(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022164504
(43)【公開日】2022-10-27
(54)【発明の名称】酢酸亜鉛水和物を含有する組成物及び錠剤
(51)【国際特許分類】
A61K 33/30 20060101AFI20221020BHJP
A61K 9/20 20060101ALI20221020BHJP
A61K 47/02 20060101ALI20221020BHJP
A61K 47/38 20060101ALI20221020BHJP
A61K 47/36 20060101ALI20221020BHJP
A61K 47/32 20060101ALI20221020BHJP
A61K 47/12 20060101ALI20221020BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20221020BHJP
【FI】
A61K33/30
A61K9/20
A61K47/02
A61K47/38
A61K47/36
A61K47/32
A61K47/12
A61P43/00 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021070043
(22)【出願日】2021-04-17
(71)【出願人】
【識別番号】592073695
【氏名又は名称】日医工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】新垣 宏樹
(72)【発明者】
【氏名】高野 雅子
(72)【発明者】
【氏名】藤井 夢樹
(72)【発明者】
【氏名】谷口 史恭
(72)【発明者】
【氏名】山下 順也
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA37
4C076DD41
4C076EE16
4C076EE31
4C076FF01
4C076GG12
4C086AA01
4C086AA02
4C086HA03
4C086HA20
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA05
4C086MA41
4C086NA20
4C086ZC41
(57)【要約】
【課題】湿式造粒工程を経ずに製造することができ、かつ酢酸亜鉛水和物の含量均一性が良好な酢酸亜鉛水和物含有錠剤の製造に用いることができる組成物を提供する。
【解決手段】酢酸亜鉛水和物又はそれを乾式造粒してなる造粒物と安息角が45°以下の賦形剤を含有する、酢酸亜鉛水和物含有組成物。この組成物は、安息角が45°以下の賦形剤を3~40重量%含有することが好ましい。また、酢酸亜鉛水和物又はそれを乾式造粒してなる造粒物のメジアン径が50μm以上であることが好ましい。この組成物は、直接打錠法による錠剤の製造に使用することができる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
酢酸亜鉛水和物又はそれを乾式造粒してなる造粒物、及び安息角が45°以下の賦形剤を含有する、酢酸亜鉛水和物含有組成物。
【請求項2】
安息角が45°以下の賦形剤を、組成物の全量に対して、3~40重量%含有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
酢酸亜鉛水和物又はそれを乾式造粒してなる造粒物のメジアン径(D50)が50μm以上である、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
請求項1~3の何れかに記載の組成物からなる、酢酸亜鉛水和物含有錠剤。
【請求項5】
請求項1~3の何れかに記載の組成物を打錠する工程を含む、酢酸亜鉛水和物含有錠剤の製造方法。
【請求項6】
酢酸亜鉛水和物又は酢酸亜鉛水和物と添加物を乾式造粒する工程と、得られた造粒物を安息角が45°以下の賦形剤を含有する添加物と共に打錠する工程を含む、酢酸亜鉛水和物含有錠剤の製造方法。
【請求項7】
乾式造粒により得られた造粒物のメジアン径が50μm以上である、請求項6に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酢酸亜鉛水和物を含む組成物、及びこの組成物を用いて製造した錠剤に関する。
【背景技術】
【0002】
医薬錠剤は、有効成分と添加物を、粉末のまま又は一旦造粒した後、打錠することにより製造される。打錠機には定量的に粉体を供給するホッパーが装着されており、ホッパーから供給された粉体が、打錠臼に定量的に充填されることにより、錠剤重量及び有効成分の錠剤間均一性が担保される。
