(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022164241
(43)【公開日】2022-10-27
(54)【発明の名称】まつ毛の施術方法、並びに、該施術方法において使用される人工毛及びまつ毛施術用キット
(51)【国際特許分類】
A41G 5/02 20060101AFI20221020BHJP
【FI】
A41G5/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021069614
(22)【出願日】2021-04-16
(71)【出願人】
【識別番号】000112266
【氏名又は名称】ピアス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】特許業務法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】野田 ひろみ
(72)【発明者】
【氏名】福田 康二
(72)【発明者】
【氏名】野村 毅
(72)【発明者】
【氏名】中西 由紀美
(57)【要約】 (修正有)
【課題】不自然な見栄えを抑えつつ張り感のあるまつ毛に見せることができるまつ毛の施術方法を提供する。
【解決手段】接着剤によって人工毛Sをまつ毛Mに装着させるまつ毛の施術方法であって、前記人工毛は、前記まつ毛よりも短く、前記まつ毛に沿うように且つ前記まつ毛の毛先よりもまぶた側に配置した前記人工毛を前記接着剤によって前記まつ毛に装着する、ことを特徴とする。上記のまつ毛の施術方法では、前記まつ毛の1本に対して前記人工毛を1本、2本、又は3本装着してもよい。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接着剤によって人工毛をまつ毛に装着させるまつ毛の施術方法であって、
前記人工毛は、前記まつ毛よりも短く、
前記まつ毛に沿うように且つ前記まつ毛の毛先よりもまぶた側に配置した前記人工毛を前記接着剤によって前記まつ毛に装着する、まつ毛の施術方法。
【請求項2】
前記まつ毛の1本に対して前記人工毛を1本、2本、又は3本装着する、請求項1に記載のまつ毛の施術方法。
【請求項3】
まつ毛に装着されるために使用され且つ前記まつ毛よりも短い、人工毛。
【請求項4】
まつ毛に装着されるために使用され且つ前記まつ毛よりも短い人工毛と、前記人工毛を前記まつ毛に装着するための接着剤とを備えた、まつ毛施術用キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、まつ毛の施術方法、並びに、該施術方法において使用される人工毛及びまつ毛施術用キットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、様々なまつ毛の施術方法が知られており、例えば、接着剤によって人工毛をまつ毛に装着させるまつ毛の施術方法が知られている。
【0003】
この種のまつ毛の施術方法としては、例えば、上側のまつ毛を上側のまぶたに上向きに固定することと、前記固定された状態において前記まつ毛を加熱することと、前記固定された状態において前記まつ毛を冷却することと、前記固定を解除して前記まつ毛に人工毛を装着することと、を含む方法であって、前記固定することでは、粘着テープを用いて、前記まつ毛を前記まぶたに押着し、前記加熱することでは、前記まつ毛を20度以上の温度で1分以上加熱し、前記冷却することでは、前記まつ毛を前記加熱における温度よりも低い温度で冷却し、前記装着することでは、接着剤を用いて、前記まつ毛に前記人工毛を装着する方法が知られている(特許文献1)。
【0004】
特許文献1に記載のまつ毛の施術方法によれば、より上向きに自立させたまつ毛に人工毛を装着させることができることから、美容効果を上げることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のごとく従来の方法で人工毛をまつ毛に装着させると、元のまつ毛よりも長く見せることができるものの、人工的で不自然な見栄えとなる。これに対して、不自然な見栄えを抑えて、張り感のあるまつ毛に見せたいという要望が依然としてある。
ところが、不自然な見栄えを抑えつつ張り感のあるまつ毛に見せることができるまつ毛の施術方法については、未だ十分に検討されているとはいえない。
【0007】
そこで、本発明は、不自然な見栄えを抑えつつ張り感のあるまつ毛に見せることができるまつ毛の施術方法を提供することを課題とする。また、上記まつ毛の施術方法において使用される人工毛、並びに、該人工毛と接着剤とを備えたまつ毛施術用キットを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るまつ毛の施術方法は、接着剤によって人工毛をまつ毛に装着させるまつ毛の施術方法であって、
