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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022164189
(43)【公開日】2022-10-27
(54)【発明の名称】給電構造
(51)【国際特許分類】
   E06B 7/28 20060101AFI20221020BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20221020BHJP
【FI】
E06B7/28 B
E06B7/28 Z
G09F9/00 336D
G09F9/00 346D
G09F9/00 348Z
G09F9/00 350Z
G09F9/00 347Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021069523
(22)【出願日】2021-04-16
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】岩井 洋平
【テーマコード(参考)】
5G435
【Fターム(参考)】
5G435BB05
5G435BB12
5G435EE02
5G435EE03
5G435EE05
5G435EE41
5G435EE47
5G435GG43
5G435LL18
(57)【要約】
【課題】窓ガラスに貼り付けられた透明ディスプレイに意匠性を損なうことなく電源を供給する。
【解決手段】
窓ガラス110とこれを囲むフレーム100を有するガラス障子が窓枠1000内に配置し、前記窓ガラス110には、液晶透明ディスプレイ10の表示領域が重なり、前記液晶透明ディスプレイ10の前記表示領域の外形は、前記窓ガラス110の外形よりも小さく、前記フレーム100内には、前記表示領域に光を入光させる光源と、前記液晶透明ディスプレイ10の端子領域と、配線基板20と、前記配線基板20と接続するケーブル40が収容され、前記ケーブル40は、前記フレーム110に取り付けられた受電端子200と接続し、前記受電端子200は、前記窓枠1000に配置された給電端子201と接続可能であり、前記給電端子201は電源1200と接続することを特徴とする給電構造。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
窓ガラスとこれを囲むフレームを有するガラス障子が窓枠内に配置し、
前記窓ガラスには、液晶透明ディスプレイの表示領域が重なり、
前記液晶透明ディスプレイの前記表示領域の外形は、前記窓ガラスの外形よりも小さく、
前記フレーム内には、前記表示領域に光を入光させる光源と、前記液晶透明ディスプレイの端子領域と、配線基板と、前記配線基板と接続するケーブルが収容され、
前記ケーブルは前記フレームに取り付けられた受電端子と接続し、
前記受電端子は、前記窓枠に配置された給電端子と接続可能であり、
前記給電端子は電源と接続することを特徴とする給電構造。
【請求項2】
前記受電端子には第1のマグネットが取り付けられ、前記給電端子には第2のマグネットが取り付けられ、前記第1のマグネットと前記第2のマグネットは、互いに引き合う極性で対向していることを特徴とする請求項1に記載の給電構造。
【請求項3】
前記受電端子はオス型端子であり、前記給電端子はメス型端子であることを特徴とする請求項1に記載の給電構造。
【請求項4】
前記ガラス障子が移動可能な方向と平行な断面において、前記液晶透明ディスプレイの断面の厚さは、前記端子領域と反対側の端部に向かって徐々に小さくなっている部分を有することを特徴とする請求項1に記載の給電構造。
【請求項5】
前記液晶透明ディスプレイが貼り付けられた部分の前記窓ガラスの厚さは、他の部分における窓ガラスの厚さよりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の給電構造。
【請求項6】
2枚の窓ガラスが重複して配置し、前記2枚の窓ガラスを囲むフレームを有するガラス障子が窓枠内に配置し、
前記2枚の窓ガラスの間には、液晶透明ディスプレイの表示領域が存在し、
前記液晶透明ディスプレイの前記表示領域の外形は、前記窓ガラスの外形よりも小さく、
前記フレーム内には、前記液晶透明ディスプレイの端子領域と、前記端子領域に設けられ前記表示領域に光を入光させる光源と、配線基板と、前記配線基板と接続するケーブルが収容され、
前記ケーブルは前記フレームに取り付けられた受電端子と接続し、
前記受電端子は、前記窓枠に配置された給電端子と接続可能であり、
前記給電端子は電源と接続することを特徴とする給電構造。
【請求項7】
前記2枚の窓ガラスの間は、液晶透明ディスプレイが存在している領域以外は空間となっていることを特徴とする請求項6に記載の給電構造。
【請求項8】
前記2枚の窓ガラスの間は、前記液晶透明ディスプレイが存在している領域以外には透明樹脂が充填されていることを特徴とする請求項6に記載の給電構造。
【請求項9】
矩形の窓ガラスとこれを囲むフレームを有するガラス障子が矩形の窓枠内に配置し、
前記窓ガラスには、前記透明ディスプレイの表示領域が貼り付けられ、
前記液晶透明ディスプレイの前記表示領域の外形は、前記窓ガラスの外形よりも小さく、
