(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022164487
(43)【公開日】2022-10-27
(54)【発明の名称】発光装置
(51)【国際特許分類】
H01L 33/62 20100101AFI20221020BHJP
H01L 23/02 20060101ALI20221020BHJP
【FI】
H01L33/62
H01L23/02 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021070005
(22)【出願日】2021-04-16
(71)【出願人】
【識別番号】000131430
【氏名又は名称】シチズン電子株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000001960
【氏名又は名称】シチズン時計株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100180806
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100160716
【弁理士】
【氏名又は名称】遠藤 力
(72)【発明者】
【氏名】相原 健志
(72)【発明者】
【氏名】秋山 貴
(72)【発明者】
【氏名】原 博昭
(72)【発明者】
【氏名】内村 仁
【テーマコード(参考)】
5F142
【Fターム(参考)】
5F142AA56
5F142BA02
5F142BA32
5F142CA03
5F142CA16
5F142CB12
5F142CB18
5F142CB23
5F142CC02
5F142CC14
5F142CC23
5F142CD02
5F142CD17
5F142CD32
5F142CF13
5F142DB16
5F142DB24
5F142FA03
(57)【要約】
【課題】駆動装置と発光素子とが一体化され且つ小型化が可能な発光装置を提供する。
【解決手段】発光装置1は、離隔して配置される金属製の第1電極11及び第2電極12と、表面に配置されるアノード、及び裏面に配置されるカソードを有し、アノードとカソードとの間に電流が供給されることに応じて発光する発光素子16と、第1電極及びアノードに接続される第1端子31、カソードに接続される第2端子32、第2電極12に接続された第3端子33及び第4端子34、並びに第2端子32と第3端子33及び第4端子34との間に流れる駆動電流を制御する駆動素子51及び52を有し、第2電極12に実装された半導体装置15と、第1電極11及び第2電極12の表面、第1端子31の一部、並びに第3端子33及び第4端子34を覆うように配置される樹脂製のフレーム18とを有し、第2電極12、半導体装置15及び発光素子16は、重畳して配置される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
離隔して配置される金属製の第1電極及び第2電極と、
表面に配置されるアノード、及び裏面に配置されるカソードを有し、前記アノードと前記カソードとの間に電流が供給されることに応じて発光する発光素子と、
前記第1電極及び前記アノードに接続される第1端子、前記カソードに接続される第2端子、前記第2電極に接続された第3端子及び第4端子、並びに前記第2端子と前記第3端子及び前記第4端子との間に流れる駆動電流を制御する駆動素子を有し、前記第2電極に実装された半導体装置と、
前記第1電極及び前記第2電極の表面、前記第1端子の一部、並びに前記第3端子及び前記第4端子を覆うように配置される樹脂製のフレームと、を有し、
前記第2電極、前記半導体装置及び前記発光素子は、重畳して配置される、ことを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記半導体装置を前記第2電極に接着する接着シートを更に有する、請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記フレームは、前記半導体装置の外縁を覆うように配置される、請求項2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記第1電極と前記第1端子との間、並びに前記第2電極と前記第3端子及び前記第4端子のそれぞれとの間を接続する複数のボンディングワイヤを更に有し、
前記フレームは、前記複数のボンディングワイヤを覆うように配置される、請求項3に記載の発光装置。
【請求項5】
前記フレームは、
前記半導体装置の辺のそれぞれに平行に延伸する第1壁部、第2壁部、第3壁部及び第4壁部と、
前記第1壁部、前記第2壁部、前記第3壁部及び前記第4壁部に囲まれ、且つ前記発光素子が視認可能な開口部が中央に形成される支持面と、を有し、
前記半導体装置と前記支持面との間を接続する壁面は、前記半導体装置から前記支持面に向かうに従って前記開口部の面積が大きくなるように傾斜する、請求項3又は4に記載の発光装置。
【請求項6】
前記支持面に支持され、前記発光素子から出射された光を拡散する拡散板を更に有し、
前記拡散板の表面の高さは、前記フレームの上面の高さよりも低い、請求項5に記載の発光装置。
【請求項7】
前記第2電極は、矩形の基部、前記基部の対向する一対の辺から突出する第1突出部及び第2突出部並びに前記基部の他の一辺から突出する第3突出部を有し、
前記第1突出部、前記第2突出部及び前記第3突出部は、前記フレームが充填される凹部が裏面に形成される、請求項1~6の何れか一項に記載の発光装置。
【請求項8】
前記第1突出部及び前記第2突出部は、外縁に沿って複数の切欠きが形成される、請求項7に記載の発光装置。
【請求項9】
前記凹部は、前記複数の切欠きのそれぞれに端部が接するように形成される、請求項8に記載の発光装置。
【請求項10】
前記第1突出部及び前記第2突出部は、長手方向の端部に突起部が形成される、請求項7~9の何れか一項に記載の発光装置。
【請求項11】
前記半導体装置は、複数の電極に実装される、請求項1~10の何れか一項に記載の発光装置。
【請求項12】
前記フレームは、前記発光素子の外縁を覆うように配置される、請求項1~11の何れか一項に記載の発光装置。
【請求項13】