前記人工毛は、前記まつ毛よりも短く、
前記まつ毛に沿うように且つ前記まつ毛の毛先よりもまぶた側に配置した前記人工毛を前記接着剤によって前記まつ毛に装着することを特徴とする。
【0009】
上記のまつ毛の施術方法では、前記まつ毛の1本に対して前記人工毛を1本、2本、又は3本装着してもよい。
【0010】
本発明に係る人工毛は、まつ毛に装着されるために使用され且つ前記まつ毛よりも短い人工毛である。
本発明に係るまつ毛施術用キットは、まつ毛に装着されるために使用され且つ前記まつ毛よりも短い人工毛と、前記人工毛を前記まつ毛に装着するための接着剤とを備えた、まつ毛施術用キットである。
【発明の効果】
【0011】
本発明のまつ毛の施術方法、人工毛、及び、まつ毛施術用キットによれば、不自然な見栄えを抑えつつ張り感のあるまつ毛に見せることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】被施術者のまつ毛を上方から見たときの模式図。
【
図2】上方から見たときに装着対象のまつ毛を選び出す様子を模式的に表す模式図。
【
図3】人工毛に接着剤を付着させる様子を模式的に表す模式図。
【
図4】まつ毛に人工毛を装着させるときの様子を上方から見た模式図。
【
図5】まつ毛に人工毛を装着するときの手法例を横方向から見た模式図。
【
図6】1本のまつ毛に2本の人工毛を装着したときの断面の様子の例を模式的に表す断面図。
【
図7】1本のまつ毛に3本の人工毛を装着したときの断面の様子の例を模式的に表す断面図。
【
図8】1本のまつ毛に対して3本の人工毛を装着したときの様子の例を被施術者の上方から下方に向けて見たときの模式図。
【
図9】まつ毛の施術方法が完了した後の外観を模式的に表す模式図。
【
図10】まつ毛の施術方法の実施前後の外観(実施例)、並びに、まつ毛エクステンションの実施前後の外観(参考例)をそれぞれ表す写真。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に係るまつ毛の施術方法、該施術方法において使用される人工毛の各実施形態について以下に説明する。
【0014】
本実施形態のまつ毛の施術方法は、接着剤によって人工毛をまつ毛に装着させるまつ毛の施術方法であって、
前記人工毛は、前記まつ毛よりも短く、
前記まつ毛に沿うように且つ前記まつ毛の毛先よりもまぶた側に配置した前記人工毛を前記接着剤によって前記まつ毛に装着する、施術方法である。
本実施形態のまつ毛の施術方法によって、不自然な見栄えを抑えつつ張り感のあるまつ毛に見せることができる。
【0015】
本実施形態のまつ毛の施術方法において、人工毛が装着されるまつ毛は、上側まぶたから生えているまつ毛であってもよく、下側まぶたから生えているまつ毛であってもよい。なお、左右両方のまぶたの各まぶたから生えているまつ毛に適用できる。
【0016】
まつ毛の長さには、個人差がある。また、まぶたの左右方向における中央部から生えているまつ毛と、目頭側又は目尻側のまぶたから生えているまつ毛とは、長さが異なる場合が多い。さらには、人種によってまつ毛の長さが異なる傾向もある。従って、本実施形態のまつ毛の施術方法では、人工毛を装着するまつ毛の長さに応じて、下記のごとく好適な長さの人工毛を装着する。なお、被施術者のまつ毛の曲がり方なども考慮して、まつ毛に装着するときの人工毛の配置を調整することが好ましい。
【0017】
本実施形態の施術方法で使用する人工毛は、本実施形態の施術方法においてまつ毛に装着されるために使用される人工毛(サポート毛)であり、装着対象のまつ毛よりも短い。
上記の人工毛の長さは、被着対象のまつ毛の長さに対して、例えば1/10以上9/10以下であってもよい。上記の人工毛の長さは、被着対象のまつ毛の長さに対して、2/10以上であってもよく、3/10以上であってもよい。また、8/10以下であってもよく、7/10以下であってもよい。
【0018】
上記の人工毛の長さは、具体的には、装着対象のまつ毛よりも短く、且つ、0.1mm以上であってもよく、0.2mm以上であってもよく、0.3mm以上であってもよく、0.4mm以上であってもよい。他の態様において、上記の人工毛の長さは、装着対象のまつ毛よりも短く、且つ、1.0mm以上であってもよく、1.5mm以上であってもよく、2.0mm以上であってもよく、2.5mm以上であってもよく、3.0mm以上であってもよい。
