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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022164007
(43)【公開日】2022-10-27
(54)【発明の名称】超音波診断装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/00 20060101AFI20221020BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20221020BHJP
【FI】
A61B8/00
G09F9/00 350Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021069201
(22)【出願日】2021-04-15
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】特許業務法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】酒井 崇
【テーマコード(参考)】
4C601
5G435
【Fターム(参考)】
4C601EE12
4C601KK38
4C601KK45
5G435AA01
5G435CC09
5G435EE16
5G435EE50
(57)【要約】
【課題】簡単な構成で表示本体部のピボット回転の前後に当該表示本体部の位置を容易に略同じにすることである。
【解決手段】超音波診断装置は、第1の長さとしての長さWの第1の辺としての辺e1と、辺e1に隣り合い長さWよりも短い第2の長さとしての長さHの第2の辺としての辺e2と、を有する表示面を有する表示本体部171を備える。回転軸R1は、辺e1,e2の共通する端点Oから当該各辺上で略同じ第3の長さとしてのA1,A2(A1≒A2)の位置)に配置されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸によりピボット回転可能であり、第1の長さの第1の辺と、当該第1の辺に隣り合い当該第1の長さよりも短い第2の長さの第2の辺と、を有する表示面を有する表示本体部を備え、
前記回転軸は、前記第1の辺及び前記第2の辺の共通する端点から当該各辺上で略同じ第3の長さの位置に配置されている超音波診断装置。
【請求項2】
前記第3の長さは、(前記第1の長さ+前記第2の長さ)/4である請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項3】
前記第3の長さは、前記第1の長さ/2である請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項4】
前記第3の長さは、前記第2の長さ/2である請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項5】
前記表示本体部のピボット回転の回転状態を検出する検出部と、
前記検出された表示本体部のピボット回転の回転状態に応じて、当該表示本体部に表示する画面のレイアウトを変更する制御部を備える請求項1から4のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記画面のレイアウトとして、前記ピボット回転の前後で、超音波画像に関する情報を表示する又はタッチ入力を受け付ける第1の領域を、操作入力を受け付ける操作入力部に近い位置に配置する請求項5に記載の超音波診断装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記表示本体部の回転の基準の位置から、当該表示本体部の時計回りの-90度のピボット回転の画面と、当該表示本体部の+90°の反時計回りのピボット回転に対応する画面と、を左右反転する請求項5又は6に記載の超音波診断装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記表示本体部の時計回りの-90°のピボット回転の画面と、当該表示本体部の時計回りの+90°のピボット回転に対応する画面とは、反転しない非反転領域を有する請求項7に記載の超音波診断装置。
【請求項9】
前記回転軸は、前記表示本体部の中心点から、前記隣り合う2つの辺の当該各辺上で略同じ第4の長さの位置に配置されている請求項1から8のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
【請求項10】
前記回転軸の位置は、変更可能である請求項1から9のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
【請求項11】
前記表示本体部を前記回転軸によりピボット回転可能に支持する支持部を備え、
前記支持部は、
前記表示本体部を支持する支持体と、
前記支持体の延在方向に対する前記表示本体部のチルト角を調整する調整部と、
前記チルト角があらかじめ設定された第1の角度未満となる場合に、前記表示本体部のピボット回転を不可能な状態にロックし、前記チルト角が前記第1の角度以上となる場合に、当該表示本体部のピボット回転のロックを解除するロック機構部と、を有する請求項1から10のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
【請求項12】
回転軸によりピボット回転可能であり、第1の長さの第1の辺と、当該第1の辺に隣り合い当該第1の長さよりも短い第2の長さの第2の辺と、を有する表示面を有する表示本体部と、
前記表示本体部を前記回転軸によりピボット回転可能に支持する支持部と、を備え、
前記支持部は、
前記表示本体部を支持する支持体と、
前記支持体の延在方向に対する前記表示本体部のチルト角を調整する調整部と、
前記チルト角があらかじめ設定された第1の角度未満となる場合に、前記表示本体部のピボット回転を不可能な状態にロックし、前記チルト角が前記第1の角度以上となる場合に、当該表示本体部のピボット回転のロックを解除するロック機構部と、を有する超音波診断装置。
【請求項13】
前記ロック機構部は、前記表示本体部のピボット回転の回転角度があらかじめ設定された第2の角度になる場合に、前記表示本体部のピボット回転をロックする請求項11又は12に記載の超音波診断装置。
【請求項14】
回転軸によりピボット回転可能であり、第1の長さの第1の辺と、当該第1の辺に隣り合い当該第1の長さよりも短い第2の長さの第2の辺と、を有する表示面を有する表示本体部を備え、
前記回転軸は、前記第1の辺及び前記第2の辺の共通する端点から当該各辺上で略同じ第3の長さの位置に配置されている超音波診断装置のコンピューターを、
前記表示本体部のピボット回転の回転状態を検出する検出部により検出された当該表示本体部のピボット回転の回転状態に応じて、当該表示本体部に表示する画面のレイアウトを変更する制御部、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波診断装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、超音波を被検体内部に照射し、その反射波を受信して解析することにより被検体内部の検査を行う超音波診断装置が普及している。超音波診断装置は、被検体を非破壊、非侵襲で調べることができるので、医療目的の検査や建築構造物内部の検査、種々の用途に広く用いられている。
【0003】
超音波診断装置の表示部として、横の辺の長さと縦の辺の長さとが異なる(縦横比(アスペクト比)が1:1でない)矩形の表示面を有する表示本体部(表示パネル、モニター、ディスプレイ)を備え、当該表示本体部の表示面に垂直な回転軸を中心に当該表示本体部を回転(ピボット回転)可能なものが知られている。また、回転可能な表示本体部を備える装置として、回転前後に表示本体部の下辺の位置が変化せずに表示本体部を見やすくするものや、回転中に表示本体部下部の部材に干渉せず、容易に回転可能なものが知られている。
