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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022164011
(43)【公開日】2022-10-27
(54)【発明の名称】ロック機構
(51)【国際特許分類】
   E05B 85/26 20140101AFI20221020BHJP
   B60P 3/10 20060101ALI20221020BHJP
   E05B 83/00 20140101ALI20221020BHJP
【FI】
E05B85/26
B60P3/10
E05B83/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021069207
(22)【出願日】2021-04-15
(71)【出願人】
【識別番号】000004640
【氏名又は名称】日本発條株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】黒井 滋
【テーマコード(参考)】
2E250
【Fターム(参考)】
2E250AA21
2E250HH01
2E250JJ49
2E250KK01
2E250LL00
2E250PP04
2E250PP05
2E250PP10
2E250QQ01
2E250QQ02
2E250SS08
(57)【要約】
【課題】 操作性に優れたロック機構を提供する。
【解決手段】 一実施形態に係るロック機構は、被係合部材を挿入可能なノッチを有するベースと、フックおよび第1受け面を有しベースに対し第1回転軸を中心として回動可能に連結されたラッチ部材と、レバーおよび規制部を有しベースに対し第2回転軸を中心として回動可能に連結されたロック部材とを備える。ラッチ部材は、フックによりノッチの一部が閉塞され、ノッチに挿入された被係合部材がノッチの壁面とフックとで囲われる係合位置と、フックによるノッチの閉塞が解除される係合解除位置との間で回動可能である。ロック部材は、係合位置にあるラッチ部材の第1受け面に規制部が当接し係合解除位置に向けたラッチ部材の回動が規制されるロック位置と、係合位置にあるラッチ部材の第1受け面と規制部が離間したロック解除位置との間で回動可能である。ロック位置からロック解除位置に向けてロック部材を回転させる際に、規制部がラッチ部材と干渉しない。
【選択図】 図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
船舶と、前記船舶が載せられるトレーラとを連結するためのロック機構であって、
被係合部材を挿入可能なノッチを有するベースと、
フックおよび第1受け面を有し、前記ベースに対し第1回転軸を中心として回動可能に連結されたラッチ部材と、
レバーおよび規制部を有し、前記ベースに対し第2回転軸を中心として回動可能に連結されたロック部材と、
を備え、
前記ラッチ部材は、
前記フックにより前記ノッチの一部が閉塞され、前記ノッチに挿入された前記被係合部材が前記ノッチの壁面と前記フックとで囲われる係合位置と、
前記フックによる前記ノッチの閉塞が解除される係合解除位置と、
の間で回動可能であり、
前記ロック部材は、
前記係合位置にある前記ラッチ部材の前記第1受け面に前記規制部が当接し、前記係合解除位置に向けた前記ラッチ部材の回動が規制されるロック位置と、
前記係合位置にある前記ラッチ部材の前記第1受け面と前記規制部が離間したロック解除位置と、
の間で回動可能であり、
前記ロック位置から前記ロック解除位置に向けて前記ロック部材を回転させる際に、前記規制部が前記ラッチ部材と干渉しない、
ロック機構。
【請求項2】
前記ラッチ部材が前記係合位置にあるとき、前記第1受け面は、前記第2回転軸を中心とした円弧状の曲面である、
請求項1に記載のロック機構。
【請求項3】
前記ラッチ部材を前記係合解除位置に向けて付勢する第1弾性体をさらに備える、
請求項1または2に記載のロック機構。
【請求項4】
前記ロック部材を前記ロック位置に向けて付勢する第2弾性体をさらに備える、
請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載のロック機構。
【請求項5】
前記ラッチ部材は、前記フックと対向する作動アームをさらに有し、
前記ラッチ部材が前記係合解除位置にあるとき、前記作動アームは、前記ノッチの一部を閉塞し、
前記ノッチに前記被係合部材が挿入されると、前記作動アームが前記被係合部材に押されることにより、前記ラッチ部材が前記第1弾性体の付勢力に抗して前記係合位置に向けて回転する、
請求項4に記載のロック機構。
【請求項6】
前記ラッチ部材は、前記ラッチ部材が前記係合解除位置にあり、かつ前記ロック部材が前記ロック解除位置にあるときに、前記第2弾性体の付勢力により前記規制部が押し当てられる第2受け面をさらに有し、
前記ラッチ部材が前記係合解除位置から前記係合位置に向けて回転すると、前記規制部が前記第2受け面を摺動し、前記規制部が前記第2受け面を摺動し終えると、前記第2ロック部材が前記第2弾性体の付勢力により前記ロック位置に回転する、
請求項4または5に記載のロック機構。
【請求項7】
前記ベースに取り付けられたプランジャをさらに備え、
前記ロック部材は、前記ロック解除位置にあるときに前記プランジャと係合する係合部を有し、