ところが、流動性が悪い粉体は、ホッパー内に滞留し易く、ホッパー内上部の粉体だけが排出されて、ラットホール(ネズミの穴)と呼ばれる円筒状の孔が生じ、粉体が打錠機に定量的に供給されないことがある。この現象が生じると、錠剤間で重量や成分の偏りが生じるため、製剤の処方や製造方法の改善が必要になる。
【0003】
粉体の流動性を改善するためには、一般に、粉体を一旦造粒して顆粒としてから打錠機に供給することが行われる。造粒法としては湿式造粒法が主流である。湿式造粒法では、水やエタノールなどの溶媒又はその混液を用いて粉体を湿潤させ、噴霧造粒、攪拌造粒、押出造粒、流動層造粒などにより造粒した後、造粒物を乾燥させる。
しかし、湿式造粒法は、製造工程が多いため製造コストが高く、また有効成分と溶媒との配合による有効成分の経時変化が問題となる場合がある。さらに、溶媒を除去する際に熱処理を行うため、有効成分の熱安定性を十分考慮する必要がある。
【0004】
ここで、酢酸亜鉛水和物は、ウィルソン病や低亜鉛血症の治療薬の有効成分として用いられている成分である。酢酸亜鉛水和物を含む医薬製剤の市販品としては「ノベルジン(登録商標)錠」がある。
酢酸亜鉛水和物を含む錠剤は、製造中の熱で、酢酸亜鉛水和物の水和水が脱離し易い。水和水が消失して酢酸亜鉛無水物になると、ウィルソン病や低亜鉛血症の治療薬の有効成分としては承認されていない成分になってしまう。
製造中の水和水の消失を抑制する方法として、特許文献1は、酢酸亜鉛水和物を、賦形剤、崩壊剤と共に湿式造粒し、乾燥した後に打錠することで素錠を製造する際に、造粒及び乾燥時の品温を40℃未満にしたり、この素錠にフィルムコーティングした後乾燥する際に品温を50℃以下にする方法を教えている。
しかし、乾燥工程で用いるエアーの相対湿度によっては、低い温度でも水和物が脱離することがあり、季節変動を考慮した製造環境の管理は極めて難しい。
【0005】
このため、酢酸亜鉛水和物を含む錠剤は、湿式造粒工程を経ずに製造することが望まれる。しかし、例えば、全成分を粉末のまま打錠する直接打錠法を採用する場合は、前述した通り、打錠機に供給する粉体の流動性が悪くなるため、有効成分の錠剤間均一性が低下し易い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、酢酸亜鉛水和物を含む錠剤であって、湿式造粒工程を経ずに製造することができ、かつ酢酸亜鉛水和物の含量均一性が良好な錠剤を提供することを課題とする。また、本発明は、このような錠剤の製造に用いることができる、酢酸亜鉛水和物を含む組成物を提供することも課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記課題を解決するために検討を重ね、以下の知見を得た。
(1) 酢酸亜鉛水和物と添加物を含む粉体を直接打錠法で打錠して錠剤を得る場合、この粉体が安息角45°以下の賦形剤を含むことにより、粉体の流動性が顕著に良くなり、湿式造粒しなくても、酢酸亜鉛水和物の含量均一性の良い錠剤が得られる。
(2) この粉体に含まれる酢酸亜鉛水和物のメジアン径(D50)が50μm以上であることにより、粉体の流動性が一層良くなり、酢酸亜鉛水和物の含量均一性が一層良好な錠剤が得られる。このメジアン径は、酢酸亜鉛水和物の原薬に代えて、酢酸亜鉛水和物を乾式造粒して得られる造粒物を使用する場合は、この造粒物のメジアン径である。
【0009】
本発明は、上記知見に基づき完成されたものであり、下記〔1〕~〔7〕を提供する。
〔1〕 酢酸亜鉛水和物又はそれを乾式造粒してなる造粒物、及び安息角が45°以下の賦形剤を含有する、酢酸亜鉛水和物含有組成物。
〔2〕 安息角が45°以下の賦形剤を、組成物の全量に対して、3~40重量%含有する、〔1〕に記載の組成物。
〔3〕 酢酸亜鉛水和物又はそれを乾式造粒してなる造粒物のメジアン径(D50)が50μm以上である、〔1〕又は〔2〕に記載の組成物。
〔4〕 〔1〕~〔3〕の何れかに記載の組成物からなる、酢酸亜鉛水和物含有錠剤。
〔5〕 〔1〕~〔3〕の何れかに記載の組成物を打錠する工程を含む、酢酸亜鉛水和物含有錠剤の製造方法。
〔6〕 酢酸亜鉛水和物又は酢酸亜鉛水和物と添加物を乾式造粒する工程と、得られた造粒物を安息角が45°以下の賦形剤を含有する添加物と共に打錠する工程を含む、酢酸亜鉛水和物含有錠剤の製造方法。
〔7〕 乾式造粒により得られた造粒物のメジアン径が50μm以上である、〔6〕に記載の方法。
【発明の効果】
【0010】
前述した通り、酢酸亜鉛水和物含有錠剤は、酢酸亜鉛水和物からの水和水の脱離を抑えるために、湿式造粒工程を含まない方法で製造することが望ましい。湿式造粒工程を含まない製造方法では、直接打錠法が簡便な方法である。ところが、造粒しない粉体を打錠機に供給して直接打錠する場合は、粉体の流動性が悪いため、錠剤間で酢酸亜鉛水和物の含量にバラツキが生じ易い。
