(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022164311
(43)【公開日】2022-10-27
(54)【発明の名称】自動改札機
(51)【国際特許分類】
G07B 15/00 20110101AFI20221020BHJP
【FI】
G07B15/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021069725
(22)【出願日】2021-04-16
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】原田 直樹
【テーマコード(参考)】
3E127
【Fターム(参考)】
3E127AA03
3E127BA21
3E127BA45
3E127CA02
3E127EA02
3E127FA16
3E127FA25
(57)【要約】 (修正有)
【課題】高さを抑えて構造を簡略化させるとともに、センサが不感帯を有する場合であっても適切に大人検知することが可能な改札機を提供する。
【解決手段】自動改札機10は、利用者が通行する第1通路PW1を規定する筐体17と、筐体17の上部に配置されて、第1通路PW1における所定身長以上の利用者の有無を検出波の送波によって検出する複数の第1検出部16とを備える。複数の第1検出部16の少なくとも一つは、第1通路PW1と平行な第1面S1、第1通路PW1と平行に第1面S1と直交する第2面S2、および第1面S1と第2面S2の両面と直交する第3面S3のいずれに対しても傾斜する方向に沿って、第1通路PW1の中央線上の所定身長に相当する高さ位置を指向して検出波を送波する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が通行する第1通路を規定する筐体と、
前記筐体の上部に配置されて、前記第1通路における所定身長以上の利用者の有無を検出波の送波によって検出する複数の第1検出部と、を備え、
複数の前記第1検出部の少なくとも一つは、前記第1通路と平行な第1面、前記第1通路と平行に前記第1面と直交する第2面、および前記第1面と前記第2面の両面と直交する第3面のいずれに対しても傾斜する方向に沿って、前記第1通路の中央線上の前記所定身長に相当する高さ位置を指向して前記検出波を送波する
自動改札機。
【請求項2】
複数の前記第1検出部は、前記第1通路の前記利用者の通行方向において、前記筐体の中間部に配置された中間検出部と、前記中間部近傍の前記中間検出部を挟んで前記第1通路の入口寄りに前記中間検出部と隣接して配置された入口検出部と、前記中間部近傍の前記中間検出部を挟んで前記第1通路の出口寄りに前記中間検出部と隣接して配置された出口検出部を有し、
前記入口検出部は、前記第1面、前記第2面、および前記第3面のいずれに対しても傾斜する方向に沿って、前記検出波を前記第1通路の前記入口側に向けて送波し、
前記出口検出部は、前記第1面、前記第2面、および前記第3面のいずれに対しても傾斜する方向に沿って、前記検出波を前記第1通路の前記出口側に向けて送波する
請求項1に記載の自動改札機。
【請求項3】
第1回動軸まわりに回動し、前記第1通路の前記入口より先への前記利用者の進入を規制する入口開閉扉と、第2回動軸まわりに回動し、前記第1通路の前記出口からの前記利用者の退出を規制する出口開閉扉と、をさらに備え、
前記入口検出部は、前記通行方向において、前記筐体の中間部と前記第1回動軸との間に配置され、
前記出口検出部は、前記通行方向において、前記筐体の中間部と前記第2回動軸との間に配置される
請求項2に記載の自動改札機。
【請求項4】
前記中間検出部は、前記第1面および前記第2面に対して傾斜する方向に、かつ前記第3面と平行な方向に沿って、前記検出波を前記第1通路の前記通行方向の中間点付近に向けて送波する
請求項3に記載の自動改札機。
【請求項5】
前記筐体は、前記筐体に対して前記第1通路とは反対側に前記利用者が通行する第2通路を規定し、
前記筐体の上部に配置されて、前記第2通路の中央線上の所定高さ位置を指向して前記検出波を送波し、前記第2通路における前記所定高さ以上の身長の前記利用者の有無を検出する複数の第2検出部をさらに備える
請求項1から4のいずれか一項に記載の自動改札機。
【請求項6】
複数の前記第2検出部は、前記第2通路の前記利用者の通行方向において、前記筐体の中間部に配置された第2中間検出部と、前記中間部近傍の前記第2中間検出部を挟んで前記第2通路の入口寄りに前記第2中間検出部と隣接して配置された第2入口検出部と、前記中間部近傍の前記第2中間検出部を挟んで前記第2通路の出口寄りに前記第2中間検出部と隣接して配置された第2出口検出部を有し、
前記第2中間検出部は、前記第1面および前記第2面に対して傾斜する方向に、かつ前記第3面と平行な方向に沿って、前記検出波を前記第2通路の前記通行方向の中間点付近に向けて送波し、
前記第2入口検出部は、前記第1面、前記第2面、および前記第3面のいずれに対しても傾斜する方向に沿って、前記検出波を前記第2通路の前記入口側に向けて送波し、