前記フレーム内には、前記液晶透明ディスプレイの端子領域と、配線基板と、前記配線基板と接続するケーブルが収容され、
前記ケーブルは前記フレームの上辺または下辺に配置された受電端子に接続し、
前記窓枠の上辺または下辺には、前記受電端子と接続するためのレールが配置し、
前記受電端子は、前記レールと接触してスライドすることが可能であり、
前記レールは、電源と接続することを特徴とする給電構造。
【請求項10】
矩形の窓ガラスとこれを囲むフレームを有するガラス障子が矩形の窓枠内に配置し、
前記窓ガラスには、液晶透明ディスプレイの表示領域が貼り付けられ、
前記液晶透明ディスプレイの前記表示領域の外形は、前記窓ガラスの外形よりも小さく、
前記フレーム内には、前記液晶透明ディスプレイの端子領域と、前記端子領域に設けられ前記表示領域に光を入光させる光源と、配線基板と、前記配線基板と接続するケーブルが収容され、
前記ケーブルの第1の端は、前記フレームの上辺に配置した第1の受電端子と接続し、
前記ケーブルの第2の端は、前記フレームの上辺に配置した第2の受電端子と接続し、
前記窓枠の上辺には、前記第1の受電端子と接続するための第1のレールが配置し、
前記第1の受電端子は前記第1のレールと接触してスライドすることが可能であり、
前記窓枠の下辺には、前記第2の受電装置と接続するための第2のレールが配置し、
前記第2の受電端子は前記第2のレールと接触してスライドすることが可能であり、
前記第1のレール及び前記第2のレールは電源と接続することを特徴とする給電構造。
【請求項11】
窓ガラスとこれを囲むフレームを有するガラス障子が窓枠内に配置し、
前記窓ガラスには、複数の液晶透明ディスプレイの表示領域が貼り付けられ、
前記フレーム内には、前記液晶透明ディスプレイの端子領域と、配線基板と、前記配線基板と接続するケーブルが収容され、
前記ケーブルは前記フレーム内において、前記窓ガラスを囲むように連続したループ状に形成され、
前記ケーブルは、前記フレームに配置された受電端子と接続し、
前記受電端子は、前記窓枠に配置した給電端子と接続し、
前記給電端子は電源と接続することを特徴とする給電構造。
【請求項12】
窓ガラスとこれを囲むフレームを有するガラス障子が窓枠内に配置し、
前記窓ガラスには、複数の液晶透明ディスプレイの表示領域が所定の間隔をもって貼り付けられ、
前記所定の間隔は、ダミーフレームによって覆われ、
前記フレーム内には、前記透明ディスプレイの端子領域と、配線基板と、前記配線基板と接続するケーブルが収容され、
前記ケーブルは、前記複数の液晶透明ディスプレイと共通に接続し、
前記ケーブルは、前記フレームに取り付けられた受電端子と接続し、
前記受電端子は、前記窓枠に配置した給電端子と接続し、
前記給電端子は電源と接続することを特徴とする給電構造。
【請求項13】
前記ダミーフレームは、横ストライプ状、あるいは、縦ストライプ状であることを特徴とする請求項12に記載の給電構造。
【請求項14】
前記ダミーフレームは、十字形状であることを特徴とする請求項12に記載の給電構造。
【請求項15】
前記ダミーフレームの材料は前記フレームと同じであることを特徴とする請求項12に記載の給電構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窓ガラス用フレーム及びそれに接続した電子部品への給電構造に関する。
【背景技術】
【0002】
窓ガラスあるいはショーケースのドア等にディスプレイを貼り付けることによって、種々の情報を発信するシステムが存在する。また、窓ガラス用フレーム等に種々のセンサ、あるいは電子部品を取り付けることによる防犯システム等も開発されている。
【0003】
特許文献1には、車両用窓ガラスとして、車外側ガラスと車内側ガラスとを透明な導電性接着材によって接着し、この導電性接着材に端子を介して給電する構成が記載されている。特許文献1の目的は、車両用窓ガラスの防曇である。
【0004】
特許文献2には、窓、看板、ショーケース等に使用される構造ガラス板に、構造カラス板よりも外形が小さな表示装置を貼り付ける構成が記載されている。特許文献2においては、マット加工されたケーブルを構造ガラスの表面を這わせることによって、表示装置に給電を行っている。
【0005】
特許文献3には、センサ用の電池が不要な施解錠通知システムが記載されている。具体的には、窓の鍵が閉められているか否かを検出するためのセンサに対し、窓枠とガラスフレームに配置した非接触給電装置を用いて給電する構成が記載されている。
【0006】
特許文献4及び特許文献5には、自動販売機等のショーケースのドアに、透明ディスプレイを配置する構成が記載されている。
【0007】
特許文献6には、高分子分散型液晶を用い、表示パネルの側面から光を入光させるサイド光源装置を有する液晶表示装置(透明ディスプレイ)の構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第5019072号
【特許文献2】特開2016-50442
【特許文献3】特開2015-209737
【特許文献4】特表2014-503835
【特許文献5】特開2017-513069
【特許文献6】特開2020-91400
