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  • 特開-情報提供装置及び方法 図1
  • 特開-情報提供装置及び方法 図2
  • 特開-情報提供装置及び方法 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022164471
(43)【公開日】2022-10-27
(54)【発明の名称】情報提供装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/783 20190101AFI20221020BHJP
   H04N 21/488 20110101ALI20221020BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20221020BHJP
【FI】
G06F16/783
H04N21/488
G01C21/26 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021069982
(22)【出願日】2021-04-16
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】青木 由香
(72)【発明者】
【氏名】齋部 覚
(72)【発明者】
【氏名】北村 智子
(72)【発明者】
【氏名】仲西 拓也
(72)【発明者】
【氏名】國副 比菜乃
(72)【発明者】
【氏名】山崎 涼々
【テーマコード(参考)】
2F129
5B175
5C164
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129BB03
2F129EE65
2F129EE67
2F129EE78
2F129EE79
2F129EE81
2F129FF02
2F129FF11
2F129FF20
2F129FF56
2F129FF62
2F129FF63
2F129FF65
2F129FF73
2F129FF75
2F129HH02
2F129HH04
5B175DA04
5B175FB03
5B175FB04
5C164FA06
5C164PA31
5C164UB02S
5C164UC01S
5C164UD11P
5C164UD61S
(57)【要約】
【課題】指定された地点の訪問者に関する、よりリアルタイムで確実性のある情報をユーザに通知することができる情報提供装置及び方法を提供する。
【解決手段】本発明にかかる情報提供装置10は、ネットワークを通じて配信された映像の中から、予め指定した地点に関する映像を選択する映像選択部13と、選択した映像に含まれる人物を検出する人物検出部14と、検出した人物の属性を推定する属性推定部15と、推定した人物の属性に基づいて、指定した地点を訪問する人物の属性傾向を決定する属性傾向決定部16と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを通じて配信された映像の中から、予め指定した地点に関する映像を選択する映像選択部と、
選択した前記映像に含まれる人物を検出する人物検出部と、
検出した前記人物の属性を推定する属性推定部と、
推定した前記人物の属性に基づいて、指定した前記地点を訪問する人物の属性傾向を決定する属性傾向決定部と、
を備えた情報提供装置。
【請求項2】
前記映像選択部は、前記地点の指定を受け付けた時点から遡った所定期間の映像を選択する、
請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項3】
前記映像選択部は、前記地点の指定を受け付けた時点と、過去における同時期の映像を選択する、
請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項4】
前記属性傾向決定部が決定した、前記地点を訪問する人物の属性傾向を通知する通知部をさらに備えた、
請求項1~3のいずれか1項に記載の情報提供装置。
【請求項5】
ネットワークを通じて配信された映像の中から、予め指定した地点に関する映像を選択するステップと、
選択した前記映像に含まれる人物を検出するステップと、
検出した前記人物の属性を推定するステップと、
推定した前記人物の属性に基づいて、指定した前記地点を訪問する人物の属性傾向を決定するステップと、
を備えた情報提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォンやタブレット端末等の携帯端末の普及に伴い、SNS(Social Networking Service)が頻繁に利用されている。SNSに投稿された情報は、例えば経路情報を案内するナビゲーションシステムや目的地の情報を提供するシステムにおいて利用されている。
【0003】
SNSに投稿された情報に基づいて、目的地の混雑度をユーザに提供するナビゲーションサービスに関する技術が開示されている。例えば、特許文献1には、目的地の施設の混雑度の変化を案内する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-177418号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1において開示された技術では、目的地における時系列の混雑度合いを把握することができるが、どのような属性の人が多いなど、詳細な状況が把握できない。また、Webを用いて混雑度合い等の情報配信を行う施設もあるが、配信される情報は、時間差が大きいなど、実際の状況とは異なる情報が多くなる。例えば、ファミリー層の多い施設であっても、時間帯やイベントなどによっては、カップルが多くファミリーでの訪問が適切ではない場合もある。
【0006】