前記プランジャと前記係合部が係合することで、前記第2弾性体の付勢力による前記ロック位置に向けた前記ロック部材の回転が規制される、
請求項4乃至6のうちいずれか1項に記載のロック機構。
【請求項8】
前記ロック部材は、前記ロック部材の回転方向において前記規制部と間隔を空けて設けられた解除アームをさらに有し、
前記ラッチ部材は、前記係合位置にあるとき、前記ラッチ部材の回転方向において前記規制部と前記解除アームの間に位置する凸部をさらに有し、
前記ラッチ部材が前記係合位置から前記係合解除位置に向けて回転すると、前記凸部が前記解除アームを押すことにより前記ラッチ部材が回転し、前記プランジャと前記係合部の係合が解除される、
請求項7に記載のロック機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、船舶と当該船舶が載せられるトレーラとを連結するためのロック機構に関する。
【背景技術】
【0002】
小型のボートや水上オートバイなどの小型船舶は、不使用時には船舶運搬用のトレーラに載せて所定の場所へ運ばれる。例えば、トレーラは、小型船舶を載置可能なフレームと、このフレームに取り付けられた車輪とを備えている。さらに、トレーラは、船体に設けられたバーなどの被係合部材と係合可能なロック機構を備えている。
【0003】
特許文献1には、船舶とトレーラを連結するためのロック機構(ラッチ)が開示されている。このロック機構は、頂板と、底板と、これら頂板および底板の間に配置されたラッチ要素と、このラッチ要素の回転を規制する爪とを備えている。頂板および底板は、被係合部材が挿入されるノッチを有している。このノッチをラッチ要素のフックで閉塞することにより、被係合部材がラッチ要素に係止される。さらに、ノッチがフックにより閉塞された状態において、ラッチ要素に爪が係合してラッチ要素がロックされ、フックによるノッチの閉塞が解除される方向へのラッチ要素の回転が抑制される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2020/0346573号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の特許文献1に記載のロック機構においては、爪によるラッチ要素のロックを解除する際に、爪に押されてラッチ要素も一定量回転する。ラッチ要素の回転時には、フックが係合した被係合部材もノッチ内で移動する。このとき、被係合部材が連結された船舶も動くことになるので、爪を回転させるために大きな力が必要となる。船舶の重量が大きい場合には、爪によるロックの解除が困難となり得る。
【0006】
その他にも、従来のロック機構には操作性に関して種々の改善の余地がある。そこで、本発明は、操作性に優れたロック機構を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態に係るロック機構は、船舶と、前記船舶が載せられるトレーラとを連結する。前記ロック機構は、被係合部材を挿入可能なノッチを有するベースと、フックおよび第1受け面を有し、前記ベースに対し第1回転軸を中心として回動可能に連結されたラッチ部材と、レバーおよび規制部を有し、前記ベースに対し第2回転軸を中心として回動可能に連結されたロック部材と、を備えている。前記ラッチ部材は、前記フックにより前記ノッチの一部が閉塞され、前記ノッチに挿入された前記被係合部材が前記ノッチの壁面と前記フックとで囲われる係合位置と、前記フックによる前記ノッチの閉塞が解除される係合解除位置と、の間で回動可能である。前記ロック部材は、前記係合位置にある前記ラッチ部材の前記第1受け面に前記規制部が当接し、前記係合解除位置に向けた前記ラッチ部材の回動が規制されるロック位置と、前記係合位置にある前記ラッチ部材の前記第1受け面と前記規制部が離間したロック解除位置と、の間で回動可能である。さらに、前記ロック位置から前記ロック解除位置に向けて前記ロック部材を回転させる際に、前記ラッチ部材が前記ロック部材と干渉しない。
【0008】
例えば、前記ラッチ部材が前記係合位置にあるとき、前記第1受け面は、前記第2回転軸を中心とした円弧状の曲面である。
【0009】
前記ロック機構は、前記ラッチ部材を前記係合解除位置に向けて付勢する第1弾性体、および、前記ロック機構前記ロック部材を前記ロック位置に向けて付勢する第2弾性体をさらに備えてもよい。
【0010】
前記ラッチ部材は、前記フックと対向する作動アームをさらに有してよい。この場合において、前記ラッチ部材が前記係合解除位置にあるとき、前記作動アームは、前記ノッチの一部を閉塞し、前記ノッチに前記被係合部材が挿入されると、前記作動アームが前記被係合部材に押されることにより、前記ラッチ部材が前記第1弾性体の付勢力に抗して前記係合位置に向けて回転してもよい。
【0011】
前記ラッチ部材は、前記ラッチ部材が前記係合解除位置にあり、かつ前記ロック部材が前記ロック解除位置にあるときに、前記第2弾性体の付勢力により前記規制部が押し当てられる第2受け面をさらに有してもよい。この場合において、前記ラッチ部材が前記係合解除位置から前記係合位置に向けて回転すると、前記規制部が前記第2受け面を摺動し、前記規制部が前記第2受け面を摺動し終えると、前記第2ロック部材が前記第2弾性体の付勢力により前記ロック位置に回転してもよい。
【0012】
