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特開2022-164055配信システム、サーバ装置、配信方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022164055
(43)【公開日】2022-10-27
(54)【発明の名称】配信システム、サーバ装置、配信方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 13/00 20060101AFI20221020BHJP
【FI】
G06F13/00 540P
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021069274
(22)【出願日】2021-04-15
(71)【出願人】
【識別番号】000110217
【氏名又は名称】トッパン・フォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100206999
【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 綾夏
(72)【発明者】
【氏名】三田 貴之
(72)【発明者】
【氏名】竹内 大佑
(72)【発明者】
【氏名】森野 昌
(72)【発明者】
【氏名】菊地 淳史
(72)【発明者】
【氏名】後藤 聡
(72)【発明者】
【氏名】緒方 俊哉
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 義輝
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 亮介
【テーマコード(参考)】
5B084
【Fターム(参考)】
5B084AA01
5B084AA11
5B084AA12
5B084AB12
5B084AB18
5B084AB21
5B084BA02
5B084BB15
5B084DC02
(57)【要約】
【課題】RCSに対応している携帯電話にはRCSで情報を通知し、RCSに対応していない携帯電話にはSMSで情報を通知する場合において、SMSで情報を通知する顧客に従来のSMSによる配信と同様な送信元表示番号を設定する。
【解決手段】RCSを利用したRCS通知をユーザ端末に送信するように要求するRCS配信要求部と、SMSを利用したSMS通知を前記ユーザ端末に送信するように要求するSMS配信要求部と、を有し、前記RCS配信要求部は、前記RCS通知の通知元となる得意先ごとに設定された少なくとも1つのアカウントの単位で前記RCS通知が送信されるように制御し、前記SMS配信要求部は、前記得意先により提供されるサービスごとに通知元を特定する配信元番号の単位で前記SMS通知が送信されるように制御する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配信要求部と、振分部と、配信部と、ユーザ端末とを備える配信システムであって、
前記配信要求部は、RCSを利用したRCS通知を前記ユーザ端末に送信するように要求するRCS配信要求部と、SMSを利用したSMS通知を前記ユーザ端末に送信するように要求するSMS配信要求部と、を有し、
前記振分部は、前記RCS配信要求部から取得した情報に基づいて前記RCS通知に係る情報を前記配信部に出力するRCS配信要求中継部と、前記SMS配信要求部から取得した情報に基づいて、前記SMS通知に係る情報を前記配信部に出力するSMS配信要求中継部と、を有し、
前記配信部は、前記ユーザ端末に前記RCS通知を送信するRCS配信部と、前記ユーザ端末に前記SMS通知を送信するSMS配信部と、を有し、
前記ユーザ端末は、前記RCS通知を受信して表示するRCS処理部と、前記SMS通知を受信して表示するSMS処理部と、の少なくともいずれか一方を有し、
前記RCS配信要求部は、前記RCS配信要求中継部を介して、又は、前記RCS配信要求中継部を介さずに、前記RCS通知に係る情報を前記RCS配信部に送信し、
前記SMS配信要求部は、前記SMS配信要求中継部を介して、又は、前記SMS配信要求中継部を介さずに、前記SMS通知に係る情報を前記SMS配信部に送信し、
前記RCS配信部は、前記RCS配信要求部による要求に応じて、前記ユーザ端末に前記RCS通知を送信し、
前記SMS配信部は、前記SMS配信要求部による要求に応じて、前記ユーザ端末に前記SMS通知を送信し、
前記RCS配信要求部は、前記RCS通知の通知元となる得意先ごとに設定された少なくとも1つのアカウントの単位で前記RCS通知が送信されるように制御し、
前記SMS配信要求部は、前記得意先により提供されるサービスごとに通知元を特定する配信元番号の単位で前記SMS通知が送信されるように制御する、
配信システム。
【請求項2】
前記ユーザ端末の前記SMS処理部は、前記配信元番号を表示する、
請求項1に記載の配信システム。
【請求項3】
前記配信要求部は、前記RCS通知に係る情報に基づいて前記ユーザ端末がRCSに対応しているか否かを判定するように要求するRCS送信可否判定要求部、を更に有し、
前記振分部は、前記RCS送信可否判定要求部から取得した情報を前記配信部に出力するRCS送信可否判定要求受付部、を更に有し、
前記配信部は、前記RCS通知に係る情報に基づいて前記ユーザ端末がRCSに対応しているか否かを判定するRCS送信可否判定部、を更に有し、
前記配信要求部は、前記ユーザ端末がRCSに対応していると判定された場合に前記RCS通知を行うように要求し、前記ユーザ端末がRCSに対応していないと判定された場合に前記SMS通知を行うように要求する、
請求項1又は請求項2に記載の配信システム。
【請求項4】
RCSを利用したRCS通知をユーザ端末に送信するように要求するRCS配信要求部と、
SMSを利用したSMS通知を前記ユーザ端末に送信するように要求するSMS配信要求部と、
を有し、
前記RCS配信要求部は、前記RCS通知の通知元となる得意先ごとに設定された少なくとも1つのアカウントの単位で前記RCS通知が送信されるように制御し、
前記SMS配信要求部は、前記得意先により提供されるサービスごとに通知元を特定する配信元番号の単位で前記SMS通知が送信されるように制御する、
サーバ装置。
【請求項5】
コンピュータにより実行される配信方法であって、
RCS配信要求部が、RCSを利用したRCS通知をユーザ端末に送信するように要求し、
SMS配信要求部が、SMSを利用したSMS通知を前記ユーザ端末に送信するように要求し、
