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特開2022-164381故障診断システム、故障診断方法、および故障診断プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022164381
(43)【公開日】2022-10-27
(54)【発明の名称】故障診断システム、故障診断方法、および故障診断プログラム
(51)【国際特許分類】
   E06B 11/02 20060101AFI20221020BHJP
   E05F 15/63 20150101ALI20221020BHJP
【FI】
E06B11/02 M
E05F15/63
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021069841
(22)【出願日】2021-04-16
(71)【出願人】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】久野 聖太
【テーマコード(参考)】
2E038
2E052
【Fターム(参考)】
2E038CA32
2E038DD04
2E038DD08
2E052AA05
2E052CA06
2E052DA06
2E052DB06
2E052EA09
2E052EB01
2E052EC01
2E052GB13
2E052KA27
(57)【要約】
【課題】故障診断などのメンテナンスを容易に行うことのできる故障診断システムを提供する。
【解決手段】跳ね上げ門扉12の故障診断システム10は、可動部の角度を検出する角度センサ28および可動部を動作させるモータ26と、角度センサ28の検出角度を読み込んでモータ26を制御する制御ユニット24と、制御ユニット24に接続されるタブレット端末50とを有する。制御ユニット24は、角度センサ28の検出角度を監視して動作履歴を記憶部51に記憶させる監視部24eと、ディスプレイ52に対して跳ね上げ門扉12に関する状態の入力表示を複数回行い、該入力表示に対する入力内容に基づいて故障診断をする故障診断部24bとを有する。故障診断部24bは、跳ね上げ門扉12に関する状態についての選択入力に基づいて、故障個所を特定可能なように導く画面をディスプレイ52に選択的に順次表示する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動部を備える屋外構造物の故障診断システムであって、
前記可動部の角度を検出する角度検出手段および前記可動部を動作させるモータと、
前記角度検出手段の検出結果を読み込んで前記モータを制御する制御ユニットと、
前記制御ユニットに接続される端末と、
を有し、
前記制御ユニットは、前記屋外構造物に関する状態についての前記端末からの選択入力に基づいて、故障個所を特定可能なように導く画面を前記端末のディスプレイに選択的に順次表示する故障診断部を有することを特徴とする故障診断システム。
【請求項2】
前記制御ユニットは、前記角度検出手段の検出結果を監視して動作履歴を記憶部に記憶させる監視部を有することを特徴とする請求項1に記載の故障診断システム。
【請求項3】
前記動作履歴は、前記検出結果に基づく前記可動部の動作回数、および前記検出結果を前記モータの動作状態と関連付けて判断される異常回数を含むことを特徴とする請求項2に記載の故障診断システム。
【請求項4】
前記監視部によって検出された動作履歴、および前記故障診断部によって診断された故障を所定書式のデータとして出力するレポート作成部を有することを特徴とする請求項2又は3に記載の故障診断システム。
【請求項5】
前記端末から入力された前記屋外構造物に関する施工状態を基準状態と比較して判定を行う施工状態確認部を有することを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の故障診断システム。
【請求項6】
前記可動部はリモコン式であり、前記故障診断部はリモコン操作部およびその受信部についての故障診断をする機能を含むことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の故障診断システム。
【請求項7】
前記故障診断部は、所定操作により前記可動部が通常速度で動作するかの確認、前記可動部の動作に応じた前記角度検出手段の検出結果の入力画面、および前記モータの抵抗値の入力画面を前記ディスプレイに表示し、これらに対する入力内容に基づいて故障診断をすることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の故障診断システム。
【請求項8】
前記屋外構造物は、跳ね上げ門扉であることを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の故障診断システム。
【請求項9】
可動部を備える屋外構造物の故障診断システムであって、
前記可動部の角度を検出する角度検出手段および前記可動部を動作させるモータと、
前記角度検出手段の検出結果を読み込んで前記モータを制御する制御ユニットと、
を有し、
前記制御ユニットは、前記角度検出手段の検出結果を前記モータの動作状態と関連付けて異常動作と判断されるときに該異常動作を記憶させる監視部を有することを特徴とする故障診断システム。