【0004】
例えば、表示本体部を2点又は3点の回転、摺動される軸で支持して回転可能とし、90度回転前後に表示本体部の下辺の位置が変化せず、かつ回転中に表示本体部下部の筐体又は操作部と干渉しない装置が知られている(特許文献1、2、3、4参照)。
【0005】
また、表示本体部の回転軸と回転途中に変化する別の回転軸とを有する機構を有し、90度回転前後に表示本体部の下辺の位置が変化しない薄型表示装置が知られている(特許文献5参照)。
【0006】
また、表示本体部の回転途中に表示本体部を上下する機構を有し、回転中に表示本体部下部の台座と干渉しない支持スタンドが知られている(特許文献6参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平6-301341号公報
【特許文献2】特開平8-185242号公報
【特許文献3】実開昭62-146372号公報
【特許文献4】特許第4384059号公報
【特許文献5】特開平11-338363号公報
【特許文献6】特許第6452986号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1~4に記載の装置は、2点又は3点の軸が必要であり、構成が複雑である。特許文献5に記載の薄型表示装置は、2つの回転軸と回転途中に1つの回転軸を変化する機構が必要であり、構成が複雑である。
【0009】
また、特許文献6に記載の支持スタンドは、回転途中に表示本体部を上下する機構が必要であり、構成が複雑である。仮に、当該支持スタンドを超音波診断装置に適用すると、90度回転前後に表示本体部の下辺の位置が変化しないようにするには、操作部(操作卓)を上下する機構も必要となり、構成がより複雑となる。
【0010】
本発明の課題は、簡単な構成で表示本体部のピボット回転の前後に当該表示本体部の位置を容易に略同じにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明の超音波診断装置は、
回転軸によりピボット回転可能であり、第1の長さの第1の辺と、当該第1の辺に隣り合い当該第1の長さよりも短い第2の長さの第2の辺と、を有する表示面を有する表示本体部を備え、
前記回転軸は、前記第1の辺及び前記第2の辺の共通する端点から当該各辺上で略同じ第3の長さの位置に配置されている。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の超音波診断装置において、
前記第3の長さは、(前記第1の長さ+前記第2の長さ)/4である。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の超音波診断装置において、
前記第3の長さは、前記第1の長さ/2である。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の超音波診断装置において、
前記第3の長さは、前記第2の長さ/2である。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の超音波診断装置において、
前記表示本体部のピボット回転の回転状態を検出する検出部と、
前記検出された表示本体部のピボット回転の回転状態に応じて、当該表示本体部に表示する画面のレイアウトを変更する制御部を備える。
【0016】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の超音波診断装置において、
前記制御部は、前記画面のレイアウトとして、前記ピボット回転の前後で、超音波画像に関する情報を表示する又はタッチ入力を受け付ける第1の領域を、操作入力を受け付ける操作入力部に近い位置に配置する。
【0017】
請求項7に記載の発明は、請求項5又は6に記載の超音波診断装置において、
前記制御部は、前記表示本体部の回転の基準の位置から、当該表示本体部の時計回りの-90度のピボット回転の画面と、当該表示本体部の+90°の反時計回りのピボット回転に対応する画面と、を左右反転する。
【0018】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の超音波診断装置において、
前記制御部は、前記表示本体部の時計回りの-90°のピボット回転の画面と、当該表示本体部の時計回りの+90°のピボット回転に対応する画面とは、反転しない非反転領域を有する。
【0019】
請求項9に記載の発明は、請求項1から8のいずれか一項に記載の超音波診断装置において、
前記回転軸は、前記表示本体部の中心点から、前記隣り合う2つの辺の当該各辺上で略同じ第4の長さの位置に配置されている。
【0020】
請求項10に記載の発明は、請求項1から9のいずれか一項に記載の超音波診断装置において、
前記回転軸の位置は、変更可能である。
【0021】
請求項11に記載の発明は、請求項1から10のいずれか一項に記載の超音波診断装置において、
前記表示本体部を前記回転軸によりピボット回転可能に支持する支持部を備え、
前記支持部は、
前記表示本体部を支持する支持体と、
前記支持体の延在方向に対する前記表示本体部のチルト角を調整する調整部と、
前記チルト角があらかじめ設定された第1の角度未満となる場合に、前記表示本体部のピボット回転を不可能な状態にロックし、前記チルト角が前記第1の角度以上となる場合に、当該表示本体部のピボット回転のロックを解除するロック機構部と、を有する。
【0022】
請求項12に記載の発明の超音波診断装置は、
回転軸によりピボット回転可能であり、第1の長さの第1の辺と、当該第1の辺に隣り合い当該第1の長さよりも短い第2の長さの第2の辺と、を有する表示面を有する表示本体部と、
前記表示本体部を前記回転軸によりピボット回転可能に支持する支持部と、を備え、
前記支持部は、
前記表示本体部を支持する支持体と、
前記支持体の延在方向に対する前記表示本体部のチルト角を調整する調整部と、
前記チルト角があらかじめ設定された第1の角度未満となる場合に、前記表示本体部のピボット回転を不可能な状態にロックし、前記チルト角が前記第1の角度以上となる場合に、当該表示本体部のピボット回転のロックを解除するロック機構部と、を有する。
【0023】
請求項13に記載の発明は、請求項11又は12に記載の超音波診断装置において、
前記ロック機構部は、前記表示本体部のピボット回転の回転角度があらかじめ設定された第2の角度になる場合に、前記表示本体部のピボット回転をロックする。
【0024】
請求項14に記載の発明のプログラムは、
回転軸によりピボット回転可能であり、第1の長さの第1の辺と、当該第1の辺に隣り合い当該第1の長さよりも短い第2の長さの第2の辺と、を有する表示面を有する表示本体部を備え、
前記回転軸は、前記第1の辺及び前記第2の辺の共通する端点から当該各辺上で略同じ第3の長さの位置に配置されている超音波診断装置のコンピューターを、
前記表示本体部のピボット回転の回転状態を検出する検出部により検出された当該表示本体部のピボット回転の回転状態に応じて、当該表示本体部に表示する画面のレイアウトを変更する制御部、
として機能させる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、簡単な構成で表示本体部のピボット回転の前後に当該表示本体部の位置を容易に略同じにできる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の実施の形態の超音波診断装置の機能構成を示すブロック図である。
図2】第1の回転軸を中心とする回転前後の表示本体部と操作入力部と、を示す正面図である。
図3】(a)は、回転前の表示部及び操作入力部を示す側面図である。(b)は、操作表示部を傾けた状態の表示部及び操作入力部を示す側面図である。
図4】(a)は、ピボット回転の回転後の表示部及び操作入力部を示す側面図である。(b)は、操作表示部の傾きを元に戻した状態の表示部及び操作入力部を示す側面図である。
