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  • 特開-シートベルト着脱検出スイッチ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022164357
(43)【公開日】2022-10-27
(54)【発明の名称】シートベルト着脱検出スイッチ
(51)【国際特許分類】
   H01H 21/28 20060101AFI20221020BHJP
   B60R 22/48 20060101ALI20221020BHJP
   B60R 22/18 20060101ALI20221020BHJP
   A44B 11/26 20060101ALI20221020BHJP
【FI】
H01H21/28 Z
B60R22/48 103
B60R22/18
A44B11/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021069796
(22)【出願日】2021-04-16
(71)【出願人】
【識別番号】000194918
【氏名又は名称】ホシデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121706
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128705
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 幸雄
(74)【代理人】
【識別番号】100147773
【弁理士】
【氏名又は名称】義村 宗洋
(72)【発明者】
【氏名】出▲崎▼ 健二郎
(72)【発明者】
【氏名】河西 孝英
【テーマコード(参考)】
3B090
3D018
5G219
【Fターム(参考)】
3B090BC02
3B090BC22
3D018BA14
3D018QA02
5G219GS21
5G219HT01
5G219HU13
5G219JU03
5G219KU62
5G219KW09
(57)【要約】
【課題】小型なシートベルト着脱検出スイッチを提供する。
【解決手段】シートベルトの着脱検出用の回路を含むプリント基板と、シートベルトのタングプレートの挿入に伴ってスライド移動する可動プレートと、可動プレートに連結されたレバーを備え、プリント基板に回転可能に取り付けられ、タングプレートのバックルへの押し込みに伴って回転する回転子と、回転子のプリント基板に対向する面に取り付けられ、回転子の回転の状態に応じて回路の導電部との接触/非接触の状態が変化する脚部を有する電気ブラシを含む。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートベルトの着脱検出用の回路を含むプリント基板と、
前記シートベルトのタングプレートの挿入に伴ってスライド移動する可動プレートと、
前記可動プレートに連結されたレバーを備え、前記プリント基板に回転可能に取り付けられ、前記タングプレートのバックルへの押し込みに伴って回転する回転子と、
前記回転子の前記プリント基板に対向する面に取り付けられ、前記回転子の回転の状態に応じて前記回路の導電部との接触/非接触の状態が変化する脚部を有する電気ブラシを含む
シートベルト着脱検出スイッチ。
【請求項2】
請求項1に記載のシートベルト着脱検出スイッチであって、
前記レバーの先端に、前記プリント基板から遠ざかる方向に突出し、前記可動プレートに設けられた溝に挿通される突起部を含み、
前記溝は、タングプレート引き抜き方向に延伸された第1の直線部と、前記第1の直線部よりもタングプレート引き抜き方向に位置して前記第1の直線部の延伸方向を基準として角度θ(ただし、θ<90°)傾斜してタングプレート引き抜き方向に延伸された傾斜部と、前記傾斜部よりもタングプレート引き抜き方向に位置して、前記第1の直線部の延伸方向と平行な向きに延伸された第2の直線部を含む
シートベルト着脱検出スイッチ。
【請求項3】
請求項1または2に記載のシートベルト着脱検出スイッチであって、
前記回転子は、
前記プリント基板に向かって延伸する軸を含み、
前記プリント基板は、
前記軸と嵌合する穴を含む
シートベルト着脱検出スイッチ。
【請求項4】
請求項1から3の何れかに記載のシートベルト着脱検出スイッチであって、
前記回転子は、
前記プリント基板に向かって延伸し延伸方向と異なる方向に張り出した爪を含み、
前記プリント基板は、
前記爪を挿通する円弧形状のスリットを含む
シートベルト着脱検出スイッチ。
【請求項5】
請求項1から4の何れかに記載のシートベルト着脱検出スイッチであって、
前記回転子は、
順方向の回転を制限する第1の突起と、
逆方向の回転を制限する第2の突起を含み、
前記プリント基板は、
前記回転子が順方向の回転の予め定めた限界角度にあるとき、前記第1の突起と嵌合する第1の溝と、
前記回転子が逆方向の回転の予め定めた限界角度にあるとき、前記第2の突起と嵌合する第2の溝を含む
