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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022164553
(43)【公開日】2022-10-27
(54)【発明の名称】開き扉の開閉装置
(51)【国際特許分類】
   E05F 13/02 20060101AFI20221020BHJP
【FI】
E05F13/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022000033
(22)【出願日】2022-01-03
(31)【優先権主張番号】P 2021070038
(32)【優先日】2021-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】592114703
【氏名又は名称】株式会社ベスト
(74)【代理人】
【識別番号】100160299
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 卓
(72)【発明者】
【氏名】山本 淳一郎
(57)【要約】
【課題】 簡易な構造であり、簡単な操作により自開閉が可能となる開き扉の開閉装置を提供する。
【解決手段】
ペダル21と、ペダル支持体31と、ペダル21の動作と連動して、往復動作自在であるスライド体40と、端面カム体53と、下側部材回動手段60と、ドアパネルDに取り付けられ、端面カム体53の傾斜カム面53aに沿って従動する転動ローラ81と、を備え、下側部材回動手段60は、スライド体40の往復動作と連動して、端面カム体53を回動させることが可能となるように構成されている開き扉開閉装置Hとした。
【選択図】 図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開き扉を開閉するための開き扉の開閉装置において、
足操作体と、
前記足操作体が移動自在となるように、前記足操作体を支持する足操作体支持部材と、
前記足操作体の動作と連動して、往復動作自在であるスライド体と、
傾斜カム面が周縁部に形成された端面カム体を備える下側部材と、
前記下側部材の回動手段と、
前記開き扉に取り付けられ、前記端面カム体の傾斜カム面に沿って従動する従動部材と、を備え、
前記下側部材における前記端面カム体は、前記傾斜カム面が上側となるようにして、回動自在に軸支されているとともに、
前記下側部材の回動手段は、前記スライド体の往復動作と連動して、前記下側部材を回動させることが可能となるように構成されていること、を特徴とする開き扉の開閉装置。
【請求項2】
開き扉を開閉するための開き扉の開閉装置において、
前記開き扉に取り付けられている、傾斜カム面が周縁部に形成された端面カム体と、
足操作体と、
前記足操作体が移動自在となるように、前記足操作体を支持する足操作体支持部材と、
前記足操作体の動作と連動して、往復動作自在であるスライド体と、
前記端面カム体の傾斜カム面に沿って従動する従動部材を備える下側部材と、
前記下側部材の回動手段と、を備え、
前記端面カム体は、前記傾斜カム面が下側となるようにして、回動自在に軸支されているとともに、
前記下側部材の回動手段は、前記スライド体の往復動作と連動して、前記下側部材を回動させることが可能となるように構成されていること、を特徴とする開き扉の開閉装置。
【請求項3】
前記従動部材は、前記端面カム体の前記傾斜カム面を摺動するローラ体であること、を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の開き扉の開閉装置。
【請求項4】
前記従動部材は、傾斜カム面が周縁部に形成された第2の端面カム体であり、
前記端面カム体と前記第2の端面カム体とは同一形状に形成され、
前記端面カム体と前記第2の端面カム体とは、相互に前記傾斜カム面を対向させ、重ね合わせられた状態で回動自在に軸支されていること、を特徴とする請求項1に記載の開き扉の開閉装置。
【請求項5】
前記端面カム体における前記傾斜カム面は、
最高頂部と最低谷部が回動中心に対して点対称の位置にあり、前記最高頂部と前記最低谷部に至るまで、連続勾配となるように形成されていること、を特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の開き扉の開閉装置。
【請求項6】
開き扉を開閉するための開き扉の開閉装置において、
足操作体と、
前記足操作体が移動自在となるように、前記足操作体を支持する足操作体支持部材と、
