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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022164284
(43)【公開日】2022-10-27
(54)【発明の名称】シフト装置
(51)【国際特許分類】
   F16H 63/38 20060101AFI20221020BHJP
   F16H 61/32 20060101ALI20221020BHJP
   F16H 61/12 20100101ALI20221020BHJP
   F16H 61/02 20060101ALI20221020BHJP
   F16H 59/44 20060101ALI20221020BHJP
   H02P 25/22 20060101ALI20221020BHJP
【FI】
F16H63/38
F16H61/32
F16H61/12
F16H61/02
F16H59/44
H02P25/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021069682
(22)【出願日】2021-04-16
(71)【出願人】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(74)【代理人】
【識別番号】100202728
【弁理士】
【氏名又は名称】三森 智裕
(72)【発明者】
【氏名】荻野 淳人
(72)【発明者】
【氏名】石川 康太
(72)【発明者】
【氏名】内田 豊
【テーマコード(参考)】
3J067
3J552
5H505
【Fターム(参考)】
3J067AA01
3J067AB23
3J067DA52
3J067FA24
3J067FA84
3J067FB45
3J067FB76
3J067GA01
3J552NA01
3J552PA20
3J552PA51
3J552PA54
3J552PB08
3J552TB12
3J552TB13
3J552VA62W
3J552VA76W
5H505AA16
5H505DD08
5H505EE08
5H505EE49
5H505FF05
5H505HA09
5H505HB01
5H505HB05
5H505JJ03
5H505MM12
(57)【要約】
【課題】シフト切替の際に異常を検知した場合でも、モータの駆動制御を円滑に行うことが可能なシフト装置を提供する。
【解決手段】このシフト装置100は、シフト切替部材21と、モータ11と、モータ11を駆動させる電圧を出力する第1インバータ173を含む第1駆動系統17と、第1駆動系統17とは別個に設けられ、モータ11を駆動させる電圧を出力する第2インバータ183を含む第2駆動系統18と、位置決め部材22とを備える。第1駆動系統17および第2駆動系統18の両方から出力された電圧によりモータ11を駆動させてシフト位置を切り替えるように構成されている。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シフト位置に応じた複数の谷部を含むシフト切替部材と、
ロータとステータとを含み、前記シフト切替部材を駆動させるモータと、
前記モータを駆動させる電圧を出力する第1インバータを含む第1駆動系統と、
前記第1駆動系統とは別個に設けられ、前記モータを駆動させる電圧を出力する第2インバータを含む第2駆動系統と、
前記シフト切替部材の前記複数の谷部のいずれかに嵌まり込んだ状態で前記シフト位置を成立させるための位置決め部材とを備え、
前記第1駆動系統および前記第2駆動系統の両方から出力された電圧により前記モータを駆動させて前記シフト位置を切り替えるように構成されている、シフト装置。
【請求項2】
前記位置決め部材が前記複数の谷部の各々に到達する際、前記第1駆動系統および前記第2駆動系統のうちの先に前記位置決め部材が前記複数の谷部の各々に到達したと判定した先行する一方の系統は、前記モータの制動処理を行わないように構成されている、請求項1に記載のシフト装置。
【請求項3】
先に前記位置決め部材が前記複数の谷部の各々に到達したと判定した前記先行する一方の駆動系統としての前記第1駆動系統の前記第1インバータをオフにするか、または、先に前記位置決め部材が前記複数の谷部の各々に到達したと判定した前記先行する一方の駆動系統としての前記第2駆動系統の前記第2インバータをオフにすることにより、前記複数の谷部の各々に到達する際、前記モータの制動処理を行わないように構成されている、請求項2に記載のシフト装置。
【請求項4】
先に前記位置決め部材が前記複数の谷部の各々に到達したと判定した前記先行する一方の駆動系統は、前記複数の谷部の各々に到達する際、所定時間制動しないように構成されている、請求項2または3に記載のシフト装置。
【請求項5】
先に前記位置決め部材が前記複数の谷部の各々に到達したと判定した前記先行する一方の駆動系統は、所定時間経過したことに基づいて、前記モータを制動するように構成されている、請求項4に記載のシフト装置。
【請求項6】
先に前記位置決め部材が前記複数の谷部の各々に到達したと判定した前記先行する一方の系統は、予め取得した前記シフト位置と、前記位置決め部材の現在位置との差が位置到達判定範囲内であり、かつ、前記モータの回転速度が速度到達判定範囲内にあることに基づいて、前記複数の谷部の各々に到達する際、前記モータの制動処理を行わないように構成されている、請求項2~5のいずれか1項に記載のシフト装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シフト装置に関し、特に、複数の谷部を含むシフト切替部材を備えるシフト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の谷部を含むシフト切替部材を備えるシフト装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、複数の谷部を含むシフト切替部材を備えるシフトレンジ切替装置が開示されている。シフトレンジ切替装置は、モータと、ディテントプレートと、ディテントスプリングと、第1スイッチング素子と、第1系統と、第2スイッチング素子と、第2系統と、制御部とを備えている。ディテントプレートは、モータにより駆動されてシフトレンジ(P位置、N位置、R位置およびD位置)を切り替えるシフト切替手段である。ディテントスプリングは、ディテントプレートのシフトレンジを固定するように構成されている。
【0004】
上記特許文献1の制御部は、第1スイッチング素子のオンオフを切り替えることにより、第1系統のコイルU1、V1およびW1への通電状態を切り替える制御を行うように構成されている。制御部は、第2スイッチング素子のオンオフを切り替えることにより、第2系統のコイルU2、V2およびW2への通電状態を切り替える制御を行うように構成されている。このように、シフトレンジ切替装置では、第1系統のコイルU1、V1およびW1の通電制御のみ、または、第2系統のコイルU2、V2およびW2の通電制御のみで、モータが駆動可能である。制御部は、通常運転時において、第1系統のコイルU1、V1およびW1のみを給電するとともに、第2系統のコイルU2、V2およびW2の給電を停止した状態で、モータを駆動させる制御を行うように構成されている。
【0005】