図5】第1の状態の表示部及び操作入力部を示す正面図である。
図6】第2の状態の表示部及び操作入力部を示す正面図である。
図7】(a)は、第6の状態の表示本体部及び操作入力部を示す正面図である。(b)は、第5の状態の表示本体部及び操作入力部を示す正面図である。(c)は、第7の状態の表示本体部及び操作入力部を示す正面図である。
図8】(a)は、第9の状態の表示本体部及び操作入力部を示す正面図である。(b)は、第8の状態の表示本体部及び操作入力部を示す正面図である。(c)は、第10の状態の表示本体部及び操作入力部を示す正面図である。
図9】画面設定処理を示すフローチャートである。
図10】第9の状態の超音波診断装置、診察台及び被検体を示す図である。
図11】(a)は、第1の変形例のロック状態の表示部及び操作入力部を示す側面図である。(b)は、第1の変形例のロック解除状態の表示部及び操作入力部を示す側面図である。
図12】(a)は、ロック状態のロック機構部を示す概略図である。(b)は、ロック解除状態のロック機構部を示す概略図である。(c)は、ロック解除状態かつ回転部の回転状態のロック機構部を示す概略図である。
図13】第2の変形例の表示本体部の表示画面の第4の回転軸を示す図である。
図14】第2の変形例の表示本体部の表示画面の第5の回転軸を示す図である。
図15】(a)は、第2の変形例の回転前の表示本体部及び操作入力部を示す正面図である。(b)は、第2の変形例の回転後の表示本体部及び操作入力部を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
添付図面を参照して本発明に係る実施の形態、第1、第2の変形例を順に詳細に説明する。なお、本発明は、図示例に限定されるものではない。
【0028】
(実施の形態)
図1図10を参照して、本発明に係る実施の形態を説明する。まず、図1図6を参照して、本実施の形態の装置構成を説明する。図1は、本実施の形態の超音波診断装置100の機能構成を示すブロック図である。
【0029】
図1を参照して、本実施の形態の全体の装置構成を説明する。図1に示すように、本実施の形態の超音波診断装置100は、病院などの医療施設の診察室などに設置され、医師、技師などの操作者に操作される超音波診断装置である。
【0030】
超音波診断装置100は、超音波診断装置本体1と、超音波探触子2と、を備える。超音波診断装置本体1は、超音波探触子2に接続される。超音波探触子2は、患者の生体などの被検体内に対して超音波(送信超音波)を送信するとともに、この被検体内で反射した超音波の反射波(反射超音波:エコー)を受信する。超音波探触子2は、超音波探触子本体2Aと、ケーブル2Bと、コネクター2Cと、を有する。超音波探触子本体2Aは、超音波を送受信する超音波探触子2のヘッダ部である。ケーブル2Bは、超音波探触子本体2A及びコネクター2Cの間に接続され、超音波探触子本体2A用の駆動信号及び超音波の受信信号が流れるケーブルである。コネクター2Cは、超音波診断装置本体1のレセプタクルのコネクター(図示略)に接続するためのプラグのコネクターである。
【0031】
超音波診断装置本体1は、コネクター2C、ケーブル2Bを介して、超音波探触子本体2Aと接続され、超音波探触子本体2Aに電気信号の駆動信号を送信することによって超音波探触子本体2Aに被検体に対して送信超音波を送信させるとともに、超音波探触子本体2Aにて受信した被検体内からの反射超音波に応じて超音波探触子2で生成された電気信号である受信信号に基づいて被検体内の内部状態を超音波画像データとして画像化する。
【0032】
超音波探触子本体2Aは、先端側に振動子2aを備えており、振動子2aは、例えば、方位方向(走査方向)に一次元アレイ状に複数配列されている。なお、振動子2aは、二次元アレイ状に配列されたものであってもよい。また、振動子2aの個数は、任意に設定することができる。また、本実施の形態では、超音波探触子2としてコンベックス走査方式の電子スキャンプローブを採用するものとするが、電子走査方式あるいは機械走査方式の何れを採用してもよく、また、リニア走査方式、セクタ走査方式あるいはコンベックス走査方式の何れの方式を採用することもできる。超音波診断装置本体1と超音波探触子2(超音波探触子本体2A)との通信は、ケーブル2Bを介する有線通信に代えて、UWB(Ultra Wide Band)などの無線通信により行うこととしてもよい。
【0033】
超音波探触子本体2Aは、超音波診断装置本体1から入力された駆動信号に応じて振動子2aから超音波を被検体に送信し、当該被検体からの反射超音波を振動子2aにより受信し受信信号を生成して超音波診断装置本体1に出力する。
【0034】
超音波診断装置本体1は、例えば、操作入力部11と、送信部12と、受信部13と、画像生成部14と、画像処理部15と、表示制御部16と、表示部17と、制御部18と、検出部19と、記憶部20と、を備える。
【0035】
操作入力部11は、押しボタン、エンコーダー(回転つまみ)、レバースイッチ、ジョイスティック、トラックボール、キーボード、タッチパッドや、それらを組み合わせたマルチファンクションスイッチなどの操作要素を有する操作卓である。操作入力部11は、操作者からの各操作要素への各種操作入力を受け付け、その操作情報を制御部18に出力する。
【0036】
送信部12は、制御部18の制御に従って、超音波探触子2に電気信号である駆動信号を供給して超音波探触子2に送信超音波を発生させる回路である。また、送信部12は、例えば、クロック発生回路、遅延回路、パルス発生回路を備える。クロック発生回路は、駆動信号の送信タイミングや送信周波数を決定するクロック信号を発生させる回路である。遅延回路は、振動子2a毎に対応した個別経路毎に遅延時間を設定し、設定された遅延時間だけ駆動信号の送信を遅延させ、送信超音波によって構成される送信ビームの集束を行うための回路である。パルス発生回路は、所定の周期で駆動信号としてのパルス信号を発生させるための回路である。上述のように構成された送信部12は、例えば、超音波探触子2に配列された複数(例えば、192個)の振動子2aのうちの連続する一部(例えば、64個)を駆動して送信超音波を発生させる。そして、送信部12は、送信超音波を発生させる毎に駆動する振動子2aを方位方向(走査方向)にずらすことで走査(スキャン)を行う。
【0037】
受信部13は、制御部18の制御に従って、超音波探触子2から電気信号である受信信号を受信して音線データを生成する回路である。受信部13は、例えば、増幅器、A/D変換回路、整相加算回路を備えている。増幅器は、受信信号を、振動子2a毎に対応した個別経路毎に、予め設定された増幅率で増幅させるための回路である。A/D変換回路は、増幅された受信信号をアナログ-デジタル変換(A/D変換)するための回路である。整相加算回路は、A/D変換された受信信号に対して、振動子2a毎に対応した個別経路毎に遅延時間を与えて時相を整え、これらを加算(整相加算)して音線データを生成するための回路である。
【0038】
画像生成部14は、制御部18の制御に従って、受信部13からの音線データに対して包絡線検波処理や対数圧縮などを実施し、ダイナミックレンジやゲインの調整を行って輝度変換することにより、受信エネルギーとしての輝度値を有する画素からなるB(Brightness)モード画像データを生成することができる。すなわち、Bモード画像データは、受信信号の強さを輝度によって表したものである。画像生成部14は、画像モードがBモードの超音波画像データとしてのBモード画像データの他、A(Amplitude)モード、M(Motion)モード、ドプラ法による画像モード(カラードプラモードなど)など、他の画像モードの超音波画像データが生成できるものであってもよい。
【0039】