この点、本発明の錠剤は、安息角が45°以下の賦形剤を含むことにより、その製造工程において、全成分の粉体を打錠機に供給する際にホッパーに詰まることが抑制されて、酢酸亜鉛水和物の含量均一性が良好な錠剤になる。
また、有効成分の含量均一性が良好な小サイズの錠剤を製造しようとすると、打錠機に供給する粉体の流動性は一層良好でなければならないが、本発明の錠剤は、有効成分の含量均一性を保ちながら十分に小さいサイズにすることができる。サイズが大きい錠剤は嚥下し難いため市場価値が低いが、本発明の錠剤は、小サイズにできるため市場価値が高い。
【0011】
また、打錠機に供給する粉体に含まれる酢酸亜鉛水和物又はそれを乾式造粒して得られる造粒物のメジアン径を50μm以上にすることにより、一層効果的に、粉体の流動性が向上し、酢酸亜鉛水和物の含量均一性が一層良好な錠剤となる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を詳細に説明する。
(1)酢酸亜鉛水和物含有組成物
本発明の酢酸亜鉛水和物含有組成物は、安息角が45°以下の賦形剤を含む。中でも、安息角が42°以下、中でも40°以下、中でも38°以下、中でも36°以下、中でも34°以下の賦形剤を含むことが好ましい。安息角が45°以下の賦形剤の安息角の下限値は30°程度であり得る。
安息角が45°以下の賦形剤は、1種でもよく、2種以上でもよい。2種以上には、賦形剤の種類が2種以上である場合と、同じ種類の賦形剤であって安息角が異なる2種以上である場合が含まれる。
本発明において、安息角は注入法で測定した値であり、具体的には実施例の項目に記載した方法で測定した値である。
【0013】
賦形剤は、医薬組成物において賦形剤として使用されるものであればよく、例えば「医薬品添加物事典2021」に賦形剤として掲載されている成分が挙げられる。このような成分として、アクリル酸デンプン1000、L-アスパラギン酸、アラビアゴム、アラビアゴム末、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルファー化デンプン、アンモニオアルキルメタクリレートコポリマー、イソマル水和物、イノシトール、エチルセルロース、エチレン・酢酸ビニル共重合体、塩化ナトリウム、オクチルデシルトリグリセリド、加水分解デンプン乾燥物、カルメロース、カルメロースカルシム、カルメロースナトリウム、還元パラチノース、含水二酸化ケイ素、含水無晶形酸化ケイ素、乾燥水酸化アルミニウムゲル、乾燥バレイショデンプン、カンゾウ末、乾燥硫酸マグネシウム、カンテン、カンテン末、キシリトール、クエン酸カルシウム水和物、クエン酸水和物、クエン酸ナトリウム水和物、クエン酸二ナトリウム水和物、グリセリン、グリセリン脂肪酸エステル、グリセロリン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム水和物、グルコン酸ナトリウム、L-グルタミン、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸処理結晶セルロース、ケイ酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、軽質流動パラフィン、結晶セルロース、結晶セルロース(微粒子)、結晶セルロース(粒)、結晶セルロース・カルメロースナトリウム、硬化油、合成ケイ酸アルミニウム、合成ケイ酸アルミニウム・ヒドロキシプロピルスターチ・結晶セルロース、コムギデンプン、コメデンプン、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、β-シクロデキストリン、シクロンA、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート、ジメチルポリシロキサン(内服用)、重質無水ケイ酸、酒石酸、酒石酸水素カリウム、ショ糖脂肪酸エステル、水酸化アルミナマグネシウム、水酸化アルミニウムゲル、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈物、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム・炭酸カルシウム共沈物、水酸化マグネシウム、精製白糖、精製白糖球状顆粒、ゼラチン、ソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタンセスキオレイン酸エステル、D-ソルビトール、第三リン酸カルシウム、中鎖脂肪酸トリグリセリド、中性無水硫酸ナトリウム、沈降炭酸カルシウム、低置換度カルボキシメチルスターチナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