(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022164134
(43)【公開日】2022-10-27
(54)【発明の名称】脈管腫瘍及び脈管奇形の治療剤
(51)【国際特許分類】
A61K 31/436 20060101AFI20221020BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20221020BHJP
A61P 9/14 20060101ALI20221020BHJP
【FI】
A61K31/436
A61P35/00
A61P9/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021069431
(22)【出願日】2021-04-16
(71)【出願人】
【識別番号】504139662
【氏名又は名称】国立大学法人東海国立大学機構
(71)【出願人】
【識別番号】504237832
【氏名又は名称】ノーベルファーマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100175075
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 康子
(72)【発明者】
【氏名】小関 道夫
(72)【発明者】
【氏名】浅田 隆太
(72)【発明者】
【氏名】清水 健次
(72)【発明者】
【氏名】眞田 ちひろ
(72)【発明者】
【氏名】福田 剛史
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086CB22
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA52
4C086MA66
4C086NA14
4C086ZA36
4C086ZB26
(57)【要約】 (修正有)
【課題】脈管腫瘍及び脈管奇形の治療に有効な薬剤を提供する。
【解決手段】シロリムスを有効成分とし、被験者の体重及び月齢に応じて以下に示す開始用量にて経口投与または経管投与することを特徴とする、脈管腫瘍及び脈管奇形治療剤。(1)体重30kg以上の被験者:シロリムスとして1.4mg/日
(2)体重30kg未満の被験者
月齢3カ月未満シロリムスとして0.02mg/kg/日
月齢3カ月以上6カ月未満シロリムスとして0.04mg/kg/日
月齢6カ月以上12カ月未満シロリムスとして0.06mg/kg/日
月齢12カ月以上シロリムスとして0.08mg/kg/日
ただし、開始用量の上限は被験者あたりシロリムスとして1.4mg/日とする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シロリムスを有効成分とし、被験者の体重及び月齢に応じて以下に示す開始用量にて経口投与または経管投与することを特徴とする、脈管腫瘍及び脈管奇形治療剤。
(1)体重30kg以上の被験者:シロリムスとして1.4mg/日
(2)体重30kg未満の被験者
月齢3カ月未満 シロリムスとして0.02mg/kg/日
月齢3カ月以上6カ月未満 シロリムスとして0.04mg/kg/日
月齢6カ月以上12カ月未満 シロリムスとして0.06mg/kg/日
月齢12カ月以上 シロリムスとして0.08mg/kg/日
ただし、開始用量の上限は被験者あたりシロリムスとして1.4mg/日とする。
【請求項2】
同一投与量で一定期間反復投与を行った際のシロリムスの血中濃度の測定値に基づいて投与量の増減を行うことにより、被験者におけるシロリムスの血中トラフ値が5ng/mL以上15ng/mL以下となるように調整されることを特徴とする、請求項1に記載の脈管腫瘍及び脈管奇形治療剤。
【請求項3】
同一投与量で一定期間反復投与を行った際の臨床症状に基づいて投与量の増減を行う、請求項1に記載の脈管腫瘍及び脈管奇形治療剤。
【請求項4】
脈管腫瘍及び脈管奇形が、カポジ型血管内皮腫、房状血管腫、リンパ管腫、リンパ管腫症、ゴーハム病、静脈奇形、青色ゴムまり様母斑症候群、混合型脈管奇形、及びクリッペル・トレノネー・ウェーバー症候群から選ばれる、請求項1~3のいずれか一項に記載の脈管腫瘍及び脈管奇形治療剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脈管腫瘍及び脈管奇形の症状を改善する薬剤に関する。詳しくは、シロリムスを含有し、乳幼児を含む小児及び成人の脈管腫瘍及び脈管奇形の症状の改善、並びにこれら疾患の治療に有効な内服薬に関する。