前記第2出口検出部は、前記第1面、前記第2面、および前記第3面のいずれに対しても傾斜する方向に沿って、前記検出波を前記第2通路の前記出口側に向けて送波する
請求項5に記載の自動改札機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、自動改札機に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道やバスなどの交通機関では、磁気券やIC(Integrated Circuit)カードなどにより改札を行う自動改札機(以下、単に改札機という)が利用されている。改札機においては、利用者である旅客の属性として、運賃の発生する大人および小人(以下、まとめて大人等という)と、運賃の発生しない旅客である幼児とが判別されている。
【0003】
かかる判別(以下、大人検知という)は、例えば改札機を通行する旅客の身長に基づいて行われている。具体的には、旅客が改札機を通行する際、該旅客の身長と基準値との大小関係がセンサによって検出される。一例として、旅客の属性は、該旅客の身長が基準値以上であれば大人等となり、基準値未満であれば幼児となる。例えば、幼児と判定された場合、その他の条件に関わらず改札機が開扉される。基準値は、例えば6歳未満の旅客が幼児である場合、6歳児の平均的な身長の値として予め設定されている。
【0004】
従来においては、ポール部と呼ばれる嵩上げ部分を改札機本体の上部に設け、該ポール部に複数の反射型のセンサを備えた改札機が知られている。ポール部は、改札機によって規定される通路を旅客が通行する方向に沿って連続している。複数のセンサは、ポール部における通路の入口付近と出口付近およびこれらの中間付近に、それぞれ一つずつ配置されている。
【0005】
しかしながら、改札機に設けたポール部にセンサを配置することで、ポール部の分だけ改札機の高さが増すとともに、改札機の構造の複雑化を招きやすい。また、反射型の光センサは、投光面から投光方向の所定範囲、例えば10mmから20mm程度の範囲内(不感帯)は感知しないという特性を有する場合がある。したがって、センサの不感帯が故意に遮られて大人検知がなされない事態を適切に回避する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本実施形態が解決しようとする課題は、高さを抑えて構造を簡略化させるとともに、センサが不感帯を有する場合であっても適切に大人検知することが可能な改札機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態の自動改札機は、利用者が通行する第1通路を規定する筐体と、前記筐体の上部に配置されて、前記第1通路における所定身長以上の利用者の有無を検出波の送波によって検出する複数の第1検出部と、を備える。複数の前記第1検出部の少なくとも一つは、前記第1通路と平行な第1面、前記第1通路と平行に前記第1面と直交する第2面、および前記第1面と前記第2面の両面と直交する第3面のいずれに対しても傾斜する方向に沿って、前記第1通路の中央線上の前記所定身長に相当する高さ位置を指向して前記検出波を送波する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1の実施形態に係る自動改札機の概略的な構成を示す斜視図。
【
図2】第1の実施形態に係る自動改札機の概略的な構成を示す側面図。
【
図3】第1の実施形態に係る自動改札機の概略的な構成を示す上面図。
【
図4】第1の実施形態に係る自動改札機の概略的な構成を示す端面図。
【
図5】第1の実施形態に係る自動改札機の制御ブロックの一例を示す図。
【
図6】第2の実施形態に係る自動改札機の概略的な構成を示す斜視図。
【
図7】第2の実施形態に係る自動改札機の概略的な構成を示す端面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。なお、開示はあくまで一例にすぎず、以下の実施形態に記載した内容により発明が限定されるものではない。当業者が容易に想到し得る変形は、当然に開示の範囲に含まれる。説明をより明確にするため、図面において、各部分のサイズ、形状等を実際の実施態様に対して変更して模式的に表す場合もある。複数の図面において、対応する要素には同じ参照符号を付して、詳細な説明を省略する場合もある。
【0011】
(第1の実施形態)
図1から
図4には、第1の実施形態に係る自動改札機(以下、単に改札機という)10の概略的な構成を示す。
図1は、改札機10の概略的な構成を示す斜視図である。
図2は、改札機10の概略的な構成を示す側面図である。
図3は、改札機10の概略的な構成を示す上面図である。
図4は、改札機10の概略的な構成を示す端面図である。
図1から
図4には、改札機の一例として、鉄道駅の改札口などに設置され、利用者の通行(入出場)を許可または禁止する改札業務を行う装置を示す。利用者は、鉄道を利用する旅客(乗降客)、駅構内への入出場者、駅務員、保守作業員などである。本実施形態では利用者として旅客を想定する。
【0012】
以下の説明においては、
図1から
