(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022164148
(43)【公開日】2022-10-27
(54)【発明の名称】画像処理装置、照明装置及びリフレクタ
(51)【国際特許分類】
H04N 5/225 20060101AFI20221020BHJP
G06K 7/10 20060101ALI20221020BHJP
H04N 5/235 20060101ALI20221020BHJP
G03B 15/05 20210101ALI20221020BHJP
G03B 11/00 20210101ALI20221020BHJP
【FI】
H04N5/225 600
G06K7/10 376
G06K7/10 416
H04N5/225 400
H04N5/235 600
H04N5/235 400
G03B15/05
G03B11/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021069451
(22)【出願日】2021-04-16
(71)【出願人】
【識別番号】000129253
【氏名又は名称】株式会社キーエンス
(74)【代理人】
【識別番号】110003225
【氏名又は名称】弁理士法人豊栖特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山根 規義
【テーマコード(参考)】
2H053
2H083
5C122
【Fターム(参考)】
2H053BA32
2H053BA33
2H053BA34
2H053BA71
2H053CA04
2H053CA06
2H053CA08
2H053CA12
2H053CA22
2H053CA45
2H053DA04
2H053DA06
2H083AA06
2H083AA20
2H083AA25
2H083AA26
2H083AA47
5C122EA06
5C122EA20
5C122EA21
5C122FB17
5C122FH18
5C122GE03
5C122GE05
5C122GE11
5C122GG09
5C122GG12
5C122GG17
5C122GG26
5C122HB06
(57)【要約】
【課題】正反射光を効率よく低減可能とした画像処理装置を提供する。
【解決手段】画像処理装置100は、筐体11と、筐体11に設けられた、撮像対象物の画像を撮像する受光面を有するカメラ部14と、受光面の光軸を中心とする周囲に設けられた内側照明40と、内側照明40の周囲に設けられた外側照明50とを備える照明部15と、内側照明40に配置され、所定の方向の偏光成分の光を通過させる第一偏光フィルタ61と、受光面に配置され、第一偏光フィルタ61と交差する偏光成分の光を通過させる第二偏光フィルタ62と、内側照明40及び外側照明50を同時に点灯させて、内側照明40による内側照明光の内、受光面に入光される正反射光を、第一偏光フィルタ61及び第二偏光フィルタ62により軽減させると共に、外側照明50により撮像対象物に対して外側照明光を直接照射するよう、照明部15を制御する照明制御部24aとを備える。
【選択図】
図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体に設けられた、撮像対象物の画像を撮像する受光面を有するカメラ部と、
前記受光面の光軸を中心とする周囲に設けられた内側照明と、
前記内側照明の周囲に設けられた外側照明と
を備える照明部と、
前記内側照明に配置され、所定の方向の偏光成分の光を通過させる第一偏光フィルタと、
前記受光面に配置され、前記第一偏光フィルタと交差する偏光成分の光を通過させる第二偏光フィルタと、
前記内側照明及び前記外側照明を同時に点灯させて、前記内側照明による内側照明光の内、前記受光面に入光される正反射光を、前記第一偏光フィルタ及び第二偏光フィルタにより軽減させると共に、前記外側照明により撮像対象物に対して外側照明光を直接照射するよう、前記照明部を制御する照明制御部と、
を備える画像処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像処理装置であって、
前記照明部が、前記カメラ部を中心する円環状に、複数の照明ブロックに分割されており、
前記照明制御部が、
いずれか一の照明ブロックを点灯し、他の照明ブロックを消灯させた状態で、前記カメラ部で撮像対象物の画像を撮像し、
異なる一の照明ブロックの点灯に切り替え、他の照明ブロックを消灯させて、前記カメラ部で撮像対象物の画像を撮像するよう制御してなる画像処理装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の画像処理装置であって、
前記内側照明は、前記筐体に固定された固定照明であり、
前記外側照明は、前記筐体に対し外付けされるアタッチメント照明である画像処理装置。
【請求項4】
請求項3に記載の画像処理装置であって、さらに、
前記第一偏光フィルタと第二偏光フィルタを、同一面状に保持する第一フィルタ体を備えてなる画像処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の画像処理装置であって、
前記第一フィルタ体は、前記筐体に対し脱着式に構成してなる画像処理装置。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の画像処理装置であって、さらに、
前記外側照明に配置され、前記第一偏光フィルタと同じ偏光成分の光を通過させる第三偏光フィルタと、前記第一偏光フィルタと、前記第二偏光フィルタを、同一面状に保持する第二フィルタ体を備えており、
前記第二フィルタ体は、前記受光面、内側照明及びアタッチメント照明を覆うように、前記筐体に脱着式に構成されており、
前記第一フィルタ体又は第二フィルタ体のいずれかを、前記筐体に装着可能に構成してなる画像処理装置。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載の画像処理装置であって、さらに、
前記照明部が、前記筐体の前面部に位置決めされた状態で装着可能としてなる画像処理装置。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の画像処理装置であって、さらに、
前記照明部の光軸と同軸に配置される、角度の異なる複数の複合放物面型集光器を組み合わせたリフレクタを備えてなる画像処理装。
【請求項9】
筐体と、
前記筐体に設けられた、撮像対象物の画像を撮像する受光面を有するカメラ部と、
前記受光面の光軸を中心とする周囲に設けられた内側照明と、
前記内側照明の周囲に設けられた外側照明と
を備える照明部と、
前記内側照明に配置され、所定の方向の偏光成分の光を通過させる第一偏光フィルタと、
前記受光面に配置され、前記第一偏光フィルタと交差する偏光成分の光を通過させる第二偏光フィルタと、
前記照明部の光軸と同軸に配置される、角度の異なる複数の複合放物面型集光器を組み合わせたリフレクタと、
を備えてなる画像処理装。
【請求項10】
撮像対象物の画像を撮像するカメラ部を備える画像処理装置において、撮像時に撮像対象物に照明光を照射する照明装置であって、
照明光を照射する照明部と、
前記照明部の光軸と同軸に配置される、角度の異なる複数の複合放物面型集光器を組み合わせてなるリフレクタと、
を備える照明装置。
上記構成により、偏光フィルタによる光量減少を補うことができる。
【請求項11】
撮像対象物に照明光を照射する照明部と、照明光で照明された撮像対象物の画像を撮像する受光面を有するカメラ部を備える画像処理装置のリフレクタであって、