【背景技術】
【0002】
脈管腫瘍及び脈管奇形は、主に、小児期に全身に血管やリンパ管の形成異常が起こる疾患群である。この疾患は、四肢の片側肥大及び疼痛、潰瘍、機能障害、臓器障害等、様々な症状を起こすことにより、難治性となる場合も多い。
【0003】
難治性の脈管腫瘍及び脈管奇形としては、カポジ型血管内皮腫、房状血管腫、リンパ管腫、リンパ管腫症、ゴーハム病、静脈奇形、青色ゴムまり様母斑症候群、混合型脈管奇形及びクリッペル・トレノネー・ウェーバー症候群等が知られている。これらの疾患は、重症化により死に至る場合があるばかりでなく、痛みを伴う場合や外観に異常を生ずる場合がある等、患者のQOLに大きな影響を与える。従って、これらの疾患の治療法を確立することは、極めて重要である。
【0004】
難治性の脈管腫瘍及び脈管奇形に対する標準治療は確立されておらず、本疾患に対する効能・効果を有する医薬品もない。また、現在の臨床現場においては、手術、放射線治療等の施行が困難、又は無効である症例に対して、ステロイド、インターフェロン、プロプラノロール等を用いた薬物療法が行われることがあるが、現在、本疾患に対して使用されている薬剤の効果は限定的であり、有効性及び安全性が確立されているとは言い難い状況である。なお、プロプラノロールは乳児血管腫に対する効能・効果を有する。
【0005】
一方、近年、イースター島の土壌から分離された放線菌Streptomyces hygroscopicusの代謝産物であるシロリムスを用いた非臨床研究の結果、当該化合物が脈管腫瘍及び脈管奇形に対して有効であることが示唆されている。(非特許文献1~5)また、臨床研究の結果、シロリムスが本疾患における様々な症状を改善し得ることも示唆されている。(非特許文献6、非特許文献7)
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Huber S, Bruns CJ, Schmid G, et al. Inhibition of the mammalian target of rapamycin impedes lymphangiogenesis. Kidney Int 2007; 71:771-777.
【非特許文献2】Kobayashi S, Kishimoto T, Kamata S, et al. Rapamycin, a specific inhibitor of the mammalian target of rapamycin, suppresses lymphangiogenesis and lymphatic metastasis. Cancer Sci. 2007 May;98(5):726-33.
【非特許文献3】Boscolo E, Coma S, Luks VL, et al. AKT hyper-phosphorylation associated with PI3K mutations in lymphatic endothelial cells from a patient with lymphatic malformation. Angiogenesis. 2015 Apr;18(2):151-62.
【非特許文献4】Boscolo E, Limaye N, Huang L, et al. Rapamycin improves TIE2-mutated venous malformation in murine model and human subjects. J Clin Invest. 2015; 125: 3491-604.
【非特許文献5】Limaye N, Kangas J, Mendola A, et al. Somatic Activating PIK3CA Mutations Cause Venous Malformation. Am J Hum Genet. 2015 Dec 3;97(6):914-21.
【非特許文献6】Adrienne M. Hammill, et al. Sirolimus for the Treatment of Complicated Vascular Anomalies in Children, Pediatr Blood Cancer, 2011, 57, 1018-24.
