IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 新日本空調株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-凍結濃縮方法 図1
  • 特開-凍結濃縮方法 図2
  • 特開-凍結濃縮方法 図3
  • 特開-凍結濃縮方法 図4
  • 特開-凍結濃縮方法 図5
  • 特開-凍結濃縮方法 図6
  • 特開-凍結濃縮方法 図7
  • 特開-凍結濃縮方法 図8
  • 特開-凍結濃縮方法 図9
  • 特開-凍結濃縮方法 図10
  • 特開-凍結濃縮方法 図11
  • 特開-凍結濃縮方法 図12
  • 特開-凍結濃縮方法 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022164375
(43)【公開日】2022-10-27
(54)【発明の名称】凍結濃縮方法
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/22 20060101AFI20221020BHJP
   B01D 9/04 20060101ALI20221020BHJP
【FI】
C02F1/22 A
B01D9/04
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021069819
(22)【出願日】2021-04-16
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】390018474
【氏名又は名称】新日本空調株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002321
【氏名又は名称】弁理士法人永井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】黒田 尚紀
(72)【発明者】
【氏名】宮川 裕司
【テーマコード(参考)】
4D037
【Fターム(参考)】
4D037AA13
4D037AB18
4D037BA21
4D037BB01
(57)【要約】
【課題】解氷工程の終了時に氷分が完全に溶けた状態となる凍結濃縮方法を提供する。
【解決手段】課題は、被処理液を凍結濃縮処理により濃縮して氷分と処理済液とを得る凍結濃縮方法において、得られた氷分に、温水を掛けて溶かし解氷水を得て、当該解氷水を加温して再度氷分を溶かす温水として利用する工程を、繰り返し行う解氷工程を有し、前記解氷工程は、前記解氷水の温度(t3)が7℃以上になったときに終了するものであることを特徴とする凍結濃縮方法によって解決される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理液を凍結濃縮処理により濃縮して氷分と処理済液とを得る凍結濃縮方法において、
得られた氷分に、温水を掛けて溶かし解氷水を得て、当該解氷水を加温して再度氷分を溶かす温水として利用する工程を、繰り返し行う解氷工程を有し、
前記解氷工程は、前記解氷水の温度(t3)が7℃以上になったときに終了するものである、
ことを特徴とする凍結濃縮方法。
【請求項2】
被処理液を冷却処理して当該被処理液の一部が凍結されて生成した氷分を分離し、残りの被処理液を再度、冷却処理に利用する工程を繰り返して、所定レベルまで濃縮された処理済液を得る製氷工程を有し、
前記製氷工程と前記解氷工程が交互に繰り返し行われ、
前記被処理液の温度(t1)が前記残りの被処理液の温度(t4)より大であるときは、前記製氷工程を終了し、前記解氷工程を開始する、
ことを特徴とする請求項1記載の凍結濃縮方法。
【請求項3】
被処理液を冷却処理して当該被処理液の一部が凍結されて生成した氷分を分離し、残りの被処理液を再度、冷却処理に利用する工程を繰り返して、所定レベルまで濃縮された処理済液を得る製氷工程を有し、
前記製氷工程と前記解氷工程が交互に繰り返し行われ、
前記被処理液の温度(t1)と前記残りの被処理液の温度(t4)の差が1℃以上であるときは、前記製氷工程を終了し、前記解氷工程を開始する、
ことを特徴とする請求項1記載の凍結濃縮方法。
【請求項4】
被処理液を冷却処理して当該被処理液の一部が凍結されて生成した氷分を分離し、残りの被処理液を再度、冷却処理に利用する工程を繰り返して、所定レベルまで濃縮された処理済液を得る製氷工程を有し、
前記製氷工程と前記解氷工程が交互に繰り返し行われ、
前記残りの被処理液の温度(t4)が7℃以下であるときは、前記製氷工程を終了し、前記解氷工程を開始する、
ことを特徴とする請求項1記載の凍結濃縮方法。
【請求項5】