シートベルト着脱検出スイッチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートベルト着脱検出スイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
シートベルトバックルスイッチの従来技術として例えば特許文献1がある。特許文献1のシートベルトバックルスイッチは、バックルの内部に設置される基板と、基板上に形成された電極領域と、基板に基板上をスライド可能に取付けられ、タングプレートの着脱動作に連動してスライドするスライダと、スライダが基板上をスライドすることで電極領域に対して接触または非接触のいずれかの状態となるように、スライダのスライド方向に延びて基板または電極領域に接触する1つ以上の導電性の脚部を有する可動端子と、基板に1つ以上の段差部が設けられることで構成され、段差部は電極領域の少なくとも一部に沿って連続または断続して延びて、段差部によってスライダのスライド時に可動端子が案内されるガイド部を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-159723号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のシートベルトバックルスイッチの動作方向はタングプレートの動作方向と同じであるため、タングプレートの可動域と同じ動作範囲となるスイッチを用いる必要があり、スイッチのサイズが大きくなってしまうことが課題である。
【0005】
そこで本発明では、小型なシートベルト着脱検出スイッチを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のシートベルト着脱検出スイッチは、プリント基板と、可動プレートと、回転子と、電気ブラシを含む。
【0007】
プリント基板は、シートベルトの着脱検出用の回路を含む。可動プレートは、シートベルトのタングプレートの挿入に伴ってスライド移動する。回転子は、可動プレートに連結されたレバーを備え、プリント基板に回転可能に取り付けられ、タングプレートのバックルへの押し込みに伴って回転する。電気ブラシは、回転子のプリント基板に対向する面に取り付けられ、回転子の回転の状態に応じて回路の導電部との接触/非接触の状態が変化する脚部を有する。
【発明の効果】
【0008】
小型なシートベルト着脱検出スイッチとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】シートベルト着脱検出スイッチの分解斜視図。
図2】シートベルト着脱検出スイッチの斜視図。
図3】シートベルト着脱検出スイッチのプリント基板を除いた状態の斜視図。
図4】シートベルト着脱検出スイッチの初期状態の平面図。
図5】シートベルト着脱検出スイッチの順方向に回転した状態の平面図。
図6】第1および第2可動プレートと連結した状態を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、同じ機能を有する構成部には同じ番号を付し、重複説明を省略する。
【実施例0011】
以下、図1を参照して実施例1のシートベルト着脱検出スイッチの構成を説明する。同図に示すように、本実施例のシートベルト着脱検出スイッチ1は、プリント基板11と、回転子12と、電気ブラシ14を含む。なお、本実施例のシートベルト着脱検出スイッチ1は、構成部品として後述の第1可動プレート、第2可動プレートと連結されるが、この第1可動プレート、第2可動プレートをシートベルト着脱検出スイッチ1の構成部品と考えてもよい。なお、第1可動プレート2、第2可動プレート3は樹脂材とすることができる。第1可動プレート2、第2可動プレート3は互いに固着される。なお、第1可動プレート2、第2可動プレート3を一体成型により1つの部品として形成することもできる。
【0012】
プリント基板11は、第1の回路111と、第2の回路112と、穴113と、スリット114と、第1の溝115と、第2の溝116を含む。回転子12は、レバー121と、軸122と、爪123と、第1の突起124と、第2の突起125と、突起部127を含む。電気ブラシ14は、第1の脚部141と、第2の脚部142を含む。
【0013】
図2に示すように、回転子12は、プリント基板11に回転可能に取り付けられている。具体的には、回転子12は、プリント基板11に向かって延伸する軸122を含み、プリント基板11は、軸122と嵌合する穴113を含み、回転子12は軸122を回転軸として回転可能とされている。
【0014】
回転子12は、回転子12の回転方向と垂直な方向に突出するレバー121を備える。レバー121の先端に、プリント基板11から遠ざかる方向に突出し、シートベルトバックル側の第2可動プレートの溝に挿通される突起部127を含み、これによりレバー121は、第2可動プレートと連結される(後述)。回転子12は、タングプレートのバックルへの押し込みに伴って順方向(同図の白抜き矢印Bの方向)に回転する。
【0015】
