(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022164539
(43)【公開日】2022-10-27
(54)【発明の名称】充電装置
(51)【国際特許分類】
H02M 7/12 20060101AFI20221020BHJP
H02J 7/10 20060101ALI20221020BHJP
【FI】
H02M7/12 Q
H02J7/10 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021183385
(22)【出願日】2021-11-10
(31)【優先権主張番号】10-2021-0049265
(32)【優先日】2021-04-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(71)【出願人】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞株式会社
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100124372
【弁理士】
【氏名又は名称】山ノ井 傑
(72)【発明者】
【氏名】イ、ジハン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヨンジン
(72)【発明者】
【氏名】ジュ、ジュンホン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジョンピル
(72)【発明者】
【氏名】カン、ビョング
【テーマコード(参考)】
5G503
5H006
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503FA06
5G503GB03
5H006AA02
5H006CA01
5H006CB01
5H006CC01
5H006DB01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】高い充電効率で充電動作が可能な充電装置を提供する。
【解決手段】充電装置1は、入力端IN1~入力端IN3夫々に連結されているインダクタ25~インダクタ27と、各インダクタ夫々に連結された3つのスイッチレッグ21~23と、を含むPFC回路20と、複数のリレーを含むリレーネットワーク2と、を含む。入力端IN1~IN3が三相電源の各相に連結されるとき、リレーネットワーク2は、三相電源の各相を各スイッチレッグの対応する1つに連結し、PFC回路20は、三相ブーストPFCとして動作する。入力端IN1~IN3の何れか1つに単相電源が連結されるとき、リレーネットワーク2は、単相電源をスイッチレグ21及びスイッチレッグ22に連結し、スイッチレッグ23を中性点と連結し、PFC回路20は、シングルインダクタ方式のインタリーブ単相フル-ブリッジPFCとして動作する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1~第3入力端それぞれに連結されている第1~第3インダクタと、前記第1~第3インダクタそれぞれに連結された第1~第3スイッチレッグとを含むPFC(Power Factor Correction)回路と、
複数のリレーを含むリレーネットワークとを含み、
前記第1~第3入力端が三相電源の各相に連結されるとき、前記リレーネットワークは、前記三相電源の各相を前記第1~第3スイッチレッグの対応する1つに連結し、前記PFC回路は、三相ブースト(boost)PFCとして動作し、
前記第1~第3入力端のいずれか1つに単相電源が連結されるとき、前記リレーネットワークは、前記単相電源を前記第1および第2スイッチレッグに連結し、前記第3スイッチレッグを中性点と連結し、前記PFC回路は、シングルインダクタ方式のインタリーブ単相フル-ブリッジ(interleaved single-phase full-bridge)PFCとして動作する、充電装置。
【請求項2】
前記リレーネットワークは、
前記第1入力端および前記第1インダクタに連結されている一端と、第2入力端および第2インダクタに連結されている他端とを含む第1リレーと、
前記第2入力端と前記第2インダクタとの間に連結されている第2リレーと、
前記第3入力端と前記第3インダクタとの間に連結されている第3リレーと、
中性点と前記第3インダクタとの間に連結されている第4リレーと、
前記第3インダクタに並列連結されている第5リレーとを含む、請求項1に記載の充電装置。
【請求項3】
前記第1~第3入力端が三相電源の各相に連結されるとき、
前記第1リレー、前記第4リレー、および前記第5リレーをオフし、前記第2リレーおよび前記第3リレーをオンする、請求項2に記載の充電装置。
【請求項4】
前記第1入力端に単相電源が連結されるとき、
前記第1リレー、前記第4リレー、および前記第5リレーをオンし、前記第2リレーおよび前記第3リレーをオフする、請求項2に記載の充電装置。
【請求項5】
前記リレーネットワークは、
前記第1入力端と前記第1インダクタとの間に連結される抵抗に並列連結されている第6リレーをさらに含み、
前記充電装置は、
前記PFC回路に入力される電圧のピークの後に前記第6リレーをオンする、請求項4に記載の充電装置。
【請求項6】
前記PFC回路とバッテリとの間に連結されており、前記バッテリから前記PFC回路に電力を伝達する電力変換回路をさらに含む、請求項2に記載の充電装置。
【請求項7】
前記第1スイッチレッグは、前記第1インダクタと前記電力変換回路の第1入力端との間に連結されている第1スイッチと、前記第1インダクタと前記電力変換回路の第2入力端との間に連結されている第2スイッチとを含み、
前記第2スイッチレッグは、前記第2インダクタと前記電力変換回路の第1入力端との間に連結されている第3スイッチと、前記第2インダクタと前記電力変換回路の第2入力端との間に連結されている第4スイッチとを含み、
前記第3スイッチレッグは、前記第3インダクタと前記電力変換回路の第1入力端との間に連結されている第5スイッチと、前記第3インダクタと前記電力変換回路の第2入力端との間に連結されている第6スイッチとを含む、請求項6に記載の充電装置。