前記RCS配信要求部は、前記RCS通知の通知元となる得意先ごとに設定された少なくとも1つのアカウントの単位で前記RCS通知が送信されるように制御し、
前記SMS配信要求部は、前記得意先により提供されるサービスごとに通知元を特定する配信元番号の単位で前記SMS通知が送信されるように制御する、
配信方法。
【請求項6】
コンピュータを、請求項4に記載のサーバ装置として動作させるためのプログラムであって、前記コンピュータを前記サーバ装置が備える各部として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配信システム、サーバ装置、配信方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
オンラインで情報を通知する電子通知サービスが提供されるようになった。このような電子通知サービスは、例えば、新製品などを紹介する情報を顧客に通知する通知手段として種々の企業に利用されている。特許文献1では、顧客に通知を行う際、顧客がすぐに見ることのできる確率が高いアドレスに情報を送信する技術が開示されている。
【0003】
このような電子通知サービスのうち、携帯電話番号を宛先とするメッセージサービスが広く普及している。携帯電話番号を宛先とすることにより、通知先の相手のメールアドレスが不明であっても、メッセージを送信することができ、利便性が高いためである。
【0004】
携帯電話番号を宛先とするメッセージサービスには、いくつかの通信プロトコルが存在している。例えば、RCS(Rich Communication Services)、及びSMS(Short Message Service)がある。RCSは、携帯電話用のインスタントメッセンジャーを端末レベルで実現するための規格である。RCSにおいては、通信キャリア間の相互接続を考慮した設計がなされ、異なる通信キャリア間であってもメッセージのやり取りが可能である。また、RCSでは、送信することができる情報量の上限が、SMSよりも大きく設定されている。したがって、SMSが限られた文字数のテキストのみの少ない容量の情報のみを送受信可能であるのに対し、RCSでは画像など大容量の情報が送受信可能である。このため、顧客に様々な情報を通知したい企業にとっては、RCSにより情報を配信したいという要望がある。
【0005】
しかし、携帯電話のほとんどにSMSがプリインストールされているのに対し、RCSはプリインストールされていない場合がある。また、インストールされていたとしても有効化されていない場合があった。このため、RCSに対応している携帯電話と、RCSに対応していない携帯電話とが混在し、顧客に対してRCSによる情報を送信するかSMSによる情報を送信するかを判断することが困難となる場合があった。
【0006】
この対策として、代替配信機能(フォールバック機能ともいう)が存在する。代替配信機能は、RCSに対応している携帯電話にはRCSで情報を通知し、RCSに対応していない携帯電話にはSMSで情報を通知する機能である。この代替配信機能は、例えば、携帯キャリア(携帯電話事業者)が保有する。この機能を利用することによって、RCSに対応していない携帯電話については、自動的にSMSを配信することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007-241732号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、代替配信機能によって送信されたSMSでは、公式アカウントごとに1つだけ設定された送信元表示番号(以下、第1番号という)が使用される。ここでの公式アカウントとは、通知元となる企業における、RCSの公式アカウントである。送信元表示番号は、SMSの通知元の電話番号として、通知先の携帯電話に表示される番号である。
【0009】
一方、従来のSMSによる配信では、企業における主管部署や対象業務で送信元表示番号を使い分けることが多い。例えば、顧客に新製品を紹介する広告をSMSで配信する場合には広告宣伝を担う部署の送信元表示番号(以下、第2番号という)にて情報が配信され、顧客に契約期限が近付いた旨をSMSで配信する場合には顧客担当を担う部署の送信元表示番号(以下、第3番号という)にて情報が配信される。
【0010】
すなわち、同じ企業からの通知であっても、従来のSMSによる配信では第2番号や第3番号で通知されるのに対し、代替配信機能を利用した場合には、第2番号や第3番号とは異なる第1番号で通知されてしまうことになる。したがって、代替配信機能を利用した場合、SMSにより情報を受信してきた顧客にとっては、今までとは違う、見知らぬ番号から情報が通知されることになる。このため、代替配信機能を利用してSMSで通知される情報が、今まで通知を受信してきた企業からの情報ではない、他者からの情報であると、誤った認識をされてしまう可能性があった。
【0011】
上述の課題を鑑み、本発明の目的は、RCSに対応している携帯電話にはRCSで情報を通知し、RCSに対応していない携帯電話にはSMSで情報を通知する場合において、SMSで情報を通知する顧客に従来のSMSによる配信と同様な送信元表示番号を設定することができる配信システム、サーバ装置、配信方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述の課題を解決するために、本発明の一態様に係る配信システムは、配信要求部と、振分部と、配信部と、ユーザ端末とを備える配信システムであって、前記配信要求部は、RCSを利用したRCS通知を前記ユーザ端末に送信するように要求するRCS配信要求部と、SMSを利用したSMS通知を前記ユーザ端末に送信するように要求するSMS配信要求部と、を有し、前記振分部は、前記RCS配信要求部から取得した情報に基づいて前記RCS通知に係る情報を前記配信部に出力するRCS配信要求中継部と、前記SMS配信要求部から取得した情報に基づいて、前記SMS通知に係る情報を前記配信部に出力するSMS配信要求中継部と、を有し、前記配信部は、前記ユーザ端末に前記RCS通知を送信するRCS配信部と、前記ユーザ端末に前記SMS通知を送信するSMS配信部と、を有し、前記ユーザ端末は、前記RCS通知を受信して表示するRCS処理部と、前記SMS通知を受信して表示するSMS処理部と、の少なくともいずれか一方を有し、前記RCS配信要求部は、前記RCS配信要求中継部を介して、又は、前記RCS配信要求中継部を介さずに、前記RCS通知に係る情報を前記RCS配信部に送信し、前記SMS配信要求部は、前記SMS配信要求中継部を介して、又は、前記SMS配信要求中継部を介さずに、前記SMS通知に係る情報を前記SMS配信部に送信し、前記RCS配信部は、前記RCS配信要求部による要求に応じて、前記ユーザ端末に前記RCS通知を送信し、前記SMS配信部は、前記SMS配信要求部による要求に応じて、前記ユーザ端末に前記SMS通知を送信し、前記RCS配信要求部は、前記RCS通知の通知元となる得意先ごとに設定された少なくとも1つのアカウントの単位で前記RCS通知が送信されるように制御し、前記SMS配信要求部は、前記得意先により提供されるサービスごとに通知元を特定する配信元番号の単位で前記SMS通知が送信されるように制御する。