上述した点に鑑み、本開示において、指定された地点の訪問者に関する、よりリアルタイムで確実性のある情報や、任意の期間に応じた情報をユーザに通知することができる情報提供装置及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明にかかる情報提供装置は、ネットワークを通じて配信された映像の中から、予め指定した地点に関する映像を選択する映像選択部と、選択した前記映像に含まれる人物を検出する人物検出部と、検出した前記人物の属性を推定する属性推定部と、推定した前記人物の属性に基づいて、指定した前記地点を訪問する人物の属性傾向を決定する属性傾向決定部を備える。
【0008】
本発明にかかる情報提供方法は、ネットワークを通じて配信された映像の中から、予め指定した地点に関する映像を選択するステップと、選択した前記映像に含まれる人物を検出するステップと、検出した前記人物の属性を推定するステップと、推定した前記人物の属性に基づいて、指定した前記地点を訪問する人物の属性傾向を決定するステップを備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明における情報提供装置及び方法によれば、指定された地点の訪問者に関する、よりリアルタイムで確実性のある情報や、任意の期間に応じた情報ユーザに通知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明における実施形態1にかかる情報提供装置の構成図である。
図2】本発明における実施形態1にかかる決定した人物属性傾向の通知例を示す図である。
図3】本発明における実施形態1にかかる情報提供装置が行う人物属性傾向を通知する処理のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について説明する。なお、図面は簡略的なものであるから、この図面の記載を根拠として実施の形態の技術的範囲を狭く解釈してはならない。また、同一の要素には、同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0012】
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクション又は実施の形態に分割して説明する。ただし、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部又は全部の変形例、応用例、詳細説明、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む。)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。
【0013】
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(動作ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似又は類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数等(個数、数値、量、範囲等を含む。)についても同様である。
【0014】
<実施形態1>
本実施形態における情報提供装置10の構成を、図1を用いて説明する。図1は、本実施形態における情報提供装置10の構成図である。
【0015】
情報提供装置10は、SNSサーバ20と相互に通信可能である。SNSサーバ20は、情報提供装置10と通信可能なネットワーク上に設けられたサーバであってもよいし、各施設の公式サイトのサーバであってもよい。また、SNSサーバ20は1台であってもよく、複数台であってもよい。また、情報提供装置10は、入力部11、地点指定部12、映像選択部13、人物検出部14、属性推定部15、属性傾向決定部16及び結果通知部17を備える。情報提供装置10は、目的地や移動ルートをユーザに提供するナビゲーション装置としての態様を備えてもよい。また、情報提供装置10は、単一のサーバであってもよいし、複数のサーバを用いて機能を分散させてもよい。
【0016】
入力部11は、地点指定部12に対して操作指示を行う。操作指示はキーボード及びタッチパネル等を用いた文字入力によるものでもよいし、マイク等を用いた音声入力によるものでもよい。
【0017】
地点指定部12は、ユーザが入力部11より入力した情報に基づいて、地点を指定する。入力した情報とは、例えば目的地の地点の緯度経度情報や施設名等、さまざまな情報であってもよい。なお、情報提供装置10は、地図データを備えた図示しない地図DBを備えてもよい。このとき、指定する地点は、地図上において選択される構成としてもよい。
【0018】
映像選択部13は、ネットワークを通じて配信された、地点名や施設名に関する情報や緯度経度などの地点情報を例えばタグ情報として付与された映像の中から、地点指定部12において予め指定された地点と一致または類似する地点情報を有する映像を、SNSサーバ20から検索し選択する。映像選択部13は、映像に緯度経度情報が含まれている場合、指定された地点の緯度経度から所定範囲内の緯度経度情報を示す映像を検索し選択する。所定範囲内とは、指定された地点から例えば100m以内等、指定された地点の属性によって任意に設定してもよい。
【0019】
映像選択部13は、地点の指定を受け付けた時点から遡った所定期間の映像を選択する。遡った所定期間とは、例えば地点を指定した時から過去1時間以内、地点を指定した日中、過去1週間以内等、指定した地点の属性によって任意に設定してもよい。また、選択する映像は、静止画像であっても動画像であってもよい。
【0020】
映像選択部13が選択する映像は、例えば、各施設の公式サイトで提供されているニュースの内容、ブログ等から選択したものであってもよい。また、映像選択部13が選択する映像は、ネットワークに接続されている定点カメラ等からのリアルタイム映像に基づくものであってもよい。すなわち、SNSサーバ20は、各施設が備えるサーバや、定点カメラの映像を配信するサーバであってもよい。なお、本実施形態において対象とするSNSの情報は、検索可能な多くの情報を対象としていることが好ましい。