前記半導体装置の上に実装される電子部品を更に有する、請求項1~12の何れか一項に記載の発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
垂直共振器面発光レーザ(Vertical-Cavity Surface-Emitting Laser、VCSEL)において、動作特性及び温度特性を改善させる種々の技術が知られている。例えば、特許文献1には、VCSELと、抵抗が正の温度特性を有し且つVCSELに直列接続される抵抗素子とを有する発光装置が記載される。特許文献1に記載される発光装置は、VCSELに直列接続される抵抗素子がVCSELのインピーダンス特性の温度変化を補償することで、インピーダンス不整合による高周波ノイズの発生及び駆動信号の劣化を防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載される発光装置は、発光装置と別体の駆動装置によって駆動されるため、発光素子に加えて駆動装置を内蔵したときに発光装置のサイズが大きくなる。
【0005】
本発明は、このような課題を解決するものであり、駆動装置と発光素子とが一体化され且つ小型化が可能な発光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る発光装置は、離隔して配置される金属製の第1電極及び第2電極と、表面に配置されるアノード、及び裏面に配置されるカソードを有し、アノードとカソードとの間に電流が供給されることに応じて発光する発光素子と、第1電極及びアノードに接続される第1端子、カソードに接続される第2端子、第2電極に接続された第3端子及び第4端子、並びに第2端子と第3端子及び第4端子との間に流れる駆動電流を制御する駆動素子を有し、第2電極に実装された半導体装置と、第1電極及び第2電極の表面、第1端子の一部、並びに第3端子及び第4端子を覆うように配置される樹脂製のフレームとを有し、第2電極、半導体装置及び発光素子は、重畳して配置される。
【0007】
さらに、本発明に係る発光装置では、半導体装置を第2電極に接着する接着シートを更に有することが好ましい。
【0008】
さらに、本発明に係る発光装置では、フレームは、半導体装置の外縁を覆うように配置されることが好ましい。
【0009】
さらに、本発明に係る発光装置では、第1電極と第1端子との間、並びに第2電極と第3端子及び第4端子のそれぞれとの間を接続する複数のボンディングワイヤを更に有し、フレームは、複数のボンディングワイヤを覆うように配置されることが好ましい。
【0010】
さらに、本発明に係る発光装置では、フレームは、半導体装置の辺のそれぞれに平行に延伸する第1壁部、第2壁部、第3壁部及び第4壁部と、第1壁部、第2壁部、第3壁部及び第4壁部に囲まれ、且つ発光素子が視認可能な開口部が中央に形成される支持面と、を有し、半導体装置と支持面との間を接続する壁面は、半導体装置から支持面に向かうに従って開口部の面積が大きくなるように傾斜することが好ましい。
【0011】
さらに、本発明に係る発光装置では、支持面に支持され、発光素子から出射された光を拡散する拡散板を更に有し、拡散板の表面の高さは、フレームの上面の高さよりも低いことが好ましい。
【0012】
さらに、本発明に係る発光装置では、第2電極は、矩形の基部、基部の対向する一対の辺から突出する第1突出部及び第2突出部並びに基部の他の一辺から突出する第3突出部を有し、第1突出部、第2突出部及び第3突出部は、フレームが充填される凹部が裏面に形成されることが好ましい。
【0013】
さらに、本発明に係る発光装置では、第1突出部及び第2突出部は、外縁に沿って複数の切欠きが形成されることが好ましい。
【0014】
さらに、本発明に係る発光装置では、凹部は、複数の切欠きのそれぞれに端部が接するように形成されることが好ましい。
【0015】
さらに、本発明に係る発光装置では、第1突出部及び第2突出部は、長手方向の端部に突起部が形成されることが好ましい。
【0016】
さらに、本発明に係る発光装置では、半導体装置は、複数の電極に実装されることが好ましい。
【0017】
さらに、本発明に係る発光装置では、フレームは、発光素子の外縁を覆うように配置されることが好ましい。
【0018】
さらに、本発明に係る発光装置では、半導体装置の上に実装される電子部品を更に有することが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る発光装置は、駆動装置と発光素子とが一体化されると共に、小型化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図2】拡散板を除く
図1に示す発光装置の斜視図である。
【
図3】拡散板及びフレームを除く
図1に示す発光装置の斜視図である。
【
図4】
図1に示すA-A線に沿う発光装置の断面図である。
【
図5】
図3に示す第2電極を裏面から見た斜視図である。
【
図8】
図1に示す発光装置の製造方法を示すフローチャートである。
【
図9】
図8に示す電極準備工程に対応する平面図である。
【
図10】
図8に示す半導体装置実装工程に対応する平面図である。
【
図11】
図8に示す発光素子実装工程に対応する平面図である。
【
図12】
図8に示すワイヤボンディング工程に対応する平面図である。
【
図13】
図8に示すフレーム形成工程に対応する平面図である。
【
図14】第1変形例に係る発光装置の断面図である。
【
図15】第2変形例に係る発光装置の断面図である。
【
図16】第3変形例に係る発光装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して、本発明に係る発光装置について説明する。ただし、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態には限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0022】
図1は実施形態に係る発光装置の斜視図であり、
図2は拡散板を除く
図1に示す発光装置の斜視図であり、
図3は拡散板及びフレームを除く
図1に示す発光装置の斜視図であり、
図4は
図1に示すA-A線に沿う発光装置の断面図である。
【0023】