画像処理部15は、制御部18の制御に従って、設定中の各種画像パラメーターに応じて、画像生成部14から出力されたBモード画像データに画像処理を施す。また、画像処理部15は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などの半導体メモリーによって構成された画像メモリー部15aを備える。画像処理部15は、制御部18の制御に従って、画像処理を施したBモード画像データをフレーム単位で画像メモリー部15aに記憶する。フレーム単位での画像データを超音波画像データあるいはフレーム画像データということがある。画像処理部15は、制御部18の制御に従って、上述したようにして生成された画像データを順に表示制御部16に出力する。
【0040】
表示制御部16は、制御部18の制御に従って、画像処理部15より受信した画像データを表示用の画像信号に変換し、表示部17(表示本体部171)に出力する。
【0041】
表示部17は、画面を表示しタッチ入力を受け付けるピボット回転の回転体としての表示本体部171と、表示本体部171を支持する支持部172と、を有する。表示本体部171は、表示パネル17aと、タッチパネル17bと、を備える。表示パネル17aは、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electronic Luminescence)ディスプレイ、無機ELティスプレイ及びプラズマディスプレイなどで構成され、長方形(横の辺e1の長さと縦の辺e2の長さとが異なる、縦横比(アスペクト比)が1:1でない)の表示面(表示画面)を有するパネル形状でかつ当該表示面に垂直な回転軸を中心としたピボット回転が可能な表示体である。表示パネル17aの表示面の縦横比は、例えば、横の辺e1の長さ(幅):縦の辺e2の長さ(高さ)が16:9であるものとするが、これに限定されるものではない。表示本体部171は、制御部18の制御に従い、表示制御部16から出力された画像信号に対応する超音波画像などの各種表示情報を表示パネル17aの表示画面上に表示する。
【0042】
タッチパネル17bは、表示パネル17aの表示画面上に一体的に設けられた抵抗膜圧式などのタッチパネルであり、操作者からの表示画面上のタッチ入力を受け付け、その表示画面上の二次元座標情報を含むタッチ操作情報を制御部18に出力する。タッチパネル17bは、抵抗膜圧式に限定されるものではなく、静電容量方式など、種々の方式の中から適宜選択して使用すればよい。
【0043】
制御部18は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を備え、ROMに記憶されているシステムプログラムなどの各種処理プログラムを読み出してRAMに展開し、CPUと展開したプログラムとの協働で超音波診断装置100の各部の動作を制御する。ROMは、半導体などの不揮発メモリーなどにより構成され、超音波診断装置100に対応するシステムプログラム及び該システムプログラム上で実行可能な各種処理プログラムや、ガンマテーブルなどの各種データなどを記憶する。これらのプログラムは、コンピューターが読み取り可能なプログラムコードの形態で格納され、CPUは、当該プログラムコードに従った動作を逐次実行する。RAMは、CPUにより実行される各種プログラム及びこれらプログラムに係るデータを一時的に記憶するワークエリアを形成する。制御部18のROMには、後述する画面設定処理を実行するための画面設定プログラムが記憶されているものとする。
【0044】
検出部19は、表示本体部171(表示パネル17a)のピボット回転の回転角度(例えば、表示本体部171の基準の回転状態から回転軸を中心として時計回りにピボット回転した角度)を検出する検出部であり、例えば、角速度センサー、加速度センサーなどのセンサー、スイッチ、カメラ部などで構成されている。検出部19は、表示本体部171のピボット回転の回転角度を検出し、その検出情報を制御部18に出力する。
【0045】
記憶部20は、超音波画像データなどの情報を書き込み及び読み出し可能に記憶するHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)などの記憶部である。
【0046】
超音波診断装置100が備える各部について、各々の機能ブロックの一部又は全部の機能は、集積回路などのハードウェア回路として実現することができる。集積回路とは、例えばLSI(Large Scale Integration)であり、LSIは集積度の違いにより、IC(Integrated Circuit)、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサーで実現してもよいし、FPGA(Field Programmable Gate Array)やLSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用してもよい。また、各々の機能ブロックの一部又は全部の機能をソフトウェアにより実行するようにしてもよい。この場合、このソフトウェアは一つ又はそれ以上のROMなどの記憶媒体、光ディスク、又はハードディスクなどに記憶されており、このソフトウェアが演算処理器により実行される。
【0047】
ついで、図2図6を参照して、表示部17における表示本体部171を回転可能に支持する支持部172の構成を説明する。図2は、回転軸R1を中心とする回転前後の表示本体部171と操作入力部11と、を示す正面図である。図3(a)は、回転前の表示部17及び操作入力部11を示す側面図である。図3(b)は、表示本体部171を傾けた状態の表示部17及び操作入力部11を示す側面図である。図4(a)は、ピボット回転の回転後の表示部17及び操作入力部11を示す側面図である。図4(b)は、表示本体部171の傾きを元に戻した状態の表示部17及び操作入力部11を示す側面図である。図5は、状態ST1の表示部17及び操作入力部11を示す正面図である。図6は、状態ST2の表示部17及び操作入力部11を示す正面図である。
【0048】
図2に示すように、超音波診断装置100のうちの表示本体部171及び操作入力部11において、表示本体部171の表示面上に配置されたピボット回転の回転軸を丸に十字のマークで示し回転軸R1とする。つまり、表示本体部171は、回転軸R1を中心としてピボット回転される。より具体的には、実線の表示本体部171の状態から回転軸R1を中心として二点鎖線の表示本体部171の状態へ-90°ピボット回転される。実線の表示本体部171の状態(回転位置)を、回転の基準の位置の状態としての表示本体部171が横向き(長辺が水平方向(y軸方向))の状態ST1とし、二点鎖線の表示本体部171の位置の状態を、縦向き(長辺が垂直方向(z軸方向))の状態ST2とする。また、表示本体部171の状態ST2から状態ST1への回転軸R1を中心とする逆回転方向のピボット回転も可能である。
【0049】
このように、表示本体部171の回転軸R1を中心とするピボット回転において、時計回りの回転角度を+で表し、反時計回りの回転角度を-で表すものとする。また、図2に示すようにx軸、y軸、z軸をとるものとし、適宜、他の図でも同様のx軸、y軸、z軸をとるものとする。また、表示本体部171の表示画面の中心点を中心点CP1とする。
【0050】
状態ST1において、表示本体部171(表示パネル17aの表示画面)の長辺としての辺e1の横方向(y軸方向)の長さ(幅)を長さWとし、表示本体部171(表示パネル17aの表示画面)の短辺としての辺e2の縦方向(z軸方向)の長さ(高さ)を長さH(<W)とする。また、状態ST1において、表示本体部171のyz平面の左下の端点Oを原点として、端点Oから回転軸R1までの長辺のy軸方向の長さを長さA1とし、端点Oから回転軸R1までの短辺のz軸方向の長さを長さA2とする。端点Oは、辺e1,e2の共通の端点である。また、長さB=H-A2、長さC=W-A1とする。
【0051】
状態ST1において、回転軸R1は、表示本体部171の線L1の略上に配置されて設定されている。線L1は、表示本体部171の左下の端点Oを原点として、z=yの線分である。また、表示本体部171の辺e1の横方向(y軸方向)の中心線を中心線M1とし、表示本体部171の辺e2の縦方向(z軸方向)の中心線を中心線M2とする。なお、表示本体部171の回転軸R1などの回転軸のマーク及び中心線M1,M2は、表示画面に表示されない。