前記照明部の光軸と同軸に配置される、角度の異なる複数の複合放物面型集光器を組み合わせてなるリフレクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、照明装置及びリフレクタに関する。
【背景技術】
【0002】
対象物に照明光を照射して画像を撮像し、画像処理を行う画像処理装置が知られている。例えばワーク等の検査対象物を撮像し、得られた画像に基づいて検査対象物の良否判定を行う画像センサがある。また読取対象となるQRコード等のシンボルや文字列を撮像して、その画像データを解析することで情報を読み取る、コードリーダ等と呼ばれる画像読取装置が用いられている。例えば物流業界では、配送される様々な搬送物がコンベアで搬送される過程で、各搬送物に付されたコードを読み取る定置式コードリーダが用いられている。このような定置式コードリーダは、コンベア上を搬送される搬送物を、離れた位置から照明光を照射し、カメラで撮像して、得られた画像中からコードを探しだし、復号化している。
【0003】
このような画像センサやコードリーダ等の画像処理装置で観察対象物であるワークを撮像する際に、照明光を照射すると、ワークで反射される。この反射光には、正反射光と拡散光がある。一般にワークを撮像する際には、ワークが画像センサ等に対して正対している姿勢であることが多い。またワークの表面が平滑な面であることも多い。このようなワークでは、照明光の正反射光が強くなって、高い光量の反射光が受光され、ハレーションが発生してしまう。
【0004】
ここで正反射光は拡散光とは異なり、偏光方向が変化することなく反射されるので、照明側と受光側にそれぞれ、偏光成分が直交した偏光フィルタを貼り付けることで、照明光の内、正反射光の成分を低減して、拡散光の成分のみを受光することができる。
【0005】
しかしながら、投光側と受光側の双方に偏光フィルタを設けると、光量は大きく減少し、撮影や検査に必要な光量が十分に確保できなくなる懸念があった。また検査等に必要な光量を確保するために、露光時間を長くすることも考えられるが、この場合は撮像に要する時間が長くなってタクトタイムが悪化するという問題があった。
【0006】
これに対し特許文献1には、投光領域を上部と下部に分割し、いずれか一方のみに偏光フィルタを設け、上部と下部で分割点灯を可能にする構成が開示される。このような構成により、正反射が問題とならないワークでは偏光フィルタが設けられていない投光部を用いて光を投光することで、偏光フィルタによる光量低下の影響を軽減できるとされている。
【0007】
しかしながら、正反射が問題となる得るワークで光量が足りない場合は、偏光フィルタが設けられていない投光部を使わざるを得ず、そのような場合にはやはり、正反射光を受光部が受光してしまうという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的の一は、正反射光を効率よく低減可能とした画像処理装置、照明装置及びリフレクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0010】
本発明の一側面に係る画像処理装置は、筐体と、前記筐体に設けられた、撮像対象物の画像を撮像する受光面を有するカメラ部と、前記受光面の光軸を中心とする周囲に設けられた内側照明と、前記内側照明の周囲に設けられた外側照明とを備える照明部と、前記内側照明に配置され、所定の方向の偏光成分の光を通過させる第一偏光フィルタと、前記受光面に配置され、前記第一偏光フィルタと交差する偏光成分の光を通過させる第二偏光フィルタと、前記内側照明及び前記外側照明を同時に点灯させて、前記内側照明による内側照明光の内、前記受光面に入光される正反射光を、前記第一偏光フィルタ及び第二偏光フィルタにより軽減させると共に、前記外側照明により撮像対象物に対して外側照明光を直接照射するよう、前記照明部を制御する照明制御部とを備える。上記構成により、正反射光を低減して安定的な撮像が実現される。
【0011】
また本発明の他の側面に係る画像処理装置は、筐体と、前記筐体に設けられた、撮像対象物の画像を撮像する受光面を有するカメラ部と、前記受光面の光軸を中心とする周囲に設けられた内側照明と、前記内側照明の周囲に設けられた外側照明とを備える照明部と、前記内側照明に配置され、所定の方向の偏光成分の光を通過させる第一偏光フィルタと、前記受光面に配置され、前記第一偏光フィルタと交差する偏光成分の光を通過させる第二偏光フィルタと、前記照明部の光軸と同軸に配置される、角度の異なる複数の複合放物面型集光器を組み合わせたリフレクタとを備える。上記構成により、偏光フィルタによる光量減少を補うことができる。
【0012】
さらに本発明の他の側面に係る照明装置は、撮像対象物の画像を撮像するカメラ部を備える画像処理装置において、撮像時に撮像対象物に照明光を照射する照明装置であって、照明光を照射する照明部と、前記照明部の光軸と同軸に配置される、角度の異なる複数の複合放物面型集光器を組み合わせてなるリフレクタとを備える。上記構成により、偏光フィルタによる光量減少を補うことができる。
【0013】
さらにまた本発明の他の側面に係るリフレクタは、撮像対象物に照明光を照射する照明部と、照明光で照明された撮像対象物の画像を撮像する受光面を有するカメラ部を備える画像処理装置のリフレクタであって、前記照明部の光軸と同軸に配置される、角度の異なる複数の複合放物面型集光器を組み合わせている。上記構成により、偏光フィルタによる光量減少を補うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施形態に係る画像処理システムの構成を示す模式図である。
【
図2】画像検査システムのハードウエア構成を示す図である。
【
図3】実施形態1に係る画像処理装置の、偏光フィルタのない状態を示す斜視図である。
【
図4】
図3の画像処理装置からアタッチメント照明を外した状態を示す分解斜視図である。
【
図5】
図4の画像処理装置を背面側から見た分解斜視図である。
【
図6】装置本体にアタッチメント照明を装着した状態を示す模式断面図である。
【
図8】
図7のVIII-VIII線における断面図である。
【
図10】
図3の画像処理装置に第一フィルタ体を装着した状態を示す斜視図である。
【
図11】
図10の画像処理装置からアタッチメント照明を外した状態を示す分解斜視図である。
【
図12】
図11の画像処理装置から第一偏光フィルタを外した状態を示す分解斜視図である。
【
図13】
図3の画像処理装置に第二偏光フィルタを装着した状態を示す斜視図である。
【
図14】
図13の画像処理装置からアタッチメント照明と第二偏光フィルタを外した状態を示す分解斜視図である。
【
図15】
図3の画像処理装置に第一偏光フィルタ又は第二偏光フィルタを装着する様子を示す分解斜視図である。
【
図16】変形例に係る画像処理装置に第一偏光フィルタ及び第二偏光フィルタを装着する様子を示す分解斜視図である。
【
図17】
図8の画像処理装置に第一フィルタ体を装着して近くの撮像対象物を撮像する様子を示す模式図である。
【
図18】
図17の画像処理装置で遠くの撮像対象物を撮像する様子を示す模式図である。
【
図19】
図8の画像処理装置に第二フィルタ体を装着して遠くの撮像対象物を撮像する様子を示す模式図である。
【
図20】照明光の位置と強度の関係と、ハレーションの発生を示すグラフである。
【
図21】
図21A~
図21Cは、偏光フィルタを介さず照明光を四方向から照射した場合のハレーション領域を示す模式図である。
【
図22】
図22A~
図22Cは、偏光フィルタを通じて照明光を四方向から照射した場合のハレーション領域を示す模式図である。
【
図24】従来のCPC形状のリフレクタによる照度分布を示すグラフである。
【
図25】拡散板を組み合わせたリフレクタの照度分布を示すグラフである。
【
