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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022164160
(43)【公開日】2022-10-27
(54)【発明の名称】車線規制用矢印表示装置
(51)【国際特許分類】
   B62B 3/00 20060101AFI20221020BHJP
   E01F 13/04 20060101ALI20221020BHJP
   G09F 7/00 20060101ALI20221020BHJP
【FI】
B62B3/00 D
E01F13/04 Z
G09F7/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021069474
(22)【出願日】2021-04-16
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-09-01
(71)【出願人】
【識別番号】512220123
【氏名又は名称】株式会社ネクスコ・サポート新潟
(74)【代理人】
【識別番号】100081558
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 晴男
(74)【代理人】
【識別番号】100154287
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 貴広
(72)【発明者】
【氏名】本間 雄一郎
【テーマコード(参考)】
2D101
3D050
【Fターム(参考)】
2D101CA11
2D101DA04
2D101EA05
2D101EA08
2D101FA35
2D101GA22
3D050AA11
3D050BB02
3D050DD03
3D050EE08
3D050EE15
3D050GG02
3D050HH01
(57)【要約】
【課題】シンプルで比較的軽量な構成で取り扱いやすく、規制器材の移動、設置、撤去時における作業者の負担を軽減して、それらの作業の迅速化を図ることができ、また、大型車通過時等における風圧を受けてもずれ動くことが極力防止され、以て、適切な交通規制機能を維持することができる車線規制用矢印表示装置を提供することを課題とする。
【解決手段】長方形状の台車フレーム1と、台車フレーム1の一方の短辺1aに取り付けられるコ字状のハンドルフレーム2と、台車フレーム1の裏面に設置される、高輝度反射材で複数の矢印4を表現した矢印プレート3とから成り、ハンドルフレーム2の上辺5に重量を付加した。ハンドルフレーム2の上辺5に金属管を嵌装し、及び/又は、上辺5の両端に錘を取り付けることにより重量が付加される。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長方形状の台車フレームと、前記台車フレームの一方の短辺に取り付けられるコ字状のハンドルフレームと、前記台車フレームの裏面に設置される、高輝度反射材で複数の矢印を表現した矢印プレートとから成り、
前記ハンドルフレームの上辺に重量を付加したことを特徴とする車線規制用矢印表示装置。
【請求項2】
前記ハンドルフレームの上辺に金属管を嵌装し、及び/又は、前記上辺の両端に錘を取り付けることにより重量を付加した、請求項1に記載の車線規制用矢印表示装置。
【請求項3】
前記矢印プレートはアルミ板である、請求項1又は2に記載の車線規制用矢印表示装置。
【請求項4】
前記矢印プレートの四隅にキャスターが取り付けられている、請求項1乃至3のいずれかに記載の車線規制用矢印表示装置。
【請求項5】
前記台車フレームの各長辺に沿って、載置物を支持するサイドバーが配設されている、請求項1乃至4のいずれかに記載の車線規制用矢印表示装置。
【請求項6】
前記サイドバーにゴム製滑り止め材が定着されている、請求項5に記載の車線規制用矢印表示装置。
【請求項7】
前記サイドバー間の間隔は、カラーコーン(登録商標)のベースのサイズに対応している、請求項5又は6に記載の車線規制用矢印表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車線規制用矢印表示装置に関するものであり、より詳細には、運搬・設置が容易で、作業員の運搬・設置の負担を軽減することができる車線規制用矢印表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
高速道路や一般道路における事故発生時や道路工事等に際しては、交通規制のために各種規制器材が配置される。規制器材としては、矢印板及びカラーコーン(登録商標)(登録商標)が用いられることが多いが、それらを複数、巡回車から降ろして現場に運び入れる作業は、作業員にとって大きな負担となり、設置作業及び撤去作業にも時間がかかっていた。また、その作業時には、走行車に対して退避しずらい状況となるため、作業に時間がかかればかかるほど、危険の度合いが増すことになる。
【0003】