図4に示すように第1方向X、第2方向Y、および第3方向Zをそれぞれ定義する。これら方向X,Y,Zは、互いに直交する方向である。また、第1方向Xおよび第2方向Yで規定される平面を第1面S1、第1方向Xおよび第3方向Zで規定される平面を第2面S2、第2方向Yおよび第3方向Zで規定される平面を第3面S3とそれぞれ定義する。
【0013】
図1から
図4に示す例において、第1方向Xは通路PW1の通行方向および改札機10の奥行方向、第2方向Yは通路PW1および改札機10の幅方向、第3方向Zは通路PW1および改札機10の高さ方向である。通路PW1は、後述するように改札機10の筐体17によって規定されて利用者が通行する空間である。また、第1面S1は、通路PW1と平行な面、端的には水平面である。第2面S2は、通路PW1と平行に第1面(水平面)S1と直交する鉛直面である。第3面S3は、第1面S1および第2面S2の両面と直交する鉛直面である。
【0014】
改札機10は、読取部11、投入部12、排出部13、開閉扉14(14a、14b)、表示部15、検出部(第1検出部)16、筐体17、後述する制御部18などを備えている。
図3および
図4に示す例では、二台の改札機10,10aが同じ向きに並んで配置され、これらの改札機10,10aの筐体17によって挟まれた空間に利用者の通路PW1が形成されている。通路PW1は、矢印A1で図示するように、利用者が一方側からのみ進入可能な一方通行とされている。したがって、通路PW1において、利用者は、入口E1から進入して出口E2から退出する。
【0015】
なお、
図3および
図4に示す例では、改札機10,10aは、同じ向きに並んで配置されているが、逆向きに並んで配置されてもよい。この場合、通路PW1は、矢印A1の向きだけでなく、矢印A1とは逆向きからも利用者が進入可能となる。上記の各要素に加えて、改札機10,10aは、例えば複数の点光源を有する表示パネル、該表示パネルを制御する制御回路などからなる通路情報表示部を備えていてもよい。通路情報表示部は、通路PW1への進入可否などを含む通路情報を表示し、利用者に周知させる。ここで、改札機10aは、改札機10とほぼ同等の構成を備えているため、以下では一例として改札機10について説明する。
【0016】
読取部11は、媒体に記録された情報を読み取る。本実施形態において、読取部11は、媒体との無線通信により乗車情報を読み取る。媒体は、例えばIC(Integrated Circuit)チップが埋め込まれたICカードであってもよいし、スマートフォンなどの電子機器であってもよい。乗車情報としては、媒体に固有の識別情報、利用者の識別情報、有効区間、有効期間、入場記録、出場記録などに関する各種情報が含まれる。読取部11は、読取面11aを有している。読取面11aは、読取部11において乗車情報を有する媒体が翳される面に相当する。また、読取部11には、楕円形状の発光部11bが設けられている。
【0017】
読取面11aは、例えば樹脂などの材料によって形成されたカバー11cの表面に相当する。カバー11cは、読取部11が備えるアンテナなどを覆っている。なお、カバー11cの形状は、図示した例に限定されず、例えば楕円形状や半円形状などの他の形状であってもよい。また、読取部11は、媒体と通信可能な有効範囲(通信エリア)を有している。かかる有効範囲は、例えば読取面11aの上方に半球状に広がっている。
【0018】
なお、
図1から
図4に示す例において、改札機10は、上述したようにICカードなどの媒体から乗車情報を読み取る読取部11を備えている。ただし、改札機10は、ICカードなどとは別媒体から乗車情報を読み取る読取部を、読取部11に代えてもしくは加えて備えていてもよい。別媒体としては、例えば、情報コードを表示可能なスマートフォン等の電子機器、情報コードが印刷された紙券などを適用可能である。情報コードは、形状、模様、色彩、これらの組み合わせなどに乗車情報が変換された表示オブジェクトであり、例えば光学的に読み取り可能なバーコードや二次元コードなどである。
【0019】
投入部12および排出部13は、筐体17の上面部17aに設けられている。投入部12は、通行方向A1の手前側(上流側)、換言すれば通路PW1の入口E1付近に位置し、磁気券が投入される投入口である。磁気券は、媒体の一例である磁気方式の乗車券である。排出部13は、投入部12よりも通行方向A1の奥側(下流側)、換言すれば通路PW1の出口E2付近に位置し、磁気券が排出される排出口である。改札機10の内部において、投入部12と排出部13との間には、磁気券に対して各種の処理を行う後述する磁気券処理部19が設けられている(
図5参照)。投入部12および排出部13は、磁気券処理部19の構成要素の一部である。投入部12から投入された磁気券は、磁気券処理部19によって筐体17内を搬送されながら情報の読み取りおよび書き込み、情報の印刷、穿孔などの各種処理が施され、必要に応じて排出部13から排出される。
なお、改札機10は、読取部11と投入部12および排出部13を含む磁気券処理部19とのいずれか一方のみが設けられた形態、例えばICカード専用機や磁気券専用機などであってもよい。
