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特開2022-164172風力選別機および当該風力選別機を備えた茶加工機ならびに茶風力選別方法および茶加工方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022164172
(43)【公開日】2022-10-27
(54)【発明の名称】風力選別機および当該風力選別機を備えた茶加工機ならびに茶風力選別方法および茶加工方法
(51)【国際特許分類】
   B07B 9/02 20060101AFI20221020BHJP
   B07B 4/02 20060101ALI20221020BHJP
   B07B 7/01 20060101ALI20221020BHJP
   B07B 7/08 20060101ALI20221020BHJP
   B07B 11/06 20060101ALI20221020BHJP
   B07B 11/02 20060101ALI20221020BHJP
   B04C 9/00 20060101ALI20221020BHJP
   B04C 5/28 20060101ALI20221020BHJP
   A23F 3/06 20060101ALI20221020BHJP
【FI】
B07B9/02
B07B4/02
B07B7/01
B07B7/08
B07B11/06
B07B11/02
B04C9/00
B04C5/28
A23F3/06 P
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021069496
(22)【出願日】2021-04-16
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-11-10
(71)【出願人】
【識別番号】502386651
【氏名又は名称】株式会社服部製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000475
【氏名又は名称】特許業務法人みのり特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】服部 勝洋
【テーマコード(参考)】
4B027
4D021
4D053
【Fターム(参考)】
4B027FB06
4B027FP65
4B027FP69
4D021FA02
4D021FA12
4D021FA25
4D021GA02
4D021GA06
4D021GA08
4D021GA16
4D021GB03
4D021HA01
4D021HA02
4D053AA03
4D053AB01
4D053BA04
4D053BB02
4D053BC01
4D053BD04
4D053DA02
4D053DA10
(57)【要約】
【課題】粗粉砕された葉肉、葉脈、茎から葉肉を選別することができ、かつ、選別工程で発生した粉塵を部屋に撒き散らすことを防止することができる風力選別機および当該風力選別機を備えた茶加工機を提供する。
【解決手段】風力選別機Mは、気密性の筐体1と、風力選別部2とを備える。風力選別部2は、筐体1内に配置された供給部20と、筐体1内に吸気口21bを有するとともに筐体1内に配置された筒体21と、筒体21と気密に連結されたチャンバ23と、チャンバ23と気密に連結されたサイクロン25と、サイクロン25と気密に連結された吸排気部26と、を有する。吸排気部26は、吸気口21bから吸気することにより、筒体21、チャンバ23およびサイクロン25に気流を発生させるとともに、筐体1内に排気する。筒体21に供給された葉肉L、粉体Pならびに茎および葉脈Fは、気密空間で搬送されるとともに葉肉L、粉体Pを風力選別される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
気密性の筐体と、
第1風力選別部と、を備え、
前記第1風力選別部は、
前記筐体内に配置された供給部と、
前記筐体内に吸気口を有し、前記筐体内に配置された筒体と、
第1ロータリバルブを有し、前記筒体と気密に連結されたチャンバと、
第2ロータリバルブを有し、前記チャンバと気密に連結されたサイクロンと、
前記サイクロンと気密に連結され、前記吸気口から吸気することによって、前記筒体、前記チャンバおよび前記サイクロンに気流を発生させ、かつ、吸入した気体を前記筐体内に排気する吸排気部と、を有し、
前記供給部は、茶を前記筒体に供給し、
前記筒体は、供給された茶のうち軽い方を気流によって前記チャンバに搬送するとともに、供給された茶のうち重い方を重力によって下端から排出し、
前記チャンバは、搬送された茶のうち軽い方を気流によって前記サイクロンに搬送するとともに、供給された茶のうち重い方を前記第1ロータリバルブによって下端から排出し、
前記サイクロンは、搬送された茶を気体から分離させ前記第2ロータリバルブによって下端から排出する
ことを特徴とする風力選別機。
【請求項2】
気流の速度を下げる排気減速部をさらに備え、
前記吸排気部は、前記排気減速部を介して前記筐体内に排気する
ことを特徴とする請求項1に記載の風力選別機。
【請求項3】
前記排気減速部は、メッシュ部を有し、
前記吸排気部からの排気は、前記メッシュ部を通ることにより減速させられる
ことを特徴とする請求項2に記載の風力選別機。
【請求項4】
前記筐体は、前記吸排気部から排気された気体に含まれるほこりを受ける埃受部を下部に有する
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の風力選別機。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の風力選別機と、
前記筐体内に設けられ、茶を粉砕する粉砕機と、を備え、
前記供給部は、粉砕された前記茶を前記筒体に供給する
ことを特徴とする茶加工機。
【請求項6】