【0052】
本実施の形態の回転軸R1の配置の目的は、状態ST1の表示本体部171を-90°ピボット回転して、状態ST2の表示本体部171にする場合に、この2つの状態において、表示本体部171(の表示画面)の下辺(-z方向の端の辺)の位置が変化しない(操作入力部11からの距離が略同じ)ことである。このため、A1とA2とは必ずしも一致しなくてもよく、0≦A1≒A2≦Hとなる。このとき、例えば、|A1-A2|≦H/8であれば、上記の目的を達成できる。
【0053】
ここで、状態ST1の表示本体部171を状態ST2に回転させる装置構成を説明する。図3(a)、図5は、状態ST1の表示本体部171に対応する表示部17と操作入力部11とを示す。図3(a)、図5に示すように、表示部17の支持部172は、支持体17cと、蝶番17dと、突起部17eと、支持体17fと、回転部17gと、を有する。
【0054】
支持体17cは、操作入力部11に固定的に接続されて+z方向に延在し、表示本体部171などを支持する支持柱である。蝶番17dは、支持体17cの+z方向の先端部に設置され、支持体17cに対する表示パネル17aの傾き(チルト角φ(図3(b))の度合いを調整する可動部である。突起部17eは、支持体17c上に固定的に設置され、+x方向に延在し、回転部17gに嵌合される突起部である。
【0055】
支持体17fは、蝶番17dに固定的に設置され、回転軸R1を中心として表示本体部171をピボット回転可能に支持する支持部である。回転部17gは、ガイド穴17g1,17g2を有し、表示本体部171の裏面に固定的に設置されることで表示本体部171とともにピボット回転が可能であり、突起部17eが嵌合される部材である。ガイド穴17g1は、状態ST1で突起部17eが嵌合される穴部である。ガイド穴17g2は、状態ST2で突起部17eが嵌合される穴部である。
【0056】
図3(a)、図5に示すように、状態ST1の表示部17において、表示本体部171が傾けられておらずz軸方向に直立し、チルト角φ=0°にされ、突起部17eがガイド穴17g1に嵌合されて、表示本体部171のピボット回転が不可能にロック状態にされている。仮に回転部17gがないものとした場合、表示本体部171を回転軸R1でピボット回転すると、表示本体部171が操作入力部11に接触してしまう。しかし、回転部17gがあり、突起部17eがガイド穴17g1に嵌合されているために、表示本体部171がピボット回転を不可能にロックされている。
【0057】
そして、図3(b)に示すように、操作者は、表示本体部171を手動で傾けて、チルト角φがあらかじめ設定された所定角度(>0°であってロック状態を解除する閾角度)以上の状態にする。この表示部17及び操作入力部11の位置の状態を状態ST3とする。状態ST3では、突起部17eがガイド穴17g1から抜かれてロックが外れるため、表示本体部171を回転軸R1でピボット回転することが可能で、かつ回転中に表示本体部171が操作入力部11に干渉しない(接触しない)ロック解除状態となる。
【0058】
そして、図4(a)に示すように、操作者は、状態ST3からチルト角φを保ったまま、表示本体部171を手動で回転軸R1を中心に-90°ピボット回転する状態にする。この表示部17及び操作入力部11の位置の状態を状態ST4とする。状態ST3,ST4では、ピボット回転中に、突起部17eが、図5に点線部で示した部分を通過する。
【0059】
そして、図4(b)、図6に示すように、操作者は、状態ST4から表示本体部171のピボット回転の回転角度を保ったまま、表示本体部171を手動で支持体17c側へ移動して直立させ、チルト角φを0°にして、状態ST2にする。状態ST2では、突起部17eがガイド穴17g2に嵌合され、表示パネル17aがピボット回転を不可能にロック状態にされる。
【0060】
このように、突起部17e、回転部17gを、ロック機構部とする。このロック機構部により、チルト角φがあらかじめ設定された所定角度未満である場合に、表示本体部171のピボット回転を不可能にロックし、チルト角φが当該所定角度以上である場合に、表示本体部171のピボット回転を可能に、ロックを解除する。また、ロック機構部は、前記表示本体部のピボット回転の回転角度があらかじめ設定された所定角度(ガイド穴17g1,17g2の位置に対応する回転角度)になる場合に、表示本体部171のピボット回転をロックする。
【0061】
また、表示本体部171のピボット回転の回転軸の位置は、超音波診断装置100の工場出荷前、出荷後の設置場所への設置前、設置後の使用中などに、設定者、操作者などが適宜変更可能な構成とする。
【0062】
つぎに、図7(a)~図10を参照して、本実施の形態の超音波診断装置100の表示部17の表示本体部171のピボット回転の回転軸の別の位置の例を説明する。図7(a)は、状態ST6の表示本体部171及び操作入力部11を示す正面図である。図7(b)は、状態ST5の表示本体部171及び操作入力部11を示す正面図である。図7(c)は、状態ST7の表示本体部171及び操作入力部11を示す正面図である。図8(a)は、状態ST9の表示本体部171及び操作入力部11を示す正面図である。図8(b)は、状態ST8の表示本体部171及び操作入力部11を示す正面図である。図8(c)は、状態ST10の表示本体部171及び操作入力部11を示す正面図である。図9は、画面設定処理を示すフローチャートである。図10は、状態ST9の超音波診断装置100、診察台EX1及び被検体SU1を示す図である。
【0063】
表示部17の表示本体部171のピボット回転の回転軸を、図2の線L1上の別の位置として、線L1と中心線M1との交点に回転軸R2として配置した例を説明する。つまり、回転軸R2は、A1≒A2=Aとした場合に、A=W/2とした例である。
【0064】
図7(a)、図7(b)、図7(c)に示す表示本体部171及び操作入力部11の位置及び表示の状態を、それぞれ、状態ST6,ST5,ST7とする。まず、状態ST5を、表示本体部171を横向きにして回転軸R2を中心としたピボット回転の基準の状態とする。状態ST5から回転軸R2を中心として表示本体部171を-90°ピボット回転した状態を状態ST6とする。状態ST5から回転軸R2を中心として表示本体部171を+90°ピボット回転した状態を状態ST7とする。
【0065】
回転軸R1では、状態ST1,ST2の2つで、ピボット回転の回転前後で、表示本体部171(表示パネル17aの表示画面)の下辺の位置(操作入力部11からの距離)が一定(略同じ)である。これに対し、回転軸R2では、状態ST5,ST6,ST7の3つで、ピボット回転の回転前後で、表示本体部171の下辺の位置(操作入力部11からの距離)が一定(略同じ)である。
【0066】
例えば、状態ST5では、横向き用の画面300が表示本体部171の表示パネル17aに表示され、状態ST6,ST7では、縦向き用の画面310が表示パネル17aに表示される。画面300は、超音波画像301と、操作表示領域302と、ツールバー303と、を含む。超音波画像301は、超音波診断装置100によりスキャンされた被検体の超音波画像である。操作表示領域302は、タッチパネル17bにより操作者からのタッチ入力を受け付ける各種操作ボタン、超音波画像301のステータスなどの各種情報、を表示する領域である。ツールバー303は、現在日時情報などの情報を表示する領域である。画面310は、画面300と同様に、超音波画像301と、操作表示領域302と、ツールバー303と、を含む。
【0067】
画面300において、ツールバー303が、表示本体部171(表示パネル17a)の表示画面の上辺に配置されており、超音波画像301、操作表示領域302が、それぞれ、表示本体部171の表示画面の左側、右側に配置されている。画面310において、ツールバー303が、表示本体部171の表示画面の上辺に配置されており、超音波画像301、操作表示領域302が、それぞれ、表示本体部171の表示画面の上側、下側に配置されている。
