(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022164444
(43)【公開日】2022-10-27
(54)【発明の名称】清掃装置
(51)【国際特許分類】
A47L 11/204 20060101AFI20221020BHJP
A47L 9/28 20060101ALI20221020BHJP
A47L 7/00 20060101ALI20221020BHJP
A47L 9/04 20060101ALI20221020BHJP
B08B 1/04 20060101ALI20221020BHJP
B08B 5/04 20060101ALI20221020BHJP
B08B 3/02 20060101ALI20221020BHJP
A47L 11/19 20060101ALI20221020BHJP
A47L 11/24 20060101ALI20221020BHJP
A47L 11/282 20060101ALI20221020BHJP
A47L 11/30 20060101ALI20221020BHJP
A47L 11/33 20060101ALI20221020BHJP
【FI】
A47L11/204
A47L9/28 E
A47L7/00 A
A47L9/04 A
B08B1/04
B08B5/04 A
B08B3/02 E
A47L11/19
A47L11/24
A47L11/282
A47L11/30
A47L11/33
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021069940
(22)【出願日】2021-04-16
(71)【出願人】
【識別番号】000004651
【氏名又は名称】日本信号株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】弁理士法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】箱守 大典
【テーマコード(参考)】
3B057
3B061
3B116
3B201
【Fターム(参考)】
3B057DA00
3B057DE06
3B061AA05
3B061AD05
3B061AD06
3B061AE02
3B061AE12
3B116AA01
3B116AA31
3B116AB51
3B116BA02
3B116BA15
3B116BA35
3B116BB22
3B116BB62
3B116BB72
3B201AA01
3B201AA31
3B201AB51
3B201BA02
3B201BA15
3B201BA35
3B201BB22
3B201BB62
3B201BB72
3B201BB92
(57)【要約】 (修正有)
【課題】被清掃面上を移動しながら回転するブラシにより被清掃面を清掃する清掃装置であって、従来技術と比較し清掃斑の生じにくい清掃装置を提供する。
【解決手段】清掃装置1は、駆動輪である後輪102R及び後輪102Lの回転により被清掃面上を移動しながら、回転するブラシ105R及びブラシ105Lにより被清掃面からゴミ等を除去し、除去したゴミ等を吸引機構により吸引し回収する。ブラシ105Rとブラシ105Lが清掃する領域は、被清掃面に平行で移動方向に垂直な幅方向において、その一部のみが重複するように配置されている。そのため、清掃漏れがなく、ブラシの撓みにより生じる清掃斑が少ない清掃が行われる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被清掃面に平行な軸周りに回転する複数の円柱状のブラシで前記被清掃面を清掃しながら前記被清掃面上を移動する清掃装置であって、
前記複数のブラシは前記被清掃面に平行かつ移動方向に垂直な幅方向において清掃領域の一部のみが重複するように配置されている
清掃装置。
【請求項2】
前記複数のブラシの1以上に関し、当該ブラシの前記幅方向における外縁側の端部が中央側の端部より移動方向において後方に配置されている
請求項1に記載の清掃装置。
【請求項3】
前記複数のブラシの1以上に関し、当該ブラシの前記幅方向における中央側の端部に回転力を与える
請求項1又は2に記載の清掃装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は清掃装置に関する。
【背景技術】
【0002】