前記筐体内に設けられ、前記筒体から排出された前記茶を葉肉、茎、葉脈にさらに分離させる分離部をさらに備える
ことを特徴とする請求項5に記載の茶加工機。
【請求項7】
前記第1風力選別部の下流に配置された第2風力選別部をさらに備え、
前記第2風力選別部は、
前記供給部と、
前記筒体と、
前記サイクロンと、
前記吸排気部と、を有し、
前記分離部は、分離させた前記茶を前記第2風力選別部の前記供給部に排出する
ことを特徴とする請求項6に記載の茶加工機。
【請求項8】
前記第1風力選別部の前記筒体から排出された茶と、前記第2風力選別部の前記筒体から排出された茶を前記筐体外に搬送する茎葉脈コンベアをさらに備える
ことを特徴とする請求項7に記載の茶加工機。
【請求項9】
前記第1風力選別部をさらに備え、
前記粉砕機は、上流側の前記第1風力選別部の前記供給部に粉砕した前記茶を排出し、
上流側の前記第1風力選別部の前記チャンバは、供給された前記茶のうち重い方を下流側の前記第1風力選別部の前記供給部に排出する
ことを特徴とする請求項5~8のいずれか1項に記載の茶加工機。
【請求項10】
ベルトコンベアと、
前記ベルトコンベアの出口に設けられた製品回収部と、をさらに備え、
複数の前記サイクロンは、整列して配置されており、
前記ベルトコンベアは、前記複数のサイクロンの下方において前記複数のサイクロンの整列方向に延在するとともに、前記複数のサイクロンの下端から排出された茶を製品回収部に搬送する
ことを特徴とする請求項8または9に記載の茶加工機。
【請求項11】
前記複数のサイクロン、前記ベルトコンベアおよび前記製品回収部は、前記筐体の外部に配置されている
ことを特徴とする請求項10に記載の茶加工機。
【請求項12】
気密性の筐体と、
風力選別部と、を準備し、
風力選別部は、
筐体内に配置された供給部と、
筐体内に吸気口を有し、筐体内に配置された筒体と、
第1ロータリバルブを有し、筒体と気密に連結されたチャンバと、
第2ロータリバルブを有し、チャンバと気密に連結されたサイクロンと、
サイクロンと気密に連結され、吸気口から吸気することによって、筒体、チャンバおよびサイクロンに気流を発生させ、かつ、吸入した気体を筐体内に排気する吸排気部と、を有しており、
供給部によって、茶を筒体に供給し、
筒体によって、供給された茶のうち風力選別された軽い方を気流によってチャンバに搬送するとともに、供給された茶のうち風力選別された重い方を重力によって下端から排出し、
チャンバによって、搬送された茶のうち風力選別された軽い方を気流によってサイクロンに搬送するとともに、供給された茶のうち風力選別された重い方を第1ロータリバルブによって下端から排出し、
サイクロンによって、搬送された茶を気体から分離させ第2ロータリバルブによって下端から排出する
ことを特徴とする茶風力選別方法。
【請求項13】
気密性の筐体と、
筐体内に設けられた粉砕機と、
筐体内に設けられた分離部と、
第1風力選別部と、
第1風力選別部の下流に配置された第2風力選別部と、を準備し、
第1風力選別部は、
筐体内に配置された供給部と、
筐体内に吸気口を有し、筐体内に配置された筒体と、
第1ロータリバルブを有し、筒体と気密に連結されたチャンバと、
第2ロータリバルブを有し、チャンバと気密に連結されたサイクロンと、
サイクロンと気密に連結され、吸気口から吸気することによって、筒体、チャンバおよびサイクロンに気流を発生させ、かつ、吸入した気体を筐体内に排気する吸排気部と、を有し、
第2風力選別部は、
筐体内に配置された供給部と、
筐体内に吸気口を有し、筐体内に配置された筒体と、
第3ロータリバルブを有し、筒体と気密に連結されたサイクロンと、
サイクロンと気密に連結され、吸気口から吸気することによって、筒体およびサイクロンに気流を発生させ、かつ、吸入した気体を筐体内に排気する吸排気部と、を有しており、
粉砕機によって、茶を粉砕し、
第1風力選別部の供給部によって、粉砕された茶を筒体に供給し、
第1風力選別部の筒体によって、供給された茶のうち風力選別された軽い方を気流によって第1風力選別部のチャンバに搬送するとともに、供給された茶のうち風力選別された重い方を重力によって下端から排出し、
チャンバによって、搬送された茶のうち風力選別された軽い方を気流によって第1風力選別部のサイクロンに搬送するとともに、搬送された茶のうち風力選別された重い方を第1ロータリバルブによって下端から排出し、
第1風力選別部のサイクロンによって、チャンバから搬送された茶を気体から分離させ第2ロータリバルブによって下端から排出し、
分離部によって、第1風力選別部の筒体から排出された茶を葉肉、茎、葉脈にさらに分離させるとともに、分離させた茶を第2風力選別部の供給部に排出し、
第2風力選別部の筒体によって、供給部から供給された茶のうち風力選別された軽い方を気流によって下流側のチャンバに搬送するとともに、供給部から供給された茶のうち風力選別された重い方を重力によって下端から排出し、
第2風力選別部のサイクロンによって、下流側のチャンバから搬送された茶を気体から分離させ第3ロータリバルブによって下端から排出する
ことを特徴とする茶加工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、茶仕上げ加工に用いられる風力選別機および茶加工機ならびに茶風力選別方法および茶加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
抹茶は、碾茶を加工して生成され、碾茶は、荒茶を加工して生成される。荒茶は、碾茶炉や乾燥機によって茶葉を乾燥させられ生成される。荒茶には、葉肉の他に葉脈、茎が含まれているが、良質な抹茶の生成には、葉脈、茎が不要である。そこで、荒茶をカッタで粗粉砕し、風力選別機によって選別し荒茶から葉肉を取り出したものが碾茶である。この碾茶を生成する工程を碾茶仕上げ工程という。なお、玉露や煎茶などの製茶加工工程では、茶葉を揉みながら乾燥し、繊維筋、茎皮などを茶葉から分離生成するところ、碾茶加工工程では、荒茶加工工程において揉み工程がない。そのため、碾茶仕上げ工程では、荒茶をカッタによって粗粉砕し、茶葉を葉脈、茎から分離する必要がある。