また、上記の人工毛の長さは、装着対象のまつ毛よりも短く、且つ、5.5mm以下であってもよく、4.0mm以下であってもよく、3.0mm以下であってもよく、2.0mm以下であってもよく、1.5mm以下であってもよく、1.0mm以下であってもよく、0.8mm以下であってもよい。別の態様において、上記の人工毛の長さは、装着対象のまつ毛よりも短く、且つ、20.0mm以下であってもよく、15.0mm以下であってもよく、10.0mm以下であってもよく、8.0mm以下であってもよい。
【0019】
上記の人工毛は、被着対象のまつ毛よりも、細くてもよく、太くてもよい。
上記の人工毛の太さは、特に限定されないが、10μm以上300μm以下であることが好ましい。
【0020】
上記の人工毛の太さは、具体的には、10μm以上であってもよく、50μm以上であってもよく、100μm以上であってもよい。また、上記の人工毛の太さは、500μm以下であってもよく、300μm以下であってもよい。
なお、人工毛及びまつ毛の各太さは、長さ方向沿ってランダムに選んだ少なくとも5ケ所(ただし両先端部分を除く)の測定値を平均することによって求める。測定箇所は、長さ方向の両先端部分を除く中央部分を含むように設定する。
【0021】
上記の人工毛は、一端部と他端部とで太さが異なることが好ましい。より好ましくは、上記の人工毛は、一端から他端に向けて徐々に細く(又は太く)なっている。このような人工毛は、太い方の端部がまぶた側に配置されてまつ毛に装着されることが好ましい。
【0022】
上記の人工毛は、繊維状であり、人工毛の断面形状(長さ方向に垂直な面に沿って切断した切断面の形状)は、真円形状であってもよく、楕円形状であってもよい。また、斯かる断面形状は、矩形状、三角形状などの多角形形状であってもよい。
【0023】
上記の人工毛の材質は、特に限定されない。斯かる材質としては、例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル(PVC)などが挙げられる。また、人工毛として動物の毛などを用いることができる。
言い換えると、人工毛は、例えば、PBT製、PET製、PVC製、動物の毛などである。
【0024】
上記の人工毛は、例えば市販されている人工毛を所望の長さに切断することによって作製できる。また、一端部と他端部とで太さの異なる人工毛は、例えば、毛先が細くなっている市販の人工毛の毛先部分だけを切り取ることによって作製できる。
【0025】
本実施形態に係るまつ毛の施術方法で使用する接着剤(グルー)は、特に限定されず、市販されている製品を使用できる。接着剤は、含有されている溶媒の揮発、又は、含有されている成分の硬化反応などによって硬化する。硬化に伴って、接着剤は収縮し得る。
接着剤としては、空気中の水分によって硬化反応を起こす成分を含む水分硬化型の接着剤が好ましい。水分硬化型の接着剤としては、エチルシアノアクリレート又はブチルシアノアクリレートなどのシアノアクリレート成分を含むシアノアクリレート系接着剤が好ましい。
【0026】
上記の接着剤の性状は、特に限定されないが、室温において例えば液状である。上記の接着剤は、固形状であってもよい。
【0027】
本実施形態に係るまつ毛の施術方法は、具体的には、被施術者のまつ毛のうち1本のまつ毛を選び出すこと(まつ毛選出ステップ)と、選び出したまつ毛及び人工毛のうち少なくとも一方に接着剤を付着させること(接着剤付着ステップ)と、選び出したまつ毛に人工毛を装着させること(人工毛装着ステップ)と、を含む。
【0028】
まつ毛選出ステップでは、例えば、施術者が扱う
図2に示すようなツイザー(ツィザー)又はピンセットなどの器具によって、
図1に模式的に示す複数のまつ毛Mから1本のまつ毛Mを選ぶ。このとき、施術者は、例えば、利き手において先曲がり型ツイザー、ストレート型ツイザー、又は、ピンセットを把持具Hとして使い、一方、非利き手においてストレート型ツイザーを把持具Hとして使ってもよい。また、
図2に示すように、ストレート型ツイザーを使って複数のまつ毛を選り分けることで、1本のまつ毛Mを選んでもよい。
【0029】
接着剤付着ステップでは、例えば、選んだ1本のまつ毛よりも短い人工毛に接着剤を付着させるか、又は、選んだ1本のまつ毛に接着剤を付着させる。あるいは、まつ毛及び人工毛の両方に接着剤を付着させてもよい。
まつ毛に接着剤を付着させるときに、まつ毛の両端部以外の中央部分(長さ方向における中央部分)に接着剤を付着させることが好ましい。言い換えると、接着剤は、まつ毛の毛先及び生え際よりも中央側に付着されることが好ましい。なお、中央部分とは、まつ毛の根本部分(生え際部分)及び先端部分を除く部分である。
【0030】
接着剤Gを人工毛Sに付着させるときは、例えば
図3に示すように、ツイザー(例えば先曲がり型ツイザー)又はピンセット等の把持具Hで人工毛Sの一端部(例えば細い方の端部)を把持し、他端部に接着剤Gを付着させる。
