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  • 特開-肥料製造方法 図1
  • 特開-肥料製造方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022164226
(43)【公開日】2022-10-27
(54)【発明の名称】肥料製造方法
(51)【国際特許分類】
   C05F 17/957 20200101AFI20221020BHJP
   C05F 3/00 20060101ALI20221020BHJP
【FI】
C05F17/957
C05F3/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021069581
(22)【出願日】2021-04-16
(71)【出願人】
【識別番号】521165116
【氏名又は名称】井戸 八重子
(74)【代理人】
【識別番号】100125265
【弁理士】
【氏名又は名称】貝塚 亮平
(72)【発明者】
【氏名】井戸 康正
【テーマコード(参考)】
4H061
【Fターム(参考)】
4H061AA02
4H061CC32
4H061CC36
4H061CC42
4H061GG13
4H061GG19
4H061GG26
4H061GG50
4H061GG54
4H061HH42
4H061LL30
(57)【要約】
【課題】畜産現場、酪農牧場などから排出される家畜の排泄物、その他家畜の飼料の残滓を主原料とするメタン発酵処理後の副産物の有効利用を図ることができ、産業廃棄物の排出を少なく抑えることができる肥料の製造方法を提供すること。
【解決手段】有機物である畜産排泄物、食品廃棄物、農業廃棄物の少なくともいずれかを含む原材料を微細粉砕して固形分を全く含まないスラリー状に加工する粉砕・スラリー化工程と、粉砕・スラリー化工程で粉砕してスラリー状に加工された原材料を発酵槽に投入して発酵させる発酵工程と、発酵工程で発酵した原材料を遠心分離により脱水して汚泥を引き抜く脱水工程と、脱水工程で脱水して汚泥を引き抜いた原材料を乾燥させて肥料を製造する乾燥工程と、乾燥工程で乾燥させた肥料を造粒する造粒工程と、を含むことを特徴とする肥料製造方法。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機物である畜産排泄物、食品廃棄物、農業廃棄物の少なくともいずれかを含む原材料を微細粉砕して固形分を全く含まないスラリー状に加工する粉砕・スラリー化工程と、
前記粉砕・スラリー化工程で粉砕してスラリー状に加工された原材料を発酵槽に投入して発酵させる発酵工程と、
前記発酵工程で発酵した原材料を遠心分離により脱水して汚泥を引き抜く脱水工程と、
前記脱水工程で脱水して汚泥を引き抜いた原材料を乾燥させて肥料を製造する乾燥工程と、
前記乾燥工程で乾燥させた肥料を造粒する造粒工程と、
を含むことを特徴とする肥料製造方法。
【請求項2】
前記脱水工程では、脱水後の原材料の含水率が約80%となる
ことを特徴とする請求項1に記載の肥料製造方法。
【請求項3】
前記乾燥工程では、乾燥後の原材料の含水率が55%~60%となる
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の肥料製造方法。
【請求項4】
前記粉砕・スラリー化工程では、原材料を限外膜に通すことで固形分を全く含まない完全なスラリー状に加工する
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の肥料製造方法。
【請求項5】
前記脱水工程で汚泥が分離された上澄みの少なくとも一部を前記発酵工程に戻して再度発酵処理を行う
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の肥料製造方法。
【請求項6】
前記乾燥工程で原材料を乾燥させる際に、該原材料からの臭気を脱臭する脱臭処理を更に行い、
前記脱臭処理は、触媒酸化脱臭処理である
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の肥料製造方法。
【請求項7】
前記造粒工程で造粒した肥料を袋詰め梱包する袋詰め梱包工程を有する