前記足操作体の動作と連動して、往復動作自在であるスライド体と、
第1ローラ体を備える下側部材と、
前記下側部材の回動手段と、
前記開き扉に取り付けられている摺動する第2ローラ体と、を備え、
前記第1ローラ体と前記第2ローラ体は、各々の回動軸を所定角度交差させて、摺動可能に配置されているとともに、
前記下側部材の回動手段は、前記スライド体の往復動作と連動して、前記下側部材を回動させることが可能となるように構成されていること、を特徴とする開き扉の開閉装置。
【請求項7】
前記下側部材の回動手段は、
前記足操作体の動作と前記スライド体の往復動作を連動させるための連動機構と、
前記スライド体に設けられているラックと、
前記下側部材に取り付けられており、前記ラックと歯合するピニオンギアと、
を有すること、を特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の開き扉の開閉装置。
【請求項8】
前記連動機構は、
前記足操作体支持部材に一端部が取り付けられている第1リンク部材と、前記スライド体に一端部が取り付けられている第2リンク部材と、
前記スライド体に対し、前記足操作体の動作開始時における前記スライド体のスライド動作に抗する向きに付勢力を付与する付勢手段と、を有しており、
前記第1リンク部材は、前記足操作体により押圧操作可能であるとともに、
前記第1リンク部材の他端部と前記第2リンク部材の他端部が回動自在に連結されていること、を特徴とする請求項7に記載の開き扉の開閉装置。
【請求項9】
前記付勢手段の付勢力を調節するための付勢力調節手段を備えること、を特徴とする請求項8に記載の開き扉の開閉装置。
【請求項10】
前記連動機構は、カム部材を有しており、
前記カム部材は、軸支部において、前記足操作体支持部材に回動自在に軸支されるとともに、前記カム部材の少なくとも一部が、前記スライド体を押圧可能であり、
前記カム部材は、前記足操作体により押圧操作可能であること、を特徴とする請求項7に記載の開き扉の開閉装置。
【請求項11】
前記足操作体の動作開始時における前記下側部材に作用する回動力を助勢するための回動力助勢手段を備えること、を特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の開き扉の開閉装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、足踏み操作により開き扉の開閉が可能となる開き扉の開閉装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、トイレ等の扉の開き扉は、手で開閉することが想定されている。しかし、近年、ウイルスや細菌等の付着を防止すること、あるいは、手が使用できない状況における対策として、足で操作する装置の開発が望まれている。
【0003】
このような装置に関連して、足で操作するトイレ扉用施錠装置が知られている(特許文献1)。また、動作させた開き扉を現状に復帰させるための機構(例えば、グレビティヒンジ)が存在している(引用文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10-131586号公報
【特許文献2】特開2004-346719号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、コスト面及びトイレブース等の設置スペース等、諸般の事情から、足踏み操作により、静止状態である開き扉を開閉する実用的な装置はほとんど存在しておらず、その開発が望まれていた。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、簡易な構造であり、簡単な操作により自閉及び自開が可能となる開き扉の開閉装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、開き扉を開閉するための開き扉の開閉装置において、足操作体と、上記足操作体が移動自在となるように、上記足操作体を支持する足操作体支持部材と、上記足操作体の動作と連動して、往復動作自在であるスライド体と、傾斜カム面が周縁部(近傍であればよい、以下同様)に形成された端面カム体を備える下側部材と、上記下側部材の回動手段と、上記開き扉に取り付けられ、上記端面カム体の傾斜カム面に沿って従動する従動部材と、を備え、上記下側部材における上記端面カム体は、上記傾斜カム面が上側となるようにして、回動自在に軸支されているとともに、上記下側部材の回動手段は、上記スライド体の往復動作と連動して、上記下側部材を所定角度回動させ、上記端面カム体における上記傾斜面の上側傾斜部に上部従動部材を位置させることが可能となるように構成されていること、を特徴としている(以下、本発明を「本開き扉の開閉装置」という場合がある。)。