【請求項8】
前記第1入力端に単相電源が連結されるとき、
前記第1リレー、前記第4リレー、および前記第5リレーをオンし、前記第2リレーおよび前記第3リレーをオフし、
前記単相電源が正の電圧の期間に、前記第1スイッチ、前記第3スイッチ、および前記第6スイッチがオン状態の期間、および前記第2スイッチ、前記第4スイッチ、および前記第6スイッチがオン状態の期間が繰り返され、
前記単相電源が負の電圧の期間に、前記第2スイッチ、前記第4スイッチ、および前記第5スイッチがオン状態の期間、および前記第1スイッチ、前記第3スイッチ、および前記第5スイッチがオン状態の期間が繰り返される、請求項7に記載の充電装置。
【請求項9】
前記リレーネットワークは、
前記第1入力端と前記第1インダクタとの間に連結される抵抗に並列連結されている第6リレーをさらに含み、
前記充電装置は、
前記PFC回路に入力される電圧のピークの後に前記第6リレーをオンする、請求項2に記載の充電装置。
【請求項10】
前記第1~第3入力端に連結されて、前記第1~第3入力端のうち電源が連結された入力端を検知し、前記リレーネットワークを制御するリレー制御回路をさらに含む、請求項1に記載の充電装置。
【請求項11】
第1~第3入力端それぞれに連結されている第1~第3インダクタと、前記第1~第3インダクタそれぞれに連結された第1~第3スイッチレッグとを含むPFC(Power Factor Correction)回路と、
複数のリレーを含むリレーネットワークとを含み、
前記第1~第3入力端が三相負荷の各相に連結されるとき、前記リレーネットワークは、前記三相電源の各相を前記第1~第3スイッチレッグの対応する1つに連結し、前記PFC回路は、三相インバータとして動作し、
前記第1~第3入力端のいずれか1つに単相負荷が連結されるとき、前記リレーネットワークは、前記単相負荷を前記第1および第2スイッチレッグに連結し、前記第3スイッチレッグを中性点と連結し、前記PFC回路は、単相インバータとして動作する、充電装置。
【請求項12】
前記リレーネットワークは、
前記第1入力端および前記第1インダクタに連結されている一端と、第2入力端および第2インダクタに連結されている他端とを含む第1リレーと、
前記第2入力端と前記第2インダクタとの間に連結されている第2リレーと、
前記第3入力端と前記第3インダクタとの間に連結されている第3リレーと、
中性点と前記第3インダクタとの間に連結されている第4リレーと、
前記第3インダクタに並列連結されている第5リレーとを含む、請求項11に記載の充電装置。
【請求項13】
前記第1~第3入力端が三相負荷の各相に連結されるとき、
前記第1リレー、前記第4リレー、および前記第5リレーをオフし、前記第2リレーおよび前記第3リレーをオンする、請求項12に記載の充電装置。
【請求項14】
前記第1入力端に単相負荷が連結されるとき、
前記第1リレー、前記第4リレー、および前記第5リレーをオンし、前記第2リレーおよび前記第3リレーをオフする、請求項12に記載の充電装置。
【請求項15】
前記第1~第3入力端に連結されて、前記第1~第3入力端のうち負荷が連結された入力端を検知し、前記リレーネットワークを制御するリレー制御回路をさらに含む、請求項12に記載の充電装置。
【請求項16】
前記PFC回路とバッテリとの間に連結されており、前記バッテリから前記PFC回路に電力を伝達する電力変換回路をさらに含む、請求項12に記載の充電装置。
【請求項17】
前記第1スイッチレッグは、前記第1インダクタと前記電力変換回路の第1入力端との間に連結されている第1スイッチと、前記第1インダクタと前記電力変換回路の第2入力端との間に連結されている第2スイッチとを含み、
前記第2スイッチレッグは、前記第2インダクタと前記電力変換回路の第1入力端との間に連結されている第3スイッチと、前記第2インダクタと前記電力変換回路の第2入力端との間に連結されている第4スイッチとを含み、
前記第3スイッチレッグは、前記第3インダクタと前記電力変換回路の第1入力端との間に連結されている第5スイッチと、前記第3インダクタと前記電力変換回路の第2入力端との間に連結されている第6スイッチとを含む、請求項16に記載の充電装置。
【請求項18】
前記第1入力端に単相負荷が連結されるとき、
前記第1リレー、前記第4リレー、および前記第5リレーをオンし、前記第2リレーおよび前記第3リレーをオフし、
前記第1スイッチと前記第2スイッチとが交互にスイッチングし、前記第3スイッチと前記第4スイッチとが交互にスイッチングし、前記第1スイッチのオン期間に前記第4スイッチのオン期間全体が重なり、前記第3スイッチのオン期間に前記第2スイッチのオン期間全体が重なり、
前記第5スイッチはオフ状態であり、前記第6スイッチはオン状態である、請求項17に記載の充電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、充電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電気車の走行のためには高電圧バッテリの充電が必須である。車両内部に装着された充電器は、商用AC電源から入力された電力を、バッテリが要求する電圧に変換することができる。これをOBC(On Board Charger)という。
【0003】
OBCは、力率(Power Factor、PF)を補正するPFC(Power Factor Correction)回路と、バッテリが要求する電圧に変換するDC-DCコンバータとを含むことができる。PFC回路には、広い範囲のAC商用交流電源が入力される。OBCのDC-DCコンバータは、変圧器なしにブーストコンバータで実現される。しかし、ブーストコンバータの特性上、出力電圧が入力電圧より高い場合にのみ充電動作が可能であるという問題がある。
【0004】
また、バックで実現されたPFCとブーストコンバータとを結合してOBCを実現することができる。このOBCは、広い範囲の入力電圧を変換して広い範囲の出力電圧を供給できるが、ブーストコンバータがバッテリに直接的に連結されて、高い出力電流リップルがバッテリに印加され、モータ出力とOBC出力とが異なって運転点が異なり、充電効率が低いという限界がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