また回転子12は、プリント基板11に向かって延伸し延伸方向と異なる方向(回転中心から遠ざかる方向)に張り出した爪126を含み、プリント基板11は、爪126を挿通する円弧形状のスリット114を含む。爪126の先端が張り出していることにより、爪126の先端がスリット114と係り合って、回転子12の浮き、脱落を防止する。
【0016】
同様に回転子12は、プリント基板11に向かって延伸し延伸方向と異なる方向(回転中心に近づく方向)に張り出した爪123を含む。爪123の先端がプリント基板11の円弧形状に切り欠かれた領域と係り合って、回転子12の浮き、脱落を防止する。
【0017】
また回転子12は、順方向の回転(同図の白抜き矢印Bの回転方向)を制限する第1の突起124と、逆方向の回転を制限する第2の突起125を含み、プリント基板11は、回転子12が順方向の回転の予め定めた限界角度にあるとき、第1の突起124と嵌合する第1の溝115と、回転子12が逆方向の回転の予め定めた限界角度にあるとき、第2の突起125と嵌合する第2の溝116を含み、第1の溝115と第2の溝116の間は、円弧形状に切り欠かれている。
【0018】
図3に示すように、電気ブラシ14は、回転子12のプリント基板に対向する面に取り付けられ、回転子12の回転の状態に応じてプリント基板11上の第1の回路111の導電部との接触/非接触の状態が変化する第1の脚部141と、回転子12の回転の状態に応じてプリント基板11上の第2の回路112の導電部との接触/非接触の状態が変化する第2の脚部142を含む。なお、第1の回路111、第2の回路112はシートベルトの着脱検出用の回路である。
【0019】
図4に初期状態の回転子12の向きを示し、図5に順方向一杯まで回転した状態の回転子12の向きを示す。
【0020】
図6に示すように、本実施例のシートベルト着脱検出スイッチ1は、第1可動プレート2、第2可動プレート3と連結される。上述したように、第1可動プレート2、第2可動プレート3は一つの部品として形成してもよい。第1可動プレート2、第2可動プレート3は、タングプレート挿入に伴って同図の矢印P方向から力を受けて、同矢印の方向にスライドする。第2可動プレート3は溝31を含み、溝31には突起部127が挿通される。溝31は、第1の直線部31a、傾斜部31b、第2の直線部31cからなる段差付きの形状であって、第1の直線部31aは、タングプレート引き抜き方向に延伸され、傾斜部31bは、第1の直線部31aに隣接して、第1の直線部31aよりもタングプレート引き抜き方向に位置して、第1の直線部31aの延伸方向を基準として角度θ(ただし、θ<90°)傾斜してタングプレート引き抜き方向に延伸され、第2の直線部31cは、傾斜部31bに隣接して、傾斜部31bよりもタングプレート引き抜き方向に位置して、第1の直線部31aの延伸方向と平行な向きに延伸されている。
【0021】
第2可動プレート3は、タングプレート挿入に伴って同図の矢印P方向にスライドする。これに伴い、突起部127は溝31内を移動して傾斜部31bを通過する。このとき、突起部127は、傾斜部31bのタングプレート引き抜き方向にある縁とぶつかることにより、白抜き矢印Bの方向に力を受けて、同矢印の方向に回転する(図5の状態)。突起部127はこの状態で傾斜部31bを通過し、第2の直線部31c内を移動する。タングプレートが挿入されている間、回転子12は、図5に示す回転の状態となっている。
【0022】
次に、第2可動プレート3は、タングプレート引き抜きに伴って同図の白抜き矢印P方向と反対の方向にスライドする。これに伴い、突起部127は第2の直線部31c内を移動して再び傾斜部31bを通過する。このとき、突起部127は、傾斜部31bのタングプレート押し込み方向にある縁とぶつかることにより、白抜き矢印Fの方向に力を受けて、同矢印の方向に回転する(図4の状態)。突起部127はこの状態で傾斜部31bを通過し、第1の直線部31a内を移動する。タングプレートが抜き取られたとき、回転子12は、図4に示す状態となっている。
【0023】
本実施例のシートベルト着脱検出スイッチ1によれば、従来、シートベルトのタングプレートのバックルへの挿し込み、引き抜きに連動して1軸方向にスライドしていたスライダーを、回転動作する回転子12に変更したことにより、小型化を実現できた。また、回転子12に設けられた爪123、126により、回転子12のプリント基板11からの浮き、脱落を防ぐことができる。また、回転子12に設けられた第1の突起124、第2の突起125と、これらに嵌合する第1の溝115、第2の溝116を設けたことにより、回転子12を予め定めた角度の範囲で回転動作させることができる。
【0024】
また、第2可動プレート3に段差付きの溝31を設けて回転子12の突起部127を挿通し、タングプレートの着脱に伴って、突起部127が傾斜部31b内を移動することにより回転子12および電気ブラシ14が回転して、第1の回路111と、第2の回路112との接触/非接触の状態が変化することにより、タングプレートの着脱を正確に検知することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6