【0003】
ところで、碾茶仕上げ工程では、風力選別時に茶ぼこりを含む粉塵が発生し、茶ぼこりが舞い、仕上げ工程に使用される部屋が茶ぼこりまみれになるという問題があった。例えば、製茶加工工程に用いられる風力選別機として特許文献1に開示の風力選別機があるが、この風力選別機は、茶ぼこりについては考慮されていない。
【0004】
一方、特許文献2に開示の風力選別機は、選別後の茶の微紛や埃りなどが粉塵となって排出することを防止するために、排気をともなわない方式を採用している。具体的には、特許文献2に開示の風力選別機は、横筒分離部と、中空筐体部と、排気筒と、強制給排気手段と、を備えている。横筒分離部には、円筒体が横向きに配置されており、中空筐体部は、横筒分離部内に下方から接線方向に通気を流入させる通気路と、開口された吸気口とを有している。強制排気手段は、排気筒と吸気口との間に設けられ、給気口から中空筐体部の通気路を通り排気筒から再び給気口に戻る通気を循環させるとともに当該通気によって横筒分離部内において旋回気流を発生させる。また、中空筐体部には、選別された茶が排出される茶の排出口が設けられ、横筒分離部には、旋回気流によって遠心分離されて排出される茶の排出口が設けられている。さらに、横筒分離部には、旋回気流を排気筒へ導く吸気口が設けられている。これにより、特許文献2に開示の風力選別機は、風力選別に用いられる空気を風力選別機内で循環させることにより、風力選別機外に排気をともなわない。したがって、特許文献2に開示の風力選別機は、粉塵を風力選別機外に排出しない。
【0005】
しかしながら、上記特許文献2に開示の選別機を碾茶仕上げ工程に係る風力選別機とすることはできない。具体的には、葉肉と葉脈のように重量差が微小なものを風力選別するには、選別に用いる風力を所定風力以下にする必要があるところ、特許文献2に開示の選別機は、吸引した茶を円筒体の上面を超えさせて排出する方式のため、強制給排気手段の最低風力が規定されており、この最低風力を上述の所定風力以下にすることができない。しかも、この選別機では、吸引力を弱くすると軽い側に取り出したいものが取り出せず、吸引力を強くすると排出すべきものが循環し続ける。したがって、この選別機では吸引力の微調整が求められるが、そのような微調整は困難である。以上から、上記特許文献2に開示の選別機を碾茶仕上げ工程に係る風力選別機とすることはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開昭61-159080号公報
【特許文献2】特開2003-102383号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明が課題とするところは、粗粉砕された葉肉、葉脈、茎から葉肉を選別することができ、かつ、選別工程で発生した粉塵を部屋に撒き散らすことを防止することができる風力選別機および当該風力選別機を備えた茶加工機ならびに茶風力選別方法および茶仕上方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係る風力選別機は、
気密性の筐体と、
第1風力選別部と、を備え、
第1風力選別部は、
筐体内に配置された供給部と、
筐体内に吸気口を有し、筐体内に配置された筒体と、
第1ロータリバルブを有し、筒体と気密に連結されたチャンバと、
第2ロータリバルブを有し、チャンバと気密に連結されたサイクロンと、
サイクロンと気密に連結され、吸気口から吸気することによって、筒体、チャンバおよびサイクロンに気流を発生させ、かつ、吸入した気体を筐体内に排気する吸排気部と、を有し、
供給部は、茶を筒体に供給し、
筒体は、供給された茶のうち軽い方を気流によってチャンバに搬送するとともに、供給された茶のうち重い方を重力によって下端から排出し、
チャンバは、搬送された茶のうち軽い方を気流によってサイクロンに搬送するとともに、供給された茶のうち重い方を第1ロータリバルブによって下端から排出し、
サイクロンは、搬送された茶を気体から分離させ第2ロータリバルブによって下端から排出する、ことを特徴とする。
【0009】
上記風力選別機は、好ましくは、
気流の速度を下げる排気減速部をさらに備え、
吸排気部が、排気減速部を介して筐体内に排気する。
【0010】
上記風力選別機は、好ましくは、
排気減速部が、メッシュ部を有し、
吸排気部からの排気が、メッシュ部を通ることにより減速させられる。
【0011】
上記風力選別機は、好ましくは、
筐体が、吸排気部から排気された気体に含まれるほこりを受ける埃受部を下部に有する。
【0012】
上記課題を解決するために、本発明に係る茶加工機は、
上記いずれかの風力選別機と、
筐体内に設けられ、茶を粉砕する粉砕機と、を備え、
供給部が、粉砕された茶を筒体に供給する、ことを特徴とする。
【0013】
上記茶加工機は、好ましくは、
筐体内に設けられ、筒体から排出された茶を葉肉、茎、葉脈にさらに分離させる分離部をさらに備える。
【0014】
上記茶加工機は、好ましくは、
第1風力選別部の下流に配置された第2風力選別部をさらに備え、
第2風力選別部は、
供給部と、
筒体と、
サイクロンと、
吸排気部と、を有し、
分離部は、分離させた茶を第2風力選別部の供給部に排出する。
【0015】
上記茶加工機は、好ましくは、
第1風力選別部の筒体から排出された茶と、第2風力選別部の筒体から排出された茶を筐体外に搬送する茎葉脈コンベアをさらに備える。
【0016】
第1風力選別部をさらに備え、
粉砕機が、上流側の第1風力選別部の供給部に粉砕した茶を排出し、
上流側の第1風力選別部のチャンバが、供給された茶のうち重い方を下流側の第1風力選別部の供給部に排出する。
【0017】
上記茶加工機は、好ましくは、
ベルトコンベアと、
ベルトコンベアの出口に設けられた製品回収部と、をさらに備え、