図26】実施形態2に係る画像処理装置のリフレクタを示す模式断面図である。
【
図27】
図26のリフレクタによる照度分布を示すグラフである。
【
図28】二段のCPCを連続してつないだ構成における光量分布を示す図である。
【
図29】二段のCPCを不連続につないだ構成における光量分布を示す図である。
【
図30】実施形態3に係る画像処理装置を示す斜視図である。
【
図32】
図31の画像処理装置を背面側から見た分解斜視図である。
【
図33】
図30の画像処理装置に、第一フィルタ体に代えて第二フィルタ体を装着する様子を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための画像処理装置、照明装置及びリフレクタを例示するものであって、本発明は画像処理装置、照明装置及びリフレクタを以下のものに特定しない。また、本明細書は特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。特に実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。
[実施形態1]
【0016】
本発明の実施形態1に係る画像処理システム1000を、
図1の模式図に示す。画像処理システム1000は、例えば各種部品や製品等の検査対象物を撮像した画像に基づいて検査対象物の良否判定を行うための装置であり、画像センサ等と呼ばれ、工場等の生産現場等で使用することができる。検査対象物は、それ全体が検査対象であってもよいし、一部のみが検査対象であってもよい。また一の検査対象物に複数の検査対象が含まれていてもよい。さらに一の画像に、複数の検査対象物が含まれていてもよい。
【0017】
あるいは画像処理システムは、バーコードやQRコード(登録商標)等の二次元コードを読み取るコードリーダ等の光学的情報読取装置である。コードリーダは、手持ち式の他、コードが付された撮像対象物をベルトコンベア等で搬送する過程に設置して、コードを読み取る固定式のものがある。
【0018】
ここでは画像処理システムとして、検査対象物の外観を撮像して、予め規定された検査条件に従い、良否判定を行う画像検査装置に適用する例を説明する。良否判定は、例えば良品か不良品かを判定する所定の良否判定条件を設定時に設定しておき、運用時あるいは運転時において、撮像した検査対象物の画像を撮像し、良否判定条件に照らして検査対象物の良否を判定する。
【0019】
画像処理システム1000は、装置本体10となる制御ユニット2と、撮像ユニット3と、表示部4と、パーソナルコンピュータ5と、操作部6を備えている。パーソナルコンピュータ5には、画像処理システム1000を操作する画像検査プログラムをインストールする。画像検査プログラムのユーザインターフェース画面は、パーソナルコンピュータ5のモニタや、表示部4に表示させることができる。なおパーソナルコンピュータ5は、必須のものではなく、省略することもできる。この場合は制御ユニット2が、画像検査を実行する。また制御ユニット2で、画像検査プログラムを実行させるようにしてもよい。
【0020】
さらに表示部4の代わりにパーソナルコンピュータのディスプレイを用いることもできる。また
図1では、画像処理システム1000の構成例の一例として、制御ユニット2、撮像ユニット3、表示部4、パーソナルコンピュータ5、操作部6を別々のものとして記載しているが、これらのうち、任意の複数を組み合わせて一体化することもできる。例えば、制御ユニット2と撮像ユニット3を一体化することや、制御ユニット2と表示部4を一体化することもできる。また、制御ユニット2を複数のユニットに分割して一部を撮像ユニット3や表示部4に組み込むことや、撮像ユニット3を複数のユニットに分割して一部を他のユニットに組み込むこともできる。さらに操作部6も、別途設ける他、パーソナルコンピュータが備える入力デバイスを利用したり、表示部をタッチパネルとする等、他の部材に統合してもよい。
【0021】
また
図1の例では、制御ユニット2を、撮像ユニット3と、表示部4と、パーソナルコンピュータ5にそれぞれケーブルを介して接続している。ただ本発明は各部材の接続を有線接続に限定するものでなく、無線LANや公衆通信回線、NFC等の電波、赤外線、光等の媒体を介した無線接続としてもよい。また通信規格は、イーサネットやIEEE802.1x、USB、Bluetooth、ZigBee(いずれも登録商標又は製品名)等、規格化された汎用のものや、専用のプロトコルやインターフェースが適宜利用できる。
【0022】
本発明の実施形態1に係る画像処理装置100のハードウェア構成を、
図2のブロック図に示す。この図に示す画像処理装置100は、制御ユニット2と、撮像ユニット3と、表示部4と、パーソナルコンピュータ5を備える。
(制御ユニット2)
【0023】
制御ユニット2は、メイン基板13と、コネクタ基板16と、通信基板17と、電源基板18を備えている。メイン基板13には、プロセッサ部20と、メモリ133とが搭載されている。メモリ133は、RAMやROM等で構成される。
【0024】
コネクタ基板16は、電源インタフェース161に設けてある電源コネクタを介して、外部の電源から電力の供給を受ける。電源基板18は、供給された電力を各基板に供給する。本実施形態では、カメラ部14にはメイン基板13を介して電力を供給している。電源基板18のモータドライバ181は、カメラ部14のモータ141に駆動電力を供給し、オートフォーカスを実現している。
【0025】
通信基板17は、メイン基板13から出力された検査対象物の良否判定結果を示すOK/NG信号(判定信号)や画像データ等を表示部4へ送信する。判定信号を受信した表示部4は、判定結果を表示する。なお、本実施形態では、通信基板17を介して判定信号を出力する構成にしているが、例えばコネクタ基板16を介して判定信号を出力する構成にしても良い。
(操作部6)
【0026】
また画像処理装置100は、ユーザの操作を受け付ける操作部6を備えている。操作部6は、キーボードやマウス、タッチパネル等の既存の入力でバイスが利用できる。
図2の例では、通信基板17は、表示部4が有するタッチパネル4aやパーソナルコンピュータ5のキーボード5a等から入力されたユーザの各種操作を受け付けることができるように構成されている。表示部4のタッチパネル4aは、例えば感圧センサを搭載した既知のタッチ式操作パネルであり、ユーザによるタッチ操作を検出して通信基板17へ出力する。パーソナルコンピュータ5は、キーボード5aの他に、マウスやタッチパネルを備えており、これら操作デバイスから入力されたユーザの各種操作を受け付けることができるように構成されている。通信は、有線であってもよいし、無線であってもよく、いずれの通信形態も、従来から周知の通信モジュールによって実現することができる。
【0027】
照明部15は、検査対象物を撮像する撮像領域に照明光を照射する、複数のLED152を備えている。LED152にはレンズやリフレクタを設けることができる。レンズは、短距離用又は長距離用のレンズユニットとして交換可能とできる。なお本明細書において照明光とは、主に照明部15で照射される光を指すが、自然光等、照明部によらずに存在する環境光も含む意味で使用する。
【0028】
撮像ユニット3は、カメラ部14と、照明部15を備えている。カメラ部14は、モータ141が駆動することにより、オートフォーカス動作の制御を行うことができる。このカメラ部14は、メイン基板13からの撮像指示信号に応じて検査対象物を撮像する。本実施形態では、撮像素子としてCMOS基板142を備えている。撮像されたカラー画像は、CMOS基板142にてダイナミックレンジを広げる変換特性に基づいてHDR画像に変換され、メイン基板13のプロセッサ部20へ出力される。
【0029】