【0068】
状態ST6,ST7では、操作入力部11と操作表示領域302との距離が比較的短く、操作者が各種操作(操作入力部11の操作入力、操作表示領域302のタッチ入力)を容易に行うことができる。しかし、状態ST5では、操作入力部11と操作表示領域302との距離が比較的長く、操作者が各種操作を容易に行うことができないおそれがある。
【0069】
このため、表示本体部171のピボット回転の回転軸を、図8(a)~図8(c)に示す回転軸R3にとる構成がある。回転軸R3は、図2の線L1及び中心線M2の交点に配置されている。つまり、回転軸R3は、A1≒A2=Aとした場合に、A=H/2とした例である。
【0070】
図8(a)、図8(b)、図8(c)に示す表示本体部171及び操作入力部11の位置及び表示の状態を、それぞれ、状態ST9,ST8,ST10とする。まず、状態ST8を、表示パネル17aを縦向きにして回転軸R3を中心としたピボット回転の基準の状態とする。状態ST8から回転軸R3を中心として表示パネル17aを-90°ピボット回転した状態を状態ST9とする。状態ST8から回転軸R3を中心として表示パネル17aを+90°ピボット回転した状態を状態ST10とする。
【0071】
回転軸R3でも、回転軸R2と同様に、状態ST8,ST9,ST10の3つで、ピボット回転の回転前後で、表示本体部171(の表示画面)の下辺の位置(操作入力部11からの距離)が一定(略同じ)である。
【0072】
ここで、図9を参照して、回転軸R3が設定された超音波診断装置100で実行される画面設定処理を説明する。超音波診断装置100において、例えば、操作入力部11を介して超音波画像表示処理の実行指示が入力されたことをトリガーとして、制御部18は、ROMに記憶されている画面設定プログラムに従い、画面設定処理を実行する。超音波画像表示処理は、超音波診断装置100において、超音波探触子2による被検体への超音波の送受信を介してライブの超音波画像データを生成して表示本体部171(表示パネル17a)に超音波画像301として表示する処理であり、画面設定処理と並行して実行されるものとする。
【0073】
図9に示すように、まず、制御部18は、表示本体部171の回転軸R3を中心とするピボット回転の回転角度(状態ST8を基準とした回転角度)を検出部19から取得する(ステップS11)。
【0074】
そして、制御部18は、ステップS11で取得された回転角度が0°であるか否かを判別する(ステップS12)。回転角度が0°である場合(ステップS12;YES)、状態ST8であり、制御部18は、回転角度=0°に対応する画面310を設定して表示本体部171(表示パネル17a)に表示し(ステップS13)、ステップS11に移行する。
【0075】
回転角度が0°でない場合(ステップS12;NO)、制御部18は、ステップS11で取得された回転角度が-90°であるか否かを判別する(ステップS14)。回転角度が-90°である場合(ステップS14;YES)、状態ST9であり、制御部18は、回転角度=-90°に対応する画面300を設定して表示本体部171(表示パネル17a)に表示し(ステップS15)、ステップS11に移行する。
【0076】
回転角度が-90°でない場合(ステップS14;NO)、制御部18は、ステップS11で取得された回転角度が+90°であるか否かを判別する(ステップS16)。回転角度が+90°でない場合(ステップS16;NO)、ステップS11に移行される。回転角度が+90°である場合(ステップS16;YES)、状態ST10であり、制御部18は、回転角度=+90°に対応する画面320を設定して表示本体部171(表示パネル17a)に表示し(ステップS17)、ステップS11に移行する。
【0077】
図8(c)に示すように、画面320は、画面300,310と同様に、超音波画像301と、操作表示領域302と、ツールバー303と、を含む。
【0078】
画面320において、ツールバー303が、表示本体部171(表示パネル17a)の表示画面の上辺に配置されており、超音波画像301、操作表示領域302が、それぞれ、表示本体部171(表示パネル17a)の表示画面の右側、左側に配置されている。このように、画面310,320は、ツールバー303を除き、超音波画像301、操作表示領域302などの配置が横方向に反転されている。
【0079】
このため、図8(a)~図8(c)の各両矢印で示すように、状態ST8,ST9,ST10のいずれにおいても、操作入力部11と操作表示領域302との距離が比較的短く、操作者が各種操作(操作入力部11の操作入力、操作表示領域302のタッチ入力)を容易に行うことができる。
【0080】
図10に示すように、診察台EX1に被検体SU1が載せられており、診察台EX1の横に超音波診断装置100が配置されているケースを考える。このケースで、超音波診断装置100の移動が難しい場合にも、操作者が回転軸R3を中心として表示本体部171を-90°ピボット回転して状態ST9にし、画面設定処理により画面300が表示パネル17aに表示されることで、操作者は、操作入力部11及び操作表示領域302が診察台EX1とは逆の右側にありかつそれらの間の距離が短いため、操作者が操作入力部11及び操作表示領域302を容易に操作入力できる。さらに、超音波診断装置100移動することなく、表示本体部171をピボット回転するのみで、表示本体部171を被検体側の好ましい位置にスライドできる。
【0081】
以上、本実施の形態によれば、超音波診断装置100は、第1の長さとしての長さWの第1の辺としての辺e1と、辺e1に隣り合い長さWよりも短い第2の長さとしての長さHの第2の辺としての辺e2と、を有する表示面を有する表示本体部171を備える。回転軸R1は、辺e1,e2の共通する端点Oから当該各辺上で略同じ第3の長さとしてのA1,A2(A1≒A2)の位置(線L1上の位置))に配置されている。
【0082】
このため、回転軸を複数設けたり、回転軸を動かす機構が不要で、回転軸R1を中心とする表示本体部171のピボット回転(例えば、状態ST1→状態ST2への-90°のピボット回転)において、簡単な構成で表示本体部171のピボット回転の前後に表示本体部171の下辺の(z軸方向の)位置を容易に略同じにできる。
【0083】
また、長さA(=A1≒A2)は、長さW/2である(回転軸R2)。このため、例えば、状態ST5,ST6,ST7の3つの状態において、表示本体部171の回転前後に表示本体部171の下辺の(z軸方向の)位置を略同じにできる。さらに、表示本体部171のピボット回転の基準(回転角度=0°)では、回転軸R2と、表示本体部171の中心点CP1と、の横方向(y軸方向)の位置を略同じにできる。
【0084】
また、長さA(=A1≒A2)は、長さH/2である(回転軸R3)。このため、例えば、状態ST8,ST9,ST10の3つの状態において、表示本体部171の回転前後に表示本体部171の下辺の(z軸方向の)位置を略同じにできる。特に、状態ST9,ST10において、スライド機構を設けることなく、回転軸R3を中心とするピボット回転のみにより、表示本体部171を横方向(y軸方向)に(例えば、被検体側に)スライドできる。さらに、表示本体部171のピボット回転の基準(回転角度=0°)では、回転軸R3と、表示本体部171の中心点CP1と、の横方向(y軸方向)の位置を略同じにできる。
【0085】
また、超音波診断装置100は、表示本体部171のピボット回転の回転状態として回転方向及び回転角度を検出する検出部19と、検出された表示本体部171のピボット回転の回転方向及び回転角度に対応して、表示本体部171に表示する画面のレイアウトを変更する制御部18を備える。このため、操作表示領域302と操作入力部11との距離を考慮して、操作者が目視及び操作しやすい画面のレイアウトにできる。
【0086】