複数のサイクロンが、整列して配置されており、
ベルトコンベアが、複数のサイクロンの下方において複数のサイクロンの整列方向に延在するとともに、複数のサイクロンの下端から排出された茶を製品回収部に搬送する。
【0018】
上記茶加工機は、好ましくは、
複数のサイクロン、ベルトコンベアおよび製品回収部が、筐体の外部に配置されている。
【0019】
上記課題を解決するために、本発明に係る茶風力選別方法は、
気密性の筐体と、
風力選別部と、を準備し、
風力選別部は、
筐体内に配置された供給部と、
筐体内に吸気口を有し、筐体内に配置された筒体と、
第1ロータリバルブを有し、筒体と気密に連結されたチャンバと、
第2ロータリバルブを有し、チャンバと気密に連結されたサイクロンと、
サイクロンと気密に連結され、吸気口から吸気することによって、筒体、チャンバおよびサイクロンに気流を発生させ、かつ、吸入した気体を筐体内に排気する吸排気部と、を有しており、
供給部によって、茶を筒体に供給し、
筒体によって、供給された茶のうち風力選別された軽い方を気流によってチャンバに搬送するとともに、供給された茶のうち風力選別された重い方を重力によって下端から排出し、
チャンバによって、搬送された茶のうち風力選別された軽い方を気流によってサイクロンに搬送するとともに、供給された茶のうち風力選別された重い方を第1ロータリバルブによって下端から排出し、
サイクロンによって、搬送された茶を気体から分離させ第2ロータリバルブによって下端から排出する、ことを特徴とする。
【0020】
上記課題を解決するために、本発明に係る茶加工方法は、
気密性の筐体と、
筐体内に設けられた粉砕機と、
筐体内に設けられた分離部と、
第1風力選別部と、
第1風力選別部の下流に配置された第2風力選別部と、を準備し、
第1風力選別部は、
筐体内に配置された供給部と、
筐体内に吸気口を有し、筐体内に配置された筒体と、
第1ロータリバルブを有し、筒体と気密に連結されたチャンバと、
第2ロータリバルブを有し、チャンバと気密に連結されたサイクロンと、
サイクロンと気密に連結され、吸気口から吸気することによって、筒体、チャンバおよびサイクロンに気流を発生させ、かつ、吸入した気体を筐体内に排気する吸排気部と、を有し、
第2風力選別部は、
筐体内に配置された供給部と、
筐体内に吸気口を有し、筐体内に配置された筒体と、
第3ロータリバルブを有し、筒体と気密に連結されたサイクロンと、
サイクロンと気密に連結され、吸気口から吸気することによって、筒体およびサイクロンに気流を発生させ、かつ、吸入した気体を筐体内に排気する吸排気部と、を有しており、
粉砕機によって、茶を粉砕し、
第1風力選別部の供給部によって、粉砕された茶を筒体に供給し、
第1風力選別部の筒体によって、供給された茶のうち風力選別された軽い方を気流によって第1風力選別部のチャンバに搬送するとともに、供給された茶のうち風力選別された重い方を重力によって下端から排出し、
チャンバによって、搬送された茶のうち風力選別された軽い方を気流によって第1風力選別部のサイクロンに搬送するとともに、搬送された茶のうち風力選別された重い方を第1ロータリバルブによって下端から排出し、
第1風力選別部のサイクロンによって、チャンバから搬送された茶を気体から分離させ第2ロータリバルブによって下端から排出し、
分離部によって、第1風力選別部の筒体から排出された茶を葉肉、茎、葉脈にさらに分離させるとともに、分離させた茶を第2風力選別部の供給部に排出し、
第2風力選別部の筒体によって、供給部から供給された茶のうち風力選別された軽い方を気流によって下流側のチャンバに搬送するとともに、供給部から供給された茶のうち風力選別された重い方を重力によって下端から排出し、
第2風力選別部のサイクロンによって、下流側のチャンバから搬送された茶を気体から分離させ第3ロータリバルブによって下端から排出する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る風力選別機および当該風力選別機を備えた茶加工機ならびに茶風力選別方法および茶仕上方法は、粗粉砕された茶葉、葉脈、茎から茶葉を選別することができ、かつ、選別工程で発生した粉塵を部屋に撒き散らすことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の第1実施形態に係る風力選別機の内部を示す概略図である。
図2図1で示された風力選別部の各構成のフローを示す図である。
図3】本発明の第2実施形態に係る茶加工機を示す概略斜視図である。
図4図3に示された茶加工機の概略左側面図である。
図5図4に示された茶加工機のB-B概略断面図である。
図6図3に示された茶加工機の概略平面図である。
図7図3および図5で示された風力選別部の各構成のフローを示す図である。
図8図3および図5で示された別の風力選別部の各構成のフローを示す図である。
図9図3および図5で示されたさらに別の風力選別部の各構成のフローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明に係る風力選別機および当該風力選別機を備えた茶加工機ならびに茶風力選別方法および茶加工方法の実施形態について説明する。図中において、X軸は左右方向を示し、Y軸は前後方向を示し、Z軸は上下方向を示している。また、各軸は、互いに直交している。
【0024】
<第1実施形態>
まず、図1および図2を参照して、本発明の第1実施形態に係る風力選別機Mおよび茶風力選別方法について説明する。本明細書では、碾茶を生成する風力選別機および茶加工機について説明するが、本発明に係る風力選別機および茶加工機は、碾茶用の風力選別機および茶加工機に限定されるものではない。
【0025】
図1は、風力選別機M内を概略的に示している。図1に示すように、風力選別機Mは、筐体1と、風力選別部2と、茎葉脈回収部3と、製品回収部4と、を備えている。
【0026】