前記温水の温度(t2)と前記解氷水の温度(t3)の差が0.5℃以下になったときに前記解氷工程を終了する、
ことを特徴とする請求項1記載の凍結濃縮方法。
【請求項6】
前記製氷工程で用いられる被処理液を系外から補充する補充工程を有し、
前記補充工程は、前記製氷工程が終了した後に行うものである、
請求項2記載の凍結濃縮方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、凍結濃縮方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近時、凍結濃縮に関する技術は、福島第一原子力発電所のマスク洗浄排水に用いられる等、その重要性が増してきており、各種の提案がなされている。凍結濃縮とは、水溶液の水分のみを凍結させて、生成する氷結晶を未凍結の処理済液と分離することにより濃縮を達成する技術であり、基本的には所定量の被処理液を所定の濃縮限度まで凍結濃縮するとともに、濃縮限度まで濃縮された処理済液と氷分とを分離するものである。
【0003】
凍結濃縮は、処理済液と氷分との分離の観点からは、濃縮限度までの一回の濃縮処理を終えた後に分離操作を行う回分型と、濃縮過程で連続的に分離する連続型とに大別される。また氷の生成・成長形態の観点からは、冷却伝熱面に氷を付着・成長させる前進凍結法と、溶液中に粒状の氷を生成・成長させる懸濁結晶法とに大別される。
【0004】
特に前進凍結法の例としては、特許文献1において提案している凍結濃縮(凍結分離)装置がある。この凍結濃縮装置は、凍結濃縮槽内に冷却コイルを設け、その上方に散布部を設け、冷却コイルの下方に貯水部を設け、被処理液を散布部から冷却コイルに対して散布し、この被処理液は各冷却コイルと接触しながら下段側へ順次落下し、冷却コイルと液膜状態で接触しながら流下する過程で被処理液が冷却凍結されるように構成されたものである。また、凍結せずに貯水部に至った被処理液は散布部に対して循環供給され、再度冷却される。この循環供給を継続して行うことで、所定量の被処理液を濃縮限度(約10倍)まで濃縮することができるというものである。濃縮限度に達した処理済液は系外に排出される。なお、以下ではこの技術を流下液膜式凍結濃縮という。
【0005】
また、特許文献2記載のものも前進凍結法の範疇に入るものである。この先行技術は、冷却体表面における氷生成に際し、過冷却度が大きすぎることによる氷結晶中への溶質取込を解決しようとするものであり、このために蒸留水を用いて冷却体表面に純氷を予め生成させておくことで、冷却体近傍の処理液の過度な過冷却を抑制するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001-47034号公報
【特許文献2】特開平10-54629号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の凍結濃縮技術には下記のような問題点があった。通常の運転時においては、凍結濃縮装置は、製氷する工程と解氷する工程を繰り返すことによって被処理液が濃縮されるが、冷却コイルに形成される氷分の製氷量は、凍結濃縮槽に被処理液を供給する被処理液供給タンクの液位の変化によって計測され、解氷量は、解氷された水(以下、「解氷水」ともいう。)の容器である解氷水タンクの液位の変化によって計測される。しかしながら、停電等が発生すると、それまでの運転履歴が不明となってしまい、冷却コイルにどのくらいの氷分が形成された状態になっているかを把握することが困難になってしまう場合がある。冷却コイルに着氷のある状態で自動運転を再開すると、冷却コイルに形成されるべき氷分の最大量を超える量の被処理液が、被処理液タンクに供給されて製氷される結果、氷分が冷却コイルに過剰に形成されてしまう。これは、氷分のブリッジングや冷却コイルの破損をもたらす原因となりうる。
【0008】
そこで、本発明の主たる課題は、解氷工程の終了時に氷分が完全に溶けた状態にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための発明の態様は次記のとおりである。
(第1の態様)
被処理液を凍結濃縮処理により濃縮して氷分と処理済液とを得る凍結濃縮方法において、
得られた氷分に、温水を掛けて溶かし解氷水を得て、当該解氷水を加温して再度氷分を溶かす温水として利用する工程を、繰り返し行う解氷工程を有し、
前記解氷工程は、前記解氷水の温度(t3)が7℃以上になったときに終了するものである、
ことを特徴とする凍結濃縮方法。
【0010】