広い範囲の入力電源および広い範囲のバッテリ充電電圧範囲に合わせて高い充電効率で充電動作が可能な充電装置を提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による充電装置は、第1~第3入力端それぞれに連結されている第1~第3インダクタと、前記第1~第3インダクタそれぞれに連結された第1~第3スイッチレッグとを含むPFC(Power Factor Correction)回路と、複数のリレーを含むリレーネットワークとを含む。前記第1~第3入力端が三相電源の各相に連結されるとき、前記リレーネットワークは、前記三相電源の各相を前記第1~第3スイッチレッグの対応する1つに連結し、前記PFC回路は、三相ブースト(boost)PFCとして動作し、前記第1~第3入力端のいずれか1つに単相電源が連結されるとき、前記リレーネットワークは、前記単相電源を前記第1および第2スイッチレッグに連結し、前記第3スイッチレッグを中性点と連結し、前記PFC回路は、シングルインダクタ方式のインタリーブ単相フル-ブリッジ(interleaved single-phase full-bridge)PFCとして動作することができる。
【0007】
前記リレーネットワークは、前記第1入力端および前記第1インダクタに連結されている一端と、第2入力端および第2インダクタに連結されている他端とを含む第1リレーと、前記第2入力端と前記第2インダクタとの間に連結されている第2リレーと、前記第3入力端と前記第3インダクタとの間に連結されている第3リレーと、中性点と前記第3インダクタとの間に連結されている第4リレーと、前記第3インダクタに並列連結されている第5リレーとを含むことができる。
【0008】
前記第1~第3入力端が三相電源の各相に連結されるとき、前記充電装置は、前記第1リレー、前記第4リレー、および前記第5リレーをオフし、前記第2リレーおよび前記第3リレーをオンする。
【0009】
前記第1入力端に単相電源が連結されるとき、前記充電装置は、前記第1リレー、前記第4リレー、および前記第5リレーをオンし、前記第2リレーおよび前記第3リレーをオフする。
【0010】
前記充電装置は、前記PFC回路とバッテリとの間に連結されており、前記バッテリから前記PFC回路に電力を伝達する電力変換回路をさらに含むことができる。
【0011】
前記第1スイッチレッグは、前記第1インダクタと前記電力変換回路の第1入力端との間に連結されている第1スイッチと、前記第1インダクタと前記電力変換回路の第2入力端との間に連結されている第2スイッチとを含み、前記第2スイッチレッグは、前記第2インダクタと前記電力変換回路の第1入力端との間に連結されている第3スイッチと、前記第2インダクタと前記電力変換回路の第2入力端との間に連結されている第4スイッチとを含み、前記第3スイッチレッグは、前記第3インダクタと前記電力変換回路の第1入力端との間に連結されている第5スイッチと、前記第3インダクタと前記電力変換回路の第2入力端との間に連結されている第6スイッチとを含むことができる。
【0012】
前記第1入力端に単相電源が連結されるとき、前記充電装置は、前記第1リレー、前記第4リレー、および前記第5リレーをオンし、前記第2リレーおよび前記第3リレーをオフすることができる。前記単相電源が正の電圧の期間に、前記第1スイッチ、前記第3スイッチ、および前記第6スイッチがオン状態の期間、および前記第2スイッチ、前記第4スイッチ、および前記第6スイッチがオン状態の期間が繰り返される。前記単相電源が負の電圧の期間に、前記第2スイッチ、前記第4スイッチ、および前記第5スイッチがオン状態の期間、および前記第1スイッチ、前記第3スイッチ、および前記第5スイッチがオン状態の期間が繰り返される。
【0013】
前記リレーネットワークは、前記第1入力端と前記第1インダクタとの間に連結される抵抗に並列連結されている第6リレーをさらに含み、前記充電装置は、前記PFC回路に入力される電圧のピークの後に前記第6リレーをオンすることができる。
【0014】
前記充電装置は、前記第1~第3入力端に連結されて、前記第1~第3入力端のうち電源が連結された入力端を検知し、前記リレーネットワークを制御するリレー制御回路をさらに含むことができる。
【0015】
発明の他の特徴による充電装置は、第1~第3入力端それぞれに連結されている第1~第3インダクタと、前記第1~第3インダクタそれぞれに連結された第1~第3スイッチレッグとを含むPFC(Power Factor Correction)回路と、複数のリレーを含むリレーネットワークとを含む。前記第1~第3入力端が三相負荷の各相に連結されるとき、前記リレーネットワークは、前記三相電源の各相を前記第1~第3スイッチレッグの対応する1つに連結し、前記PFC回路は、三相インバータとして動作し、前記第1~第3入力端のいずれか1つに単相負荷が連結されるとき、前記リレーネットワークは、前記単相負荷を前記第1および第2スイッチレッグに連結し、前記第3スイッチレッグを中性点と連結し、前記PFC回路は、単相インバータとして動作することができる。
【0016】
前記リレーネットワークは、前記第1入力端および前記第1インダクタに連結されている一端と、第2入力端および第2インダクタに連結されている他端とを含む第1リレーと、前記第2入力端と前記第2インダクタとの間に連結されている第2リレーと、前記第3入力端と前記第3インダクタとの間に連結されている第3リレーと、中性点と前記第3インダクタとの間に連結されている第4リレーと、前記第3インダクタに並列連結されている第5リレーとを含むことができる。
【0017】
前記第1~第3入力端が三相負荷の各相に連結されるとき、前記充電装置は、前記第1リレー、前記第4リレー、および前記第5リレーをオフし、前記第2リレーおよび前記第3リレーをオンすることができる。
【0018】
前記第1入力端に単相負荷が連結されるとき、前記充電装置は、前記第1リレー、前記第4リレー、および前記第5リレーをオンし、前記第2リレーおよび前記第3リレーをオフすることができる。