ここで、上記特許文献1のシフトレンジ切替装置では、シフト切替の際、第1系統が異常になった場合であっても、第2系統を用いて、モータの駆動制御が継続可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009-8153号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1のシフトレンジ切替装置では、特許文献1には明記されていないが、制御部が、シフト切替の際、第1系統の異常を検知したことに基づいて、モータを停止させるなどの処置(フェールセーフ)を行った後に、第2系統にモータの駆動制御を移行する必要があると考えられる。この場合、上記処置を行った後に駆動制御を移行することに起因して、制御部によるモータの駆動制御が断続的に行われることになる。このため、上記特許文献1のシフトレンジ切替装置では、シフト切替の際に異常を検知した場合、モータの駆動制御を円滑に行うことが困難であるという問題点があると考えられる。
【0008】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、シフト切替の際に異常を検知した場合でも、モータの駆動制御を円滑に行うことが可能なシフト装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、この発明の一の局面におけるシフト装置は、シフト位置に応じた複数の谷部を含むシフト切替部材と、ロータとステータとを含み、シフト切替部材を駆動させるモータと、モータを駆動させる電圧を出力する第1インバータを含む第1駆動系統と、第1駆動系統とは別個に設けられ、モータを駆動させる電圧を出力する第2インバータを含む第2駆動系統と、シフト切替部材の複数の谷部のいずれかに嵌まり込んだ状態でシフト位置を成立させるための位置決め部材とを備え、第1駆動系統および第2駆動系統の両方から出力された電圧によりモータを駆動させてシフト位置を切り替えるように構成されている。
【0010】
この発明の一の局面によるシフト装置では、上記のように、第1駆動系統および第2駆動系統の両方から出力された電圧によりモータを駆動させてシフト位置を切り替えるように構成されている。これにより、シフト切替の際に第1駆動系統および第2駆動系統のいずれかで故障を検知した場合、正常な駆動系統によるモータの駆動を継続させた状態で、故障した駆動系統によるモータの駆動を停止させる処置(フェールセーフ)を行うができるので、モータの駆動を継続させることができる。その結果、シフト切替の際に第1駆動系統および第2駆動系統のいずれかで故障を検知した際にモータの駆動制御が断続的に行われないので、シフト切替の際に異常を検知した場合でも、モータの駆動制御を円滑に行うことができる。また、第1駆動系統および第2駆動系統の両方を用いてモータを駆動させることにより、モータの最大トルクを出力する際に必要な電力を第1駆動系統および第2駆動系統の各々に分散させることができるので、第1駆動系統および第2駆動系統のいずれか片方を用いてモータの最大トルクを出力させる場合と比較して、第1駆動系統および第2駆動系統の各々の大型化を抑制することができる。
【0011】
上記一の局面によるシフト装置において、好ましくは、位置決め部材が複数の谷部の各々に到達する際、第1駆動系統および第2駆動系統のうちの先に位置決め部材が複数の谷部の各々に到達したと判定した先行する一方の系統は、モータの制動処理を行わないように構成されている。
【0012】
このように構成すれば、位置決め部材が複数の谷部の各々に到達したという判定が遅れている他方の駆動系統が複数の谷部の各々に到達したと判定する前に、先行する一方の駆動系統がモータを制動しないようにすることができるので、他方の駆動系統によるモータの駆動を阻害しないようにすることができる。
【0013】
この場合、好ましくは、先に位置決め部材が複数の谷部の各々に到達したと判定した先行する一方の駆動系統としての第1駆動系統の第1インバータをオフにするか、または、先に位置決め部材が複数の谷部の各々に到達したと判定した先行する一方の駆動系統としての第2駆動系統の第2インバータをオフにすることにより、複数の谷部の各々に到達する際、モータの制動処理を行わないように構成されている。
【0014】
このように構成すれば、先に位置決め部材が複数の谷部の各々に到達したと判定した先行する一方の駆動系統からモータに電力が供給されないので、位置決め部材が複数の谷部の各々に到達したという判定が遅れている他方の駆動系統のみでモータを駆動させることができる。その結果、遅れている他方の駆動系統の意図通りにモータを駆動させることができる。
【0015】
上記先行する一方の系統がモータを制動させないシフト装置において、好ましくは、先に位置決め部材が複数の谷部の各々に到達したと判定した先行する一方の駆動系統は、複数の谷部の各々に到達する際、所定時間制動しないように構成されている。
【0016】
このように構成すれば、位置決め部材が複数の谷部の各々に到達したという判定が遅れている他方の駆動系統の意図通りにモータを駆動させることが可能な時間を所定時間確保することができるので、遅れている他方の駆動系統も複数の谷部の各々に確実に到達させることができる。
【0017】
上記所定時間制動しないシフト装置において、好ましくは、先に位置決め部材が複数の谷部の各々に到達したと判定した先行する一方の駆動系統は、所定時間経過したことに基づいて、モータを制動するように構成されている。
【0018】
このように構成すれば、位置決め部材が複数の谷部の各々に到達したという判定が遅れている他方の駆動系統のみによるモータの駆動時間を確保しつつ、一方の駆動系統において予め学習した複数の谷部の各々の谷底位置付近に位置決め部材を停止させることができるので、第1駆動系統と第2駆動系統との駆動干渉を抑制することができるとともに、シフト切替を正確に行うことができる。
【0019】
上記先行する一方の系統がモータを制動させないシフト装置において、好ましくは、先に位置決め部材が複数の谷部の各々に到達したと判定した先行する一方の系統は、予め取得したシフト位置と、位置決め部材の現在位置との差が位置到達判定範囲内であり、かつ、モータの回転速度が速度到達判定範囲内にあることに基づいて、複数の谷部の各々に到達する際、モータの制動処理を行わないように構成されている。
【0020】
このように構成すれば、位置決め部材がシフト位置を通り過ぎてしまわないようにモータを十分に減速させた状態で、位置決め部材が位置到達判定範囲内に入ることができるので、モータの制動処理を行わないことに起因して位置決め部材がシフト位置を通り過ぎてしまうことを抑制することができる。
【0021】
なお、上記一の局面によるシフト装置において、以下のような構成も考えられる。
【0022】
(付記項1)
すなわち、先行する一方の駆動系統である第1駆動系統は、所定時間経過したことに基づいて、第1駆動系統の第1インバータの下アーム側のスイッチング素子をオンにするか、または、先に位置決め部材が複数の谷部の各々に到達したと判定した先行する一方の駆動系統である第2駆動系統は、所定時間経過したことに基づいて、第2インバータの下アーム側のスイッチング素子をオンにするかを行うことにより、モータを制動するように構成されている。
【0023】
このように構成すれば、先に位置決め部材が複数の谷部の各々に到達したと判定した先行する一方の駆動系統においてモータをショートブレーキにより制動させることができるので、モータを素早く停止させることができる。
【0024】
(付記項2)
上記一の局面によるシフト装置において、シフト切替部材に接続される出力軸を含み、モータからシフト切替部材に駆動力を伝達する駆動力伝達機構部と、モータの回転角度を計測する第1モータ回転角度センサおよび第2モータ回転角度センサと、出力軸の回転角度を計測する第1出力軸センサおよび第2出力軸センサとをさらに備え、シフト位置を切り替える際に、第1モータ回転角度センサおよび出力軸センサの計測値に基づいて第1駆動系統によりモータが駆動されるとともに、第2モータ回転角度センサおよび第2出力軸センサの計測値に基づいて第2駆動系統によりモータが駆動されるように構成されている。