メイン基板13は、接続してある各基板の動作を制御する。例えば照明部15に対しては、複数のLED152の点灯/消灯を制御する制御信号を、LEDドライバ151へ送信する。LEDドライバ151は、プロセッサ部20からの制御信号に応じて、例えばLED152の点灯/消灯、光量等を調整する。また、カメラ部14のモータ141に対しては、電源基板18のモータドライバ181を介してオートフォーカス動作を制御する制御信号を送信する。さらにCMOS基板142に対しては、撮像指示信号を送信する。
(プロセッサ部20)
【0030】
メイン基板13のプロセッサ部20は、与えられた信号やデータを処理して各種の演算を行い、演算結果を出力する制御回路や制御素子である。プロセッサ部20は、汎用PC向けのCPUやMPU、GPU、TPU等のプロセッサに限定するものでなく、特定用途向けにカスタマイズされたLSIやFPGA、ASIC等のゲートアレイ、マイコン、あるいはSoC等のチップセットやパッケージ等で構成できる。プロセッサ部20は、後述する複数の機能を実現する。なお本発明は、物理的に一のプロセッサ部で構成する例に限られず、複数のCPU等でプロセッサ部を構成してもよい。複数のCPUには、物理的に複数のCPUとする他、複数のCPUコアを一パッケージに組み込んだいわゆるマルチコアのMPUとしてもよい。この場合において、複数のCPUやCPUコアで各機能を実現する他、CPUやCPUコア毎に異なる機能を割り当てて実行してもよい。さらに、CPUとGPUの組み合わせでプロセッサ部を構成してもよい。この場合において、GPUは上述した表示制御部の機能を果たす他、プロセッサ部に割り当てられた機能の一部又は全部を実行させるように構成してもよい。
【0031】
図2の例では、メイン基板13のプロセッサ部20をFPGAとDSPで構成している。 FPGAは、照明制御、撮像制御をすると共に、取得した画像データに対する画像処理を実行する。また、DSPは、画像データについて、エッジ検出処理、パターン検索処理等を実行する。パターン検索処理の結果として、検査対象物の良否を示す判定結果を通信基板17へ出力する。演算処理結果等はメモリ133に記憶される。なお上記の例ではFPGAが照明制御、撮像制御等を実行するが、DSPが実行しても良い。また、FPGAとDSPの組み合わせに代えて、一の主制御回路乃至主制御部を設けても良い。例えば一のCPUが主制御部として、複数のLED152の点灯/消灯を制御する制御信号をLEDドライバ151へ送信したり、オートフォーカス動作を制御する制御信号をカメラ部14のモータ141へ送信したり、撮像指示信号等をCMOS基板142へ送信したりといった機能を果たす。
【0032】
プロセッサ部20は、カメラ部14で撮像された画像の合成を行う画像合成部の機能を実現する。画像合成は、複数の方向から照明を照射した画像を合成して、ワークの形状のエッジを強調する合成処理や、複数の異なる露光時間で撮像した画像を合成して、ダイナミックレンジを拡大するHDR等が利用できる。合成処理は、後述する照明光時分割制御により行われる。
(記憶部134)
【0033】
制御ユニット2には、ハードディスクドライブや半導体メモリ等の記憶部134が設けられている。記憶部134には、各種制御や処理を上記ハードウエアによって実行可能にするためのプログラムファイルや設定ファイル等、画像、判定結果等が記憶されている。プログラムファイルや設定ファイルは、例えばUSBメモリや光ディスク等の可搬式の記憶媒体に格納しておき、この記憶媒体に格納されたプログラムファイルや設定ファイルを制御ユニット2に読み込むこともできる。
(装置本体10)
【0034】
ここで、撮像ユニット3の詳細を、実施形態1に係る画像処理装置100として
図3~
図5に基づいて説明する。
図3は画像処理装置100の、偏光フィルタのない状態を示す斜視図、
図4は
図3の画像処理装置100からアタッチメント照明30を外した状態を示す分解斜視図を、
図5は
図4の画像処理装置100を背面側から見た分解斜視図を、それぞれ示している。これらの図に示す画像処理装置100は、装置本体10と、アタッチメント照明30で構成される。装置本体10は、矩形状の筐体11で構成される。筐体11は樹脂や金属等の剛性を有する部材で構成される。筐体11の一面には、円盤状の突出部12が形成されており、この突出部12にカメラ部14と内側照明40を設けている。カメラ部14は、撮像対象物の画像を撮像するCCDやCMOS等の画像センサを備える。
(アタッチメント照明30)
【0035】
アタッチメント照明30は、
図4、
図5等に示すように全体を矩形の平板状に形成し、中央に円形状の貫通孔31を開口している。この貫通孔31に、装置本体10の突出部12を挿通して、アタッチメント照明30を装置本体10に着脱式に連結する。
図6に示すように、装置本体10にアタッチメント照明30を連結した状態で、貫通孔31から表出される突出部12の突出面12aは、アタッチメント照明30の表面と同一面となるように構成される。また装置本体10には、アタッチメント照明30を接続する本体側コネクタ19を、アタッチメント照明30には、装置本体10の本体側コネクタ19を接続するアタッチメント側コネクタ39を、それぞれ設けている。アタッチメント側コネクタ39を本体側コネクタ19と係合することで、アタッチメント照明30が装置本体10と電気的に接続される。
(照明部15)
【0036】
図3の画像処理装置100の正面図を
図7に、
図7のVIII-VIII線における断面図を
図8に、それぞれ示す。これらの図に示すように、画像処理装置100は、撮像対象物に照明光を照射する照明部15を備える。照明部15は、カメラ部14を中心に、相対的に径方向内方に設けられた内側照明40と、径方向外方に設けられた外側照明50を備える。このため内側照明40は位置的にカメラ部14に近く、外側照明50はカメラ部14から遠くなる。この例では、内側照明40は、筐体11の突出部12に設けられている。また外側照明50は、アタッチメント照明30に設けられている。すなわち内側照明40は装置本体10に固定され、外側照明50は装置本体10に外付けされている。このような構成により、外側照明50をアタッチメント式に付加して照明の拡張性を実現できる。内側照明40は内側照明光を、外側照明50は外側照明光を、それぞれ照射する。
【0037】
内側照明40は、第一内照明ブロック41、第二内照明ブロック42、第三内照明ブロック43、第四内照明ブロック44に四分割されている。また外側照明50は、第一外照明ブロック51、第二外照明ブロック52、第三外照明ブロック53、第四外照明ブロック54に四分割されている。なお図の例では、各照明ブロックを4つに分割しているが、分割数はこれに限られず、3以下、あるいは5以上としても良いことはいうまでもない。
(ブロック図)
【0038】
画像処理装置100の装置本体10とアタッチメント照明30のブロック図を
図9に示す。この図に示すように、装置本体10はカメラ部14と、内側照明40と、本体側制御部24と、外部インターフェース部25と、本体側コネクタ19を備える。内側照明40は、第一内照明ブロック41と、第二内照明ブロック42と、第三内照明ブロック43と、第四内照明ブロック44を備える。これら第一内照明ブロック41~第四内照明ブロック44は、それぞれLEDやLD、OLED等の半導体発光素子で構成される。
【0039】