前記ロック機構は、前記ベースに取り付けられたプランジャをさらに備えてもよい。この場合において、前記ロック部材は、前記ロック解除位置にあるときに前記プランジャと係合する係合部を有し、前記プランジャと前記係合部が係合することで、前記第2弾性体の付勢力による前記ロック位置に向けた前記ロック部材の回転が規制されてもよい。
【0013】
前記ロック部材は、前記ロック部材の回転方向において前記規制部と間隔を空けて設けられた解除アームをさらに有してもよい。前記ラッチ部材は、前記係合位置にあるとき、前記ラッチ部材の回転方向において前記規制部と前記解除アームの間に位置する凸部をさらに有してもよい。この場合において、前記ラッチ部材が前記係合位置から前記係合解除位置に向けて回転すると、前記凸部が前記解除アームを押すことにより前記ラッチ部材が回転し、前記プランジャと前記係合部の係合が解除されてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、操作性に優れたロック機構を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、第1実施形態に係る船舶およびトレーラの概略的な側面図である。
図2図2は、第1実施形態に係るロック機構および保持機構の概略的な斜視図である。
図3図3は、図2に示したロック機構の概略的な分解斜視図である。
図4図4は、ラッチ部材が係合解除位置にあり、ロック部材が待機位置にあるロック機構の概略的な平面図である。
図5図5は、ラッチ部材が係合位置にあり、ロック部材がロック位置にあるロック機構の概略的な平面図である。
図6図6は、ラッチ部材が係合位置にあり、ロック部材がロック解除位置にあるロック機構の概略的な平面図である。
図7図7は、ラッチ部材が係合位置から係合解除位置に向けて回転しつつあり、ロック部材がロック解除位置にあるロック機構の概略的な平面図である。
図8図8は、ラッチ部材が係合位置から係合解除位置に向けて回転しつつあり、ロック部材がロック解除位置から待機位置に向けて回転しつつあるロック機構の概略的な平面図である。
図9図9は、第2実施形態に係る船舶およびトレーラの概略的な側面図である。
図10図10は、第3実施形態に係るロック機構の概略的な平面図である。
図11図11は、第4実施形態に係るロック機構の概略的な平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
いくつかの実施形態につき、図面を参照しながら説明する。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る船舶Vおよびトレーラ100の概略的な側面図である。船舶Vは、例えば小型のボートや水上バイクなどの小型船舶である。図1において矢印で示すように、トレーラ100の前方FDおよび後方RDを定義する。前方FDおよび後方RDは、互いに反対の方向である。
【0017】
トレーラ100は、船舶Vが載置されるフレーム101を備えている。フレーム101には、前輪102および後輪103が設けられている。フレーム101の前方FDにおける端部には、トレーラ100を車両に連結するための連結部材104が設けられている。
【0018】
前輪102の近傍において、支柱105がフレーム101から上方に延出している。支柱105の先端には、支持部材106が設けられている。支持部材106には、ロック機構1が保持機構110を介して取り付けられている。
【0019】
船舶Vの船首近傍には、被係合部材Tが設けられている。被係合部材Tは、例えばU字型またはJ字型に屈曲したバーであるが、この例に限られない。ロック機構1は、被係合部材Tと係合可能である。
【0020】
船舶Vを運搬する際には、船舶Vをフレーム101の後方RDに配置し、船舶Vを前方FDに移動させてフレーム101に載せる。さらに、被係合部材Tをロック機構1に係合させる。船舶Vを降ろす際には、被係合部材Tとロック機構1の係合を解除し、船舶Vを後方RDに移動させる。
【0021】
フレーム101には、制御部CTが配置されている。図1の例においては制御部CTが支柱105の根本付近に配置されているが、制御部CTは他の位置に配置されてもよい。例えば、制御部CTは、防水性の箱体と、この箱体に収容された制御基板や電源ユニットなどの電子部品とを備えている。制御部CTは、無線通信ユニットやランプを備えてもよい。
【0022】
図2は、本実施形態に係るロック機構1および保持機構110の概略的な斜視図である。図3は、図2に示したロック機構1の概略的な分解斜視図である。以下の説明においては、互いに直交する第1方向X、第2方向Yおよび第3方向Zを定義する。また、第3方向Zと平行にロック機構1や保持機構110を見ることを平面視と呼ぶ。例えば、第1方向Xはトレーラ100の幅方向に相当し、第2方向Yはトレーラ100の長さ方向に相当し、第3方向Zはトレーラ100の高さ方向に相当する。
【0023】
図2に示すように、ロック機構1は、ベース2を備えている。ベース2は、第3方向Zに間隔を空けて平行に配置された第1ベースプレート21および第2ベースプレート22により構成されている。
【0024】
図3に示すように、第1ベースプレート21はノッチ210を有し、第2ベースプレート22はノッチ220を有している。ノッチ210は、第1ベースプレート21の第2方向Yにおける端辺21a(後方RD側の辺)からV字型に窪んでいる。ノッチ220は、第2ベースプレート22の第2方向Yにおける端辺22a(後方RD側の辺)からV字型に窪んでいる。ノッチ210,220は、例えば平面視における形状が同じである。ノッチ210,220には、被係合部材Tを挿入可能である。