具体的には、制御部18は、表示本体部171の画面のレイアウトとして、ピボット回転の前後で、超音波画像に関する情報を表示する又はタッチ入力を受け付ける第1の領域としての操作表示領域302を、操作入力を受け付ける操作入力部11に近い位置に配置する。さらに具体的には、制御部18は、表示本体部171の回転の基準の位置から、表示本体部171の時計回りの-90度のピボット回転の画面300と、表示本体部171の時計回りの+90°のピボット回転に対応する画面320と、を左右反転する。このため、操作表示領域302と操作入力部11との間の距離が短くなり、操作者が容易に画面の視認及び操作をできる。
【0087】
また、制御部18は、表示本体部171の時計回りの-90°のピボット回転の画面300と、表示本体部171の時計回りの+90°のピボット回転に対応する画面320とは、反転しない非反転領域としてのツールバー303を有する。このため、ツールバー303の視認しやすさをそのままにできるとともに、操作表示領域302と操作入力部11との間の距離が短くなり、操作者が容易に画面の視認及び操作をできる。
【0088】
また、表示本体部171の回転軸の位置は、変更可能である。このため、超音波診断装置100の工場出荷前、設置場所への設置前、使用中などに、製造者又は操作者が表示本体部171の回転軸の位置を適切に変更でき、操作者が容易に画面の視認及び操作をできる。
【0089】
また、超音波診断装置100は、表示本体部171を回転軸R1によりピボット回転可能に支持する支持部172を備える。支持部172は、表示本体部171を支持する支持体17cと、支持体17cの延在方向(z軸方向)に対する表示本体部171のチルト角φを調整する調整部としての蝶番17dと、チルト角φがあらかじめ設定された第1の角度(所定角度)未満となる場合に、表示本体部171のピボット回転を不可能な状態にロックし、チルト角φが第1の角度以上となる場合に、表示本体部171のピボット回転のロックを解除するロック機構部(突起部17e、回転部17g)と、を有する。このため、簡単な構成で、表示本体部171を傾けチルト角φが第1の角度以上である場合の、表示本体部171のピボット回転中に、表示本体部171が操作入力部11などに干渉することを防ぐことができ、ピボット回転の前後に、表示本体部171の下辺の位置をより容易に略同じにできる。
【0090】
また、ロック機構部(突起部17e、回転部17g)は、表示本体部171のピボット回転の回転角度があらかじめ設定された第2の角度(ガイド穴17g1,17g2の位置に対応する回転角度)になる場合に、表示本体部171のピボット回転をロックする。このため、表示本体部171のピボット回転の回転角度が所望の第2の角度になる場合に、表示本体部171のピボット回転を確実に防ぐことができる。
【0091】
(第1の変形例)
図11(a)~図12(c)を参照して、上記実施の形態の第1の変形例を説明する。図11(a)は、状態ST11の表示部17A及び操作入力部11を示す側面図である。図11(b)は、状態ST12の表示部17A及び操作入力部11を示す側面図である。図12(a)は、状態ST11のロック機構部17hを示す概略図である。図12(b)は、状態ST12で停止状態のロック機構部17hを示す概略図である。図12(c)は、状態ST12で回転状態のロック機構部17hを示す概略図である。
【0092】
本変形例では、装置構成として、上記実施の形態の超音波診断装置100のうち、表示部17を表示部17Aに代えたものを用いる。このため、実施の形態の超音波診断装置100と異なる部分を主として説明する。
【0093】
図11(a)、図11(b)に示すように、本変形例の超音波診断装置100の表示部17Aは、表示本体部171と、支持部172Aとを有する。支持部172Aは、支持体17c1、蝶番17d1、支持体17f1と、ロック機構部17hと、を有する。支持体17c1、蝶番17d1、支持体17f1は、それぞれ、上記実施の形態の支持体17c、蝶番17d、支持体17fと同様である。
【0094】
ロック機構部17hは、表示本体部171のチルト角φが所定角度未満で表示本体部171のピボット回転がロック状態にされ、チルト角φが所定角度以上で表示本体部171のピボット回転がロック解除状態にされるロック機構部である。図11(a)のロック機構部17hのロック状態を状態ST11とし、図11(b)のロック機構部17hのロック解除状態を状態ST12とする。
【0095】
図12(a)に示すように、ロック機構部17hは、回転部17h1、突起部17h2を有する。回転部17gは、ガイド穴17ha,17hbを有し、表示パネル17aの裏面に固定的に設置されることで表示本体部171とともにピボット回転が可能であり、突起部17h2が嵌合される部材である。ガイド穴17haは、例えば表示本体部171の縦向きの状態(図2の状態ST2に対応)で突起部17h2が嵌合される穴部である。ガイド穴17hbは、例えば表示本体部171の横向きの状態(図2の状態ST1に対応)で突起部17h2が嵌合される穴部である。突起部17h2は、ガイド穴17ha,17hbに嵌合される突起部であり、弾性体の付勢及びその解除により、ガイド穴17ha,17hbへの嵌合状態又は抜かれた状態を保つことが可能である。
【0096】
図12(a)に示すように、例えば表示本体部171の横向きの状態において、図11(a)に対応する状態ST11では、突起部17h2がガイド穴17haに嵌合されたロック状態であり、回転部17h1(表示本体部171)のピボット回転が不可能となっている。そして、図12(b)に示すように、操作者が、突起部17h2をガイド穴17haから抜いて、ロック状態を解除したロック解除状態にすると、図11(b)に対応する状態ST12となる。
【0097】
図12(c)に示すように、状態ST12のロック解除状態では、回転部17h1(表示パネル17a)のピボット回転が可能となっており、例えば、ピボット回転後に、突起部17h2がガイド穴17hbに嵌合されて、例えば表示本体部171の横向きの状態にされてロック状態にされる。
【0098】
以上、本変形例によれば、上記実施の形態の支持部172と同様に、支持部172Aは、表示本体部171を支持する支持体17c1と、支持体17c1の延在方向(z軸方向)に対する表示本体部171のチルト角φを調整する調整部としての蝶番17d1と、チルト角φがあらかじめ設定された第1の角度(所定角度)未満となる場合に、表示本体部171のピボット回転を不可能な状態にロックし、チルト角φが第1の角度以上となる場合に、表示本体部171のピボット回転のロックを解除するロック機構部17hと、を有する。このため、簡単な構成で、表示本体部171を傾けチルト角φが第1の角度以上である場合の、表示本体部171のピボット回転中に、表示本体部171が操作入力部11などに干渉することを防ぐことができ、ピボット回転の前後に、表示本体部171の下辺の位置を略同じにできる。
【0099】
また、ロック機構部17hは、表示本体部171のピボット回転の回転角度があらかじめ設定された第2の角度(ガイド穴17ha,17hbの位置に対応する回転角度)になる場合に、表示本体部171のピボット回転をロックする。このため、表示本体部171のピボット回転の回転角度が所望の第2の角度になる場合に、表示本体部171のピボット回転を確実に防ぐことができる。
【0100】
(第2の変形例)
図13図15(b)を参照して、上記実施の形態の第2の変形例を説明する。図13は、本変形例の表示本体部171の表示画面の回転軸R4を示す図である。図14は、本変形例の表示本体部171の表示画面の回転軸R5を示す図である。図15(a)は、本変形例の回転前の表示本体部171及び操作入力部11を示す正面図である。図15(b)は、本変形例の回転後の表示本体部171及び操作入力部11を示す正面図である。
【0101】
上記実施の形態では、表示本体部171のピボット回転の前後で表示本体部171(表示パネル17aの表示画面)の下辺の位置(操作入力部11からの距離)が一定となる線L1上に回転軸を配置する構成であった。本変形例では、表示本体部171のピボット回転の前後で表示本体部171の中心点CP1の横方向又は縦方向の位置を一定にする構成とする。