本体側制御部24は、照明部15とカメラ部14の動作を制御すると共に、外部インターフェース部25を通じて電源や信号のやりとりを行う。この本体側制御部24は、照明制御部24aとカメラ制御部24bを備える。照明制御部24aは、第一内照明ブロック41~第四内照明ブロック44の点灯、すなわちON/OFFを制御する。またカメラ制御部24bは、カメラ部14の撮像を制御する。これら照明制御部24aとカメラ制御部24bは、照明部15の点灯タイミングとカメラ部14の撮像タイミングを同期させて、画像の撮像時に適切な照明光が得られるように制御する。なお照明制御部24aとカメラ制御部24bは、個別の部材で構成する他、共通の制御部でもって照明制御部24aとカメラ制御部24bの機能を奏するようにしてもよい。このような制御部は、汎用PC向けのCPUやMPU、GPU、TPU等のプロセッサや、定用途向けにカスタマイズされたLSIやFPGA、ASIC等のゲートアレイ、マイコン、あるいはSoC等のチップセットやパッケージ等で構成できる。
【0040】
外部インターフェース部25は、画像処理装置100を外部の機器と接続するための接続コネクタを備える。外部機器との信号やデータのやりとりは、I/OのON/OFF信号の他、規格化された通信方式で行うことができる。また外部インターフェース部25は、画像処理装置100を駆動させる電力の供給を外部から受けるための電源ラインを含んでもよい。
【0041】
本体側コネクタ19は、装置本体10にアタッチメント照明30を接続するためのインターフェースを構成する。この例では、アタッチメント照明30をON/OFFするための制御信号や駆動するための電力を、本体側コネクタ19からアタッチメント側コネクタ39に供給する。
【0042】
一方、アタッチメント照明30は、外側照明50を備える。外側照明50は、第一外照明ブロック51、第二外照明ブロック52、第三外照明ブロック53、第四外照明ブロック54を備える。これら第一外照明ブロック51~第四外照明ブロック54も、第一内照明ブロック41~第四内照明ブロック44と同様、LEDやOLED等の半導体発光素子で構成できる。またこの例では、第一外照明ブロック51、第二外照明ブロック52、第三外照明ブロック53、第四外照明ブロック54を駆動する電力は、アタッチメント側コネクタ39を介して装置本体10側から供給される。これら装置本体10の内側照明40と、アタッチメント照明30の外側照明50とで、照明部15を構成する。なお
図9においては作図の都合上、外側照明50が内側照明40の下側に表示されているが、実際には外側照明50が内側照明40の周囲を囲むように配置されている。
(偏光フィルタ60)
【0043】
さらに画像処理装置100は、着脱式の偏光フィルタ60を備えている。偏光フィルタ60は、第一偏光フィルタ61と、第二偏光フィルタ62を備える。第一偏光フィルタ61は、内側照明40に配置され、所定の方向の偏光成分の光を通過させる。
【0044】
一方、第二偏光フィルタ62は、カメラ部14の受光面に配置され、第一偏光フィルタ61とほぼ直交する偏光成分の光を通過させる。すなわち第一偏光フィルタ61と第二偏光フィルタ62とは、偏光成分が互いに直交するように、偏光方向を90°ずらして配置される。これにより、カメラ部14側では正反射光の成分がカット乃至低減されて受光され、ハレーションが抑制される。
(第一フィルタ体70)
【0045】
図10~
図12に示すように、第一偏光フィルタ61は、突出部12の突出面12aを覆う円形のキャップ状に形成された第一フィルタ体70に設けられる。第一フィルタ体70は、突出部12に係合されるように、円筒状の側面から第一係止部74を突出させている。また第一フィルタ体70は、第一係止部74で突出部12に係止した姿勢で、底面の第一内照明ブロック41~第四内照明ブロック44と対応する位置に第一フィルタ開口窓71を形成すると共に、各第一フィルタ開口窓71に、第一偏光フィルタ61を設けている。さらに第一フィルタ体70は、その底面の中央において、カメラ部14と対応する領域に第二フィルタ開口窓72を開口しており、第二フィルタ開口窓72には第二偏光フィルタ62を設けている。このように第一偏光フィルタ61と第二偏光フィルタ62を同一の部材上に設けることで、各フィルタは確実に位置決めされるので、偏光フィルタの装着時に各偏光フィルタ間の偏光方向のずれを気にすることなく、簡単にハレーションの除去機能を加除できる。
(第二フィルタ体80)
【0046】
一方で画像処理装置100は、
図13~
図14に示すように、第一フィルタ体70に代えて、第二フィルタ体80を装着できるようにしている。第二フィルタ体80は、装置本体10にアタッチメント照明30を装着した状態で、同一面状に形成された突出部12の突出面12aとアタッチメント照明30の光軸面で構成される主面を覆うように形成される。この第二フィルタ体80は、アタッチメント照明30の光軸面を覆う大きさに形成される。また第二フィルタ体80の枠状の上下面からは、アタッチメント照明30に係合される第二係止部84を突出させている。さらに第二フィルタ体80は、第二係止部84でアタッチメント照明30に係止した姿勢で、底面の中央において、突出面12aと対応する位置に第一フィルタ体70と同様、第一内照明ブロック41~第四内照明ブロック44と対応する位置に第一フィルタ開口窓71を、カメラ部14と対応する領域に第二フィルタ開口窓72を、それぞれ開口させると共に、各第一フィルタ開口窓71及び第二フィルタ開口窓72に、それぞれ第一偏光フィルタ61を設けている。
【0047】
加えて第二フィルタ体80は、第二係止部84でアタッチメント照明30に係止した姿勢で、底面の周囲において、外側照明50の第一外照明ブロック51~第四外照明ブロック54と対応する位置にそれぞれ、第三フィルタ開口窓83を開口させると共に、各第三フィルタ開口窓83には、それぞれ第三偏光フィルタ63を設けている。第三偏光フィルタ63は、第一偏光フィルタ61と同じ偏光成分の光を通過させる。この第二フィルタ体80は、受光面、内側照明40及びアタッチメント照明30を覆うように、筐体11に脱着式に構成されている。
【0048】
これら第一偏光フィルタ61と第二偏光フィルタ62は、
図15に示すように、画像処理装置100に対し第一偏光フィルタ61又は第二偏光フィルタ62のいずれかを装着できるように構成されている。例えば撮像対象物が画像処理装置100と近い場合は、
図10~
図12に示すように画像処理装置100に第一フィルタ体70を装着する。また撮像対象物が画像処理装置100と遠い場合は、
図13~
図14に示すように、画像処理装置100に第二フィルタ体80を装着する。このように、撮像対象物と画像処理装置100の距離、あるいは撮像対象物が反射し易い材質かどうか、さらには撮像や観察の目的等に応じて、受光面と内側照明40を覆う第一フィルタ体70と、これに加えて外側照明50も覆う第二フィルタ体80のいずれかを選択的に筐体11に装着可能として、撮像対象物や目的に応じてハレーションの除去能力を選択できる。
【0049】
なお上記の例では、第二フィルタ体80はその中央に第一フィルタ体70を一体的に設けたような構成としている。ただ本発明は、第二フィルタ体80をこのような構成に限定するものでなく、例えば
図16に示す変形例に係る画像処理装置100’のように、第二フィルタ体80’の中央をくり抜いて、この部分に第一フィルタ体70をセットできるように構成してもよい。この構成であれば、事実上第一フィルタ体を複数用意することなく、第一フィルタ体70を生かして第二フィルタ体80’を追加することで外側照明50の偏光フィルタの付加できるようになり、部品点数を省略できる利点が得られる。一方、
図15の構成であれば、第二フィルタ体80を装着するという一の動作のみで、カメラ部14と内側照明40と外側照明50を覆うことができ、着脱作業の利便性の点で有利となる。
【0050】
図9の照明制御部24aは、撮像対象物が画像処理装置100と近い場合に第一フィルタ体70を装着した状態で、内側照明40及び外側照明50を同時に点灯させて、内側照明40による受光面に入光される正反射光を、第一偏光フィルタ61及び第二偏光フィルタ62により軽減する。また外側照明50により、撮像対象物に対してローアングルで、すなわち正対する方向よりも斜め方向から照明光を照射するよう、照明部15を制御する。これにより、正反射光を低減して安定的な撮像が実現される。この様子を、
