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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022164114
(43)【公開日】2022-10-27
(54)【発明の名称】表示システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 19/00 20110101AFI20221020BHJP
   G06F 3/0484 20220101ALI20221020BHJP
   G06F 3/16 20060101ALI20221020BHJP
【FI】
G06T19/00 600
G06F3/0484
G06F3/16 650
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021069398
(22)【出願日】2021-04-16
(71)【出願人】
【識別番号】515048065
【氏名又は名称】株式会社ネイン
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】山本 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】田添 拓弥
(72)【発明者】
【氏名】リュウ テツイ
(72)【発明者】
【氏名】寒河江 勇矢
(72)【発明者】
【氏名】陳 旻甫
【テーマコード(参考)】
5B050
5E555
【Fターム(参考)】
5B050AA10
5B050BA06
5B050BA09
5B050BA12
5B050CA01
5B050DA01
5B050EA07
5B050EA19
5B050EA26
5B050FA02
5E555AA24
5E555AA25
5E555AA27
5E555BA04
5E555BB04
5E555BC04
5E555BE17
5E555CA42
5E555CB64
5E555CB66
5E555CB76
5E555DA08
5E555DC09
5E555DC11
5E555DC13
5E555EA23
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】ユーザに変身する体験を提供する。
【解決手段】ウェアラブル表示デバイス1と、ウェアラブル表示デバイス1と通信可能な情報処理装置2と、を含む表示システムにおいて、情報処理装置2は、ウェアラブル表示デバイス1を装着したユーザの身体運動のパターンを取得する身体運動取得部210を備え、ウェアラブル表示デバイス1は、身体運動取得部210が取得した身体運動のパターンに対応するAR(Augmented Reality)オブジェクトをユーザの身体に重畳した画像を、ウェアラブル表示デバイス1を装着したユーザに提示する提示部13を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェアラブル表示デバイスと、前記ウェアラブル表示デバイスと通信可能な情報処理装置と、を含む表示システムであって、
前記情報処理装置は、
前記ウェアラブル表示デバイスを装着したユーザの身体運動のパターンを取得する身体運動取得部を備え、
前記ウェアラブル表示デバイスは、
前記身体運動取得部が取得した前記身体運動のパターンに対応するAR(Augmented Reality)オブジェクトを前記ユーザの身体に重畳した画像を、前記ウェアラブル表示デバイスを装着した前記ユーザに提示する提示部を備える、
表示システム。
【請求項2】
前記情報処理装置は、あらかじめ定められた複数の身体運動のパターンそれぞれに衣装のARオブジェクトを対応づけて記憶するARデータベースを参照して、前記身体運動取得部が取得した身体運動のパターンに対応するARオブジェクトを読み出すデータベース管理部をさらに備える、
請求項1に記載の表示システム。
【請求項3】
前記情報処理装置は、通信中のウェアラブル表示デバイスを特定するためのデバイス特定部をさらに備え、
前記データベース管理部は、前記ARオブジェクトと、当該ARオブジェクトの提示を許可するウェアラブル表示デバイスを特定するためのデバイス識別子とを対応づけて格納する許可データベースを参照して、前記身体運動取得部が取得した身体運動のパターンに対応するARオブジェクトであって前記デバイス特定部が特定したウェアラブル表示デバイスが提示することを許可されたARオブジェクトを読み出す、
請求項2に記載の表示システム。
【請求項4】
前記情報処理装置は、前記ウェアラブル表示デバイスを装着した前記ユーザの発話パターンを認識する音声認識部をさらに備え、
前記ARデータベースは、複数の発話パターンそれぞれに衣装のARオブジェクトを対応づけてさらに記憶しており、
前記データベース管理部は、前記音声認識部が認識した発話パターンに対応する前記ARオブジェクトを読み出す、
請求項2又は3に記載の表示システム。
【請求項5】
前記表示システムは、前記ウェアラブル表示デバイスと異なるデバイスであって前記ウェアラブル表示デバイスと通信可能な第2ウェアラブル表示デバイスをさらに含み、
前記第2ウェアラブル表示デバイスは、
前記第2ウェアラブル表示デバイスを装着した第2ユーザの視界に対応する画像を撮像する第2撮像部と、
前記第2撮像部が撮像した画像に含まれる前記ウェアラブル表示デバイスを装着した前記ユーザを検出する検出部と、