本発明者は、鋭意研究を重ね、解氷工程で温水により氷分を溶かす際、氷分が残っている間は解氷水が低い温度で推移するが、上記温度以上で、氷分が完全に溶けているを確認できた。氷分が完全に溶けていれば、製氷工程を行っても氷分を製造し過ぎることがなく、氷分のブリッジングや冷却コイルの破損をもたらすおそれがないので、凍結濃縮を安定して行うことができる。
【0011】
(第2の態様)
被処理液を冷却処理して当該被処理液の一部が凍結されて生成した氷分を分離し、残りの被処理液を再度、冷却処理に利用する工程を繰り返して、所定レベルまで濃縮された処理済液を得る製氷工程を有し、
前記製氷工程と前記解氷工程が交互に繰り返し行われ、
前記被処理液の温度(t1)が前記残りの被処理液の温度(t4)より大であるときは、前記製氷工程を終了し、前記解氷工程を開始する、
ことを特徴とする請求項1記載の凍結濃縮方法。
【0012】
製氷工程を行っている最中に、例えば、停電が発生して復電した場合、凍結濃縮処理の制御プログラムによってはそれまでの運転履歴がリセットされ、補充工程から再開することになる。そうすると、供給タンクに被処理液が補充されて製氷工程に移行して製氷すると、製氷されるべき本来の氷分を超過して製氷されてしまい、このことは氷分のブリッジングや冷却コイルの破損をもたらす原因となり得る。本態様は、前記被処理液の温度(t1)が前記残りの被処理液の温度(t4)より大であるときは、前記製氷工程を終了し、前記解氷工程を開始するものであるので、氷分が残っている状態で製氷工程が開始されたとしても、t1>t4の判定によって製氷工程が終了する結果、氷分を超過して製氷されることがない。
【0013】
(第3の態様)
被処理液を冷却処理して当該被処理液の一部が凍結されて生成した氷分を分離し、残りの被処理液を再度、冷却処理に利用する工程を繰り返して、所定レベルまで濃縮された処理済液を得る製氷工程を有し、
前記製氷工程と前記解氷工程が交互に繰り返し行われ、
前記被処理液の温度(t1)と前記残りの被処理液の温度(t4)の差が1℃以上であるときは、前記製氷工程を終了し、前記解氷工程を開始する、
ことを特徴とする請求項1記載の凍結濃縮方法。
【0014】
第2の態様と同様に、|t1-t4|≧1℃の判定によって製氷工程が終了する結果、氷分を超過して製氷されることがない。
【0015】
(第4の態様)
被処理液を冷却処理して当該被処理液の一部が凍結されて生成した氷分を分離し、残りの被処理液を再度、冷却処理に利用する工程を繰り返して、所定レベルまで濃縮された処理済液を得る製氷工程を有し、
前記製氷工程と前記解氷工程が交互に繰り返し行われ、
前記残りの被処理液の温度(t4)が7℃以下であるときは、前記製氷工程を終了し、前記解氷工程を開始する、
ことを特徴とする請求項1記載の凍結濃縮方法。
【0016】
第2の態様と同様に、t4≦7℃の判定によって製氷工程が終了する結果、氷分を超過して製氷されることがない。
【0017】
(第5の態様)
前記温水の温度(t2)と前記解氷水の温度(t3)の差が0.5℃以下になったときに前記解氷工程を終了する、
ことを特徴とする請求項1記載の凍結濃縮方法。
【0018】
解氷水の温度(t3)が温水の温度(t2)に近づくということは、解氷水が温まることを意味し、|t2-t3|≦0.5℃の判定によって氷分が完全に溶けた状態と判断でき、製氷工程に移行する準備が整ったといえる。
【0019】
(第6の態様)
前記製氷工程で用いられる被処理液を系外から補充する補充工程を有し、
前記補充工程は、前記製氷工程が終了した後に行うものである、
請求項2記載の凍結濃縮方法。
【0020】
製氷工程の最中に補充工程が行われると、氷分の過剰な製造の原因となるので、補充工程を製氷工程が終了した後に行うことで、氷分の過剰な製造を回避することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によると、解氷工程の終了時に氷分が完全に溶けた状態となる凍結濃縮方法となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施形態を表す図である。
図2】実施形態を用いた運転例を示す概要図である。
図3】実施形態を用いた運転例を示す概要図である。
図4】実施形態を用いた運転例を示す概要図である。
図5】実施形態を用いた運転例を示す概要図である。
図6】実施形態を用いた運転例を示す概要図である。
図7】実施形態を用いた運転例を示す概要図である。
図8】実施形態を用いた運転例を示す概要図である。
図9】各工程における温度と液量の経時変化を示すグラフである。
図10】温度と液量の経時変化を示すグラフである。
図11】温度と液量の経時変化を示すグラフである。
図12】温度と液量の経時変化を示すグラフである。