【非特許文献7】Ozeki M, Nozawa A, Yasue S, Endo S, Asada R, Hashimoto H, Fukao T. The impact of sirolimus therapy on lesion size, clinical symptoms, and quality of life of patients with lymphatic anomalies. Orphanet J Rare Dis. 2019 Jun 13;14(1):141.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
脈管腫瘍及び脈管奇形(以下、「本疾患」ということがある)については、効果が十分に立証された治療剤は知られていない。現状では、シロリムスが最も期待される候補薬であるが、本疾患の治療に用いる場合には、有効かつ安全な用法及び用量を用いることが望まれる。このことは、特に乳幼児を含む小児に用いる場合には、より重要である。本願はこのような事情に鑑みてなされたものであり、脈管腫瘍及び脈管奇形の治療に安全かつ有効な薬剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち本発明は、以下の実施態様を提供するものである。
【0009】
実施態様1:
シロリムスを有効成分とし、被験者の体重及び月齢に応じて以下に示す開始用量にて経口投与または経管投与することを特徴とする、脈管腫瘍及び脈管奇形治療剤である。
(1)体重30kg以上の被験者:シロリムスとして1.4mg/日
(2)体重30kg未満の被験者
月齢3カ月未満 シロリムスとして0.02mg/kg/日
月齢3カ月以上6カ月未満 シロリムスとして0.04mg/kg/日
月齢6カ月以上12カ月未満 シロリムスとして0.06mg/kg/日
月齢12カ月以上 シロリムスとして0.08mg/kg/日
ただし、開始用量の上限は被験者あたりシロリムスとして1.4mg/日とする。
【0010】
実施態様2:
同一投与量で一定期間反復投与を行った際のシロリムスの血中濃度の測定値に基づいて投与量の増減を行うことにより、被験者におけるシロリムスの血中トラフ値が5ng/mL以上15ng/mL以下となるように調整されることを特徴とする、実施態様1に記載の脈管腫瘍及び脈管奇形治療剤。
【0011】
実施態様3:
同一投与量で一定期間反復投与を行った際の臨床症状に基づいて投与量の増減を行う、実施態様1に記載の脈管腫瘍及び脈管奇形治療剤。
【0012】
実施態様4:
脈管腫瘍及び脈管奇形が、カポジ型血管内皮腫、房状血管腫、リンパ管腫、リンパ管腫症、ゴーハム病、静脈奇形、青色ゴムまり様母斑症候群、混合型脈管奇形、及びクリッペル・トレノネー・ウェーバー症候群から選ばれる、実施態様1~3のいずれかの脈管腫瘍及び脈管奇形治療剤。
【発明の効果】
【0013】
本発明により、脈管腫瘍及び脈管奇形の治療または症状の改善のために有効かつ最小限の用量のシロリムスを投与することが可能となり、その結果、患者(特に乳幼児を含む小児)の負担を抑えてQOLを実現しつつ安全に、脈管腫瘍及び脈管奇形の治療または症状を改善することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る脈管腫瘍及び脈管奇形治療剤につき、具体的に説明する。
【0015】
本発明の一態様に係る脈管腫瘍及び脈管奇形治療剤は、シロリムスを有効成分として含有し、その治療における開始用量を、一日当たり、体重30kg以上の被験者に対しては、シロリムスとして1.4mgとする。一方、体重30kg未満の被験者に対しては、月齢に応じた体重当たりの量で、月齢3カ月未満の場合はシロリムスとして0.02mg/kg、月齢3カ月以上6カ月未満の場合はシロリムスとして0.04mg/kg、月齢6カ月以上12カ月未満の場合はシロリムスとして0.06mg/kg、月齢12カ月以上の場合はシロリムスとして0.08mg/kgとし、それぞれ経口投与または経管投与して用いることを特徴としている。ただし、開始用量の上限は、被験者あたり、1日につき1.4mgとする。つまり、上記に従って算出された投与量が1.4mgを超えた場合は、1.4mgを開始投与量とする。