発光装置1は、第1電極11と、第2電極12と、9個の監視制御電極13と、一対のダミー電極14と、半導体装置15と、発光素子16と、拡散板17と、フレーム18と、複数のボンディングワイヤ19とを有するリードフレームパッケージである。発光装置1では、第2電極12、半導体装置15及び発光素子16は、重畳して配置される。半導体装置15は、矩形の平面形状を有し、第1辺21、第2辺22、第3辺23及び第4辺24を有する。
【0024】
第1電極11、第2電極12、9個の監視制御電極13及び一対のダミー電極14のそれぞれは、アルミニウム及び銅等の放熱性が高い導電性部材で形成され、互いに離隔して配置される。第1電極11は、長手方向が延伸する略矩形状の平面形状を有し、矩形の平面形状を有する半導体装置15の第1辺21の延伸方向に平行に長手方向が延伸するように配置される。第1電極11は、第1辺21の延伸方向に沿って配置される複数のボンディングワイヤ19を介して半導体装置15の表面に配置される第1端子31を介して発光素子16のアノードに電気的に接続される。
【0025】
第1電極11は、第2電極12対向する辺と反対の辺に沿って6個の切欠き11aが形成される。また、第1電極11は、裏面に凹部11bが形成される。凹部11bは、6個の切欠き11aのそれぞれと端部が接するように形成される。第1電極11の長手方向の端部、及び第2電極12に対向する辺には、突起部11cが形成される。
【0026】
【0027】
第2電極12は、半導体装置15が実装され、基部12aと、半導体装置15の第2辺22、第3辺23及び第4辺のそれぞれに近接して配置される第1突出部12b、第2突出部12c及び第3突出部12dを有する。第2電極12は、一端が第1突出部12b、第2突出部12c及び第3突出部12dに接続される複数のボンディングワイヤ19を介して半導体装置15に電気的に接続される。第2電極12は、金属を含有する樹脂材等の熱伝導率が高い接着部材を介して半導体装置15に熱的に接続される。
【0028】
基部12aは、矩形の平面形状を有し、対向する一対の辺から第1突出部12b及び第2突出部12cが突出するように配置されると共に、他の一辺から第3突出部12dが突出するように配置される。第1突出部12b、第2突出部12c及び第3突出部12dが配置されない辺は、第1電極11に対向する。
【0029】
第1突出部12bは、基部12aの一辺に沿って延伸するように配置され、基部12aに接する辺と反対の辺である外縁に沿って3個の第1切欠き12b1が形成される。また、第1突出部12bは、裏面に第1凹部12b2が形成される。第1凹部12b2は、基部12aとの間に形成されると共に、3個の切欠き12b1のそれぞれと端部が接するように形成される。第1突出部12bの長手方向の端部には、一対の第1突起部12b3が形成される。
【0030】
第2突出部12cは、第1突出部12bと同様に、基部12aの一辺に沿って延伸するように配置され、基部12aに接する辺と反対の辺である外縁に沿って3個の第2切欠き12c1が形成される。また、第2突出部12cは、裏面に第2凹部12c2が形成される。第2凹部12c2は、基部12aとの間に形成されると共に、3個の切欠き12c1のそれぞれと端部が接するように形成される。第2突出部12cの長手方向の端部には、一対の第2突起部12c3が形成される。
【0031】
第3突出部12dは、基部12aの一辺の中央部に配置され、基部12aに接する辺と反対の辺である外縁に沿って1個の第3切欠き12d1が形成される。また、第3突出部12dは、裏面に第3凹部12d2が形成される。第3凹部12d2は、基部12aとの間に形成されると共に、切欠き12d1と端部が接するように形成される。第2突出部12cの切欠き12d1が形成される辺に直交する一対の辺には、一対の第3突起部12d3が形成される。
【0032】
9個の監視制御電極13のうち、5個の監視制御電極13は、第1突出部12bと第3突出部12dとの間に半導体装置15の第2辺22及び第4辺24に沿うように配置される。9個の監視制御電極13の他の4個の監視制御電極13は、第2突出部12cと第3突出部12dとの間に半導体装置15の第3辺23及び第4辺24に沿うように配置される。9個の監視制御電極13のそれぞれは、ボンディングワイヤ19を介して半導体装置15に電気的に接続される。
【0033】
一対のダミー電極14は、第1電極11の長手方向の両端のそれぞれに第1電極11から離隔して配置される。
【0034】
9個の監視制御電極13及び一対のダミー電極14は、同一の形状を有する。9個の監視制御電極13及び一対のダミー電極14は、矩形状の平面形状を有し、外側に向かって突起する突起部が3辺に形成される。
【0035】
半導体装置15は、第1端子31と、第2端子32と、第3端子33と、第4端子34と、第5端子35と、9個の監視制御端子36とを有し、発光素子16のアノードとカソードとの間に駆動電流を監視制御する。
【0036】
半導体装置15は、接着シート15aを介して第2電極12に接合される。接着シート15aは、熱伝導率が高いフィラーや金属を含有するアクリル樹脂やエポキシ樹脂等の接着用合成樹脂を矩形状の基材の両面に配置した高い熱伝導率を有する接着部材であり、半導体装置15の裏面の形状と略一致する。接着シート15aの厚みは、例えば、100μmより薄くてよく、50μmより薄くてよい。半導体装置15が発光素子16点灯時の発熱により温度上昇したときに、半導体装置15の熱を12に効率よく伝えるため、接着シート15aの厚みは、より薄くなることが好ましく、例えば15μmであってもよい。なお、接着シート15aの厚みが15μmより薄くなると、製造工程でハンドリングするときに破損する恐れがある。
【0037】
第1端子31は、矩形の平面形状を有し、第1電極11に対向する第1辺21に沿って半導体装置15の表面に配置される。第1端子31の第1電極11に対向する第1辺21に沿う辺の長さは、発光素子16の第1電極11に対向する第1辺21に沿う辺よりも長い方が好ましい。発光素子16の少なくとも1つの辺のほぼ全てに配置されるアノード端子からのワイヤの数を最大とすることができ、配線抵抗による電圧降下が抑制される。また、第1端子31の第1電極11に対向する第1辺21に直交する辺の長さは、発光素子16の第1電極11に対向する第1辺21に沿う辺よりも短い方が好ましい。経路が短くなるので、配線抵抗による電圧降下が抑制される。なお、第1端子31の第1電極11に対向する第1辺21に直交する辺の長さは、半導体装置15及び発光素子16のサイズに応じて決定され、第1電極11に対向する第1辺21に沿う辺よりも長くてもよく、同一であってもよい。第1端子31の第1辺21に近接する領域には、第1電極11と第1端子31との間を電気的に接続する複数のボンディングワイヤ19が第1辺21の延伸方向に沿って配置される。第1端子31の第1辺21から離隔する領域には、第1電極11と発光素子16のアノードとの間を電気的に接続する複数のボンディングワイヤ19が第1辺21の延伸方向に沿って配置される。