、デキストラン40、デキストリン、天然ケイ酸アルミニウム、デンプングリコール酸ナトリウム、トウモコロコシデンプン、トウモコロコシデンプン造粒物、トレハロース水和物、二酸化ケイ素、乳酸アルミニウム、乳酸カルシウム水和物、乳酸水和物、乳酸造粒物、ノンパレル、白糖、白糖・デンプン球状顆粒、バレイショデンプン、微結晶セルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース(2208)、ヒプロメロース(2910)、ヒプロメロースフタル酸エステル(200731型)、ヒプロメロースフタル酸エステル(220824型)、微粒二酸化ケイ素、部分アルファー化デンプン、プロピレングリコール、プロピレングリコール脂肪酸エステル、粉末還元麦芽糖水アメ、粉末セルロース、粉末セルロース(平均重合度:800~1100)、ポビドン(K17)、ポビドン(K25)、ポビドン(K30)、ポビドン(K90)、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸部分中和物、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、ポリオキシエチレン(105)ポリオキシプロピレン(5)グリコール、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、ポリソルベート80、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ポリビニルアルコール・ジエチレングリコール混合物、マクロゴール400、マクロゴール1500、マクロゴール1540、マクロゴール4000、マクロゴール6000、マルチトール、マルトース水和物、D-マンニトール、D-マンニトール・カルメロース・結晶セルロース・クロスポビドン混合物、D-マンニトール・クロスポビドン・D-ソルビトール・含水二酸化ケイ素混合物、D-マンニトール・低置換度ヒドロキシプロピルセルロース・ポリビニルアルコール(完全ケン化物)造粒物、D-マンニトール・トウモロコシデンプン造粒物、水アメ、無水クエン酸、無水ケイ酸水加物、無水乳糖、無水硫酸ナトリウム、無水リン酸水素カルシウム、無水リン酸水素カルシウム造粒物、メタクリル酸コポリマーLD、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、メチルアクリレート・メタクリル酸コポリマー、メチルアクリレート・メチルメタクリレート、メチルセルロース、モノオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸アルミニウム、モノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸ソルビタン、ラクチトール、DL-リンゴ酸、リン酸一水素カルシウム、リン酸水素カルシウム水和物、リン酸水素カルシウム造粒物、リン酸水素ナトリウム水和物、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素カルシウム水和物、リン酸二水素ナトリウム水和物などが挙げられる。例えばこれらについて安息角45°以下の製品を使用できる。
【0014】
安息角が45°以下の賦形剤として、中でも、結晶セルロース(結晶セルロース、微結晶セルロース、結晶セルロース(微粒子)、結晶セルロース(粒)、ケイ酸処理結晶セルロース)、セルロース(粉末セルロース、粉末セルロース(平均重合度:800~1100))、エチルセルロース、メチルセルロース、カルメロース、カルメロースカルシム、カルメロースナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース(ヒプロメロース(2208)、ヒプロメロース(2910))、ヒプロメロースフタル酸エステル(ヒプロメロースフタル酸エステル(200731型)、ヒプロメロースフタル酸エステル(220824型))のようなセルロース類;マンニトール(特に、D-マンニトール)、マルチトール、ソルビトール(特にD-ソルビトール)、キシリトール、エリスリトール、ラクチトール、トレハロース水和物のような糖アルコール;乳糖水和物、無水乳糖、白糖、精製白糖、精製白糖球状顆粒、マルトース、マルトース水和物、イソマル水和物、果糖、ブドウ糖(デキストロース)、トレハロース、還元パラチノース、粉末還元麦芽糖水アメのような糖類;デンプン(バレイショデンプン、乾燥バレイショデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、トウモコロコシデンプン、トウモコロコシデンプン造粒物)、アルファー化デンプン、