【0008】
また、本開き扉の開閉装置は、開き扉に取り付けられている、傾斜カム面が周縁部に形成された端面カム体と、足操作体と、上記足操作体が移動自在となるように、上記足操作体を支持する足操作体支持部材と、上記足操作体の動作と連動して、往復動作自在であるスライド体と、上記端面カム体の傾斜カム面に沿って従動する従動部材を備える下側部材と、上記下側部材の回動手段と、を備え、上記端面カム体は、上記傾斜カム面が下側となるようにして、回動自在に軸支されているとともに、上記下側部材の回動手段は、上記スライド体の往復動作と連動して、上記下側部材を所定角度回動させ、上記端面カム体の上記傾斜面の上側傾斜部(端面カム体における傾斜カム面を上向きにした場合における傾斜面の下部)に上記従動部材を位置させることが可能となるように構成されていること、を特徴としている。
【0009】
また、本開き扉の開閉装置において、上記従動部材は、上記端面カム体の上記傾斜カム面を摺動するローラ体とすることができる。
【0010】
また、本開き扉の開閉装置において、上記従動部材は、傾斜カム面が周縁部に形成された第2の端面カム体であり、上記端面カム体と上記第2の端面カム体とは同一形状に形成され、上記端面カム体と上記第2の端面カム体とは、相互に上記傾斜カム面を対向させ、重ね合わせられた状態で回動自在に軸支されていることとすることができる。
【0011】
また、本開き扉の開閉装置において、上記端面カム体における上記傾斜カム面は、最高頂部と最低谷部が回動中心に対して点対称の位置にあり、上記最高頂部と上記最低谷部に至るまで、連続勾配となるように形成されていることとすれば、効果的にその作用を奏させることができるため好適である。
【0012】
なお、従動部材(ローラ体及び第2の端面カム体)は、適宜な取付部材を介して開き扉に取り付けられることを前提としている。
【0013】
端面カム体(第2の端面カム体も同様である。以下同様)は、立体カムの一種であり、筒状部材又は円柱部材の断面中心である回動軸に対して、回動可能である形状に形成されていればよく、円筒状(円柱状)及び正六角形以上の正多角形(特に、正六角形、正八角形、正十二角形等が好ましい)筒状(正多角形柱状)等に形成することができる。
また、端面カム体を使用する場合において、当該端面カム体の傾斜カム面は、最高頂部と最低谷部が一か所づつ形成されていればよく、種々の態様とすることが可能である。
【0014】
また、端面カム体(以下、「第1の端面カム体」という場合がある。)及び第2の端面カム体を併用する場合には、同一形状とすることで、相互に傾斜カム面を対向させて配置した際に、一体的な筒体形状(柱体形状)とすることが可能となることから、効果的に目的動作を奏させ、コンパクトに形成できるため好適である。
また、第1の端面カム体及び第2の端面カム体を併用する場合には、双方の両端面カム体に関して、同心状に複数の円周帯を設けて、それぞれの円周帯に最高頂部及び最低谷部が形成されるものであってもよい。
【0015】
また、第1の端面カム体及び第2の端面カム体を併用する場合には、回動軸に対し、第1の端面カム体の上向きの最高頂部が第2の端面カム体の下向きの最高頂部と歯合することにより、本開き扉開閉装置が実装された開き扉の自閉動作が開始することになる。そのため、所望の作用効果を奏するように、両端面カム体の傾斜面の角度、最高頂部及び最低谷部の位置等を適切に定める必要がある。
【0016】
さらに、本開き扉の開閉装置において、足操作体と、上記足操作が移動自在となるように、上記足操作体を支持する足操作体支持部材と、上記足操作体の動作と連動して、往復動作自在であるスライド体と、第1ローラ体を備える下側部材と、上記下側部材の回動手段と、上記開き扉に取り付けられている摺動する第2ローラ体と、を備え、上記第1ローラ体と上記第2ローラ体は、各々の回動軸を所定角度交差させて、摺動可能に配置されているとともに、上記下側部材の回動手段は、上記スライド体の往復動作と連動して、上記下側部材を回動させることが可能となるように構成されていること、を特徴とするものであってもよい。
【0017】
なお、第1ローラ体の回動軸と第2ローラ体の回動角度は、第1ローラ体を回動させた後に生じる当該第1ローラ体の復元(復帰)方向への回転動作、及び、それに伴う開き扉に取り付けられている第2ローラ体の従動動作が適切に行われるように定められる必要がある。