図8や
図17~
図19に基づいて説明する。ここでは照明部15として上述の通り、カメラ部14の周囲に配置された内側照明40と、この内側照明40の周囲に配置された外側照明50とが設けられている。
【0051】
図8に示すように、多くの場合、撮像対象物WKは装置本体10に対して正対した姿勢に置かれることが多い。また平滑な面を持つワークでは、内側照明40から照射された内側照明光が正反射され、
図8において太線の矢印で示すように正反射光の成分が、拡散反射光と比較して非常に強い光量でカメラ部14に入射される。このような正反射成分は、反射されても偏光方向が変化することなく返ってくる。このため、偏光フィルタを照明側と受光側とで直交させて設けることにより低減できる。ここで
図8のように、撮像対象物WKとカメラ部14の位置関係が比較的近い場合は、内側照明40が発する内側照明光は正対する正面側に照射される正反射が強くハレーションするが、外側照明50が発する外側照明光は正面でなく周囲方向となるため、斜めに入射されるローアングル照明となる結果、ハレーションを生じ難い。したがって、撮像対象物WKが近い場合は
図17に示すように内側照明40のみに第一偏光フィルタ61を設けることで、ハレーションを効果的に阻止できる。換言すると、外側照明50には偏光フィルタを設ける必要はない。これにより、照明光の低減を必要最小限に抑えられる。
【0052】
一方で
図18に示すように撮像対象物WKが画像処理装置100から遠い場合は、外側照明光も受光面に入射されるようになるため、アタッチメント照明30にも偏光フィルタが必要となる。ただ、常に偏光フィルタを付加した方が好ましい画像が得られる訳ではない。偏光フィルタを付加することで光量が低下し、コントラストが得られなくなる場合もある。一般に偏光フィルタを透過させると40%程度の光量しか透過しないため、拡散反射が主体となる撮像対象物では、照明側と受光側にそれぞれ偏光フィルタを設けると光量が10~20%まで低下してしまう。したがって、平滑でない撮像対象物を観察するような場合には、外乱光に対する耐性や露光時間を長くする等の点において、偏光フィルタを用いる方が不利な条件となることが往々にして生じる。
【0053】
また偏光フィルタの設計に際しては、照明側の偏光フィルタと受光側の偏光フィルタを、より直交に近い角度に調整する必要がある。このため、装置本体10側の偏光フィルタと、アタッチメント照明30のみを覆う偏光フィルタの組合せでは、角度の精度を維持することが厳しくなって本来の性能を発揮し難いという事情もある。
【0054】
そこで本実施形態に係る画像処理装置100では、
図13~
図14等に示すように、内側照明40用の第一偏光フィルタ61と受光面用の第二偏光フィルタ62に加え、アタッチメント照明30である外側照明50用の第三フィルタを同一平面上に固定した第二フィルタ体80を着脱式に準備している。この第二フィルタ体80を付加することで、
図19に示すように、内側照明光の正反射成分に加えて、外側照明光の正反射成分も抑制することが可能となる。またこれら第一偏光フィルタ61と第二偏光フィルタ62、第三偏光フィルタ63を共通の第二フィルタ体80に固定したことで、偏光フィルタ間の位置決めが確実に維持され、偏光方向が調整された状態で確実に性能を発揮させてハレーションを抑制できる。
【0055】
このように、脱着自在な偏光フィルタとして、内側照明40のみを覆うものと、内側照明40と外側照明50と共に覆うものを準備し、撮像対象物に応じて使い分けることで、多様な選択肢と最大性能を発揮できる環境が実現される。また、従来はハレーションを除去するために、照明の位置を変更してカメラ部の受光面が反射光を受けないように調整することも行われていたが、本実施形態に係る画像検査装置100によれば、このような照明部15の位置を変更できない構成においても、効果的にハレーションを除去乃至低減できる。すなわち、外側照明50をアタッチメント照明30として、装置本体10の筐体11の前面部に位置決めされた状態で提供し、取付位置を自由に変更できない構成であっても、第一偏光フィルタ61と第二偏光フィルタ62の組み合わせにより正反射光を低減することが可能となる。
【0056】
このようにアタッチメント照明30を追加することで、照明光の光量が増え、より遠い撮像対象物を撮像する場合に外乱光に対する耐性を向上させ、また露光時間を短くできる点でも有利となる。また、より近い撮像対象物の撮像では小型化が求められるため、アタッチメント照明30を取り外すことで対応できる。また、近い撮像対象物の撮像では、アタッチメント照明30は装置本体10に内蔵された内側照明40よりも受光面の光軸となす角度が大きい、ローアングル照明として機能する。さらに、近い撮像対象物の撮像に際して、偏光フィルタを使用した方が撮像に有利かどうかが判らない場合、例えばワークの平滑度に依存する正反射が強いかどうか判らない場合には、内側照明40と受光面のみに第一フィルタ体70を装着することで、偏光フィルタありの画像を取得し、また第一フィルタ体70の着脱をすることなく同じ構成でアタッチメント照明30により偏光フィルタなしの画像を取得することで、これらの対比によって偏光フィルタの要否を容易に判断できる。一般に画像処理装置を用いた撮像に際して、ローアングルとハイアングル、偏光フィルタありとなしの組合せを試し、条件を決定することは手間がかかる。これに対して、よりハレーションの懸念があるハイアングルの撮像のみを偏光フィルタありで行えるので、機器構成を変えずに様々な条件で撮像できる手段が提供される。またソフトウェア的に最適な条件を選択することで、マシンビジョンの知識のないユーザでも簡易に照明条件の最適化が可能となる。さらに本実施形態に係る画像処理装置100によれば、受光面と内側照明40と外側照明50の位置関係が固定されており、自由度が低いことが、簡単に照明条件を設定できる要因として作用している。
【0057】
以上は、1回の撮像ですべての照明ブロックを点灯させる全点灯の場合であり、アタッチメント照明30は装置本体10の撮像と同期して点灯させる必要がある。また装置本体10の撮像タイミングとの同期は、装置本体10に内蔵された内側照明40でも同様に必要となる。
(照明の配置と照明光時分割制御)
【0058】
またハレーション対策の別の方法として、照明部15を異なる方向に分割して配置し、一方向ずつ点灯する照明光時分割制御が挙げられる。例えば照明部15を第一内照明ブロック41~第四内照明ブロック44に四分割して、四方向から内側照明光を照射する。一方向ずつ点灯し撮像した画像は、それぞれハレーションの位置が異なるため、各画像のハレーションしていない部分を選択し、合成することでハレーションのない画像を生成できる。このような画像の合成処理は、上述した画像処理システム1000の制御ユニット2で行う。ただ、画像処理装置100側、すなわち撮像ユニット3側で画像合成処理を行うように構成してもよい。この場合は
図9の本体側制御部24でもって画像合成等の必要な画像処理を行うことができる。
【0059】
照明制御部24aは、装置本体10に固定された内側照明40とアタッチメント照明30を個別に点灯することができる。すなわち、時分割で内側照明40と外側照明50を点灯する照明光時分割制御が可能である。ここでは内側照明40の四方向とアタッチメント照明30の四方向の8通りで独立した点灯を可能としている。このような照明光時分割制御でのハレーション対策は、画像処理装置100と撮像対象物との距離が近い程、有効に作用する。
(照明光時分割制御によるハレーションの除去)
【0060】