【0025】
このように構成すれば、第1駆動系統および第2駆動系統の各々が独立してモータを駆動させる制御を行うことができるので、第1駆動系統および第2駆動系統のうちの一方が異常になった場合であっても、他方の駆動系統を用いて、モータの駆動制御を継続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本実施形態によるシフト装置の全体構成を概略的に示した斜視図である。
図2】本実施形態によるシフト装置を構成するディテントプレートの構造を示した図である。
図3】本実施形態によるシフト装置を構成するアクチュエータユニットを示した断面図である。
図4】本実施形態によるシフト装置を構成するアクチュエータユニットにおいて、本体部からギヤハウジングを取り外した状態での減速機構部の内部構造を示した図である。
図5】本実施形態によるシフト装置を構成するアクチュエータユニットにおいて、中間ギヤの係合状態(駆動力伝達可能状態)を示した図である。
図6】本実施形態によるシフト装置を構成するアクチュエータユニットにおいて、中間ギヤの係合状態(駆動力非伝達状態)を示した図である。
図7】本実施形態による第1駆動系統および第2駆動系統を示したブロック図である。
図8】本実施形態によるシフト装置における、出力軸角度センサの出力値(出力軸角度)と、ロータ回転角度センサの出力値(モータ回転角度)と、モータの回転回数との関係を示す図である。
図9】本実施形態によるシフト装置のローラ部がR位置からN位置に向かって移動したときの状態を示した図である。
図10】本実施形態によるシフト装置のローラ部がN位置からR位置に向かって移動したときの状態を示した図である。
図11】本実施形態によるシフト装置の第1駆動系統および第2駆動系統によるモータを駆動させる際の通電パターンの一例を示した図である。
図12】本実施形態によるシフト装置において複数の谷部の各々の谷底においてディテントスプリングが移動する状態を示した図である。
図13】本実施形態によるシフト装置の第1駆動系統をフリーモードにした状態を示した図である。
図14】本実施形態によるシフト装置の第1駆動系統および第2駆動系統によるモータを制動させる状態を示した図である。
図15】本実施形態によるシフト装置における第1駆動系統によりシフト切替処理を示したフローチャートである。
図16】本実施形態によるシフト装置における第2駆動系統によりシフト切替処理を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0028】
図1図14を参照して、シフト装置100の構成について説明する。なお、本願明細書において、「モータの回転角度」と「ロータの回転角度」とは、同じ意味を表す。
【0029】
シフト装置100は、自動車などの車両に搭載されている。図1に示すように、車両は、乗員(運転者)がシフトレバー(またはシフトスイッチ)などの操作部を介してシフトの切替操作を行った場合に、変速機構部に対する電気的なシフト切替制御が行われる。すなわち、操作部に設けられたシフトセンサを介してシフトレバーの位置がシフト装置100側に入力される。そして、シフト装置100に設けられた後述する専用の第1MCU(Micro Controller Unit)171(図7参照)および第2MCU181(図7参照)から送信される制御信号に基づいて、乗員のシフト操作に対応したP(パーキング)位置、R(リバース)位置、N(ニュートラル)位置およびD(ドライブ)位置のいずれかのシフト位置に変速機構部が切り替えらえる。このようなシフト切替制御は、シフトバイワイヤ(SBW)と呼ばれる。
【0030】
シフト装置100は、アクチュエータユニット1と、アクチュエータユニット1により駆動されるシフト切替機構部2とを備えている。また、シフト切替機構部2は、変速機構部内の油圧制御回路部(図示せず)における油圧バルブボディのマニュアルスプール弁(図示せず)とパーキング機構部とに機械的に接続されている。そして、シフト切替機構部2が駆動されることによって変速機のシフト状態(P位置、R位置、N位置およびD位置)が機械的に切り替えられるように構成されている。
【0031】
アクチュエータユニット1は、モータ11と、駆動力伝達機構部12と、第1出力軸センサ13(図7参照)と、第2出力軸センサ14(図7参照)と、第1モータ回転角度センサ15(図7参照)と、第2モータ回転角度センサ16(図7参照)と、第1駆動系統17(図7参照)と、第2駆動系統18(図7参照)とを備えている。
【0032】
シフト切替機構部2は、図1に示すように、ディテントプレート21(特許請求の範囲の「シフト切替部材」の一例)と、ディテントスプリング22(特許請求の範囲の「位置決め部材」の一例)とを含んでいる。ディテントスプリング22は、P位置、R位置、N位置およびD位置のそれぞれに対応する回動角度位置でディテントプレート21を保持するように構成されている
【0033】
ディテントプレート21は、図2に示すように、シフト位置(P位置、R位置、N位置およびD位置)に対応するように設けられた複数(4つ)の谷部21a、谷部21b、谷部21cおよび谷部21d(複数の谷部)を有している。また、谷部21a、谷部21b、谷部21cおよび谷部21dによって、ディテントプレート21には連続的な起伏形状を有するカム面Caが形成されている。また、互いに隣接する谷部同士(たとえば、谷部21aおよび谷部21b、谷部21bおよび谷部21cなど)は、1つの頂部Tを有する山部Mにより隔てられている。ディテントスプリング22は、基端部が変速機構部のケーシングに固定されるとともに、自由端側にローラ部22aが取り付けられている。そして、ディテントスプリング22は、ローラ部22aが、常時、カム面Ca(谷部21a、谷部21b、谷部21c、谷部21dまたは山部Mのいずれかの位置)を押圧している。そして、ディテントスプリング22は、複数の谷部21a、谷部21b、谷部21cおよび谷部21dのいずれかに嵌まり込んだ状態でシフト位置を成立させる。
【0034】
また、最も端部側に配置される谷部21aには、ディテントスプリング22が谷部21aを超えて移動するのを抑制するための壁部121aが設けられている。最も端部側に配置される谷部21dには、ディテントスプリング22が谷部21dを超えて移動するのを抑制するための壁部121dが設けられている。具体的には、ディテントプレート21の矢印A方向の端部に配置される谷部21aに壁部121aが設けられている。また、ディテントプレート21の矢印B方向の端部に配置される谷部21dに壁部121dが設けられている。
【0035】
また、ディテントプレート21は、図1に示すように、後述する出力軸12b(図3参照)の下端部(Z2側)に固定されており、ディテントプレート21は、出力軸12bと一体的に回動軸C1まわりに回動される。これにより、ディテントスプリング22は、ディテントプレート21の矢印A方向または矢印B方向への正逆回動(揺動)に伴ってローラ部22aがカム面Caに沿って摺動することにより、ディテントスプリング22の付勢力によりローラ部22aが谷部21a、谷部21b、谷部21cおよび谷部21dのいずれかに嵌合するように構成されている。また、ディテントスプリング22は、ローラ部22aがディテントプレート21の谷部21a、谷部21b、谷部21cおよび谷部21dのいずれかに選択的に嵌合することにより、それぞれ、P位置、R位置、N位置またはD位置に対応する回動角度位置でディテントプレート21が保持されるように構成されている。これにより、P位置、R位置、N位置またはD位置が個々に成立される。