【0025】
第1ベースプレート21は、第1方向Xにおける両側辺の近傍にそれぞれ形成された複数の雌ねじ211を有している。第2ベースプレート22は、各雌ねじ211に対応する位置に設けられた複数の貫通孔221を有している。さらに、第1ベースプレート21と第2ベースプレート22の間には、雌ねじ211および貫通孔221に対応する位置に円筒状のスペーサ23が配置されている。各貫通孔221およびスペーサ23にはボルト24が通され、このボルト24の先端が雌ねじ211にねじ込まれている。すなわち、第1ベースプレート21および第2ベースプレート22は、スペーサ23の高さに相当する隙間を空けてボルト24により固定されている。
【0026】
ロック機構1は、ラッチ部材3と、ロック部材4とをさらに備えている。ラッチ部材3およびロック部材4は、第1ベースプレート21と第2ベースプレート22の間に配置されている。
【0027】
ラッチ部材3は、第1ベースプレート21および第2ベースプレート22に対し、第1回転軸AX1を中心として回動可能に連結されている。ロック部材4は、第1ベースプレート21および第2ベースプレート22に対し、第2回転軸AX2を中心として回動可能に連結されている。
【0028】
ラッチ部材3は、第1回転軸AX1と重なる貫通孔30を有している。第1ベースプレート21は、第1回転軸AX1と重なる貫通孔212を有している。第2ベースプレート22は、第1回転軸AX1と重なる貫通孔222を有している。貫通孔30には、ラッチ部材3と第2ベースプレート22の間に介在するフランジを有した軸受50が挿入されている。軸受50には、シャフト51が挿入されている。シャフト51は、ラッチ部材3と第1ベースプレート21の間に配置されたワッシャ52にも挿入されている。
【0029】
シャフト51の一方の端部は第1ベースプレート21から図3中の下方に突出し、この端部の近傍に設けられた環状の溝に止め輪53が嵌められている。シャフト51の他方の端部は第2ベースプレート22から図3中の上方に突出し、この突出した端部の近傍に設けられた環状の溝に止め輪54が嵌められている(図2参照)。
【0030】
ロック部材4は、第2回転軸AX2と重なる貫通孔40を有している。第1ベースプレート21は、第2回転軸AX2と重なる貫通孔213を有している。第2ベースプレート22は、第2回転軸AX2と重なる貫通孔223を有している。貫通孔40には、ロック部材4と第2ベースプレート22の間に介在するフランジを有した軸受60が挿入されている。軸受60には、シャフト61が挿入されている。シャフト61は、ロック部材4と第1ベースプレート21の間に配置されたワッシャ62にも挿入されている。
【0031】
シャフト61の一方の端部は第1ベースプレート21から図3中の下方に突出し、この端部の近傍に設けられた環状の溝に止め輪63が嵌められている。シャフト61の他方の端部は第2ベースプレート22から図3中の上方に突出し、この突出した端部の近傍に設けられた環状の溝に止め輪64が嵌められている(図2参照)。
【0032】
ロック機構1は、ラッチ部材3を付勢する第1弾性体71と、ロック部材4を付勢する第2弾性体72とをさらに備えている。第1弾性体71および第2弾性体72は、第1ベースプレート21と第2ベースプレート22の間に配置されている。本実施形態において、第1弾性体71および第2弾性体72は、コイルばねである。この例に限られず、第1弾性体71および第2弾性体72としては、ねじりばね等の他種の弾性体を用いることもできる。
【0033】
第1ベースプレート21は、雌ねじ214,215を有している。雌ねじ214には、雄ねじが形成されたポスト73が捻じ込まれている。ポスト73の先端は第1ベースプレート21から図3中の下方に突出し、ナット75に捻じ込まれている。雌ねじ215には、雄ねじが形成されたポスト74が捻じ込まれている。ポスト74の先端は第1ベースプレート21から図3中の下方に突出し、ナット76に捻じ込まれている。第1弾性体71の一端はラッチ部材3に接続され、他端はポスト73に接続されている。第2弾性体72の一端はロック部材4に接続され、他端はポスト74に接続されている。
【0034】
ロック機構1は、ストッパ81,82,83と、プランジャ84,85と、センサ86とをさらに備えている。第1ベースプレート21は、ストッパ81,82,83と対応する位置にそれぞれ貫通孔216を有している。ストッパ81,82,83は、例えばこれら貫通孔216に嵌められたピンであり、第1ベースプレート21と第2ベースプレート22の間に突出している。
【0035】
第1ベースプレート21は、プランジャ84と対応する位置に雌ねじ217を有している。第2ベースプレート22は、プランジャ85と対応する位置に雌ねじ227を有している。プランジャ84には雄ねじが形成されており、雌ねじ217に捻じ込まれている。同様に、プランジャ85には雄ねじが形成されており、雌ねじ227に捻じ込まれている。
【0036】
プランジャ84,85は、例えばコイルばねにより付勢されたボール状の可動片を有するボールプランジャである。プランジャ84,85の可動片は、第1ベースプレート21と第2ベースプレート22の間に突出し、第3方向Zにおいて対向している。
【0037】
ロック部材4は、プランジャ84,85と係合可能な係合部41を有している。係合部41は、例えばロック部材4を貫通する貫通孔である。係合部41は、ロック部材4の第3方向Zにおける両面にそれぞれ形成された窪みや溝であってもよい。