道路、床等の被清掃面の上を移動しながら、被清掃面に押し当てられた駆動回転する円柱状のブラシにより被清掃面に付着した汚れを落とす清掃装置がある。
【0003】
例えば、特許文献1には、床に洗浄溶液を散布し、洗浄溶液の散布された床に駆動回転するブラシを押し当てて床に付着しているゴミを取り除き、取り除いたゴミをホッパに回収すると共に、床に残存する溶液をスクイジーで回収し洗浄溶液回収タンクに送る湿式清掃モードと、洗浄溶液の散布されない床に駆動回転するブラシを押し当てて床に付着しているダストを取り除き、取り除いたダストを含む空気をスクイジーで回収し、回収した空気に水粒子を噴霧して空気中のダストが付着した水粒子を回収タンクに回収する乾式清掃モードとの間で切替動作できる清掃装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されている清掃装置のように、被清掃面(以下、被清掃面Sという)に平行な軸周りに回転する円柱状のブラシ(以下、ブラシBという)で被清掃面Sを清掃しながら被清掃面S上を移動する清掃装置において、ブラシBは、
図13に模式的に示すように、中心軸Aの両端付近の支点FL及び支点FRにおいて回転可能に支持された状態で、支点FL及び支点FRにかけられる下方向の荷重により被清掃面Sに押し当てられる。従って、被清掃面Sから上方向に抗力を受けるブラシは、中心軸Aの両端付近の支点FL及び支点FRから中央に向かう程、大きく上方向に撓む。
【0006】
そのため、
図14に模式的に示すように、清掃装置により清掃される被清掃面Sには、被清掃面Sに平行かつ清掃装置の移動方向(以下、移動方向Mという)に垂直な方向(以下、幅方向Wという)における清掃斑Eが生じる。すなわち、被清掃面Sの清掃された領域の幅方向Wにおける両端付近は十分に汚れが除去されているが、中央付近は汚れが十分に除去されていない、という状態が生じる。
【0007】
上記の事情に鑑み、本発明は、被清掃面上を移動しながら回転するブラシにより被清掃面を清掃する清掃装置であって、従来技術と比較し清掃斑の生じにくい清掃装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、被清掃面に平行な軸周りに回転する複数の円柱状のブラシで前記被清掃面を清掃しながら前記被清掃面上を移動する清掃装置であって、前記複数のブラシは前記被清掃面に平行かつ移動方向に垂直な幅方向において清掃領域の一部のみが重複するように配置されている清掃装置を第1の態様として提案する。
【0009】
第1の態様に係る清掃装置によれば、清掃領域の幅方向を1本のブラシでカバーする従来技術に係る清掃装置と比較しブラシの撓み量が小さいため、清掃斑が生じにくい。
【0010】
上記の第1の態様に係る清掃装置において、前記複数のブラシの1以上に関し、当該ブラシの前記幅方向における外縁側の端部が中央側の端部より移動方向において後方に配置されている、という構成が第2の態様として採用されてもよい。
【0011】
第2の態様に係る清掃装置によれば、ブラシにより被清掃面から除去されたゴミ、埃等を含む洗浄液や空気が清掃領域の外側に飛散しにくい。
【0012】
上記の第1又は第2の態様に係る清掃装置において、前記複数のブラシの1以上に関し、当該ブラシの前記幅方向における中央側の端部に回転力を与える、という構成が第3の態様として採用されてもよい。
【0013】
第3の態様に係る清掃装置によれば、幅方向における中央側の端部に回転力が与えられるブラシに関し、その交換が容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図3】一実施形態に係る清掃装置が備える2本のブラシの清掃領域が幅方向における一部のみにおいて重複している状態を示した図。
【
図4】一実施形態に係る清掃装置が備える2本のブラシの中心軸が被清掃面から受ける抗力により上方向に撓んだ状態を模式的に示した図。
【
図5】一実施形態に係る清掃装置が備える2本のブラシにより清掃される被清掃面に生じる清掃斑を模式的に示した図。
【
図6】一実施形態に係る清掃装置において駆動装置により生成される回転力が2本のブラシに伝達される構造を示した図。
【
図7】一実施形態に係る清掃装置におけるブラシの交換の手順を示した図。
【
図9】一変形例に係る清掃装置において駆動装置により生成される回転力が2本のブラシに伝達される構造を示した図。
【
図10】一実施形態に係る清掃装置と比較した場合の、一変形例に係る清掃装置の効果を説明するための図。