図13】凍結濃縮処理のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に、発明を実施するための形態を説明する。なお、本実施の形態は、本発明の一例である。本発明の範囲は、本実施の形態の範囲に限定されない。
【0024】
図1に示す本発明に係る凍結濃縮装置1は、被処理液を凍結して氷分と処理済液に分離する凍結濃縮槽4と、被処理液を凍結濃縮槽4に供給する供給タンク2と、系外から補充された被処理液J1を一時的に貯留するとともに、供給タンク2に供給する被処理液貯留タンク6と、氷分が解氷されて得られた解氷水を受ける解氷水タンク3と、解氷水タンク3から供給される解氷水を一時的に貯留し、系外に流出する解氷水貯留タンク7とで主に構成される。
【0025】
本発明で行う凍結濃縮処理とは、不純物が混じる被処理液を冷却し、当該被処理液の一部を氷分として凍結させて分離し、残分、すなわち処理済液を得る処理をいい、得られる処理済液は当初被処理液よりも不純物の濃度が高まったものとなる。ここで、被処理液を冷却する手法としては、例えば、被処理液よりも低温の物体に被処理液を通す等の手法を挙げることができる。以下、凍結濃縮処理の一連の工程について詳述する。
【0026】
(被処理液貯留タンク)
被処理液J1は、系外から供給され、系外から被処理液貯留タンク6に接続された流路6Bを流れて、被処理液貯留タンク6に導かれ一時的に貯留される。被処理液貯留タンク6とその下流に設けられた供給タンク2とは流路6Aで接続され、被処理液貯留タンク6に設けられたポンプP5によって、被処理液J1が流路6Aを流れ供給タンク2に供給される。
【0027】
(供給タンク)
供給タンク2には、凍結濃縮処理によって所定レベルまで濃縮された処理済液J2を系外に排出するための、ポンプP3と流路2Bが設けられている。また、供給タンク2には、ポンプP1と供給タンク2と凍結濃縮槽4を接続する流路2Aが設けられ、ポンプP1の圧力により供給タンク2内の被処理液が、流路2Aを流れて凍結濃縮槽4に供給される。流路2Aには、流路2Aを流れる被処理液の温度(t1)を計測する温度センサーT1が備わる。
【0028】
(凍結濃縮槽)
凍結濃縮槽4は、冷却コイル4Cと、当該冷却コイル4Cの上方に離間して備わる散布部4Gと、当該冷却コイル4Cの下方に備わる貯液部4Wと、貯液部4Wに溜まった液体が凍結濃縮槽4から流出される流出部を主に有する。貯液部4Wは、溜まった液体の液面が冷却コイル4Cの下方に離間するように維持される構成となっていると好ましい。当該流出部には当該液体が流出する流路4Aが備わり、当該流路4Aの下流端が2つに分岐されて、一方が供給タンク2に接続される流路4B、他方が解氷水タンク3に接続される流路4Dに接続されている。流路4Aには流路4Aを流れる液体の温度を計測する温度センサーT3が設けられ、流路4BにはバルブV1、流路4DにはバルブV2が設けられている。冷却コイル4Cは、冷却管からなり、冷却管内を流れる冷媒が当該冷却コイル4Cに備わるポンプP7による圧力によって循環し、冷凍機4Fによって冷却される、ものとなっている。散布部4Gは、液体を冷却コイル4Cに散布するものであり、散布部4Gから散布される液体としては、被処理液、解氷水、温水、浄水G2を例示できる。なお、浄水G2は、散布部4Gに接続されている流路4Eを流れて散布部4Gから散布される。流路4EにはバルブV3を設けることができる。この凍結濃縮槽4自体は、特開2001-47034号公報に記載のものと基本的に同じであり、流下液膜式のものである。冷凍機4Fは、特に限定されず一般的なものを用いることができ、蒸発温度が-5~-10℃であるとよい。
【0029】
(解氷水タンク)
流路4Dを流れる液体は、解氷水タンク3に流入する。解氷水タンク3には、ポンプP2と、解氷水タンク3と凍結濃縮槽4を接続する流路3Aが設けられ、ポンプP2の圧力により解氷水タンク3内の解氷水が、流路3Aを流れて凍結濃縮槽4に供給される。流路3Aには上流側から下流側に向かって、熱交換器5と、熱交換器5を通過し散布部4Gに供給される液体の温度を計測する温度センサーT2が設けられている。
【0030】
また、解氷水タンク3には、ポンプP4と、解氷水タンク3と解氷水貯留タンク7を接続する流路3Bが設けられ、ポンプP4の圧力により解氷水タンク3内の解氷水が、流路3Bを流れて解氷水貯留タンク7に供給される。
【0031】
(解氷水貯留タンク)
解氷水貯留タンク7は、解氷水タンク3から供給される解氷水を一時的に貯留し、系外に流出させるものである。解氷水貯留タンク7は、解氷水が排出される排出部と、当該流出部から系外に解氷水が流れる流路7A、及び当該流路7Aに設けられたポンプP6、系外から供給される浄水G1が流入する流路7Bと流入部を有する。流路7BにはバルブV4を設けることができる。