【0038】
第1ベースプレート21は、センサ86に対応する位置に貫通孔218を有している。この貫通孔218とセンサ86に設けられた開口とにボルト87が挿入されている。ボルト87の先端は、第1ベースプレート21から図3中の下方に突出し、ナット88に捻じ込まれている。センサ86は、例えば接触子860を有するリミットスイッチである。
【0039】
図3に示すように、第1ベースプレート21は、第1方向Xにおける両側辺の近傍にそれぞれ形成された複数の貫通孔219を有している。これら貫通孔219は、ロック機構1と保持機構110の連結に用いられる。
【0040】
図2に示すように、保持機構110は、一対の第1ブラケット120A,120Bと、一対の第2ブラケット130A,130Bとを備えている。第1ブラケット120A,120Bは、第2方向Yおよび第3方向Zと平行な板状の取付部121,122と、取付部121,122を繋ぐ中間部123とをそれぞれ有している。取付部121は、複数の貫通孔121aを有している。図2の例においては、第1ブラケット120A,120Bの取付部121の間に上述の支持部材106が配置されている。さらに、各貫通孔121aにボルト124が挿入され、その先端がナット125に捻じ込まれている。これにより、支持部材106が第1ブラケット120A,120Bの取付部121の間に挟み込まれている。
【0041】
第2ブラケット130A,130Bは、第2方向Yおよび第3方向Zと平行な板状の取付部131と、第1方向Xおよび第2方向Yと平行な板状の取付部132とを有している。第2ブラケット130Aの取付部131は、複数の貫通孔131aを有している。いくつかの貫通孔131aにはボルト133が挿入されている。ボルト133は、第1ブラケット120Aの取付部122に設けられた貫通孔にも挿入され、その先端が図示せぬナットに捻じ込まれている。これにより、第1ブラケット120Aと第2ブラケット130Aとが連結されている。第1ブラケット120Bと第2ブラケット130Bも同様の構造により連結されている。
【0042】
第2ブラケット130A,130Bの取付部132は、複数の連結部材140により第1ベースプレート21と連結されている。連結部材140は、取付部132と第1ベースプレート21の間に位置する防振用の弾性体141と、弾性体141から図中の下方に延出する雄ねじ142とを有している。弾性体141は、例えばゴムにより形成されている。雄ねじ142は、取付部132に設けられた貫通孔に挿入され、その先端がナット143に捻じ込まれている。さらに、連結部材140は、図中の上方の端部に開口した雌ねじを有している。この雌ねじには、第1ベースプレート21の貫通孔219(図2参照)に挿入されたボルト144が捻じ込まれている。
【0043】
図4乃至図8は、ロック機構1の概略的な平面図である。これらの図においては、第2ベースプレート22やボルト24等の図示を省略している。ノッチ210は、第1ベースプレート21の端辺21aから底部210aに向けて第1方向Xにおける幅が漸次減少する形状を有している。ノッチ220は、ノッチ210と同様の形状を有している。
【0044】
ラッチ部材3は、第1回転軸AX1を中心として第1回転方向R1aおよび第2回転方向R2aに回転可能である。ロック部材4は、第2回転軸AX2を中心として第1回転方向R1bおよび第2回転方向R2bに回転可能である。第1回転方向R1a,R1bは、図4乃至図8における時計回りの方向である。第2回転方向R2a,R2bは、図4乃至図8における反時計回りの方向である。
【0045】
ラッチ部材3は、第1弾性体71の一端が引っ掛けられた接続孔31を有している。ロック部材4は、第2弾性体72の一端が引っ掛けられた接続孔42を有している。ラッチ部材3は、第1弾性体71により第1回転方向R1aに付勢されている。ロック部材4は、第2弾性体72により第2回転方向R2bに付勢されている。
【0046】
ラッチ部材3は、フック32と、作動アーム33と、凸部34とを有している。フック32は、第1回転軸AX1を中心とした半径方向に延びるとともに、先端が第2回転方向R2aに突出した形状を有している。作動アーム33は、第1回転軸AX1を中心とした半径方向に延びている。作動アーム33は、回転方向R1a,R2aにおいてフック32と対向している。フック32と作動アーム33の間には、被係合部材Tを収容可能な隙間Gが形成されている。本実施形態においては、隙間Gの中心線Cが第1回転軸AX1と重ならない。中心線Cは、第1回転軸AX1と接続孔31の間を通っている。
【0047】
凸部34は、第1回転軸AX1を中心とした半径方向に延びている。図4乃至図8の例において、凸部34の先端と第1回転軸AX1の間の距離は、作動アーム33の先端と第1回転軸AX1の間の距離よりも短い。第1弾性体71が接続される接続孔31は、第1回転方向R1aにおけるフック32の端部に設けられている。
【0048】
ラッチ部材3は、第1受け面35と、第1受け面35に隣接する第2受け面36とをさらに有している。第1受け面35は、第1回転方向R1aにおいてフック32と凸部34の間に位置している。第1受け面35は、回転方向R1a,R2aと交わる曲面である。第2受け面36は、第1回転方向R1aにおいてフック32と第1受け面35の間に位置している。例えば、第2受け面36は、第1回転軸AX1を曲率中心とした円弧状の曲面である。