【0038】
第2端子32は、矩形の平面形状を有し、半導体装置15の表面の中央に配置される。第2端子32には、発光素子16が実装され、第2端子32と発光素子16のカソードとの間が電気的に接続される。
【0039】
第3端子33及び第4端子34のそれぞれは、第1辺21に直交する第2辺22及び第3辺23に長手方向が延伸する矩形状の平面形状を有し、第2辺22及び第3辺23のそれぞれに沿って半導体装置15の表面に配置される。第3端子33には、第1突出部12bと第3端子33との間を電気的に接続する複数のボンディングワイヤ19が第2辺22の延伸方向に沿って配置される。第4端子34には、第2突出部12cと第4端子34との間を電気的に接続する複数のボンディングワイヤ19が第3辺23の延伸方向に沿って配置される。
【0040】
第5端子35は、円形の平面形状を有し、第4辺24の中央部の近傍に配置される。第5端子35には、第3突出部12dと第5端子35との間を電気的に接続するボンディングワイヤ19が配置される。
【0041】
9個の監視制御端子36のそれぞれは、円形の平面形状を有し、第2辺22、第3辺23及び第4辺の近傍に配置される。9個の監視制御端子36のそれぞれには、9個の監視制御電極13との間を電気的に接続するボンディングワイヤ19が配置される。
【0042】
半導体装置15は、複雑な回路構成が可能な片面の配線板とも言え、配線設計の自由度が高い。なお、配線設計の自由度が高いとは、配線の幅が1μm以上、5μm以上、又は10μm以上であり、50μm以下、100μm以下、又は200μmよりも狭くてよく、配線のピッチが1μm以上、5μm以上、又は10μm以上であり、50μm以下、100μm以下、又は200μmよりも狭く構成された配線があることである。また、例えば、半導体装置15の各辺の好適な位置に、第1端子31、第2端子32、第3端子33、第4端子34、第5端子35、9個の監視制御端子36を容易に配置できる。このとき、ワイヤ長が最短となるように、それぞれの端子の近傍に、第1電極11、第2電極12、監視制御電極13、ダミー電極14を配置することも容易であり、各端子と各電極のワイヤ長を最短にできるから、ボンディングワイヤ19が断線するリスクが低くなる。また、各電極の配置が容易であるから、配線設計の自由度が低いリードフレームを使用できる。なお、配線設計の自由度が低いとは、例えば、配線の幅が200μm以上、又は300μm以上であり、配線のピッチが200μm以上である。リードフレームは、例えば、銅などの金属材料で構成されてもよく、単一や単層の金属材料で構成されてもよく、また、表層には、全周に渡って、金及び銀などのメッキが形成されてもよい。
【0043】
発光素子16は、VCSELとも称され、レーザ光を出射する複数のエミッタが表面に等間隔にアレイ状に配置される。発光素子16は、例えば364(26×14)個のエミッタを有し、364個のエミッタは、0.0385mmのピッチで配列される。発光素子16は、表面に配置されるアノードと、裏面に配置されるカソードとを有し、アノードとカソードとの間に電流が供給されることに応じて発光する。
【0044】
拡散板17は、例えばポリアリレート樹脂等の熱可塑性樹脂、シリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂、及びエポキシ樹脂等の紫外線硬化樹脂で形成された光透過性部材である。拡散板17の表面の高さは、フレーム18の上面の高さよりも低い。拡散板17の表面及び裏面の少なくとも一方には、発光素子16から出射された光を拡散するシボ加工等された拡散面が形成される。拡散板17は、発光素子16から出射された光を成形及び均一化することで、所望の配光分布を有する光を出射する。拡散板17は、発光装置1の発光効率が低下しないように発光素子16から出射された光を取り込むことが好ましい。拡散板17が取り込む光の取込量は、90%以上が好ましく、95%以上が更に好ましい。
【0045】
【0046】
フレーム18は、黒色の樹脂製の部材であり、第1壁部41と、第2壁部42と、第3壁部43と、第4壁部44と、支持面45と、第1凸部46と、第2凸部47とを有する。フレーム18は、第1電極11及び第2電極12の表面、及び第1端子31の一部、及び第3端子33及び第4端子34を覆うように配置される。なお、第1電極11、第2電極12、監視制御電極13及びダミー電極14の底面は、フレーム18に覆われない。フレーム18の底面は、第1電極11、第2電極12、監視制御電極13及びダミー電極14の底面と同一面を形成する。第1電極11、第2電極12、監視制御電極13及びダミー電極14の底面は、例えば、不図示のヒートシンクに面接触可能であるから、大きな放熱経路を有すると言える。
【0047】
第1壁部41、第2壁部42、第3壁部43及び第4壁部44のそれぞれは、半導体装置15の第1辺21、第2辺22、第3辺23及び第4辺24のそれぞれに平行に延伸する。支持面45は、第1壁部41、第2壁部42、第3壁部43及び第4壁部44に囲まれ、且つ発光素子16が視認可能な矩形の開口部48が中央に形成される。
【0048】
第1壁部41の底部には、第1電極11及び一対のダミー電極14が篏合される。フレーム18を形成する樹脂は、第1電極11の6個の切欠き11a、凹部11b及び突起部11cのそれぞれに篏合される。また、フレーム18を形成する樹脂は、一対のダミー電極14の突起部に篏合される。
【0049】
第2壁部42の底部には、第2電極12の第1突出部12b及び1個の監視制御電極13が篏合される。フレーム18を形成する樹脂は、第1突出部12bの3個の切欠き12b1、第1凹部12b2及び一対の第1突起部12b3のそれぞれに篏合される。また、フレーム18を形成する樹脂は、監視制御電極13の突起部に篏合される。