接着剤Gをまつ毛Mに付着させるときは、例えば
図4に示すように、把持された人工毛Sの他端部(例えば太い方の端部)に付着した接着剤Gを、まつ毛Mの中央部分に付着させる。言い換えると、人工毛Sに付着した接着剤Gの一部をまつ毛Mの中央部分へ移し替える。
【0031】
人工毛装着ステップでは、まつ毛に人工毛を装着するときに、まつ毛の毛先よりもまぶた側に配置した人工毛をまつ毛に装着する。言い換えると、人工毛の毛先よりも、まつ毛の毛先がはみだすように、人工毛をまつ毛に装着する。装着対象のまつ毛よりも人工毛が短いため、まつ毛の上記中央部分に人工毛を装着すると、まつ毛の毛先よりも、人工毛の毛先の方がまぶた側に配置される。
好ましくは、まつげの長さ方向における中央部分に人工毛を装着する。中央部分とは、まつ毛の根本部分(生え際部分)及び先端部分を除く部分である。言い換えると、人工毛は、まつ毛の長さ方向においてまつ毛の内側に収まるように装着されることが好ましい。
このとき、まつ毛の先端及び生え際の中間点よりも、まつ毛の生え際側、又は、毛先側のいずれか一方へ人工毛を配置して装着してもよいが、人工毛の両端で上記の中間点をまたぐように人工毛を配置して装着することが好ましい。
まつ毛に装着された人工毛のまぶた側の毛先は、まぶたに接触してもよいが、人工毛によるまぶたへの接触刺激を避けるために、まぶたと離れていることが好ましい。
上記のごとく人工毛がまつげの中央部分に装着した状態は、人工毛のまぶた側の一端がまぶたと接触せず、且つ、人工毛の他端(まぶたから遠い方)がまつ毛の毛先よりもまぶた側に配置された状態である。
【0032】
人工毛装着ステップでは、人工毛の一端(まぶたに近い方の先端)が、まつ毛の生え際から0.1mm以上3.0mm以下離間するように、好ましくは0.5mm以上離間するように、より好ましくは1.0mm以上離間するように、さらに好ましくは2.0mm以上離間するように、最も好ましくは2.5mm以上離間するように、まつ毛に人工毛を装着することが好ましい。なお、この離間部分には、接着剤が付着しないことが好ましい。
また、人工毛装着ステップでは、人工毛の他端(まぶたから遠い方の先端)が、まつ毛の毛先から0.5mm以上2.0mm以下離間するように、好ましくは1.0mm以上離間するように、より好ましくは1.5mm以上離間するようにまつ毛に人工毛を装着することが好ましい。
なお、人工毛装着ステップでは、まつ毛に対して、上記の好ましい離間距離で装着できる長さの人工毛を採用することが好ましい。
【0033】
人工毛装着ステップでは、まつ毛の両端部をそれぞれ所定長さ露出させるように人工毛をまつ毛に装着し、露出させる上記所定長さがまつ毛の長さに対して5%以上15%以下であることが好ましい。言い換えると、まつ毛の毛先側及び生え際側に人工毛を付着させない露出部分をそれぞれ設け、斯かる露出部分の各長さが、まつ毛の長さに対して5%以上15%以下であることが好ましい。
【0034】
人工毛装着ステップでは、好ましくは、一端部よりも他端部が太い(又は細い)上述した人工毛を用いる。このような人工毛は、太い方の端部がまぶた側に配置されてまつ毛に装着される。より好ましくは、一端部から他端部に向けて徐々に太く(又は細く)なっている人工毛を上記のごとくまつ毛に装着する。
このような人工毛をまつ毛の中央部分に装着することによって、より自然な見栄えにすることができる。また、先端部が細い人工毛の先端方向とまつ毛の毛先方向とを揃えるように、先細の人工毛をまつ毛に装着することによって、人工毛及びまつ毛の先細り方向が揃うため、隙間なくまつ毛に沿うように人工毛を装着しやすくなる。
なお、上記のごとき一端部が細い人工毛を、曲がったまつ毛等、直線的でないまつ毛に装着する場合、細い先端部をまつ毛の生え際に向けて配置して装着してもよい。
【0035】
人工毛装着ステップでは、人工毛とまつ毛との間にある接着剤によって、まつ毛に人工毛を装着する。
【0036】
例えば、施術者から見て被施術者の上まぶたのまつ毛の毛先を上向きにした状態で、ストレート型ツイザーなどを使って1本のまつ毛を選出しておく。一方、太い方の端部に接着剤を付着させた人工毛を先曲がり型ツイザーなどで把持しておく。このとき、例えば、人工毛の細い方の端部を先曲がり型ツイザーなどで把持しつつ斯かる細い方の端部の先端を上向きに配置しておく。そして、人工毛をまつ毛に近づけて、人工毛に付着した接着剤を1本のまつ毛に付着(転着)させる。このとき、例えば、まつ毛の中央部分にのみ接着剤が付着するように、人工毛に付着した接着剤をまつ毛に再付着させる。
【0037】
人工毛装着ステップでは、接着剤によってまつ毛に人工毛を装着するときに、接着剤に含まれる微細な気泡を可能な限り少なくするために、特定の手法を採用することが好ましい。