【0013】
また、本発明は、上述の配信システムにおいて、前記ユーザ端末の前記SMS処理部は、前記配信元番号を表示する。
【0014】
また、本発明は、上述の配信システムにおいて、前記配信要求部は、前記RCS通知に係る情報に基づいて前記ユーザ端末がRCSに対応しているか否かを判定するように要求するRCS送信可否判定要求部、を更に有し、前記振分部は、前記RCS送信可否判定要求部から取得した情報を前記配信部に出力するRCS送信可否判定要求受付部、を更に有し、前記配信部は、前記RCS通知に係る情報に基づいて前記ユーザ端末がRCSに対応しているか否かを判定するRCS送信可否判定部、を更に有し、前記配信要求部は、前記ユーザ端末がRCSに対応していると判定された場合に前記RCS通知を行うように要求し、前記ユーザ端末がRCSに対応していないと判定された場合に前記SMS通知を行うように要求する。
【0015】
また、本発明の一態様に係るサーバ装置は、RCSを利用したRCS通知をユーザ端末に送信するように要求するRCS配信要求部と、SMSを利用したSMS通知を前記ユーザ端末に送信するように要求するSMS配信要求部と、を有し、前記RCS配信要求部は、前記RCS通知の通知元となる得意先ごとに設定された少なくとも1つのアカウントの単位で前記RCS通知が送信されるように制御し、前記SMS配信要求部は、前記得意先により提供されるサービスごとに通知元を特定する配信元番号の単位で前記SMS通知が送信されるように制御する。
【0016】
また、本発明の一態様に係る配信方法は、コンピュータにより実行される配信方法であって、RCS配信要求部が、RCSを利用したRCS通知をユーザ端末に送信するように要求し、SMS配信要求部が、SMSを利用したSMS通知を前記ユーザ端末に送信するように要求し、前記RCS配信要求部は、前記RCS通知の通知元となる得意先ごとに設定された少なくとも1つのアカウントの単位で前記RCS通知が送信されるように制御し、前記SMS配信要求部は、前記得意先により提供されるサービスごとに通知元を特定する配信元番号の単位で前記SMS通知が送信されるように制御する。
【0017】
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータを、上記に記載のサーバ装置として動作させるためのプログラムであって、前記コンピュータを前記サーバ装置が備える各部として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、RCSに対応している携帯電話にはRCSで情報を通知し、RCSに対応していない携帯電話にはSMSで情報を通知する場合において、SMSで情報を通知する顧客に従来のSMSによる配信と同様な送信元表示番号を設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施形態に係る配信システム1の構成例を示すブロック図である。
図2】実施形態に係る情報管理サーバ20の構成例を示すブロック図である。
図3】実施形態に係る携帯キャリアサーバ30の構成例を示すブロック図である。
図4】実施形態に係る配信依頼情報120の構成例を示す図である。
図5】実施形態に係る設定情報220の構成例を示す図である。
図6】実施形態に係る設定情報220の構成例を示す図である。
図7】実施形態に係るRCS送信可否確認結果情報320の構成例を示す図である。
図8】実施形態に係る生活者端末40の表示例を示す図である。
図9】実施形態に係る生活者端末40の表示例を示す図である。
図10】実施形態に係る配信システム1における処理の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、実施形態に係る配信システム1の構成例を示すブロック図である。図1に示すように、配信システム1は、例えば、企業サーバ10と、情報管理サーバ20と、携帯キャリアサーバ30と、生活者端末40とを備える。配信システム1の構成要素(企業サーバ10、情報管理サーバ20、携帯キャリアサーバ30、及び生活者端末40)は、通信ネットワークにより通信可能に接続されている。
【0021】
企業サーバ10は、情報管理サーバ20を介して顧客に情報を配信する企業の端末装置である。生活者端末40は、企業からの情報配信を受ける顧客の端末装置である。図1の例では、配信システム1に、1つの企業サーバ10、及び、1つの生活者端末40が設けられる場合を例示したが、これに限定されない。配信システム1において、複数の企業サーバ10が設けられ、複数の生活者端末40が設けられる構成であってよい。
【0022】
また、携帯キャリアサーバ30は、携帯キャリア(携帯電話事業者)の情報処理装置である。図1の例では、配信システム1に、1つの携帯キャリアサーバ30が設けられる場合を例示したが、これに限定されない。複数の携帯キャリアのそれぞれの携帯キャリアサーバ30が配信システム1に設けられる構成であってもよい。
【0023】
企業サーバ10は、例えば、サーバ装置、クラウド装置、PC(Personal Computer)、などのコンピュータ装置により実現される。企業サーバ10は、例えば、通信部11と、記憶部12と、制御部13とを備える。通信部11は、外部の装置と通信する。ここでの外部の装置とは、情報管理サーバ20、携帯キャリアサーバ30、及び生活者端末40である。なお、本実施形態では、企業サーバ10は、情報管理サーバ20とのみ通信する。
【0024】
記憶部12は、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、RAM(Random Access read/write Memory)、ROM(Read Only Memory)などの記憶媒体、あるいはこれらの組合せによって構成される。記憶部12は、企業サーバ10の各種処理を実行するためのプログラム、及び各種処理を行う際に利用される一時的なデータを記憶する。記憶部12は、例えば、配信依頼情報120を記憶する。
【0025】