【0032】
(運転例)
本実施形態は、被処理液を凍結濃縮処理により濃縮して氷分と処理済液とを得る凍結濃縮方法であり、得られた氷分に、温水を掛けて溶かし解氷水を得て、当該解氷水を加温して再度氷分を溶かす温水として利用する工程を、繰り返し行う解氷工程を有し、前記解氷工程は、前記解氷水の温度(t3)が7℃以上になったときに終了するものである、ことを特徴とする。本実施形態によれば、着氷がある状態では製氷を行なわず、過剰な製氷を防止することができる。また、被処理液を最終的に処理済液と解氷水に分離することができる。凍結濃縮装置1を用いて被処理液を解氷水と処理済液に分離する一連の工程を以下に説明する。
【0033】
凍結濃縮処理により被処理液を解氷水と処理済液に分離する一連の工程は、製氷工程と解氷工程に大別され、製氷工程と解氷工程が交互に繰り返される。製氷工程は、さらに製氷濃縮工程、洗浄工程に区分される、解氷工程の後に、さらに解氷水移動工程を設けることができる。なお、製氷工程と解氷工程は同時に行わないものとすることができる。凍結濃縮処理のフローの一例を図13に示すが、この図に限定されるものではない。なお、ある工程の終了の判断及びその次の工程の開始の命令等は、図示しない中央演算処理装置で行うことができる。
【0034】
このほか、被処理液を系外から補充する補充工程を設けることができる。当該補充工程は製氷工程が終了した後に行うとよい。仮に製氷工程中に補充工程が行われるとすると、製氷工程中に停電その他の何らかの要因で凍結濃縮装置1が停止した場合に、再起動したときに、補充工程によって補充された被処理液を用いて製氷が再開されると、停止時において冷却コイル4Cに既に着氷された氷分の表層に、さらに氷分が形成されて過剰に成長し、冷却管間で氷分がブリッジングしたり、冷却コイル4Cの破損をもたらしたりするという不具合が発生する。また、再起動後に解氷工程を行うことによって、過剰に形成された氷分が溶けて解氷水となり、解氷水タンク3から溢れてしまうおそれもある。このようなことを発生させないように、補充工程を行うタイミングを製氷工程が終了した後とするとよい。製氷工程又は解氷工程において、解氷水貯留タンク7に溜まっている解氷水は、任意のタイミングで流路7AからポンプP6を起動させて系外に排出水として排出してもよい。
【0035】
(待機時)
製氷工程を説明する前に待機時について説明する。図2は、待機時を示す概略図である。待機時では冷却コイル4Cに氷分が着氷されていない。待機時においては、被処理液J1が系外から流路6Bを流れて被処理液貯留タンク6に供給される。解氷水タンク3には、解氷工程を行う前までに、解氷水タンク3と凍結濃縮槽4を循環するのに必要な量の水を溜めておくとよい。なお、各工程で利用されている設備機器や流路等を図面において太く、又は黒く塗りつぶして示してあることに留意されたい。
【0036】
(補充工程)
図3に示す補充工程は、ポンプP5を起動させて、被処理液貯留タンク6から被処理液が流路6Aを流れ補充されて、冷却コイル4Cに着氷する液量を供給タンク2に用意する工程である。冷却コイル4Cに着氷させる液量は、供給タンク2の液位で管理することができ、例えば液位があらかじめ定めておいた液位であるHレベルのときに、冷却コイル4Cに着氷される液量が用意されたと判断することができる。このHレベルのときの供給タンク2の液量を特に初期液量という。供給タンク2に用意された被処理液の温度は、特に限定されず周囲の雰囲気に依存するが、例えば、10~30℃であると、その後の工程に支障がなく好ましい。
【0037】
(製氷濃縮工程)
製氷工程は、被処理液を冷却処理して、当該被処理液の一部が凍結されて生成した氷分を分離し、残りの被処理液を再度、冷却処理に利用する工程を繰り返して、所定レベルまで濃縮された処理済液を得る工程である。製氷工程のうちの製氷濃縮工程は補充工程が終了した後に行うとよい。図4に示す製氷濃縮工程は、被処理液が、供給タンク2から始まり流路2Aを流れ、凍結濃縮槽4に至り、流路4A及び流路4Bを流れ、供給タンク2に戻る、という循環を行って、冷却コイル4Cに氷分を着氷させ成長させるという冷却処理を行う工程である。冷凍機4F及びポンプP7が起動され、冷却管を流れる冷媒の循環により冷却コイル4Cは、およそ-5~-10℃に冷却される。流路4Bに設けられたバルブV1は、製氷濃縮工程の間は開けておくとよい。
【0038】