【0019】
前記充電装置は、前記第1~第3入力端に連結されて、前記第1~第3入力端のうち負荷が連結された入力端を検知し、前記リレーネットワークを制御するリレー制御回路をさらに含むことができる。
【0020】
前記充電装置は、前記PFC回路とバッテリとの間に連結されており、前記バッテリから前記PFC回路に電力を伝達する電力変換回路をさらに含むことができる。
【0021】
前記第1スイッチレッグは、前記第1インダクタと前記電力変換回路の第1入力端との間に連結されている第1スイッチと、前記第1インダクタと前記電力変換回路の第2入力端との間に連結されている第2スイッチとを含み、前記第2スイッチレッグは、前記第2インダクタと前記電力変換回路の第1入力端との間に連結されている第3スイッチと、前記第2インダクタと前記電力変換回路の第2入力端との間に連結されている第4スイッチとを含み、前記第3スイッチレッグは、前記第3インダクタと前記電力変換回路の第1入力端との間に連結されている第5スイッチと、前記第3インダクタと前記電力変換回路の第2入力端との間に連結されている第6スイッチとを含むことができる。
【0022】
前記第1入力端に単相負荷が連結されるとき、前記充電装置は、前記第1リレー、前記第4リレー、および前記第5リレーをオンし、前記第2リレーおよび前記第3リレーをオフすることができる。前記第1スイッチと前記第2スイッチとが交互にスイッチングし、前記第3スイッチと前記第4スイッチとが交互にスイッチングし、前記第1スイッチのオン期間に前記第4スイッチのオン期間全体が重なり、前記第3スイッチのオン期間に前記第2スイッチのオン期間全体が重なり、前記第5スイッチはオフ状態であり、前記第6スイッチはオン状態であってもよい。
【発明の効果】
【0023】
本発明は、広い範囲の入力電源および広い範囲のバッテリ充電電圧範囲に合わせて高い充電効率で充電動作が可能であり、既存に比べて簡単な回路構造を有する充電装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図2】AC商用電源が三相のときの動作を説明するための回路図である。
【
図3】AC商用電源が単相のときの動作を説明するための回路図である。
【
図4A】一実施例による入力電源が単相のときのPFC回路の動作を説明するための回路図である。
【
図4B】一実施例による入力電源が単相のときのPFC回路の動作を説明するための回路図である。
【
図4C】一実施例による入力電源が単相のときのPFC回路の動作を説明するための回路図である。
【
図4D】一実施例による入力電源が単相のときのPFC回路の動作を説明するための回路図である。
【
図5】一実施例による充電装置が逆方向に三相負荷に電力を供給するときの動作を説明するための図である。
【
図6】一実施例による充電装置が逆方向に単相負荷に電力を供給するときの動作を説明するための図である。
【
図7】一実施例によるPFC回路のスイッチング動作を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付した図面を参照して、本明細書に開示された実施例を詳細に説明し、同一であるか類似の構成要素には同一、類似の図面符号を付し、これに関する重複した説明は省略する。以下の説明で使用される構成要素に対する接尾辞「モジュール」および/または「部」は、明細書作成の容易さだけが考慮されて与えられたり混用されるものであって、それ自体で互いに区別される意味または役割を有するわけではない。また、本明細書に開示された実施例を説明するにあたり、かかる公知の技術に関する具体的な説明が本明細書に開示された実施例の要旨をあいまいにしうると判断された場合、その詳細な説明を省略する。さらに、添付した図面は本明細書に開示された実施例を容易に理解できるようにするためのものに過ぎず、添付した図面によって本明細書に開示された技術的な思想が制限されず、本発明の思想および技術範囲に含まれるすべての変更、均等物乃至代替物を含むことが理解されなければならない。
【0026】
第1、第2などのような序数を含む用語は多様な構成要素を説明するのに使われるが、前記構成要素は前記用語によって限定されない。前記用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ使用される。
【0027】
ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いるか「接続されて」いると言及されたときには、その他の構成要素に直接的に連結されているかまたは接続されていてもよいが、中間に他の構成要素が存在してもよいと理解されなければならない。これに対し、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」いるか「直接接続されて」いると言及されたときには、中間に他の構成要素が存在しないことが理解されなければならない。
【0028】
本出願において、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、1つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加の可能性を予め排除しないことが理解されなければならない。
【0029】
【0030】
充電装置1は、リレーネットワーク2と、リレー制御回路3と、電力制御回路4と、AC入力フィルタ10と、PFC回路20と、電力変換回路30とを含む。充電装置1は、AC商用電源を変換してバッテリ40を充電させるための充電電力を生成することができる。例えば、バッテリ40の正極端子(+)は、出力端OUT1に連結され、バッテリ40の負極端子(-)は、出力端OUT2に連結される。
【0031】
リレーネットワーク2は、AC商用電源の相に応じて複数のリレーRL1-RL6のオン/オフを制御して、PFC回路20とAC商用電源との連結関係を制御することができる。
【0032】