【0016】
本発明において、脈管奇形とは、先天的に血管又はリンパ管に生ずる構造異常並びに機能障害を呈する疾患をいう。また、脈管腫瘍とは、血管又はリンパ管の細胞から発生する腫瘍をいう。脈管腫瘍及び脈管奇形を具体的に挙げると、カポジ型血管内皮腫、房状血管腫、リンパ管腫、リンパ管腫症、ゴーハム病、静脈奇形、青色ゴムまり様母斑症候群、混合型脈管奇形及びクリッペル・トレノネー・ウェーバー症候群等が例示される。これらの疾患は、疾患名こそ区別されているが、いずれも血管又はリンパ管の形成異常が原因となっている疾患であり、作用機序も共通している。そこで本発明では、これらの疾患を合わせて「脈管腫瘍及び脈管奇形」と称し、治療対象としている。
【0017】
シロリムスは、細胞の分裂や増殖、生存等を調節するmTORの作用を阻害することで腫瘍を抑制すると考えられている。シロリムスを有効成分とする本発明に係る薬剤を本発明に規定する開始用量にて経口又は経管投与することにより、シロリムスの血中トラフ値が、5~15ng/mLの範囲又はその近傍の値を示すことが、発明者等により示された。ここで、血中トラフ値とは、薬物を反復投与したときの定常状態における最低血中薬物濃度のことである。本発明に係る脈管腫瘍及び脈管奇形治療剤は、シロリムスの血中トラフ値をこのような範囲に保つことにより、当該疾患を安全かつ効果的に治療することが可能となる。
【0018】
好ましい態様において、本発明に係る脈管腫瘍及び脈管奇形治療剤は、シロリムスの血中トラフ濃度の測定値に基づいて投与量の増減を行うことにより、被験者におけるシロリムスの血中トラフ値が5ng/mL以上15ng/mL以下となるように調整されるものであっても良い。本発明に係る脈管腫瘍及び脈管奇形治療剤は、このような構成を備えているため、シロリムスの全身クリアランスが大きく異なる場合においても、安全かつ効果的に本疾患の治療を行うことが可能となる。
【0019】
具体的には、本発明に係る薬剤を投与後、血中シロリムス濃度が定常状態に近づいた時点で血中シロリムス濃度を測定し、血中シロリムス濃度が5ng/mL以上15ng/mL以下の場合は用量変更なし、5ng/mL未満の場合は用量増加、15ng/mLを超えていた場合は用量を減量するといった条件にて用量の増減を行うことができる。ここで、血中シロリムス濃度の測定時期は、同一用量での投与開始後6~14日後の間とすることができる。用量の増減の幅は、例えば、血中シロリムス濃度が5ng/mL未満の場合は用量を30~50%増加、15ng/mLを超えていた場合は用量を30~50%減量するといった条件を用いても良い。投与量の増減の幅は被験者の状態に応じて選択しても良いが、好ましい態様において、体重30kg未満の被験者については増減の幅を30%とし(つまり、血中シロリムス濃度が5ng/mL未満の場合は30%増量し、15ng/mLを超えていた場合は30%減量)、体重30kg以上の被験者の場合は増減の幅を50%(つまり、血中シロリムス濃度が5ng/mL未満の場合は50%増量し、15ng/mLを超えていた場合は50%減量)としても良い。また、増減の判断に用いる血中シロリムス濃度を測定するまでの反復投与期間は、トラフ値を算出するために必要な期間であればよい。例えば、1週間~3週間として設定することができる。すなわち、同一投与量にて1週間等反復投与を行い、その時点で血中シロリムス濃度のトラフ値を測定し、投与量の増減の判断を行うといった条件を用いることができる。
【0020】
また、別の好ましい一態様において、本発明に係る脈管腫瘍及び脈管奇形治療剤は、一定期間反復投与後に観察される臨床症状に基づいて、用量の増減を行うものであっても良い。例えば、一定期間反復投与後において、病変部の拡大が抑えられていない場合は投与量を30~50%増量、病変部が縮小している場合はそのままの用量で投与継続、重要な副作用が確認された場合は投与量を30~50%減量といった条件を用いても良い。投与量の増減の幅は被験者の状態に応じて選択しても良いが、好ましい態様において、体重30kg未満の被験者については増減の幅を30%とし(つまり、病変部の拡大が抑えられていない場合は30%増量し、重篤な副作用が確認された場合は30%減量)、体重30kg以上の被験者の場合は増減の幅を50%(つまり、病変部の拡大が抑えられていない場合は50%増量し、重篤な副作用が確認された場合は50%減量)としても良い。