【請求項10】
屋外構造物の可動部の角度を検出する角度検出手段および前記可動部を動作させるモータと、
前記角度検出手段の検出結果を読み込んで前記モータを制御する制御ユニットと、
前記制御ユニットに接続される端末と、
を有する故障診断システムにおける故障診断方法であって、
前記屋外構造物に関する状態についての前記端末からの選択入力に基づいて、故障個所を特定可能なように導く画面を前記端末のディスプレイに選択的に順次表示する故障診断ステップ
を前記制御ユニットのプロセッサが実行することを特徴とする故障診断方法。
【請求項11】
屋外構造物の可動部の角度を検出する角度検出手段および前記可動部を動作させるモータと、
前記角度検出手段の検出結果を読み込んで前記モータを制御する制御ユニットと、
前記制御ユニットに接続される端末と、
を有する故障診断システムにおける故障診断プログラムであって、
前記屋外構造物に関する状態についての前記端末からの選択入力に基づいて、故障個所を特定可能なように導く画面を前記端末のディスプレイに選択的に順次表示する故障診断ステップ
を前記制御ユニットのプロセッサに実行させることを特徴とする故障診断プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可動部を備える屋外構造物の故障診断システム、故障診断方法、および故障診断プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
可動部を備える跳ね上げ門扉のような屋外構造物には、モータによって可動部を自動的に動作させるものがある(特許文献1参照)。このような自動化された屋外構造物は、精度のよい制御を行うために各種センサが設けられることがある。また、操作の便宜のためリモコン対応式になっていることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-299684号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように屋外構造物はモータ以外にもセンサ、リモコン操作部およびその受信部などの電装品が設けられてシステムが複雑化することがあり、故障診断などのメンテナンスには知識、経験および技量等が必要となり、作業員の負担となる。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、故障診断などのメンテナンスを容易に行うことのできる故障診断システム、故障診断方法、および故障診断プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる故障診断システムは、可動部を備える屋外構造物の故障診断システムであって、前記可動部の角度を検出する角度検出手段および前記可動部を動作させるモータと、前記角度検出手段の検出結果を読み込んで前記モータを制御する制御ユニットと、前記制御ユニットに接続される端末と、を有し、前記制御ユニットは、前記屋外構造物に関する状態についての前記端末からの選択入力に基づいて、故障個所を特定可能なように導く画面を前記端末のディスプレイに選択的に順次表示する故障診断部を有することを特徴とする。
【0007】
また、本発明にかかる故障診断方法は、屋外構造物の可動部の角度を検出する角度検出手段および前記可動部を動作させるモータと、前記角度検出手段の検出結果を読み込んで前記モータを制御する制御ユニットと、前記制御ユニットに接続される端末と、を有する故障診断システムにおける故障診断方法であって、前記屋外構造物に関する状態についての前記端末からの選択入力に基づいて、故障個所を特定可能なように導く画面を前記端末のディスプレイに選択的に順次表示する故障診断ステップを前記制御ユニットのプロセッサが実行することを特徴とする。
【0008】
さらに、本発明にかかる故障診断プログラムは、屋外構造物の可動部の角度を検出する角度検出手段および前記可動部を動作させるモータと、前記角度検出手段の検出結果を読み込んで前記モータを制御する制御ユニットと、前記制御ユニットに接続される端末と、を有する故障診断システムにおける故障診断プログラムであって、前記屋外構造物に関する状態についての前記端末からの選択入力に基づいて、故障個所を特定可能なように導く画面を前記端末のディスプレイに選択的に順次表示する故障診断ステップを前記制御ユニットのプロセッサに実行させることを特徴とする。
【0009】
さらにまた、本発明にかかる故障診断システムは、可動部を備える屋外構造物の故障診断システムであって、前記可動部の角度を検出する角度検出手段および前記可動部を動作させるモータと、前記角度検出手段の検出結果を読み込んで前記モータを制御する制御ユニットと、を有し、前記制御ユニットは、前記角度検出手段の検出結果を前記モータの動作状態と関連付けて異常動作と判断されるときに該異常動作を記憶させる監視部を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、作業者は故障診断部または故障診断ステップに従って選択入力を行なえばよく、故障個所を探し当てるために自らやり方を判断する必要がなく、故障診断などのメンテナンスを容易に行うことができる。さらに、必要な診断作業がなされるとともに、必要のない診断作業が排除されて効率的かつ的確な診断が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態である故障診断システムおよび跳ね上げ門扉を示す斜視図である。