【0050】
第3壁部43の底部には、第2電極12の第2突出部12c及び1個の監視制御電極13が篏合される。フレーム18を形成する樹脂は、第2突出部12cの3個の切欠き12c1、第2凹部12c2及び一対の第2突起部12c3のそれぞれに篏合される。また、フレーム18を形成する樹脂は、監視制御電極13の突起部に篏合される。
【0051】
第4壁部44の底部には、第2電極12の第3突出部12d及び7個の監視制御電極13が篏合される。フレーム18を形成する樹脂は、第3突出部12dの切欠き12d1、第3凹部12d2及び一対の第3突起部12d3のそれぞれに篏合される。また、フレーム18を形成する樹脂は、監視制御電極13の突起部に篏合される。
【0052】
開口部48を囲む支持面45の内縁から下方に向かって延伸する壁面49の端部は、半導体装置15の表面に接する。壁面49の端部が半導体装置15の表面に接することで、開口部48を囲む支持面45の内縁は、発光装置1を平面視したときに、内縁が半導体装置15に重畳するように配置される。
【0053】
すなわち、フレーム18は、半導体装置15の外縁を覆うように配置される。より具体的には、フレーム18は、半導体装置15の端子と第1電極11~監視制御電極13との間を接続する複数のボンディングワイヤ19を覆うように配置される。
【0054】
半導体装置15と支持面45との間を接続する壁面49は、半導体装置15から支持面45に向かうに従って第1壁部41、第2壁部42、第3壁部43及び第4壁部44に近接し、開口部48の面積が大きくなるように傾斜する。
【0055】
第1凸部46は、第2壁部42に対向する第3壁部43の方向に突出するように、第2壁部42の内壁の中央部に配置される。第2凸部47は、第3壁部43に対向する第2壁部42の方向に突出するように、第3壁部43の内壁の中央部に配置される。第1凸部46及び第2凸部47のそれぞれは、拡散板17の端部に対向するように配置される。
【0056】
【0057】
半導体装置15は、第1電流制御素子51と、第2電流制御素子52と、監視制御回路53とを更に有する。半導体装置15は、発光素子16に直列接続される第1電流制御素子51及び第2電流制御素子52を制御すると共に、監視制御回路53が発光素子16に流れる電流等を監視することで、発光素子16の発光を監視制御する。
【0058】
第1電流制御素子51及び第2電流制御素子52は、n型の金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor、MOSFET)である。第1電流制御素子51及び第2電流制御素子52は、発光素子16を介して第2端子32と第3端子33及び第4端子34に流れる駆動電流を制御する駆動素子である。
【0059】
第1電流制御素子51のゲートは、監視制御端子36の1つを介して監視制御電極13の1つに接続される。第1電流制御素子51のソースは第2電流制御素子52のドレインに接続され、第1電流制御素子51のドレインは第2端子32を介して発光素子16のカソードに接続される。第2電流制御素子52のゲートは監視制御回路53に接続され、第2電流制御素子52のソースは第3端子33及び第4端子34を介して第2電極に接続される。
【0060】
第1電流制御素子51は、監視制御電極13に印加される電流設定信号に基づいて、発光素子16のアノードとカソードとの間及び第1電流制御素子51のソースとドレインとの間に流れる駆動電流の電流量を制御する。
【0061】
第2電流制御素子52は、監視制御回路53によって生成される周期信号に基づいてオンオフすることで、発光素子16のアノードとカソードとの間及び第2電流制御素子52のソースとドレインとの間に流れる駆動電流を所定の周期でオンオフする。
【0062】
監視制御回路53は、電流駆動回路54と、温度監視回路55と、電流監視回路56と、光量監視回路57とを有する。電流駆動回路54は、監視制御端子36を介して監視制御電極13から入力される信号に基づいて周期信号を生成し、生成した周期信号を第2電流制御素子52のゲートに印加する。監視制御回路53は、監視制御端子36から電源電圧が供給されると共に、第5端子35を介して第2電極12に接続されることで、接地される。
【0063】
温度監視回路55は、サーミスタを有し、半導体装置15の表面に配置される発光素子16の温度を測定し、サーミスタによって測定される温度が所定のしきい値温度を越えたとき、警報信号を監視制御端子36を介して監視制御電極13から出力する。光量監視回路57は、発光素子16から出射される光の光量を示す光量信号が不図示の光電変換素子から入力され、入力される光量信号に対応する光量が所定の光量範囲を外れたとき、警報信号を監視制御端子36を介して監視制御電極13から出力する。なお、監視制御回路53は、電流駆動回路54、温度監視回路55、電流監視回路56及び光量監視回路57を有するが、実施形態に係る発光装置では、監視制御回路53は、電流駆動回路54と、温度監視回路55、電流監視回路56及び光量監視回路57を有していなくてもよい。また、実施形態に係る発光装置では、監視制御回路53は、電流駆動回路54と、温度監視回路55、電流監視回路56及び光量監視回路57の少なくとも1つを有してもよい。
【0064】
図8は、発光装置1の製造方法を示すフローチャートである。
図9は
図8に示す電極準備工程に対応する平面図であり、
図10は
図8に示す半導体装置実装工程に対応する平面図であり、
図11は
図8に示す発光素子実装工程に対応する平面図である。
図12は
図8に示すワイヤボンディング工程に対応する平面図であり、
図13は
図8に示すフレーム形成工程に対応する平面図である。
図8~13を参照して、単一の発光装置1が製造される製造方法が説明されるが、
図8~13を参照して説明される製造方法と同様な製造方法によって複数の発光装置1が製造されてもよい。
【0065】
まず、電極準備工程において、第1電極11、第2電極12、複数の監視制御電極13及び一対のダミー電極14のそれぞれは、互いに離隔する所定の位置に配置される(S101)。
【0066】
次いで、半導体装置実装工程において、半導体装置15は、第2電極12に実装される(S102)。半導体装置15は、金属を含有する樹脂材等の熱伝導率が高い接着シート15aを介して第2電極12の表面に接着することで、第2電極12に実装される。