【0021】
本発明に係る脈管腫瘍及び脈管奇形治療剤は、経口投与又は経管投与可能なあらゆる剤形にて提供される。例えば、顆粒剤、シロップ剤(ドライシロップ剤を含む)、錠剤、口腔内崩壊錠といった形態を用いることができ、好ましくは顆粒剤又はシロップ剤を用いることができる。
【0022】
本発明に係る脈管腫瘍及び脈管奇形治療剤は、それぞれの剤形に応じて公知の方法にて製造することができる。例えば、錠剤の場合は、シロリムスに、所望により結合剤や潤滑剤を加えて賦形剤と共に混合し、錠剤成型機を用いて圧縮形成することにより製造することができる。あるいは、市販のシロリムスを有効成分とする錠剤を購入して用いても良い。また、顆粒剤の場合は、シロリムスを含む溶液を結合剤と共にコア粒子と混合し、乾燥させることにより製造することができる。
【0023】
本発明に係る脈管腫瘍及び脈管奇形治療剤は、被験者の月齢や体重に応じて開始投与量を設定しているので、より少ない頻度の血中モニタリングにより安全かつ効果的に脈管腫瘍及び脈管奇形の治療を行うことができる。
【実施例0024】
以下に具体的な実施形態を挙げて本発明を説明するが、本発明はその実施形態に限定されるものではなく、それらにおける様々な変更及び改変が当業者によって、添付の特許請求の範囲に規定される本発明の範囲または趣旨から逸脱することなく実行され得ることが理解される。
【0025】
(シロリムス顆粒剤の製造)
シロリムスのエタノール溶液(1質量%)100gに対し、トコフェロール(BASFジャパン株式会社製、DL-ALPHA-Tocopherol)を1.0g添加して、溶解した。この液を、混合機中で撹拌しながら、マンニトール298.0gに添加した。これを、流動層乾燥機に移し、給気温度70℃で、乾燥減量が0.4%以下となるまで乾燥した。得られた固形物を、目開き1mmの篩で篩分し、シロリムス顆粒剤とした。
【0026】
(被験者への投与及び血中濃度の確認)
5名の被験者に対して、体重及び年齢(月齢)に合わせた開始用量にてシロリムス顆粒剤を一定期間反復投与した。初回投与後、表2~表6に記載のPK測定日の投与直前に採血を行い、以下の条件のLC-MSにてシロリムス濃度を定量し、血中トラフ値データとした。血中トラフ値に応じて投与量を調整しながら投与を継続した。結果は、被験者が罹患している疾患名と共に、表2~6に示す。この表中に示す様に、本発明に係る治療剤を投与することにより、全ての被験者において、治療効果が確認された。
【0027】
・LC条件
カラム:ZORBAX(登録商標)XDB-CN(内径2.1mm、長さ50mm)(アジレント・テクノロジー株式会社)
カラム温度:50℃
移動相:0.1%酢酸水溶液と0.1%酢酸アセトニトリル溶液を、表1記載の割合で混合
流量:0.45mL/min
【0028】
【0029】
・MS/MS条件
測定モード:ポジティブESI
ガス温度:350℃
ガス流速:10L/min
ネブライザー圧:50psi
キャピラリー電圧:4000V
【0030】
表2 症例1 クリッペル・トレノネー・ウェーバー症候群
【表2】
【0031】
表3 症例2 クリッペル・トレノネー・ウェーバー症候群
【表3】
【0032】
【0033】
表5 症例4 リンパ管腫症
【表5】
時系列NO.4における、治療効果「FDP正常化、Dダイマー正常化、フィブリノーゲン上昇」とは、リンパ管腫症における血液凝固異常(FDP上昇、Dダイマー上昇、フィブリノーゲン低下)が改善されたことを示す。
【0034】
表6 症例5 カサバッハメリット現象を伴った血管性腫瘍
【表6】
本発明により、脈管腫瘍及び脈管奇形の治療または症状の改善のために有効かつ最小限の用量のシロリムスを投与することが可能となり、その結果、患者(特に乳幼児を含む小児)の負担を抑えてQOLを実現しつつ安全に、脈管腫瘍及び脈管奇形の治療または症状を改善することが可能となる。