斯かる特定の手法では、例えば
図5に示すように、粘稠な接着剤Gが付着したまつ毛Mに沿って人工毛Sを接触させつつ、人工毛Sを長さ方向に複数回往復させる。これにより、まつ毛Mの表面上において接着剤Gが人工毛Sによってわずかに撹拌される。そのため、接着剤Gに含まれていた微細な気泡を減少させることができる。これにより、微細な気泡が多い状態で硬化した接着剤Gの白濁を抑えることができる。
【0038】
人工毛装着ステップでは、1本のまつ毛に対する、人工毛の装着位置は、特に限定されない。例えば、1本のまつ毛の上側に人工毛を装着してもよく、下側に人工毛を装着してもよい。また、例えば、1本のまつ毛の横側(施術者から被施術者を見て右側又は左側)に人工毛を装着してもよい。また、例えば
図6に示すように、1本のまつ毛Mの斜め下側又は斜め上側に人工毛Sを装着してもよい。
【0039】
人工毛装着ステップにおいて、1本のまつ毛に装着する人工毛は、1本であっても複数本であってもよい。
被施術者のまつ毛が比較的細い場合、装着された人工毛及び接着剤の重さによってまつ毛が下がることを防止するために、1本のまつ毛に対して1本の人工毛を装着することができる。一方、被施術者のまつ毛が比較的太い場合、1本のまつ毛に対して例えば2~4本(好ましくは2~3本、より好ましくは2本)の人工毛を装着することができる。
【0040】
人工毛装着ステップでは、人工毛をまつ毛に沿って特定の位置に配置した後、その状態でしばらくの間放置して、人工毛をまつ毛に固定する。放置する時間は、接着剤が上述した硬化型接着剤である場合、例えば1秒間以上30秒間以下である。
【0041】
上述した一連のステップを1セットとして、斯かる1セットの実施によって、1本のまつ毛に対して1本又は複数本の人工毛が装着される。さらに、別のまつ毛に対して上記と同様に一連のステップを行って1セットを完了し、そのセットを繰り返すことによって、複数本のまつ毛に対して人工毛を装着する。
【0042】
まぶたから生えている複数本のまつ毛のうち、最初に人工毛を装着するまつ毛は、特に限定されないが、例えば、まず、まぶたの左右方向における中央部から生えている1本のまつ毛に対して、最初に人工毛を装着する。その後、最初に装着したまつ毛に対して、左右交互に、且つ、まぶたの端のまつ毛へ向かって順番に各まつ毛に人工毛を装着する。また、例えば、中央部分の1本のまつ毛に対して、最初に人工毛を装着したあと、このまつ毛から数mm離れた次のまつ毛に人工毛を装着してもよい。また、例えば、目頭付近のまぶたから生えているまつ毛と、目尻付近のまぶたから生えているまつ毛とに対して、交互に人工毛を装着してもよい。
【0043】
人工毛装着ステップでは、1本のまつ毛に対して1本の人工毛を装着する場合、まつ毛の上側に人工毛を装着してもよく、下側に人工毛を装着してもよい。また、例えば、まつ毛の横側(施術者から被施術者を見て右側又は左側)に人工毛を装着してもよい。また、例えば、1本のまつ毛Mの斜め下側又は斜め上側に人工毛Sを装着してもよい(
図6参照)。
なお、まつ毛が湾曲している(曲がっている)場合、湾曲したまつ毛の内側に人工毛を装着することが好ましい。
【0044】
人工毛装着ステップでは、1本のまつ毛に対して複数本(例えば2本又は3本)の人工毛を装着する場合、上述したように、まつ毛の上側、下側、横、斜め上、斜め下などに各人工毛を装着してもよい。なお、1本のまつ毛に対する各人工毛の装着順序は、特に限定されない。
人工毛装着ステップでは、好ましくは、1本のまつ毛Mに対して2本の人工毛S,Sを装着し、且つ、斯かる2本の人工毛S,Sを
図6に示すように特定の位置に装着する。詳しくは、まつ毛Mの長さ方向の一方側から見たときに、1本のまつ毛を2本の人工毛で挟み込むように人工毛Sを装着する。より好ましくは、長さ方向の断面において、1本のまつ毛Mを挟み込むように装着された2本の人工毛同士を結ぶ仮想直線Aが、水平方向(又は垂直方向)に対して斜めになるように人工毛S,Sを装着する。言い換えると、上記の仮想直線Aが、水平方向に対して傾斜するように人工毛S,Sを装着する。
複数のまつ毛のそれぞれに2本の人工毛が上記のごとく装着された場合、隣り合うまつ毛M,M’の各仮想直線A,A’の延在方向は、
図6に示すように揃っていることが好ましい。このとき、隣り合うまつ毛M,M’に装着され且つまつ毛M,M’の間に配置された人工毛S,S’は、互いに接触してもよく、互いに近接しつつ離間していてもよい。
このように人工毛を装着することによって、まつ毛を太く見せつつ、人工毛同士の直接的なぶつかり合いを抑えることができることから、まつ毛のごわつきを被施術者が感じることを抑えることができる。