前記身体運動のパターンに対応するARオブジェクトを前記ユーザの身体に重畳した画像を前記第2ユーザに提示する第2提示部と、を備える、
請求項1から4のいずれか1項に記載の表示システム。
【請求項6】
前記ウェアラブル表示デバイスの前記提示部は、所定の停止条件を満たすまでの間、前記ARオブジェクトを前記ユーザの身体に重畳した画像を前記ユーザに継続して提示する、
請求項1から5のいずれか1項に記載の表示システム。
【請求項7】
コンピュータに、
ウェアラブル表示デバイスを装着したユーザを撮像した画像を解析して前記ユーザの身体運動のパターンを取得する機能と、
あらかじめ定められた複数の身体運動のパターンそれぞれに衣装のARオブジェクトを対応づけて記憶するARデータベースを参照して、取得した前記身体運動のパターンに対応するARオブジェクトを読み出す機能と、
読み出した前記ARオブジェクトを特定するための識別子を前記ウェアラブル表示デバイスに送信する機能と、
を実現させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示システム及び表示システムで用いられるプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、計算機の演算能力及び通信ネットワークが急速に発展し、人々の生活の中に種々の音声処理技術やAR(Augmented Reality)技術が取り入れられるようになってきている。例えば、特許文献1には、音声変換技術を用いてユーザの発話をユーザが設定したキャラクタの音声に変換したり、AR技術を用いてユーザの撮像画像をユーザが設定したキャラクタで重畳表示したりすることにより、ユーザがキャラクタになりきる体験を提供するための技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-39370号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の技術では、ユーザの発話やユーザが被写体の撮像画像をそのユーザが設定したキャラクタの発話や外観に変換する技術であり、システムを起動すればユーザはキャラクタになりきる体験ができる。しかしながら、スーパーヒーローや変身ヒロインといったキャラクタは、通常の姿から特別なスタイルに変身することが一つの大きな特徴であり、この変身という特別な瞬間を提供しているものではない。
【0005】
本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、AR技術を用いてユーザに変身する体験を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様は、ウェアラブル表示デバイスと、前記ウェアラブル表示デバイスと通信可能な情報処理装置と、を含む表示システムである。このシステムにおいて、前記情報処理装置は、前記ウェアラブル表示デバイスを装着したユーザの身体運動のパターンを取得する身体運動取得部を備える。また、前記ウェアラブル表示デバイスは、前記身体運動取得部が取得した前記身体運動のパターンに対応するARオブジェクトを前記ユーザの身体に重畳した画像を、前記ウェアラブル表示デバイスを装着した前記ユーザに提示する提示部を備える。
【0007】
前記表示システムにおいて、前記情報処理装置は、あらかじめ定められた複数の身体運動のパターンそれぞれに衣装のARオブジェクトを対応づけて記憶するARデータベースを参照して、前記身体運動取得部が取得した身体運動のパターンに対応するARオブジェクトを読み出すデータベース管理部をさらに備えてもよい。
【0008】
前記表示システムにおいて、前記情報処理装置は、通信中のウェアラブル表示デバイスを特定するためのデバイス特定部をさらに備えてもよく、前記データベース管理部は、前記ARオブジェクトと、当該ARオブジェクトの提示を許可するウェアラブル表示デバイスを特定するためのデバイス識別子とを対応づけて格納する許可データベースを参照して、前記身体運動取得部が取得した身体運動のパターンに対応するARオブジェクトであって前記デバイス特定部が特定したウェアラブル表示デバイスが提示することを許可されたARオブジェクトを読み出してもよい。
【0009】
前記表示システムにおいて、前記情報処理装置は、前記ウェアラブル表示デバイスを装着した前記ユーザの発話パターンを認識する音声認識部をさらに備えてもよく、前記ARデータベースは、複数の発話パターンそれぞれに衣装のARオブジェクトを対応づけてさらに記憶していてもよく、前記データベース管理部は、前記音声認識部が認識した発話パターンに対応する前記ARオブジェクトを読み出してもよい。
【0010】
前記表示システムは、前記ウェアラブル表示デバイスと異なるデバイスであって前記ウェアラブル表示デバイスと通信可能な第2ウェアラブル表示デバイスをさらに含んでもよく、前記第2ウェアラブル表示デバイスは、前記第2ウェアラブル表示デバイスを装着した第2ユーザの視界に対応する画像を撮像する第2撮像部と、前記第2撮像部が撮像した画像に含まれる前記ウェアラブル表示デバイスを装着した前記ユーザを検出する検出部と、前記身体運動のパターンに対応するARオブジェクトを前記ユーザの身体に重畳した画像を前記第2ユーザに提示する第2提示部と、を備えてもよい。
【0011】
前記ウェアラブル表示デバイスの前記提示部は、所定の停止条件を満たすまでの間、前記ARオブジェクトを前記ユーザの身体に重畳した画像を前記ユーザに継続して提示してもよい。