リレーネットワーク2は、複数のリレーRL1-RL6を含み、リレー制御回路3は、AC商用電源と連結される複数の入力端IN1-IN3に連結されて、AC商用電源の相を検知し、検知された相に応じて複数のリレーRL1-RL6を制御することができる。リレー制御回路3は、検知された相により複数のリレーRL1-RL6のオン/オフを制御するための複数のリレー制御信号RLS1-RLS6を生成して、複数のリレーRL1-RL6に供給することができる。複数のリレーRL1-RL6は、複数のリレー制御信号RLS1-RLS6によりオン(閉鎖)またはオフ(開放)される。
【0033】
例えば、リレー制御回路3は、AC商用電源が三相の場合、複数のリレーRL2、RL3をオンさせるリレー制御信号RLS2、RLS3および複数のリレーRL1、RL4、RL6をオフさせるリレー制御信号RLS1、RLS4、RLS6を生成して、複数のリレーRL1-RL6に供給することができる。このとき、リレー制御回路3は、三相を指示する相検知信号SLを共に生成して電力制御回路4に伝達することができる。
【0034】
あるいは、リレー制御回路3は、AC商用電源が単相の場合、複数のリレーRL1、RL4、RL6をオンさせるリレー制御信号RLS1、RLS4、RLS6および複数のリレーRL2、RL3をオフさせるリレー制御信号RLS2、RLS3を生成して、複数のリレーRL1-RL6に供給することができる。このとき、リレー制御回路3は、単相を指示する相検知信号SLを共に生成して電力制御回路4に伝達することができる。
【0035】
リレー制御回路3は、単相または三相に関係なく、充電動作が始まった時点から所定期間経過した時点でリレーRL5をオンさせるリレー制御信号RLS5を生成してリレーRL5に供給することができる。
【0036】
リレーRL1の一端は、インダクタ25の一端および入力端IN1に連結されており、リレーRL1の他端は、入力端IN2とインダクタ26の一端との間に連結されている。リレーRL2は、入力端IN2とインダクタ26の一端に連結されており、リレーRL3は、入力端IN3とインダクタ27の一端に連結されており、リレーRL4は、中性点Nとインダクタ27の一端との間に連結されている。リレーRL5は、入力端IN1とインダクタ25の一端との間に連結されており、リレーRL6は、インダクタ27に並列連結されている。複数のリレーRL1-RL6は、電磁式リレーまたは機械式リレーで実現できる。
【0037】
AC入力フィルタ10は、複数の入力端IN1-IN3を介して供給されるAC商用電源による電磁妨害雑音(Electro Magnetic Interference、EMI)を除去する。AC入力フィルタ10は、各入力端とPFC回路20との間の入力ラインに備えられた複数のインダクタと、入力ラインに連結された複数のキャパシタとを含み、複数のキャパシタは、各入力ラインに対してY-CAP構造で連結されている。ただし、これはAC入力フィルタの一例であり、発明がこれに限定されるものではなく、公知の多様な回路で実現できるAC入力フィルタが適用可能である。
【0038】
ヒューズF1は、入力端IN1とインダクタ25との間に連結されており、ヒューズF2は、入力端IN3とインダクタ27との間に連結されている。
【0039】
PFC回路20は、3つのスイッチレッグ(switch leg)21-23と、3つのインダクタ25-27と、PFCリンクキャパシタ24とを含む。PFC回路20は、電力制御回路4から供給されるスイッチ制御信号により動作することができる。電力制御回路4は、相検知信号SLによりAC商用電源が単相の場合、または三相の場合に応じて、PFC回路20のスイッチング動作を制御することができる。
【0040】
AC商用電源が三相のとき、PFC回路20は、三相の線間電圧が入力されて、3-レッグブースト(3-leg Boost)PFCとして動作する。AC商用電源が単相入力のとき、PFC回路20は、入力端IN1と中性点Nとの間の電圧が入力されて、シングルインダクタ方式のインタリーブ単相フル-ブリッジ(interleaved single-phase full-bridge)構造のPFCとして動作する。つまり、PFC回路20は、三相の場合、3つの入力端IN1、IN2、IN3それぞれ入力を電源として用い、単相の場合、入力端IN1と中性点Nとの間の電圧を電源として用いる。単相の場合、リレーRL1がオンされて、3つの第1~第3スイッチレッグ21-23がすべて電力伝達に用いられ、このうちスイッチレッグ23は、中性点Nと結線され、インダクタ27は、リレーRL6のターンオンによって非活性化される。すると、入力端IN1と中性点Nとの間にシングルインダクタ構造に変換されて、PFC回路20は、インタリーブ単相フルブリッジ(interleaved single-phase full-bridge)構造である。このとき、PFC回路20は、ユニポーラトーテムポール(unipolar totem pole)制御で動作可能である。
【0041】
PFCリンクキャパシタ24は、2つのキャパシタC1、C2を含み、3つのスイッチレッグ21-23それぞれの動作により伝達される電流を充電してDC電圧を生成する。
【0042】
電力変換回路30は、PFCリンクキャパシタ24に充電された電圧を変換して、負荷に適したDC電圧を生成して供給する。電力変換回路30の2つの入力端DCN1、DCN2は、PFCリンクキャパシタ24の両端に連結されている。
図1に負荷が示されていないが、負荷の一例としてバッテリがあり、バッテリは、2つの出力端OUT1、OUT2の間に連結されて充電可能である。
【0043】
電力変換回路30は、2つの入力端DCN1、DCN2と2つの出力端OUT1、OUT2との間に並列連結された2つのDC-DCコンバータを含む。2つのDC-DCコンバータが並列連結された構造は、一実施例による一例であり、発明がこれに限定されず、負荷の大きさに応じて適切な個数のDC-DCコンバータで電力変換回路30が実現されてもよい。
【0044】
DC-DCコンバータ31は、一側にフル-ブリッジで連結された4つのスイッチング素子T1-T4と、他側にフル-ブリッジで連結された4つのスイッチング素子T5-T8と、一側と他側との間の絶縁型変圧器TR1と、キャパシタC3とを含む。
【0045】