図2】跳ね上げ門扉における支柱の一部拡大斜視図である。
図3】制御ユニットを正面側から見た斜視図である。
図4】故障診断システムのブロック図である。
図5】異常診断などのメンテナンス時にディスプレイに表示される初期画面である。
図6】履歴・異常確認画面であり、(a)はその第1画面であり、(b)はその第2画面である。
図7】制御ユニットの確認画面である。
図8A】施工状態確認画面であり、(a)はその第1画面であり、(b)はその第2画面である。
図8B】施工状態確認画面であり、(a)はその第3画面であり、(b)はその第4画面である。
図8C】施工状態確認画面であり、(a)はその第5画面であり、(b)はその第6画面である。
図9A】故障診断画面であり、(a)はその第1画面であり、(b)はその第2画面である。
図9B】故障診断画面であり、(a)はその第3画面であり、(b)はその第4画面であり、(c)はその第5画面である。
図9C】故障診断画面の第6画面である。
図9D】故障診断画面の第7画面である。
図9E】故障診断画面の第8画面である。
図10】レポート処理のための画面である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明にかかる故障診断システムの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0013】
図1は、本発明の実施形態である故障診断システム10および跳ね上げ門扉(屋外構造物)12を示す斜視図である。故障診断システム10は跳ね上げ門扉12に適用されるものである。
【0014】
跳ね上げ門扉12は、例えば、家側の車庫と前面道路等とを仕切るためもので、車庫の前面側に設置されている。図1は跳ね上げ門扉12の閉状態を示している。閉状態では扉体20が鉛直向きで下降している。図示を省略するが開状態では扉体20が水平向きで上昇する。
【0015】
跳ね上げ門扉12は、立設する2つの支柱14a,14bと、該支柱14a,14bにそれぞれ設けられた回転支持機構16と、該回転支持機構16に対してそれぞれ接続されたアーム(可動部)18と、該アーム18の先端に取り付けられる扉体20とを備える。支柱14a,14bは基礎22に固定されている。それぞれのアーム18はメインアーム18aとサブアーム18bとからなる。左右一対のアーム18の各先端部は連結棒19で連結されて補強されている。
【0016】
図2は、跳ね上げ門扉12における支柱14aの一部拡大斜視図である。図2では、内部機構が視認可能なように一部のカバー等を取り外した状態としている。跳ね上げ門扉12は自動開閉が可能であり、支柱14aには自動開閉のための制御ユニット24、モータ26、角度センサ(角度検出手段)28が設けられている。簡易的には、角度センサ28に代えてリミットスイッチ(角度検出手段)を用いてもよい。
【0017】
モータ26は回転支持機構16を介してアーム18を回動させる。角度センサ28はアーム18の回動角度を検出する。制御ユニット24は角度センサ28の検出角度(検出結果)を読み込み、モータ26を制御する。制御ユニット24は故障診断等の機能部を有しているが、これについては後述する。また、跳ね上げ門扉12はリモコン式になっており、支柱14aにはリモコン操作部30(図1参照)の信号を受信する受信部32が設けられている。制御ユニット24は、受信部32を介してリモコン操作部30の操作に基づいてモータ26の制御をすることができる。受信部32は支柱14aの頂部近傍に設けられている。モータ26、角度センサ28は回転支持機構16の近傍に設けられている。制御ユニット24はモータ26のやや下方に設けられている。
【0018】
図3は、制御ユニット24を正面側から見た斜視図である。図3では、制御ユニット24の正面を覆うカバーを取り外している。制御ユニット24には電源スイッチ34、電源ランプ36、2つのリミットランプ37、モード切替スイッチ38、上昇スイッチ40、下降スイッチ42、停止スイッチ44、コネクタ46が設けられている。リミットランプ37はアーム18が上限まで移動したときおよび下限まで移動したときに個別に点灯するランプである。モード切替スイッチ38は手動モードと自動モードとの切り替えを行うスイッチである。上昇スイッチ40および下降スイッチ42はモータ26を駆動してアーム18を上昇/下降させるスイッチである。停止スイッチ44はアーム18の上下動を停止させるスイッチである。コネクタ46の上にはルーフ46aが設けられている。
【0019】
次に、故障診断システム10について説明する。図4は、故障診断システム10のブロック図である。故障診断システム10の構成要素の一部は跳ね上げ門扉12に含まれている。本実施の形態で故障診断システム10が診断する対象は跳ね上げ門扉12であるが、可動部を備える他の屋外構造物、例えばシャッターや電気錠門扉などに適用することもできる。また、本願における故障診断とは広義であって、故障推定の機能なども含み得る。
【0020】