【0036】
次に、アクチュエータユニット1の詳細な構成について説明する。
【0037】
図3に示すように、モータ11は、モータハウジングに対して回転可能に支持されたロータ111と、ロータ111の周囲に磁気的間隙を有して対向するように配置されたステータ112とによって構成されている。また、モータ11は、ディテントプレート21を駆動するように構成されている。
【0038】
また、モータ11として、永久磁石をロータ111の表面に組み込んだ表面磁石型(SPM)の三相モータが用いられる。具体的には、ロータ111は、シャフトピニオン111aと、ロータコア111bとを有している。
【0039】
ロータ111のシャフトピニオン111aと出力軸12bとは、同じ回動軸C1まわりに回転される。また、シャフトピニオン111aには、中央部から下端部(Z2側)にかけた外周領域に、ギヤ溝がヘリカル状に形成されたギヤ部121が一体的に形成されている。
【0040】
ステータ112は、モータハウジングのモータ室内に固定されたステータコア112aと、通電により磁力を発生する複数相(U相、V相およびW相)の励磁コイル(図示せず)とを有している。
【0041】
図3および図4に示すように、駆動力伝達機構部12は、モータ11の駆動力をディテントプレート21(図1参照)に伝達するように構成されている。駆動力伝達機構部12は、減速機構部12aと、出力軸12bとを含んでいる。
【0042】
減速機構部12aは、モータ11側から伝達される回転速度を減速した状態でディテントプレート21を回動させるように構成されている。
【0043】
具体的には、減速機構部12aは、ロータ111のギヤ部121と、ギヤ部121に噛合するギヤ部122aを有する中間ギヤ122と、中間ギヤ122と同じ軸心で下面側(Z2側)に配置されるとともに中間ギヤ122と係合する中間ギヤ123と、中間ギヤ123のギヤ部123aに噛合するギヤ部124aを有する最終ギヤ124とを含む。
【0044】
また、図5および図6に示すように、中間ギヤ122には、回転中心部と外周部(ギヤ部122a)との間に、長径が周方向に沿って延びる複数(6個)の長孔122bが形成されている。複数の長孔122bは、周方向に互いに60度間隔で配置されている。また、中間ギヤ123は、ギヤ部123aが設けられた楕円形状の本体部123bを有しており、本体部123bのギヤ部123aとは反対側の上面(Z1側)から上方に突出する複数(2個)の円柱状の係合凸部123cが設けられている。係合凸部123cは、本体部123bにおける長径方向の両側の周縁部に配置されている。そして、中間ギヤ122に下方から上方(Z1側)に向かって中間ギヤ123が隣接配置された状態で、互いに180°間隔で配置された係合凸部123cの各々が、対応する中間ギヤ122の2つの長孔122bにそれぞれ挿入(係合)されるように構成されている。
【0045】
なお、係合凸部123cは、中間ギヤ122の長孔122bに対して所定の大きさ(周方向の長さ)からなるガタBaを有して嵌め合わされる。すなわち、互いに嵌め合わされた係合凸部123cと長孔122bとに生じる円周方向のガタBaの分(所定角度幅)だけ、中間ギヤ122と中間ギヤ123との間の相対的な自由回動(自由回転)が許容されるように構成されている。なお、図5は、中間ギヤ122から中間ギヤ123へ駆動力が伝達可能な状態を示しており、図6は、中間ギヤ122から中間ギヤ123へ駆動力が伝達不可能な状態を示している。
【0046】
出力軸12bは、モータ11の駆動力をディテントプレート21に出力するように構成されている。出力軸12bは、減速機構部12aの出力側に接続されている。出力軸12bは、ディテントプレート21の入力側に接続されている。これにより、出力軸12bと、ディテントプレート21とは、一体的に動作する。
【0047】
図7に示すように、第1出力軸センサ13は、出力軸12bの回転角度を検出するように構成されている。たとえば、第1出力軸センサ13は、ホール素子により構成されている。なお、出力軸12bの回転位置(出力角)は、連続的な出力軸角度として検出される。第2出力軸センサ14は、出力軸12bの回転角度を検出するように構成されている。たとえば、第2出力軸センサ14は、ホール素子により構成されている。なお、出力軸12bの回転位置(出力角)は、連続的な出力軸角度として検出される。
【0048】
第1モータ回転角度センサ15は、モータ11のロータ111の回転角度を検出するように構成されている。たとえば、第1モータ回転角度センサ15は、MRセンサ(Magneto Resistive Sensor)から構成されている。第2モータ回転角度センサ16は、モータ11のロータ111の回転角度を検出するように構成されている。たとえば、第2モータ回転角度センサ16は、MRセンサから構成されている。
【0049】
第1駆動系統17は、第1出力軸センサ13および第1モータ回転角度センサ15の計測値に基づいて、モータ11を駆動させる制御を行うように構成されている。第1駆動系統17は、第2駆動系統18とは独立してモータ11を制御するように構成されている。具体的には、第1駆動系統17は、第1MCU171(特許請求の範囲の「第1制御部」の一例)と、記憶部(図示せず)と、第1ドライバ172と、第1インバータ173とを有している。
【0050】
第1MCU171と、第1出力軸センサ13とは、電気的に接続されている。第1MCU171と、第1モータ回転角度センサ15とは、電気的に接続されている。第1MCU171と、第1ドライバ172とは、電気的に接続されている。第1ドライバ172と、第1インバータ173とは、電気的に接続されている。
【0051】
第1MCU171は、モータ11を駆動させる電圧を制御するように構成されている。記憶部は、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などのメモリを有する記憶装置である。第1ドライバ172は、第1インバータ173を制御する信号を送信するように構成されている。第1インバータ173は、第1ドライバ172からの信号にON/OFFが切り替えられる複数(6個)の駆動FET(Field Effect Transistor)174を有している。第1インバータ173では、複数の駆動FET174のON/OFFを切り替えることにより、正弦波の三相交流電圧(U相、V相およびW相)が出力される。このように、第1インバータ173は、モータ11を駆動させる電圧を出力するように構成されている。第1インバータ173は、複数(3個)の駆動FET174を有する上アーム173aと、複数(3個)の駆動FET174を有する下アーム173bとを有している。
【0052】
第2駆動系統18は、第2出力軸センサ14および第2モータ回転角度センサ16の計測値に基づいて、モータ11を駆動させる制御を行うように構成されている。第2駆動系統18は、第1駆動系統17とは独立してモータ11を制御するように構成されている。具体的には、第2駆動系統18は、第2MCU181(特許請求の範囲の「第2制御部」の一例)と、記憶部(図示せず)と、第2ドライバ182と、第2インバータ183とを有している。
【0053】
第2MCU181と、第2出力軸センサ14とは、電気的に接続されている。第2MCU181と、第2モータ回転角度センサ16とは、電気的に接続されている。第2MCU181と、第2ドライバ182とは、電気的に接続されている。第2ドライバ182と、第2インバータ183とは、電気的に接続されている。