【0020】
開閉扉14は、筐体17の側面部17bに配置され、筐体17に対して回動可能に支持されている。側面部17bは、筐体17における通路PW1に面する面部である。開閉扉14は、通路PW1の入口E1側に配置された入口開閉扉14aと出口E2側に配置された出口開閉扉14bを含む。入口開閉扉14aは、第1回動軸141まわりに回動し、利用者が通路PW1に進入可能な開扉状態と進入不可能な閉扉状態のいずれかとなる。すなわち、入口開閉扉14aは、入口E1より先への利用者の進入を規制する。出口開閉扉14bは、第2回動軸142まわりに回動し、利用者が通路PW1から退出可能な開扉状態と退出不可能な閉扉状態のいずれかとなる。すなわち、出口開閉扉14bは、入口開閉扉14aを通過した利用者の出口E2からの退出を規制する。
【0021】
表示部15は、筐体17の上面部17aに設けられている。
図1から
図4に示す例では、表示部15は、通行方向A1において排出部13と出口E2との間に配置されている。表示部15は、例えば複数の点光源を有する表示パネルなどを備え、後述する媒体制御部181での媒体に対する改札処理の結果などを表示し、利用者に周知させる。
【0022】
筐体17は、読取部11、投入部12、排出部13、開閉扉14(14a、14b)、検出部(第1検出部)16を備え、制御部18を収容する。筐体17は、改札機10の扁平矩形状の外形を規定する上面部17a、側面部17b,17c、端面部17d,17eを有している。上面部17aは、主として第1面(水平面)S1と平行な面部である。側面部17b,17cは、主として第2面(通路PW1と平行に第1面S1と直交する鉛直面)S2と平行な面部である。側面部17bは通路PW1に面する面部であり、側面部17cは側面部17bの背面部である。端面部17d,17eは、主として第3面(第1面S1および第2面S2の両面と直交する鉛直面)S3と平行な面部である。端面部17dは通路PW1の入口E1側の面部であり、端面部17eは通路PW1の出口E2側の面部である。
【0023】
また、筐体17は、利用者が通行する通路PW1を規定する。例えば、
図3および
図4に示すように、筐体17は、第2方向Yに隣り合う改札機10の筐体17との間で通路PW1を規定する。
図3および
図4に示す例では、双方の改札機10,10aの筐体17の側面部17b間の空間として通路PW1が形成されている。通路PW1の幅(以下、通路幅という)W1は、これら側面部17b同士の第2方向Yにおける離間距離である。
図3に示す一点鎖線CL1は、通路幅W1の中間点を結んだ仮想線であり、通路PW1の中央線(以下、中央線CL1という)である。なお、筐体17は、このように隣り合う改札機10の筐体17ではなく、第2方向Yに隣り合う壁や柵などとの間で通路PW1を規定してもよい。
【0024】
検出部16は、通路PW1における所定身長以上の利用者の有無を検出する。検出部16は、検出結果としてかかる利用者の有無を後述する検出制御部185に付与する。検出制御部185は、検出部16が検出した利用者の有無に応じて、該利用者、端的には旅客が運賃の発生する大人および小人(以下、まとめて大人等という)であるか、運賃の発生しない幼児であるかを判別(大人検知)する。なお、検出部16は、かかる利用者の有無を検出するとともに、該利用者(旅客)が大人等もしくは幼児のいずれであるかを判別する形態であってもよい。
【0025】
検出部16は、筐体17の上部に配置され、検出波を送波する。
図1から
図4に示す例において、検出部16は、筐体17の上面部17aに配置されている。ただし、検出部16は、例えば筐体17の側面部17bの上部(上面部17aの近傍部位)などに配置されていてもよい。例えば、検出部16は、投光部および受光部を内蔵した反射型のセンサであり、投光部から投光されて被検体で反射された光を受光部で受光する。本実施形態では所定身長以上の利用者(旅客)の有無を検出するべく、検出部16は、通路PW1の中央線CL1上の所定高さ位置(以下、指向位置という)を指向して投光する。通路PW1の中央線CL1上の高さは、通路PW1の路面の中央線CL1から第3方向Zに沿った距離である。所定高さは、例えば6歳児の平均的な身長(1240mm程度)に相当する高さ(
図2に示す距離H、以下、基準高さHという)である。したがって、指向位置は、中央線CL1から第3方向Zに沿った基準高さHの位置として設定される。6歳児としているのは、運賃の発生しない旅客が6歳未満の幼児である場合を一例として想定しているためである。ただし、指向位置および基準高さHは、このような設定基準に限定されるものではない。
【0026】
本実施形態において、検出部16は、三つの検出部16a,16b,16cを有している。これらの検出部16a,16b,16cのうち、少なくとも一つは、第1面S1、第2面S2、および第3面S3のいずれに対しても傾斜する方向に沿って、検出波を通路PW1に向けて送波、具体的には光を通路PW1へ向けて投光する。三つのうち、一つ目は中間検出部(第1中間検出部)16aであり、二つ目は入口検出部(第1入口検出部)16bであり、三つ目は出口検出部(第1出口検出部)16cである。このうち、入口検出部16bおよび出口検出部16cは、上記したいずれの面S1,S2,S3に対しても傾斜する方向に沿って通路PW1へ向けて投光する。これに対し、中間検出部16aは、第1面S1および第2面S2に対して傾斜し、第3面S3に対して傾斜しない(平行な)方向に沿って通路PW1へ向けて投光する。