ここで、配信依頼情報120について、図4を用いて説明する。図4は、実施形態に係る配信依頼情報120の構成例を示す図である。配信依頼情報120は、情報管理サーバ20に配信を依頼する際に用いられる情報である。図4に示すように、配信依頼情報120は、たとえば、配信条件、配信内容、及び複数の配信対象者(配信対象者1、配信対象者2、…)などの項目を備える。配信条件は、情報を配信する条件である。配信内容は、配信する情報の具体的な内容である。配信対象者は、情報を配信する通知先の顧客に関する情報であり、少なくともRCS通知又はSMS通知の宛先となる携帯電話番号が含まれる情報である。
【0026】
図4には、配信条件として、「RCS利用者にはRCSメッセージを配信し、RCS非利用者にはSMSメッセージを配信する」という条件が設定された場合の例が示されている。また、配信内容として、「TF銀行からのメッセージ…」で始まる文章が設定された場合の例が示されている。
【0027】
図1の説明に戻り、制御部13は、企業サーバ10がハードウェアとして備えるCPU(Central Processing Unit)にプログラムを実行させることによって実現される。制御部13は、企業サーバ10を統括的に制御する。制御部13は、例えば、配信依頼情報120を、通信部11を介して、情報管理サーバ20に送信する。
【0028】
情報管理サーバ20は、企業サーバ10からの要求に応じて、通知先の生活者端末40に情報を配信する制御を行うコンピュータ装置である。情報管理サーバ20は、例えば、クラウド装置、サーバ装置、PCなどにより実現される。情報管理サーバ20は、「サーバ装置」の一例である。
【0029】
情報管理サーバ20は、企業サーバ10からの要求に応じて、通知先の生活者端末40に、RCSを利用した通知(RCS通知)、又は、SMSを利用した通知(SMS通知)を行うように、携帯キャリアサーバ30に要求する。
【0030】
具体的に、情報管理サーバ20は、通知先の生活者端末40がRCSに対応している場合には、その生活者端末40にRCS通知を行うように、携帯キャリアサーバ30に要求する。
【0031】
また、情報管理サーバ20は、通知先の生活者端末40がRCSに対応していない場合には、その生活者端末40にSMS通知を行うように、携帯キャリアサーバ30に要求する。
【0032】
情報管理サーバ20は、通知先の生活者端末40がRCSに対応しているか否かは、任意の方法で判定してよい。例えば、情報管理サーバ20は、生活者端末40から申告された情報に基づいて生活者端末40がRCSに対応しているか否かを判定するようにしてもよい。
【0033】
また、情報管理サーバ20は、生活者端末40がRCSに対応しているか否かの判定を、携帯キャリアサーバ30に要求するようにしてもよい。この場合、携帯キャリアサーバ30は、携帯キャリアサーバ30の機能(後述するRCS送信可否確認部333の機能)を用いて、生活者端末40がRCSに対応しているか否かを判定し、その判定結果を、情報管理サーバ20に通知する。情報管理サーバ20は、携帯キャリアサーバ30から通知された判定結果に基づいて、生活者端末40がRCSに対応しているか否かを判定する。
【0034】
情報管理サーバ20は、生活者端末40にRCS通知を行う場合、通知元となる企業(得意先)ごとに設定された少なくとも1つの公式アカウント(アカウント)の単位で、RCS通知が生活者端末40に送信されるようにする。公式アカウントは、RCSメッセージサービスを提供する通信キャリア(携帯電話事業者)により設定されたRCSのアカウントである。RCS通知をした際に、通知先の生活者端末40に通知元を特定する情報として公式アカウントが表示される(図8の符号440参照)。
【0035】
ここで、情報管理サーバ20は、生活者端末40にSMS通知を行う場合、代替配信機能を利用しない。代替配信機能は、携帯キャリアサーバ30が保有する機能であり、RCSに対応している携帯電話にはRCSで情報を通知し、RCSに対応していない携帯電話にはSMSで情報を通知する機能である。代替配信機能によって送信されたSMS通知では、公式アカウントに対応して設定される送信元番号が使用される。このため、代替配信機能を利用したSMS通知では、通知先の生活者端末40に、代替配信機能を利用しない場合に表示される番号とは異なる送信元番号が表示されてしまうためである。
【0036】
具体的に、情報管理サーバ20は、生活者端末40にSMS通知を行う場合、企業(得意先)により提供される複数のサービスごとに設定された互いに異なる番号(配信元番号)の単位で、SMS通知が生活者端末40に送信されるようにする。SMS通知をした際に、通知先の生活者端末40に通知元を特定する番号として配信元番号が表示される(図9の符号440参照)。配信元番号は、例えば、電話番号である。
【0037】
携帯キャリアサーバ30は、生活者端末40に、RCS通知及びSMS通知を提供するコンピュータ装置である。携帯キャリアサーバ30は、例えば、クラウド装置、サーバ装置、PCなどにより実現される。携帯キャリアサーバ30は、情報管理サーバ20からの要求に応じて、通知先の生活者端末40に、RCS通知又はSMS通知を行う。
【0038】
具体的に、携帯キャリアサーバ30は、生活者端末40にRCS通知を行うように情報管理サーバ20から要求を受けた場合、その生活者端末40にRCS通知を行う。この場合において、携帯キャリアサーバ30は、情報管理サーバ20からの要求により指定された公式アカウントを通知元とするRCS通知を、その生活者端末40に送信する。
【0039】
また、携帯キャリアサーバ30は、生活者端末40にSMS通知を行うように情報管理サーバ20から要求を受けた場合、その生活者端末40にSMS通知を行う。この場合において、携帯キャリアサーバ30は、情報管理サーバ20からの要求により指定された番号(配信元番号)を通知元とするSMS通知を、その生活者端末40に送信する。
【0040】
また、携帯キャリアサーバ30は、生活者端末40がRCSに対応しているか否かを判定するように情報管理サーバ20から要求を受けた場合、その生活者端末40がRCSに対応しているか否かを判定する。携帯キャリアサーバ30は、生活者端末40がRCSに対応しているか否かを判定した判定結果を、情報管理サーバ20に通知する。
【0041】
生活者端末40は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話などのコンピュータ装置である。生活者端末40は、例えば、通信部41と、記憶部42と、制御部43と、表示部44とを備える。通信部41は、外部の装置と通信する。ここでの外部の装置とは、企業サーバ10、情報管理サーバ20、及び携帯キャリアサーバ30である。なお、本実施形態では、生活者端末40は、携帯キャリアサーバ30とのみ通信する。