【0018】
また、第1ローラ体及び第2ローラ体における各ローラの当接面は、平坦面、両端部から幅方向の中心に向かい高さが漸増する傾斜面(平坦面状、曲面状のいずれでもよい)を有するタイヤ状、一方の端部から幅方向に高さが漸減する傾斜面を有する傘状、並びに、上記各形状を組み合わせる形状等、第1ローラ体と第2ローラ体の転動が円滑に行われるように定めることが好ましい。
【0019】
また、足操作体は、足による上下方向、左右方向及び前後方向への操作に基づいて動作が可能であるペダル等の部材であり、その形態及び位置等は適切に定めることができる。
さらに、足操作体の移動(動作)とは、上下方向の昇降動作、左右方向のスライド動作及び前後方向のスライド動作等を意味するものであり、足操作体の態様により異なることとなる。なお、足操作体は、一度、動作を開始すると、操作開始前の状態に復帰するように構成されている。
【0020】
本開き扉の開閉装置は、足操作体の動作と連動して、往復動作自在であるスライド体と、当該スライド体の往復動作と連動して、下側部材を回動させることが可能となるように構成されている下側部材の回動手段を備えている。そのため、足操作体を動作させ、下側部材の回動手段により、スライド体の往復スライド動作を介して、下側部材を回動(所定方向への回転及び反対方向への回転)させて、下側部材を適宜位置に移動させることができる。そして、開き扉に取り付けられている従動部材を、下側部材に沿って移動させることにより、開き扉を自開及び自閉させることができる。
【0021】
また、本開き扉の開閉装置において、上記足操作体支持部材は傾斜面を有し、上記傾斜面の頂部に上記足操作体の基端部が軸支されているとともに、上記下側部材の回動手段は、上記足操作体の動作と上記スライド体の往復動作を連動させるための連動機構と、上記スライド体に設けられているラックと、上記下側部材に取り付けられており、上記ラックと歯合するピニオンギアと、を有することとすれば、簡易に構成することができるため好適である。
【0022】
また、本開き扉の開閉装置において、上記連動機構は、上記足操作体支持部材に一端部が取り付けられている第1リンク部材と、上記スライド体に一端部が取り付けられている第2リンク部材と、上記スライド体に対し、上記足操作体の下降時における上記スライド体のスライド動作に抗する向きに付勢力を付与する付勢手段と、を有しており、上記第1リンク部材は、上記足操作体により押圧操作可能(直接的又は他の部材を介して間接的であってもよい)であるとともに、上記第1リンク部材の他端部と上記第2リンク部材の他端部が回動自在に連結されていることとすれば、簡易な構成で、スライド体をスライド動作させることができるため好適である。
【0023】
ここで、第1リンク部材及び第2リンク部材はリンク機構を構成可能であればよく、その形態は、適宜、定めることができる。例えば、第1リンク部材及び第2リンク部材には、三日月形状片、矩形形状片、ロッド部材等を使用することができる。
【0024】
また、本開き扉の開閉装置において、上記連動機構は、カム部材を有しており、上記カム部材は、軸支部において、上記足操作体支持部材に回動自在に軸支されるとともに、上記カム部材の一部が、上記スライド体を押圧可能(直接的又は他の部材を介して間接的であってもよい)であり、さらに、上記カム部材は、上記足操作体により押圧操作可能であることとすれば、簡易な構成で、スライド体をスライド動作させることができるため好適である。
【0025】
ここで、カム部材は、板カムであることが好適である。板カムは、扇形、卵形、及び偏心した円形等に形成された板状(但し、所望の運動を実現させることができる構造であれば、形状に制限はない)のカム体である。
また、カム部材は、少なくとも一部(板カムの場合には、周縁部)が、スライド体と当接しながら、押圧力を伝達できるようになっていることが必要となる(スライド体の一部と摺動しながら、当該摺動部を押圧するものであってもよい)。
【0026】
さらに、本開き扉の開閉装置において、上記付勢手段の付勢力を調節するための付勢力調節手段を備えることとすることができる。
【0027】
本開き扉の開閉装置によれば、装置全体を取り外すことなく、簡易に付勢手段の付勢力を調節することにより、開き扉の開閉速度を調節することができる。また、開き扉の重量に応じて、付勢力を調節することができるため、汎用性を高めることができる。
【0028】