【0049】
ロック部材4は、レバー43と、規制部44と、解除アーム45とを有している。レバー43は、直線状に延びる長尺な形状を有し、第1ベースプレート21の第2方向Yにおける端辺21b(前方FD側の辺)から突出している。また、レバー43は、端辺21bと重なる第2ベースプレート22の端辺22b(図2参照)から突出している。
【0050】
規制部44は、第2回転軸AX2を中心とした半径方向に延びている。図4乃至図8の例においては、規制部44の先端部44aが半円状に丸められている。解除アーム45は、回転方向R1b,R2bにおいて規制部44と間隔を空けて設けられている。第2弾性体72が接続される接続孔42は、レバー43に設けられている。
【0051】
ストッパ81は、回転方向R1a,R2aにおいて作動アーム33と凸部34の間に位置している。ストッパ82はレバー43の第2回転方向R2b側に位置し、ストッパ83はレバー43の第1回転方向R1b側に位置している。すなわち、レバー43は、回転方向R1b,R2bにおいてストッパ82,83の間に位置している。
【0052】
続いて、ロック機構1の一連の動作について説明する。
図4においては、第1弾性体71の付勢力により凸部34がストッパ81に押し当てられている。この状態においては、ラッチ部材3を第1回転方向R1aに回転させることができない。以下、このようなラッチ部材3の位置(姿勢)を係合解除位置と呼ぶ。
【0053】
係合解除位置において、フック32は、ノッチ210、220と第3方向Zにおいて重ならない。すなわち、フック32は、ノッチ210,220を閉塞していない。一方で、作動アーム33はノッチ210,220と重なり、ノッチ210,220の一部(第2方向Yにおける中間部)を閉塞している。
【0054】
ラッチ部材3が係合解除位置にあるとき、規制部44の先端部44aは、第2弾性体72の付勢力により第2受け面36に押し当てられる。これにより、ロック部材4の第2回転方向R2bへの回転が規制される。以下、このようなロック部材4の位置(姿勢)を待機位置と呼ぶ。ロック部材4が待機位置にあるとき、センサ86の接触子860はロック部材4と接触していない。また、プランジャ84,85は係合部41と係合していない。
【0055】
図4の状態において被係合部材Tをノッチ210の底部210aに向けて移動させると、被係合部材Tが作動アーム33に接触する。さらに被係合部材Tを移動させると、作動アーム33が被係合部材Tに押され、ラッチ部材3が第1弾性体71の付勢力に抗して第2回転方向R2aに回転する。この回転時には、第2受け面36が規制部44の先端部44aと摺動する。第2受け面36は第1回転軸AX1を曲率中心とした曲面であるため、ラッチ部材3の回転は規制部44により阻害されない。
【0056】
図5においては、被係合部材Tが底部210aの近傍まで押し込まれている。被係合部材Tは、隙間Gに位置している。さらに、ノッチ210,220の一部(第2方向Yにおける中間部)がフック32により閉塞されている。被係合部材Tは、フック32、作動アーム33およびノッチ210の壁面210bにより囲われている。以下、このようなラッチ部材3の位置(姿勢)を係合位置と呼ぶ。
【0057】
ラッチ部材3が係合解除位置から係合位置に回転すると、規制部44が第2受け面36を摺動し終える。このとき、レバー43とストッパ82が接触するまでロック部材4が第2弾性体72の付勢力により第2回転方向R2bに回転する。レバー43とストッパ82が接触した状態においては、規制部44の先端部44aが第1受け面35に当接する。以下、このようなロック部材4の位置(姿勢)をロック位置と呼ぶ。
【0058】
ロック部材4がロック位置にあるとき、第1受け面35が規制部44と接触しているために、係合解除位置に向けたラッチ部材3の回転が抑制される。そのため、ラッチ部材3が係合位置に維持され、被係合部材Tをノッチ210,220から引き出すことができない。
【0059】
なお、第1受け面35と規制部44の接触点においてラッチ部材3からロック部材4に作用する力は、第2回転軸AX2を中心とした半径方向と略平行である。そのため、ロック部材4を第1回転方向R1aに回転させる強い力が加わったとしても、ロック部材4を第1回転方向R1bに回転させるモーメントが生じない。上記接触点においてラッチ部材3からロック部材4に作用する力は、ロック部材4を第2回転方向R2bに回転させるモーメントを生じさせてもよい。この場合であってもロック部材4が第1回転方向R1bに回転しないし、レバー43がストッパ82と接触しているために第2回転方向R2bにも回転しない。
【0060】
ロック部材4がロック位置にあるとき、解除アーム45がセンサ86の接触子860に接触する。このとき、センサ86は、検知信号を制御部CT(図1参照)に出力する。制御部CTは、検知信号を受信したことに応じて、ロック部材4がロック位置にあることを報知する。例えば、制御部CTは、特定のランプを点灯させる。他の例として、制御部CTは、ロック部材4がロック位置にあることを表す信号を無線通信ユニットによりスマートフォンなどの電子機器に送信してもよい。
【0061】
ロック位置にあるロック部材4は、レバー43の操作により第1回転方向R1bに回転させることが可能である。図6においては、レバー43がストッパ83と接触する位置までロック部材4が回転している。以下、このようなロック部材4の位置(姿勢)をロック解除位置と呼ぶ。