筐体1は、筐体本体10と、ホッパ11と、埃受部12と、排気減速部13と、を有する。筐体本体10は、底面が傾斜しており、筐体本体10の下端が埃受部12に気密に連結されている。ホッパ11は、筐体本体10と気密に連結されており、ホッパ11内と筐体本体10内とは空間的に隔てられている。排気減速部13は、筐体内に設けられメッシュ状の壁を有する箱体から構成されている。ホッパ11は、粉砕された茶(荒茶)を投入される。この粉砕された茶は、葉肉L、葉脈および茎F、ならびに葉肉Lの粉体Pを含んでいる。
【0027】
風力選別部2は、供給部20と、筒体21と、チャンバ23と、サイクロン25と、吸排気部26と、重量物排出部22と、軽量物排出部24と、と、を有する。風力選別部2が本発明の「第1風力選別部」に相当する。供給部20、筒体21およびチャンバ23は、筐体本体10内に配置されるとともに、前後方向において筐体本体10との間に空間を有している。筒体21、チャンバ23、サイクロン25および吸排気部26は、順に気密に連結されており、吸排気部26は、吸気によって筒体21内、チャンバ23内およびサイクロン25内を順に流れる気流を発生させる(図2のS20参照)。図1における2点鎖線の矢印の向きは、風力選別機M内の気流の方向を示している。
【0028】
供給部20は、振動フィーダであって、筐体本体10内に配置されている。供給部20は、ホッパ11に投入された茶を振動させながら筒体21に所定量ずつ供給する(図2のS21参照)。
【0029】
筒体21は、上下方向に延在するとともに筐体本体10内に配置されている。本実施形態では、筒体21は、略鉛直方向に延在しているが単なる一例であって、鉛直方向に対して傾斜していてもよい。筒体21は、茶供給口21aと、茶供給口21aの下方に設けられた吸気口21bと、を有する。供給部20の先端は、茶供給口21aを介して筒体21内まで差し込まれており、これにより、茶は、適切に筒体21内に供給される。筒体21内では、吸排気部26の吸気によって吸気口21bから筒体21の上端に向かって流れる上昇気流が発生させられており、筒体21内に供給された茶のうち風力選別された軽い方(図2のS22のYes)は、この上昇気流によってチャンバ23に搬送される。筒体21内に供給された茶のうち風力選別された重い方(S22のNo)は、その自重により上昇気流に反して筒体21の下端から重量物排出部22に排出される。このように、風力選別機Mに供給された茶は、筒体21内で風力によって軽い方と重い方とに選別される。軽い方の茶には、葉肉Lおよび葉肉の粉体Pが含まれ、重い方の茶には、葉脈および茎Fが含まれている。
【0030】
重量物排出部22は、本実施形態では、上下に延在する筒状に形成されており、その上端が筒体21と連結され、その下端が筐体1の外に配置されている。重量物排出部22は、筒体21と一体的に形成されているが単なる一例であって、個別に形成されていてもよい。筒体21に供給された茶のうちの重い方(S22のNo)が重量物排出部22によって筐体1の外に配置された茎葉脈回収部3に排出される(図2のS23参照)。
【0031】
チャンバ23は、チャンバ本体23aと、ロータリバルブ23bと、傾斜板23cと、を有する。チャンバ本体23aは、筒体21に隣接して筒体21の上端と気密に連結されている。また、チャンバ本体23aは、正面視漏斗状に形成されており、ロータリバルブ23bは、チャンバ本体23aの下端と気密に連結されている。ロータリバルブ23bが本発明の「第1ロータリバルブ」に相当する。傾斜板23cは、チャンバ本体23a内に傾斜して設けられている。正面視チャンバ本体23aの右側には、傾斜板23cとチャンバ本体23aの斜面とによって、筒体21よりも幅広の茶の経路が形成され、さらに、チャンバ本体23aの正面視左側には、傾斜板23cとチャンバ本体23aの斜面とによって右側の茶の経路よりも広い正面視漏斗状の空間が形成されている。これにより、チャンバ本体23a内における気流の速度は、筒体21内よりも遅くなるので、チャンバ本体23a入り口からチャンバ本体23a内に導入された茶のうち風力選別された重い方(図2のS24のYes)が、気体からさらに分離させられロータリバルブ23bを介して軽量物排出部24に排出される。この重い方の茶には、葉肉Lが含まれている。チャンバ本体23a内に導入された茶のうち風力選別された軽い方(S24のNo)の茶は、気流によってサイクロン25に搬送される。この軽い方の茶には、茶の粉体Pが含まれている。
【0032】
軽量物排出部24は、本実施形態では、上下に延在する筒状に形成されており、その上端がロータリバルブ23bと気密に連結され、その下端が筐体1の外に配置されている。軽量物排出部24は、ロータリバルブ23bから排出された茶を筐体本体10の外に配置された製品回収部4に排出する(図2のS25参照)。軽量物排出部24の構成は、単なる一例であってこれに限定されない。
【0033】
サイクロン25は、サイクロン本体25aと、吸気ダクト25bと、排気ダクト25cと、ロータリバルブ25dとを有する。吸気ダクト25bは、チャンバ本体23aの出口と気密に連結されるとともに、サイクロン本体25aの接線方向からサイクロン本体25a上部の入口に気密に連結されている。また、ロータリバルブ25dは、サイクロン本体25aの下端と気密に連結されている。ロータリバルブ25dが本発明の「第2ロータリバルブ」に相当する。排気ダクト25cは、サイクロン本体25aの中心からサイクロン25の上方に向かって延びるとともに吸排気部26の入口に気密に連結されている。サイクロン本体25aは、筐体本体10外に配置されているが単なる一例であって、筐体本体10内に配置されていてもよい。
【0034】
サイクロン本体25a内の気流は、サイクロン本体25aの形状と周方向から導入される気体の向きとによって旋回気流となり、気体に含まれている物体を遠心分離する。これにより、気体に含まれている風力選別された重い方(図2のS26のNo)である茶の粉体Pは、旋回気流によって遠心分離され、ロータリバルブ25dを介してサイクロン25外の製品回収部4に排出される(図2のS25参照)。これまでの工程によって、発生させられた茶ぼこりDは、風力選別された軽い方(図2のS26のYes)なので気流によって排気ダクト25cを介して吸排気部26に搬送される。