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の肥料製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、肥料製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、畜産酪農事業体から排泄される家畜排泄物や食品産業事業体などより排出される食品廃棄物は、その種類及び排出量が増大している。特に、畜産酪農業ではその家畜からの排泄物の処理が間に合わず、地域に垂れ流すことで亜硝酸態窒素過多の問題や悪臭の問題が生じるなどしており、社会問題となっている。
【0003】
また、有機系無機肥料の原料は、本来未発酵の牛糞と混練して堆肥舎で発酵堆肥としていたが、臭いがきつく、堆肥としても現状の日本の農家などでは需要が減り、酪農業界や畜産業界ではその処理に困っていた。
【0004】
これらに関して、従来、例えば特許文献1に示すように、食物残渣、家畜糞尿および木質原料等の固形分を多く含む有機物を、嫌気性微生物にてメタン発酵してメタンガスを生成する技術として、生ごみなどの原材料をスラリー化した後にメタン発酵するシステムが知られている。
【0005】
しかしながら、従来型のメタン発酵では、大量に排出される液肥や固形残渣を有効活用できず、それらを産業廃棄物として処理しなければならなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2018-176005号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、畜産現場、酪農牧場などから排出される家畜の排泄物、その他家畜の飼料の残滓を主原料とするメタン発酵処理後の副産物の有効利用を図ることができ、産業廃棄物の排出を少なく抑えることができると共に、高品質な無機肥料を製造することができる肥料の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明にかかる肥料の製造方法は、有機物である畜産排泄物、食品廃棄物、農業廃棄物の少なくともいずれかを含む原材料を微細粉砕して固形分を全く含まないスラリー状に加工する粉砕・スラリー化工程(A)と、粉砕・スラリー化工程(A)で粉砕してスラリー状に加工された原材料を発酵槽に投入して発酵させる発酵工程(B)と、発酵工程(B)で発酵した原材料を遠心分離により脱水して汚泥を引き抜く脱水工程(C)と、脱水工程(C)で脱水して汚泥を引き抜いた原材料を乾燥させて肥料を製造する乾燥工程(D)と、乾燥工程(D)で乾燥させた肥料を造粒する造粒工程(F)と、を含むことを特徴とする。
【0009】
本発明にかかる肥料製造方法によれば、原料の有機系の無機物を粉砕・スラリー化工程で微細粉砕してスラリー状に加工することで、有機物の転換効率を最大限に引き出すことができるため、発酵工程における発酵率を引き上げることができ、有機物を最大限に取り出した残りの原材料で肥料を製造することができる。また、スラリー状に加工されて固形分を全く含まない原材料を発酵させるので、製造される肥料の溶解速度が非常に速く、速効性を有する肥料となる。
【0010】
従来の肥料製造方法では、残渣を全て堆肥にするか産業廃棄物として処理していたが、本発明の肥料製造方法によれば、すべて有機系無機肥料となり残渣の排出をなくすことができる。したがって、本発明の肥料製造方法によれば、畜産現場、酪農牧場などから排出される家畜の排泄物、その他家畜の飼料の残滓などを原料とするバイオマスメタンガスプラントにおける処理後の副産物の有効利用を図ることができ、それらの業界からの産業廃棄物の排出を無くすことができる。
【0011】
また、本発明の肥料製造方法では、脱水工程(C)において、脱水後の原材料の含水率が約80%となることが望ましい。
【0012】
また、本発明の肥料製造方法では、乾燥工程(D)では、乾燥後の肥料の含水率が55%~60%となることが望ましい。
【0013】
乾燥後の肥料の含水率が55%~60%となることで、造粒する際の含水率を55%~60%としている。造粒前の肥料の含水率を低くし過ぎる(乾燥させ過ぎる)と、造粒が困難になり破砕するおそれが高くなるところ、含水率をある程度高めることで造粒の容易性を確保できる。また、最終的に製造される肥料の含水率が55%~60%となることで、肥料を畑などに撒いたときに風で飛散せずに済むようになる。
【0014】