【0054】
第2MCU181は、モータ11を駆動させる電圧を制御するように構成されている。記憶部は、ROMおよびRAMなどのメモリを有する記憶装置である。第2ドライバ182は、第2インバータ183を制御する信号を送信するように構成されている。第2インバータ183は、第2ドライバ182からの信号にON/OFFが切り替えられる複数(6個)の駆動FET184を有している。第2インバータ183では、複数の駆動FET184のON/OFFを切り替えることにより、正弦波の三相交流電圧(U相、V相およびW相)が出力される。このように、第2インバータ183は、モータ11を駆動させる電圧を出力するように構成されている。第2インバータ183は、複数(3個)の駆動FET184を有する上アーム183aと、複数(3個)の駆動FET184を有する下アーム183bとを有している。
【0055】
次に、シフト位置の移動と、第2出力軸センサ14の出力値および第2モータ回転角度センサ16の出力値との関係について説明する。なお、第1出力軸センサ13の出力値および第1モータ回転角度センサ15の出力値との関係は、第2出力軸センサ14の出力値および第2モータ回転角度センサ16の出力値との関係と同様の関係である。
【0056】
図8に示すように、モータ11の回転回数(0回、1回、2回、・・・、7回)の増加に伴って、シフト位置が、P位置、R位置、N位置およびD位置の順に変化するように、出力軸12bに接続されたディテントプレート21が回動する。この際、ディテントスプリング22は、谷部21a、谷部21b、谷部21cおよび谷部21dの順に嵌まり込む。そして、第2出力軸センサ14の出力値は、モータ11の回転回数が増加するのに伴って増加する。
【0057】
たとえば、図9および図10に示すように、現在、ローラ部22aが、谷部21b(R位置)に嵌まり込んでいたとする(区間1)。モータ11(図3参照)が駆動されることにより減速機構部12a(図3参照)を介してディテントプレート21が矢印A方向に回動される。なお、中間ギヤ122と中間ギヤ123との間に所定量のガタBa(図6参照)が設けられている。このため、ローラ部22aが谷部21bの谷底Vに完全に嵌まり込んだ状態では、ロータ111の回転とともに中間ギヤ122が回動されるにもかかわらず、長孔122bの内部において係合凸部123cがガタBaを利用して駆動力伝達不可能に係合されているので、中間ギヤ123は回動されない。この結果、区間1では、第2モータ回転角度センサ16(図8参照)により検出されるモータ11の回転角度(rad)は、線形的に増加する一方、第2出力軸センサ14(図8参照)により検出される出力軸12bの回転角度(出力軸角度(rad))は、一定である。
【0058】
その後、区間2において、中間ギヤ122の長孔122bの一方側端部が中間ギヤ123の係合凸部123cに駆動力伝達可能に係合されるので、モータ11の駆動力がギヤ部121、中間ギヤ122、中間ギヤ123および最終ギヤ124(図3参照)を介して出力軸12b(図1参照)に伝達される。そして、ディテントプレート21の矢印A方向への回動とともに、ローラ部22aは、谷部21b(R位置)の谷部21c(N位置)側の斜面を山部Mに向けて登るように移動する。なお、区間2において、第2モータ回転角度センサ16(図8参照)により検出されるモータ11の回転角度(rad)は、線形的に増加する。また、第2出力軸センサ14(図8参照)により検出される出力軸12bの回転角度(rad)が一定の割合で増加する。
【0059】
そして、区間3において、ローラ部22aが谷部21b(R位置)と谷部21c(N位置)との境の山部Mを乗り越えた後、ディテントプレート21は、モータ11(中間ギヤ122)よりも先行して回動される。すなわち、ディテントプレート21は、常にローラ部22aにより谷部21bに向かって付勢されているので、この付勢力によって、ディテントプレート21は、長孔122bのガタBaの大きさの範囲内でモータ11よりも先行して回動される。そして、ローラ部22aは、谷部21bの谷底Vに向けて落とし込まれる(図8の区間3参照)。この際、モータ11の回転角度は増加する一方、出力軸12bの回転角度(rad)は、ローラ部22aの谷底Vへの落ち込み(吸込み)とともに急激に増加する。
【0060】
なお、シフト位置のP位置からR位置への移動の動作、N位置からD位置への移動の動作は、上記のR位置からN位置への移動の動作と同様である。
【0061】
また、図8および図10に示すように、モータ11は、回転方向が反転されることにより、シフト位置がN位置(区間4)、区間5、および、区間6を介して、R位置に移動される。
【0062】
なお、N位置(区間4)の動作は、上記区間1の動作と同様である。つまり、第2モータ回転角度センサ16により検出されるモータ11の回転角度(rad)は、線形的に減少する一方、第2出力軸センサ14により検出される出力軸12bの回転角度(rad)は、一定である。
【0063】
また、区間5の動作は、上記区間2の動作と同様である。つまり、区間5において、モータ11の回転角度は、線形的に減少するとともに、出力軸12bの回転角度(rad)が一定の割合で減少する。
【0064】
また、区間6の動作は、上記区間3の動作と同様である。つまり、モータ11の回転角度は減少する一方、出力軸12bの回転角度(rad)は、ローラ部22aの谷底Vへの落ち込み(吸込み)とともに急激に減少する。
【0065】
シフト装置100では、たとえば、工場出荷時に、シフト装置100ごとに、谷底Vに対応するモータ11(ロータ111)の回転角度が取得(学習)される。すなわち、複数のシフト位置(P位置、R位置、N位置およびD位置)の各々における、谷底V(ガタBaの中心)に対応するモータ11(ロータ111)の回転角度が取得(学習)される。詳細には、複数のシフト位置(P位置、R位置、N位置およびD位置)に対応する谷部21a、谷部21b、谷部21cおよび谷部21dにおいて、減速機構部12aに含まれるガタ幅Wが検出される。そして、検出したガタBaの幅Wの中心が、谷底V(シフト位置)として学習される。谷底Vに対応するモータ11の回転角度の取得は、第1MCU171および第2MCU181によって行われる。
【0066】
これにより、シフト装置100では、第1MCU171および第2MCU181の各々において取得した谷底Vに対応するモータ11の回転角度に基づいて、第1MCU171および第2MCU181によりシフト位置の切り替えが行われる。すなわち、シフト装置100では、乗員のシフト操作により選択されたP位置、R位置、N位置およびD位置の各々に対応する谷底Vの位置までディテントスプリング22が移動される制御が行われる。
【0067】
(両系統による駆動制御)
ここで、本実施形態のシフト装置100では、第1駆動系統17および第2駆動系統18の両方から出力された電圧によりモータ11を駆動させてシフト位置を切り替えるように構成されている。すなわち、第1MCU171および第2MCU181の各々は、独立して(非同期で)、乗員のシフト操作により選択されたP位置、R位置、N位置およびD位置の各々に対応する谷底Vの位置までディテントスプリング22を移動させる制御を行うように構成されている。
【0068】
具体的には、シフト装置100は、シフト位置を切り替える際に、第1モータ回転角度センサ15および第1出力軸センサ13の計測値に基づいて第1駆動系統17によりモータ11が駆動されるとともに、第2モータ回転角度センサ16および第2出力軸センサ14の計測値に基づいて第2駆動系統18によりモータ11が駆動されるように構成されている。
【0069】