部分アルファー化デンプン、低置換度カルボキシメチルスターチナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルスターチのようなデンプン類;デキストリン;デキストラン40;これらの混合物(D-マンニトール・カルメロース・結晶セルロース・クロスポビドン混合物、D-マンニトール・クロスポビドン・D-ソルビトール・含水二酸化ケイ素混合物、D-マンニトール・低置換度ヒドロキシプロピルセルロース・ポリビニルアルコール(完全ケン化物)造粒物、D-マンニトール・トウモロコシデンプン造粒物、結晶セルロース・カルメロースナトリウム、合成ケイ酸アルミニウム・ヒドロキシプロピルスターチ・結晶セルロース、白糖・デンプン球状顆粒など)が好ましく、結晶セルロースのようなセルロース類が特に好ましい。
【0015】
本発明の組成物において、安息角が45°以下の賦形剤の含有量は、組成物の全量に対して、3重量%以上、中でも5重量%以上、中でも8重量%以上が好ましく、10重量%以上、15重量%以上、又は20重量%以上にすることもできる。この範囲であれば、湿式造粒工程を経なくても成分均一性が良好な酢酸亜鉛水和物含有錠剤を製造できる程度に流動性が良好な組成物となる。
また、安息角が45°以下の賦形剤の含有量は、組成物の全量に対して、40重量%以下、中でも35重量%以下、中でも30重量%以下とすることができる。
【0016】
また、本発明の組成物に含まれる酢酸亜鉛水和物のメジアン径(D50)は、50μm以上、中でも100μm以上、中でも150μm以上、中でも200μm以上であることが好ましい。これにより、流動性が一層良好な組成物となる。
また、酢酸亜鉛水和物のメジアン径は、700μm以下、中でも500μm以下、中でも300μm以下、中でも200μm以下であることが好ましい。これにより、この組成物を用いて製造した錠剤中の成分の偏りが抑えられ、また錠剤の硬度が十分になる。
本発明において、メジアン径は、レーザー回折式粒度分布測定法で測定した値である。
【0017】
酢酸亜鉛水和物の原薬結晶粒子のメジアン径が50μm未満である場合は、乾式造粒によりメジアン径を50μm以上にすればよい。
この場合、酢酸亜鉛水和物の原薬結晶粒子は、そのまま、又は賦形剤などの添加物と共に乾式造粒すればよい。乾式造粒法は、粉体をローラーコンパクター及びロールグラニュレーターなどを用いて、一旦圧縮した粉体を粉砕することにより、粉体の流動性を改善する方法である。
酢酸亜鉛水和物の原薬結晶粒子を乾式造粒する場合、その造粒物のメジアン径が、50μm以上、中でも100μm以上、中でも150μm以上、中でも200μm以上であり、700μm以下、中でも500μm以下、中でも300μm以下、中でも200μm以下であることが好ましい。
【0018】
本発明の組成物中の酢酸亜鉛水和物の含有量は、組成物の全量に対して、25重量%以上、中でも50重量%以上、中でも65重量%以上が好ましい。また、80重量%以下、中でも75重量%以下、中でも70重量%以下が好ましい。
酢酸亜鉛水和物は流動性が悪い成分であるが、本発明の組成物は、このように大量の酢酸亜鉛水和物を含んでいても、含量均一性の良い錠剤が得られる程度に流動性が良好なものである。
【0019】
添加物
本発明の組成物は、安息角が45°以下の賦形剤の他に、安息角が45°を超える賦形剤を含むことができる。賦形剤としては上記例示したものが挙げられる。また、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、流動化剤、着色剤、矯味剤、甘味剤、香料、保存剤又は防腐剤などの添加物も含むことができる。安息角が45°以下の賦形剤以外の添加物は、1種又は2種以上を使用できる。
【0020】
結合剤としては、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(ヒプロメロース)、クロスカルメロースナトリウムのようなセルロース類;ポビドン;デンプン;ゼラチン;トラガントゴム;ポリビニルアルコール;塩基性(メタ)アクリレートコポリマーなどが挙げられる。
【0021】
崩壊剤としては、クロスポビドン;カルボキシメチルセルロース(カルメロース)、カルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスカルメロースナトリウムのようなセルロース類;デンプン、アルファー化デンプン、部分アルファー化デンプン、カルボキシメチルスターチナトリウム(デンプングリコール酸ナトリウム)のようなデンプン類;デキストリン;ケイ酸カルシウムなどが挙げられる。
【0022】