【0027】
図1から
図4に示すように、中間検出部16aは、通路PW1の通行方向A1において、筐体17の中間部17fに配置されている。筐体17の中間部17fは、筐体17の通行方向A1(第1方向X)における長さの中間に相当する部位、換言すれば改札機10の奥行(
図2に示す距離PL)の中間に相当する部位である。なお、中間検出部16aは、厳密に筐体17の中間部17fに配置されていなくともよく、中間部17fの近傍に配置されていればよい。
【0028】
入口検出部16bおよび出口検出部16cは、筐体17の中間部17fの近傍に配置されている。入口検出部16bは、通行方向A1において、中間検出部16aを挟んで通路PW1の入口E1寄りに中間検出部16aと隣接して、具体的には中間部17fと第1回動軸141との間に配置されている。これに対し、出口検出部16cは、通行方向A1において、中間検出部16aを挟んで通路PW1の出口E2寄りに中間検出部16aと隣接して、具体的には中間部17fと第2回動軸142との間に配置されている。すなわち、通行方向A1において、中間検出部16aを挟んで互いに反対側に入口検出部16bおよび出口検出部16cがそれぞれ配置され、これらの検出部16a,16b,16cが並んでいる。
【0029】
中間検出部16aは、第1面S1および第2面S2に対して傾斜する方向に沿って、通路PW1の中間点PM1付近に投光する。通路PW1の中間点PM1は、中央線CL1の通行方向A1(第1方向X)における長さの中間に相当する地点である。中間検出部16aの指向位置Paは、中間検出部16aの投光位置が存する第3面S3において、中央線CL1上の基準高さHに相当する位置である。中間検出部16aの投光位置は、例えば中間検出部16aの投光部の通行方向A1における位置である。したがって、中間検出部16aから投光された光の始点と到達目標点とを結んだ投光線(
図1に示す実線L11)は、第3面S3の面上に存在するが、第1面S1および第2面S2のいずれの面上にも存在しない。この場合、到達目標点が指向位置Paとなる。
【0030】
これに対し、入口検出部16bは、第1面S1、第2面S2、および第3面S3のいずれに対しても傾斜する方向に沿って、通路PW1の入口E1側に向けて投光する。入口検出部16bの指向位置Pbは、通行方向A1における入口E1と第1回動軸141との間の所定位置が存する第3面S3において、中央線CL1上の基準高さHに相当する位置である。かかる所定位置は、例えば通行方向A1における読取部11の発光部11bの近傍である。したがって、入口検出部16bから投光された光の始点と到達目標点とを結んだ投光線(
図1に示す実線L12)は、第1面S1、第2面S2、および第3面S3のいずれの面上にも存在しない。この場合、到達目標点が指向位置Pbとなる。
【0031】
また、出口検出部16cは、第1面S1、第2面S2、および第3面S3のいずれに対しても傾斜する方向に沿って、通路PW1の出口E2側に向けて投光する。出口検出部16cの指向位置Pcは、通行方向A1における第2回動軸142と出口E2との間の所定位置が存する第3面S3において、中央線CL1上の基準高さHに相当する位置である。かかる所定位置は、例えば通行方向A1における表示部15の近傍である。したがって、出口検出部16cから投光された光の始点と到達目標点とを結んだ投光線(
図1に示す実線L13)は、第1面S1、第2面S2、および第3面S3のいずれの面上にも存在しない。この場合、到達目標点が指向位置Pcとなる。
【0032】
図5は、改札機10の制御ブロックの一例を示す図である。改札機10は、読取部11、磁気券処理部19、開閉扉14、表示部15、および検出部16を備えている。制御部18は、読取部11、後述する磁気券処理部19(投入部12、排出部13)、開閉扉14、表示部15、検出部16などの各動作を制御する。制御部18は、読取部11、磁気券処理部19、開閉扉14、表示部15、および検出部16とそれぞれ制御線を介して接続される。
【0033】
読取部11は、アンテナ111と、通信制御部112と、発光部113とを備えている。通信制御部112は、アンテナ111を介した電波の発信、および
図1に示す読取面11aに翳された媒体からアンテナ111を介して取得した電波に含まれる情報の復調などを行う。発光部113は、媒体の利用が可能である場合、換言すれば媒体に記録された情報(乗車情報)を読取部11が読み取り可能な状態である場合、発光状態となる。これにより、利用者は、読取部11が利用可能であることを視認できる。この状態において、読取部11は、媒体からの応答を要求する信号(捕捉コマンド)を所定周期で連続的に発信(ポーリング)する。これに対し、発光部113は、媒体の利用が不可能である場合、換言すれば媒体に記録された情報を読取部11が読み取り不可能な状態である場合、発光状態とならない(無発光状態である)。これにより、利用者は、読取部11が利用不可能であることを視認できる。