【0067】
次いで、ワイヤボンディング工程において、第1電極11等の電極と第1端子31等の端子の間がボンディングワイヤ19によって電気的に接続される(S103)。第1電極11等の電極と第1端子31等の端子の間がボンディングワイヤ19によって電気的に接続されることで、外部装置に電気的に接続可能な電極と、半導体装置15との間が電気的に接続される。
【0068】
次いで、フレーム形成工程において、フレーム18は、第1電極11及び第2電極12の表面、及び第1端子31の一部、及び第3端子33及び第4端子34を覆うように形成される(S104)。フレーム18は、フレーム18の形状に対応する形状を有する金型にフレーム18の原材料を注入した後に、フレーム18の原材料を加熱して固化することで、形成される。
【0069】
次いで、発光素子実装工程において、発光素子16は、半導体装置15の表面に配置される第2端子32に実装される(S105)。発光素子16は、金錫はんだ等の導電性の接着部材を介して第2端子32の表面に接着することで、第2端子32に実装される。発光素子16は、第2電極12及び半導体装置15に重畳して配置される。次いで、第1端子31と発光素子16のアノードの間がボンディングワイヤ19によって電気的に接続される。フレーム18によって、第1電極11等の電極と第1端子31等の端子の間のボンディングワイヤ19は覆われているから、発光素子実装工程における外力から保護され、ボンディングワイヤ19の断線リスクを低減できる。
【0070】
そして、拡散板実装工程において、拡散板17は、フレーム18の支持面45に実装される(S106)ことで、発光装置1は製造される。拡散板17は、シリコーン樹脂等の樹脂材料により形成される接着剤を介して支持面45に接着することで、支持面45に実装される。発光素子16及び第1端子31と発光素子16のアノードの間を接続するボンディングワイヤ19は、フレーム18の凹部である開口部48で囲まれているから、拡散板17を実装するときの外力による破損のリスクは低い。
【0071】
発光装置1は、発光素子16が発光素子を駆動する駆動装置である半導体装置15に重畳するように配置されるので、半導体装置15と発光素子16とが一体化され且つ小型化が可能である。また、発光装置1は、発光素子16が重畳して配置される半導体装置15を接地する第2電極12が半導体装置15及び発光素子16に重畳して配置されるので、更なる小型化が可能である。
【0072】
また、発光装置1では、発光中に発光素子16から放射される熱は、半導体装置15を介して、熱伝導率が高い材料で形成される第2電極12に放熱されるので、発光装置1は、良好な放熱特性を有する。発光素子16から放射される熱は、第2端子32、第1配線層61、第1電流制御素子51及びシリコン基板60を介して第2電極12に放熱される。
【0073】
また、発光装置1では、第1電極11と第1端子31との間は、複数のボンディングワイヤ19によって接続される。例えば、第1端子31に発光素子16を実装するとき、半導体装置15の第1辺21からはみ出さないように、第1辺21の上端から離隔した位置に配置されるので、離隔した距離だけボンディングワイヤ19の長さが長くなる。また、発光素子16と第1電極11との間を接続するボンディングワイヤ19は、半導体装置15の第1辺の上端に触れないように第1辺の上端の発光素子16から離れる方向へ離隔させるから、離隔した距離だけワイヤが長くなる。一方、発光装置1は、第1端子の第1辺21の近傍にボンディングワイヤ19が配置できるから、発光装置1は、第1端子31に発光素子16を実装したときよりも、第1電極11と第1端子31との間の配線の抵抗による電圧降下が抑制される。例えば、発光素子16から第1電極11へのワイヤは半導体装置15の第1辺の上端に触れないように第1辺の上端の発光素子16から離れる方向へ離隔させるから、離隔した距離だけボンディングワイヤ19の長さが長くなる。一方、発光装置1は、発光素子16から発光素子の高さだけ低い位置にある第1端子31にボンディングワイヤ19を直接接続でき、面積の大きく配線抵抗が小さい第1端子31を経由して、前述のワイヤ経路で第1電極11に接続できるから、発光装置1は、発光素子16と第1電極11との間をボンディングワイヤ19により接続したときよりも、第1電極11とアノードとの間の配線抵抗による電圧降下が抑制される。また、発光装置1では、第2電極12と第3端子33及び第4端子34のそれぞれとの間は、複数のボンディングワイヤ19によって接続されるので、接地される第2電極12と半導体装置15との間の配線抵抗による電圧上昇が抑制される。
【0074】
また、発光装置1では、第1端子31は第1電極11に対向する第1辺21に沿って配置され、第2端子32は半導体装置15の表面の中央に配置され、第3端子33及び第4端子34は第2辺22及び第3辺23に沿って配置される。発光装置1では、第1端子31と、第2端子32と、第3端子33及び第4端子34とを離隔して配置することで、第1端子31、第2端子32、第3端子33及び第4端子34の間に流れる駆動電流が干渉して、駆動電流にノイズが発生するおそれを低くすることができる。
【0075】
さらに、発光装置1は、監視制御回路53に接続される複数の監視制御端子36は、第4辺24に沿って配置されるので、監視制御回路53から入出力される信号に駆動電流が干渉してノイズが発生するおそれを低くすることができる。また、複数の監視制御端子36のそれぞれに接続される監視制御電極13は、第4辺に沿って配置されるので、監視制御回路53から入出力される信号に駆動電流が干渉して、駆動電流にノイズが発生するおそれを更に低くすることができる。
【0076】
また、発光装置1では、第1電極11及び第2電極12の表面、第1端子31の一部、並びに前記第3端子及び第4端子は、ワイヤボンディング工程の後に配置される樹脂製のフレーム18によって覆われる。発光装置1は、枠材として機能するフレーム18を配置する前にワイヤボンディング工程が実行されるので、ワイヤボンディング工程における離隔距離を確保することなく小型化が可能である。
【0077】