故障診断システム10は、跳ね上げ門扉12の電装品、すなわち制御ユニット24、モータ26、角度センサ28、受信部32およびスイッチ類48を含んでいる。スイッチ類48は、上記の電源スイッチ34、モード切替スイッチ38、上昇スイッチ40、下降スイッチ42および停止スイッチ44を代表的に示している。リモコン操作部30も故障診断システム10に含まれる。故障診断システム10は、さらにタブレット端末50を含む。
【0021】
制御ユニット24は、制御部24a、故障診断部24b、施工状態確認部24c、レポート作成部24d、監視部24e、異常判断部24f、通信部24gおよび記憶部51を有する。これらの各機能部のうち記憶部51はハードウェアで構成されており、その他の機能部は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の処理装置にプログラムを実行させること、すなわち、ソフトウェアにより実現してもよいし、IC(Integrated Circuit)等のハードウェアにより実現してもよいし、ソフトウェア及びハードウェアを併用して実現してもよい。
【0022】
なお、本発明の実施形態にかかる故障診断方法は、制御ユニット24のプロセッサが制御部24a、故障診断部24b、施工状態確認部24c、レポート作成部24d、監視部24e、異常判断部24f、通信部24gを実行する方法である。また、本発明の実施形態にかかる故障診断プログラムは、制御ユニット24のプロセッサに制御部24a、故障診断部24b、施工状態確認部24c、レポート作成部24d、監視部24e、異常判断部24f、通信部24gの機能を実行させるものである。
【0023】
制御部24aは、リモコン操作部30またはスイッチ類48の操作に基づいて角度センサ28による検出角度を参照しながらモータ26を駆動制御する。故障診断部24bは、タブレット端末50と協働して故障診断などを行う機能部である。施工状態確認部24cは、主に跳ね上げ門扉12の施工状態を確認する機能部である。施工状態確認部24cは、入力された施工状態と所定の基準状態と比較する。監視部24eは、角度センサ28の検出角度を監視して動作履歴を記憶部51に記憶させる機能部である。異常判断部24fは、監視部24eによる監視結果に基づいて異常の有無を判断し、検出した異常を記憶部51に記憶せせる機能部である。通信部24gはタブレット端末50と通信を行う機能部である。記憶部51はデータやプログラムを記憶する部分である。
【0024】
タブレット端末50は、タッチパネル式のディスプレイ52を有しており、該ディスプレイ52による入出力が可能である。ディスプレイ52では、例えば画面上のタップやドラッグ、またはソフトウェアキーボードによる入力が可能である。タブレット端末50からの入力には外付けの物理キーボードまたはマウスなどを用いてもよい。
【0025】
タブレット端末50は、ハーネス54aを介したコネクタ54が上記のコネクタ46と接続することにより制御ユニット24との通信が可能になる。タブレット端末50は、制御ユニット24と協働してディスプレイ52対する入出力を行う入出力部50aと、制御ユニット24と通信を行う通信部50bとを有する。入出力部52aおよび通信部52bは、ソフトウェア、ハードウェアまたはその併用によって構成される機能部である。タブレット端末50はメモリカード56にデータを記憶することができる。メモリカード56は所定のポートに着脱可能になっている。タブレット端末50は作業員が携行するのに適する大きさである。タブレット端末50はノート型パソコンまたはスマートフォンで代用してもよい。タブレット端末50と制御ユニット24との通信は無線にしてもよい。
【0026】
次に、故障診断システム10の作用について説明する。
故障診断システム10は通常時における作用と、メンテナンス時における作用とがある。メンテナンスとは、定期的な保守および故障時の故障修理を含む。
【0027】
通常時、タブレット端末50は制御ユニット24に接続されていない。通常時には、リモコン操作部30の操作に基づき、上記のとおり制御部24aが角度センサ28による検出角度を参照しながらモータ26を駆動制御する。また、監視部24eおよび異常判断部24fが角度センサ28の検出角度を監視するとともに異常判断を行い動作履歴および異常回数を記憶部51に記憶する。
【0028】
一方、故障診断システム10は、メンテナンス時にはコネクタ46とコネクタ54とが接続されて制御ユニット24とタブレット端末50とが接続されて相互に通信可能な状態となっている。制御ユニット24とタブレット端末50とが接続されると自動的、または所定の操作によって相互に接続されたことが認識されて通信を開始する。メンテナンス時、タブレット端末50は主に制御ユニット24の入出力端末として作用する。メンテナンス時には、故障診断部24b、施工状態確認部24cおよびレポート作成部24dが独立的または協働的に作用する。概略的に言えば、メンテナンス時には履歴確認、施工状態確認、故障診断、およびレポート作成が順に行われる。また、監視部24eおよび異常判断部24fが記憶部51に記憶したデータが適宜参照される。
【0029】
図5は、異常診断などのメンテナンス時にディスプレイ52に表示される初期画面である。以下のディスプレイ52の表示画面の説明においては、基本的に1つの画面上のボタンや領域等は同じ数字を付して添え字のアルファベットによって区別して表記するが、他の画面であっても同機能のものは同符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0030】