【0042】
記憶部42は、HDD、フラッシュメモリ、EEPROM、RAM、ROMなどの記憶媒体、あるいはこれらの組合せによって構成される。記憶部42は、生活者端末40の各種処理を実行するためのプログラム、及び各種処理を行う際に利用される一時的なデータを記憶する。記憶部42は、例えば、RCSに係るアプリケーションプログラム(RCSアプリ)、及び、SMSに係るアプリケーションプログラム(SMSアプリ)が記憶される。なお、RCSアプリと、SMSアプリとが、同一のアプリケーションプログラムにより構成されていてもよい。
【0043】
制御部43は、生活者端末40がハードウェアとして備えるCPUにプログラムを実行させることによって実現される。制御部43は、生活者端末40を統括的に制御する。例えば、制御部43は、CPUに記憶部42が記憶するRCSアプリを実行させることによって、RCSに係る機能を実現する。ここでのRCSに係る機能とは、例えば、RCS通知を受信し、受信した情報に基づいて、RCS通知により通知されたメッセージを表示する機能である。この場合、制御部43は、「RCS処理部」の一例である。
【0044】
また、制御部43は、CPUに記憶部42が記憶するSMSアプリを実行させることによって、SMSに係る機能を実現する。ここでのSMSに係る機能とは、例えば、SMS通知を受信し、受信した情報に基づいて、SMS通知により通知されたメッセージを表示する機能である。この場合、制御部43は、「SMS処理部」の一例である。
【0045】
表示部44は、液晶ディスプレイなどの表示装置を含み、制御部43の制御に応じて、RCS通知により通知されたメッセージ、或いは、SMS通知により通知されたメッセージ等の画像を表示する。
【0046】
図2は、実施形態に係る情報管理サーバ20の構成例を示すブロック図である。情報管理サーバ20は、例えば、通信部21と、記憶部22と、制御部23とを備える。通信部21は、外部の装置と通信する。ここでの外部の装置とは、企業サーバ10、携帯キャリアサーバ30、及び生活者端末40である。
【0047】
記憶部22は、HDD、フラッシュメモリ、EEPROM、RAM、ROMなどの記憶媒体、あるいはこれらの組合せによって構成される。記憶部22は、情報管理サーバ20の各種処理を実行するためのプログラム、及び各種処理を行う際に利用される一時的なデータを記憶する。記憶部22は、例えば、設定情報220を記憶する。
【0048】
ここで、設定情報220について、図5及び図6を用いて説明する。図5及び図6は、実施形態に係る設定情報220の構成例を示す図である。設定情報220は、RCS通知、又は、SMS通知を行う場合において設定される情報である。図5には、RCS通知を行う場合において設定される情報(設定情報220A)の例が示されている。図6には、SMS通知を行う場合において設定される情報(設定情報220B)の例が示されている。
【0049】
図5に示すように、設定情報220Aは、たとえば、アカウントID、プロトコル、代替配信、送信元番号、及び複数の配信対象者(配信対象者1、配信対象者2、…)などの項目を備える。
【0050】
アカウントIDは、通知元となる企業サーバ10に対応する公式アカウントを示す情報であって、RCS通知を行う場合に通知元として通知先の生活者端末40に表示されるアカウントを示す情報である。プロトコルは、通知方式を示す情報であって、ここではRCS通知を行うかSMS通知を行うか示す情報である。
【0051】
代替配信は、プロトコルの項目で指定された通知方式に対応していない生活者端末40に対し、プロトコルの項目で指定された通知方式とは異なる方式で通知を行うか否かを示す情報である。ここでの代替配信は、プロトコルの項目でRCSが指定されている場合において、生活者端末40がRCSに対応していない場合にSMS通知を行うか否かを示す情報として用いられる。
【0052】
本実施形態では、代替配信機能を利用した場合に公式アカウント対応付けられた固定の発信元番号になってしまう事態を回避するために、代替配信の項目に、「代替配信をしない」旨を設定する。そして、RCSに対応していない携帯電話には、代替配信機能を利用せずに、SMS通知を行うようにする。これにより、通知先の生活者端末40に、代替配信機能を利用しない場合に表示される番号と、同等の送信元番号が表示されるようにする。
【0053】
具体的には、情報管理サーバ20は、携帯キャリアサーバ30にRCS送信可否確認を要求し、その結果に基づいてRCSに対応していない携帯電話を把握する。情報管理サーバ20は、RCSに対応していない携帯電話に対し、代替配信機能を利用せずにSMS通知を行う場合と同様の送信元番号が設定されたSMS通知を行うように、携帯キャリアサーバ30に要求する。これにより、通知先の生活者端末40に、代替配信機能を利用しない場合に表示される番号と、同等の送信元番号が表示される。
【0054】
送信元番号は、SMS通知を行う場合に通知元として通知先の生活者端末40に表示される番号(送信元番号)を示す情報である。配信対象者は、情報を配信する通知先に関する情報であり、少なくともRCS通知又はSMS通知の宛先となる携帯電話番号が含まれる情報である。なお、図5及び図6では省略しているが、設定情報220にはメッセージが含まれる。ここでのメッセージとは、生活者端末40に配信される具体的な配信内容であり、例えば、配信依頼情報120の配信内容に示された情報である。また、メッセージは、携帯キャリアサーバ30に保持されてもよい。
【0055】
図5には、アカウントIDに「A」が設定された例が示されている。また、通知先の生活者端末40にRCS通知を行うこと、及び、通知先の生活者端末40がRCSに対応していない場合、SMS通知を行わないことが示されている。
【0056】
図6に示すように、設定情報220Bは、たとえば、アカウントID、プロトコル、代替配信、送信元番号、及び複数の配信対象者(配信対象者1、配信対象者2、…)などの項目を備える。図6に示すこれらの項目は、図5に示す項目と同様であるためその説明を省略する。
【0057】
図6には、アカウントIDを「B」が設定された例が示されている。また、通知先の生活者端末40にSMS通知を行うこと、及び、SMS通知を行う場合の送信元番号として「0120-XXXX-XXXX」を設定することが示されている。
【0058】