また、発光装置1は、第2電極12及び半導体装置15がフレーム18によって固定されるので、第2電極12と半導体装置15との間の接着強度がフレーム18によって補強され、半導体装置15が第2電極12から剥離することを防止できる。
【0078】
また、発光装置1では、拡散板17は、第1壁部41、第2壁部42、第3壁部43及び第4壁部44に囲まれ且つ発光素子16が視認可能な開口部48が中央に形成される支持面45によって支持される。発光装置1では、拡散板17が支持面45によって支持されるので、製造コストが高い拡散板17の大きさを最小化できるので、発光装置1の製造コストを低減することができる。
【0079】
また、発光装置1では、フレーム18は、拡散板17を挟むように配置される一対の第1凸部46及び第2凸部47を有するので、発光装置1を製造するときに、拡散板17の実位置を容易に決定することができる。
【0080】
また、発光装置1では、半導体装置15は、接着シート15aによって第2電極12に接着されるので、接着時に半導体装置15の底面全体に接着層を設けることができ、また半導体装置15の底面から半導体装置15の側面を絶縁物質である接着剤が這い上がって半導体装置15の表面に達するおそれはない。発光装置1では、半導体装置15は、接着シート15aによって第2電極12に接着されるので、絶縁物質である接着剤が半導体装置15の表面に達するおそれはなく、半導体装置15の表面に外縁に沿って第1端子31~監視制御端子36を配置可能である。発光装置1では、第1端子31~監視制御端子36は、半導体装置15の表面に外縁に沿って配置されるので、第1端子31~監視制御端子36のそれぞれと、第1電極11~監視制御電極13との間を接続するボンディングワイヤ19の長さを短くできる。発光装置1では、第1端子31~監視制御端子36と第1電極11~監視制御電極13との間を接続するボンディングワイヤ19の長さが短くなるので、ボンディングワイヤ19により生じる寄生インピーダンスが小さくなり、発光装置1の電気特性が向上する。
【0081】
また、発光装置1では、半導体装置15は、接着シート15aによって第2電極12に接着されるので、接着時に半導体装置15の底面全体に接着層を設けることができ、また、半導体装置15の底面から第2電極の外縁方向への接着層の広がりを抑制できる。絶縁物質である接着剤が半導体装置15の底面の側面からはみ出さないので、第3端子33及び第4端子34のそれぞれと第2電極12の間を接続する複数のボンディングワイヤ19の第2電極12での接続位置を半導体装置15に近接させることができ、複数のボンディングワイヤ19の長さを短くできる。発光装置1では、第3端子33及び第4端子34のそれぞれと第2電極12との間を接続するボンディングワイヤ19の長さが短くなるので、ボンディングワイヤ19により生じる寄生インピーダンスが小さくなり、発光装置1の電気特性が向上する。
【0082】
また、発光装置1では、フレーム18は、半導体装置15の外縁を覆うように配置されるので、半導体装置15は、接着シート15aに加えてフレーム18によって固定される。接着シート15aは、半導体装置15からの発熱を効率よく第2電極12に伝えるために厚みを薄くしたことと、半導体装置15の側面への這い上がりを抑制したから、半導体装置15の側面を這い上がり第2電極12に半導体装置15を強固に接着する接着剤よりも接着力が弱いので、接着シート15aのみによって半導体装置15を固定したとき、第2電極12から半導体装置15が剥離するおそれがある。発光装置1では、半導体装置15は、接着シート15aに加えてフレーム18によって固定されることで、第2電極12からが剥離するおそれを低くすることができる。
【0083】
また、発光装置1では、フレーム18は、半導体装置15の端子と第1電極11~監視制御電極13との間を接続する複数のボンディングワイヤ19を覆うように配置されるので、ボンディングワイヤ19は、フレーム18によって固定される。発光装置1では、ボンディングワイヤ19は、フレーム18によって固定されるので、半導体装置15の端子と第1電極11~監視制御電極13から剥離して電気的な接続が遮断されるおそれを低くすることができる。
【0084】
また、発光装置1では、半導体装置15と支持面45との間を接続する壁面49は、半導体装置15から支持面45に向かうに従って開口部48の面積が大きくなるように傾斜する。発光装置1では、壁面49が支持面45に向かうに従って開口部48の面積が大きくなるように傾斜するので、第1電極11と第1端子31との間をワイヤボンディングするときに、フレーム18がワイヤボンディング装置と干渉するおそれを低くすることができる。
【0085】
また、発光装置1では、拡散板17の表面の高さは、フレーム18上面の高さよりも低いので、発光装置1の周囲に配置される機器に拡散板17が接触して拡散板17が破損するおそれを低くすることができる。
【0086】
また、発光装置1では、第1電極11は、フレーム18が充填される凹部11bが裏面に形成されるので、フレーム18によって強固に固定される。また、発光装置1では、第1突出部12b、第2突出部12c及び第3突出部12dは、フレーム18が充填される第1凹部12b2、第2凹部12c2及び第3凹部12d2が裏面に形成されるので、第2電極12はフレーム18によって強固に固定される。
【0087】
また、発光装置1では、第1電極11は、フレーム18が充填される6個の切欠き11aが形成されるので、フレーム18によって更に強固に固定される。また、発光装置1では、第1突出部12b、第2突出部12c及び第3突出部12dは、フレーム18が充填される第1切欠き12b1、第2切欠き12c1及び第3切欠き12d1が形成されるので、第2電極12はフレーム18によって更に強固に固定される。
【0088】
また、発光装置1では、第1電極11は、突起部11cが形成されるので、フレーム18との接続がアンカー効果によって強化される。また、発光装置1では、第1突出部12b、第2突出部12c及び第3突出部12dは、フレーム18が充填される第1突起部12b3、第2突起部12c3及び第3突起部12d3が形成されるので、フレーム18との接続がアンカー効果によって強化される。また、発光装置1では、監視制御電極13及びダミー電極14は、突起部が3辺に形成されるので、フレーム18との接続がアンカー効果によって強化される。
【0089】