【0045】
人工毛装着ステップでは、1本のまつ毛に対して3本の人工毛を装着する場合、長さ方向に垂直な断面で見たときに、1本のまつ毛の周方向に等間隔を空けて3本の人工毛を配置してもよく、例えば
図7に示すように、1本の人工毛をまつ毛の上側(若しくは下側)に配置し且つ他の2本の人工毛をまつ毛の左側右側それぞれに配置してもよい。
好ましくは、3本の人工毛のうち、1本の人工毛がまつ毛の上側に配置され、他の2本が(例えば、上記の仮想直線Aが上述のごとく斜めになるように)まつ毛を横方向から挟み込むように配置される。
【0046】
1本のまつ毛に対して3本の人工毛を装着する場合、3本の人工毛の太さは、互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。3本の人工毛のうち少なくとも1本の太さが異なる(例えば細い)場合、最も細い人工毛を
図7に示すように上側に配置することが好ましい。これにより、他の2本の人工毛によってまつ毛を補強しつつ、上側に配置された最も細い1本の人工毛が、(装着後の)まつ毛を上向かせることができる。
【0047】
1本のまつ毛に対して複数本の人工毛を装着する場合、複数本の人工毛の長さは、互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。例えば、上述ごとく3本の人工毛のうち1本の人工毛をまつ毛の上側に配置する場合、斯かる1本の人工毛の長さは、他の2本の人工毛よりも短く(最も短く)てもよい。また、複数本の人工毛の太さは、互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。
1本のまつ毛に対して2本の人工毛を装着する場合、まつ毛の毛先側において、一方の人工毛の先端が他方の人工毛の先端よりも毛先側に配置されることが好ましい。これにより、各人工毛の先端部分に寄り集まりやすい接着剤が、まつ毛の長さ方向における1箇所に集中することを防止できる。
また、1本のまつ毛に対して3本の人工毛を装着する場合、上記のごとく2本の人工毛の先端をずらして配置したうえで、まつ毛の上側のもう1本の人工毛の先端を、
図8に示すように最も生え際側(まつ毛の根本側)に配置することが好ましい。このとき、3本目の人工毛(まつ毛の上側の人工毛)の長さは、最も短くてもよい。これにより、上述したように、まつ毛の長さ方向の1箇所に接着剤が集中することを防止できる。また、3本の人工毛の太さについては、例えば、まつ毛の横方向両側に装着された人工毛よりも、まつ毛の上側に装着された人工毛の方が、太くても細くてもよい。
【0048】
上記のまつ毛の施術方法は、まぶたから生えている多数のまつ毛の全てに対して実施してもよく、多数のまつ毛のうち一部に対して実施してもよい。複数のまつ毛のうち一部のまつ毛に対して上記の施術方法を実施する場合、横方向に並ぶまつ毛の中央部分に配置されているまつ毛に上記の施術方法を実施することが好ましい。言い換えると、まぶたから生えているまつ毛のうち、まぶたの横方向における中央部から生えているまつ毛に対して本実施形態の施術方法を実施することが好ましい。
【0049】
上記のまつ毛の施術方法によれば、例えば
図9に模式的に示すように、元のまつ毛よりも長く見えることがないため、付けまつ毛やまつ毛エクステンションを採用した場合のような不自然な見栄えを抑えることができる。しかも、人工毛が装着された分、元のまつ毛よりも太く見せることができる。よって、不自然な見栄えを抑えつつ張り感のあるまつ毛に見せることができる。
【0050】
上記のまつ毛の施術方法を受けることによって、まつ毛を太く見せることができるため、太く見える部分がアイライナーの代わりとなり、被施術者の目元をより若々しく、しかも、目をより大きく見せることができる。特に、接着剤として水分硬化型を使用した場合、硬化に伴って接着剤が収縮し、これによって上側まぶたを引き上げることができる。よって、目をより大きく開かせることができ、より大きく目を見せることができる。
【0051】
上記のまつ毛の施術方法は、例えば、加齢によって上側まぶたが下がってきた中年以上の女性および男性に好適に使用される。また、例えば、一重まぶたを有する女性および男性が目をより大きく見せるために使用されてもよい。また、例えば、目の輪郭を濃く見せるために使用されてもよい。また、例えば、目を開かせて大きく見せるために使用されてもよい。また、例えば、濃くなった輪郭によるアイライン効果で目力を取り戻したように見せるために使用されてもよい。
なお、上記のまつ毛の施術方法は、自分自身で自分のまつ毛に対して実施してもよいが、より正確に実施するために、施術者が被施術者のまつ毛に対して実施することが好ましい。
【0052】
