(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022164207
(43)【公開日】2022-10-27
(54)【発明の名称】倉庫管理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/08 20120101AFI20221020BHJP
B65G 61/00 20060101ALI20221020BHJP
【FI】
G06Q10/08 300
B65G61/00 544
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021069549
(22)【出願日】2021-04-16
(71)【出願人】
【識別番号】515159877
【氏名又は名称】株式会社オープンロジ
(74)【代理人】
【識別番号】100179822
【弁理士】
【氏名又は名称】中畑 稔
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 秀嗣
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA16
(57)【要約】 (修正有)
【課題】荷物を保持した配送機が中継ポイントを中継することによって効率的に配送を行う倉庫管理システムを提供する。
【解決手段】売主端末と、倉庫端末と、買主側端末と、倉庫管理サーバとが、ネットワークを介して互いに通信可能に接続する倉庫管理システムにおいて、倉庫管理サーバは、利用者端末から預け入れる荷物の荷物情報の登録を受け付ける荷物情報管理部と、記倉庫の位置情報と、倉庫に配備されている配送機の機能情報とを記憶する倉庫管理部と、売主端末から、荷物情報と配送先に関する配送先情報とを含む出荷依頼を受け付ける出荷依頼受付部と、出荷依頼に基づいて、荷物を配送先に配送可能な配送機を選定する配送機選定部と、倉庫から配送先までの配送ルートを生成する配送ルート生成部と、配送ルートと、選定された配送機を配送にかかる荷物の出荷情報に関連付ける出荷情報管理部とを備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の利用者端末と、倉庫の倉庫端末と、前記利用者端末及び前記倉庫端末に対してネットワークを介して倉庫管理ソフトウェアを提供する倉庫管理サーバとを含み、前記倉庫内に保管された荷物を前記配送機を利用して配送先に配送するための倉庫管理システムであって、
前記倉庫管理サーバは、
利用者端末から預け入れる荷物の荷物情報の登録を受け付ける荷物情報管理部と、
前記倉庫の位置情報と、当該倉庫に配備されている前記配送機の機能情報とを記憶する倉庫管理部と、
前記利用者端末から、前記荷物情報と前記配送先に関する配送先情報とを含む出荷依頼を受け付ける出荷依頼受付部と、
前記出荷依頼に基づいて、前記荷物を前記配送先に配送可能な前記配送機を選定する配送機選定部と、
前記倉庫から前記配送先までの配送ルートを生成する配送ルート生成部と、
生成され前記配送ルートと、選定された前記配送機を当該配送にかかる前記荷物の前記出荷情報に関連付ける出荷情報管理部と、
を備え、
前記倉庫端末は、前記出荷情報を参照して、選定された前記配送機に生成された前記配送ルートに従って前記荷物を配送させる、
倉庫管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の倉庫管理システムであつて、
前記配送ルート生成部は、一以上の中継倉庫を含めて前記配送ルートを生成し、
前記配送機は、前記中継倉庫を中継して前記荷物を配送する、
倉庫管理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の倉庫管理システムであって、
前記配送ルート生成部は、複数の前記倉庫に保管された複数の前記荷物に関する前記出荷依頼に基づいて、中継する前記倉庫を決定し、
前記配送機選定部は、少なくと、複数の前記荷物それぞれの重量情報を参照して前記配送機を選定する、