また、本発明の肥料製造方法では、粉砕・スラリー化工程(A)では、原材料を限外膜に通すことで固形分を全く含まない完全なスラリー状に加工することが望ましい。
【0015】
粉砕・スラリー化工程で、原材料を固形分を全く含まない完全なスラリー状に加工することで、後の発酵工程において、有機物を完全に発酵して残渣に有機物が含まれないようにすることができる。これにより、製造される肥料が無機肥料として優れた効果を発揮する肥料となる。
【0016】
また、本発明の肥料製造方法では、脱水工程(C)で汚泥が分離された上澄みの少なくとも一部を発酵工程(B)に戻して再度発酵処理を行うようにしてもよい。
【0017】
また、本発明の肥料製造方法では、乾燥工程で原材料を乾燥させる際に、該原材料からの臭気を脱臭する脱臭処理を更に行い、脱臭処理は、触媒酸化脱臭処理であってよい。
【0018】
乾燥工程で原材料を乾燥させる際、原材料の残渣にはNH3が多く含まれているので臭気が多く発生する。そのため、乾燥工程において原材料からの臭気を脱臭する脱臭処理を行うことで、乾燥工程に伴い発生する臭気を効果的に脱臭することができる。
【0019】
また、本発明の肥料製造方法では、造粒工程で造粒した肥料を袋詰め梱包する袋図詰め梱包工程を更に行うようにしてもよい。
なお、上記の括弧内の符号は、後述する実施形態における対応する構成要素の図面参照番号を参考のために示すものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明にかかる肥料の製造方法によれば、畜産現場、酪農牧場などから排出される家畜の排泄物、その他家畜の飼料の残滓などを主原料とするメタン発酵処理後の副産物の有効利用を図ることができ、産業廃棄物の排出を少なく抑えることができる。また、製造される肥料の溶解速度が非常に速く、速効性を有する高品質な無機肥料となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態にかかる肥料製造方法を説明するための図である。
図2】肥料製造方法の各工程における原料又は肥料の成分比率の一例を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態にかかる肥料製造方法を説明するための図である。同図に示すように、本発明の一実施形態にかかる肥料製造方法は、有機物である畜産排泄物、食品廃棄物、農業廃棄物の少なくともいずれかを含む原材料を微細粉砕してスラリー状に加工する粉砕・スラリー化工程(A)と、粉砕・スラリー化工程(A)で粉砕してスラリー状に加工された原材料を発酵させる発酵工程(B)と、発酵工程(B)で発酵した原材料を遠心分離により脱水して汚泥を引き抜く脱水工程(C)と、脱水工程(C)で脱水して汚泥を引き抜いた原材料を乾燥させて肥料を製造する乾燥工程(D)と、乾燥工程(D)で原材料を乾燥させる際に該原材料からの臭気を脱臭する脱臭工程(E)と、乾燥工程(D)で乾燥させた肥料を造粒する造粒工程(F)と、造粒工程(F)で造粒した肥料を袋詰め梱包する袋詰め梱包工程(G)と、梱包した肥料製品の積み出しを行う製品積出工程(H)とを有している。以下、各工程(処理)の内容を順に説明する。
【0023】
[粉砕・スラリー化工程(A)]
粉砕・スラリー化工程(A)における粉砕・スラリー化処理を行う手段として、原材料である有機性廃棄物2が微細粉砕されるグラインダー(粉砕装置)4を備える。グラインダー4は、例えば湿式ビーズミルである。ここでの湿式ビーズミルは、従来、例えばレアメタル等の金属や塗料等を微細粉砕する際に用いられていたもので、被粉砕物を液体に混合したスラリー状の原料が所定量ずつ供給され、内部に充填されたビーズによって微細粉砕する。
【0024】
そして、この粉砕・スラリー化工程(A)では、液体と混合されたスラリー状の有機性廃棄物2がグラインダー4に所定量ずつ供給され、有機性廃棄物2がいわゆるバッチ式で微細粉砕されて粉砕有機物となる。なお、有機性廃棄物2の種類や状態によっては、グラインダー4で微細粉砕しやすいように、グラインダー4の前段に別途、前処理破砕手段を設けてよい。すなわち、前処理破砕手段で予め有機性廃棄物2を破砕してから液体と混合しスラリー状にして、このスラリー状の有機性廃棄物2がグラインダー4で微細粉砕される構成にしてもよい。
【0025】