本実施形態のまつ毛の施術方法は、目元の外観を改善させる美容上の目的で、非治療的に実施できる。美容上の目的としては、例えば、目を大きく見せる目的、目を若々しく見せる目的、目尻を引き上げる目的、又は、目の輪郭を濃くして目力を出す目的などが挙げられる。
【0053】
本明細書によって開示される事項は、以下のものを含む。
(1)
接着剤によって人工毛をまつ毛に装着させるまつ毛の施術方法であって、
前記人工毛は、装着対象の前記まつ毛よりも短く、
前記まつ毛に沿うように且つ前記まつ毛の毛先よりもまぶた側に配置した前記人工毛を前記接着剤によって前記まつ毛に装着する、まつ毛の施術方法。
(2)
前記まつ毛の1本に対して前記人工毛を1本、2本、又は3本装着する、上記(1)に記載のまつ毛の施術方法。
(3)
まつ毛に装着されるために使用され且つ装着対象の前記まつ毛よりも短い、人工毛。
(4)
上記(1)又は(2)に記載のまつ毛の施術方法で使用される、人工毛。
(5)
まつ毛に装着されるために使用され且つ装着対象の前記まつ毛よりも短い人工毛と、前記人工毛を前記まつ毛に装着するための接着剤とを備えた、まつ毛施術用キット。
(6)
上記(1)又は(2)に記載のまつ毛の施術方法で使用される人工毛と、上記(1)又は(2)に記載のまつ毛の施術方法で使用される接着剤とを備えた、まつ毛施術用キット。
【0054】
本発明のまつ毛の施術方法、人工毛、まつ毛施術用キットは、上記例示の通りであるが、本発明は、上記例示の実施形態に限定されるものではない。また、本発明では、一般のまつ毛の施術方法などにおいて採用される種々の形態を、本発明の効果を損ねない範囲で採用することができる。
【実施例0055】
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0056】
<まつ毛の施術方法>
以下に示す人工毛、及び接着剤を用いて、10名のモニター女性の上まぶたのまつ毛に対して、上述したまつ毛の施術方法をそれぞれ実施した。なお、モニターを年代別で区分すると、30代が1名、40代が4名、50代が5名であった。
(人工毛)
長さ:2.0mm~3.5mmの範囲のいずれかの長さ
(ただし、装着対象のまつ毛よりも短い人工毛を適宜選択)
太さ:100μm(細)、150μm(普通)、200μm(太)のいずれかの太さ
(主に太さ150μmの人工毛を使用)
材質:ポリブチレンテレフタレート(PBT)
一方の端部と他方の端部とで太さが異なる。細い方の先をまつ毛の毛先方向に向ける。
(施術方法の概要)
・細いまつ毛に対しては、太い人工毛1本及び細い人工毛1本を各まつ毛の横方向の両側にそれぞれ装着、又は、細い人工毛2本を各まつ毛の横方向の両側にそれぞれ装着
・目頭や目尻付近の細くて短いまつ毛に対しては、細い人工毛2本を各まつ毛の横方向両側にそれぞれ装着
・やや太いまつ毛に対しては、太い人工毛2本を各まつ毛の横方向両側にそれぞれ装着/又は、
・太いまつ毛に対しては、人工毛3本を各まつ毛の横方向両側と上側にそれぞれ装着
(人工毛の太さは、横方向両側において細、上側において太)
・太さに関わらず張りのあるまつ毛に対しては、人工毛3本を各まつ毛の横方向両側と上側にそれぞれ装着
(人工毛の太さは、横方向両側において普通、上側において細 [特に張りのあるまつ毛])
(接着剤)
シアノアクリレート系接着剤
(その他、施術において適宜使用した用具等)
・下まぶたを保護するアイパックシート
・上まぶたと目が開かないように固定するための貼付用アイパックシート
・下まぶたのまつ毛を固定するサージカルテープ
(まつ毛選出ステップ)
まぶたの左右方向における中央部から生えている1本のまつ毛を選び出した。具体的には、
図1に模式的に示すようにまつ毛が配置されている状態から、
図2に示すように、施術者が扱うツイザー(ツィザー)器具によって、1本のまつ毛を選び出した。
(接着剤付着ステップ)
下記の方法のうちいずれかをランダムに採用して実施した。
・選び出した1本のまつ毛よりも短い人工毛をピンセットで把持し、把持した状態で人工毛に接着剤を付着させた。
・又は、さらに、人工毛に付着した接着剤をまつ毛の中央部分に付着させて、人工毛及びまつ毛の両方にそれぞれ接着剤を付着させた。
(人工毛装着ステップ)
人工毛の一端がまつ毛の毛先からはみ出さないように、ピンセット又はツイザーで把持した人工毛をまつ毛に沿わせた。さらに、ピンセット又はツイザーで把持した人工毛をまつ毛に沿った方向に複数回往復させ、接着剤と、人工毛及びまつ毛とをなじませた。これら操作の間(3秒間~10秒間程度)に接着剤の硬化を進めた。硬化の最終仕上げのために、ドライヤーの冷風を接着剤に当てた。
上記のごとく人工毛を装着した後、さらに他のまつ毛を選び出し、他のまつ毛に対しても同様に人工毛を装着した。