図2の説明に戻り、制御部23は、情報管理サーバ20がハードウェアとして備えるCPUにプログラムを実行させることによって実現される。制御部23は、情報管理サーバ20を統括的に制御する。制御部23は、例えば、RCS送信可否確認要求部230と、RCS配信要求部231と、装置制御部233とを備える。RCS送信可否確認要求部230は「RCS送信可否判定要求部」の一例である。
【0059】
RCS送信可否確認要求部230は、生活者端末40がRCSに対応しているか否かの判定を、携帯キャリアサーバ30に要求する。RCS送信可否確認要求部230は、例えば、設定情報220の全部、又は一部(例えば、携帯電話番号)を携帯キャリアサーバ30に送信することによって、生活者端末40がRCSに対応しているか否かの判定を携帯キャリアサーバ30に要求する。RCS送信可否確認要求部230は、携帯キャリアサーバ30によって判定された生活者端末40がRCSに対応しているか否かの判定結果を取得する。
【0060】
RCS配信要求部231は、通知先の生活者端末40にRCS通知を行うように、携帯キャリアサーバ30に要求する。RCS配信要求部231は、例えば、RCS通知用の設定情報220(設定情報220A)を携帯キャリアサーバ30に送信することによって、生活者端末40にRCS通知を行うように、携帯キャリアサーバ30に要求する。
【0061】
SMS配信要求部232は、通知先の生活者端末40にSMS通知を行うように、携帯キャリアサーバ30に要求する。SMS配信要求部232は、例えば、SMS通知用の設定情報220(設定情報220B)を携帯キャリアサーバ30に送信することによって、生活者端末40にSMS通知を行うように、携帯キャリアサーバ30に要求する。
【0062】
図3は、実施形態に係る携帯キャリアサーバ30の構成例を示すブロック図である。携帯キャリアサーバ30は、例えば、通信部31と、記憶部32と、制御部33とを備える。通信部31は、外部の装置と通信する。ここでの外部の装置とは、企業サーバ10、情報管理サーバ20、及び生活者端末40である。
【0063】
記憶部32は、HDD、フラッシュメモリ、EEPROM、RAM、ROMなどの記憶媒体、あるいはこれらの組合せによって構成される。記憶部32は、携帯キャリアサーバ30の各種処理を実行するためのプログラム、及び各種処理を行う際に利用される一時的なデータを記憶する。記憶部32は、例えば、RCS送信可否確認結果情報320を記憶する。
【0064】
ここで、RCS送信可否確認結果情報320について、図7を用いて説明する。図7は、実施形態に係るRCS送信可否確認結果情報320の構成例を示す図である。RCS送信可否確認結果情報320は、例えば、複数の配信対象者(配信対象者1、配信対象者2、…)などの項目を備える。配信対象者は、情報を配信する通知先の生活者端末40がRCSに対応しているか否かを示す情報である。配信対象者には、携帯電話番号と、その番号の生活者端末40がRCSに対応しているか否かを示す情報が含まれる。
【0065】
図3の説明に戻り、制御部33は、携帯キャリアサーバ30がハードウェアとして備えるCPUにプログラムを実行させることによって実現される。制御部33は、携帯キャリアサーバ30を統括的に制御する。制御部33は、例えば、RCS送信可否確認要求受付部330と、RCS配信要求中継部331と、SMS配信要求中継部332と、RCS送信可否確認部333と、RCS配信部334と、SMS配信部335と、装置制御部336とを備える。RCS送信可否確認要求受付部330は、「RCS送信可否判定要求受付部」の一例である。RCS送信可否確認部333は、「RCS送信可否判定部」の一例である。
【0066】
ここで、RCS送信可否確認要求受付部330、RCS配信要求中継部331、及びSMS配信要求中継部332のそれぞれ(符号33A)は、「振分部」の一例である。また、RCS送信可否確認部333、RCS配信部334、及びSMS配信部335のそれぞれ(符号33B)は、「配信部」の一例である。
【0067】
なお、図3の例では、「振分部」と「配信部」とが、携帯キャリアサーバ30に設けられている場合を例示したが、これに限定されない。例えば、複数の携帯キャリアのうち、1つの携帯キャリアが「振分部」と「配信部」を備え、残りの携帯キャリアが「配信部」のみを備える構成であってもよい。また、情報管理サーバ20が「振分部」を備え、複数の携帯キャリアのそれぞれに設けられた「配信部」を利用して配信を行うようにしてもよい。
【0068】
RCS送信可否確認要求受付部330は、RCS送信可否確認要求部230からの要求を、通信部31を介して取得し、取得した情報をRCS送信可否確認部333に出力する。
【0069】
RCS配信要求中継部331は、RCS配信要求部231からの要求を、通信部31を介して取得し、取得した情報をRCS配信部334に出力する。
【0070】
SMS配信要求中継部332は、SMS配信要求部232からの要求を、通信部31を介して取得し、取得した情報をSMS配信部335に出力する。
【0071】
RCS送信可否確認部333は、RCS送信可否確認要求部230からの要求を、RCS送信可否確認要求受付部330から取得する。RCS送信可否確認部333は、取得した要求に応じて、生活者端末40がRCSに対応しているか否かを判定する。
【0072】
RCS送信可否確認部333が、生活者端末40がRCSに対応しているか否かを判定する方法は任意に決定されてよい。例えば、RCS送信可否確認部333は、生活者端末40の携帯電話番号にRCS通知に関する制御信号を通知する。この制御信号には、例えば、RCS通知を利用可能か応答するように要求する要求信号が含まれている。生活者端末40は、RCS通知に関する制御信号を受信すると、受信した制御信号に対して、RCSを利用可能か否か、携帯キャリアサーバ30に応答を返す。RCS送信可否確認部333は、生活者端末40からの応答に基づいて、生活者端末40がRCSに対応しているか否かを判定する。RCS送信可否確認部333は、判定結果を、情報管理サーバ20に通知する。
【0073】
RCS配信部334は、RCS配信要求部231からの要求を、RCS配信要求中継部331から取得する。RCS配信部334は、取得した要求に応じて、生活者端末40にRCS通知を行う。
【0074】
SMS配信部335は、SMS配信要求部232からの要求を、SMS配信要求中継部332から取得する。SMS配信部335は、取得した要求に応じて、生活者端末40にSMS通知を行う。
【0075】