滑沢剤としては、ステアリン酸、ステアリン酸塩(ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛など)、ステアリン酸塩エステル(フマル酸ステアリルナトリウム、モノステアリン酸グリセリン、パルミトステアリン酸グリセリンなど)、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、タルク、ショ糖脂肪酸エステル、酒石酸ナトリウムカリウム、含水二酸化ケイ素などが挙げられる。
【0023】
流動化剤としては、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸などが挙げられる。
【0024】
着色剤としては、黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄、酸化チタン、食用タール色素、天然色素などが挙げられる。
【0025】
矯味剤としては、シクロデキストリン、クエン酸、クエン酸ナトリウム、アスコルビン酸、酒石酸、リンゴ酸、グリシン、アラニン、テルペン類(リモネン、ピネン、ゲラニオール、メントール、ボルネオール、メントン、カンフル、オイゲノールなど)、テルペンを含有する精油(オレンジ油、ハッカ油、ユーカリ油、レモン油、ケイヒ油、ラベンダー油、スペアミントなど)などが挙げられる。
【0026】
甘味剤としては、マンニトール、ショ糖、スクラロース、アスパルテーム、ステビア、アセスルファムカリウム、還元麦芽糖水あめ、ソルビット、果糖、乳糖水和物、キシリトール、エリスリトール、ソルビトール、甘草およびその抽出物、グリチルリチン酸、甘茶、ソーマチンなどが挙げられる。
【0027】
保存剤又は防腐剤としては、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチルのようなパラベン類、安息香酸、エタノール、エデト酸四ナトリウム、サリチル酸、ソルビトール、ソルビン酸、グリセリン、クロロブタノール、フェノール、プロピレングリコール、ベンジルアルコールなどが挙げられる。
【0028】
これらの添加物の中には、賦形剤として使用され得るものもある。
【0029】
本発明の組成物は、動的排出時間が、18秒以下、中でも16秒以下、中でも14秒以下であることが好ましい。この範囲であれば、打錠機に供給する際にホッパーに詰まることが抑制されて、成分均一性が良好な錠剤を製造することができる。動的排出時間は、実施例に記載の方法で測定した値である。
【0030】
本発明の組成物は、錠剤の製造原料として好適に使用できる。特殊な錠剤として、口腔内崩壊錠、チュアブル錠、発泡錠、分散錠、溶解錠、トローチ剤なども挙げられる。また、本発明の組成物は、散剤、顆粒剤、細粒剤、ドライシロップ、カプセル剤(硬カプセル剤、軟カプセル剤)、フィルム剤、舐剤、チューイングガム剤などの製造原料としても使用することができる。
【0031】
なお、本発明の酢酸亜鉛水和物含有組成物は、湿式造粒工程を含まない方法で成分均一性が良好な錠剤を製造できるものであるが、湿式造粒工程を含む方法での錠剤の製造に供することは排除されない。
【0032】
(2)酢酸亜鉛水和物含有錠剤
本発明の錠剤は、上記説明した本発明の酢酸亜鉛水和物含有組成物からなる錠剤である。本発明の錠剤がコーティング錠である場合は、素錠が上記説明した本発明の酢酸亜鉛水和物含有組成物からなる錠剤である。換言すれば、本発明の錠剤は、上記説明した本発明の酢酸亜鉛水和物含有組成物を用いて製造した錠剤(コーティング錠である場合は、素錠)である。
簡単に説明すると、本発明の錠剤(コーティング錠である場合は、素錠)は、酢酸亜鉛水和物又はそれを乾式造粒して得られる造粒物と、安息角が45°以下の賦形剤を含む。また、酢酸亜鉛水和物又はそれを乾式造粒して得られる造粒物のメジアン径は50~700μmが好ましい。その他は、本発明の酢酸亜鉛水和物含有組成物について説明した通りである。
【0033】
本発明の錠剤がフィルムコーティング錠などのコーティング錠である場合、コーティング剤としては、水溶性のものでは、例えば、キサンタンガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、トラガントガム、グァーガム、アカシアガム、タマリンドガム、タラガム、アラビアゴム、カルナウバロウ、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルファー化デンプン、カゼインナトリウム、カラギーナン、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルスターチナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル、デキストラン、デキストリン、プルラン、キチン、キトサン、ガラクトマンナン