【0012】
本発明の第2の態様は、プログラムである。このプログラムは、コンピュータに、ウェアラブル表示デバイスを装着したユーザを撮像した画像を解析して前記ユーザの身体運動のパターンを取得する機能と、あらかじめ定められた複数の身体運動のパターンそれぞれに衣装のARオブジェクトを対応づけて記憶するARデータベースを参照して、取得した前記身体運動のパターンに対応するARオブジェクトを読み出す機能と、読み出した前記ARオブジェクトを特定するための識別子を前記ウェアラブル表示デバイスに送信する機能と、を実現させる。
【0013】
このプログラムを提供するため、あるいはプログラムの一部をアップデートするために、このプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体が提供されてもよく、また、このプログラムが通信回線で伝送されてもよい。
【0014】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせ、本発明の表現を方法、装置、システム、コンピュータプログラム、データ構造、記録媒体などの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ユーザに変身する体験を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施の形態に係る表示システムの概要を説明するための図である。
図2】実施の形態に係る表示システムで行われる処理の順序を模式的に示す図である。
図3】実施の形態に係るウェアラブル表示デバイスの機能構成及び情報処理装置の機能構成を模式的に示す図である。
図4】実施の形態に係るARデータベースのデータ構造を模式的に示す図である。
図5】実施の形態に係る許可データベースのデータ構造を模式的に示す図である。
図6】実施の形態に係る表示システムで実行される表示処理の流れを説明するためのシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<実施の形態の概要>
図1は、実施の形態に係る表示システムSの概要を説明するための図である。以下、図1を参照して実施の形態に係る表示システムSの概要を述べる。
【0018】
実施の形態に係る表示システムSは、ウェアラブル表示デバイス1、情報処理装置2、及び撮像端末3を含む。ウェアラブル表示デバイス1は、例えばARグラスやスマートグラス、又はカメラで外部の様子を撮影して提示可能な遮蔽型のHMD(Head Mounted Display)であり、ウェアラブル表示デバイス1を装着している第1ユーザUaに対してARオブジェクトを提示することができる。撮像端末3は、撮像部を備える機器であり、例えばスマートホンやタブレットPC(Personal Computer)、又はウェアラブル表示デバイス1と同様のウェアラブル表示デバイスであってもよく、また設置位置が固定された固定カメラであってもよい。情報処理装置2は、クラウドサーバやブレードサーバ等の計算機器であり、インターネット等のネットワークNを介してウェアラブル表示デバイス1及び撮像端末3と通信可能な態様で接続している。
【0019】
実施の形態に係る表示システムSにおいて、ウェアラブル表示デバイス1と撮像端末3とは、例えば既知の近距離無線通信技術を用いてあらかじめペアリングされている。まず、ウェアラブル表示デバイス1は、ウェアラブル表示デバイス1を特定するためのデバイス識別子を情報処理装置2に送信する。撮像端末3を所持する第2ユーザUbは、ウェアラブル表示デバイス1を装着している状態の第1ユーザUaを撮像端末3で撮像する。このとき、第1ユーザUaは、あらかじめ定められた所定の身体運動を行う。ここで「所定の身体運動」とは、ウェアラブル表示デバイ1がARオブジェクトを提示する契機として定められた動作であり、例えば、所定のポーズや定められた一連の動作である。
【0020】
図1に示す例では、第1ユーザUaはTシャツを着てジーンズをはいた女の子であり、鏡台4の前で左手を左肩に当てるとともに右腕は体の右側方で右手を地面に向けたポーズを取っている。これはあらかじめ定められた所定の身体運動の一例であり、実施の形態に係る表示システムSにおいては、ドレスを着てティアラを付けた女性に変身するポーズとして定められている。
【0021】
撮像端末3は第1ユーザUaを撮像し、第1ユーザUaのポーズを解析する。撮像端末3は、解析した結果をネットワークNを介して情報処理装置2に送信する。情報処理装置2は、撮像端末3から受信した結果に基づいて、第1ユーザUaのポーズに対応するARオブジェクトを特定するための情報であるオブジェクト識別子又はそれに加えてARオブジェクト自体をウェアラブル表示デバイス1及び撮像端末3に送信する。
【0022】
この結果、図1に示すように、撮像端末3の表示部には、ドレスのARオブジェクトOが第1ユーザUaに重畳されて表示される。これは、撮像端末3が、オブジェクト識別子に対応するARオブジェクトを記憶部から読み出し、既知の人物認識技術を用いて第1ユーザUaの身体にARオブジェクトを重畳して表示部に表示させることで実現できる。
【0023】