【0034】
磁気券処理部19は、投入部12、排出部13、搬送機構、磁気処理部、印刷部、穿孔部などを備えている。搬送機構は、投入部12から投入された磁気券を磁気処理の工程に従って順次搬送する。磁気処理部は、磁気券から磁気情報を読み取り、磁気券に磁気情報を書き込む。印刷部は、必要に応じて磁気券に情報を印刷する。穿孔部は、必要に応じて磁気券に穿孔を施す。
【0035】
制御部18は、媒体制御部181、表示制御部182、扉制御部183、磁気券制御部184、検出制御部185などを備えている。
【0036】
媒体制御部181は、例えば利用者の通路PW1内への進入を検出部16が検出した場合、読取部11を駆動して、媒体を受け付けて該媒体から乗車情報を読み取る。次いで、媒体制御部181は、例えば入場時の改札処理として入場駅、入場開始時間、入場終了時間、SF残額などの媒体への書き込み、あるいは出場時の改札処理として出場駅、出場開始時間、出場終了時間、SF残額などの媒体への書き込みを行う。
【0037】
表示制御部182は、媒体制御部181で媒体に対して改札処理が行われた際、その処理結果を表示部15に表示させる。表示制御部182は、例えば入場時および出場時の改札処理の結果として、SF残額などを表示させ、利用者に周知させる。
【0038】
扉制御部183は、例えば利用者の通路PW1内への進入を検出部16が検出した場合、アクチュエータなどを駆動し、入口開閉扉14aを第1回動軸141まわりに回動させて開く。また、扉制御部183は、例えば読取部11が読み取った乗車情報が適正でない場合、アクチュエータなどを駆動し、出口開閉扉14bを第2回動軸142まわりに回動させて閉じる。なお、扉制御部183は、検出部16の検出結果に応じて、利用者が運賃の発生しない幼児であると判定した場合、その他の条件に関わらず出口開閉扉14bを開く。
【0039】
磁気券制御部184は、磁気券処理部19を動作させて磁気券に対して各種処理を行う。磁気券制御部184は、例えば投入部12から磁気券が投入されると、磁気処理の工程に従って搬送機構で磁気券を順次搬送し、磁気処理部で情報の読み取りおよび書き込み、印刷部で情報の印刷、穿孔部で穿孔などの処理を行い、これらの処理が済んだ磁気券を必要に応じて排出部13から排出する。
【0040】
検出制御部185は、検出部16を動作させて検出波を送波させる。検出制御部185は、例えば発光素子などの投光部を駆動して投光させ、被検体である利用者から反射した光を受光素子などの受光部で受光させる。そして、検出制御部185は、検出部16が検出した通路PW1における所定身長以上の利用者の有無に応じて、該利用者が大人等もしくは幼児のいずれであるかを判別する。具体的には、検出部16が指向位置からの反射光を受光している場合、検出制御部185は、利用者の身長が指向位置に相当する高さ以上であるものとして、利用者が大人等であると判定する。これに対し、検出部16が指向位置からの反射光を受光していない場合、検出制御部185は、利用者の身長が指向位置に相当する高さ未満であるものとして、利用者が幼児であると判定する。
【0041】
例えば、入口検出部16b、中間検出部16a、出口検出部16cのいずれかが指向位置Pb,Pa,Pcからの反射光を受光している場合、検出制御部185は、利用者が大人等であると判定可能である。これに対し、入口検出部16b、中間検出部16a、出口検出部16cのいずれでも指向位置Pb,Pa,Pcからの反射光を受光していない場合、検出制御部185は、利用者が幼児であると判定可能である。
【0042】
このように、本実施形態によれば、検出部16、具体的には中間検出部16a、入口検出部16b、および出口検出部16cは、いずれも筐体17の上面部17aに設けられている。したがって、例えば検出部(センサ)を配置するためのポール部を設けて、改札機10を嵩上げすることは要しない。このため、従来のようなポール部の分だけ、改札機10の高さ(第3方向Zの寸法)を抑えることができ、例えば係員から改札機10を見た際の死角が縮小され、利用者を目視しやすくなる。加えて、ポール部が不要となるため、改札機10の構造を簡略化することができる。
【0043】
また、入口検出部16bおよび出口検出部16cは、第1面S1、第2面S2、および第3面S3のいずれに対しても傾斜する方向に沿って、通路PW1に向けて投光する。すなわち、これらの検出部16b,16cは、第1面S1および第2面S2に加えて、第3面S3に対しても傾斜する方向に沿って、通路PW1内の指向位置Pb,Pcに向けて投光可能となっている。このため、入口検出部16bおよび出口検出部16cを中間検出部16aに隣接して筐体17の中間部17fの近傍に配置できる。これにより、例えば入口検出部16bおよび出口検出部16cが不感帯を有している場合であっても、該不感帯が故意に遮られて大人検知がなされない事態を適切に回避できる。
【0044】