【0062】
ロック解除位置においては、プランジャ84,85が係合部41と係合する。これにより、第2弾性体72の付勢力によるロック位置に向けたロック部材4の回転が規制される。さらに、ロック解除位置においては、規制部44と第1受け面35が離間する。凸部34は、回転方向R1a,R2aにおいて、規制部44と解除アーム45の間に位置している。
【0063】
ロック解除位置においては、接触子860と解除アーム45が離間する。このとき、センサ86は、制御部CTへの検知信号の出力を停止する。制御部CTは、例えばロック部材4がロック解除位置にあることを報知する。例えば、制御部CTは、ロック部材4がロック位置にあるときに点灯させていたランプを消灯させる。他の例として、制御部CTは、ロック部材4がロック解除位置にあることを表す信号を無線通信ユニットによりスマートフォンなどの電子機器に送信してもよい。
【0064】
図6の例においては、被係合部材Tが作動アーム33に接触している。これにより、ラッチ部材3が静止している。仮に被係合部材Tがアーム33に接触していない場合、ラッチ部材3は、凸部34が解除アーム45と接触するまで第1回転方向R1aに回転する。例えば、凸部34が解除アーム45と接触した状態においてはラッチ部材3が静止する。
【0065】
本実施形態においては、ロック位置からロック解除位置に向けてロック部材4を回転させる際に、規制部44がラッチ部材3と干渉しない。ロック部材4の他の部分もラッチ部材3と干渉しない。これにより、ラッチ部材3を実質的に回転させることなく、ロック部材4をロック位置からロック解除位置に回転させることが可能である。ここで、「ラッチ部材3を実質的に回転させることなく」とは、ラッチ部材3が全く回転しない場合だけでなく、第1受け面35と先端部44aの摺動によりラッチ部材3が数度程度のみ微小に回転する場合も含む。一例として、ラッチ部材3は、被係合部材Tと隙間Gの幅との差分に相当する微小な角度だけ回転してもよい。
【0066】
第1受け面35は、図5に示すようにラッチ部材3が係合位置にあるときに、第2回転軸AX2を曲率中心とした円弧状の曲面であることが好ましい。これにより、ロック部材4をロック解除位置に向けて円滑に回転させることができる。ただし、第1受け面35は、ロック部材4がロック位置にあるときに規制部44の先端部44aと接触し、かつロック解除位置に向けたロック部材4の回転を阻害しない形状であれば、他の形状であってもよい。
【0067】
図6の状態から図7に示すように被係合部材Tを後方RDに移動させると、被係合部材Tによりフック32が押される。これにより、ラッチ部材3が第1回転方向R1aに回転する。このとき、凸部34が解除アーム45を押し、プランジャ84,85と係合部41の係合が解除される。ロック部材4は、第2弾性体72の付勢力により第2回転方向R2bに回転する。図8に示すように規制部44の先端部44aが第2受け面36に接触すると、ロック部材4の回転が停止する。
【0068】
図8の状態からさらに被係合部材Tを後方RDに移動させると、ラッチ部材3およびロック部材4は図4に示す状態に戻る。すなわち、ラッチ部材3が係合解除位置まで回転し、フック32によるノッチ210,220の閉塞が解除される。このとき、被係合部材Tをノッチ210,220から引き出すことができる。ロック部材4は、規制部44が第2受け面36に接触した待機位置に戻る。
【0069】
以上説明したように、本実施形態に係るロック機構1においては、ロック部材4をロック位置からロック解除位置へと回転させる際に、ロック部材4がラッチ部材3と干渉しない。これにより、ラッチ部材3に加わる負荷によらず、ロック部材4によるロックを容易に解除することができる。
【0070】
仮に、ロック部材4をロック位置からロック解除位置へと回転させる際にロック部材4がラッチ部材3と干渉する場合、ロック部材4の回転に伴いラッチ部材3も第1回転方向R1aまたは第2回転方向R2aに回転する。このとき、被係合部材Tが連結された船舶Vも動くことになるため、レバー43を大きな力で操作する必要が生じる。船舶Vの重量が大きい場合には、レバー43の操作が困難となり得る。
【0071】
これに対し、本実施形態の構成であれば、船舶Vの重量が大きい場合であっても、レバー43を容易に操作することができる。また、ロック部材4をロック位置からロック解除位置に回転させる際に被係合部材Tは移動しないので、ロック解除後に任意のタイミングで船舶Vを移動させることができる。
【0072】
本実施形態においては、第1弾性体71がラッチ部材3を常に係合解除位置に向けて付勢している。したがって、ロック部材4によるロックが解除され、かつ被係合部材Tがノッチ210,220から引き出された状態においては、ラッチ部材3が係合解除位置にて待機する。これにより、次に被係合部材Tをロック機構1に連結する際に、ラッチ部材3を係合解除位置に回転させるなどの特段の準備が不要である。
【0073】
本実施形態においては、第2弾性体72がロック部材4を常にロック位置に向けて付勢している。したがって、被係合部材Tをノッチ210,220に押し込めば自動的にロック部材4がロック位置に回転する。これにより、ロック部材4をロック解除位置からロック位置に回転させるためのレバー43の操作が不要である。
【0074】