ウェアラブル表示デバイス1は撮像部(図1には不図示)を備えており、ウェアラブル表示デバイス1を装着している第1ユーザUaの身体の少なくとも一部を撮像する。ウェアラブル表示デバイス1は、既知の認識技術を用いて撮像部が撮像した身体の一部に対応するARオブジェクトを重畳して第1ユーザUaに提示する。これにより、第1ユーザUaは、自身が取ったポーズに対応する衣装に着替えたかのような変身体験をすることができる。
【0024】
図2(a)-(d)は、実施の形態に係る表示システムSで行われる処理の順序を模式的に示す図である。図2(a)に示すように、撮像端末3はウェアラブル表示デバイス1を装着して特定の身体運動のパターンを取っている第1ユーザUaを撮像する。撮像端末3は、既知の姿勢認識技術を用いて、第1ユーザUaの姿勢を推定する。図2(b)は、撮像端末3の姿勢認識の結果として推定された第1ユーザUaの骨格モデルMを模式的に示す図である。図2(b)に示すように、第1ユーザUaの頭部や両肩、両肘、両手首、足部等の相対的な位置が推定されている。
【0025】
図2(c)は、撮像端末3が推定した姿勢認識の結果に対応するARオブジェクトを示す図である。情報処理装置2は、撮像端末3から姿勢認識の結果を受け取り、既知のパターンマッチング技術によって第1ユーザUaの身体運動のパターンにマッチするARオブジェクトのオブジェクト識別子を特定する。
【0026】
図2(d)は、撮像端末3が特定したオブジェクト識別子に対応するARオブジェクトと第1ユーザUaの撮像画像に重畳した様子を示す図である。ARオブジェクトは3次元モデルであり、ウェアラブル表示デバイス1及び撮像端末3はARオブジェクトを拡大したり、縮小したり、回転したりして表示することができる。これにより、ウェアラブル表示デバイス1及び撮像端末3は、第1ユーザUaの身体又はその一部が撮像されている画像にARオブジェクトを重畳して提示することができる。
【0027】
なお、図1に示すように、ウェアラブル表示デバイス1及び撮像端末3は既知の人物認識技術を用いることで、鏡台4に写っている第1ユーザUaの像に対してもARオブジェクトを重畳させる。これにより、第1ユーザUaは、ウェアラブル表示デバイス1を通して鏡越しに自身の姿を見ることにより、全身が変身している様子を観察することができる。
【0028】
このように、ウェアラブル表示デバイス1を備える第1ユーザUaの身体運動のパターンに応じて異なるARオブジェクトを重畳した状態の姿をウェアラブル表示デバイス1及び撮像端末3を介して第1ユーザUaに提示することにより、実施の形態に係る表示システムSは、第1ユーザUaに変身する体験を提供することができる。
【0029】
<実施の形態に係るウェアラブル表示デバイス1の機能構成>
図3は、実施の形態に係るウェアラブル表示デバイス1の機能構成及び情報処理装置2の機能構成を模式的に示す図である。ウェアラブル表示デバイス1は、記憶部10、制御部11、通信部12、提示部13、及び撮像部14を備える。また、情報処理装置2は、記憶部20と制御部21と通信部22とを備える。
【0030】
図3において、矢印は主なデータの流れを示しており、図3に示していないデータの流れがあってもよい。図3において、各機能ブロックはハードウェア(装置)単位の構成ではなく、機能単位の構成を示している。そのため、図3に示す機能ブロックは単一の装置内に実装されてもよく、あるいは複数の装置内に分かれて実装されてもよい。機能ブロック間のデータの授受は、データバス、ネットワーク、可搬記憶媒体等、任意の手段を介して行われてもよい。
【0031】
記憶部10は、ウェアラブル表示デバイス1を実現するコンピュータのBIOS(Basic Input Output System)等を格納するROM(Read Only Memory)やウェアラブル表示デバイス1の作業領域となるRAM(Random Access Memory)、OS(Operating System)やアプリケーションプログラム、ウェアラブル表示デバイス1を特定するためのデバイス識別子を含む当該アプリケーションプログラムの実行時に参照される種々の情報を格納するHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の大容量記憶装置である。
【0032】
制御部11は、ウェアラブル表示デバイス1のCPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサであり、ウェアラブル表示デバイス1に記憶されたプログラムを実行することによって検出部110として機能する。
【0033】
通信部12は、ウェアラブル表示デバイス1がネットワークNを介して情報処理装置2や撮像端末3等の外部の機器との間で情報をやり取りするための通信インタフェースであり、既知の通信モジュールを用いて実現されている。以下、制御部11が外部の機器と情報をやり取りする場合には通信部12を仲介することを前提として通信部12の記載は省略する。
【0034】
提示部13は、例えば既知の網膜投写型のディスプレイで実現されており、映像を第1ユーザUaに提示する。撮像部14は、例えば既知のCCD(Charge Coupled Device)撮像素子やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)撮像素子等の既知の固体撮像素子で実現されており、ウェアラブル表示デバイス1を装着した第1ユーザUaの視線方向にある物を被写体とする画像を撮像する。
【0035】