具体的には、入口検出部16bを筐体17の中間部17fの近傍に配置し、入口検出部16bから第1面S1、第2面S2、および第3面S3のいずれに対しても傾斜する方向に沿って、指向位置Pbに向けて投光することで、利用者が不感帯まで到達するよりも先に、利用者を入口検出部16bの指向位置Pbに到達させることができる。このため、入口検出部16bで大人検知される前に、利用者によって入口検出部16bの不感帯が遮られることを抑止できる。これにより、利用者が故意に入口検出部16bの不感帯を遮ることで大人検知されない事態(不正)を回避できる。
【0045】
なお、通路PW1が一方通行ではなく双方向通行可能な場合、通路PW1の入口E1と出口E2は、いずれも入口あるいは出口となり得る。したがって、入口検出部16bだけでなく、出口検出部16cを筐体17の中間部17fの近傍に配置し、出口検出部16cから第1面S1、第2面S2、および第3面S3のいずれに対しても傾斜する方向に沿って、指向位置Pcに向けて投光することで、通路PW1が双方向通行可能な場合であっても、同様に大人検知されない事態(不正)を回避できる。
【0046】
すなわち、本実施形態に係る改札機10によれば、高さを抑えて構造を簡略化させることができるとともに、検出部16が不感帯を有する場合であっても適切に大人検知することができる。
【0047】
ここで、上述した実施形態では、改札機10の筐体17が一つの通路(第1通路)PW1を規定しているが、改札機の筐体が二つの通路(第1通路および第2通路)を規定してもよい。以下、改札機の筐体が二つの通路を規定する場合の実施形態を第2の実施形態として説明する。なお、第2の実施形態に係る改札機の基本的な構成は、第1の実施形態に係る改札機10(
図1から
図5)と同様である。したがって、以下では、かかる改札機の基本的な構成についての説明は省略もしくは簡略化し、第2の実施形態の特徴である第1の実施形態との相違点について詳述する。その際、第1の実施形態と同一もしくは類似の構成部材については、同一の参照符号を用いる。
【0048】
(第2の実施形態)
図6および
図7には、第2の実施形態に係る改札機20の概略的な構成を示す。
図6は、第2の実施形態に係る改札機20の概略的な構成を示す斜視図である。
図7は、改札機20の概略的な構成を示す端面図である。本実施形態において、改札機20は、読取部11、投入部12、排出部13、開閉扉14(14a、14b)、表示部15、第1検出部16、筐体27、制御部18などに加えて、第2検出部26を備えている。制御部18は、読取部11、投入部12、排出部13、開閉扉14(14a、14b)、表示部15、第1検出部16などに加えて、第2検出部26の各動作を制御する。
【0049】
改札機20の筐体27は、改札機20の扁平矩形状の外形を規定する上面部27a、側面部27b,27c、端面部27d,27eを有している。上面部27aは、主として第1面(水平面)S1と平行な面部である。側面部27b,27cは、主として第2面S2と平行な面部である。側面部27bは、第1通路PW1に面する面部である。側面部27cは、側面部27bの背面部であり、第2通路PW2に面する面部である。端面部27d,27eは、主として第3面S3と平行な面部である。端面部27dは、第1通路PW1の入口E1および第2通路PW2の入口E21側の面部である。端面部27eは、第1通路PW1の出口E2側および第2通路PW2の出口E22側の面部である。
【0050】
なお、図示は省略するが、筐体27には第2通路PW2に面する側面部27cにも開閉扉14(入口開閉扉14aおよび出口開閉扉14b)と同様の開閉扉が配置され、筐体27に対して回動可能に支持されている。側面部27cの入口開閉扉は、所定の回動軸まわりに回動し、利用者が第2通路PW2に進入可能な開扉状態と進入不可能な閉扉状態のいずれかとなる。すなわち、かかる入口開閉扉は、入口E21より先への利用者の進入を規制する。側面部27cの出口開閉扉は、所定の回動軸まわりに回動し、利用者が第2通路PW2から退出可能な開扉状態と退出不可能な閉扉状態のいずれかとなる。すなわち、かかる出口開閉扉は、入口開閉扉を通過した利用者の出口E22からの退出を規制する。
【0051】
改札機20の筐体27は、利用者が通行する第1通路PW1を規定する。例えば、
図7に示すように、筐体27は、第2方向Yに隣り合う改札機10aの筐体17との間で第1通路PW1を規定する。さらに、筐体27は、筐体27に対して第1通路PW1とは反対側に、利用者が通行する第2通路PW2を規定する。すなわち、筐体27は、第2方向Yにおいて改札機10aとは反対側で隣り合う改札機10の筐体17との間で、第2通路PW2を規定する。
図7に示す例では、双方の改札機20,10の筐体27,17の側面部27c,17b間の空間として第2通路PW2が形成されている。第2通路PW2の通路幅W2は、これら側面部27c,17b同士の第2方向Yにおける離間距離である。
【0052】
第2検出部26は、第1検出部16と同様に、投光部および受光部を内蔵した反射型のセンサであり、投光部から投光されて被検体で反射された光を受光部で受光する。第2検出部26は、筐体27の上部に配置され、検出波を送波する。
図6および