図5の初期画面では、ボタン60aとボタン60bとが表示されている。ボタン60aは状態確認のボタンであり、タップすると図6(a)の画面に移る。ボタン60bは仕様/施工状態不具合の診断のボタンであり、タップすると図7の画面に移る。この初期画面では、時間60cおよび時間設定ボタン60dが表示されている。時間設定ボタン60dをタップして所定操作をすることにより制御ユニット24内の時刻調整と時間60cの表示を修正することができる。
【0031】
図6は、履歴・異常確認画面であり、(a)はその第1画面であり、(b)はその第2画面である。この画面では監視部24eが監視して記憶部51に記憶した動作履歴、および異常判断部24fが異常判断をして記憶部51に記憶した異常が表示される。
【0032】
図6(a)の開閉回数領域62aは、監視部24eが角度センサ28の検出角度を監視して得られた上昇動作、下降動作および障害物検知の回数が表示される。障害物検知は、モータ26の回転駆動時に角度センサ28の検出角度が適正速度で変化しなかったことを示し、上昇時および下降時に区別して表示される。
【0033】
異常回数領域62bは、異常判断部24fが角度センサ28の検出角度をモータ26の動作状態と関連付けて判断される異常とその回数を表示する部分であり、具体的にはアーム18または扉体20の無理上げ、無理下げ、モータ制御異常の回数が表示される。無理上げはモータ26の回転駆動をしていないときに角度センサ28の検出角度が上昇を示すことであり、無理下げはその逆である。モータ制御異常は、モータ26の回転駆動時に所定時間以上該モータ26が動き続けていることを制御ユニット24検知し強制停止した場合に異常と認識してカウントするものである。正常であれば所定時間内に上下限位置を認証できるためである。
ボタン62cは、図5の初期画面に戻るボタンである。ボタン62dは、図7の画面に移るボタンである。ボタン62eは図6(b)の履歴・異常確認画面の第2画面に移るボタンである。動作履歴および異常回数は、それぞれ対応するリセットボタンのタップによりリセットが可能である。
【0034】
図6(b)の領域64aは積算通電時間を示す部分である。領域64bは積算モータ動作の時間を示す部分である。領域64cは角度センサ28の検出角度が規定された制限値を超えた回数を示す部分であり、上限および下限に区別して表示される。ボタン64dは図6(a)の画面に移るボタンである。
【0035】
図7は、制御ユニット24の確認画面である。ボタン66a,66bが2台用仕様での商品仕様を示す部分である。跳ね上げ門扉12では仕様により制御ユニット24が1台仕様になる場合があり、その場合にはボタン66a,66bに1台用仕様での商品仕様が表示される。この画面ではメンテナンスで対象と仕様とを選択する。ボタン66cは図5の初期画面に戻るボタンである。ボタン66dは次の図8の画面に移るボタンである。
【0036】
図8A図8Cの各画面は、施工状態確認部24cの作用下に行われる施工状態確認の画面である。図8A図8Cの施工状態の確認は、基本的にはメンテナンスを行う度に実施されるが、メンテナンス間隔が短い場合などで、状態の変化がないことが明らかな場合には省略してもよい。図8A図8Cの各画面では、入力された跳ね上げ門扉12に関する施工状態を所定基準状態と比較し、その判定結果を入力部の隣接部に「OK」または「NG」と表示する。図8A図8Cでは、主に施工についての確認が行われ、電装品関係の異常診断については図9の各画面で行われる。
【0037】
図8Aは、施工状態確認画面であり、(a)はその第1画面であり、(b)はその第2画面である。図8A(a)における領域68aは扉体20の寸法や重量を入力する部分である。領域68bは支柱14a,14bの商品色を入力する部分である。領域68cはロット番号を入力する部分である。ボタン68dは図8A(b)の画面に移るボタンである。
【0038】
図8A(b)における領域70aは扉体20や支柱14a,14bに改造が無いか確認して入力する部分である。領域70bはアーム18の取り付け位置を確認して入力する部分である。領域70cは連結棒19と左右のメインアーム18aとの連結状態を確認して入力する部分である。領域70dは所定の支持金具の浮き幅を計測して入力する部分である。領域70eはメインアーム18aおよびサブアーム18bのボルトやナットの連結状態を確認して入力する部分である。ボタン70fは図8B(a)の画面に移るボタンである。
【0039】
図8Bは、施工状態確認画面であり、(a)はその第3画面であり、(b)はその第4画面である。図8B(a),(b)では支柱14a、14bについての施工状態を入力する。図8B(a)の領域72a,72bは、支柱14aと支柱14bとの間隔を上端部および下端部についてそれぞれ入力する部分である。領域72aは家側、領域72bは道路側についてそれぞれ計測して入力する部分である。領域72cは、領域72aと領域72bとで入力された寸法の差を入力する部分である。ボタン72dは図8B(b)の画面に移るボタンである。
【0040】