記憶部20は、情報処理装置2を実現するコンピュータのBIOS等を格納するROMやウェアラブル表示デバイス1の作業領域となるRAM、OSやアプリケーションプログラム、当該アプリケーションプログラムの実行時に参照される種々の情報を格納するHDDやSSD等の大容量記憶装置である。
【0036】
制御部21は、情報処理装置2のCPUやGPU等のプロセッサであり、情報処理装置2に記憶されたプログラムを実行することによって身体運動取得部210、データベース管理部211、デバイス特定部212、及び音声認識部213として機能する。
【0037】
通信部22は、情報処理装置2がネットワークNを介してウェアラブル表示デバイス1や撮像端末3等の外部の機器との間で情報をやり取りするための通信インタフェースであり、既知の通信モジュールを用いて実現されている。以下、制御部21の各部が外部の機器と情報をやり取りする場合には通信部22を仲介することを前提として通信部22の記載は省略する。
【0038】
なお、図3は、情報処理装置2が単一の装置で構成されている場合の例を示している。しかしながら、情報処理装置2は、例えばクラウドコンピューティングシステムのように複数のプロセッサやメモリ等の計算リソースによって実現されてもよい。この場合、制御部21を構成する各部は、複数の異なるプロセッサの中の少なくともいずれかのプロセッサがプログラムを実行することによって実現される。
【0039】
身体運動取得部210は、ウェアラブル表示デバイス1を装着した第1ユーザUaの身体運動のパターンを取得する。具体的には、身体運動取得部210は、ウェアラブル表示デバイス1を装着した第1ユーザUaを撮像して第1ユーザUaの姿勢を推定した撮像端末3から姿勢認識の結果を受信することにより、第1ユーザUaの身体運動のパターンを取得する。
【0040】
データベース管理部211は、ARデータベースを参照して、身体運動取得部210が取得した身体運動のパターンに対応するARオブジェクトを読み出す。ここで、ARデータベースは、あらかじめ定められた複数の身体運動のパターンそれぞれに衣装のARオブジェクトを対応づけて記憶しているデータベースである。
【0041】
図4は、実施の形態に係るARデータベースDaのデータ構造を模式的に示す図である。ARデータベースDaは、一例として情報処理装置2の記憶部20に格納されており、データベース管理部211によって管理されている。また、データベース管理部211が管理するARデータベースDaをマスターデータベースとして、ウェアラブル表示デバイス1及び撮像端末3がその複製を保持していてもよい。
【0042】
図4に示すように、ARデータベースDaは、複数の異なる身体運動のパターンそれぞれに、衣装のARオブジェクトOを対応づけて格納するとともに、ARオブジェクトOを一意に特定するためのオブジェクト識別子を各ARオブジェクトOに割り当てて記憶している。
【0043】
図4において、オブジェクト識別子がOID00001のARオブジェクトOは変身ヒーローの衣装のARオブジェクトOである。また、ARオブジェクトOに対応づけられた身体運動のパターンは、仁王立ちして両手で拳を作るとともに、左拳を右胸の前、右の拳を右肩の下あたりに配置するパターンである。また、オブジェクト識別子がOID00002のARオブジェクトOは、図1に示したドレスのARオブジェクトOである。図4に示すようにARデータベースDaは発話パターンを格納するフィールドと停止条件を格納するフィールドとを含むが、これらの発話パターン及び停止条件については後述する。
【0044】
図3の説明に戻る。身体運動取得部210は、データベース管理部211が取得したARオブジェクトOをウェアラブル表示デバイス1に送信する。なお、ウェアラブル表示デバイス1がARデータベースDaの複製を保持している場合には、身体運動取得部210は、ARオブジェクトOを送信することに替えて、取得したARオブジェクトOに対応するオブジェクト識別子をウェアラブル表示デバイス1に送信してもよい。
【0045】
第1ユーザUaを装着したウェアラブル表示デバイス1の検出部110は、既知の人物認識技術を用いて、撮像部14が撮像した撮像画像に含まれる第1ユーザUaの身体を検出する。ウェアラブル表示デバイス1の提示部13は、情報処理装置2の身体運動取得部210が取得したARオブジェクトOを、検出部110が検出した第1ユーザUaの身体に重畳した画像を第1ユーザUaに提示する。これにより、情報処理装置2及びウェアラブル表示デバイス1は、第1ユーザUaに変身する体験を提供することができる。
【0046】
ARデータベースDaに格納されているARオブジェクトOはデータベース管理部211によって管理されているが、情報処理装置2の管理者は、第1ユーザUaにARオブジェクトOを提供するための条件を課してもよい。例えば、情報処理装置2の管理者は、特定のARオブジェクトOの利用を許可した第1ユーザUaにのみ、そのARオブジェクトOの利用を許可し、他の第1ユーザUaの利用は禁止するようにしてもよい。これを実現するために、情報処理装置2は、情報処理装置2と通信中のウェアラブル表示デバイス1を特定するためのデバイス特定部212をさらに備えている。
【0047】
さらに、記憶部10は、ARオブジェクトOと、そのARオブジェクトOの提示を許可するウェアラブル表示デバイス1を特定するためのデバイス識別子とを対応づけて格納する許可データベースDlも保持している。
【0048】