、カゼイン、ゼラチン、水溶性プルランエーテル(プルランメチルエーテル、プルランエチルエーテル、プルランプロピルエーテルなど)、水溶性プルランエステル(プルランアセテート、プルランブチレートなど)、寒天、ビニル樹脂(ポビドン、コポリビドン、酢酸ポリビニル、ポリビニルアルコール-ポリエチレングリコールコポリマーなど)、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレングリコール、マクロゴール、グリチルリチン酸、糖類(白糖、果糖、乳糖、マルトース、ブドウ糖、シクロデキストリンなど)、糖アルコール(マンニトール、キシリトール、マルチトール、ソルビトールなど)、オパドライ(登録商標)などが挙げられる。
【0034】
また、水不溶性又は水難溶性のコーティング剤としては、例えば、セルロース系コーティング剤(メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキプロピルセルロース、ヒドロキプロピルセルロースフタル酸エステル、カルボキシメチルエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、フタル酸ヒプロメロース、酢酸コハク酸ヒプロメロース、酢酸セルロース、酢酸フタル酸セルロースなど)、ビニル樹脂(クロスポビドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、酢酸フタル酸ポリビニルなど)、メタクリレートポリマー又はメタクリル酸ポリマー、ポリシロキサン系コーティング剤(ジメチルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン・二酸化ケイ素混合物など)などが挙げられる。
【0035】
メタクリレートポリマー又はメタクリル酸ポリマーとしては、レーム社のアミノアルキルメタクリレートコポリマーE(オイドラギットE100、EPOなど)、メタクリル酸コポリマーLD(オイドラギットL30D-55、L100-55など)、メタクリル酸コポリマーL(オイドラギットL100など)、メタクリル酸コポリマーS(オイドラギットS100など)、アンモニオアルキルメタクリレートコポリマー(オイドラギットRL100、RLPO、RS100、RSPO、RL30D、RS30Dなど)、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー(オイドラギットNE30Dなど)などが挙げられる。
【0036】
コーティング層には可塑剤などの添加物を配合することができる。可塑剤としては、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリアセチン(グリセリン三酢酸)のようなグリセリン脂肪酸エステル、流動パラフィン、ソルビタンモノラウレート、モノステアリン、クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル、ポロキサマー、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などが挙げられる。
【0037】
コーティング剤及びコーティング層に添加する添加物は、1種又は2種以上を用いることができる。
【0038】
本発明の錠剤は、流動性の良い組成物を用いて製造しているため、サイズを小さくしても、錠剤間での有効成分の偏りが少ない。
従って、錠剤が円板状である場合は、直径を15mm以下、中でも10mm以下、中でも9mm以下にすることができる。また、直径は4mm以上、中でも5mm以上、中でも6mm以上にすることができる。錠剤が楕円の円板状である場合は、直径は長径を指す。
また、厚さを6mm以下、中でも5mm以下、中でも4mm以下にすることができる。また、厚さは1mm以上、中でも2mm以上、中でも3mm以上にすることができる。
この錠剤サイズは、コーティング錠である場合は、素錠のサイズである。
【0039】
(3)酢酸亜鉛水和物含有錠剤の製造方法
本発明の酢酸亜鉛水和物含有錠剤は、直接打錠法で製造することができる。前述した通り、直接打錠法では、酢酸亜鉛水和物と添加物を含む粉体を打錠機に供給して打錠するため、成分均一性の良い錠剤を得るには、打錠機に供給する粉体の流動性が良いことが必要である。本発明の錠剤は、成分均一性が良い錠剤となる程度に流動性が良い組成物を原料としているため、流動性が悪い酢酸亜鉛水和物を含むにも拘わらず、直接打錠法で製造することができる。
従って、本発明は、上記説明した本発明の酢酸亜鉛水和物含有組成物を打錠する工程を含む、酢酸亜鉛水和物含有錠剤の製造方法を包含する。この方法は、さらに、得られた素錠をコーティング層で被覆する工程を含むことができる。
【0040】