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
窓ガラス等の透明媒体に透明ディスプレイを貼り付けることによって、ディスプレイの表示が不要な時には、通常の窓ガラスとして使用し、必要な時はディスプレイとして用いる方式が開発されている。透明ディスプレイとしては、液晶表示装置あるいは有機EL表示装置等を用いることが出来る。
【0010】
透明ディスプレイの外形を、窓ガラスの外形よりも小さくしたい場合がある。また、複数の透明ディスプレイを1枚の窓ガラスに配置したい場合もある。このような場合、透明ディスプレイへの給電方法が問題となる。すなわち、透明ディスプレイへの給電のためのケーブル等は非透明なので、これを窓ガラス等に貼り付けると意匠性を損なってしまう。
【0011】
本発明は、以上のような課題を解決し、ガラス等の透明媒体に、透明ディスプレイを配置する場合において、透明媒体としての意匠性を害さないように透明媒体に透明ディスプレイを配置する構成を実現するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は上記課題を解決するものであり、主な具体的な手段は次のとおりである。
【0013】
(1)窓ガラスとこれを囲むフレームを有するガラス障子が窓枠内に配置し、前記窓ガラスには、液晶透明ディスプレイの表示領域が重なり、前記液晶透明ディスプレイの前記表示領域の外形は、前記窓ガラスの外形よりも小さく、前記フレーム内には、前記液晶透明ディスプレイの表示領域に光を入光させる光源と、前記透明ディスプレイの端子領域と、配線基板と、前記配線基板と接続するケーブルが収容され、前記ケーブルは前記フレームに取り付けられた受電端子と接続し、前記受電端子は、前記窓枠に配置された給電端子と接続可能であり、前記給電端子は電源と接続することを特徴とする給電構造。
【0014】
(2)前記受電端子には第1のマグネットが取り付けられ、前記給電端子には第2のマグネットが取り付けられ、前記第1のマグネットと前記第2のマグネットは、互いに引き合う極性で対向していることを特徴とする(1)に記載の給電構造。
【0015】
(3)前記ガラス障子が移動可能な方向と平行な断面において、前記液晶透明ディスプレイの断面の厚さは、前記端子領域と反対側の端部に向かって徐々に小さくなっている部分を有することを特徴とする(1)に記載の給電構造。
【0016】
(4)前記液晶透明ディスプレイが貼り付けられた部分の前記窓ガラスの厚さは、他の部分における窓ガラスの厚さよりも小さいことを特徴とする(1)に記載の給電構造。
【0017】
(5)2枚の窓ガラスが重複して配置し、前記2枚の窓ガラスを囲むフレームを有するガラス障子が窓枠内に配置し、前記2枚の窓ガラスの間には、液晶透明ディスプレイの表示領域が存在し、前記液晶透明ディスプレイの前記表示領域の外形は、前記窓ガラスの外形よりも小さく、前記フレーム内には、前記液晶透明ディスプレイの表示領域に光を入光させる光源と、前記液晶透明ディスプレイの端子領域と、配線基板と、前記配線基板と接続するケーブルが収容され、前記ケーブルは前記フレームに取り付けられた受電端子と接続し、前記受電端子は、前記窓枠に配置された給電端子と接続可能であり、前記給電端子は電源と接続することを特徴とする給電構造。
【0018】
(6)矩形の窓ガラスとこれを囲むフレームを有するガラス障子が矩形の窓枠内に配置し、前記窓ガラスには、液晶透明ディスプレイの表示領域が重なり、前記液晶透明ディスプレイの前記表示領域の外形は、前記窓ガラスの外形よりも小さく、前記フレーム内には、前記液晶透明ディスプレイの前記表示領域に光を入光させる光源と、前記液晶透明ディスプレイの端子領域と、配線基板と、前記配線基板と接続するケーブルが収容され、前記ケーブルは前記フレームの上辺または下辺に配置された受電端子に接続し、前記窓枠の上辺または下辺には、前記受電端子と接続するためのレールが配置し、前記受電端子は、前記レールと接触してスライドすることが可能であり、前記レールは、電源と接続することを特徴とする給電構造。
【0019】
(7)矩形の窓ガラスとこれを囲むフレームを有するガラス障子が矩形の窓枠内に配置し、前記窓ガラスには、液晶透明ディスプレイの表示領域が重なり、前記液晶透明ディスプレイの前記表示領域の外形は、前記窓ガラスの外形よりも小さく、前記フレーム内には、前記液晶透明ディスプレイの前記表示領域に光を入光させる光源と、前記液晶透明ディスプレイの端子領域と、配線基板と、前記配線基板と接続するケーブルが収容され、前記ケーブルの第1の端は、前記フレームの上辺に配置した第1の受電端子と接続し、前記ケーブルの第2の端は、前記フレームの上辺に配置した第2の受電端子と接続し、前記窓枠の上辺には、前記第1の受電装置と接続するための第1のレールが配置し、前記第1の受電端子は前記第1のレールと接触してスライドすることが可能であり、前記窓枠の下辺には、前記第2の受電端子と接続するための第2のレールが配置し、前記第2の受電端子は前記第2のレールと接触してスライドすることが可能であり、前記第1のレール及び前記第2のレールは電源と接続することを特徴とする給電構造。
【0020】
