識別番号】100219483
【弁理士】
【氏名又は名称】宇野 智也
(72)【発明者】
【氏名】中島 観司
(72)【発明者】
【氏名】中島 修身
【テーマコード(参考)】
2D051
4H026
【Fターム(参考)】
2D051AA02
2D051AB03
2D051AB04
2D051AF02
2D051AG15
2D051AG17
2D051AH02
2D051EB03
4H026CA01
4H026CA02
4H026CA04
4H026CA06
4H026CB08
4H026CC02
4H026CC06
(57)【要約】
【課題】使い方が容易であり、施工対象土地の透水性及び保水性を更に向上させることができる土木用資材及びその製造方法を提供する。
【解決手段】混合容器5内に、真砂土1、固化材2、団粒化剤3及び水4を投入し、十分撹拌することにより混合材6を形成した後、混合容器5内に雨水が降り込んだり、水分が浸入したりしない環境下で混合材6を静置し、混合材6中に含まれる水分7を蒸発させ、混合材6の含水率が5質量%~15質量%となったら、乾燥が終了し、土木用資材10が完成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
土砂若しくは砂質土と、セメント系固化材・石灰系固化材・石膏系固化材のうちの何れか1以上と、団粒化作用を有する高分子化合物と、水分と、を含み、前記水分の含有率が5質量%~15質量%の範囲内である土木用資材。
【請求項2】
前記高分子化合物が、アクリル酸・メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合物のマグネシウム塩とポリエチレンイミンとの複合体からなる高分子化合物である請求項1記載の土木用資材。
【請求項3】
土砂若しくは砂質土に、セメント系固化材・石灰系固化材・石膏系固化材のうちの何れか1以上、団粒化作用を有する高分子化合物を含む水溶液及び水を添加して混合し混合材を形成する混合工程と、
前記混合材中に含まれる水分を蒸発させて土木用資材を形成する乾燥工程と、とを備えた土木用資材製造方法。
【請求項4】
前記乾燥工程において、前記混合工程にて添加した水量と同量の水分を前記混合材から蒸発させる請求項3記載の土木用資材製造方法。
【請求項5】
前記乾燥工程において、前記混合材の水分の含有率が5質量%~15質量%の範囲内となるまで水分を蒸発させる請求項3記載の土木用資材製造方法。
【請求項6】
前記高分子化合物が、アクリル酸・メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合物のマグネシウム塩とポリエチレンイミンとの複合体からなる高分子化合物である請求項3~5の何れかの項に記載の土木用資材製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スポーツグラウンド、広場,園路、遊歩道などの土地の性質を改良する際に使用する土木用資材及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スポーツグラウンドや広場などの土地の性質を改良する技術については、従来、様々な提案がなされているが、本発明に関連するものとして、例えば、特許文献1に記載された「土壌改良方法」、特許文献2に記載された「土木用資材及び土木用資材製造方法」あるいは特許文献3に記載された「地盤改良工法」などがある。
【0003】
これらの文献に記載されている発明は、何れも、改良対象である土地の土砂などに固化材及び団粒化剤を添加、混合したものを敷き均した後、転圧して固化させることにより、土砂中に団粒化構造を形成し、土地の透水性及び保水性を向上させるというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002-13102号公報
【特許文献2】特開2016-196747号公報
【特許文献3】特開2021-50500号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1~3に記載されている発明を実施することにより、それぞれの施工現場に適した透水性、保水性を有する土壌や地盤などを形成することができるのであるが、施工を容易化すること、並びに、施工対象土地の透水性及び保水性を更に向上させることは、今後も引き続き、解決すべき重要な課題である。
【0006】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、使い方が容易であり、施工対象土地の透水性及び保水性を更に向上させることができる土木用資材及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る土木用資材は、土砂若しくは砂質土と、セメント系固化材・石灰系固化材・石膏系固化材のうちの何れか1以上と、団粒化作用を有する高分子化合物と、水分と、を含み、前記水分の含有率が5質量%~15質量%の範囲内であることを特徴とする。
【0008】
前記土木用資材においては、前記高分子化合物が、アクリル酸・メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合物のマグネシウム塩とポリエチレンイミンとの複合体からなる高分子化合物であることが望ましい。
【0009】
次に、本発明に係る土木用資材製造法は、土砂若しくは砂質土に、セメント系固化材・石灰系固化材・石膏系固化材のうちの何れか1以上、団粒化作用を有する高分子化合物を含む水溶液及び水を添加して混合し混合材を形成する混合工程と、
前記混合材中に含まれる水分を蒸発させて土木用資材を形成する乾燥工程と、とを備えたことを特徴とする。
【0010】
前記土木用資材製造方法は、前記乾燥工程において、前記混合工程にて添加した水量と同量の水分を前記混合材から蒸発させることが望ましい。
【0011】
前記土木用資材製造方法は、前記乾燥工程において、前記混合材の水分の含有率が5質量%~15質量%となるまで水分を蒸発させることが望ましい。
【0012】
