(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022164515
(43)【公開日】2022-10-27
(54)【発明の名称】曲線の切れるコーナーカッター
(51)【国際特許分類】
B26B 3/08 20060101AFI20221020BHJP
【FI】
B26B3/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021092603
(22)【出願日】2021-04-15
(71)【出願人】
【識別番号】510059181
【氏名又は名称】前川 康宏
(72)【発明者】
【氏名】前川 康宏
【テーマコード(参考)】
3C061
【Fターム(参考)】
3C061AA10
3C061AA26
3C061BA03
3C061BA04
3C061EE23
3C061EE24
(57)【要約】
【課題】床シートの壁面端部、切り込み仕上げにおいて、湾曲した壁面でも使用できるコーナーカッターを提供する。
【解決手段】本体端部に半円柱状のガイドを設け、ガイド中央に刃を突出させる隙間を有することを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
刃を有する本体端部に半円柱状のガイドを有し前記半円柱状のガイド中央から前記刃を突出できる隙間を有するカッター
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は湾曲した壁面でも、端から端まで床シートの切り込み仕上げ施工ができるナイフ形状の持ち運びが便利なコーナーカッターである。
【背景技術】
【0002】
従来の床シートのコーナーカッターは、壁面に沿わせるガイド面と床面に沿って摺動する底面となる土台とそのガイド面と底面をつなぐ曲面を有している。前記、ガイド及び土台に対して前後又は上下に刃を移動し固定する。この様にガイドと土台と刃の位置関係によりシートの切れる長さを定め、床面から壁面へ緩やかに折り曲げたシートの上からコーナーカッターを押し当て切断施工する。通常、壁面と床面の交わる所へ切ったシートの端部が丁度の長さになるようにするが、あくまでガイド面が沿うのは壁面と床面の交点ではなく、前記交点の上1~2cmの所となる。その為壁の傾斜が変化するとシートの切断される位置がずれてしまう。(
図3)及び(
図4)
【先行技術文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これは次のような欠点があった。従来のコーナーカッターは壁面が湾曲せず真っ直ぐかつ垂直である事が変化しない事を前提に作られている。しかし現場での施工ではトイレ便器の台座のように楕円であったり、波型にデザインされた壁も有り湾曲の度合いが変化する事もある。その他シートを切り合わせる対象物は垂直になっていない事もある。例えば階段の蹴込みは一般的に手前に傾斜しているが、左官仕上げの蹴込みの傾斜角度は階段一段の右と左でも大きく異なる。このように壁面の変化に従来のコーナーカッターは対応できない為、丁度の長さにシートを切り進む事ができない。本発明は以上のような欠点をなくす為になされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本体の柄となる部分の内部に刃を収納し、柄の端部に半円柱状のシートを押えて曲げるガイドを設ける。ガイドの半円柱の円弧の中央部分より刃を突出させネジで固定する。刃に対してガイドが左右対称となるようにしてやり、そのガイドの両側面にメモリを設ける。
【発明の効果】
【0006】
本体の柄の内部より突出させる刃を半円柱状の円弧の中央より出す事で、左右どちらからでも端から端までシートを切る事ができる。又、半円柱状のガイドはシートに押しつけて切断している最中でも本体の傾きを変え壁面と刃の角度を変えてやる事でシートの切れる長さを自由に変える事ができる。これにより傾斜角度の変化する壁や湾曲する壁などもシート切断中に切る長さを微調整できる。ガイドの両側に設けたメモリにより、刃の入る角度、すなわちシートの切れる長さがわかるので微調整しやすい。又、本体の形状をナイフ型にした事で、本発明品のみで壁面入り角のシートの角きめから、コーナーカットの仕上げまで他のカッターナイフなどに持ち替える事なく施工できる。これにより作業時間も短縮できる。そして従来の物に比べカッターホルダーに入れる事が出来るので持ち運びも大変しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら本発明を実施する為の形態について説明する。なお、本明細書及び図面においては、同一の符号が付された構成要素は実質的に同一の構造または機能を有するものである。
【0009】
図1は本発明にかかる曲線の切れるコーナーカッターの一例として構成を示す斜視図である。1は本体を構成するグリップ部分で内側にカッター刃を収納できる。
【0010】
2は主要部分となる半円柱状のスライディングベース2で、円弧の中央より刃3の先端を突出できる隙間を設ける。刃3を中央としスライディングベース2を左右対称の形状にする事で、左右どちらの方向にもシートを切り進める事ができる。
【0011】
スライディングベースの側面にメモリ4を付けてシート切断施工時、壁面側シートにどのメモリ4が接触しているかを目視する事で刃3がシートに入る切断角度、すなわちシートの切れる長さがわかる。
【0012】
本体を1より突出させた刃3は止めネジ5により固定する。ネジ5により固定する事で刃3の突出させる長さを無段階で調整できる。2個の止めねじ5を使用する事で刃3をしっかり固定できる。
【0013】
以上図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが本発明は上述した形態に限定されない。すなわち、特許請求の範囲に記載された発明の範囲以内で当業者が想到し得る形態または各種の変更例についても本発明の技術的範囲に属するものと理解される。
【符号の説明】
【0014】
1本体グリップ
2スライディングベース
3刃
4角度メモリ
5止めねじ
6隙間
7従来のコーナーカッター
8床シート
9床と壁の交点
10ガイド位置
11床シート切断位置
12床
13垂直の壁
14傾斜した壁
15湾曲した壁