(8)窓ガラスとこれを囲むフレームを有するガラス障子が窓枠内に配置し、前記窓ガラスには、複数の液晶透明ディスプレイの表示領域が貼り付けられ、前記フレーム内には、前記液晶透明ディスプレイの前記表示領域に光を入光させる光源と、前記液晶透明ディスプレイの端子領域と、配線基板と、前記配線基板と接続するケーブルが収容され、前記ケーブルは前記フレーム内において、前記窓ガラスを囲むように連続したループ状に形成され、前記ケーブルは、前記フレームに配置された受電端子と接続し、前記受電端子は、前記窓枠に配置した給電端子と接続し、前記給電端子は電源と接続することを特徴とする給電構造。
【0021】
(9)窓ガラスとこれを囲むフレームを有するガラス障子が窓枠内に配置し、前記窓ガラスには、複数の液晶透明ディスプレイの表示領域が所定の間隔をもって重なり、前記所定の間隔は、ダミーフレームによって覆われ、前記フレーム内には、前記透明ディスプレイの前記表示領域に光を入光させる光源と、前記液晶透明ディスプレイの端子領域と、配線基板と、前記配線基板と接続するケーブルが収容され、前記ケーブルは、前記複数の液晶透明ディスプレイと共通に接続し、前記ケーブルは、前記フレームに取り付けられた受電端子と接続し、前記受電端子は、前記窓枠に配置した給電端子と接続し、前記給電端子は電源と接続することを特徴とする給電構造。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1A】液晶表示装置の平面図である。
図1B図1の液晶表示装置の画素を示す拡大図である。
図2図1のA―A断面図である。
図3】ガラス障子の窓ガラスに透明ディスプレイが貼り付けられた状態の正面図である。
図4】窓ガラスに透明ディスプレイが貼り付けられた部分の詳細図である。
図5】実施例1の給電構造を示す正面図である。
図6】実施例1において、受電端子と給電端子にマグネットが取り付けられている例を示す正面図である。
図7】実施例2における給電構造を示す正面図である。
図8】実施例3の課題を示す正面図である。
図9】実施例3を適用する前の構造を示す断面図である。
図10】実施例3の第1の形態を示す断面図である。
図11】実施例3の第2の形態を示す断面図である。
図12A】実施例3の第3の形態を示す断面図である。
図12B図12Aの具体例を示す断面図である。
図12C図12Aの他の具体例を示す断面図である。
図13】実施例4を適用する前の形態を示す、ガラス障子の正面図である。
図14】実施例4を適用した形態を示す、ガラス障子の正面図である。
図15】実施例5を適用する前の形態を示す、ガラス障子の正面図である。
図16】実施例5を適用した形態を示す、ガラス障子の正面図である。
図17】実施例5を適用する前の他の形態を示す、ガラス障子の正面図である。
図18】実施例5を適用した他の形態を示す、ガラス障子の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に実施例によって本発明を詳細に説明する。
【実施例0024】
窓ガラス等の透明媒体に貼り付ける透明ディスプレイは、液晶表示装置、有機EL表示装置等によって構成することが出来る。本実施例では、液晶表示装置によって透明ディスプレイを構成する場合について説明する。図1Aは、液晶表示装置10の平面図である。図1Aにおいて、液晶表示装置10は表示領域15と端子領域16を有している。液晶表示装置10は、ガラスあるいは透明樹脂等の透明材料で構成されている。
【0025】
液晶表示装置10の端子領域16には、表示領域15に光を入光させるための光源25、光源25に接続された光源用配線基板26が配置している。図1Aの光源25は、複数のLEDがライン状に配置したパッケージとして記載されている。また、端子領域16には、表示領域15の画素PXに信号や電源を供給するためのドライバIC17が配置され、このドライバIC17に対応してフレキシブル配線基板20が接続している。フレキシブル配線基板20はさらに、システムコントローラ、信号を受けるためのアンテナ等を有するPCB(Printed Circuit Board)30が接続している。光源用配線基板26はコネクタ27によってPCB30に接続している。PCB30には、電源を供給するためのケーブル40が接続している。なお、図1Aでは、複数のドライバIC17に対応して複数のフレキシブル配線基板20が存在しているが、他の図においては、図を煩雑にしないために、フレキシブル配線基板20は1個で代表させている。
【0026】
図1Bは表示領域15における一つの画素PXを示す。図1Bにおいて、画素電極70はトランジスタTrに接続される走査線61、映像信号線62によって区画され、1つの画素PXにおける開口は、ほぼ画素電極70に対応し、大きな領域を有し、画素トランジスタTrは画素電極に比べ極めて小さな領域に設けられる。開口部の透過率は透明ディスプレイの透明度に関わり、図1Bに示す画素のレイアウトの例では、液晶表示装置10の透明度は85度と極めて高く、この透明度は、後述する窓ガラスの透明度と概ね同等の透明度である。
【0027】
図1Bにおいて、画素Pxの左下に画素トランジスタTrが形成されている。図1Bにおいて、画素トランジスタTrはドレイン電極、半導体層63、ソース電極64、ゲート電極611から構成されるが、ドレイン電極は映像信号線62が兼ねている。画素トランジスタTrを通過した信号は、スルーホール65を介して画素電極70に供給される。図1に示すように、画素Pxは、平面で視て、大部分が透明な画素電極によって占められており、高い透過率を有している。