図5は、実施の形態に係る許可データベースDlのデータ構造を模式的に示す図である。許可データベースDlは、一例として情報処理装置2の記憶部20に格納されており、データベース管理部211によって管理されている。図5に示すように、許可データベースDlは、複数のデバイス識別子それぞれについて、各デバイス識別子で特定されるウェアラブル表示デバイス1に提示を許可するARオブジェクトOのオブジェクト識別子を対応づけて格納している。図5に示す許可データベースDlでは、例えば、デバイス識別子がDID0001のウェアラブル表示デバイス1は、オブジェクト識別子がOID0001及びOID0123で特定される少なくとも2つのAR対応づけクトOを提示することが許可されている。
【0049】
図3の説明に戻り、データベース管理部211は、許可データベースDlを参照して、身体運動取得部210が取得した身体運動のパターンに対応するARオブジェクトOであり、かつデバイス特定部212が特定したウェアラブル表示デバイス1が提示することを許可されたARオブジェクトOをARデータベースDaから読み出す。身体運動取得部210は、データベース管理部211が取得したARオブジェクトOを、デバイス特定部212が特定したデバイス識別子のウェアラブル表示デバイス1に送信する。
【0050】
これにより、情報処理装置2は、各ウェアラブル表示デバイス1について、そのウェアラブル表示デバイス1に提示するARオブジェクトOを制御することができる。結果として、情報処理装置2は、例えばウェアラブル表示デバイス1のユーザである第1ユーザUaが情報処理装置2の管理者から正規に購入したARオブジェクトOや、第1ユーザUaが何らかのノベルティとして取得したARオブジェクトO、あるいは第1ユーザUaが自身で使用するために作成したARオブジェクトOのみをウェアラブル表示デバイス1に提示することを許可することができる。
【0051】
以上、第1ユーザUaの姿勢が特定の身体運動のパターンとなることを契機として、ウェアラブル表示デバイス1及び撮像端末3がARオブジェクトOを第1ユーザUaの身体に重畳させる場合について説明した。ここで、ウェアラブル表示デバイス1及び撮像端末3がARオブジェクトOを第1ユーザUaの身体に重畳させる契機となる事象は、第1ユーザUaの姿勢が特定の身体運動のパターンとなることに限られない。これに替えて、あるいはこれに加えて、ウェアラブル表示デバイス1及び撮像端末3は、特定の発話パターンを取得することを契機として、ARオブジェクトOを第1ユーザUaの身体に重畳させてもよい。
【0052】
これを実現するために、情報処理装置2は、ウェアラブル表示デバイス1を装着した第1ユーザUaの発話パターンを認識する音声認識部213をさらに備えている。また、図4に示すように、ARデータベースDaは、複数の発話パターンそれぞれに衣装のARオブジェクトOを対応づけてさらに記憶している。図4に示すARデータベースDaの例では、オブジェクト識別子がOID00001のARオブジェクトOに、抑揚を付けて発声する「へんしん」という発話パターンが対応づけられて記憶している。音声認識部213は、既知の音声認識技術を用いることによって第1ユーザUaの発話パターンを認識し、その結果を情報処理装置2に送信する。
【0053】
情報処理装置2のデータベース管理部211は、ARデータベースDaを参照して、ウェアラブル表示デバイス1の音声認識部213が認識した発話パターンに対応するARオブジェクトOを読み出す。身体運動取得部210は、データベース管理部211が取得したARオブジェクトOを、デバイス特定部212が特定したデバイス識別子のウェアラブル表示デバイス1に送信する。これにより、第1ユーザUaは発話を契機として変身できるため、表示システムSは、第1ユーザUaにより臨場感のある変身体験を提供することができる。
【0054】
なお、データベース管理部211は、身体運動のパターンと発話パターンとの両方がそろって認識されたときにARオブジェクトOをARデータベースDaから読み出すようにしてもよいし、いずれか一方のパターンのみを契機としてARオブジェクトOをARデータベースDaから読み出すようにしてもよい。例えば、図4に示すARデータベースDaの例では、オブジェクト識別子がOID0002のARオブジェクトOには発話パターンが対応づけられていない。この場合、データベース管理部211は、第1ユーザUaの身体運動のパターンのみを契機として、ARオブジェクトOをARデータベースDaから読み出す。データベース管理部211がどのような条件を満たすときにARオブジェクトOをARデータベースDaから読み出すかは、情報処理装置2の管理者がARオブジェクトO毎に設定することができる。
【0055】
以上、ウェアラブル表示デバイス1及び撮像端末3がARオブジェクトOを第1ユーザUaの身体に重畳することを開始する契機について説明した。ウェアラブル表示デバイス1及び撮像端末3は、何らかのタイミングでARオブジェクトOを第1ユーザUaの身体に重畳することを停止できることが好ましい。
【0056】
ウェアラブル表示デバイス1の提示部13は、所定の停止条件を満たすまでの間ARオブジェクトOを第1ユーザUaの身体に重畳した画像を第1ユーザUaに継続して提示する。撮像端末3の表示部も同様に、所定の停止条件を満たしていない間、表示部に写っている第1ユーザUaの身体にARオブジェクトOを重畳することを継続する。ウェアラブル表示デバイス1の提示部13及び撮像端末3の表示部は、所定の停止条件を満たすことを契機として、ARオブジェクトOを第1ユーザUaの身体に重畳することを停止する。