通例、規制器材の設置時及び撤去時における移動作業は台車を用いて行われるが、一般の台車の場合、荷台が単なる平板状であり、矢印板及びカラーコーン(登録商標)を安定状態に載置し得る仕様にはなっていない。また、台車は、規制器材の移動作業後は不要となるので、片付けに手間がかかる。
【0004】
かかる状況に鑑み、荷台の裏面に文字や図形等を表示可能にした表示機能付き手押し台車が提案されている(特開2019-147448号公報)。この提案に係る手押し台車は、交通規制現場に運び入れ、そのまま横倒しにして荷台裏面の表示を露出させ、その表示を走行車両から視認可能にするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-147448号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記表示機能付き手押し台車の場合は、一般的な台車の仕様であるため、矢印板やカラーコーン(登録商標)等の規制器材の運搬に特化したものではないことはもちろん、全体重量が嵩むために、巡回車への搭載及び降ろし作業は作業者にとって負担となる。そこで本発明は、シンプルで比較的軽量な構成で取り扱いやすく、規制器材の移動、設置、撤去時における作業者の負担を軽減して、それらの作業の迅速化を図ることができ、また、大型車通過時等における風圧を受けてもずれ動くことが極力防止され、以て、適切な交通規制機能を維持することができる車線規制用矢印表示装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、長方形状の台車フレームと、前記台車フレームの一方の短辺に取り付けられるコ字状のハンドルフレームと、前記台車フレームの裏面に設置される、高輝度反射材で複数の矢印を表現した矢印プレート板とから成り、前記ハンドルフレームの上辺に重量を付加したことを特徴とする車線規制用矢印表示装置である。
【0008】
一実施形態においては、前記ハンドルフレームの上辺に金属管を嵌装し、及び/又は、前記上辺の両端に錘を取り付けることにより重量が付加される。
【0009】
一実施形態においては、前記矢印プレートはアルミ板であり、また、前記矢印プレートの四隅にキャスターが取り付けられる。
【0010】
一実施形態においては、前記台車フレームの各長辺に沿って、載置物を支持するためのサイドバーが配設される。また、前記サイドバーにゴム製滑り止め材が定着される。
【0011】
一実施形態においては、前記サイドバー間の間隔は、カラーコーン(登録商標)のベースのサイズに対応する。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る車線規制用矢印表示装置は上記のとおりのものであって、シンプルな構成で比較的軽量であり、また、規制器材である矢印板及びカラーコーン(登録商標)の載置、移動に好適であるので、車線規制箇所における規制器材の設置、撤去時における作業者の負担を軽減できて、それらの作業を迅速に且つ安全に行うことを可能にし、また、使用時に、大型車両の通過等に伴って風圧を受けてもずれ動くことが防止され、以て、適切な交通規制機能を維持することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係る車線規制用矢印表示装置の正面図である。
図2】本発明に係る車線規制用矢印表示装置の側面図である(ハンドルフレーム起立時)。
図3】本発明に係る車線規制用矢印表示装置の側面図である(ハンドルフレーム折り畳み時)。
図4】本発明に係る車線規制用矢印表示装置の平面図である(ハンドルフレーム起立時)。
図5】本発明に係る車線規制用矢印表示装置の底面図である(ハンドルフレーム折り畳み時)。
図6図2におけるA-A線断面図である。
図7図1におけるB-B線拡大断面図である。
図8】本発明に係る車線規制用矢印表示装置による矢印板及びカラーコーン(登録商標)の搬送状態を示す図である。
図9】本発明に係る車線規制用矢印表示装置と矢印板及びカラーコーン(登録商標)の配置例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明を実施するための形態につき、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本発明に係る車線規制用矢印表示装置は、長方形状の台車フレーム1と、台車フレーム1の一方の短辺1aに取り付けられるコ字状のハンドルフレーム2と、台車フレーム1の裏面に設置される、高輝度反射材で複数の矢印4を表現した矢印プレート3とから成り、ハンドルフレーム2の上辺5に重量を付加したことを特徴とするものである。矢印プレート3は、通例、軽量なアルミ板である。
【0015】
ハンドルフレーム2の上辺5へ重量を付加するためには、例えば、パイプ材で形成される上辺5内に、上辺5よりもわずかに小径の金属管10を嵌装すればよい(図7参照)。あるいは、上辺5の両端に錘を取り付けることとしてもよい。本発明においてハンドルフレーム2の上辺5に重量を付加するのは、後述するように、大型車両通過時等における風対策である。
【0016】