【0028】
図2図1のA-A断面図である。図1A図2において、液晶表示装置10は、TFT基板と対向基板の間に挟持された分子散乱型液晶から成る液晶層50、TFT基板11と対向基板12を貼り合せるとともに液晶層50を囲うシール材14を備える。また、TFT基板11は分子散乱型液晶50を制御するTFT回路層、TFT回路層に接続される画素電極70を有する。対向基板12は画素電極70と対向し分子散乱型液晶50を駆動させる対向電極(コモン電極)を有する。対向基板12上にはカバーガラス13が設けられている。
【0029】
TFT基板11は後述する窓ガラスに貼り合される(重ねて配置される)ことになる。TFT基板11のベース基板及び対向基板12のベース基板はともにガラス基板である。同様にカバーガラス13もガラスであり、後述する窓ガラスに3枚のガラスが重なる構造となる。TFT基板11の端子領域16は、例えばTFT基板11が対向基板12及びカバーガラス13から露出した領域であり、端子領域16には、フレキシブル配線基板20が接続している。フレキシブル配線20は端子領域16に設けられたドライバIC17に接続され、ドライバIC17は表示領域16における各画素Pxを駆動する走査線61及び映像信号線62に接続される。
【0030】
図1Aの4つのドライバIC17のうち、内側2つのドライバIC17は例えば映像信号線62に接続され、外側の2つのドライバIC17は走査線61に接続される。また、ドライバIC17と表示領域16との間にはLED光源25が設けられ、LED光源25は対向基板12の側面及びカバーガラス13の側面に対向するように設けられ、対向基板12の側面及びカバーガラス13の側面から光が入光し、対向基板12及びカバーガラス13を導光板として表示領域15に光を入光させている。LED光源25には、LED光源25を駆動させるための光源用配線基板26が接続され、光源用配線基板26はコネクタ27を介してPCB基板30に接続されている。
【0031】
また、フレキシブル配線基板20はシステムコントローラ、アンテナ等を有するPCB基板30に接続し、PCB基板30には、電源を供給するためのケーブル40が接続している。図2における液晶表示装置10TFT基板11の裏面に、透明接着材を塗布し、液晶表示装置10を窓ガラスに接着して取り付ける。図1及び図2では、PCB基板30が存在しているが、場合によっては、PCB基板30に搭載された電子部品をフレキシブル配線基板20に搭載することによって、PCB基板30を省略する場合もある。図13乃至図16では、PCB基板30が省略されている。
【0032】
図3は、窓ガラス110に、例えば液晶表示装置で構成された透明ディスプレイ10が貼り付けられた状態を示す窓の正面図である。透明ディスプレイ10の外形は窓ガラス110の外形よりも小さい。透明ディスプレイ10は、透明接着材によって窓ガラス110に貼り付けられている。液晶表示装置10の端子領域16は、窓ガラス用フレーム100(以後、単にフレームともいう)の下に配置し、外側からは見えないようになっている。端子領域16に設けられたドライバICやLED光源も、窓ガラス用フレーム100に隠され、外側からは見えないようになっている。
【0033】
液晶表示装置は有機ELに比べ表示領域15における画素Px内の画素回路が小さく、したがって、透過率を高くできるので、透明ディスプレイとして用いるのに適している。さらには液晶表示装置を透明ディスプレイとして用いるにあたり、通常はTFT基板11の裏面に設けられるバックライト光源を、サイドライト光源として用いることで液晶表示装置を正面から見た場合に背景が透けてみえ、裏面から見たときに背景が透けてみえ、液晶表示装置の光源が視認性を損ねる要因とはならない。
【0034】
図3において、壁1100の内側に窓枠1000が形成されている。この窓枠1000に、窓ガラス110、フレーム100等を有するガラス障子が設置される。図3において、2つのガラス障子は引き戸になっており、矢印の方向に移動させることによって互いに重複することになる。2つのガラス障子は、鍵120によって施錠出来るようになっている。
【0035】
図4は、図3のガラス窓において、透明ディスプレイ10が配置された部分の詳細正面図である。図4において、窓ガラス10に透明ディスプレイである液晶表示装置10が貼り付けられている。液晶表示装置10の表示領域15は窓ガラス110に貼り付けられており、端子領域16はフレーム100の下に存在している。
【0036】
端子領域16にはフレキシブル配線基板20が接続し、同様に端子領域16に設けられるLED光源には光源用配線基板が接続し、フレキシブル配線基板20及び光源用配線基板26はPCB基板30と接続している。但し、図4では、LED光源25、光源用配線基板26は省略されている。また、フレキシブル配線基板20は1枚で代表させている。以下の図も同様である。
【0037】
PCB基板30には、電源を供給するためのケーブル40が接続している。フレキシブル配線基板20、PCB基板30、ケーブル40は全てフレーム100によって覆われているので、透明ディスプレイの視認性には影響を与えない。図4の問題は、どのようにしてケーブル40に電源を供給するかである。