【0102】
本変形例の装置構成として、上記実施の形態と同様に、超音波診断装置100を用いるものとする。
【0103】
図13に示すように、表示本体部171のピボット回転の回転軸を、表示本体部171(表示パネル17a)の表示画面の線L2上にとる。線L2上の回転軸を回転軸R4とする。また、表示本体部171の表示画面に、長さW,H,A(A1),Bと、長さDと、を示す。長さD=W/2-A=H/2-B、-H/2≦D≦+H/2である線が、線L2である。図13に示すように、表示本体部171の表示画面の辺として、辺e1,e2,e3をとる。線L2は、表示本体部171(の表示画面)の中心点CP1から、隣り合う2つの辺(辺e2,e3)の当該各辺上で略同じ長さDの線である。また、線L2は、中心点CP1を通り、辺e1,e2の共通の端点Oを原点とすると、z=-y+(W+H)/2の線である。
【0104】
図13の横向きの状態の表示本体部171をピボット回転の基準として、回転軸R4を中心に表示本体部171を-90°ピボット回転した場合に、表示本体部171の表示画面の中心点CP1の横方向(y軸方向)の位置が回転前後で一定となる。また、ピボット回転の基準の図13の横向きの状態の表示本体部171から、回転軸R4を中心に表示本体部171を+90°ピボット回転した場合に、表示本体部171の表示画面の中心点CP1の縦方向(z軸方向)の位置が回転前後で一定となる。
【0105】
図14に示すように、表示本体部171の表示画面において、線L1及び線L2の交点にピボット回転の回転軸を配置し、この回転軸を回転軸R5とする。回転軸R5は、A=(H+W)/4となる位置に配置されている。このように、回転軸R5を中心とする表示本体部171のピボット回転により、回転前後で、表示本体部171(の表示画面)の下辺の位置が一定となり(線L1に対応する効果)、かつ中心点CP1の横方向又は縦方向の位置が一定となる(線L2に対応する効果)。
【0106】
さらに、表示本体部171の表示画面上の線L1に垂直な方向に延在する両矢印DA1の方向に回転軸R5を動かすことで、ピボット回転の前後で表示本体部171(の表示画面)の下辺の位置(高さ)を調整できる。また、表示本体部171の表示画面上の線L2に垂直な方向に延在する両矢印DA2の方向に回転軸R5を動かすことで、ピボット回転の前後で表示本体部171(の表示画面)の中心点CP1の位置を調整できる。
【0107】
ここで、表示本体部171のピボット回転の回転軸として、回転軸R5を線L2上に所定の短い距離だけ移動したものを回転軸R6とする。図15(a)に、回転軸R6を中心とする表示本体部171のピボット回転の回転前の状態の表示本体部171及び操作入力部11を示し、この位置及び表示の状態を状態ST13とする。また、図15(b)に、状態ST13の状態から、回転軸R6を中心として表示本体部171を-90°ピボット回転した状態の表示本体部171及び操作入力部11を示し、この位置及び表示の状態を状態ST14とする。
【0108】
状態ST13において、画面300が表示本体部171(表示パネル17a)に表示されている。状態ST14において、画面310が表示本体部171に表示されている。状態ST14では、表示本体部171(の表示画面)の下辺の位置が操作入力部11の上辺の位置と略同じになるように、表示部17が構成されている。これに対し、状態ST13では、回転軸R6が線L1から外れているため、表示パネル17aの表示画面の下辺の位置が操作入力部11の上辺の位置から離れている。図15(a)、図15(b)において、状態ST13,ST14のそれぞれの、超音波画像301の縦方向(z軸方向)の位置と、操作入力部11の縦方向の位置と、の間の距離を両矢印で示す。超音波画像301の縦方向の位置は、超音波画像301の重要な情報が体表(上辺)側に多いため、超音波画像301の縦方向の中心位置よりも上側にとっている。また、操作入力部11の縦方向の位置は、操作入力部11の縦方向の中心位置とした。
【0109】
このように、図15(a)、図15(b)の両矢印により、状態ST13における操作入力部11からの超音波画像301の縦方向の位置と、状態ST14における操作入力部11からの超音波画像301の縦方向の位置との差は、図7(b)、図7(a)の状態ST5,ST6の場合と比較して、小さくなっている。このため、ピボット回転の前後で、操作者が視線を縦方向に大きく動かさずとも、超音波画像301を容易に観察できる。
【0110】
また、回転軸R6が線L2上にあるため、固定された操作入力部11の横方向(y軸方向)の中心位置を基準として、状態ST13における表示本体部171(の表示画面)の横方向の中央(中心点CP1)位置と、状態ST14における表示本体部171(の表示画面)の横方向の中央(中心点CP1)位置とは、略同じになる。
【0111】
以上、本変形例によれば、回転軸R5,R6は、表示本体部171(の表示画面)の中心点CP1から、隣り合う2つの辺(辺e2,e3)の当該各辺上で略同じ第4の長さとしての長さDの位置(線L2上の位置)に配置されている。このため、表示本体部171のピボット回転の前後に、中心点CP1の横方向(y軸方向)又は縦方向(z軸方向)の位置を略同じにできる。
【0112】
また、第3の長さとしての長さAは、(第1の長さとしての長さW+第2の長さとしての長さH)/4である(回転軸R5)。このため、例えば、ピボット回転の回転角度が0°、-90°、+90°の3つの状態において、表示本体部171のピボット回転の前後に、表示本体部171の下辺の(z軸方向の)位置を略同じにできるとともに、回転角度が0°、-90°の2つの状態において、中心点CP1の横方向(y軸方向)の位置を略同じにでき、回転角度が0°、+90°の2つの状態において、中心点CP1の縦方向(z軸方向)の位置を略同じにできる。
【0113】
以上の説明では、本発明に係るプログラムのコンピューター読み取り可能な媒体としてROMを使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピューター読み取り可能な媒体として、フラッシュメモリーなどの不揮発性メモリー、CD-ROMなどの可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も本発明に適用される。
【0114】
なお、上記実施の形態及び変形例における記述は、本発明に係る好適な超音波診断装置及びプログラムの一例であり、これに限定されるものではない。例えば、上記実施の形態及び第1、第2の変形例の少なくとも2つを適宜組合せる構成としてもよい。また、上記実施の形態及び第1、第2の変形例の表示部、制御部、検出部などの構成を、超音波画像などの医用画像を表示する医用画像表示装置や、表示装置に適用する構成としてもよい。
【0115】
また、以上の実施の形態及び変形例における超音波診断装置100を構成する各部の細部構成及び細部動作に関して本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0116】
100 超音波診断装置
11 操作入力部
12 送信部
13 受信部
14 画像生成部
15 画像処理部
15a 画像メモリー部
16 表示制御部
17,17A 表示部
171 表示本体部
17a 表示パネル
17b タッチパネル
172,172A 支持部
17c,17c1,17f,17f1 支持体
17d,17d1 蝶番
17e 突起部
17g 回転部
17g1,17g2 ガイド穴
17h ロック機構部
17h1 回転部
17h2 突起部
17ha,17hb ガイド穴
18 制御部
19 検出部
20 記憶部
2 超音波探触子
2A 超音波探触子本体
2a 振動子
2B ケーブル
2C コネクター
図1
図2
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