照明制御部24aは、第一内照明ブロック41~第四内照明ブロック44、及び第一外照明ブロック51~第四外照明ブロック54の点灯タイミングを制御して、ハレーションを抑制する。このような点灯制御を照明光時分割制御と呼ぶ。ここで、照明光時分割制御によりハレーションが抑制される原理を、
図20~
図22Cに基づいて説明する。撮影対象のワークが平面状でなく、なだらかな凹面の場合を考える。この場合、照明光をカメラ部14で受光する光量の、位置yあたりの強度yは
図20のグラフのようになる。図において細線は照明光が弱い場合、太線は照明光が強い場合を示している。また破線よりも上の領域が、ハレーションの発生するハレーション領域となる。このように明るくなると、ハレーション領域が大きくなることが判る。なお、照明光を強くするには、照明光の光量を増す、例えばLED等の発光素子の電流量を増す方法や、CCD等の撮像素子の露光時間を長くする方法がある。
【0061】
一方で、照明光を四方向の照明ブロックから照射した場合にハレーションが発生する領域を、
図21A~
図21Cに示す。各図において、視野FV内において円で囲んだ領域がハレーション領域HAを示している。
図21A~
図21Cに向かって、照明光が強くなっていく状態を示しており、照明光が強くなる程、ハレーション領域HAがそれぞれ拡大していく様子が判る。ここで
図21Aのように、照明ブロック毎の照明光が互いに重なっていない状態であれば、照明制御部24aで照明ブロックを個別に点灯させ、他の照明ブロックを消灯した状態で撮像した画像を合成すれば、一の照明ブロックの点灯で生じるハレーション領域HAを、他の照明ブロックの点灯で撮像した画像でもって補うことができる。これにより、ハレーションを除去した画像を得ることができる。これが、照明制御部24aによる点灯制御でハレーションを除去する照明光時分割制御である。このような照明光時分割制御により、
図21Bのように部分的にハレーション領域HAが重なっている場合であっても、4方向の照明ブロックのいずれかでハレーションが生じていなければ除去できる。
(偏光フィルタの併用)
【0062】
一方、
図21Cにおいてクロスハッチングで示すように、どの方向の照明ブロックを点灯してもハレーションが重なる領域があると、照明光時分割制御ではハレーションを除去することができなくなる。これを回避するためには、照明光の強度を下げて、ハレーション領域HAがすべての照明ブロックで重なる領域が生じなくなるようにすることが考えられるが、照明を弱めると全体が暗くなって、観察や検査したい対象が見え難くなる問題があった。
【0063】
これに対して本実施形態に係る画像処理装置100では、照明光時分割制御に偏光フィルタを併用している。すなわち照明光を偏光フィルタに通過させることで、ハレーション領域を縮小して、重複領域の発生を回避する。ハレーションは殆どが照明光の正反射成分で生じることから、偏光フィルタを介在させることで正反射成分の光量分だけ照明光が小さくなり、ハレーション領域の面積は小さくなる。
図22A~
図22Cに、偏光フィルタを付加した場合のハレーション領域HAを示す。これらの図においても、上述した
図21A~
図21Cと同様、
図22A~
図22Cに向かって照明光が強くなっていく状態を示しており、照明光の強度を
図22Aと
図21A、
図22Bと
図21B、
図22Cと
図21Cでそれぞれ同じとしている。これら
図22A~
図22Cと
図21A~
図21Cを対比すれば明らかなとおり、同じ照明光の強度であっても、ハレーション領域HAが小さくなっていることが判る。例えば
図22Aに示すように、照明光の光量が小さい場合は、偏光フィルタを通すことで、ハレーション領域を除去できる場合もある。また光量が大きい場合でも、
図22Cに示すように、すべてのハレーション領域HAが互いに重複する領域をなくすことで、照明光時分割制御によりハレーションを除去できる。あるいは、ハレーション領域HAが重複する領域が残る場合であっても、偏光フィルタのない場合と比べて重複領域の面積を小さくできるので、ハレーションの影響を軽減できる効果が得られる。
[実施形態2]
【0064】
さらに本発明に係る画像処理装置は、照明部15に、その光軸と同軸に配置されるリフレクタを付加してもよい。リフレクタは、角度の異なる複数の複合放物面型集光器(Compound Parabolic Concentrator:CPC)を組み合わせたものである。これにより、偏光フィルタによる光量減少を補うことができる。このような例を、実施形態2に係る画像処理装置200として、以下説明する。
(CPC)
【0065】
従来の照明部915を、
図23の断面図に示す。この図に示すように照明部915は、拡散板950と、リフレクタ990と、LED952と、照明基板954を備えている。この照明部915は、LEDの発光面から出る光を、リフレクタ990のCPCと呼ばれる面形状でカメラ部14の視野内に集光していた。CPCとは、ある範囲の角度を以て入射された光束を、特定の面内に集光しながら伝送する光学素子である。ここでCPCの形状は、単一の入射側直径と放射角で設計されていた。しかしながら、単一のCPC形状では視野内の照度分布は
図24に示すように環形状になってしまう。
図24において、破線は照度分布の左上と右下を形成するCPCが作る光量分布を、実線はこれらの合成結果を示している。これでは、カメラ部14の視野内の照度分布は中心が暗い、場所によって明るさの著しく異なる不均一なものとなる。このため従来の照明部915は、拡散板950を組み合わせることで、
図25に示すように視野内の照度分布を平滑化していた。
図25において、破線は拡散板950によって広げられた光量分布を、実線はこれらの合成結果を、それぞれ示している。また破線で囲んだ欄外の領域は、LEDから出射された照明光を利用することなく破棄していることを示している。このように、拡散板950を用いる方法では、拡散板950で視野外に散逸される成分が多くなる結果、効率が悪くなるという問題があった。
【0066】
これに対し、本実施形態に係る画像処理装置200では、リフレクタ90に複数のCPCを組合わせることで、効率を改善している。
図26の断面図に示す例では、リフレクタ90は第一CPC面91と、第二CPC面92と、第三CPC面93を有している。第一CPC面91と、第二CPC面92と、第三CPC面93は、それぞれ入射開口径、LEDとの相対位置、放射角度の設計が異なるCPC曲面であり、これらを接合界面で滑らかに連続するように設計している。また、このリフレクタ90により得られる照度分布を、
図27のグラフに示す。グラフにおいて、細線は第一CPC面91で得られる照度成分を、破線は第二CPC面92で得られる照度分布を、一点鎖線は第三CPC面93で得られる照度分布を、太線はこれらを合成した照度分布を、それぞれ示している。
図27のグラフに示すように、異なるCPC面を組合わせることで、拡散板を用いることなく、カメラ部14の視野内の照度分布を均一に成形することが可能となる。また、
図27において欄外の破線で示す領域が
図25よりも小さくなっていることが確認でき、照明光が視野外に捨てられて利用されない成分を低減して効率が改善されていることが判る。すなわち、光源であるLEDが発光する光を効率よく視野内に集光し、かつ視野内の照度分布を均一にできる。この例では、拡散板を使用した構成と比較して、効率が約2倍に改善された。これにより、同じ照度を得るためにLEDが発光する光量が半分で済むため、発熱が少なく、照明部15の小型化が実現される。
【0067】
CPCの種類は、受光の画角に応じて複数個を組み合わせることができる。
図26の例では3個のCPCを組み合わせたが、用途や仕様に応じて2個としたり、4個以上としてもよい。第一CPC面91と、第二CPC面92と、第三CPC面93の厚さ(