DC-DCコンバータ32は、一側にフル-ブリッジで連結された4つのスイッチング素子P1-P4と、他側にフル-ブリッジで連結された4つのスイッチング素子P5-P8と、一側と他側との間の絶縁型変圧器TR2と、キャパシタC4とを含む。
【0046】
電力制御回路4は、DC-DCコンバータ31およびDC-DCコンバータ32の電力変換動作を制御することができる。例えば、電力制御回路4は、バッテリ40に供給される出力電圧がフィードバックされて、DC-DCコンバータ31およびDC-DCコンバータ32のスイッチング周波数またはデューティ比を制御する制御信号を生成してDC-DCコンバータ31およびDC-DCコンバータ32に供給することができる。具体的な制御方法は、LLC共振フル-ブリッジ構造のコンバータの制御方法と同一であるので、詳しい説明は省略する。
【0047】
図1では、DC-DCコンバータ31、32がLLC共振フル-ブリッジで実現されているが、発明がこれに限定されるものではなく、他のタイプで実現されてもよい。DC-DCコンバータの動作は、本発明の属する技術分野における当業者に自明な事項であるので、詳しい説明は省略する。
【0048】
図2は、AC商用電源が三相のときの動作を説明するための回路図である。
【0049】
図2に示されているように、三相電源が3つのインダクタL1、L2、L3を介して3つの入力端IN1、IN2、IN3それぞれに伝達される。
【0050】
リレー制御回路3は、AC商用電源が三相であることを検知し、リレーRL2、RL3をオンし、リレーRL1、RL4、RL6をオフさせ、PFC回路20に入力される電圧のピークの後にリレーRL5をオンする。リレーRL5は、入力端の高電圧によって突入電流が流れるとき、PFCリンクキャパシタ24などの素子を保護するためのリレーである。PFC回路20の電圧入力がピークに到達するまでリレーRL5はオフ状態であり、抵抗11を介して入力端IN1からの入力がPFC回路20に供給される。ピーク到達後、リレーRL5がオンされて、抵抗11を介さず、リレーRL5を介して入力端IN1からの入力がPFC回路20に供給される。リレーRL5は、単相または三相に関係なく、PFC回路20の電圧入力がピークに到達するまでオフ状態であり、ピークの後にオンされる。
【0051】
AC商用電源が三相のとき、各入力端IN1、IN2、IN3が各インダクタ25、26、27に連結され、PFC回路20は、3-レッグブースト(3-leg boost)PFCとして動作する。各インダクタ25、26、27に流れる電流が第1~第3スイッチレッグ21、22、23それぞれのスイッチング動作によりPFCリンクキャパシタ24に伝達される。例えば、入力端IN1は、インダクタ25に連結され、インダクタ25および第1スイッチレッグ21は、ブーストPFCとして動作する。入力端IN1の電圧によってインダクタ25に電流が流れ、スイッチQ1のオン期間にインダクタ25に流れる電流がPFCリンクキャパシタ24を充電し、スイッチQ1のオフおよびスイッチQ2のオン期間にインダクタL1およびスイッチQ2を介して電流が流れる。
【0052】
図3は、AC商用電源が単相のときの動作を説明するための回路図である。
【0053】
図3に示されているように、単相電源がインダクタL1を介して入力端IN1に伝達される。
【0054】
リレー制御回路3は、AC商用電源が単相であることを検知し、リレーRL1、RL4、RL6をオンし、リレーRL2、RL3をオフさせ、PFC回路20に入力される電圧のピークの後にリレーRL5をオンする。
【0055】
リレーRL1がオンされて、入力端IN1は、第1スイッチレッグ21および第2スイッチレッグ22に連結され、インダクタL1に流れる電流は、第1および第2スイッチレッグ21、22に分岐し、第1および第2スイッチレッグ21、22は、インタリーブ方式で動作する。
【0056】
リレーRL4がオンされて、中性点Nと第3スイッチレッグ23とが連結され、リレーRL6がオンされて、PFC回路20が単相シングルインダクタ構造でインタリーブフルブリッジPFC動作を行う。つまり、リレーRL1がオンされて、第1~第3スイッチレッグ21-23が電力伝達を行う。第3スイッチレッグ23は、中性点Nと連結され、リレーRL6のオンによってインダクタ27は非活性化される。
【0057】
図4A-4Dは、一実施例による入力電源が単相のときのPFC回路の動作を説明するための回路図である。
【0058】
図4Aおよび
図4Bは、正弦波である単相電源が正の電圧のときの、第1~第3スイッチレッグ21-23の動作による電流経路を示した図である。
図4Cおよび
図4Dは、正弦波である単相電源が負の電圧のときの、第1~第3スイッチレッグ21-23の動作による電流経路を示した図である。
図4Aおよび
図4Cは、PFC回路20の電力供給動作を示した図であり、
図4Bおよび
図4Dは、PFC回路20の電力回復動作を示した図である。
図4Aに示されているように、スイッチQ1、Q2、Q6がオン状態の期間に、単相電源の電圧によってインダクタ25、26、スイッチQ1、Q2、キャパシタC1、C2、およびスイッチQ6を介して電流が流れる。この期間にキャパシタC1、C2に電力が供給される。
【0059】
次に、
図4Bに示されているように、スイッチQ4、Q5、Q6がオン状態の期間に、単相電源の電圧によってインダクタ25、26およびスイッチQ4、Q5、Q6を介して電流が流れる。この期間にインダクタ25、26にエネルギーが貯蔵される電力回復動作が行われる。
【0060】
図4Cに示されているように、スイッチQ3、Q4、Q5がオン状態の期間に、単相電源の電圧によってスイッチQ3、キャパシタC1、C2、スイッチQ4、Q5、およびインダクタ25、26を介して電流が流れる。この期間にキャパシタC1、C2に電力が供給される。
【0061】
次に、
図4Dに示されているように、スイッチQ1、Q2、Q3がオン状態の期間に、単相電源の電圧によってインダクタ25、26およびスイッチQ1、Q2、Q3を介して電流が流れる。この期間にインダクタ25、26にエネルギーが貯蔵される電力回復動作が行われる。
【0062】