【0035】
吸排気部26は、遠心送風機から構成されており、中央部分から吸気するとともに遠心方向に排気する。吸排気部26は、排気ダクト26aを有するとともに筐体本体10の外部に配置され、排気ダクト26aを介して筐体本体10と気密に連結されている。また、排気ダクト26aの先端は、排気減速部13内に導入されている。なお、吸排気部26は、筐体本体10内に配置されていてもよい。吸排気部26は、その吸気によって気体および気体に含まれている茶ぼこりを吸排気部26内に導入するとともに、導入した気体および気体に含まれている茶ぼこりを排気減速部13を介して筐体本体10内に排気する(図2のS27参照)。吸排気部26からの排気は、排気減速部13のメッシュ部分を通りながら筐体本体10内に拡散させられることにより、その流速を低下させられる。これにより、排気に含まれる茶ぼこりは、気体から分離させられ、重力によって下方に吸い寄せられながら筐体本体10下面の斜面を下り、埃受部12によって回収される(図2のS28参照)。また、吸排気部26の排気は、排気減速部13によって減速させられることにより、筐体本体10内の他の構成物に悪影響を与えることを防止される。
【0036】
風力選別部2は、筐体本体10内から吸気した気体を用いて供給された茶を気密に囲みながら風力選別し、かつ、風力選別に用いた気体をすべて筐体本体10内に排出する。さらに、筐体本体10は、気密性を有しているので、筐体1内に排出された気体に含まれている茶ぼこりが筐体本体10外に排出されることがない。したがって、風力選別機Mは、粗粉砕された葉肉L、葉脈および茎Fから葉肉Lおよび葉肉Lの粉体Pを選別することができ、かつ、選別工程で発生した粉塵Dを部屋に撒き散らすことを防止することができる。さらには、筐体本体10の底部が傾斜しているとともに筐体本体10の下端に埃受部12が設けられているので、埃受部12内のほこりを容易に集塵することができる。
【0037】
<第2実施形態>
次に、図3図9を参照して、本発明の第2実施形態に係る茶加工機Eおよび茶加工方法について説明する。なお、既に説明した構成と同様の構成については同様の参照符号を付すとともに、その詳細な説明を省略することがある。図中における2点鎖線の矢印は、葉肉、茎、葉脈の搬送方向を示している。
【0038】
図3図6に示すように、茶加工機Eは、筐体1と、粉砕機5と、3つの風力選別部2、8、9と、茎葉脈回収部3と、分離部6と、製品ベルトコンベア7と、製品回収部4と、を備えている。
【0039】
筐体1は、筐体本体10と、ホッパ11と、2つの埃受部12と、送出部14と、排気減速部13(図示略)とを有する。筐体本体10は、略直方体状に形成されており、図4に示すように、筐体本体10の底部は、埃受部12に向かって傾斜するとともに埃受部12と気密に連結されている。
【0040】
ホッパ11は、送出部14と連結されており、投入された茶(荒茶)を送出部14に所定量ずつ移動させる。送出部14は、送出ダクト14aと、公知のエア搬送部(図示略)とを有する。エア搬送部は、送出ダクト14aを介してホッパ11から移動させられた茶を供給部20に搬送する。送出ダクト14aは、筐体本体10と気密に連結されているので、送出部14は、茶を茶加工機Eの外に漏らさずに筐体本体10内に投入することができる。
【0041】
風力選別部2は、供給部20と、筒体21と、重量物排出部22と、チャンバ23と、サイクロン25と、吸排気部26と、を有する。本実施形態に係る茶加工機Eは風力選別部を3つ有するが単なる一例であって、茶加工機Eは、風力選別部を1つのみかまたは4つ以上有していてもよい。筒体21、チャンバ23、サイクロン25および吸排気部26は、順に気密に連結されており、吸排気部26は、吸気によって筒体21内、チャンバ23内およびサイクロン25内を順に流れる気流を発生させる(図7のS70参照)。
【0042】
図5に示すように、粉砕機5は、筐体本体10内に配置されている。粉砕機5は、送出ダクト14aと気密に連結されており、送出ダクト14aから茶を投入される。粉砕機5は、カッタ(図示略)を有し、当該カッタによって茶を粗粉砕し茶を葉肉、葉脈、茎に分離させる。粉砕機5は、粗粉砕した茶を供給部20に投入する。
【0043】
供給部20は、第1実施形態と同様の振動フィーダであって、投入された茶を振動させながら所定量ずつ筒体21内に供給する(図7のS71参照)。筒体21内に供給された茶は、筒体21内の上昇気流によって重い方と軽い方とに風力選別される(図7のS72参照)。風力選別された重い方(S72のNo)の茶は、筒体21の下端から重量物排出部22に排出される。この重い方の茶には、茎および葉脈が含まれている。風力選別された軽い方(S72のYes)の茶は、筒体21内の上昇気流によってチャンバ23に搬送される。
【0044】
図3および図5に示すように、重量物排出部22は、排出ダクト22aと、茎葉脈コンベア22bと、を有する。筒体21の下端から排出された茎や葉脈は、排出ダクト22aを介して茎葉脈コンベア22b上に排出される。茎葉脈コンベア22bは、ベルトコンベアであって、筐体1内から筐体1外へと前後方向に延在している。茎葉脈コンベア22bの出口には、茎葉脈排出部が設けられており、茎葉脈コンベア22bは、茎葉脈コンベア22b上に排出された茎や葉脈を茎葉脈回収部3に搬送する(図7のS73参照)。茎葉脈回収部3は、搬送されてきた茎や葉脈を回収する。これにより、ユーザは、筐体本体10を開閉することなく、茎や葉脈を回収することができる。
【0045】