なお、情報管理サーバ20からの要求(RCS通知又はSMS通知の要求)を、「配信部」が直接取得するようにしてもよい。例えば、携帯キャリアサーバ30が「振分部」を備えていない場合、或いは、情報管理サーバ20が、携帯キャリアサーバ30の「振分部」を利用しない場合、情報管理サーバ20は、RCS通知又はSMS通知の要求を、「振分部」を介さずに「配信部」に送信する。
【0076】
この場合、RCS配信部334は、RCS配信要求部231からの要求を、RCS配信要求中継部331を介することなく、直接取得する。RCS配信部334は、情報管理サーバ20から取得した要求に応じて、生活者端末40にRCS通知を行う。また、この場合、SMS配信部335が、SMS配信要求部232からの要求を、SMS配信要求中継部332を介することなく、直接取得する。SMS配信部335は、情報管理サーバ20から取得した要求に応じて、生活者端末40にSMS通知を行う。
【0077】
装置制御部336は、携帯キャリアサーバ30を統括的に制御する。装置制御部336は、例えば、通信部31が情報管理サーバ20から受信した設定情報220の内容を判定し、その情報がRCS送信可否確認を要求するものである場合には、その情報をRCS送信可否確認要求受付部330に出力する。
【0078】
装置制御部336は、通信部31が情報管理サーバ20から受信した設定情報220がRCS通知を要求するものである場合には、その情報をRCS配信要求中継部331に出力する。装置制御部336は、通信部31が情報管理サーバ20から受信した設定情報220がSMS通知を要求するものである場合には、その情報をSMS配信要求中継部332に出力する。
【0079】
装置制御部336は、通信部31が情報管理サーバ20から受信した設定情報220がRCS配信要求中継部331を介さずにRCS通知を要求するものである場合には、その情報をRCS配信部334に出力する。装置制御部336は、通信部31が情報管理サーバ20から受信した設定情報220がSMS配信要求中継部332を介さずにSMS通知を要求するものである場合には、その情報をSMS配信部335に出力する。
【0080】
図8は、実施形態に係る生活者端末40の表示例を示す図である。図8には、生活者端末40にRCS通知が行われた場合に、表示部44に表示される画像の例が示されている。図8の例に示すように、表示部44には、例えば、通知元を示す情報(符号440)、メッセージM1などが表示される。この図の例では、公式アカウントである「TF銀行」の文字列が通知元を示す情報として表示される例が示されている。また、「TF銀行からのメッセージ…」で始まる文字列が、顧客に通知されたメッセージとして表示される例が示されている。
【0081】
図9は、実施形態に係る生活者端末40の表示例を示す図である。図9には、生活者端末40にSMS通知が行われた場合に、表示部44に表示される画像の例が示されている。図9の例に示すように、表示部44には、例えば、通知元を示す情報(符号440)、メッセージM1などが表示される。この図の例では、配信元番号である「0120-XXXX-XXXX」の文字列が通知元を示す情報として表示される例が示されている。また、「TF銀行からのメッセージ…」で始まる文字列が、顧客に通知されたメッセージとして表示される例が示されている。
【0082】
図10は、実施形態に係る配信システム1における処理の流れを示すシーケンス図である。
【0083】
まず、企業サーバ10は、情報管理サーバ20に配信を依頼する(ステップS10)。企業サーバ10は、配信依頼情報120を情報管理サーバ20に送信することによって、情報管理サーバ20に配信を依頼する。
【0084】
情報管理サーバ20は、企業サーバ10からの依頼に応じて配信メッセージを組み立てる(ステップS11)。具体的に、情報管理サーバ20は、企業サーバ10から設定情報220を受信すると、受信した情報を用いて設定情報220Aを生成する。設定情報220Aは、通知先の生活者端末40にRCS通知を行う場合に設定される設定情報220である。情報管理サーバ20は、生成した設定情報220A(設定情報Aと記載)を、携帯キャリアサーバ30に送信する。
【0085】
これにより、情報管理サーバ20は、設定情報220Aに設定された内容に応じた要求を行う。例えば、図5の例に示した設定情報220Aを送信した場合、情報管理サーバ20は、設定情報220Aで通知した配信対象者の生活者端末40がRCSに対応しているか否かを判定するように要求している。そして、情報管理サーバ20は、RCSに対応している生活者端末40には設定情報220Aに基づく情報をRCS通知するように要求している。また、情報管理サーバ20は、RCSに対応していない生活者端末40には代替配信しないように要求している。また、情報管理サーバ20は、生活者端末40がRCSに対応しているか否かを判定した判定結果を通知するように要求している。
【0086】
携帯キャリアサーバ30は、情報管理サーバ20から受信した設定情報220Aに応じた処理を行う。例えば、図5の例に示した設定情報220Aを受信した場合、携帯キャリアサーバ30は、配信対象者の生活者端末40がRCSに対応しているか否かを判定する(ステップS12)。携帯キャリアサーバ30は、設定情報220Aで通知された配信対象者のそれぞれの生活者端末40に、RCS通知に係る制御信号を送信し、当該制御信号に対する応答をそれぞれの生活者端末40から受信する。携帯キャリアサーバ30は、それぞれの生活者端末40から受信した応答に基づいて、それぞれの生活者端末40がRCSに対応しているか否かを判定する。
【0087】
携帯キャリアサーバ30は、RCSに対応している生活者端末40にRCS通知を行う(ステップS13)。一方、携帯キャリアサーバ30は、RCSに対応していない生活者端末40にSMS通知を行わない。
【0088】
携帯キャリアサーバ30は、RCSに対応しているか否かを判定した判定結果を情報管理サーバ20に通知する(ステップS14)。ここでの判定結果は、設定情報220Aで通知された配信対象者のそれぞれの生活者端末40がRCSに対応しているか否かを判定した判定結果である。或いは、判定結果は、それぞれの生活者端末40のうちRCSに対応していない生活者端末40のみを通知する情報であってもよい。判定結果は、それぞれの生活者端末40のうちRCSに対応している生活者端末40のみを通知する情報であってもよい。なお、ステップS14において、情報管理サーバ20から判定結果を取りに行くようにしてもよい。この場合、例えば、情報管理サーバ20は、携帯キャリアサーバ30に対して問合せを行い、生活者端末40がRCSに対応しているか否かを判定した判定結果を取得する。
【0089】