なお、この粉砕・スラリー化処理でグラインダー4に投入される原材料である有機性廃棄物2は、畜産糞尿やオカラ、焼酎滓等であってよい。また、この粉砕・スラリー化処理では、グラインダー4により原材料が超微細粉砕されることと、その超微細粉砕された物質の粒径が比較的に揃っていることが必要である。
【0026】
[発酵工程(B)]
発酵工程(B)における発酵処理を行う手段として、メタン発酵槽6を備えている。メタン発酵槽6では、嫌気性微生物が充填され、グラインダー4で微細粉砕された有機物である粉砕有機物が嫌気性微生物にて分解されメタン発酵される。
【0027】
メタン発酵槽6は、密閉型の反応槽であり、内部には図示しない嫌気性微生物であるメタン菌が充填されているとともに、嫌気条件下に保たれている。また、メタン発酵槽6内には、粉砕有機物に対してメタン菌が均一に作用するように混合する撹拌機が設置されている。
【0028】
そして、メタン発酵槽6内では、粉砕有機物が嫌気性微生物で分解されてメタン発酵が行われる。メタン発酵の進行に伴って、メタンガスと、メタンが分解され窒素やリン等の肥料成分が残存した消化液とが生成される。
【0029】
また、図示は省略するが、メタン発酵槽6には、配管部材を介してUF膜分離装置が接続されており、メタン発酵槽6内の消化液の上層がUF膜分離装置へ供給される。
【0030】
UF膜分離装置は、例えば孔径0.03μm程度の細孔を有するUF膜(限外ろ過膜)によって、消化液を、細孔を通過しない微粒子状の粉砕有機物等のTSが含まれる濃縮液と、細孔を通過した透過液とに分離するものである。
【0031】
また、同じく図示は省略するが、UF膜分離装置には、返送経路となる返送手段としての配管部材を介してメタン発酵槽に接続されていてもよい。このように構成すれば、濃縮液がUF膜分離装置からメタン発酵槽6へ返送される。
【0032】
UF膜分離装置からメタン発酵槽6へ濃縮液が返送されることにより、メタン発酵槽6内で水流が発生し、この水流によってメタン発酵槽6の内容物が撹拌される。また、濃縮液がメタン発酵槽6へ返送されるため、メタン発酵槽6でのメタン発酵と、UF膜分離装置での消化液の濃縮分離と、UF膜分離装置からメタン発酵槽6への濃縮液の返送と、返送によりメタン発酵槽6内の内容物の撹拌とが実質的に繰り返される。
【0033】
なお、同じく図示は省略するが、メタン発酵槽6からの排水を処理する好気性エアレーション装置が設けられている。
【0034】
なお、この発酵工程(B)で生成する生成物としては、バイオマスメタンガス発電において副産物として生成する固形物残渣を用いることも可能である。
【0035】
[脱水工程(C)]
脱水工程(C)における脱水処理を行う手段として、固形分(無機物)の引き抜き及び脱水を行う脱水汚泥引き抜き遠心分離装置(遠心分離装置)8を備える。脱水汚泥引き抜き遠心分離装置8における脱水処理は、凝集剤を添加せずに行う。すなわち、原材料の残渣は、前段の粉砕・スラリー化工程(A)においてグラインダー4により超微細粉砕されていることと、その超微細粉砕された物質の粒径が揃っていることで、凝集剤を添加せずとも適切な脱水処理が可能となる。この脱水処理により処理後の含水率が80%程度となる。
【0036】
また、この脱水工程(C)では、汚泥が分離された上澄みの少なくとも一部を発酵工程(B)に戻して再度発酵処理を行うようにしてもよい。
【0037】
[乾燥工程(D)]
乾燥工程(D)における乾燥処理を行う手段として、乾燥装置10を備える。乾燥装置10は、具体的には、例えば回転式乾燥機であってよい。乾燥処理では、先の脱水処理で脱水汚泥引き抜き遠心分離装置8から取り出された無機物残渣を乾燥装置10に投入する。引き抜き汚泥固形分として、含水率が約80~90%の残渣を乾燥装置10に投入する。乾燥装置10で50~60%の含水率となるまで乾燥させる。乾燥装置10で乾燥させることでパウダー状の肥料ができる。
【0038】
この乾燥工程(D)では、乾燥装置10内の温度を170℃程度にすることで乾燥される肥料の殺菌を行われる。製造する肥料を170℃程度の温度で殺菌することで植物の生育に対して害を与えることなく、また農作業に従事する人間にも害を与えずに済む無害で安全な肥料となる。
【0039】
なお、この乾燥工程(D)では、他のプラントで発生する排熱を用いて残渣を乾燥させることも可能である。他のプラントで発生する排熱を用いることで、排熱の有効利用が可能となり、エネルギー効率の向上、資源の有効利用に資することができる。
【0040】