チャンバ23は、第1実施形態と同様のチャンバ23であって、ロータリバルブ23bを有する。チャンバ23の入り口からチャンバ23内に導入された茶のうち風力選別された重い方(図7のS74のYes)が気体からさらに分離させられ、風力選別部8の供給部80に排出される(図7のS75参照)。この重い方の茶には、製品対象の葉肉の他に、葉脈および茎と分離されていない葉肉が含まれている。チャンバ23内に導入された茶のうち軽い方(S74のNo)の茶は、気流によってサイクロン25に搬送される。この軽い方の茶には、葉肉および葉肉の粉体が含まれている。
【0046】
図3に示すように、サイクロン25は、第1実施形態と同様のサイクロンであって、吸気ダクト25bと、ロータリバルブ25dと、を有する。サイクロン25は、筐体本体10外に配置されている。また、サイクロン25の上方には、第1実施形態と同様の吸排気部26が配置されている。吸気ダクト25bを介してチャンバ23からサイクロン25に搬送された茶のうち風力選別された重い方(図7のS76のYes)である茶の粉体は、旋回気流によって遠心分離され、ロータリバルブ25dを介して製品ベルトコンベア7上に排出される。
【0047】
製品ベルトコンベア7は、製品対象の茶を搬送するためのコンベアであって、図3に示すように、サイクロン25の下方において筐体1の正面の壁に沿って左右方向に延在している。製品ベルトコンベア7の出口には、製品回収部4が配置されており、製品ベルトコンベア7は、サイクロン25から排出された茶の粉体(すなわち、図7のS76のYes)を製品回収部4に搬送する(図7のS77参照)。製品回収部4は、箱状に形成されており、製品ベルトコンベア7から搬送されてきた茶を回収する。製品回収部4が筐体本体10の外に設けられていることにより、ユーザは、筐体本体10を開閉することなく選別された茶すなわち「製品」を回収することができる。製品ベルトコンベア7は、筐体本体10の外に設けられていることにより、筐体本体10を開閉することなく容易に清掃することができる。
【0048】
吸排気部26は、第1実施形態と同様の排気ダクト26aを有し、排気ダクト26aの先端は、第1実施形態と同様に筐体本体10内の排気減速部内に導入されている。これにより、吸排気部26の排気に含まれる茶ぼこり(すなわち風力選別された軽い方、S76のNo)は、第1実施形態と同様に、筐体本体10内に排出されるとともに(図7のS78参照)、埃受部12によって回収される(図7のS79参照)。
【0049】
図3および図5に示すように、風力選別部8は、風力選別部2と同様の風力選別部であって、風力選別部2の下流に配置されている。風力選別部8は、供給部80と、筒体81と、チャンバ83と、サイクロン85と、吸排気部86と、を有する。吸排気部86は、吸気口81bから吸気することにより、筒体81内、チャンバ83内およびサイクロン85内に気流を発生させる(図8のS80参照)。
【0050】
供給部80は、供給部20と同様の振動フィーダであって、チャンバ23から排出された茶を振動させながら所定量ずつ筒体81内に供給する(図8のS81参照)。筒体81内に供給された茶は、吸排気部86によって発生させられた上昇気流によって重い方と軽い方とに風力選別され(図8のS82参照)、風力選別された重い方(S82のNo)の茶は、筒体21の下端から分離部6に排出され、風力選別された軽い方(S82のYes)の茶は、上昇気流によってサイクロン25に搬送される。
【0051】
図5に示すように、分離部6は、ロール粉砕機であって、供給ダクト60と、前後方向に延在する左右一対のゴムローラ61と、を有する。供給ダクト60は、上下方向に延在するとともに筒体81の下方に配置されている。筒体81の下端から排出された茶は、供給ダクト60を介して左右一対のゴムローラ61間に供給される。左右一対のゴムローラ61は、異なる周速度で互いに逆方向に回転してゴムローラ61間を通る茶を摩擦によって葉肉、茎、葉脈に分離させる(図8のS83参照)。これにより、粉砕機5では、完全に分離されなかった茶があらためて分離される。しかも、茶加工機Eは、一度風力選別を行った後に、分離部6によって茶をあらためて分離することにより、分離する必要のない葉肉のみの茶が分離部6によって痛められることを防止することができる。分離部6は、分離させた茶を風力選別部9に供給する(図8のS84参照)。
【0052】
チャンバ83は、筐体本体10の前方に配置されており、チャンバ本体83aと、ロータリバルブ83bと、傾斜板83cと、吸気ダクト83dと、を有する。チャンバ本体83aは、別のチャンバ本体23aと形状が異なるが単なる一例であって、同様の形状であってもよい。吸気ダクト83dは、筐体本体10内に配置された筒体81と筐体本体10外に配置されたチャンバ本体83aとを気密に連結させている。そして、他のチャンバ23と同様に、チャンバ本体83aの入り口からチャンバ本体83a内に搬送された茶のうち風力選別された重い方(図8のS85のYes)が気体からさらに分離させられ、ロータリバルブ83bを介して製品回収部4に排出される(図8のS86参照)。チャンバ本体83a内に導入された茶のうち軽い方の茶(S85のNo)は、気流によってサイクロン85に搬送される。この軽い方の茶には、茶の粉体が含まれている。
【0053】
サイクロン85は、サイクロン25と同様のサイクロンであって、吸気ダクト85bと、ロータリバルブ85dと、を有する。また、サイクロン85の上方には、吸排気部26と同様の吸排気部86が配置されている。吸気ダクト85bを介してチャンバ本体83aからサイクロン85内に搬送された風力選別された重い方(図8のS87のNo)である茶の粉体は、旋回気流によって遠心分離されロータリバルブ85dを介して製品ベルトコンベア7上に排出される。製品コンベアベルト上に排出された茶の粉体は、製品ベルトコンベア7を介して製品回収部4に回収される(図8のS86参照)。
【0054】
吸排気部86は、排気ダクト86aを有する。排気ダクト86aの先端は、風力選別部2と同様に、筐体本体10内の排気減速部内に導入されており、吸排気部86の排気に含まれる風力選別された軽い方(図8のS87のYes)の茶ぼこりは、筐体本体10内に排出される(図8のS88参照)とともに埃受部12によって回収される(図8のS89参照)。