【
図11】一変形例に係る清掃装置が備える複数のブラシの配置の例を示した図。
【
図12】一変形例に係る清掃装置が備える複数のブラシの配置の例を示した図。
【
図13】従来技術に係る清掃装置が備えるブラシの中心軸が被清掃面から受ける抗力により上方向に撓んだ状態を模式的に示した図。
【
図14】従来技術に係る清掃装置が備えるブラシにより清掃される被清掃面に生じる清掃斑を模式的に示した図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[実施形態]
以下に、本発明の一実施形態に係る清掃装置1を説明する。なお、以下の説明において、清掃装置1における上下とは、水平な被清掃面上に通常の使用状態で置かれた状態の清掃装置1における上下を意味し、清掃装置1における前後とは、清掃装置1が清掃時に移動する方向(以下、清掃方向という)を前とした場合の前後を意味し、清掃装置1における左右とは、清掃方向に向いたときの左右を意味する。
【0016】
図1は、清掃装置1の斜視図であり、
図2は、清掃装置1の底面図である。清掃装置1は、清掃装置1の動作の制御を行うコントロールユニット等(図示略)を収容する筐体101と、筐体101の底面上の後方右側に配置された後輪102Rと、後輪102Rに回転力を与える駆動装置103Rと、筐体101の底面上の後方左側に配置された後輪102Lと、後輪102Lに回転力を与える駆動装置103Lと、筐体101の底面上の前方中央に配置された前輪104を備える。
【0017】
清掃装置1は、コントロールユニットの制御下で動作する駆動装置103Rから与えられる回転力で回転する後輪102Rと、コントロールユニットの制御下で動作する駆動装置103Lから与えられる回転力で回転する後輪102Lにより、被清掃面の上を自律移動する。なお、前輪104は駆動されず、清掃装置1の移動に伴い回転する。
【0018】
清掃装置1は、さらに、筐体101の底面上の前輪104と後輪102Rの間に配置された円柱状のブラシ105Rと、筐体101の底面上の前輪104と後輪102Lの間に配置された円柱状のブラシ105Lと、ブラシ105R及びブラシ105Lに回転力を与える駆動装置106を備える。
【0019】
ブラシ105Rとブラシ105Lは、それらの中心軸が幅方向Wに平行となるように配置されている。また、ブラシ105Rとブラシ105Lは、それらが清掃する領域(以下、清掃領域という)の一部のみが幅方向Wにおいて重複するように配置されている。そのような配置とするために、ブラシ105Rの中心軸とブラシ105Lの中心軸は前後方向において異なる位置に配置されている。
【0020】
図3は、ブラシ105Rの清掃領域CRと、ブラシ105Lの清掃領域CLが、幅方向Wにおける一部の領域CWのみにおいて重複している状態を示した図である。このように配置されるブラシ105Rとブラシ105Lにより、被清掃面Sは、幅方向Wの全域において隙間無く清掃される。
【0021】
また、上記のように配置されるブラシ105Rとブラシ105Lにより清掃される被清掃面Sには、
図14に示した従来技術に係るブラシBにより清掃される被清掃面Sにおける場合と比較し、清掃斑Eが生じにくい。
【0022】
図4は、ブラシ105Rとブラシ105Lの中心軸が被清掃面Sから受ける抗力により上方向に撓んだ状態を模式的に示した図である。なお、
図13に示したブラシBの清掃領域の幅方向Wの長さと、
図4に示すブラシ105R及びブラシ105Lの清掃領域の幅方向Wの長さは同じであるものとする。ブラシ105Rの中心軸が支持される支点FRRと支点FRLの間の距離は、ブラシBの中心軸Aが支持される支点FRと支点FLの間の距離より短い。また、ブラシ105Lの中心軸が支持される支点FLRと支点FLLの間の距離は、ブラシBの中心軸Aが支持される支点FRと支点FLの間の距離より短い。従って、被清掃面Sから受ける抗力によりブラシ105R及びブラシ105Lに生じる撓みの量は、ブラシBに生じる撓みの量よりも小さい。
【0023】
図5は、ブラシ105R及びブラシ105Lにより清掃される被清掃面Sに生じる清掃斑Eを模式的に示した図である。
図5に示すように、清掃装置1が備えるブラシ105R及びブラシ105Lにより清掃が行われる場合、
図14に示した従来技術に係るブラシBにより清掃が行われた場合と比較し、被清掃面Sに生じる清掃斑Eが大幅に低減される。
【0024】