倉庫管理システム。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載の倉庫管理システムであって、
前記出荷情報管理部は、前記中継倉庫の前記倉庫端末から前記配送機の前記中継倉庫への到着を受け付け、前記出荷依頼に関連付ける、
倉庫管理システム。
【請求項5】
利用者の利用者端末と、倉庫の倉庫端末と、前記利用者端末及び前記倉庫端末に対してネットワークを介して倉庫管理ソフトウェアを提供する倉庫管理サーバとを用いて、前記倉庫内に保管された荷物を前記配送機を利用して配送先に配送するための倉庫管理方法であって、
前記倉庫管理サーバが、
利用者端末から預け入れる荷物の荷物情報の登録を受け付ける荷物情報管理部と、
前記倉庫の位置情報と、当該倉庫に配備されている前記配送機の機能情報とを記憶する倉庫管理部と、
前記利用者端末から、前記荷物情報と前記配送先に関する配送先情報とを含む出荷依頼を受け付ける出荷依頼受付ステップと、
前記出荷依頼に基づいて、前記荷物を前記配送先に配送可能な前記配送機を選定する配送機選定ステップと、
前記倉庫から前記配送先までの配送ルートを生成する配送ルート生成ステップと、
生成され前記配送ルートと、選定された前記配送機を当該配送にかかる前記荷物の前記出荷情報に関連付ける出荷情報管理ステップと、
を含み、
前記倉庫端末が、
前記出荷情報を参照して、選定された前記配送機に生成された前記配送ルートに従って前記荷物を配送させる配送ステップと、を含む
倉庫管理方法。
【請求項6】
利用者の利用者端末と、倉庫の倉庫端末と、前記利用者端末及び前記倉庫端末に対してネットワークを介して倉庫管理ソフトウェアを提供する倉庫管理サーバであって、前記倉庫内に保管された荷物を前記配送機を利用して配送先に配送するための倉庫管理サーバにおいて、
利用者端末から預け入れる荷物の荷物情報の登録を受け付ける荷物情報管理部と、
前記倉庫の位置情報と、当該倉庫に配備されている前記配送機の機能情報とを記憶する倉庫管理部と、
前記利用者端末から、前記荷物情報と前記配送先に関する配送先情報とを含む出荷依頼を受け付ける出荷依頼受付部と、
前記出荷依頼に基づいて、前記荷物を前記配送先に配送可能な前記配送機を選定する配送機選定部と、
前記倉庫から前記配送先までの配送ルートを生成する配送ルート生成部と、
生成され前記配送ルートと、選定された前記配送機を当該配送にかかる前記荷物の前記出荷情報に関連付ける出荷情報管理部と、
を備えている、
倉庫管理サーバ。
【請求項7】
利用者の利用者端末と、倉庫の倉庫端末と、前記利用者端末及び前記倉庫端末に対してネットワークを介して倉庫管理ソフトウェアを提供する倉庫管理サーバプログラムであって、前記倉庫内に保管された荷物を前記配送機を利用して配送先に配送するための倉庫管理サーバプログラムにおいて、
倉庫管理サーバ端末を
利用者端末から預け入れる荷物の荷物情報の登録を受け付ける荷物情報管理部と、
前記倉庫の位置情報と、当該倉庫に配備されている前記配送機の機能情報とを記憶する倉庫管理部と、
前記利用者端末から、前記荷物情報と前記配送先に関する配送先情報とを含む出荷依頼を受け付ける出荷依頼受付部と、
前記出荷依頼に基づいて、前記荷物を前記配送先に配送可能な前記配送機を選定する配送機選定部と、
前記倉庫から前記配送先までの配送ルートを生成する配送ルート生成部と、
生成され前記配送ルートと、選定された前記配送機を当該配送にかかる前記荷物の前記出荷情報に関連付ける出荷情報管理部と、
を備えている、
倉庫管理サーバプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、倉庫内の荷物を配送機によって配送するための技術に関し、特に、中継地を含むルートを配送する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
配送ルートの中継位置で物品を受け取りつつ最終的な配送先に荷物を届ける技術が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1に記載の技術は、中継地が存在する場合の最適なルート(及び配送を担う輸送機の選定)を計画する点のみを解決すための技術である。しかしながら、荷物の配送サービスをはじめ所謂物流サービスにおいては、出荷を依頼する者、倉庫内において作業を行う者等との連携が重要である。