前記土木用資材製造方法においては、前記高分子化合物が、アクリル酸・メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合物のマグネシウム塩とポリエチレンイミンとの複合体からなる高分子化合物であることが望ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明により、使い方が容易であり、施工対象土地の透水性及び保水性を更に向上させることができる土木用資材及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態である土木用資材製造方法を示す一部省略工程図である。
図2】その他の実施形態である土木用資材製造方法を示す一部省略工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1に基づいて、本発明の実施形態である土木用資材製造方法及び土木用資材について説明する。図1に示すように、砂質土の一種である真砂土1、固化材2、団粒化剤3及び水4を混合容器5内に投入して、十分撹拌することにより混合材6を形成する(混合工程)。
【0016】
真砂土1に対する固化材2、団粒化剤3、水4の添加量は施工条件に応じて設定するので、限定されないが、例えば、本実施形態においては、以下に示すような添加量を設定した。
【0017】
真砂土1(粒径5mm以下):1立方メートル
固化材2:5kg~20kg
団粒化剤3:1L~2L
水4:30L~100L(団粒化剤3の体積の30倍~50倍)
【0018】
固化材2は、セメント系固化材であるが、これに限定しないので、石灰系固化材若しくは石膏系固化材などを使用することもできる。団粒化剤3も限定しないが、本実施形態では、アクリル酸・メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合物のマグネシウム塩とポリエチレンイミンとの複合体からなる高分子化合物を含む薬剤である「有限会社グローバル研究所」の「(商品名)GB-2000」を使用した。
【0019】
前記混合工程により、混合材6が形成されたら、混合容器5内に雨水が降り込んだり、水分が浸入したりしない環境下で静置し、混合材6中に含まれる水分7を蒸発させる(乾燥工程)。乾燥工程において水分7が蒸発し、混合材6の含水率が5質量%~15質量%となったら、乾燥工程が終了し、土木用資材10が完成する。
【0020】
なお、乾燥工程の終了時期(土木用資材10の完成時期)の判断については、乾燥工程における時間経過に伴う混合材6の質量(重量)変化を計測し、その計測値が前記混合工程において添加した水4と同量の水分が蒸発したこと示す値となった時点をもって乾燥工程の終了(土木用資材10の完成)とすることもできる。
【0021】
完成した土木用資材10は、土質改良工事の施工現場に搬入して、後述する土質改良工事に使用することができるが、気密性を有する包装袋8に充填して密封状態にすれば、固化反応や団粒化作用が発生しないので、その状態で保管したり、搬送したり、市場に流通させたりすることができる。
【0022】
一方、完成した土木用資材10を土質改良工事の施工現場に搬入し、施工対象領域に打設して、敷き均し、転圧した後、静置すると、時間の経過に伴って団粒化反応が進行し、団粒化構造が形成されるので、改良後の土地の透水性及び保水性が大幅に向上する。また、土木用資材10の含水率が前述した範囲に保たれていることにより、施工現場の土地の含水率が高い場合においても団粒化反応が阻害されることなく施工可能であるため、使い方も容易である。
【0023】
次に、図2に基づいて、その他の実施形態である土木用資材製造方法及び土木用資材について説明する。図2に示すように、本実施形態においては土質改良工事の施工現場において、真砂土1、固化材2、団粒化剤3及び水4を撹拌することにより混合材16を形成する(混合工程)。本実施形態においても、真砂土1に対する固化材2、団粒化剤3、水4の添加量は限定しないが、例えば、前述した実施形態における添加量と同等とすることができる(段落0017参照)。
【0024】
前記混合工程により混合材16が形成されたら、混合材16に雨水が降り注いだり、水分が浸入したりしないような状態にして静置し、混合材16中に含まれる水分17を蒸発させる(乾燥工程)。乾燥工程において水分17が蒸発し、混合材16の含水率が5質量%~15質量%となったら、乾燥工程が終了し、土木用資材20が完成する。
【0025】
完成した土木用資材20を施工対象領域に打設して、敷き均し、転圧した後、静置すると、時間の経過に伴って団粒化反応が進行し、団粒化構造が形成されるので、改良後の土地の透水性及び保水性が大幅に向上する。また、土木用資材20の含水率は前述した範囲であることにより、施工現場の土地の含水率が高い場合においても団粒化反応が阻害されることなく施工可能であるため、使い方も容易である。なお、土木用資材20は、転圧しない限り固化しないので、この状態で保管したり、搬送したりすることができる。
【0026】
図2に示す実施形態においては、土質改良工事の施工現場に真砂土1や固化材2などを搬入して土木用資材20を形成しているが、これに限定しないので、真砂土1の代わりに、施工現場で掘削した土砂(図示せず)を使用して土木用資材20と同様の土木用資材(図示せず)を形成することもできる。
【0027】
なお、図1図2に基づいて説明した土木用資材製造方法及び土木用資材10,20は、本発明に係る土木用資材製造方法及び土木用資材を例示するものであり、本発明に係る土木用資材製造方法及び土木用資材は、前述した土木用資材製造方法及び土木用資材10,20に限定されない。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明に係る土木用資材及び土木用資材製造方法は、土木建設業などの産業分野において広く利用することができる。
【符号の説明】
【0029】
1 真砂土
2 固化材
3 団粒化剤
4 水
5 混合容器
6,16 混合材
7,17 水分
8 包装袋
10,20 土木用資材
図1
図2