図2を参照し、清掃装置1の構成の説明を続ける。清掃装置1は、さらに、駆動装置106で生成される回転力をブラシ105Rに伝達する駆動ベルト107Rと、駆動ベルト107Rにより回転されると共にブラシ105Rの中心軸の一方の端部に連結される駆動側連結部108Rと、ブラシ105Rの中心軸の他方の端部に連結される非駆動側連結部109Rを備える。また、清掃装置1は、駆動装置106で生成される回転力をブラシ105Lに伝達する駆動ベルト107Lと、駆動ベルト107Lにより回転されると共にブラシ105Lの中心軸の一方の端部に連結される駆動側連結部108Lと、ブラシ105Lの中心軸の他方の端部に連結される非駆動側連結部109Lを備える。
【0025】
駆動側連結部108Rは、筐体101に対し回転可能に取り付けられており、駆動ベルト107Rを介して駆動装置106から与えられる回転力により回転する。駆動側連結部108Rには、ブラシ105Rの中心軸の一方の端部が連結される。ブラシ105Rの中心軸は駆動側連結部108Rの回転に伴い回転する。非駆動側連結部109Rは、筐体101に対し回転不可能に取り付けられており、ブラシ105Rの中心軸の他方の端部と連結されて、ブラシ105Rの中心軸を回転可能に支持する。
【0026】
駆動側連結部108Lは、筐体101に対し回転可能に取り付けられており、駆動ベルト107Lを介して駆動装置106から与えられる回転力により回転する。駆動側連結部108Lには、ブラシ105Lの中心軸の一方の端部が連結される。ブラシ105Lの中心軸は駆動側連結部108Lの回転に伴い回転する。非駆動側連結部109Lは、筐体101に対し回転不可能に取り付けられており、ブラシ105Lの中心軸の他方の端部と連結されて、ブラシ105Lの中心軸を回転可能に支持する。
【0027】
図6は、駆動装置106により生成される回転力がブラシ105R及びブラシ105Lに伝達される構造を示した図である。
【0028】
清掃装置1において、駆動装置106は、駆動ベルト107Rを介して、ブラシ105Rの幅方向Wにおける中央側の端部(
図2における右側の端部)に回転力を与える。また、駆動装置106は、駆動ベルト107Lを介して、ブラシ105Lの幅方向Wにおける中央側の端部(
図2における左側の端部)に回転力を与える。そのため、ブラシ105R及びブラシ105Lは、交換が容易にできる。
【0029】
図7は、ブラシ105Lを例とし、その交換の手順を示した図である。
図7(a)はブラシ105Lが取り付けられている通常の状態を示している。ユーザ(保守員等)は、ブラシ105Lを交換する際、
図7(b)に示すように、非駆動側連結部109Lを取り外す。続いて、ユーザは、
図7(c)に示すように、古いブラシ105Lを矢印Xの方向に抜き取る。ユーザは、古いブラシ105Lを取り外した手順と逆の手順で、新しいブラシ105Lを取り付ける。
【0030】
仮に、駆動装置106がブラシ105Lの幅方向Wにおける外縁側の端部に回転力を与える場合、ユーザは、非駆動側連結部109Lの取り外し等を行う際、清掃装置1の側方からでは手が届かず、清掃装置1を持ち上げたり、裏返したりする必要がある。しかしながら、駆動装置106がブラシ105Lの幅方向Wにおける中央側の端部に回転力を与えるように構成されているため、ユーザは、非駆動側連結部109Lの交換の作業を清掃装置1の側方から容易に行うことができる。ブラシ105Rに関しても同様である。
【0031】
図2を参照し、清掃装置1の構成の説明を続ける。清掃装置1は、さらに、筐体101の後方に取り付けられたスクイジー110を備える。また、清掃装置1は、
図2では図示を省略している吸引機構を備える。スクイジー110は、洗浄液の散布された被清掃面Sからブラシ105R及びブラシ105Lにより除去されたゴミ、埃等を含む洗浄液を集める役割を果たす。スクイジー110により集められた洗浄液は、吸引機構により筐体101内へと吸引され、筐体101内の洗浄液回収タンクに回収される。
【0032】
なお、清掃装置1が、ブラシ105R及びブラシ105Lよりも前方に被清掃面Sに向けて洗浄液を散布するノズルを備え、筐体101内の洗浄液供給タンクに収容されている使用前洗浄液を、筐体101内のポンプによりノズルから散布してもよい。その場合、清掃装置1において被清掃面Sを清掃する際、予め別の装置等を用いて被清掃面Sに対し洗浄液を散布する手間を要さない。
【0033】