【0055】
図3および図5に示すように、風力選別部9は、風力選別部8の下流に配置されている。風力選別部9は、供給部90と、筒体91と、サイクロン95と、吸排気部96と、を有する。風力選別部9が本発明の「第2風力選別部」に想到する。供給部90および筒体91は、筐体本体10内に配置され、サイクロン95および吸排気部96は、筐体1の前方、かつ、製品ベルトコンベア7の上方において他のサイクロン25、85と整列して配置されている。供給部80、筒体81、サイクロン85および吸排気部86は、風力選別部2の供給部20、筒体21、サイクロン25および吸排気部26と同様の構成をそれぞれ備えている。そして、吸排気部96は、吸気口91bから吸気して筒体91内、サイクロン95内に気流を発生させる(図9のS90参照)。
【0056】
図5に示すように、供給部90は、分離部6から排出された茶を振動させながら筒体91に供給し(図9のS91参照)、筒体91は、供給された茶を上昇気流によって風力選別された軽い方(図9のS92のYes)と風力選別された重い方(S92のNo)とに分離させる。重い方の茶は、筒体91の下端から茎葉脈コンベア22b上に排出され、茎葉脈コンベア22bによって茎葉脈回収部3に搬送され茎葉脈回収部3に回収される(図9のS93参照)。
【0057】
サイクロン95は、ロータリバルブ95dと、吸気ダクト95bと、を有する。ロータリバルブ95dが本発明の「第3ロータリバルブ」に相当する。吸気ダクト95bは、筐体本体10内に配置された筒体91と、筐体本体10外に配置されたサイクロン95とを気密に連結させている。筒体91内で分離された風力選別された軽い方(図9のS92のYes)の茶は、吸気ダクト95bを介してサイクロン95内に搬送され、搬送された気体に含まれる風力選別された重い方(図9のS94のYes)である茶の粉体は、旋回気流によって気体から遠心分離されるとともにロータリバルブ95dを介して製品ベルトコンベア7上に排出される。製品コンベアベルト上に排出された茶の粉体は、製品コンベアベルトによって製品回収部4に搬送される(図9のS95参照)。茶加工機Eは、風力選別部を3つ備えていることにより、適切に茶を選別することができる。
【0058】
吸排気部96は、排気ダクト96aを有し、排気ダクト96aの先端は、他の排気ダクト26a、86aと同様に、筐体本体10内の排気減速部内に導入されており、吸排気部96の排気に含まれる風力選別された軽い方(S94のNo)である茶ぼこりは、筐体本体10内に排出されるとともに(図9のS96参照)埃受部12に回収される(図9のS97参照)。
【0059】
以上のように、茶加工機Eは、各茶選別工程を気密空間で行うとともにサイクロン25の排気を筐体1内に排気するので、茶ぼこりを含んだ気体を筐体1外に排出することを防止することができる。これにより、選別工程で発生した粉塵を部屋に撒き散らすことを防止することができる。
【0060】
また、茶加工機Eは、従来の茶仕上げ加工工程に係る構成機器を一体化して構成されている。これにより、茶加工機Eは、従来のように複数の機器を搬送装置によって連結させて構成された茶加工システムよりも省スペース化され、設置作業も容易になった。しかも、茶加工機Eは、搬送装置が不要になったことにともない、低コスト化も実現された。さらには、茶加工機Eは、サイクロン25から排出された茶の粉体、および分離部6によって分離された葉肉をベルトコンベアによって製品回収部4に搬送することにより、碾茶加工に係る歩留まりを大幅に改善させた。
【0061】
以上、本発明に係る風力選別機Mおよび茶加工機Eの実施形態について説明してきたが、本発明に係る風力選別機および茶加工機は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、本発明に係る風力選別機および茶加工機は、以下の変形例によって実施されてもよい。
【0062】
・茶加工機Eにおけるサイクロン25、吸気ダクト25b、排気ダクト26aおよび製品ベルトコンベア7のいずれかまたはすべては、筐体1内に配置されてもよい。
【0063】
・茶加工機Eにおける筒体21は、風力選別機Mで説明したように、傾斜していてもよい。
【0064】
・チャンバ23は、1つの筒体21に対して複数設けられていてもよい。また、サイクロン25は、1つの筒体21に対し複数設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0065】
M 風力選別機
F 葉脈および茎
L 葉肉
P 粉体
D 茶ぼこり
E 茶加工機
1 筐体
10 筐体本体
11 ホッパ
12 埃受部
13 排気減速部
14 送出部
14a 送出ダクト
2 風力選別部
20 供給部
21 筒体
21a 茶供給口
21b 吸気口
22 重量物排出部
22a 排出ダクト
22b 茎葉脈コンベア
23 チャンバ
23a チャンバ本体
23b ロータリバルブ
23c 傾斜板
24 軽量物排出部
25 サイクロン
25a サイクロン本体
25b 吸気ダクト
25c 排気ダクト
25d ロータリバルブ
26 吸排気部
26a 排気ダクト
3 茎葉脈回収部
4 製品回収部
5 粉砕機
6 分離部
60 供給ダクト
61 ゴムローラ
7 製品ベルトコンベア
8 風力選別部
80 供給部
81 筒体
81b 吸気口
83 チャンバ
83a チャンバ本体
83b ロータリバルブ
83c 傾斜板
83d 吸気ダクト
85 サイクロン
85b 吸気ダクト
85d ロータリバルブ
86 吸排気部
86a 排気ダクト
9 風力選別部
90 供給部
91 筒体
91b 吸気口
95 サイクロン
95b 吸気ダクト
95d ロータリバルブ
96 吸排気部
96a 排気ダクト
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9