ここで、第1駆動系統17および第2駆動系統18の両方によりモータ11を駆動させる際、第1駆動系統17の複数(6個)の駆動FET174の各々のON/OFFが切り替えられることにより、モータ11に出力される駆動電流の通電パターンが変化する。また、第1駆動系統17および第2駆動系統18の両方によりモータ11を駆動させる際、第2駆動系統18の複数(6個)の駆動FET184の各々のON/OFFが切り替えられることにより、モータ11に出力される駆動電流の通電パターンが変化する。
【0070】
モータ11に出力される駆動電流の通電パターンの一例を図11に示す。第1駆動系統17では、上アーム173aのU相の駆動FET174がONになっており、上アーム173aのV相の駆動FET184がOFFになっており、上アーム173aのW相の駆動FET174がOFFになっている。第1駆動系統17では、下アーム173bのU相の駆動FET174がOFFになっており、下アーム173bのV相の駆動FET174がONになっており、下アーム173bのW相の駆動FET174がONになっている。
【0071】
また、第2駆動系統18では、上アーム183aのU相の駆動FET184がONになっており、上アーム183aのV相の駆動FET184がOFFになっており、上アーム183aのW相の駆動FET184がOFFになっている。第2駆動系統18では、下アーム183bのU相の駆動FET184がOFFになっており、下アーム183bのV相の駆動FET184がONになっており、下アーム183bのW相の駆動FET184がONになっている。
【0072】
これらにより、第1駆動系統17において、上アーム173aのU相からモータ11の励磁コイルを通過して、下アーム173bのV相およびW相の各々に駆動電流が流れるとともに、第2駆動系統18において、上アーム183aのU相からモータ11の励磁コイルを通過して、下アーム183bのV相およびW相の各々に駆動電流が流れることにより、モータ11が駆動する。
【0073】
ここで、シフト切替の際、第1駆動系統17および第2駆動系統18の両方によりモータ11を駆動させる場合、第1駆動系統17および第2駆動系統18の各々は独立してモータ11を駆動させるので、系統間の駆動干渉が懸念される。駆動干渉について、シフト位置をP位置からR位置に切り替える状態を一例として示した図12を用いて説明する。
【0074】
図12に示すように、シフト装置100では、第1駆動系統17の第1MCU171により、P位置、R位置、N位置およびD位置のそれぞれに対応する谷部21a、谷部21b、谷部21cおよび谷部21dの谷底Vの谷底学習位置P1(特許請求の範囲の「予め取得したシフト位置」の一例)があらかじめ学習(取得)されている。また、第1MCU171では、谷底学習位置P1に、ディテントスプリング22が到達したと判定する第1到達範囲R1(特許請求の範囲の「位置到達判定範囲」の一例)が、あらかじめ設定されている。第1到達範囲R1は、あらかじめ学習した谷部21a、谷部21b、谷部21cおよび谷部21dの各々の谷底Vの谷底学習位置P1、実際の谷底Vの実谷底位置Prと第1駆動系統17において学習した谷底学習位置P1との誤差のばらつき、および、モータ11が停止するための許容誤差などの設計値に基づいて設定されている。
【0075】
同様に、シフト装置100では、第1駆動系統17とは別個に、第2駆動系統18の第2MCU181により、P位置、R位置、N位置およびD位置のそれぞれに対応する谷部21a、谷部21b、谷部21cおよび谷部21dの谷底Vの谷底学習位置P2(特許請求の範囲の「予め取得したシフト位置」の一例)があらかじめ学習(取得)されている。また、第2MCU181では、学習した谷部21a、谷部21b、谷部21cおよび谷部21dの谷底V各々の谷底学習位置P2に、ディテントスプリング22が到達したと判定する第2到達範囲R2(特許請求の範囲の「位置到達判定範囲」の一例)が、あらかじめ設定されている。第2到達範囲R2は、あらかじめ学習した谷部21a、谷部21b、谷部21cおよび谷部21dの谷底Vの各々の谷底学習位置P2、実際の谷底Vの実谷底位置Prと第2駆動系統18において学習した谷底学習位置P2との誤差のばらつき、および、モータ11が停止するための許容誤差などの設計値に基づいて設定されている。
【0076】
第1駆動系統17において学習した谷底学習位置P1、および、第2駆動系統18において学習した谷底学習位置P2には、ばらつきがある。このため、たとえば、図12に示すように、第1駆動系統17におけるR位置の谷底学習位置P1が実谷底位置PrよりもP位置よりになり、第2駆動系統18におけるR位置の谷底学習位置P2が実谷底位置PrよりもN位置よりになる場合がある。
【0077】
この場合、ディテントスプリング22が第1到達範囲R1に入るので、第1MCU171の方が第2MCU181よりも先に、シフト位置がR位置に切り替わったと判定する。一方で、ディテントスプリング22が第2到達範囲R2に入っていないので、第2MCU181は、シフト位置がR位置に切り替わったと判定しない。ここで、第1MCU171が、ディテントスプリング22が第1到達範囲R1に入ったことに基づいて、モータ11を制動する制御を行ってしまうと、第2MCU181は、ディテントスプリング22を第2到達範囲R2に入れるために、モータ11を駆動する制御を行っているので、第2駆動系統18の駆動が第1駆動系統17に起因して阻害されてしまう。これが、系統間の駆動干渉である。
【0078】
そこで、シフト装置100は、ディテントスプリング22が谷部21a、谷部21b、谷部21cおよび谷部21dの各々に到達する際、第1駆動系統17および第2駆動系統18のうちの先にディテントスプリング22が谷部21a、谷部21b、谷部21cおよび谷部21dの各々に到達したと判定した先行する一方の系統は、モータ11の制動処理を行わないように構成されている。図12に示す一例では、ディテントスプリング22が谷部21bに到達したと先に判定した先行する第1駆動系統17の第1MCU171は、ディテントスプリング22が第1到達範囲R1に入ったことに基づいて、モータ11を制動させることなくフリーに駆動可能になる制御を行うように構成されている。
【0079】
すなわち、シフト装置100は、先行する一方の駆動系統としての第1駆動系統17の第1インバータ173をオフにするか、または、先行する一方の駆動系統としての第2駆動系統18の第2インバータ183をオフにすることにより、谷部21a、谷部21b、谷部21cおよび谷部21dの各々に到達する際、モータ11の制動処理を行わないように構成されている。図12および図13に示す一例では、ディテントスプリング22が谷部21bに到達したと先に判定した先行する第1駆動系統17の第1MCU171は、ディテントスプリング22が第1到達範囲R1に入ったことに基づいて、第1インバータ173の全てをオフにすることにより、モータ11を制動させることなくフリーに駆動可能になる制御を行うように構成されている。
【0080】
具体的には、先行する一方の系統が第1駆動系統17であった場合、第1MCU171は、谷底学習位置P1と、ディテントスプリング22の現在位置との差が第1到達範囲R1内であり、かつ、モータ11の回転速度が速度到達判定範囲内にあることに基づいて、谷部21a、谷部21b、谷部21cおよび谷部21dの各々に到達する際、モータ11の制動処理を行わない制御を行うように構成されている。先行する一方の系統が第2駆動系統18であった場合、第2MCU181は、谷底学習位置P2と、ディテントスプリング22の現在位置との差が第2到達範囲R2内であり、かつ、モータ11の回転速度が速度到達判定範囲内にあることに基づいて、谷部21a、谷部21b、谷部21cおよび谷部21dの各々に到達する際、モータ11の制動処理を行わない制御を行うように構成されている。