【0057】
上記の施術方法を実施する前及び実施した後の見栄えの例をそれぞれ表す写真を
図10に示す。なお、
図10において、実施例は、上記のごとき施術方法の前後を表す写真であり、参考例は、従来のまつ毛エクステンション方法の実施前後を表す写真である。
【0058】
<まつ毛の施術方法の評価>
上記の施術方法を受けたモニターに、以下の項目のうち効果を実感した項目をチェックしてもらった。下記の4段階評価によってモノターに評価してもらった。「非常にそう思う」及び「ややそう思う」の場合を肯定的評価とし、「あまりそう思わない」及び「全くそう思わない」の場合を否定的評価とした。
「非常にそう思う」 → ◎(肯定的評価)
「ややそう思う」 → ○(肯定的評価)
「どちらともいえない」→ △
「あまりそう思わない」→ ×(否定的評価)
「全くそう思わない」 → ××(否定的評価)
01.目が開いて見える
02.目が大きく見える
03.目がくっきり見える
04.目元が自然に見える
05.目元が若々しく見える
06.黒目が大きく見える
07.まつ毛が太く見える
08.まつ毛が濃く見える(まつ毛の色)
09.まつ毛の密度が濃く見える(まつ毛の本数)
10.まつ毛が上がって見える
11.まつ毛に張りが出る
12.アイライン効果がある
13.二重がはっきり見える(二重になったように見える)
14.まぶたが上がったように見える
15.目じりのたれが解消されたように見える
16.顔全体が引き締まって見える
17.自然に見える
18.力強く見える
19.活き活きして見える
20.若々しく見える
【0059】
上記の評価結果について以下に説明する。
(1)
「01.目が開いて見える」について肯定的評価を行ったモニターが60%であった。また、「02.目が大きく見える」について肯定的評価を行ったモニターが60%であった。「03.目がくっきり見える」について肯定的評価を行ったモニターが70%であった。「08.まつ毛が濃く見える(まつ毛の色)」について肯定的評価を行ったモニターが90%であった。「09.まつ毛の密度が濃く見える(まつ毛の本数)について肯定的評価を行ったモニターが80%であった。「14.まぶたが上がったように見える」について、肯定的評価を行ったモニターが20%であり、モニターのうち50代のモニターの肯定的評価は、その他の年代のモニターよりもスコアが高く40%であった。
(2)
上記の項目のうち9項目(04.07.10.11.13.14.15.16.19.)について、50代のモニターは、その他の年代よりも高く評価した。「04.目元が自然に見える」と実感しながらも、「07.まつ毛が太く見える」、「10.まつ毛が上がって見える」といったアンチエイジング効果を実感していることが分かった。
なお、各年代においても、アンチエイジング効果について肯定的評価を得た。特に「20.若々しく見える」という項目については、全体満足度60%を獲得した。
(3)
50代の悩みとして、まぶたの腫れぼったさ、まぶたの垂れ、目が小さいことなどが上位に挙がることが、事前調査でわかっている
その悩みに対し、「14.まぶたが上がったように見える」「16.顔全体が引き締まって見える」「12.アイライン効果がある」の満足度を確認することができた。
(4)
特に50代は、「14.まぶたが上がったように見える」や「20.若々しく見える」のアンチエイジング効果を特に実感していることが確認できた。
【0060】
上記の結果から把握されるように、本実施形態のまつ毛の施術方法は、まつ毛を太く見せて張り感を感じさせるだけでなく、人工毛の装着による不自然さを抑えることができた。さらには、目が開いて見える、目が大きく見える、まぶたが上がったように見える、といった効果を発揮できた。よって、不自然な見栄えを抑えつつまつ毛を太く且つ張りがあるように見せることができた。さらに、まつ毛を太くすることで目の輪郭を濃く見せたり、濃い輪郭によるアイライン効果で目力を取り戻したように見せたりできた。よって、目元を若々しく見せることができた。
本発明のまつ毛の施術方法、人工毛、まつ毛施術用キットは、例えば、まぶたの張りが低下した高齢の人の目元の美容効果を高めるため、又は、人工毛による不自然なまつ毛の外観を抑えるために、まつ毛に適用されて使用される。
また、本発明のまつ毛の施術方法、人工毛、まつ毛施術用キットは、例えば、目元を大きく見せるため、目尻を引き上げるため、目を開かせて開いた目を見せるため、目力を上げるため、又は、若々しく見せる(アンチエイジング効果)ために、まつ毛に適用されて使用される。
本発明のまつ毛の施術方法、人工毛、まつ毛施術用キットは、例えば美容サロン等において施術者が客のまつ毛に施術するために好適に使用される。