【0005】
そこで、本発明は、特に、荷物を保持した配送機が中継ポイントを中継することによって効率的に配送を行うための技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、利用者の利用者端末と、倉庫の倉庫端末と、前記利用者端末及び前記倉庫端末に対してネットワークを介して倉庫管理ソフトウェアを提供する倉庫管理サーバとを含み、前記倉庫内に保管された荷物を前記配送機を利用して配送先に配送するための倉庫管理システムであって、
前記倉庫管理サーバは、
利用者端末から預け入れる荷物の荷物情報の登録を受け付ける荷物情報管理部と、
前記倉庫の位置情報と、当該倉庫に配備されている前記配送機の機能情報とを記憶する倉庫管理部と、
前記利用者端末から、前記荷物情報と前記配送先に関する配送先情報とを含む出荷依頼を受け付ける出荷依頼受付部と、
前記出荷依頼に基づいて、前記荷物を前記配送先に配送可能な前記配送機を選定する配送機選定部と、
前記倉庫から前記配送先までの配送ルートを生成する配送ルート生成部と、
生成され前記配送ルートと、選定された前記配送機を当該配送にかかる前記荷物の前記出荷情報に関連付ける出荷情報管理部と、
を備え、前記倉庫端末は、前記出荷情報を参照して、選定された前記配送機に生成された前記配送ルートに従って前記荷物を配送させる、
倉庫管理システムが得られる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、荷物を保持した配送機が中継ポイントを中継することによって効率的に配送を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施の形態による倉庫管理システムのネットワークの構成図である。
【
図2】
図1の倉庫管理システムにより実現されるサービスの概念図である。
【
図3】
図1の倉庫管理サーバ端末の機能ブロック図である。
【
図4】
図3の配送手段DBのデータ構成を示すブロック図である。
【
図5】
図3の出荷情報管理部が管理する情報のデータ構成を示す図である。
【
図6】配送機が利用するルート情報の構造例である。
【
図7】倉庫管理システムの処理の流れを模式的に示す図である。
【
図8】
図1の倉庫管理システムにより実現されるサービスの変形例を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明の実施の形態による倉庫管理システムは、以下のような構成を備える。
[項目1]
利用者の利用者端末と、倉庫の倉庫端末と、前記利用者端末及び前記倉庫端末に対してネットワークを介して倉庫管理ソフトウェアを提供する倉庫管理サーバとを含み、前記倉庫内に保管された荷物を前記配送機を利用して配送先に配送するための倉庫管理システムであって、
前記倉庫管理サーバは、
利用者端末から預け入れる荷物の荷物情報の登録を受け付ける荷物情報管理部と、
前記倉庫の位置情報と、当該倉庫に配備されている前記配送機の機能情報とを記憶する倉庫管理部と、
前記利用者端末から、前記荷物情報と前記配送先に関する配送先情報とを含む出荷依頼を受け付ける出荷依頼受付部と、
前記出荷依頼に基づいて、前記荷物を前記配送先に配送可能な前記配送機を選定する配送機選定部と、
前記倉庫から前記配送先までの配送ルートを生成する配送ルート生成部と、
生成され前記配送ルートと、選定された前記配送機を当該配送にかかる前記荷物の前記出荷情報に関連付ける出荷情報管理部と、
を備え、
前記倉庫端末は、前記出荷情報を参照して、選定された前記配送機に生成された前記配送ルートに従って前記荷物を配送させる、
倉庫管理システム。
[項目2]
項目1に記載の倉庫管理システムであつて、
前記配送ルート生成部は、一以上の中継倉庫を含めて前記配送ルートを生成し、
前記配送機は、前記中継倉庫を中継して前記荷物を配送する、
倉庫管理システム。
[項目3]
項目2に記載の倉庫管理システムであって、