【0057】
ここで「所定の停止条件」は、ウェアラブル表示デバイス1及び撮像端末3がARオブジェクトOの重畳を停止するか否かを決定するために定められた重畳停止条件であり、例えば、重畳を開始してから一定時間が経過すること、第1ユーザUaが特定の身体運動をすること、又は所定の音声をトリガとする等が挙げられる。
【0058】
図4に示すように、ARデータベースDaは、衣装のARオブジェクトOそれぞれに停止条件を対応づけてさらに記憶している。図4に示すARデータベースDaの例では、オブジェクト識別子がOID00001のARオブジェクトOは、変身の開始から(すなわち、ウェアラブル表示デバイス1及び撮像端末3がARオブジェクトOの重畳を開始してから)15分経過することが停止条件となっている。また、オブジェクト識別子がOID00002のARオブジェクトOは、第1ユーザUaが変身の契機となる身体運動のパターンと同じ身体運動をするか、又は変身の開始から30分経過するかのいずれかの事象が発生することが停止条件となっている。
【0059】
例えば、特定の身体運動のパターンが停止条件となっている場合、身体運動取得部210は、ウェアラブル表示デバイス1を装着した第1ユーザUaを撮像して第1ユーザUaの姿勢を推定した撮像端末3から姿勢認識の結果を受信して、その結果に基づいてARデータベースDaを参照することにより、停止条件を判定する。停止条件を満たしている場合、情報処理装置2の身体運動取得部210は、ウェアラブル表示デバイス1及び撮像端末3に対してARオブジェクトOの重畳を停止することを指示する停止指示を送信する。
【0060】
このように、実施の形態に係る表示システムSでは、ウェアラブル表示デバイス1及び撮像端末3がARオブジェクトOの重畳を停止する停止条件を定めているため、表示システムSは、第1ユーザUaが変身した状態を解除できないと事態に陥ることを抑制することができる。
【0061】
以上、撮像端末3がスマートホンやタブレットPCである場合について主に説明した。しかしながら、撮像端末3は撮像部を備えていれば他の機器でもよく、例えばウェアラブル表示デバイス1と同様にARグラスやスマートグラス等のウェアラブル表示デバイスであってもよい。以下この場合について説明するが、説明の便宜のため、第1ユーザUaが装着しているウェアラブル表示デバイス1を第1ウェアラブル表示デバイス1aと記載し、第2ユーザUbが装着しているウェアラブル表示デバイス1を第2ウェアラブル表示デバイス1bと記載する。同様に、第2ウェアラブル表示デバイス1bが備える記憶部10、検出部110、通信部12、提示部13、及び14も、それぞれ第2記憶部10b、第2検出部110b、第2通信部12b、第2提示部13b、及び第2撮像部と記載する。
【0062】
表示システムSにおいて撮像端末3が第2ウェアラブル表示デバイス1bに置き換わった場合、当然ながら、第2ウェアラブル表示デバイス1bはウェアラブル表示デバイス1とは異なるデバイスとなり、撮像端末3と同様に第2ウェアラブル表示デバイス1bもネットワークNを介して情報処理装置2と通信可能である。この場合、第2ウェアラブル表示デバイス1bの第2撮像部14bは、第2ウェアラブル表示デバイス1bを装着した第2ユーザUbの視界に対応する画像を撮像する。第2検出部110bは、第2撮像部14bが撮像した画像に含まれる第1ウェアラブル表示デバイス1aを装着した第1ユーザUaを検出する。第2提示部13bは、第1ユーザUaの身体運動のパターンに対応するARオブジェクトOを第1ユーザUaの身体に重畳した画像を第2ユーザUbに提示する。この結果、第2ウェアラブル表示デバイス1bを装着した第2ユーザUbには、第1ユーザUaが変身している状態を観察することができる。
【0063】
表示システムSにおいて、第1ウェアラブル表示デバイス1aと第2ウェアラブル表示デバイス1bとは同様の機能を有する。したがって、第1ウェアラブル表示デバイス1aの第1撮像部14aは、第1ウェアラブル表示デバイス1aを装着した第1ユーザUaの視界に対応する画像を撮像すれば、第1検出部110aは、第1撮像部14aが撮像した画像に含まれる第2ユーザUbを検出できる。第1提示部13aが、第2ユーザUbの身体運動のパターンに対応するARオブジェクトOを第2ユーザUbの身体に重畳した画像を第1ユーザUaに提示することで、第1ユーザUaと第2ユーザUbとは、互いに変身した状態を観察し合うことができる。これは、ウェアラブル表示デバイス1を装着したユーザUが3人以上存在する場合も同様である。これにより、実施の形態に係る表示システムSは、例えば特定の場所で集まった多数のユーザUが互いに変身した状態で交流できる場を設けることができる。
【0064】
<表示システムSで実行される表示処理方法の処理シーケンス>
図6は、実施の形態に係る表示システムSで実行される表示処理の流れを説明するためのシーケンス図である。本シーケンス図における処理は、例えばウェアラブル表示デバイス1が起動したときに開始する。
【0065】