情報管理サーバ20は、携帯キャリアサーバ30から受信した判定結果に基づいてログ収集を行う(ステップS15)。例えば、情報管理サーバ20は、携帯キャリアサーバ30から受信した判定結果を記憶部22に記憶させる。
【0090】
情報管理サーバ20は、携帯キャリアサーバ30から受信した判定結果に基づいて配信メッセージを組み立てる(ステップS16)。具体的に、情報管理サーバ20は、判定結果に基づいて、ステップS10で企業サーバ10から受信した設定情報220に示された配信対象者の生活者端末40から、RCSに対応していない端末を抽出する。情報管理サーバ20は、抽出した情報を用いて設定情報220Bを生成する。設定情報220Bは、通知先の生活者端末40にSMS通知を行う場合に設定される設定情報220である。情報管理サーバ20は、生成した設定情報220B(設定情報Bと記載)を、携帯キャリアサーバ30に送信する。
【0091】
これにより、情報管理サーバ20は、設定情報220Bに設定された内容に応じた要求を行う。例えば、図6の例に示した設定情報220Bを送信した場合、情報管理サーバ20は、設定情報220Bで通知した配信対象者の生活者端末40に、配信元番号に設定した番号を送信元とするSMS通知を行うように要求している。
【0092】
携帯キャリアサーバ30は、情報管理サーバ20から受信した設定情報220Bに応じた処理を行う。例えば、図6の例に示した設定情報220Bを受信した場合、携帯キャリアサーバ30は、配信対象者の生活者端末40に、配信元番号に設定された番号を送信元とするSMS通知を行う(ステップS17)。
【0093】
以上説明したように、実施形態に係る配信システム1は、情報管理サーバ20と、携帯キャリアサーバ30と、生活者端末40とを備える。情報管理サーバ20は、「配信要求部」の一例である。携帯キャリアサーバ30は、「振分部」の一例である。携帯キャリアサーバ30は「配信部」の一例である。生活者端末40は、「ユーザ端末」の一例である。
【0094】
情報管理サーバ20は、RCS配信要求部231と、SMS配信要求部232とを備える。RCS配信要求部231は、RCS通知を生活者端末40に送信するように要求する。SMS配信要求部232は、SMS通知を生活者端末40に送信するように要求する。
【0095】
携帯キャリアサーバ30は、RCS配信要求中継部331と、SMS配信要求中継部332と、RCS配信部334と、SMS配信部335とを備える。RCS配信要求中継部331は、RCS配信要求部231から取得した情報に基づいて生活者端末40に送信する情報をRCS配信部334に出力する。SMS配信要求中継部332は、SMS配信要求部232から取得した情報に基づいて生活者端末40に送信する情報をSMS配信部335に出力する。RCS配信部334は、生活者端末40にRCS通知を送信する。SMS配信部335は、生活者端末40にSMS通知を送信する。
【0096】
生活者端末40は、制御部43を備える。制御部43は、「RCSメッセージ処理部」の一例である。制御部43は、「SMS処理部」の一例である。制御部43は、RCS通知を受信して表示する。制御部43は、SMS通知を受信して表示する。
【0097】
RCS配信要求部231は、RCS配信要求中継部331を介して、又は、RCS配信要求中継部331を介さずに設定情報220A(要求に係る情報)をRCS配信部334に送信する。SMS配信要求部232は、SMS配信要求中継部332を介して、又は、SMS配信要求中継部332を介さずに設定情報220B(要求に係る情報)をSMS配信部335に送信する。RCS配信部334は、設定情報220A(RCS配信要求部231による要求)に応じて、生活者端末40にRCS通知を送信する。SMS配信部335は、設定情報220B(SMS配信要求部232による要求)に応じて、生活者端末40にSMS通知を送信する。
【0098】
RCS配信要求部231は、企業の公式アカウント(RCS通知の通知元となる得意先ごとに設定された少なくとも1つのアカウント)の単位で、RCS通知が送信されるよう制御する。SMS配信要求部232は、企業により提供されるサービスごとに設定された互いに異なる配信元番号の単位で、SMS通知が送信されるように制御する。
【0099】
これにより、実施形態に係る配信システム1は、RCSに対応している携帯電話にはRCSで情報を通知し、RCSに対応していない携帯電話にはSMSで情報を通知する場合において、SMSで情報を通知する顧客に従来のSMSによる配信と同様な送信元表示番号を設定することができる。
【0100】
また、実施形態に係る配信システム1では、生活者端末40の制御部43は、SMS通知を受信した場合、配信元番号を表示する。これにより、実施形態に係る配信システム1は、配信対象者に、SMS通知の通知元の番号を認識させることができる。したがって、配信対象者は、受け取ったSMS通知が、いつも通知を受けていた企業の特定の部署から通知されたものであることを確認することができる。
【0101】
また、実施形態に係る配信システム1では、情報管理サーバ20がRCS送信可否確認要求部230を備え、携帯キャリアサーバ30がRCS送信可否確認要求受付部330とRCS送信可否確認部333を備えるようにしてもよい。情報管理サーバ20は、生活者端末40がRCSに対応していないと判定された場合に、配信元番号を指定したSMS通知を行うように要求する。これにより、実施形態の配信システム1では、生活者端末40がRCSに対応しているか否かを確認することができる。
【0102】
以上、本発明の実施形態について説明した。なお、上述した実施形態における配信システム1、及び情報管理サーバ20の全部又は一部の機能をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【0103】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【符号の説明】
【0104】
1 配信システム
10 企業サーバ
20 情報管理サーバ(サーバ装置)
230 RCS送信可否確認要求部(配信要求部)
231 RCS配信要求部(配信要求部)
232 SMS配信要求部(配信要求部)
30 携帯キャリアサーバ
330 RCS送信可否確認要求受付部(振分部)
331 RCS配信要求中継部(振分部)
332 SMS配信要求中継部(振分部)
333 RCS送信可否確認部(配信部)
334 RCS配信部(配信部)
335 SMS配信部(配信部)
40 生活者端末(ユーザ端末)
43 制御部(RCS処理部)(SMS処理部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10