本実施形態においては、ラッチ部材3が係合位置から係合解除位置に向けて回転する際に凸部34が解除アーム45を押し、プランジャ84,85と係合部41の係合が解除される。これにより、ロック部材4を自動的に待機位置へと回転させることができる。
【0075】
以上のように、本実施形態によれば、操作性を大幅に改善したロック機構1を提供することができる。その他にも、本実施形態からは種々の好適な効果を得ることが可能である。
【0076】
[第2実施形態]
図9は、第2実施形態に係る船舶Vおよびトレーラ100の概略的な側面図である。本実施形態においては、船舶Vにロック機構1が設けられ、トレーラ100に被係合部材Tが設けられている。被係合部材Tは、例えば支持部材106に連結されている。ロック機構1は、例えば図2乃至図8に示した第2方向Yが前方FDと一致するように船舶Vに設けることが好ましい。
【0077】
ロック機構1は、船舶Vの船首近傍に配置されている。この場合において、レバー43は、船舶Vの船内側から操作可能であってもよい。また、レバー43にプッシュプルケーブルを接続し、当該プッシュプルケーブルを介してレバー43を操作可能であってもよい。
本実施形態の構成であっても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0078】
[第3実施形態]
図10は、第3実施形態に係るロック機構1の概略的な平面図である。この図に示すロック機構1において、ラッチ部材3は、第1実施形態と同じく、接続孔31と、フック32と、作動アーム33と、凸部34と、第1受け面35と、第2受け面36とを有している。また、ロック部材4は、第1実施形態と同じく、係合部41と、接続孔42と、レバー43と、規制部44と、解除アーム45とを有している。ラッチ部材3およびロック部材4の各部の役割は、第1実施形態と同様である。図10の例においては、隙間Gの中心線Cが第1回転軸AX1と重なる。また、第1弾性体71が第2弾性体72よりも大径のコイルばねである。
【0079】
図10においては、ラッチ部材3が係合位置にあり、被係合部材Tと係合している。また、ロック部材4がロック位置にあり、規制部44の先端部44aが第1受け面35に接触している。ロック部材4は、破線で示すロック解除位置に回転させることができる。第1実施形態と同じく、ロック位置からロック解除位置にロック部材4を回転させる際に、ラッチ部材3がロック部材4と干渉しない。ロック部材4がロック解除位置にあるとき、ラッチ部材3を係合解除位置に回転させることが可能である。
本実施形態の構成であっても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0080】
[第4実施形態]
図11は、第4実施形態に係るロック機構1の概略的な平面図である。この図に示すロック機構1において、ラッチ部材3は、第1実施形態と同じく、接続孔31と、フック32と、作動アーム33と、第1受け面35と、第2受け面36とを有している。また、ロック部材4は、第1実施形態と同じく、係合部41と、接続孔42と、レバー43と、規制部44とを有している。ラッチ部材3およびロック部材4の各部の役割は、第1実施形態と同様である。図11の例においては、隙間Gの中心線Cが第1回転軸AX1と重なる。また、第1弾性体71が第2弾性体72よりも大径のコイルばねである。
【0081】
図11においては、ラッチ部材3が係合位置にあり、被係合部材Tと係合している。また、ロック部材4がロック位置にあり、規制部44の先端部44aが第1受け面35に接触している。ロック部材4は、破線で示すロック解除位置に回転させることができる。第1実施形態と同じく、ロック位置からロック解除位置にロック部材4を回転させる際に、ラッチ部材3がロック部材4と干渉しない。ロック部材4がロック解除位置にあるとき、ラッチ部材3を係合解除位置に回転させることが可能である。
【0082】
ラッチ部材3は、第1回転軸AX1を中心とした半径方向において第2受け面36と対向する解除アーム37をさらに有している。ラッチ部材3が係合位置から係合解除位置に回転する際に、解除アーム37がロック解除位置にあるロック部材4の規制部44を押す。これにより、係合部41とプランジャ84,85の係合が解除され、ロック部材4が待機位置に向けて第2回転方向R2bに回転する。
本実施形態の構成であっても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0083】
第1乃至第4実施形態は、本発明の範囲をこれら実施形態にて開示した構成に限定するものではない。本発明は、各実施形態にて開示した構成を種々の態様に変形して実施することができる。
【0084】
例えば、ラッチ部材3およびロック部材4の形状は、各実施形態と同様の効果を奏するものであれば、各実施形態に例示したものに限られない。
【0085】
センサ86は、ロック解除位置にあるロック部材4を検知するものであってもよい。また、ロック機構1は、ロック部材4がロック位置にあることを検知するセンサと、ロック解除位置にあることを検知するセンサとを備えてもよい。
【符号の説明】
【0086】
1…ロック機構、2…ベース、3…ラッチ部材、4…ロック部材、32…フック、33…作動アーム、34…凸部、35…第1受け面、36…第2受け面、41…係合部、43…レバー、44…規制部、45…解除アーム、71…第1弾性体、72…第2弾性体、210,220…ノッチ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11