上記の構成は、清掃装置1が洗浄液を用いた清掃(湿式清掃)を行う場合の構成であるが、清掃装置1が洗浄液を用いない清掃(乾式清掃)を行うように構成されてもよい。その場合、清掃装置1は、筐体101内に洗浄液回収タンクに代えて、ゴミ、埃等を含む空気からゴミ、埃等を分離するフィルタ等と、分離したゴミ、埃等を回収する除去物回収タンクを備え、吸引機構により吸引した空気からゴミ、埃等を分離回収する。
【0034】
上述した清掃装置1によれば、被清掃面Sに清掃斑Eが生じにくい。また、上述した清掃装置1によれば、ブラシ105L及びブラシ105Rの交換が容易である。
【0035】
[変形例]
上述した実施形態は本発明の技術的思想の範囲内で様々に変形されてよい。以下にそれらの変形例を示す。なお、以下に示す変形例の2以上が適宜組み合わされてもよい。
【0036】
(変形例1)
上述した実施形態において、ブラシ105R及びブラシ105Lは、それらの中心軸が幅方向Wに平行に延伸するように配置されている。これに代えて、清掃装置1が備える複数のブラシの1以上に関し、そのブラシの幅方向Wにおける外縁側の端部が中央側の端部より移動方向Mにおいて後方に配置されていてもよい。
【0037】
図8は、この変形例の一例に係る清掃装置1の底面図である。この変形例においては、ブラシ105Rとブラシ105Lが「ハ」の字形状を成すように配置されている。すなわち、ブラシ105Rの幅方向Wにおける外縁側の端部(
図8の左側の端部)が、中央側の端部(
図8の右側の端部)よりも、移動方向Mにおいて後方に配置されている。そして、ブラシ105Lの幅方向Wにおける外縁側の端部(
図8の右側の端部)が、中央側の端部(
図8の左側の端部)よりも、移動方向Mにおいて後方に配置されている。
【0038】
図9は、
図8に示した構成の清掃装置1において、駆動装置106により生成される回転力がブラシ105R及びブラシ105Lに伝達される構造を示した図である。この清掃装置1が備える駆動装置106は、ブラシ105Rを回転させるための駆動装置106Rと、ブラシ105Lを回転させるための駆動装置106Lで構成される。
【0039】
図10は、上述した清掃装置1と比較した場合の、この変形例に係る清掃装置1の効果を説明するための図である。ブラシ105R及びブラシ105Lにより被清掃面Sから除去されたゴミ等は、後方に向かい、やや拡がるように飛散する。
【0040】
従って、上述した実施形態に係る清掃装置1による場合、
図10(a)に示すように、ブラシ105R及びブラシ105Lにより被清掃面Sから除去されたゴミ等の一部が、清掃領域より左右外側に飛散してしまう。従って、それらの左右外側に飛散するゴミ等を回収するために、スクイジー110の幅を広くしたり、吸引機構による吸引力を高めたりする必要が生じる。
【0041】
一方、この変形例に係る清掃装置1による場合、
図10(b)に示すように、ブラシ105R及びブラシ105Lにより被清掃面Sから除去されたゴミ等の一部が、清掃領域より左右外側に飛散してしまう危険性が低い。従って、上述した実施形態に係る清掃装置1と比較し、スクイジー110の幅を狭くでき、また、吸引機構に要求される吸引力を小さくできる。
【0042】
(変形例2)
上述した実施形態において、清掃装置1が備えるブラシの数は2本である。清掃装置1が備えるブラシの数は3本以上であってもよい。
図11は、清掃装置1が3本のブラシを備える場合の、それらのブラシの配置の例を示した図である。このように、幅方向Wに沿った方向に配置されるブラシの数を増やすことで、各ブラシの中心軸の長さを短くすることができる。その結果、各ブラシに生じる撓みの量が小さくなり、被清掃面Sに生じる清掃斑Eがより低減できる。
【0043】
図12は、清掃装置1が4本のブラシを備える場合の、それらのブラシの配置の例を示した図である。このように、移動方向Mに沿った方向に配置されるブラシの数を増やすことで、被清掃面Sの同じ位置を複数回、ブラシで擦ることができる。その結果、清掃装置1の汚れ除去能力を高めることができる。
【0044】
(変形例3)
上述した実施形態に係る清掃装置1は、コントロールユニットの制御下で自律走行するものとしたが、清掃装置1が作業員等のユーザによる移動方向の調整を受けながら移動してもよい。
【符号の説明】
【0045】
1…清掃装置、101…筐体、102L・102R…後輪、103L・103R…駆動装置、104…前輪、105L・105R…ブラシ、106…駆動装置、107L・107R…駆動ベルト、108L・108R…駆動側連結部、109L・109R…非駆動側連結部、110…スクイジー。