図7に示す例において、第2検出部26は、筐体27の上面部27aに配置されている。ただし、検出部26は、例えば筐体27の側面部27cの上部(上面部27aの近傍部位)などに配置されていてもよい。第2検出部26は、第2通路PW2の中央線CL2上の所定高さ位置(指向位置)を指向して投光する。所定高さは、第1の実施形態と同一の基準高さHである(
図2参照)。ただし、この場合の基準高さは、第2通路PW2の路面の中央線CL2から第3方向Zに沿った距離(高さ)である。
【0053】
また、第2検出部26は、第1検出部16と同様に、中間検出部(第2中間検出部)26a、入口検出部(第2入口検出部)26b、および出口検出部(第2出口検出部)26cを有している。
中間検出部26aは、第2通路PW2の通行方向A2において、筐体27の中間部27fに配置されている。入口検出部26bおよび出口検出部26cは、筐体27の中間部27fの近傍に配置されている。入口検出部26bは、通行方向A2において、中間検出部26aを挟んで第2通路PW2の入口E21寄りに中間検出部26aと隣接して配置されている。これに対し、出口検出部26cは、通行方向A2において、中間検出部26aを挟んで第2通路PW2の出口E22寄りに中間検出部26aと隣接して配置されている。すなわち、通行方向A2において、中間検出部26aを挟んで互いに反対側に入口検出部26bおよび出口検出部26cがそれぞれ配置され、これらの検出部26a,26b,26cが並んでいる。
【0054】
図6には、第1検出部16および第2検出部26からの投光態様を示す。
図6に示すように、中間検出部16a、入口検出部16b、および出口検出部16cの第1通路PW1に対する投光の態様は、第1の実施形態(
図1)と同様である。
【0055】
中間検出部26aは、第1面S1および第2面S2に対して傾斜する方向に沿って、第2通路PW2の中間点PM2付近に投光する。したがって、中間検出部26aから投光された光の始点と到達目標点(指向位置Pa2)とを結んだ投光線(
図6に示す破線L21)は、第3面S3の面上に存在するが、第1面S1および第2面S2のいずれの面上にも存在しない。
【0056】
これに対し、入口検出部26bは、第1面S1、第2面S2、および第3面S3のいずれに対しても傾斜する方向に沿って、第2通路PW2の入口E21側に向けて投光する。したがって、入口検出部26bから投光された光の始点と到達目標点(指向位置Pb2)とを結んだ投光線(
図6に示す破線L22)は、第1面S1、第2面S2、および第3面S3のいずれの面上にも存在しない。
【0057】
また、出口検出部26cは、第1面S1、第2面S2、および第3面S3のいずれに対しても傾斜する方向に沿って、第2通路PW2の出口E22側に向けて投光する。したがって、出口検出部26cから投光された光の始点と到達目標点(指向位置Pc2)とを結んだ投光線(
図6に示す破線L23)は、第1面S1、第2面S2、および第3面S3のいずれの面上にも存在しない。
【0058】
このように、本実施形態の改札機20によれば、第1通路PW1のみならず、第2通路PW2においても、例えば入口検出部26bおよび出口検出部26cの不感帯が故意に遮られて大人検知がなされない事態を適切に回避できる。
【0059】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、上述した各実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0060】
上述した第1の実施形態および第2の実施形態では、改札機10,10a,20が鉄道駅の改札口に設置される場合を想定したが、改札機の用途は、交通機関の改札業務に限定されない。例えば、オフィスビル、イベントホール、美術館や博物館などの出入口に設置される入退館ゲートとして改札機を用いることも可能である。
【符号の説明】
【0061】
10,10a,20…改札機、11…読取部、12…投入部、13…排出部、14,14a,14b…開閉扉、15…表示部、16,26…検出部(第1検出部、第2検出部)
16a,26a…中間検出部、16b,26b…入口検出部、16c,26c…出口検出部、17,27…筐体、17a,27a…上面部、17b,17c,27b,27c…側面部、17d,17e,27d,27e…端面部、17f,27f…中間部、18…制御部、19…磁気券処理部、141…第1回動軸、142…第2回動軸、181…媒体制御部、182…表示制御部、183…扉制御部、184…磁気券制御部、185…検出制御部、A1,A2…通路の通行方向、CL1,CL2…通路の中央線、E1,E21…入口、E2,E22…出口、H…基準高さ、L11,L21…中間検出部の投光線、L12,L22…入口検出部の投光線、L13,L23…出口検出部の投光線、Pa,Pa2…中間検出部の指向位置、Pb,Pb2…入口検出部の指向位置、Pc,Pc2…出口検出部の指向位置、PL…筐体の奥行、PM1,PM2…通路の中間点、PW1…通路(第1通路)、PW2…通路(第2通路)、S1…第1面、S2…第2面、S3…第3面、W1,W2…通路幅、X…第1方向、Y…第2方向、Z…第3方向。