【0038】
図5は実施例1による電源供給方法を示す正面模式図である。実施例1では、透明ディスプレイ10に電源を供給するために、ガラス障子のフレーム100に配置したオス型端子200と窓枠1000に配置したメス型端子201を用いる方法である。図5のガラス障子側のフレーム100内において、ケーブル40はオス型端子200に接続している。一方、窓枠1000側には、メス型端子201が配置している。メス型端子201は電源ケーブル1300を介して壁に配置したコンセント1200と接続している。
【0039】
図5の構成は、ガラス障子が空いている場合は、オス型端子200とメス型端子201は接続していないので、透明ディスプレイ10はOFF状態である。図5において、ガラス障子が矢印のように左側に移動して窓が閉じた状態になると、オス型端子200とメス型端子201が接続して透明ディスプレイ10に電源が供給され、透明ディスプレイ10は表示状態になる。電気的な接続が不安定にならないように、オス型端子200あるいはメス型端子201には、なんらかの形の留め具が形成されていることが望ましい。
【0040】
図6は実施例1の第2の形態を示す正面図である。図6は、透明ディスプレイ10に電源を供給する、オス型端子200とメス型端子201がマグネット吸着型になっている他は図5と同じである。図6において、ガラス障子のフレーム100には、マグネット付きオス型端子300が形成され、窓枠側にはマグネット付きメス型端子301が形成されている。オス型端子300に取り付けられたマグネットの極とメス型端子301に取り付けられたマグネットの極は互いに引き合うあう極性となっている。
【0041】
図6の構成は、マグネットによって、オス型端子とメス型端子が吸着するので、接続の信頼性をより増加させることが出来る。図6における構成も、ガラス障子が空いている場合には、透明ディスプレイ10には電源は供給されず、ガラス障子が閉じている場合に透明ディスプレイ10に電源が供給され、透明ディスプレイ10に画像を表示させることが出来る。
【実施例0042】
図7は、実施例2におけるガラス窓部分の正面図である。図7において、ガラス障子の窓ガラス110には、透明ディスプレイ10が貼り付けられ、ガラス障子のフレーム100の下には、透明ディスプレイ10の端子領域、フレキシブル配線基板20、PCB基板30及びケーブル40が配置していることは実施例1と同じである。図7において、窓枠1000には、電源ゲーブル1300と接続したレール400が配置している。実施例2では、レール400が給電端子の役割を有する。
【0043】
図7におけるレール400は、電流を流すことが出来るように、2本のレールが平行に配置している構成である。図7において、ガラス障子側には、スライダー401が配置している。スライダー401は受電端子と言い換えてもよい。スライダー401の構成は、第1のレール及び第2のレールと電気的に接続するように、第1のスライダー及び第2のスライダーで構成され、第1のスライダー及び第2のスライダーはケーブル40と接続している。なお、スライダー401は、かならずしもレール状である必要はなく、第1のレール及び第2のレールに対してスプリング力によって押し付けられるような構成であってもよい。
【0044】
レール400には、常時電源が供給されているので、実施例2の構成は、ガラス障子を開けた状態でも透明ディスプレイ10に電源を供給することが出来るので、透明ディスプレイ10を表示状態にすることが出来る。レール400には、常時電源は供給されていることになるが、レール400をライトダクトのような構成とすれば、感電等の危険は防止することができる。
【0045】
図7では、レール400は、窓枠1000の下辺に配置しているが、窓枠1000の上辺に配置してもよい。この場合は、透明ディスプレイ10からのケーブル40は、上辺に配置したレール400と接続する。この場合も、窓枠1000の上辺に2本のレールが配置し、ガラス障子の上側のフレーム100に2個のスライダーが配置することになる。
【0046】
窓枠1000の上辺あるいは下辺に2本のレールを配置し、ガラス障子の一つの辺に2個のスライダー401を配置することが構造的に困難な場合は、窓枠1000の下辺に第1のレールを配置し、窓枠1000の上側に第2のレールを配置すればよい。この場合、ガラス障子の下辺に第1のスライダーを配置し、上辺に第2のスライダーを配置する。そして、透明ディスプレイ10と接続するケーブル40には、ガラス障子の上辺と下辺から電源が供給されることになる。
【実施例0047】
第1のガラス障子の窓ガラス110に透明ディスプレイ10が貼り付けられている場合、ガラス障子を開けて、他のガラス障子(第2のガラス障子)と重ねるとき、透明ディスプレイ10が他のガラス障子に引っかかるリスクがある。図8は、このリスクを模式的に表現した正面図である。
【0048】