情報処理装置2のデバイス特定部212は、第1ユーザUaが装着しているウェアラブル表示デバイス1のデバイス識別子を取得する(S2)。具体的には、デバイス特定部212は、ネットワークNを介してウェアラブル表示デバイス1から直接ウェアラブル表示デバイス1のデバイス識別子を取得してもよし、撮像端末3からウェアラブル表示デバイス1のデバイス識別子を取得してもよい。後者の場合、ウェアラブル表示デバイス1の表面にウェアラブル表示デバイス1のデバイス識別子を示すコードが付されている場合には撮像端末3がそのコードを撮像してデバイス識別子を読み取ってもよいし、ウェアラブル表示デバイス1と撮像端末3とが近距離無線通信でペアリングされている場合には、撮像端末3がウェアラブル表示デバイス1から無線でウェアラブル表示デバイス1のデバイス識別子を受信してもよい。
【0066】
身体運動取得部210は、ウェアラブル表示デバイス1を装着した第1ユーザUaの身体運動のパターンを取得する(S4)。具体的には、身体運動取得部210は、撮像端末3が第1ユーザUa撮像してその撮像画像を解析して得られた第1ユーザUaの姿勢認識の結果を第1ユーザUaの身体運動のパターンとして取得する。
【0067】
データベース管理部211は、ARデータベースDaを参照して、身体運動取得部210が取得した第1ユーザUaの身体運動のパターンに対応するオブジェクト識別子を読み出して取得する(S6)。デバイス特定部212が取得したデバイス識別子のウェアラブル表示デバイス1にデータベース管理部211が読み出したオブジェクト識別子に対応するARオブジェクトOの提示が許可されていない場合(すなわち、許可データベースDlにおいて、デバイス特定部212が取得したデバイス識別子とデータベース管理部211が読み出したオブジェクト識別子とが対応づけられていない場合)(S8のNo)、身体運動取得部210はARオブジェクトOをウェアラブル表示デバイス1に送信することなく処理を終了する。
【0068】
デバイス特定部212が取得したデバイス識別子のウェアラブル表示デバイス1にデータベース管理部211が読み出したオブジェクト識別子に対応するARオブジェクトOの提示が許可されている場合(S8のYes)、身体運動取得部210は、データベース管理部211が取得したARオブジェクトOをウェアラブル表示デバイス1に送信する(S10)。
【0069】
ウェアラブル表示デバイス1は情報処理装置2からARオブジェクトOを受信する(S12)。ウェアラブル表示デバイス1は、情報処理装置2から受信したARオブジェクトOのうち、撮像部14が撮像した第1ユーザUaの身体の一部に対応するARオブジェクトOを重畳して第1ユーザUaに提示する(S14)。
【0070】
情報処理装置2の身体運動取得部210は、停止条件を満たすまでの間(S16のNo)待機する。身体運動取得部210が停止条件を満たすトリガ(例えば、所定の身体運動のパターンや発話パターン等)を取得すると(S16のYes)、停止条件を判定する。停止条件を満たしている場合、身体運動取得部210は、ウェアラブル表示デバイス1に対してARオブジェクトOの重畳を停止することを指示する停止指示を送信する(S18)。
【0071】
ウェアラブル表示デバイス1は情報処理装置2から停止指示を受信すると(S20)、ウェアラブル表示デバイス1はARオブジェクトOを重畳して提示することを停止する(S22)。ウェアラブル表示デバイス1及び情報処理装置2は以上の処理を繰り返す。
【0072】
<実施の形態に係るウェアラブル表示デバイス1が奏する効果>
以上説明したように、実施の形態に係る表示システムSによれば、ウェアラブル表示デバイス1を装着している第1ユーザUaに変身する体験を提供することができる。
【0073】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果をあわせ持つ。
【0074】
<第1の変形例>
上記では、ARデータベースDa及び許可データベースDlが情報処理装置2の記憶部20に格納されている場合について説明した。しかしながら、ARデータベースDa及び許可データベースDlは、記憶部20以外の場所に格納されていてもよい。例えば、ARデータベースDa及び許可データベースDlは、ウェアラブル表示デバイス1とは異なる専用の記憶装置に格納されていてもよいし、複数の装置によって自律分散的に共有される分散型台帳として格納されていてもよい。
【0075】
<第2の変形例>
上記では、撮像端末3が第1ユーザUaの姿勢を認識する場合について主に説明した。しかしながら、姿勢認識を実行するのは撮像端末3に限られず、例えば情報送信部113
が実行してもよい。この場合、撮像端末3は撮像画像を情報処理装置2に送信し、情報処理装置2の身体運動取得部210が既知の姿勢認識技術を実行することにより実現できる。
【0076】
<第3の変形例>
上記では、情報処理装置2と撮像端末3とが異なる機器であることを前提として説明した。しかしながら、情報処理装置2と撮像端末3とが同一の機器であってもよい。この場合、撮像端末3が情報処理装置2の機能を有していればよい。
【符号の説明】
【0077】
1・・・ウェアラブル表示デバイス
1a・・・第1ウェアラブル表示デバイス
1b・・・第2ウェアラブル表示デバイス
10・・・記憶部
11・・・制御部
110・・・検出部
12・・・通信部
13・・・提示部
14・・・撮像部
2・・・情報処理装置
20・・・記憶部
21・・・制御部
210・・・身体運動取得部
211・・・データベース管理部
212・・・デバイス特定部
213・・・音声認識部
22・・・通信部
3・・・撮像端末
4・・・鏡台
S・・・表示システム
Da・・・ARデータベース
Dl・・・許可データベース
N・・・ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6