ポンプP1を起動して流路2Aを流れ凍結濃縮槽4に至った被処理液は、凍結濃縮槽4に備わる散布部4Gから下方に離間して備わる冷却コイル4Cに散布される。散布された被処理液は、冷却コイル4Cの表面又は冷却コイル4Cに付着した氷分の表面を、液膜状をなして巡りながら流下し、その流下過程で被処理液(流下液)が冷却される。流下液の純水分の一部のみが冷却コイル4Cの表面又は冷却コイル付着氷分の表面に着氷し、残部は濃縮された被処理液(濃縮分)になる。これによって、凍結濃縮による氷分と濃縮分とへの分離がなされる。そしてこの残部濃縮分は、被処理液の連続循環によって順次当該着氷部位を通り流下する被処理液に順次取込まれ、洗い流される。かかる濃縮分を取り込みつつ流下し貯液部4Wに到達した被処理液は流路4A、4Bを介して供給タンク2に返送されて、タンク内の被処理液と混合された後、再度散布部4Gへと連続的に循環される。かかる供給タンク2と凍結濃縮槽4との間の被処理液の連続循環において、被処理液中の実質的に水のみが氷となり冷却コイル4Cに蓄えられ、不純物は蓄氷には取り込まれずに循環し続けるので、循環する被処理液の不純物濃度が経時的に高くなるとともに、被処理液から純粋な水が氷として分離されることになる。
【0039】
特徴的には、前述のとおり冷却コイル付着氷の表面を常に流下液が舐めるように流下し濃縮分を取り込み洗浄するので、濃縮分に含まれる不純物が一ヶ所に高濃度で留まりにくくなり、そのため製造した氷に不純物が取り込まれにくいとともに、製氷効率も高くなる。その結果、被処理液の90%以上を実質的に純水分のみからなる氷として蓄えることができる。製氷濃縮工程は、例えば、供給タンク2に用意した被処理液量(初期液量)の90%が氷分となったときの、供給タンク2の液位(Lレベル)をもって、終了と判断することができる。
【0040】
製氷工程では、被処理液が凍結濃縮処理により濃縮されて氷分が分離され、残りの被処理液が再度、凍結濃縮処理に利用されるが、前記被処理液の温度(t1)が前記残りの被処理液の温度(t4)より大であるときは、製氷工程を終了し、解氷工程を開始するとよい。前記被処理液の温度(t1)が前記残りの被処理液の温度(t4)より大であると、冷却コイル4Cに氷分が残留している可能性があり、製氷工程を継続すると氷分が過剰に形成されてしまうおそれがある。
【0041】
また、製氷工程を開始して、被処理液の温度(t1)と残りの被処理液の温度(t4)の差が1℃以上であるとき、又は、残りの被処理液の温度(t4)が7℃以下であるときは、製氷工程を終了し、解氷工程を開始するものとしてもよい。
【0042】
処理済液は、特に限定されないが例えば、製氷濃縮工程前における被処理液に含まれる不純物濃度が10倍に高められた(濃縮された)液体ということができる。
【0043】
(洗浄工程)
図6に示す洗浄工程は、製氷濃縮工程の終了後に行うとよい。洗浄工程は、製氷濃縮工程で散布部4Gや冷却コイル付着氷分の表面に残留した被処理液を洗い落とす工程である。流路4Eに備わるバルブV3を開け、浄水G2を流路4Eを介して散布部4Gに供給して、当該散布部4Gから冷却コイル4Cに散布する。浄水は冷却コイル4Cに残留する被処理液と混ざりつつ滴り落ちて、貯液部4Wから流路4A、4Bを流れ、供給タンク2に流れ込み、供給タンク2に入っている混合液と混ざる。浄水は一回の洗浄工程当たり所定量、用いるとよい。ここで、浄水としては、例えば上水、蒸留水等を用いることができる。洗浄工程を終えたら、バルブV3、バルブV1を閉じる。洗浄工程は、凍結濃縮槽4に供給された浄水が供給タンク2に回収された段階で終了するとよい。
【0044】
図5に示すように供給タンク2に溜まった濃縮された処理済液は、洗浄工程が終了した後にポンプP3を起動させて、流路2Bから系外に排出することができる。しかしながら、洗浄工程を終えた後に、処理済液J2として排出すると、処理済液に浄水が混じり、処理済液に含まれる不純物の濃度が薄まってしまう。そのため、処理済液J2として排出するタイミングを、製氷濃縮工程と洗浄工程の間とする方が、処理済液を濃いまま排出できるので好ましい。処理済液J2の排出量は、例えば、液量の収支バランスを考慮して、補充工程で被処理液貯留タンク6から供給タンク2に補充された被処理液の液量(補充量)の10%とするとよい。なお、処理済液J2が排出された後の供給タンク2の液位を特にLLレベルという。
【0045】
(解氷工程)
解氷工程は、製氷工程で得られた氷分に、温水を掛けて溶かし解氷水を得て、当該解氷水を加温して再度氷分を溶かす温水として利用する工程を、繰り返し行う工程である。図7に示す解氷工程では、解氷水タンク3に溜まる解氷水が、解氷水タンク3から始まり流路3Aを流れながら熱交換器5により温められ、凍結濃縮槽4に至り、流路4A及び流路4Dを流れ、解氷水タンク3に戻る、という循環を連続して行って、冷却コイル4Cに着氷した氷分を溶かすものとなっている。解氷工程の間は、熱交換器5を起動し、流路4Dに設けられるバルブV2を開けておく。