また、本発明の酢酸亜鉛水和物含有錠剤は、乾式造粒工程を含む方法で製造することもできる。即ち、本発明の錠剤は、酢酸亜鉛水和物をそのまま、又は賦形剤などの添加物と混合して乾式造粒し、得られた造粒物を添加物と共に打錠する工程を含む方法により製造することができる。この方法において、酢酸亜鉛水和物を含む造粒物と混合される添加物は、安息角45°以下の賦形剤を含む。
この方法は、酢酸亜鉛水和物の原薬結晶粒子のメジアン径が50μm未満(又は100μm未満、150μm未満、若しくは200μm未満)である場合に特に好適な方法であり、乾式造粒により、メジアン径が50μm以上(又は100μm以上、150μm以上、若しくは200μm以上)の酢酸亜鉛水和物含有造粒物を得ることが好ましい。
その他の条件は、本発明の組成物又は本発明の錠剤について説明した通りである。
【0041】
このような直接打錠法又は乾式造粒工程を含む方法によれば、溶媒を用いる湿式造粒法工程を含む方法とは異なり、溶媒除去に必要な熱乾燥工程が不要であり、厳密な温度管理などの環境管理を行わずに、水和物の脱離が抑制された酢酸亜鉛水和物含有錠剤が得られる。
【実施例0042】
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
(1)酢酸亜鉛水和物含有組成物の製造
表1に示す成分を混合して酢酸亜鉛水和物含有組成物を得た。
【表1】
【0043】
実施例6で使用した酢酸亜鉛水和物の原薬結晶のメジアン径は20μmであるが、賦形剤などの添加物と共にローラーコンパクター及びロールグラニュレーターなどを用いて、一旦圧縮した粉体を粉砕することによりメジアン径60μmの造粒物とし、この造粒物を添加物と混合した。この造粒物に含まれるのは、酢酸亜鉛水和物167.84mg、ヒドロキシプロピルセルロース6.25mg、ステアリン酸マグネシウム1.25mgである。
【0044】
(2)物性の評価
メジアン径の測定
酢酸亜鉛水和物のメジアン径(D50)は、レーザー回折式粒度分布測定装置Mastersizer3000(Malvern社製)を用いて求めた。サンプルの分散は乾式分散法によって行い、体積基準で粒度分布を測定した。
【0045】
安息角の測定
注入法で測定した。即ち、パウダーテスターPT-N型(ホソカワミクロン株式会社製)にガラス漏斗(内径:4.8mm)を装着し、漏斗上部に12メッシュ(1,400 μm)篩を装着した後、バイブレーション強度2で振動を与え、篩上部から各粉末を落下させ、形成された粉体層と台との接触角を測定した。
なお、表1中の軽質無水ケイ酸、トウモロコシデンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、及びステアリン酸マグネシウムも、賦形剤として使用され得る成分であるが、ここで使用したものの安息角は、それぞれ46°、48°、49°、44°、及び49°であった。
【0046】
流動性の評価
各組成物の流動性を、パウダーテスターの漏斗からの動的排出時間を測定することで評価した。
パウダーテスターPT-N型にガラス漏斗(内径:約4.8mm)を装着し、漏斗上部に12メッシュ(1,400 μm)篩を装着した。漏斗先端を閉鎖した状態で、篩上部から各組成物(粉末)50gをゆっくりと落下させた。漏斗先端を開放し、バイブレーション強度2で振動を与え、粉体が完全に漏斗から排出する時間を測定した。
【0047】
結果を表1に示す。安息角45°以下の結晶セルロース、D-マンニトール、又は乳糖水和物を含む実施例1~9の組成物は、動的排出時間が約6~14秒であった。これに対して、結晶セルロースの安息角が49°である比較例1、2の組成物は、動的排出時間が約20秒以上であった。安息角45°以下の賦形剤を含むことにより、流動性が格段に向上したことが分かる。
また、メジアン径20μmの酢酸亜鉛水和物を含む比較例3の組成物は、漏斗に詰まって排出されず、動的排出時間を測定できなかった。安息角45°以下の賦形剤を含むことに加えて、さらに酢酸亜鉛水和物のメジアン径を50μm以上にすることにより、流動性が一層向上することが分かる。なお、パウダーテスターの漏斗は、実際の錠剤製造時のホッパーとは異なるため、パウダーテスターの漏斗に詰まることは、錠剤を製造できないことは意味しない。
【0048】
実施例1~9の組成物は、流動性が良好であるため、打錠機に供する際にホッパーに詰まることが抑制されて、酢酸亜鉛水和物の均一性が高い錠剤を製造できることが分かる。また、錠剤サイズを小さくしても酢酸亜鉛水和物の均一性が高いものにできることが分かる。
本発明の酢酸亜鉛水和物含有錠剤は、酢酸亜鉛の含量均一性が高い。また、湿式造粒工程を経ずに製造することができるため、水和水の脱離が抑制されており、酢酸亜鉛含有量が安定している。