発光装置1では、半導体装置15の上面の外縁をフレーム18で覆うことによって、半導体装置15を第2電極12方向へ押し込むことができる。また、第2電極12に第1突出部12b~第3突出部12dと、第1切欠き12b1~第3切欠き12d1を設け、それぞれをフレーム18で覆うことによって、第2電極12を半導体装置15方向へ押し込むことができる。つまり、フレーム18は、半導体装置15、接着シート15a及び第2電極12を上下方向で挟み込むことで、半導体装置15と第2電極12の剥離を防止している。なお、第2電極12の厚みを部分的に薄くし、フレーム18を配置しているから、第2電極12の下面を全て覆うときより製品全体を薄くできる。また、第2電極12の下面は、半導体装置15より大きい面積でフレーム18に覆われていない部分が露出しているから、例えば、不図示のヒートシンクへ接続することによって、良好な放熱性が得られる。
【0090】
発光装置1では、半導体装置15は、第2電極12のみに実装されるが、実施形態に係る発光装置では、半導体装置15は、2以上の電極に実装されてもよい。
【0091】
図14は、第1変形例に係る発光装置の断面図である。
図14は
図1に示すA-A線に沿う断面図に対応する断面図である。
【0092】
第1変形例に係る発光装置2は、第2電極62及び監視制御電極63を第2電極12及び監視制御電極13の代わりに有することが発光装置1と相違する。第2電極62及び監視制御電極63以外の発光装置2の構成要素の構成及び機能は、同一符号が付された発光装置1の構成要素の構成及び機能と同一なので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0093】
第2電極62及び監視制御電極63のそれぞれは、長さが第2電極12及び監視制御電極13と相違する。半導体装置15は第2電極62に実装されると共に、監視制御電極63に実装される。フレーム18は、半導体装置15と接着シート15aを下方向へ、第2電極62を上方向へ押し込み、各部材を上下方向で挟み込むことで、半導体装置15と第2電極62の剥離を防止する。また、フレーム18は、半導体装置15と接着シート15aを下方向へ、監視制御電極63を上方向へ押し込み、各部材を上下方向で挟み込むことで、半導体装置15と監視制御電極63の剥離を防止するから、ボンディングワイヤ19の断線も防止できる。また、例えば、第2電極62と監視制御電極63の間に応力が加わったとき、半導体装置15と接着シート15aが、第2電極62と監視制御電極63の表面を支持するから、第2電極62と監視制御電極63の表面を断面視したときに略同一面に保持でき、製品の変形を抑制できる。
【0094】
また、発光装置1では、フレーム18は、半導体装置15の外縁を覆うように配置されるが、実施形態に係る発光装置では、フレームは、半導体装置15に加えて発光素子16の外縁を覆うように配置されてもよい。
【0095】
図15は、第2変形例に係る発光装置の断面図である。
図15は
図1に示すA-A線に沿う断面図に対応する断面図である。
【0096】
第2変形例に係る発光装置3は、フレーム68をフレーム18の代わりに有することが発光装置1と相違する。フレーム68以外の発光装置3の構成要素の構成及び機能は、同一符号が付された発光装置1の構成要素の構成及び機能と同一なので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0097】
フレーム68は、半導体装置15に加えて発光素子16の外縁を覆うように配置されることがフレーム18と相違する。発光素子16の外縁を覆うように配置されること以外のフレーム68の構成及び機能は、フレーム18の構成及び機能と同様なので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0098】
発光装置3は、フレーム68が発光素子16の外縁を覆うように配置されるので、指向性が狭い光を出射することができる。発光装置3は、フレーム68によって、第2電極12、接着シート15a、半導体装置15及び発光素子16を上下方向で挟み込むことができ、剥離を防止できる。
【0099】
また、発光装置1では、半導体装置15の上には、発光素子16のみが実装されるが、実施形態に係る発光装置では、半導体装置15の上には、フォトダイオード、コンデンサ及び抵抗等の電子部品が発光素子16と共に実装されてもよい。半導体装置15の上に実装されたコンデンサ及び抵抗等の電子部品は、フレーム18に覆われていてもよい。半導体装置15の上に実装されたフォトダイオード等の電子部品は、透光性の受光感度の影響の少ない樹脂などを用いたフレーム18に覆われていてもよい。
【0100】
図16は、第3変形例に係る発光装置の断面図である。
図16は
図1に示すA-A線に沿う断面図に対応する断面図である。
【0101】
第3変形例に係る発光装置4は、半導体装置65及びフォトダイオード66を有することが発光装置1と相違する。半導体装置65及びフォトダイオード66以外の発光装置4の構成要素の構成及び機能は、同一符号が付された発光装置1の構成要素の構成及び機能と同一なので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0102】
半導体装置65は、フォトダイオード66に電気的に接続される端子が表面に配置されることが半導体装置15と相違する。フォトダイオード66に電気的に接続される端子が表面に配置されること以外の半導体装置65の構成及び機能は、半導体装置15の構成及び機能と同様なので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0103】
フォトダイオード66は、光電変換素子であり、発光素子16が発光するときに、発光素子16から出射される光の光量を示す光量信号を半導体装置65に出力する。半導体装置65の光量監視回路57は、光量信号がフォトダイオード66から入力され、入力される光量信号に対応する光量が所定の光量範囲を外れたとき、警報信号を監視制御端子36を介して監視制御電極13から出力する。
【符号の説明】
【0104】
1~4 発光装置
11 第1電極
12、62 第2電極
13、63 監視制御電極
14 ダミー電極
15、65 半導体装置
16 発光素子
17 拡散板
18、68 フレーム