【0046】
製氷工程で冷却コイル4Cに着氷した氷分は、散布部4Gから供給される温水の散布を受けて溶け出して解氷水となり、貯液部4Wに落ち、流路4A、4Dを介して解氷水タンク3に回収される。冷却コイル4Cに氷分が多く残っているうちは、温水が当該氷分によって冷やされ、流路4Aを流れる解氷水の温度(t3)が散布される温水の温度(t2)よりも低くなるが、冷却コイル4Cの氷分が少なくなるにつれて、同解氷水の温度(t3)が散布される温水の温度(t2)に近づく。解氷工程を開始する前までに解氷水タンク3にあらかじめ入っている解氷水の温度を60℃程度に加温しておけば、多くの時間を費やすことなく解氷工程を終えることができ好ましい。解氷水の温度を加温するものとしては、例えば冷房や排熱から排出される熱量や電気ヒーター等を利用することができる。
【0047】
解氷工程は、解氷水の温度(t3)が7℃以上になったときに終了するとよい。当該温度であれば、冷却コイル4Cに着氷した氷分が全て溶けた状態となる。ここで、冷却コイル4Cに着氷した氷分が全て溶けた時点は、次のように判断することができる。例えば、解氷水の温度(t3)が7℃以上、より好ましくは10℃以上になったときに、冷却コイル4Cに着氷した氷分が全て溶けたと判断することができる。解氷水の温度(t3)は流路4Aに設けられた温度センサーT3で計測することができる。また、次のように判断することもできる。例えば、温水の温度(t2)と解氷水の温度(t3)の差が0.5℃以下、より好ましくは0.2℃以下になったときに、冷却コイル4Cに着氷した氷分が全て溶けたと判断することができる。従来は、冷却コイル4Cに着氷された氷分が完全に溶ける十分な時間、解氷工程を継続していたが、上記のように温度を基準にして解氷工程の終了の判断を行うことで、解氷工程にかかる時間を管理でき、処理時間の短縮化を図ることができる。
【0048】
解氷工程は、冷却コイル4Cに着氷した氷分が、全て溶けていなくてもある程度溶けた段階で適宜終了してよいようにも思える。しかしながら、当該氷分が残っていると、製氷工程を開始した場合に、その残っている氷分の表面に新たな氷分が付着して成長する結果、予期された氷分以上の氷分が、冷却コイル4Cに着氷され、冷却コイル4Cの冷却管間においてブリッジングを形成したり、冷却コイル4Cを破損したりするおそれがある。また、過剰に氷分が冷却コイル4Cに着氷されていると、その後の解氷工程を行ったときに、解氷水が解氷水タンク3から溢れ出るおそれもある。これらの点を踏まえると、解氷工程は、冷却コイル4Cに着氷した氷分が全て溶けた時点で終了するとした方が望ましい。
【0049】
解氷工程を終了した後は、熱交換器5を停止し、バルブV2を閉じておくとよい。
【0050】
(解氷水移動工程)
解氷工程を終了した後は、解氷水タンク3の解氷水を系外に直接放出してもよいが、解氷水移動工程を設けてもよい。図8に示すように解氷水移動工程は、解氷水貯留タンク7を設けて、これに解氷水タンク3の解氷水を一時的に貯留して系外に放出する工程である。解氷水移動工程では、解氷水タンク3に備わるポンプP4を起動させて、解氷水を流路3Bを介して解氷水タンク3から解氷水貯留タンク7に移動させて貯留する。解氷水貯留タンク7に貯留された解氷水は、系外での排出水の需要に応じてポンプP6を起動させて流路7Aから排出水K1として排出される。また、系外での水の需要に応じて浄水G1を解氷水に混ぜてもよい。浄水G1はバルブV4を開き、流路7Bを介して解氷水貯留タンク7に流入させることができる。
【0051】
解氷水移動工程は、例えば、冷却コイル4Cに着氷された氷分と等量の解氷水が、解氷水タンク3から解氷水貯留タンク7へ移動した時点で終了とすることができる。この終了時の解氷水タンク3の液位を特にLレベルという。
【0052】
解氷工程又は解氷水移動工程が終了した後は、待機時又は製氷工程に移行するとよい。
【0053】
製氷工程、解氷工程(解氷水移動工程を含めてもよい)における、各タンクの温度、液量等の時系列変化を図9を参照しつつ説明する。図9は一実施例である。横軸は時間経過(単位:時間)、縦軸左目盛りは温度(単位:℃)、縦軸右目盛りは液量(単位:m3)である。供給タンク2の液量L2は、製氷濃縮工程の開始時にHレベルになっており、被処理液の循環を行うにつれ、減少してLレベルになったときに終了する。供給タンク2の液量は、その後の洗浄工程で増加し、処理済液として排出されてLLレベルにまで減少した後、補充工程でHレベルまで増加する。なお、洗浄工程は、例えば、浄水を50L程度、散布部4Gから散布するとよく、洗浄工程の所要時間はおよそ1分程度とするとよい。図9において、符号F1が補充工程、符号F2が製氷濃縮工程、符号F3が洗浄工程、符号F4が解氷工程、符号F5が解氷水移動工程、符号J2が系外に排出される処理済液をそれぞれ示す。各温度センサーT1,T2,T3は上記の各行程F1~F5中、当該センサーを流れる液体の温度を計測するものとすることができる。また、計測された温度の演算、例えばt1とt4の差分の算出や、t2とt3の差差分の算出等は、図示しない中央演算処理装置で行うことができる。この他、中央演算処理装置は、各温度センサーT1,T2,T3で計測された経時的な温度の計測情報の入力を受け、当該計測情報を記憶し、保存することができる。