【0081】
ここで、ディテントスプリング22の現在位置との差が第1到達範囲R1内およびディテントスプリング22の現在位置との差が第2到達範囲R2内とは、ディテントスプリング22の位置を確認するための条件である。また、モータ11の回転速度が速度到達判定範囲内にあることとは、谷部21a、谷部21b、谷部21cおよび谷部21dの各々の谷底Vに到達する際に十分に減速されているか否かを確認するための上限である。
【0082】
また、具体的には、先行する一方の駆動系統は、谷部21a、谷部21b、谷部21cおよび谷部21dの各々の谷底Vに到達する際、所定時間制動しないように構成されている。所定時間とは、先行する一方の駆動系統が第1駆動系統17の場合、第1到達範囲R1に入ったディテントスプリング22が第2到達範囲R2に入ることが可能な時間を示す。また、所定時間とは、先行する一方の駆動系統が第2駆動系統18の場合、第2到達範囲R2に入ったディテントスプリング22が第1到達範囲R1に入ることが可能な時間を示す。所定時間は、第1MCU171により第1到達範囲R1に到達する直前のモータ11の回転数に基づいて算出されるか、または、第2MCU181により第2到達範囲R2に到達する直前のモータ11の回転数に基づいて算出される。
【0083】
また、先行する一方の駆動系統は、所定時間経過したことに基づいて、モータ11を制動するように構成されている。すなわち、先行する一方の駆動系統が第1駆動系統17の場合、第1MCU171は、所定時間経過したことに基づいて、第1駆動系統17の第1インバータ173の下アーム173b側の駆動FET174(スイッチング素子)をオンにするとともに、第1駆動系統17の第1インバータ173の上アーム173a側の駆動FET174(スイッチング素子)をオフにする制御を行うように構成されている。また、先行する一方の駆動系統が第2駆動系統18の場合、第2MCU181は、所定時間経過したことに基づいて、第2駆動系統18の第2インバータ183の下アーム183b側の駆動FET184(スイッチング素子)をオンにするとともに、第2駆動系統18の第2インバータ183の上アーム183a側の駆動FET184(スイッチング素子)をオフにする制御を行うように構成されている。これらにより、モータ11の駆動が制動(ショートブレーキ)される。
【0084】
なお、所定時間経過後において、ディテントスプリング22の位置は、第1到達範囲R1内であり、かつ、第2到達範囲R2内であるので、図14に示すように、第1駆動系統17および第2駆動系統18の両方によりモータ11が制動される。
【0085】
(シフト切替処理)
以下に、図15を参照して、第1駆動系統17が先行して谷部21a、谷部21b、谷部21cおよび谷部21dのいずれかに到達した場合のシフト切替処理について説明する。なお、シフト切替処理では、第1駆動系統17のよるモータ11の駆動と、第2駆動系統18によるモータ11の駆動とが並行して行われている処理である。
【0086】
ステップS1において、第1MCU171では、ディテントスプリング22が第1到達範囲R1に入ったか否かが判断される。ディテントスプリング22が第1到達範囲R1に入った場合にはステップS2に進み、ディテントスプリング22が第1到達範囲R1に入っていない場合にはステップS1に戻る。ステップS2において、第1MCU171では、モータ11の回転速度が速度到達判定範囲内か否かが判断される。モータ11の回転速度が速度到達判定範囲内の場合にはステップS3に進み、モータ11の回転速度が速度到達判定範囲内でない場合にはステップS1に戻る。
【0087】
ステップS3において、第1MCU171では、モータ11の駆動制御モードとしてフリーモードが実行される。すなわち、第1MCU171では、第1インバータ173の全ての駆動FET184をオフにすることにより、モータ11を制動させることなくフリーに第2駆動系統18がモータ11を駆動可能になる制御が行われる。ステップS4において、第1MCU171では、所定時間が経過したか否かが判断される。所定時間が経過した場合にはステップS5に進み、所定時間が経過していない場合にはステップS3に戻る。ステップS5において、第1MCU171では、モータ11を制動させた後、ステップS1を繰り返す。
【0088】
また、以下に、図16を参照して、第2駆動系統18が先行して谷部21a、谷部21b、谷部21cおよび谷部21dのいずれかに到達した場合のシフト切替処理について説明する。なお、シフト切替処理では、第1駆動系統17のよるモータ11の駆動と、第2駆動系統18によるモータ11の駆動とが並行して行われている。
【0089】
ステップS21において、第2MCU181では、ディテントスプリング22が第2到達範囲R2に入ったか否かが判断される。ディテントスプリング22が第2到達範囲R2に入った場合にはステップS22に進み、ディテントスプリング22が第2到達範囲R2に入っていない場合にはステップS21に戻る。ステップS22において、第2MCU181では、モータ11の回転速度が速度到達判定範囲内か否かが判断される。モータ11の回転速度が速度到達判定範囲内の場合にはステップS23に進み、モータ11の回転速度が速度到達判定範囲内でない場合にはステップS21に戻る。
【0090】
ステップS23において、第2MCU181では、モータ11の駆動制御モードとしてフリーモードが実行される。すなわち、第2MCU181では、第2インバータ183の全ての駆動FET184をオフにすることにより、モータ11を制動させることなくフリーに第1駆動系統17がモータ11を駆動可能になる制御が行われる。ステップS24において、第2MCU181では、所定時間が経過したか否かが判断される。所定時間が経過した場合にはステップS25に進み、所定時間が経過していない場合にはステップS23に戻る。ステップS25において、第2MCU181では、モータ11を制動させた後、ステップS21を繰り返す。
【0091】
(本実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0092】
本実施形態では、上記のように、第1駆動系統17および第2駆動系統18の両方から出力された電圧によりモータ11を駆動させてシフト位置を切り替えるように構成されている。これにより、シフト切替の際に第1駆動系統17および第2駆動系統18のいずれかで故障を検知した場合、正常な駆動系統によるモータ11の駆動を継続させた状態で、故障した駆動系統によるモータ11の駆動を停止させる処置(フェールセーフ)を行うができるので、モータ11の駆動を継続させることができる。この結果、シフト切替の際に第1駆動系統17および第2駆動系統18のいずれかで故障を検知した際にモータ11の駆動制御が断続的に行われないので、シフト切替の際に異常を検知した場合でも、モータ11の駆動制御を円滑に行うことができる。また、第1駆動系統17および第2駆動系統18の両方を用いてモータ11を駆動させることにより、モータ11の最大トルクを出力する際に必要な電力を第1駆動系統17および第2駆動系統18の各々に分散させることができるので、第1駆動系統17および第2駆動系統18のいずれか片方を用いてモータ11の最大トルクを出力させる場合と比較して、第1駆動系統17および第2駆動系統18の各々の大型化を抑制することができる。
【0093】