矢印プレート3の四隅にキャスター7が取り付けられる。キャスター7は、ストッパー付きのものであることが好ましい。また、ハンドルフレーム2は、一般の台車におけると同様の方法(ロック板9を用いる)で、台車フレーム1上に折り畳み可能にされる。
【0017】
台車フレーム1の長辺1b、1bを跨ぐように、物品の載置が可能である。本発明に係る規制用矢印板装置の場合の載置物は、主として自立型の矢印板11及びカラーコーン(登録商標)12である。そのため、台車フレーム1の長辺1b、1b間の間隔は、カラーコーン(登録商標)12のベースのサイズに対応させる。また、長辺1b、1b上に矢印板11及びカラーコーン(登録商標)12を安定状態に保持するために、連結片8を介して長辺1b、1bの外側に平行にサイドバー6、6が配設される。そして、好ましくは、サイドバー6にゴム製滑り止め材が被着される。
【0018】
本発明に係る車線規制用矢印表示装置は、各巡回車に1台、複数の矢印板11及びカラーコーン(登録商標)12と共に搭載され、規制現場に持ち込まれる。本装置における台車フレーム1及びハンドルフレーム2は単なるパイプ材の枠組みであり、また、矢印プレート3は、比較的軽量なアルミ板であって、全体重量は作業者に負担とならないレベルであるため、巡回車への搬入・搬出は容易である。
【0019】
規制現場に到着後作業者は、ハンドルフレーム2を畳んだ状態の本装置を降ろし、ハンドルフレーム2を起こした後、台車フレーム1の後半部(ハンドルフレーム2側)に、複数の矢印板11を立てた状態でサイドバー6,6間に渡して載置し、前半部に、スタッキングした複数のカラーコーン(登録商標)12を載置する。その際カラーコーン(登録商標)12は、両側をサイドバー9,10によって押さえ止められるため、横ずれして落下することなく、安定した状態で移動させることができる。また、特にサイドバー6にゴム製滑り止め材が被着されている場合、矢印板11の横滑りが防止される。
【0020】
設置個所に移動後作業者は、矢印板11及びカラーコーン(登録商標)12を降ろした本装置を、台車フレーム1裏面の矢印プレート3が車両の進行方向に向くようにして横倒しにする。台車フレーム1は、ハンドルフレーム2に支持されて倒れることはない。図9に示されるように、本装置は、予告板として使用するため、最前位置に配置され、矢印板11及びカラーコーン(登録商標)12は、その後方位置に適宜配列される。また、発煙筒が適宜配置される。
【0021】
本装置は、上記のように横倒しして使用するが、一般の台車よりも軽量である。そのため、大型車両等の通過に伴って風圧を受けることでずれ動くおそれがある。しかるに、本装置の場合は、ハンドルフレーム2の上辺5に重量が付加されていて、その風圧に対して大きな抵抗となるので、風圧によってずれ動くことが回避される。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明に係る車線規制用矢印表示装置は上記のとおりのものであって、シンプルな構成で比較的軽量であり、また、規制器材である矢印板11及びカラーコーン(登録商標)12の載置、移動に好適であるので、車線規制箇所における規制器材の設置、撤去時における作業者の負担を軽減できて、それらの作業を迅速に且つ安全に行うことを可能にし、また、使用時に、大型車両の通過等に伴って風圧を受けてもずれ動くことが防止され、以て、適切な交通規制機能を維持することができる効果があるので、その産業上の利用可能性は大である。
【符号の説明】
【0023】
1 台車フレーム
1a 短辺
1b 長辺
2 ハンドルフレーム
3 矢印プレート
4 矢印
5 上辺
6 サイドバー
7 キャスター
8 連結板
9 ロック板
10 金属管
11 矢印板
12 カラーコーン(登録商標)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2021-06-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長方形状の台車フレームと、前記台車フレームの一方の短辺に取り付けられるコ字状のハンドルフレームと、前記台車フレームの裏面に設置される、高輝度反射材で複数の矢印を表現した矢印プレートとから成り、
前記ハンドルフレームの上辺に重量を付加したことを特徴とする車線規制用矢印表示装置。
【請求項2】
前記ハンドルフレームの上辺に金属管を嵌装し、及び/又は、前記上辺の両端に錘を取り付けることにより重量を付加した、請求項1に記載の車線規制用矢印表示装置。
【請求項3】
前記矢印プレートはアルミ板であり、その四隅にキャスターが取り付けられている、請求項1又は2に記載の車線規制用矢印表示装置。
【請求項4】
前記台車フレームの各長辺に沿って、載置物を支持するサイドバーが配設されている、請求項1乃至のいずれかに記載の車線規制用矢印表示装置。
【請求項5】
前記サイドバーにゴム製滑り止め材が定着されている、請求項に記載の車線規制用矢印表示装置。
【請求項6】
前記サイドバー間の間隔は、カラーコーン(登録商標)のベースのサイズに対応している、請求項4又は5に記載の車線規制用矢印表示装置。