前記配送ルート生成部は、複数の前記倉庫に保管された複数の前記荷物に関する前記出荷依頼に基づいて、中継する前記倉庫を決定し、
前記配送機選定部は、少なくと、複数の前記荷物それぞれの重量情報を参照して前記配送機を選定する、
倉庫管理システム。
[項目4]
項目2又は項目3に記載の倉庫管理システムであって、
前記出荷情報管理部は、前記中継倉庫の前記倉庫端末から前記配送機の前記中継倉庫への到着を受け付け、前記出荷依頼に関連付ける、
倉庫管理システム。
[項目5]
利用者の利用者端末と、倉庫の倉庫端末と、前記利用者端末及び前記倉庫端末に対してネットワークを介して倉庫管理ソフトウェアを提供する倉庫管理サーバとを用いて、前記倉庫内に保管された荷物を前記配送機を利用して配送先に配送するための倉庫管理方法であって、
前記倉庫管理サーバが、
利用者端末から預け入れる荷物の荷物情報の登録を受け付ける荷物情報管理部と、
前記倉庫の位置情報と、当該倉庫に配備されている前記配送機の機能情報とを記憶する倉庫管理部と、
前記利用者端末から、前記荷物情報と前記配送先に関する配送先情報とを含む出荷依頼を受け付ける出荷依頼受付ステップと、
前記出荷依頼に基づいて、前記荷物を前記配送先に配送可能な前記配送機を選定する配送機選定ステップと、
前記倉庫から前記配送先までの配送ルートを生成する配送ルート生成ステップと、
生成され前記配送ルートと、選定された前記配送機を当該配送にかかる前記荷物の前記出荷情報に関連付ける出荷情報管理ステップと、
を含み、
前記倉庫端末が、
前記出荷情報を参照して、選定された前記配送機に生成された前記配送ルートに従って前記荷物を配送させる配送ステップと、を含む
倉庫管理方法。
[項目6]
利用者の利用者端末と、倉庫の倉庫端末と、前記利用者端末及び前記倉庫端末に対してネットワークを介して倉庫管理ソフトウェアを提供する倉庫管理サーバであって、前記倉庫内に保管された荷物を前記配送機を利用して配送先に配送するための倉庫管理サーバにおいて、
利用者端末から預け入れる荷物の荷物情報の登録を受け付ける荷物情報管理部と、
前記倉庫の位置情報と、当該倉庫に配備されている前記配送機の機能情報とを記憶する倉庫管理部と、
前記利用者端末から、前記荷物情報と前記配送先に関する配送先情報とを含む出荷依頼を受け付ける出荷依頼受付部と、
前記出荷依頼に基づいて、前記荷物を前記配送先に配送可能な前記配送機を選定する配送機選定部と、
前記倉庫から前記配送先までの配送ルートを生成する配送ルート生成部と、
生成され前記配送ルートと、選定された前記配送機を当該配送にかかる前記荷物の前記出荷情報に関連付ける出荷情報管理部と、
を備えている、
倉庫管理サーバ。
[項目7]
利用者の利用者端末と、倉庫の倉庫端末と、前記利用者端末及び前記倉庫端末に対してネットワークを介して倉庫管理ソフトウェアを提供する倉庫管理サーバプログラムであって、前記倉庫内に保管された荷物を前記配送機を利用して配送先に配送するための倉庫管理サーバプログラムにおいて、
倉庫管理サーバ端末を
利用者端末から預け入れる荷物の荷物情報の登録を受け付ける荷物情報管理部と、
前記倉庫の位置情報と、当該倉庫に配備されている前記配送機の機能情報とを記憶する倉庫管理部と、
前記利用者端末から、前記荷物情報と前記配送先に関する配送先情報とを含む出荷依頼を受け付ける出荷依頼受付部と、
前記出荷依頼に基づいて、前記荷物を前記配送先に配送可能な前記配送機を選定する配送機選定部と、
前記倉庫から前記配送先までの配送ルートを生成する配送ルート生成部と、
生成され前記配送ルートと、選定された前記配送機を当該配送にかかる前記荷物の前記出荷情報に関連付ける出荷情報管理部と、
を備えている、
倉庫管理サーバプログラム。
【0010】
<実施の形態の概要>
以下、本発明の実施の形態による倉庫管理システムについて、売主と買主との間で荷物に関する売買の取引が行われる例を示して説明する。具体的には、売主の保有する荷物が買主によって購入されると、売主の指示によって倉庫に保管した荷物が、倉庫から買主に対して配送される。本実施の形態においては、配送は、無人航空機等の配送機によって行われ、配送先である買主の自宅に届けられる。なお、本発明による倉庫管理システムは、送り主と受け主との関係があれば成り立つものであり、売買関係は特に必要はない。以下における説明は一般的な事例に即して説明するものである。