電気自動車(Electrical Vehicle)の一回充電走行可能距離が増加していて、バッテリ容量の増大が要求されている。これによって、OBC(On Board Charger)は大容量充電が要求されていて、充電電力の増大が必要である。
【0063】
従来の充電器は、PFC回路とDC/DCコンバータの2段構造で、単相入力電源の条件でのみ動作可能である。三相電源入力の条件で充電を実現するためには、三相電源の各相に対して連結された充電器が3-並列に連結されていなければならない。すると、回路の複雑性が増加し、材料費と体積/重量の増大をもたらす。ブーストコンバータで実現されたPFC回路のみを含む充電器は、回路構造は簡潔であるものの、バッテリ要求電圧が入力電圧より低い場合、正常充電が不可能である。バック-ブーストタイプの充電器は、バッテリが要求する出力電圧の全区間に対して充電動作が可能であるが、制御が複雑であり、出力電圧に比べてAC交流入力電圧が低い区間が存在して力率(PF)特性が不利であり、ブーストコンバータがバッテリに直接的に連結されて高い出力電流リップルがバッテリに印加され、バッテリの発熱および寿命に悪影響を及ぼす。
【0064】
本発明は、多様なAC電源の条件、つまり、国別の多様な電源状況に応じて最適化された充電システムとして、PFC回路を変換するリレーネットワークを含む充電装置に関する。本発明は、広い範囲の入力電源および広い範囲のバッテリ充電電圧範囲に合わせて高い充電効率で充電動作が可能であり、既存に比べて簡単な回路構造を有する充電装置を提供することができる。
【0065】
OBCが三相入力に合わせて設計された従来技術の場合、単相入力については十分な充電電力を生成および供給することが困難であった。例えば、単相入力に対して、従来のOBCは3.6kWの充電電力だけを供給することができた。しかし、一実施例による充電装置1は、三相3-レッグインバータタイプのPFC回路20を用いて電力変換回路30に供給されるリンク電圧を調節することができる。したがって、充電装置1は、単相入力に対しても十分な充電電力(例えば、7.2kW)をバッテリ40に供給することができる。
【0066】
また、一実施例による充電装置1は、リンク電圧を調節可能なため、変圧器TR1、TR2の一側の巻線数と他側の巻線数との間の比率である巻線数比が1:1に近く設計可能である。これによって、充電装置1は、バッテリ40を充電する電力供給方向(以下、順方向)と反対方向(以下、逆方向)にバッテリ40から充電装置1の入力端に連結された三相負荷または単相負荷に電力を供給することができる。
【0067】
以下、
図5~
図7を参照して、充電装置1がバッテリ40から負荷に電力を供給する動作を説明する。
【0068】
図5は、一実施例による充電装置が逆方向に三相負荷に電力を供給するときの動作を説明するための図である。
【0069】
三相負荷50の各相は、
図5に3つのインダクタ51-53として示されている。インダクタ51は、入力端IN1と中性点Nとの間に連結されており、インダクタ52は、入力端IN2と中性点Nとの間に連結されており、インダクタ53は、入力端IN3と中性点Nとの間に連結されている。
図5には、三相負荷50が3つのインダクタ51-53として示されているが、発明がこれに限定されるものではない。三相負荷50の各負荷は、抵抗、インダクタ、およびキャパシタのうちの1つで実現されるか、少なくとも2つの組み合わせで実現されてもよい。
【0070】
図1と比較して同一の構成については同一の図面符号を表示し、重複する説明は以下に省略される。
【0071】
リレー制御回路3は、複数の入力端IN1-IN3に連結された負荷を検知して、三相負荷なのか、単相負荷なのかを判断できる。複数の入力端IN1-IN3に連結された負荷が三相負荷の場合、リレー制御回路3は、複数のリレーRL2、RL3をオンさせるリレー制御信号RLS2、RLS3および複数のリレーRL1、RL4、RL6をオフさせるリレー制御信号RLS1、RLS4、RLS6を生成して、複数のリレーRL1、RL4、RL6に供給することができる。このとき、リレー制御回路3は、三相を指示する相検知信号SLを共に生成して電力制御回路4に伝達することができる。リレー制御回路3は、逆方向の充電動作が始まった時点から所定期間経過した時点でリレーRL5をオンさせる。
【0072】
2つの出力端OUT1、OUT2にバッテリ40の正極端子(+)と負極端子(-)とが連結され、バッテリ40から2つの出力端OUT1、OUT2を介して電力変換回路30に電力が供給される。まず、電力変換回路30を介してバッテリ40からPFC回路20に電力が供給される動作を説明する。DC-DCコンバータ31およびDC-DCコンバータ32のうちの1つのみ電力供給動作を行うことができる。例えば、DC-DCコンバータ31がバッテリ40からPFC回路20に電力を供給する動作を説明する。この場合、DC-DCコンバータ32のスイッチP5-P8は、ダイオードに代替可能である。
【0073】
バッテリ40の正極端子(+)と負極端子(-)との間の電圧がDC-DCコンバータ31の入力電圧として供給される。逆方向にDC-DCコンバータ31が入力電圧を変換してPFC回路20に供給するとき、一側に位置するすべてのスイッチT1-T4はオフ状態である。他側に位置するスイッチT5-T8のスイッチング動作により、一側に位置するスイッチのボディダイオードを介して電流経路が形成される。
【0074】
例えば、スイッチT5、T8のオン期間およびスイッチT6、T7のオフ期間に、変圧器TR1の他側に流れる共振電流がスイッチT5、T8を介して流れ、変圧器TR1の一側に電力が伝達される。このとき、スイッチT1およびスイッチT4のボディダイオードを介して電流が流れて、PFC回路20に電力が供給される。次に、すべてのスイッチT5-T8がオフ状態であるデッドタイムが存在する。デッドタイム後、スイッチT6、T7のオン期間およびスイッチT5、T8のオフ期間に、変圧器TR1の他側に流れる共振電流がスイッチT6、T7を介して流れ、変圧器TR1の一側に電力が伝達される。このとき、スイッチT2およびスイッチT3のボディダイオードを介して電流が流れて、PFC回路20に電力が供給される。次に、すべてのスイッチT5-T8がオフ状態であるデッドタイムが存在する。このような動作が繰り返されて、電力変換回路30の他側に連結されたバッテリ40から電力変換回路30の一側に連結されたPFC回路20に電力が供給される。