図26において縦方向の長さ)を変化させることで、得られる照度分布の比率を調整できる。特に第二CPCと、第三CPCの厚さは、薄くする程、すなわちLED側に近付ける程、多くの照明光が当たるので、短くすることが好ましい。
【0068】
集光させる放射角が小さいCPCになる程、光軸方向の長さが長くなる。ただサイズの制約があると、短い不完全な形状でリフレクタを利用することになる。リフレクタが本来のより完全な長さに近づく程、効率は向上する。
【0069】
多段に接続する各CPCの境界部分は、滑らかにつなげることが好ましい。ただし、段差を設けることもできる。ここでCPCを2段につなげたリフレクタの例を、
図28~
図29に示す。これらの図において、
図28は一段目のCPC94と二段目のCPC95を滑らかにつないだ例を、
図29は一段目のCPC94’と二段目のCPC95’を滑らかでなく段差を設けた例を、それぞれ示している。各図において、光量分布を重ねて示すと共に、斜線で示した領域が一段目のCPC94、94’を示している。
図29に示すように、CPCの境界が滑らかでなく段差状となっていても、光量の均一化は達成できる。例えば
図29に示すように、二段目のCPC95’が相似で大きくなっても放射角特性はほとんど変わらない。一般にCPCは、入射開口と放射角によってその形状が決定される。入射開口の大きさにより、同じ放射角であれば相似形のCPCとなる。したがってCPC95及びCPC95‘の放射角を同じにすれば、概ねリフレクタ全体として同じ機能となる。このことから、僅かに入射開口の大きさを変えてCPC94’とCPC95’の接続部に段差を設けても、機能上はほぼ同じリフレクタとなる。ただし段差があると、
図29において太線で示す領域よりも外側の、陰になった円で囲んだ領域には照明光が照射されなくなるので、利用できない領域が生じて無駄となる。このため、上述の通り多段に接続する各CPCの境界部分は、滑らかにつなげることが好ましいといえる。
[実施形態3]
【0070】
以上説明した実施形態1に係る画像処理装置100は、
図9に示したように装置本体10に本体側制御部24を内蔵した一体型の例を説明したが、本発明はこの構成に限られず、本体側制御部を別部材で構成したセパレート型の画像処理装置に適用することもできることはいうまでもない。このようなセパレート型の例を、実施形態3に係る画像処理装置300として、
図30の斜視図及び
図31~
図33の分解斜視図に示す。これらの図に示す画像処理装置300において、上述した実施形態1に係る画像処理装置100と同じ部材については、同じ符号を付して詳細説明を省略する。
図30の画像処理装置300は、装置本体10Cの筐体11C内にカメラ部14Cと内側照明40Cを設けており、本体側制御部は内蔵していない。これらは、外部に接続した制御ユニット等で制御する。その分、筐体11Cを小型化できる。なお分離型の画像処理装置においても、本体側制御部の機能をすべてアンプ側に分離せず、一部の機能をFPGA部等としてヘッド側に残してもよい。またこの筐体11Cは、カメラ部14Cや内側照明40Cを箱形の筐体11Cの正面側に同一平面上に設けている。アタッチメント照明30Cは、この筐体11C正面の全面を表出させた状態で、その周囲を囲むように着脱自在に装着される。また、このアタッチメント照明30Cの貫通孔31Cは、矩形状の筐体11C正面に合わせてスリット状に開口されている。
【0071】
装置本体10Cは、筐体11C正面の中央にカメラ部14Cを設け、その周囲の四箇所、すなわち右上、右下、左下、左上に、内側照明40Cとして第一内照明ブロック41C、第二内照明ブロック42C、第三内照明ブロック43C、第四内照明ブロック44Cの四つを配置している。一方、アタッチメント照明30Cは、貫通孔31Cに装置本体10Cを挿入して連結した状態で、装置本体10Cの左右に外側照明50Cを設けている。この外側照明50Cは、右側に第一外照明ブロック51Cと第二外照明ブロック52C、左側に第三外照明ブロック53C、第四外照明ブロック54Cの四つをそれぞれ配置している。
【0072】
さらに
図31~
図32に示すように、第一フィルタ体70Cを着脱自在に設けている。第一フィルタ体70Cには、中央のカメラ部14Cの受光面と対応する位置に第二偏光フィルタ62Cを、またその周囲の各内照明ブロックと対応する位置に第一偏光フィルタ61Cを、それぞれ設けている。この例では実施形態1と異なり、第一偏光フィルタ61Cを共通として、各内照明ブロックを覆う。一方で第二偏光フィルタ62Cは別部材とし、共通の透明なアクリルシートに貼付している。また第一フィルタ体70Cは、上下に設けた第一係止部74Cでもって装置本体10Cの筐体11Cに係合される。
【0073】
一方第二フィルタ体80Cも、
図33に示すように装置本体10Cにアタッチメント照明30Cを装着した状態で全面を覆うように、着脱自在に装着される。この第二フィルタ体80Cも、第一フィルタ体70Cと同様に中央のカメラ部14Cの受光面と対応する位置に第二偏光フィルタ62Cを、またその周囲の各内照明ブロックと対応する位置に第一偏光フィルタ61Cを、それぞれ設けている。さらにアタッチメント照明30Cの第一外照明ブロック51Cと第二外照明ブロック52C、及び第三外照明ブロック53Cと第四外照明ブロック54Cと対応する位置に、第三偏光フィルタ63Cをそれぞれ設けている。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明の画像処理装置、照明装置及びリフレクタは、検査対象物のワークを撮像した画像に基づいて検査対象物の良否判定を行う用途等に好適に利用できる。また倉庫や工場、店舗、病院等で使用される、バーコードや二次元コード等のシンボルを読み取ってデータの登録、照合を行う定置式コードリーダや、ハンディスキャナ、ハンディターミナル、業務用PDA等にも好適に利用できる。
【符号の説明】
【0075】
1000…画像処理システム
100、100’、200、300…画像処理装置
2…制御ユニット
3…撮像ユニット
4…表示部
4a…タッチパネル
5…パーソナルコンピュータ
5a…キーボード
6…操作部
10、10C…装置本体
11、11C…筐体
12…突出部;12a…突出面
13…メイン基板
14、14C…カメラ部
15…照明部
16…コネクタ基板
17…通信基板
18…電源基板
19…本体側コネクタ
20…プロセッサ部
24…本体側制御部;24a…照明制御部;24b…カメラ制御部
25…外部インターフェース部
30、30C…アタッチメント照明
31、31C…貫通孔
39…アタッチメント側コネクタ
40、40C…内側照明
41、41C…第一内照明ブロック
42、42C…第二内照明ブロック
43、43C…第三内照明ブロック
44、44C…第四内照明ブロック
50、50C…外側照明
51、51C…第一外照明ブロック
52、52C…第二外照明ブロック
53、53C…第三外照明ブロック
54、54C…第四外照明ブロック
60…偏光フィルタ
61、61C…第一偏光フィルタ
62、62C…第二偏光フィルタ
63、63C…第三偏光フィルタ
70、70C…第一フィルタ体
71…第一フィルタ開口窓
72…第二フィルタ開口窓
74、74C…第一係止部
80、80’…第二フィルタ体
83…第三フィルタ開口窓
84…第二係止部
90…リフレクタ
91…第一CPC面
92…第二CPC面
93…第三CPC面
94、94’…一段目のCPC
95、95’…二段目のCPC
133…メモリ
134…記憶部
141…モータ
142…基板
151…ドライバ
152…LED
161…電源インタフェース
181…モータドライバ
915…照明部
950…拡散板
952…LED
954…照明基板
990…リフレクタ
WK…撮像対象物
FV…視野
HA…ハレーション領域