図9は、図8に示すようなリスクを有している、透明ディスプレイ10が窓ガラス110に貼り付けられている状態を示すガラス障子の断面図である。図9において、透明ディスプレイ10の表示領域が窓ガラスに貼り付けられ、透明ディスプレイ19の端子領域、フレキシブル配線基板20、PCB基板30がフレーム10内に収容されている。図9において、透明ディスプレイ10の先端がなんらかの原因で浮き上がった場合、図8に示すような、透明ディスプレイ10が他のガラス障子に引っかかる危険が生ずる。
【0049】
図10はこれを防止するための、本実施例の第1の形態を示す断面図である。図10において、窓ガラス110は2枚構成となっており、第1の窓ガラスと第2の窓ガラスの間に透明ディスプレイ10が配置している。透明ディスプレイ10は、第1の窓ガラス110あるいは第2の窓ガラス110、または、第1の窓ガラス110と第2の窓ガラス110の両方と接着している。このような構成であれば、透明ディスプレイ10の先端がめくれるという危険は無くなり、図8に示すような、透明ディスプレイ10が他のガラス障子に引っかかるという危険を防止することが出来る。
【0050】
なお、窓ガラス110を2枚構成とすることは、室内の保温効果には優れた効果を有する。また、また、2枚の窓ガラス110を透明接着材で接着すれば、機械的な強度の優れた窓ガラス110とすることが出来る。
【0051】
図11は、本実施例の第2の形態を示すガラス障子の断面図である。図11は、窓ガラス110を部分的にエッチング等によって薄くし、この部分に透明ディスプレイ10を埋め込んでいる。透明ディスプレイ10は非常に薄いので、窓ガラス110のエッチング量は小さくて済む。このようにすれば、透明ディスプレイ10の表面を窓ガラス10の他の部分と面一にすることが出来る。
【0052】
あるいは、透明ディスプレイ10の厚さよりも、窓ガラス110を若干深くエッチングし、透明ディスプレイ10の表面を樹脂等によって他のガラス面と面一にすれば、透明ディスプレイ10の端部での浮き上がりは確実に無くすることが出来る。
【0053】
図12Aは本実施例の第3の形態を示すガラス障子の断面図である。図12Aにおいて、透明ディスプレイ10は先端に行くにしたがって、厚さが小さくなっている。透明ディスプレイ10の表示領域15を構成するにはある厚さが必要なので、図12Aにおける透明ディスプレイ10の先端部の厚さが小さい部分はダミー領域となっている。透明ディスプレイを図12Aのような構成とすることによって、透明ディスプレイ10の先端の浮き上がりを防止することが出来、図12に示すような、透明ディスプレイ10の他のガラス障子への引っかかりを防止することが出来る。図12Aのその他の構成は図9と同様である。
【0054】
図12Bは、透明ディスプレイ10の厚さを徐々に変化させる1例としての断面図である。図12Bの右側の端部においては、TFT基板11が最も大きく、対向基板、カバーガラスの順で寸法が小さくなっている。これによって、疑似的に透明ディスプレイの厚さを徐々に変化させることが出来る。図12Cは、透明ディスプレイ10の厚さを徐々に変化させる他の例としての断面図である。図12Cの右側の端部においては、シール材の幅swを他の辺よりも大きくしておき、対応する部分を、例えば、面取り加工にように、研磨することによって、透明ディスプレイの厚さを徐々に変化させたものである。
【実施例0055】
1枚の窓ガラス110に複数の透明ディスプレイ10を配置したい場合がある。図13は、一つの窓ガラス110に4個の透明ディスプレイ10を配置した場合の正面図である。各透明ディスプレイ10は別々の画像を表示することが可能である。各透明ディスプレイ10において、表示領域は窓ガラス110に貼り付けられており、端子領域はフレーム100の下に配置されている。端子領域には、フレキシブル配線基板20が接続し、各フレキシブル配線基板20はケーブル40に接続している。なお、図13では、図を複雑にしないため、光源25、光源用フレキシブル配線基板26、PCB30等は全て省略され、フレキシブル配線基板20で代表させている。以下の図も同様である。
【0056】
図13において、各透明ディスプレイ10にはケーブル40から電源を供給する必要がある。図13の構成では、ケーブル40のいずれか1か所が断線すると、1個以上のディスプレイの表示が不可能になる。
【0057】
図14はこの問題を対策した、実施例4におけるガラス障子の正面図である。図14図13と異なる点は、図14においては、各ディスプレイ10に電源を供給するためのケーブル40がガラス障子のフレーム100の下において、全周にわたってループ状に配置されていることである。このような構成であれば、どこか1個所において、ケーブル40が断線したとしても、各透明ディスプレイ10へは電源を供給することは可能になる。したがって、表示システムの信頼性を向上させることが出来る。図14のその他の構成は図13と同様であるので、説明を省略する。
【実施例0058】
図15は、窓ガラス110に透明ディスプレイ10を2個配置した場合のガラス障子の正面図である。各ディスプレイ10の表示領域は窓ガラス110に貼り付けられており、ガラス障子のフレーム100の下には、透明ディスプレイ10の端子領域、フレキシブル配線基板20、ケーブル40等が配置している。図15においても、PCB基板30等は省略されている。以下の図も同様である。
【0059】