【0011】
<構成>
図1に示されるように、本実施の形態による倉庫管理システムは、売主の操作する売主端末1と、買主の操作する買主端末2と、倉庫管理ソフトウェアを所謂SaaS(Software as a Service)として提供する倉庫管理サーバ4と、倉庫作業者の操作する倉庫端末5と、各倉庫に配備・管理された配送機(無人航空機等)6と、配送の対象である荷物50とを含んでいる。本実施の形態による配送機6は荷物50を搭載して飛行が可能なものである。
【0012】
上述した売主端末1と、買主端末2と、倉庫管理サーバ4と、倉庫端末5と、配送機6とはネットワーク7を介して(部分的に又は全体的に、双方向又は一方向に)互いに通信可能に接続されており、倉庫管理サーバ4が提供する倉庫管理ソフトウェアを介して情報の送受信が可能に構成されている(なお、買主端末2がオンラインショッピング等の一般消費者である場合には必ずしも倉庫管理ソフトウェアにアクセス可能にする必要はない)。ネットワーク7は、相互に接続されたIPネットワークによって構築されたインターネットを含む広い概念で用いられている。また、図示されていない無線基地局(例えばWiFi)によって構築される無線ネットワークを含んでも良い。キャリアネットワークとIPネットワークとは、例えば、ゲートウェイ等を介して接続されるが、これに限られるものではない。
【0013】
図2に示されるように、本実施の形態による倉庫管理システムにおいて実現される配送サービスは、倉庫管理サーバ4からの出荷依頼(後述)が各倉庫(倉庫A及び倉庫B)の倉庫端末のそれぞれに提供されることにより、倉庫を発地又は中継地として、荷物50が配送機6に搭載されて、配送先で(着地)に配送される。なお、図示されるように、発地である倉庫Aから配送先までは、倉庫Bを中継して移動するルート1と、倉庫Cを中継して移動するルート2とが存在している。倉庫管理サーバ4は、所定の条件に基づいていずれのルートで移動するかを決定し、決定されたルートに従って荷物50を配送する。
【0014】
本実施の形態においては、倉庫Aの荷物50を配送先まで届ける出荷依頼があったものの、倉庫Aに配備された配送機6では倉庫Aから配送先までを無着陸で飛行することができない場合を想定している。この場合、倉庫Aと配送先との中間地点に倉庫Bが存在していれば、倉庫Bにて充電又はバッテリーの換装を行い配送先に向かうことができる。なお、配送機6は、倉庫Bで同一の配送先に出荷依頼が登録されている別の荷物を追加で積載することとしてもよい。配送機6は、配送地において、荷物を切り離すと、倉庫Aに帰還する。なお、配送機6の運行の全部又は一部は自律飛行制御で行われる。
【0015】
<ハードウェア構成>
本実施の形態において以下に説明する倉庫管理サーバ4等が有する各機能ブロックは、例えば倉庫管理サーバ端末に備えられたハードウェア、DSP(Digital Signal Processor)、ソフトウェアの何れによっても構成することが可能である。例えばソフトウェアによって構成する場合、各機能ブロックは、実際にはコンピュータのCPU、RAM、ROMなどを備えて構成され、RAMやROM、ハードディスクまたは半導体メモリ等の記録媒体に記憶されたプログラムが動作することによって実現される。
【0016】
また、本実施の形態において説明する一連の処理は、ソフトウェア、ハードウェア、及びソフトウェアとハードウェアとの組合せのいずれを用いて実現されてもよい。本実施形態に係る倉庫管理サーバ端末の各機能を実現するためのコンピュータプログラムを作製し、PC等に実装することが可能である。また、このようなコンピュータプログラムが格納された、コンピュータで読み取り可能な記録媒体も提供することが可能である。記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等である。
【0017】
<配送機の構成>