[脱臭工程(E)]
乾燥装置10で乾燥させる際、残渣にはNH3が多く含まれているので臭気が多く発生する。そのため、臭気対策として触媒燃焼酸化脱臭装置12による触媒化脱臭を行う。触媒燃焼酸化脱臭装置12からの排気は排気筒14を経て排出される。
【0041】
[造粒工程(F)]
造粒工程(F)における造粒処理を行う手段として、造粒装置16を備える。造粒装置16は、具体的には、例えば連続式造粒機であってよい。先の乾燥工程(D)で生成したパウダー状の肥料を造粒装置16に投入し、概ね直径5mmの球形状、あるいは直径5mmの円柱状への造粒を行う。ここでは、先の乾燥処理において乾燥装置10を出たパウダー状の肥料の含水率を約50%にした状態で造粒装置16に投入する。このような含水率とすることで、造粒装置16による造粒が容易となり、かつ、肥料成分を長持ちさせることができる。
【0042】
[袋詰め梱包工程(G)]
袋詰め梱包工程(G)における袋詰め梱包処理を行う手段として、袋詰め梱包装置(梱包装置)18を備える。造粒装置16で粒状に加工された肥料を袋詰め梱包装置18にて袋詰め梱包する。
【0043】
[製品積出工程(H)]
袋詰め梱包装置18で袋詰め梱包された肥料は、製品積出工程(H)において製品ホッパ20を経てコンベア22で積み出しされる。
【0044】
以上、本発明の一実施形態にかかる肥料の製造方法を説明したが、本発明にかかる製造方法で製造される肥料の成分は、ほとんどが無機質であり、有機質はメタン菌の死骸、難分解性のリグニン等である。残りは無機質の窒素リン酸カリウム、カルシウム、灰分である。
【0045】
そして、この肥料製造方法によれば、原料の有機系の無機物を粉砕・スラリー化処理で微細粉砕してスラリー状に加工することで、有機物の転換効率を最大限に引き出すことができるため、発酵処理における発酵率を引き上げることができ、有機物を最大限に取り出した残りの原材料で肥料を製造することができる。また、スラリー状に加工されて固形分を全く含まない原材料を発酵させるので、製造される肥料の溶解速度が非常に速く、速効性を有する肥料となる。
【0046】
従来の肥料製造方法では、残渣を全て堆肥にするか産業廃棄物として処理していたが、本発明の肥料製造方法によれば、すべて有機系無機肥料となり残渣の排出をなくすことができる。したがって、本発明の肥料製造方法によれば、畜産現場、酪農牧場などから排出される家畜の排泄物、その他家畜の飼料の残滓などを原料とするバイオマスメタンガスプラントにおける処理後の副産物の有効利用を図ることができ、それらの業界からの産業廃棄物の排出を無くすことができる。
【0047】
また、この肥料製造方法では、乾燥工程(D)における乾燥後の肥料の含水率が55%~60%となることで、造粒する際の含水率を55%~60%としている。造粒前の肥料の含水率を低くし過ぎる(乾燥させ過ぎる)と、造粒が困難になり破砕するおそれが高くなるところ、含水率をある程度高めることで造粒の容易性を確保できる。また、最終的に製造される粒状の肥料の含水率が55%~60%となることで、肥料を畑などに撒いたときに風で容易に飛散せずに済むようになる。
【0048】
また、この肥料製造方法では、粉砕・スラリー化処理で、原材料を固形分を全く含まない完全なスラリー状に加工することで、後の発酵処理において、有機物を完全に発酵して残渣に有機物が含まれないようにできる。これにより、製造される肥料が無機肥料として優れた効果を発揮する肥料となる。
【0049】
図2は、上記の各工程における原料又は肥料の成分比率の一例を示す表である。各工程における原料又は肥料の成分及びその比率は、一例として同図の表に示すようになる。なお、同図の表では、脱水工程(C)は投入後(工程終了後)の値を示しており、その他の工程はいずれも投入前(工程開始前)の値を示している。
【0050】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0051】
A 粉砕・スラリー化工程
B 発酵工程
C 脱水工程
D 乾燥工程
E 脱臭工程
F 造粒工程
G 袋詰め梱包工程
H 製品積出工程
2 有機性廃棄物(原材料)
4 グラインダー(粉砕装置)
6 メタン発酵槽
8 脱水汚泥引き抜き遠心分離装置
10 乾燥装置
12 触媒燃焼酸化脱臭装置
14 排気筒
16 造粒装置
18 袋詰め梱包装置
20 製品ホッパ
22 コンベア
図1
図2