また、本開き扉の開閉装置において、上記足操作体の動作開始時における上記下側部材に作用する回動力を助勢するための回動力助勢手段を備えることとすることができる。
なお、下側部材の回動軸により、開き扉を支持する構造とすれば、端面カム体、従動部材、第1ローラ体及び第2ローラ体に作用するドアパネル等の重量に起因する荷重を減ずることができるため好適である。
【0029】
例えば、回動力助勢手段は、端面カム体の上方又は下方から常時、開き扉に近接させる向きに付勢力を付与するバネ等の付勢手段を用いることができる。
但し、回動力助勢手段は、開き扉の重量が重い場合に、特に有益であり、本開き扉開閉装置を軽量である開き扉に使用する場合には、必ずしも設ける必要はない。
【0030】
本開き扉の開閉装置によれば、下側部材に対して、足操作体の動作開始時における下側部材の回動力を助勢するための回動力助勢手段を備えているため、開き扉の重量が重い場合であっても、下側部材の回転力を助勢して、円滑に回転させることが可能となる。
【0031】
また、本開き扉の開閉装置において、足操作体の動作開始時の状態への復帰動作を行う際に、スライド体、及び端面カム体、従動部材又は各ローラ体の少なくとも一方に対して(両方でもよい)制動力を作用させるための制動手段を備えることとすれば、足操作体の上昇時において、スライド体のスライド動作及び端面カム体の回転を制動し、閉ドア時において、開き扉の閉ドア動作を緩やかに行わせることができるため、利用者が開き扉に衝突等することを防止できるため好適である。
なお、制動手段は、各種ダンパ(直線式ダンパ、ロータリーダンパ等の別を問わない)を用いることができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、簡易な構造であり、簡単な操作により自閉及び自開が可能となる開き扉の開閉装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明の開き扉の開閉装置(第1実施形態)が取付けられているドアパネル(開ドア時)の斜視図である。
図2】本発明の開き扉の開閉装置(第1実施形態)を上方(前側)から見た分解斜視図である。
図3】本発明の開き扉の開閉装置(第1実施形態)を下方(前側)から見た分解斜視図である。
図4】本発明の開き扉の開閉装置(第1実施形態)の足操作部のペダル支持体を示す図であり、(a)は、斜視図であり、(b)は、底面図である。
図5】本発明の開き扉の開閉装置(第1実施形態)のスライド体を示す図であり、(a)は、斜視図であり、(b)は、底面図である。
図6】本発明の開き扉の開閉装置(第1実施形態)を下方から見た斜視図(カバー及びペダル支持体を省略し、主要部のみを図示)であり、(a)は、ペダルの最上昇時を示し、(b)は、ペダルの最下降時を示す。
図7】本発明の開き扉の開閉装置(第1実施形態)のドアパネルへの取り付け構造を示す一部分解斜視図である。
図8】本発明の開き扉の開閉装置(第1実施形態)を後方から見た斜視図(カバー及びペダル支持体は省略)であり、(a)は、ペダルの最上昇時を示し、(b)は、ペダルの最下降時を示す。
図9】本発明の開き扉の開閉装置(第1実施形態)のペダル上昇時を示し、(a)は、底面図(カバーは省略)、(b)は、同(a)図におけるX-X断面図である。
図10】本発明の開き扉の開閉装置(第1実施形態)のペダル下降時を示す、図9(b)に対応する断面図である。
図11】本発明の開き扉の開閉装置(第1実施形態)の動作を示す斜視図(開ドア時におけるペダルの最上昇時)である。
図12】本発明の開き扉の開閉装置(第1実施形態)の動作を示す斜視図(開ドア時におけるペダルの最下降時)である。
図13】本発明の開き扉の開閉装置(第1実施形態)の動作を示す斜視図(開ドア時におけるペダルの上昇時)である。
図14】本発明の開き扉の開閉装置(第1実施形態)の動作を示す斜視図(開ドア動作の終了時)である。
図15】本発明の開き扉の開閉装置(第1実施形態)が取付けられている開き扉(閉ドア時)を示す斜視図である。
図16】本発明の開き扉の開閉装置(第2実施形態)のドアパネルへの取り付け構造を示す一部分解斜視図である。
図17】本発明の開き扉の開閉装置(第3実施形態)を示す斜視図(開ドア時におけるペダルの最上昇時)である(第1転動ローラ及び第2転動ローラのみを図示)。
図18】本発明の開き扉の開閉装置(第3実施形態)を示す斜視図(開ドア時におけるペダルの最下降時)である(第1転動ローラ及び第2転動ローラのみを図示)。
図19】本発明の開き扉の開閉装置(第4実施形態)の足操作部のペダル支持体及びカム部材を示す斜視図である。