本実施の形態による配送機6は、いわゆる無人航空機(UAV)を例示して説明するが、陸用途、水上用途等用途に応じた装置を利用可能である。配送機6は、複数の回転翼部を備えている。回転翼部は、回転翼と動力部からなる。回転翼は、動力部を駆動源として、所定方向に回転をする。動力部としては、回転翼を駆動することができるものであれば、特に制限されるものではなく、例えば、電気モータ、小型エンジン等を挙げることができる。なお、本発明の回転翼機が備えている回転翼部の個数は、特に制限されるものではなく、4つ、6つ、8つ等、適宜設定することができる。配送機6は、配送対象である荷物を取り付け可能な積載部を有しており、荷物を配送することが可能である。
【0018】
<機能ブロック>
図3を参照して、倉庫管理サーバ4のソフトウェア構成について説明する。倉庫管理サーバ4は、荷物情報管理部と、倉庫管理部と、出荷依頼管理部と、倉庫特定部と、配送機選定部と、配送ルート生成部と、出荷情報管理部とを有している。荷物情報管理部は、売主端末(利用者端末)から預け入れる荷物の荷物情報の登録を受け付ける。倉庫管理部は、倉庫の位置情報と、当該倉庫に配備されている配送機の機能情報とを記憶する。出荷依頼受付部は、売主端末から、前記荷物情報と前記配送先に関する配送先情報とを含む出荷依頼を受け付ける。出荷依頼は、同一の配送先に対して複数の荷物に対しても行うことができる。本実施の形態による出荷依頼は、荷物情報として、荷物のサイズ、形状、重量、特徴等に関する情報と、配送先に関する配送先情報とを含んでいる。本実施の形態においては、各荷物を保管している倉庫の情報が管理されている。倉庫特定部は、出荷依頼に基づいて荷物の保管されている倉庫を特定する。配送機選定部は、当該倉庫に配備されている配送機のうちから荷物を配送先に配送可能な配送機を選定する。配送ルート生成部は、倉庫から配送先までの配送ルートを生成する。出荷情報管理部は、生成された配送ルートと、選定された配送機の情報を当該配送にかかる荷物の出荷情報に関連付けて、少なくとも売主端末に提供可能に管理する。出荷依頼を受けた倉庫の倉庫端末は、出荷情報を参照して、選定された配送機に荷物を積載し、生成された配送ルートに従って荷物を配送先に配送させる。
【0019】
図4に示されるように、配送手段DBは、倉庫と、当該倉庫に配備されている配送機と、配送機の配送機能を関連付けて管理する。倉庫に関する情報は、倉庫の識別記号や位置情報が関連付けられている。配送機に関する情報は、配送機の型番や識別符号、配備されている倉庫や、配送機の基本情報等が例示できる。また、配送機能に関する情報は、配送可能な重量、荷物として搭載できるサイズ、バッテリー容量、最大航続距離等とを含む。
【0020】
図5に示されるように、出荷情報管理部は、出荷依頼を特定するための出荷依頼IDと、出荷依頼にかかる荷物を特定する荷物IDと、当該荷物を配送する配送機と、配送先情報(買主の住所地等)、配送機が飛行する配送ルートに関する情報を管理する。これらの情報は、必要に応じて、売主端末や倉庫端末に提供される。
【0021】
配送機は、図示しない運行管理システム等によって出荷情報に基づいて生成された配送ルートに従って自律制御により飛行する。配送ルートは、発地と着地の他、
図2に示されるような中継地(倉庫B)が定義されている。各地点において搭載荷物に関する搭載荷物情報が関連付けられている。搭載荷物情報は、少なくとも、配送機への荷物の搭載、荷物の切り離しの2種が含まれる。例えば、
図2に示される場合には、発地として倉庫Aの位置情報が関連付けられ、発地の搭載荷物情報として荷物50の積載に関する情報が関連付けられている。また、中継地1として倉庫Bの位置情報が関連付けられる。本実施の形態においては、中継地1において配送機に対して行われるべき作業情報が中継地1に関連付けられている。作業情報は、例えば、荷物の追加積載、荷物の途中積み下ろし、バッテリーの充電・換装等、配送機(又は荷物)に対する何らかの作業が登録される。当該作業は倉庫端末に表示され倉庫内の作業者に行わせることが可能となる。更に、着地として配送先の位置情報が関連付けられ、着地の荷物搭載情報としては荷物50の切り離しに関する情報が関連付けられている。