また、本実施形態では、上記のように、ディテントスプリング22が谷部21a、谷部21b、谷部21cおよび谷部21dの各々に到達する際、第1駆動系統17および第2駆動系統18のうちの先にディテントスプリング22が谷部21a、谷部21b、谷部21cおよび谷部21dの各々に到達したと判定した先行する一方の系統は、モータ11の制動処理を行わないように構成されている。これにより、ディテントスプリング22が谷部21a、谷部21b、谷部21cおよび谷部21dの各々に到達したという判定が遅れている他方の駆動系統が谷部21a、谷部21b、谷部21cおよび谷部21dの各々に到達したと判定する前に、先行する一方の駆動系統がモータ11を制動しないようにすることができるので、他方の駆動系統によるモータ11の駆動を阻害しないようにすることができる。
【0094】
また、本実施形態では、上記のように、先にディテントスプリング22が谷部21a、谷部21b、谷部21cおよび谷部21dの各々に到達したと判定した先行する一方の駆動系統としての第1駆動系統17の第1インバータ173をオフにするか、または、先にディテントスプリング22が谷部21a、谷部21b、谷部21cおよび谷部21dの各々に到達したと判定した先行する一方の駆動系統としての第2駆動系統18の第2インバータ183をオフにすることにより、谷部21a、谷部21b、谷部21cおよび谷部21dの各々に到達する際、モータ11の制動処理を行わないように構成されている。これにより、先にディテントスプリング22が谷部21a、谷部21b、谷部21cおよび谷部21dの各々に到達したと判定した先行する一方の駆動系統からモータ11に電力が供給されないので、ディテントスプリング22が谷部21a、谷部21b、谷部21cおよび谷部21dの各々に到達したという判定が遅れている他方の駆動系統のみでモータ11を駆動させることができる。この結果、遅れている他方の駆動系統の意図通りにモータ11を駆動させることができる。
【0095】
また、本実施形態では、上記のように、先にディテントスプリング22が谷部21a、谷部21b、谷部21cおよび谷部21dの各々に到達したと判定した先行する一方の駆動系統は、谷部21a、谷部21b、谷部21cおよび谷部21dの各々に到達する際、所定時間制動しないように構成されている。これにより、ディテントスプリング22が谷部21a、谷部21b、谷部21cおよび谷部21dの各々に到達したという判定が遅れている他方の駆動系統の意図通りにモータ11を駆動させることが可能な時間を所定時間確保することができるので、遅れている他方の駆動系統も谷部21a、谷部21b、谷部21cおよび谷部21dの各々に確実に到達させることができる。
【0096】
また、本実施形態では、上記のように、先行する一方の駆動系統は、所定時間経過したことに基づいて、モータ11を制動するように構成されている。これにより、ディテントスプリング22が谷部21a、谷部21b、谷部21cおよび谷部21dの各々に到達したという判定が遅れている他方の駆動系統のみによるモータ11の駆動時間を確保しつつ、一方の駆動系統において予め学習した谷部21a、谷部21b、谷部21cおよび谷部21dの各々の谷底学習位置P1(谷底学習位置P2)付近にディテントスプリング22を停止させることができるので、第1駆動系統17と第2駆動系統18との駆動干渉を抑制することができるとともに、シフト切替を正確に行うことができる。
【0097】
また、本実施形態では、上記のように、先にディテントスプリング22が谷部21a、谷部21b、谷部21cおよび谷部21dの各々に到達したと判定した先行する一方の系統は、予め取得したシフト位置と、ディテントスプリング22の現在位置との差が第1到達範囲R1(第2到達範囲R2)内であり、かつ、モータ11の回転速度が速度到達判定範囲内にあることに基づいて、谷部21a、谷部21b、谷部21cおよび谷部21dの各々に到達する際、モータ11の制動処理を行わないように構成されている。これにより、ディテントスプリング22がシフト位置を通り過ぎてしまわないようにモータ11を十分に減速させた状態で、ディテントスプリング22が第1到達範囲R1(第2到達範囲R2)内に入ることができるので、モータ11の制動処理を行わないことに起因してディテントスプリング22がシフト位置を通り過ぎてしまうことを抑制することができる。
【0098】
[変形例]
今回開示された上記実施形態は、全ての点で例示であり制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更(変形例)が含まれる。
【0099】
たとえば、上記実施形態では、第1駆動系統17および第2駆動系統18のうちの先行する一方の系統は、谷部21a、谷部21b、谷部21cおよび谷部21dの各々に到達する際、モータ11の制動処理を行わないように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1駆動系統および第2駆動系統のうちの先行する一方の系統は、複数の谷部の各々に到達する際、モータの制動処理を行ってもよい。
【0100】
また、上記実施形態では、ガタBaの幅Wが、減速機構部12aのガタBaの幅Wである例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ガタ幅は、駆動力伝達機構部における減速機構部以外の他のガタ幅を含んでいてもよい。
【0101】
また、上記実施形態では、本発明のシフト装置100が、自動車用のシフト装置に適用される例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、シフト装置は、たとえば、電車など、自動車用以外のシフト装置に適用されてもよい。
【0102】
また、上記実施形態では、第1インバータ173では、複数の駆動FET174のON/OFFを切り替えることにより、正弦波の三相交流電圧(U相、V相およびW相)が出力される例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1インバータでは、複数の駆動FETのON/OFFを切り替えることにより、パルス波の三相交流電圧(U相、V相およびW相)が出力されてもよい。
【0103】
また、上記実施形態では、第2インバータ183では、複数の駆動FET184のON/OFFを切り替えることにより、正弦波の三相交流電圧(U相、V相およびW相)が出力される例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第2インバータでは、複数の駆動FETのON/OFFを切り替えることにより、パルス波の三相交流電圧(U相、V相およびW相)が出力されてもよい。
【0104】
また、上記実施形態では、説明の便宜上、第1MCU171(第1制御部)および第2MCU181(第2制御部)の制御処理を、処理フローに沿って順番に処理を行うフロー駆動型のフローチャートを用いて説明した例について示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1制御部および第2制御部の制御処理を、イベント単位で処理を実行するイベント駆動型(イベントドリブン型)の処理により行ってもよい。この場合、完全なイベント駆動型で行ってもよいし、イベント駆動およびフロー駆動を組み合わせて行ってもよい。
【符号の説明】
【0105】
11 モータ
17 第1駆動系統
18 第2駆動系統
21 ディテントプレート(シフト切替部材)
21a、21b、21c、21d 谷部
22 ディテントスプリング(位置決め部材)
100 シフト装置
111 ロータ
112 ステータ
173 第1インバータ
183 第2インバータ
図1
図2
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