【0021】
人物検出部14は、映像選択部13が選択した映像に含まれる人物を検出する。人物検出部14は、複数の人物が映像に含まれている場合、当該複数の人物を検出してもよい。映像選択部13が選択した映像のうち、人物が含まれていない映像は、人物検出部14の検出結果に基づいて、後述する属性推定部15の処理において人物の属性推定を行う対象から除外してもよい。
【0022】
属性推定部15は、人物検出部14が検出した人物の属性を推定する。属性の推定は、人物検出部14が検出した人物単独または複数人の属性を推定する。属性の推定は、様々な人物の状態(例えば、男性や女性などの性別、子供、若い、年配などの年代等)を学習させた人工知能を用いて人物検出部14で検出された人物の画像の特徴量から人物の属性を推定してもよい。属性推定部15は、検出した個人の人物属性を推定するとともに、検出した人物が所属する団体の属性も推定してもよい。属性推定部15は、例えば、個々の人同士の距離、会話しているか、目線や顔の向きなどから、一人であるかカップルまたは団体であるか団体の属性を推定してもよい。属性とは、例えば、男性や女性などの性別、子供、若い、年配などの年代等、様々な属性であってもよい。また、所属する団体の属性とは、例えば、一人、子連れ家族、カップル、男女グループ、男性グループ及び女性グループ等、様々な団体であってもよい。
【0023】
属性傾向決定部16は、複数の映像から属性推定部15が推定した属性に基づいて、指定した地点を訪問する人物の属性傾向を決定する。すなわち、属性傾向決定部16は、映像から検出した人物の属性の割合等を用いて、属性の傾向を決定する。人物属性の傾向は、例えば、家族連れが多い、カップルが多い、若いカップルが多い、団体が多い等、様々な傾向であってもよい。
【0024】
結果通知部17は、属性傾向決定部16が決定した、指定した地点を訪問する人物の属性傾向をユーザに通知する通知部である。通知する態様は、地図上に現在位置と、目的地における属性傾向を画面上に表示する態様であってもよい。このとき、現在位置の取得は、GPS(Global Positioning System)等の測位システムを用いてもよい。属性傾向の通知例を図2に示すが、結果通知部17が通知する態様はこれに限らない。また、結果通知部17は音声情報を出力する機能を備えてもよい。このとき、属性傾向決定部16は、指定された地点ごとに決定した属性傾向を報知する音声情報を作成してもよい。
【0025】
ここで、情報提供装置10が行う処理のフローについて、図3を用いて説明する。図3は、本実施形態における情報提供装置10が行う人物属性傾向を通知する処理のフロー図である。
【0026】
まず、地点指定部12は、ユーザが入力部11より入力した情報に基づいて、地点を指定する(ステップ101)。映像選択部13は、地点指定部12において指定された地点の所定期間の映像を、SNSサーバ20から取得する(ステップ102)。人物検出部14は、映像選択部13が選択した映像に含まれている人物を検出する(ステップ103)。属性推定部15は、指定された地点における人物検出部14が検出した人物の属性を推定する(ステップ104)。属性傾向決定部16は、複数の映像から属性推定部15が推定した属性に基づいて、指定した地点における人物属性の傾向を決定する(ステップ105)。結果通知部17は、属性傾向決定部16が決定した、指定した地点を訪問する人物の属性傾向をユーザに通知する(ステップ106)。
【0027】
上述のとおり、本実施形態における情報提供装置10は、ユーザが指定した地点に関連する所定期間の静止画像や動画像をSNSサーバ20から取得する。人物検出部14は、取得した静止画像や動画像から人物を検出し、属性推定部15はその人物の属性を推定し、結果通知部17は推定した人物属性をユーザに通知する。そのため、情報提供装置10は、指定された地点の訪問者に関する、よりリアルタイムで確実性のある情報をユーザに通知することができる。また、ユーザは、指定した地点の人物属性傾向を通知されることによって、ユーザの人物属性に合った目的地を選択することができる。
【0028】
<実施形態2>
実施形態1における情報提供装置10の映像選択部13は、地点を指定した時から遡った所定期間、すなわち例えば過去1時間以内、地点を指定した日中、過去1週間以内等の映像を選択する。本実施形態において、映像選択部13は、地点の指定を受け付けた時点と、過去における同時期の映像を選択する。過去における同時期とは、同じ時刻、同じ曜日、同じ月、同じ季節である。同じ季節とは、例えば、毎年のクリスマス、正月、ゴールデンウィーク、桜の開花期間、イベント開催期間や、気候が同じような時期等をいうがこれに限らない。
【0029】
本実施形態における情報提供装置10によれば、直近の情報に限らず、様々な時期の指定された地点の人物属性情報を提供することができる。
【0030】
<その他の実施形態>
本発明における情報提供装置10は、例えば、情報提供方法としての実施形態を備える。すなわち情報提供方法は、ネットワークを通じて配信された映像の中から、予め指定した地点に関する映像を選択するステップと、選択した前記映像に含まれる人物を検出するステップと、検出した前記人物の属性を推定するステップと、推定した前記人物の属性に基づいて、指定した前記地点を訪問する人物の属性傾向を決定するステップを備える。
【0031】
以上、図面を参照して、本開示の実施の形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等が可能である。
【符号の説明】
【0032】
10 情報提供装置
11 入力部
12 地点指定部
13 映像選択部
14 人物検出部
15 属性推定部
16 属性傾向決定部
17 結果通知部
20 SNSサーバ
図1
図2
図3