各透明ディスプレイ10の表示領域は、窓ガラス110の面積の半分近い面積であり、2個の透明ディスプレイ10の表示領域の間に幅の狭い縦ストライプ状に透明ディスプレイが配置されていない領域が存在している。この透明ディスプレイが形成されていない縦ストライプ状の領域は光もれのような印象を与え、表示品質を悪化させる場合がある。
【0060】
図16は、この問題を対策した、実施例5のガラス障子の正面図である。図16の構成も、図15と同様に、窓ガラスの大部分を2個の透明ディスプレイが占めており、窓ガラスの中央において、縦ストライプ状に透明ディスプレイが存在していない領域が存在している。図16図15と異なる点は、2個の透明ディスプレイ10の間の縦ストライプ状の領域を覆ってダミーフレーム111が配置されていることである。このダミーフレーム111の外観は窓ガラス110を囲むフレーム100と同じである。したがって、窓の意匠性をそこなわずに、光漏れを防止し、表示品質の劣化を防止することが出来る。図16のその他の構成は図15と同じである。
【0061】
なお、図15では、透明ディスプレイ10が横方向に2個配置しているので、2個の透明ディスプレイ10の間隔が縦ストライプ状となっている。透明ディスプレイ10が縦方向に2個配置している場合は、2個の透明ディスプレイ10の間隔は横ストライプ状となる。この場合、ダミーフレーム111は横ストライプ状とすればよい。
【0062】
図17は、窓ガラス110に透明ディスプレイ10を4個配置した場合のガラス障子の正面図である。各透明ディスプレイ10の表示領域は窓ガラス110に貼り付けられており、ガラス障子のフレーム100の下には、透明ディスプレイ10の端子領域、フレキシブル配線基板20、ケーブル40等が配置している。図16においても、PCB基板は省略されている。
【0063】
各透明ディスプレイ10の表示領域は、窓ガラス110の面積の1/4に近い面積であり、4個の透明ディスプレイ10の表示領域の間に幅の狭い縦ストライプ状と横ストライプ状に透明ディスプレイ10が無い領域が存在している。この透明ディスプレイ10が存在していない縦ストライプ状の領域と横ストライプ状の領域は光もれのような印象を与え、表示品質を悪化させる場合がある。
【0064】
図18は、この問題を対策した、実施例5の第2の形態におけるガラス障子の正面図である。図18の構成も、図17と同様に、窓ガラス110の大部分を4個の透明ディスプレイ10が占めており、窓ガラス110の中央において、縦ストライプ状及び横ストライプ状に透明ディスプレイ10が存在していない領域が存在している。図18図17と異なる点は、4個の透明ディスプレイ10の間の縦ストライプ状の領域と横ストライプ状の領域を覆って十字状のダミーフレーム111が設置されていることである。このダミーフレーム111の外観は窓ガラスを囲むフレームと同じである。したがって、窓の意匠性をそこなわずに、光漏れを防止し、表示品質の劣化を防止することが出来る。図18のその他の構成は図17と同じである。
【0065】
以上の実施例では、窓ガラス110に透明ディスプレイ10が貼り付けられた場合のおける透明ディスプレイ10への電源の供給方法について説明した。透明ディスプレイ10として、液晶表示装置を例にとって説明したが、透明ディスプレイは液晶表示装置に限らず、有機EL表示装置等によっても構成することが出来るが、給電構造は、基本的には各実施例と同じである。
【0066】
有機EL表示装置を透明ディスプレイとして窓ガラスに重ねる場合は窓ガラスと透明度の差が大きく視認性を損なえる可能性があるが、液晶表示装置と異なり外部光源を必要としない点でコスト的な優位性がある。さらに、実施例1乃至5の構成は、振動センサ、監視カメラ等をガラス障子に取り付ける場合の電源供給手段として使用することも出来る。
【0067】
なお、実施例1及び実施例2で説明した、電源供給方法として、非接触による、電源供給手段を用いることが出来る。すなわち、例えば、実施例1におけるオス型端子200及びメス型端子201の部分に電磁カップリングによって電力を供給する手段を配置するような構成とすることが出来る。この場合は、実施例1の場合と同様、ガラス障子を開けた状態では電力供給は出来ない。
【符号の説明】
【0068】
10…液晶表示装置、 11…TFT基板、 12…対向基板、 13…カバーガラス、 14…シール材、 15…表示領域、 16…端子領域、 17…ドライバIC、 20…フレキシブル配線基板、 25…光源、 26…光源用フレキシブル配線基板、 27…コネクタ、 30…PCB基板、 40…ケーブル、 50…液晶、 61…走査線、 62…映像信号線、 63…半導体層、 64…ソース電極、 65…スルーホール、 70…画素電極、 15…表示領域、 100…ガラス障子のフレーム、 110…窓ガラス、 111…ダミーフレーム、 120…鍵、 200…オス型電源端子、 201…メス型電源端子、 300…マグネット付きオス型電源端子、 301…マグネット付きメス型電源端子、 400…固定側給電レール、 401…スライダー、 611…ゲート電極、 1000…窓枠、 1100…壁、 1200…コンセント、 1300…電源ケーブル
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B
図12C
図13
図14
図15
図16
図17
図18