【0054】
供給タンク2内の被処理液の温度(t1)は、製氷濃縮工程を開始すると降下し、製氷濃縮工程中、約0℃に維持される。被処理液の温度(t1)は、その後の工程では、冷却される要因がないので、雰囲気の温度に向かって徐々に上昇する。
【0055】
冷凍機4Fの蒸発温度Vは、製氷濃縮工程が開始される-10℃に向かって降下し、製氷濃縮工程が終了した後は上昇する。
【0056】
解氷水タンク3の液量L3は、製氷濃縮工程及び洗浄工程の間は一定であり、解氷工程が開始されると、冷却コイル4Cに着氷された氷分が解氷されて、当該解氷分が増加する。
【0057】
解氷水タンク3の温度(t6)は、解氷工程が開始される前までに所望の温度(図9では60℃)になるようにするとよい。解氷水タンク3の温度は、解氷工程が開始されると0℃に向かって降下した後、解氷工程が終了されるまで徐々に上昇し、解氷工程終了後は一定になる。
【実施例0058】
凍結濃縮装置1を用いて、凍結濃縮処理を行った。補充工程を行い、冷却コイル4Cに氷分が着氷されていないのを確認した後、製氷濃縮工程を始めた。製氷濃縮工程における被処理液の流量は30m3/hとした。散布部4Gに供給される被処理液の温度(t1)を温度センサーT1で、貯液部4Wから排出される濃縮された被処理液の温度(t4)を温度センサーT3でそれぞれ計測した。また、供給タンク2内の被処理液の液量L2を計測した。これらの計測結果を時系列に示したのが図10である。
【0059】
製氷濃縮工程及び洗浄工程を終了した後、解氷工程を始めた。解氷工程における解氷水の流量は30m3/hとした。散布部4Gに供給される温水の温度(t2)を温度センサーT2で、貯液部4Wから排出される解氷水の温度(t3)を温度センサーT3でそれぞれ計測した。また、解氷水タンク3内の解氷水の液量L3を計測した。これらの計測結果を時系列に示したのが図12である。
【0060】
解氷工程を始めると、解氷水の温度(t3)が徐々に上昇するとともに、温水の温度(t2)が徐々に降下した。解氷水タンク3の液量L3は、解氷工程が開始されると増加し、1時間経過後には、横ばいになった。また、解氷工程の開始1時間経過後には、温水の温度(t2)と解氷水の温度(t3)の差が0.2℃になり、冷却コイル4Cに氷分が着氷されていないことが確認された。
【0061】
なお、実施例では、解氷工程が、解氷水の温度(t3)が15℃以上になったときに終了するように設定されている。図12の右端部からは解氷水タンク3の液位L3が増加していることが読み取れるが、これは、解氷水の温度(t3)が15℃に達して解氷工程の終了が判断され、ポンプP2の運転が停止したことで、循環路(具体的には流路3A、凍結濃縮槽4、流路4A,4D)を流れる液体が解氷水タンク3に流れ落ちたことによるものである。
【0062】
比較例として、冷却コイル4Cに氷分が着氷されている状態で製氷濃縮工程を始めたのが図11である。製氷濃縮工程における被処理液の流量は30m3/hとした。散布部4Gに供給される被処理液の温度(t1)を温度センサーT1で、貯液部4Wから排出される濃縮された被処理液の温度(t4)を温度センサーT3でそれぞれ計測した。また、供給タンク2内の被処理液の液量L2を計測した。図10図12において、横軸は時間経過(単位:時間)、縦軸左目盛りは温度(単位:℃)、縦軸右目盛りは液量(単位:m3)である。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、流下液膜式の凍結濃縮処理に利用でき、廃水の減容化、海水の淡水化のほか、食品、発酵、化学工業、製薬における濃縮処理、排水・汚水の処理等の産業分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0064】
1 凍結濃縮装置
2 供給タンク
3 解氷水タンク
4 冷凍機
4C 冷却コイル
4G 散布部
4W 貯液部
5 熱交換器
6 被処理液貯留タンク
7 解氷水貯留タンク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13