図8B(b)は支柱14a,14bの傾きを入力する画面である。領域74aは支柱14a,14bそれぞれについて間口方向の端部同士の位置の差を入力する部分である。領域74bは支柱14a,14bそれぞれについて奥行方向の端部同士の位置の差を入力する部分である。ボタン74cは図8C(a)の画面に移るボタンである。
【0041】
図8Cは、施工状態確認画面の画面であり、(a)はその第5画面であり、(b)はその第6画面である。図8C(a)の領域76aは、2つの支柱14a,14bの高さを計測して入力する部分である。領域76bは領域76aで入力された2つの支柱14a,14bの高さの差を入力する部分である。支柱14a,14bの高さは水管やレーザを用いて測定する。ホースなどの水管を用いる場合、水を入れて片方を基準にすると反対側の水が変位し高さを測定することができる。
図8C(a)の画面左側には、支柱14a,14bの高さ測定についての案内が示されている。ボタン76cは図8C(b)の画面に移るボタンである。
【0042】
図8C(b)は第1~第5画面で入力された施工状態の適否を診断して結果を表示する画面である。すなわち、支柱14a,14bの間隔、支柱14a,14bの間口方向の傾き、支柱14a,14bの奥行方向の傾き、支柱14a,14bの高さ、アーム18の取付位置、扉体20及び支柱14a,14bの改造有無、連結棒19とメインアーム18aのボルト、ナットの連結状態、およびメインアーム18a、サブアーム18bのボルト、ナットの連結状態について適正であれば「OK」を表示し、不適であれば「NG」を表示する。また、データが未入力であればその旨を表示する。ボタン77aは図9A(a)の画面に移るボタンである。
【0043】
図9A図9Eは故障診断にかかる画面である。これらの各画面にかかる故障診断は主に故障診断部24bの作用下に行われる。図9A図9Eの故障診断は、基本的には故障発生時に実施されるものである。図9A図9Eの故障診断は主に電装品に関する診断を行う。
【0044】
故障診断部24bにおける故障診断では、概略的に、まず図9A図9Bの表示画面にしたがってリモコン操作部30、上昇スイッチ40および下降スイッチ42の操作によりアーム18が通常速度で動作するかの確認を行う。これにより異常の有無を確認するとともに、異常原因が指示系統(つまりリモコン操作部30および受信部32)にあるのか、駆動系統(つまり角度センサ28およびモータ26)にあるのか区別される。そして図9Cの画面で、動作に応じた角度センサ28の検出角度の入力を行い、該角度センサ28の異常の有無を判断する。さらに、図9Dの画面でモータ26の抵抗値の入力を行い、モータ26の異常の有無を判断し、これらに対する入力内容に基づいて故障診断をする。
【0045】
図9Aは、故障診断画面であり、(a)はその第1画面であり、(b)はその第2画面である。図9A(a)は、電源ランプ36(図3参照)の点灯確認をする画面であり、点灯していれば「YES」の表示のボタン78aをタップして図9A(b)の画面に移る。電源ランプ36が消灯しているときは「NO」の表示のボタン78bをタップし、図9A(b)の画面に移る。
【0046】
図9A(b)は、リミットランプ37(図3参照)がアーム18の動作に応じて適正に点灯するか確認する画面であり、正常に点灯すれば「YES」の表示のボタン80aをタップして図9B(a)の画面に移る。リミットランプ37がアーム18の動作に対応して点灯しなければ「NO」の表示のボタン80bをタップし、図9B(a)の画面に移る。
【0047】
図9Bは、故障診断画面であり(a)はその第3画面であり、(b)はその第4画面であり、(c)はその第5画面である。図9B(a)の画面では、リモコン操作部30の操作による開閉動作や停止動作の確認をする画面であり、動作が正常であれば「YES」の表示のボタン82aをタップし、図9B(b)の画面の表示は省略して図9B(c)の画面に移る。リモコン操作部30、受信部32およびモータ26等に特段の異常が認められないためである。一方、動作しない場合にはいずれかの箇所に異常があって診断が必要であることから、「NO」の表示のボタン82bをタップし、図9B(b)の画面に移る。
【0048】
図9B(b)の画面では別のリモコン操作部30の操作による開閉動作や停止動作の確認をする画面であり、動作が正常であれば当初のリモコン操作部30に異常があることが確認される。この場合「YES」の表示のボタン84aをタップし、図9B(c)の画面に移る。一方、動作しない場合には原因がリモコン操作部30以外にあると診断される。この場合、「NO」の表示のボタン84bをタップし、図9B(c)の画面に移る。
【0049】
図9B(c)の画面は、手動モードによる開閉動作の確認をする画面であり、動作が正常であれば「YES」の表示のボタン86aをタップする。この場合、モータ26や角度センサ28は正常であると診断される。一方、動作しない場合には「NO」の表示のボタン86bをタップする。この場合、モータ26または角度センサ28に異常があると考えられる。この場合、ボタン86a,86bのいずれがタップされても図9Cの画面に移る。なお、図9B(a)の画面から図9(b)の画面を省略して図9B(c)の画面に移った場合であっても、ボタン62cをタップすることにより図9B(b)の画面に移るものとする。これにより、別のリモコン操作部30を試験的に動作させることができる。
【0050】