【0075】
PFCリンクキャパシタ24は、DC-DCコンバータ31から供給されたエネルギーを充電し、PFC回路20に入力される電圧を平滑させることができる。PFC回路20は、第1~第3スイッチレッグ21-23のスイッチング動作によりAC電力を三相負荷50に供給することができる。例えば、電力制御回路4は、相検知信号SLによりPFC回路20が三相インバータとして動作するように制御する。つまり、第1~第3スイッチレッグ21-23は、120度の位相差を有してスイッチング動作し、第1~第3スイッチレッグ21-23それぞれにおける2つのスイッチ(例えば、Q1とQ4)のスイッチング動作は、位相差180度の相補スイッチング(complementary switching)である。三相インバータの動作は公知の技術で、詳しい説明は省略する。
【0076】
図6は、一実施例による充電装置が逆方向に単相負荷に電力を供給するときの動作を説明するための図である。
【0077】
単相負荷60は、抵抗、インダクタ、およびキャパシタのうちの1つで実現されるか、少なくとも2つの組み合わせで実現されてもよい。
図1と比較して同一の構成については同一の図面符号を表示し、重複する説明は以下に省略される。
【0078】
リレー制御回路3は、複数の入力端IN1-IN3に連結された負荷を検知して、三相負荷なのか、単相負荷なのかを判断できる。複数の入力端IN1-IN3に連結された負荷が単相負荷の場合、リレー制御回路3は、複数のリレーRL1、RL4、RL6をオンさせるリレー制御信号RLS1、RLS4、RLS6および複数のリレーRL2、RL3をオフさせるリレー制御信号RLS2、RLS3を生成して、複数のリレーRL1-RL6に供給することができる。このとき、リレー制御回路3は、単相を指示する相検知信号SLを共に生成して電力制御回路4に伝達することができる。リレー制御回路3は、逆方向の充電動作が始まった時点から所定期間経過した時点でリレーRL5をオンさせる。
【0079】
電力変換回路30を介してPFC回路20に電力が供給される方法は、上記の三相負荷が連結された実施例と同一であるので、省略する。以下、
図7を参照して、単相負荷60が連結された実施例におけるPFC回路20の動作を説明する。
図7に示されているように、PFC回路20は、単相インバータとして動作する。
【0080】
図7は、一実施例によるPFC回路のスイッチング動作を示した図である。
【0081】
図7に示されているように、第1スイッチレッグ21のスイッチQ1、Q4のうちオン状態のスイッチが「TON1」の波形図に示されており、第2スイッチレッグ22のスイッチQ2、Q5のうちオン状態のスイッチが「TON2」の波形図に示されており、第3スイッチレッグ23のスイッチQ3、Q6のうちオン状態のスイッチが「TON3」の波形図に示されている。単相負荷の条件下、第3スイッチレッグ23において、スイッチQ3はオフ状態であり、スイッチQ6はオン状態である。
【0082】
第1スイッチレッグ21においてスイッチQ1がオン状態、スイッチQ4がオフ状態の期間T1に、PFCリンクキャパシタ24に充電された入力電圧によってインダクタ25に電流が流れる。インダクタ25の電流は、負荷60、リレーRL6およびスイッチQ6を介して流れ、負荷60に電力が供給される。次に、第1スイッチレッグ21においてスイッチQ1がオフ状態、スイッチQ4がオン状態の期間T2に、インダクタ25の電流は、リレーRL6、スイッチQ6およびスイッチQ4を介して流れる。期間T1と期間T2との間には、2つのスイッチQ1、Q4がすべてオフ状態であるデッドタイムが存在する。
【0083】
第2スイッチレッグ22においてスイッチQ2がオン状態、スイッチQ5がオフ状態の期間T3に、PFCリンクキャパシタ24に充電された入力電圧によってインダクタ26に電流が流れる。インダクタ26の電流は、負荷60、リレーRL6およびスイッチQ6を介して流れ、負荷60に電力が供給される。次に、第2スイッチレッグ22においてスイッチQ4がオフ状態、スイッチQ5がオン状態の期間T4に、インダクタ25の電流は、リレーRL6、スイッチQ6およびスイッチQ5を介して流れる。期間T3と期間T4との間には、2つのスイッチQ2、Q5がすべてオフ状態であるデッドタイムが存在する。
【0084】
このような一実施例による充電装置1は、バッテリ40から負荷に電力を供給することができる。一実施例による充電装置1は、電気自動車に適用可能であり、バッテリ40は、電気自動車を運営するために必要な電力を供給する。
【0085】
一実施例による充電装置を介してバッテリの定格電圧に関係なく充電可能である。また、充電装置は、バッテリから負荷(Vehicle to Load、V2L)またはバッテリから系統(Vehicle to Grid、V2G)に電力を供給することができる。さらに、充電装置の周波数可変範囲がLLCコンバータの動作周波数範囲に比べて狭くて変圧器が小型化される。一実施例によるPFC回路において、昇圧比に関係なくPFC回路のスイッチにかかる電流ストレスが一定である。したがって、一実施例による充電装置は、高昇圧比の実現が可能である。
【0086】
特に、V2Gの実現において、リンク電圧可変方式が充電装置に適用されて、系統に供給できる出力電圧範囲が非常に広い。また、逆方向の電力供給と順方向の電力供給において巻線比がほぼ同じであるので、LLCコンバータの共振ゲインが変化しない。逆方向の電力供給において負荷側に別途のコンバータを備えなくても380V以上の電力の供給が可能である。
【0087】
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、本発明の権利範囲がこれに限定されるものではなく、本発明の属する分野における通常の知識を有する者が多様に変形および改良した形態も本発明の権利範囲に属する。
【符号の説明】
【0088】
1:充電装置
2:リレーネットワーク
3:リレー制御回路
10:AC入力フィルタ
20:PFC回路
30:電力変換回路