【0022】
図3に示されるように、本実施の形態による配送機選定部と、配送ルート生成部とは、
図4に示される配送手段DBを参照して、配送機の選定や、配送ルートの生成を行う。また、配送機による配送が可能か否かを判定することとしてもよい。
【0023】
配送ルートの生成を例示すれば、例えば、荷物の重量、倉庫から配送先までの距離等を考慮して、配送すべき距離が配送機の飛行可能範囲を超えていた場合などに、最適な中継地を選択する。
図2においては、倉庫Bを中継する場合と、倉庫Cを中継する2つのルートが存在しているが、例えば、倉庫Bを中継する方が少ないバッテリーで移動することが可能である場合、倉庫Bにおいて追加の荷物が保管されており当該荷物に出荷依頼が出されている場合等には、ルート1の配送ルートが生成される。一方、出荷にかかる荷物の重量が、配送機6の配送可能な重量を超えていた場合や、搭載できるサイズを超えていた場合、配送先まで飛行するために必要なバッテリー容量(バッテリー残量)がない場合等には配送不可能と判定する。
【0024】
なお、配送受付手段は、配送手段判定部の判定の結果、配送機による配送が可能でない場合には、配送機以外の配送手段(宅配便等)による配送を受け付けることとしてもよい。
【0025】
本実施の形態による出荷情報管理部は、倉庫Aの倉庫端末5や中継地である倉庫Bの倉庫端末に対して、
図6に示されるルート情報に基づいて、各倉庫の倉庫端末5を操作する倉庫の作業員に対して、出荷依頼、出荷すべき荷物情報、利用すべき配送機6の情報が最低限提供される。作業員は、当該配送指示に従って配送機6に荷物を搭載したりバッテリーの換装を行ったりする。
【0026】
なお、配送指示部は、図示しない配送機の機能情報を参照して、同一の配送先にかかる複数の前記荷物を一の配送機6により配送することが不可能な場合には、複数の配送機6に分けて配送する。
【0027】
<処理の流れ>
続いて
図7を参照して、本実施の形態による倉庫管理システムの処理の流れを例示する。売主端末1は倉庫管理ソフトウェアに対して、倉庫管理サーバ4より発行されたIDとパスワード等を用いてログインを行う(SQ01)。なお、倉庫端末5A及び5Bも同様にログイン処理を行うものである。同時に売主端末1は、ログイン以前より更新された情報があれば当該情報を読込む(SQ02)。次に、売主端末1から買主に対して配送したい荷物に対して出荷依頼がされる(SQ03)。倉庫管理サーバ4は倉庫端末5Aに対して出荷指示を行うことにより(SQ04)、倉庫Aの作業員に対して荷物50の出荷作業を開始するように促す。倉庫Aにおいては、配送にかかる荷物50が配送機6に積載されると(SQ05)その旨を倉庫端末5を介して倉庫管理サーバ4に登録されることとしてもよい。荷物50を積載した配送機6は中継地である倉庫Bまで移動する(SQ06)。配送機6が倉庫Bに到着すると(SQ07)、バッテリーの換装が行われる(SQ08)。配送機6は再び飛行し、配送先(着地)へと移動する。配送機6が配送先に到着すると(SQ09)、配送機6からは荷物50が切り離され、配送機6から倉庫管理サーバ4に対して配送完了通知がなされ(SQ10)、倉庫管理サーバ4は、売主端末1に対して配送が完了した旨の通知を行う(SQ11)。
【0028】
なお、
図8に示されるように、配送機は、荷物の配送先に荷物を配送した後に、その出先において、他の場所で荷物を引き取り、再び倉庫に戻ってくることとしてもよい。即ち、配送と引き取りを一度の配送の飛行で行い、最初の配送先が当該飛行の中継地となる。このように、倉庫を基点として、2以上の地点を経由しつつ各地点では事前に定められた作業を行うことも本発明の構成に含まれる。
【0029】
上述した実施の形態は、本発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良することができると共に、本発明にはその均等物が含まれることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0030】
1 売主端末
2 買主端末
4 倉庫作管理サーバ
5 倉庫端末
6 配送機
7 ネットワーク