このように、故障診断部24bによる故障診断では、ディスプレイ52に対して跳ね上げ門扉12に関する電装品の状態の入力表示を複数回行い、該入力表示に対する入力内容に基づいて故障診断をする。また、図9B(a)の入力表示画面で「YES」のボタン82aがタップされた場合と「NO」のボタン82bがタップされた場合とで、場合分けがなされてそれ以後に異なる表示が行われる。また換言すれば、作業者は跳ね上げ門扉12に関する状態についての選択入力を行うことより、故障診断部24bは、故障個所を特定可能なように導く画面である図9B(a),(b)、(c)をディスプレイ52に選択的に順次表示するため、作業者は故障個所を探し当てるために自らやり方を判断する必要がなく、故障診断などのメンテナンスを容易に行うことができる。さらに、必要な診断作業がなされるとともに、必要のない診断作業が排除されて効率的かつ的確な診断が可能となる。また図9B等画面では、入力は基本的に「YES」、「NO」の選択入力で行われ、操作が容易である。
【0051】
図9Cは、故障診断画面の第6画面であり、具体的には角度センサ28の確認を行う画面である。跳ね上げ門扉12では、2本の支柱14a,14bについてそれぞれ個別に角度センサ28を設ける場合がある。図9Cの画面では、このような2つの角度センサ28を有する場合で独立的に2系統の表示がなされている。角度センサ28が1つの場合には、1系統のみの表示がなされる。
【0052】
図9Cの領域88aは、角度センサ28の検出角度をリアルタイムで表示する部分である。領域88bは、扉体20が全開となっているときの角度センサ28の値を入力する部分である。領域88cは、扉体20が45度付近となっているときの角度センサ28の値を入力する部分である。領域88dは、扉体20が全閉となっているときの角度センサ28の値を入力する部分である。この場合の扉体20の開閉は手動モードで行う。また、全開、全閉時には所定のロックピンで固定するものとする。図9Cの画面にはこれらの手順が示されている。
【0053】
領域88eは、全閉時を基準とした相対的な角度センサ28の検出角度を自動で表示する部分である。領域88fは領域88eで計算された数値の適否を判断して判定結果を表示する部分である。ボタン88gは図9Dの画面に移るボタンである。跳ね上げ門扉12の動作に異常があって、角度センサ28の検出角度が判定基準を満たさない場合には、異常の原因は角度センサ28にあると判断することができる。
【0054】
図9Dは、故障診断画面の第7画面であり、具体的にはモータ26の確認を行う画面である。跳ね上げ門扉12では、2本の支柱14a,14bについてそれぞれ個別にモータ26を設ける場合がある。図9Dの画面では、このような2つのモータ26を有する場合で独立的に2系統の表示がなされている。モータ26が1つの場合には、1系統のみの表示がなされる。
【0055】
図9Dの領域90aは、モータ26の所定端子間の抵抗値を測定して入力する部分である。この測定は、モータコネクタに検査用ハーネスを接続してテスターによって計測を行う。図9Dの画面の右上部にはこのような測定についての案内が示されている。領域90bは測定した抵抗値に基づく適否や対処についての表示をする部分である。ボタン90cは図9Eの画面に移るボタンである。跳ね上げ門扉12の動作に異常があって、モータ26の端子間の抵抗値が判定基準を満たさない場合には、異常の原因はモータ26にあると判断することができる。
【0056】
図9Eは、故障診断画面の第8画面であり、具体的には最終的な診断結果を示す画面である。図9Eの領域92aでは第1~第7画面で診断した診断結果を表示する。ボタン92bは、このような診断結果をメモリカード56に記憶するボタンである。ボタン92cは、図5の初期画面に戻るボタンである。
【0057】
監視部24eおよび異常判断部24fによって検出された動作履歴(異常回数など含む)、および故障診断部24bによって診断された故障は、レポート作成部24dにより所定書式のデータとして出力される。所定書式とはレポート形式であり、図8C(b)および図9Eに示すデータの他、作業日時、作業者、不具合発生日、不具合現象、型番などが含まれる。所定書式とは、例えば次に説明する図10におけるボタン94aによって設定される。このデータは、故障診断を行う前段階と、故障診断および所定の修理を行った後段階とで個別に作成するとよい。このデータの出力先は、図9Eの画面操作に基づいてメモリカード56に記憶出力される他に、制御ユニット24の記憶部51に対する記憶出力、ディスプレイ52に対する表示出力、プリンタへの印刷出力、およびネットワークを介した送信出力が可能である。
【0058】
図10は、レポート処理のための画面である。この画面はタブレット端末50が制御ユニット24と接続されていない状態でも表示および操作が可能である。すなわち、レポート作成部24dは、タブレット端末50の内部に設けられていてもよい。
【0059】
図10のボタン94aはレポートのテンプレートを設定するボタンであり、タップすることにより選択されたテンプレートに基づいた書式のレポートを作成することができる。ボタン94bはデータを選択するボタンであり、タップすることにより蓄積された複数のデータから操作対象とするものを選択することができる。ボタン94cは保存先を設定するボタンであり、タップすることによりメモリカード56以外の任意の記憶部にデータを記憶させることができる。ボタン94dは、選択したデータに基づいてレポートの作成指示をするボタンである。ボックス94eは動作ログを確認する部分である。
【0060】
このようにして、動作履歴や故障診断のレポートは自動的に作成されるため、手書きメモ、端末入力、清書、データ変換などが不要であって作成上のミスや漏れがなく、作業者の負担が軽減する。レポートは、基本的に統一された所定書式で作成して所定の管理部門に提出することができ、該管理分門で管理しやすい。
【0061】
本発明にかかる故障診断システムは、可動部を備える屋外構造物の故障診断システムであって、前記可動部の角度を検出する角度検出手段および前記可動部を動作させるモータと、前記角度検出手段の検出結果を読み込んで前記モータを制御する制御ユニットと、前記制御ユニットに接続される端末と、を有し、前記制御ユニットは、前記屋外構造物に関する状態についての前記端末からの選択入力に基づいて、故障個所を特定可能なように導く画面を前記端末のディスプレイに選択的に順次表示する故障診断部を有することを特徴とする。
【0062】
また、本発明にかかる故障診断方法は、屋外構造物の可動部の角度を検出する角度検出手段および前記可動部を動作させるモータと、前記角度検出手段の検出結果を読み込んで前記モータを制御する制御ユニットと、前記制御ユニットに接続される端末と、を有する故障診断システムにおける故障診断方法であって、前記屋外構造物に関する状態についての前記端末からの選択入力に基づいて、故障個所を特定可能なように導く画面を前記端末のディスプレイに選択的に順次表示する故障診断ステップを前記制御ユニットのプロセッサが実行することを特徴とする。
【0063】
さらに、本発明にかかる故障診断プログラムは、屋外構造物の可動部の角度を検出する角度検出手段および前記可動部を動作させるモータと、前記角度検出手段の検出結果を読み込んで前記モータを制御する制御ユニットと、前記制御ユニットに接続される端末と、を有する故障診断システムにおける故障診断プログラムであって、前記屋外構造物に関する状態についての前記端末からの選択入力に基づいて、故障個所を特定可能なように導く画面を前記端末のディスプレイに選択的に順次表示する故障診断ステップを前記制御ユニットのプロセッサに実行させることを特徴とする。
【0064】
さらにまた、本発明にかかる故障診断システムは、可動部を備える屋外構造物の故障診断システムであって、前記可動部の角度を検出する角度検出手段および前記可動部を動作させるモータと、前記角度検出手段の検出結果を読み込んで前記モータを制御する制御ユニットと、を有し、前記制御ユニットは、前記角度検出手段の検出結果を前記モータの動作状態と関連付けて異常動作と判断されるときに該異常動作を記憶させる監視部を有することを特徴とする。
【0065】
本発明によれば、作業者は故障診断部または故障診断ステップに従って選択入力を行なえばよく、故障個所を探し当てるために自らやり方を判断する必要がなく、故障診断などのメンテナンスを容易に行うことができる。さらに、必要な診断作業がなされるとともに、必要のない診断作業が排除されて効率的かつ的確な診断が可能となる。
【0066】
本発明は、前記動作履歴は、前記検出結果に基づく前記可動部の動作回数、および前記検出結果を前記モータの動作状態と関連付けて判断される異常回数を含むことを特徴とする。
これにより、故障個所の特定が容易となる。
【0067】
本発明は、前記監視部によって検出された動作履歴、および前記故障診断部によって診断された故障を所定書式のデータとして出力するレポート作成部を有することを特徴とする。
これにより、作業者の負担が一層軽減するとともに、レポート管理が容易となる。
【0068】
本発明は、前記端末から入力された前記屋外構造物に関する施工状態を基準状態と比較して判定を行う施工状態確認部を有することを特徴とする。
これにより、施工状態を確認することができる。
【0069】
本発明は、前記可動部はリモコン式であり、前記故障診断部はリモコン操作部およびその受信部についての故障診断をする機能を含むことを特徴とする。
【0070】
本発明は、前記故障診断部は、所定操作により前記可動部が通常速度で動作するかの確認、前記可動部の動作に応じた前記角度検出手段の検出結果の入力画面、および前記モータの抵抗値の入力画面を前記ディスプレイに表示し、これらに対する入力内容に基づいて故障診断をすることを特徴とする。
【0071】
本発明は、前記屋外構造物は、跳ね上げ門扉であることを特徴とする。
【0072】
本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。
【符号の説明】
【0073】
10 故障診断システム、12 跳ね上げ門扉、14a,14b 支柱、18 アーム(可動部)、20 扉体、24 制御ユニット、24a 制御部、24b 故障診断部、24c 施工状態確認部、24d レポート作成部、24e 監視部、24f 異常判断部、24g 通信部、26 モータ、28 角度センサ(角度検出手段)、30 リモコン操作部、32 受信部、50 タブレット端末、50a 入出力部、50b 通信部、51 記憶部、52 ディスプレイ、56 メモリカード
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図9C
図9D
図9E
図10