図20】本発明の開き扉の開閉装置(第4実施形態)のスライド体を示す斜視図である。
図21】本発明の開き扉の開閉装置(第4実施形態)の側断面図(図9(b)に対応する側断面図)であり、(a)は、ペダルの最上昇時を示し、(b)は、ペダルの最下降時を示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、図面を参照しつつ、本開き扉開閉装置の一実施形態について、詳細に説明する。図面の説明においては、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
なお、以下の説明において、前後左右方向という場合には、図1を基準とする。その場合において、前後方向とは、上枠Wに沿う右パネルRの方向が前方向、左パネルLの方向が後方向となる方向とし、左右方向とは、紙面手前方向が左方向、紙面奥方向が右方向となる方向とする。
また、各構成要素は適宜、変更が可能であり、本発明に直接的に関係しない細部の構造については、その説明を省略する。
【0035】
[本開き扉開閉装置の取付箇所]
本実施形態では、本開き扉開閉装置Hは、トイレブースに設けられることを想定している(図1)。
【0036】
このトイレブースは、壁から垂直方向に設置されている2枚の横仕切りパネル(図示せず)と、入口部を形成するために所定の開口を設けた状態で、当該横仕切りパネルと直交する向きに設置されている左右のパネルL,R(支持部材)により、平面視で長方形形状の一区画のスペースに区切られている。また、左パネルLと右パネルRの上面には、上枠Wが横架されている。そして、入口部において、開き扉であるドアパネルD(開閉体)が、戸尻側の上端部において、公知のヒンジCを用いて上枠Wに支持されることにより、回動自在に取り付けられている。
【0037】
なお、ドアパネルDは、トイレブースの内側(便器側)に開くタイプであり、入口部が閉まる以上に外側に開放されないように、すなわち、ドアパネルDは、約90度の範囲で回動するように構成されている。
【0038】
また、右パネルRの戸先側であり、トイレブースの内側の面における下隅角部には、公知の足操作錠Jが取り付けられている。足操作錠Jは、ペダル部J1を足踏みし、施錠体J2のドアパネルD側への突出と退出(右パネルR側への移動)を切り替えることにより、当該ドアパネルDの施解錠が可能となっている。
【0039】
[本開き扉開閉装置の構成]
(第1実施形態)
第1実施形態の本開き扉開閉装置Hは、カバー10と、足操作部20と、スライド体40と、回動部50と、下側部材回動手段60を主要部としている(図2図3)。
【0040】
(カバー)
カバー10は、上板11、底板12及び一側面のみに設けられている側板13から形成されている。上板11は、L字形状であり、開口部側の突出部には、端面カム体53の取付孔11aが形成されている。また、底板12は、上板11と同一形状の部分に台形形状の部分が設けられている形状となっており、上面視で、上板11と底板12の一部が重なった状態となるように、矩形形状の側板13が取り付けられている。なお、底板12にも、上板11の取付孔11aに対応する位置に、回動軸55の取付孔12aが形成されている。
【0041】
(足操作部)
足操作部20は、ペダル21(足操作体)と、先端部が昇降自在(移動自在)となるように当該ペダル21を支持するペダル支持体31(足操作体支持部材)を主要部としている。
【0042】
ペダル支持体31は、前方に傾斜している傾斜部32と、当該傾斜部32の後部に設けられている直方体部36と、傾斜部32の側面に設けられている下側部材取付部37から形成されている(図4(a),(b))。
【0043】
傾斜部32は、略半円形状に形成されている先端部33と長形部34とを備えるとともに、先端部33の側方に設けられており略三角形状である三角形部35が一体的となっており、先端部33と長形部34は、ペダル21と近似する形状に形成されている。また、長形部34の長手方向の全体には、第1リンク部材62及び第2リンク部材63を装着するためのリンク部材装着溝34aが形成されている。
リンク部材装着溝34aは、中央部が幅広であるクランク状に形成されており、先端部33の近傍における両側には、第1リンク部材62を係止するための係止長溝34bが、直方体部36の近傍における両側には、第2リンク部材63を取り付けるための取付長溝34dが、それぞれ鉛直方向に設けられている。また、リンク部材装着溝34aの側面における取付長溝34dから直方体部36側の端部に至る部分は開口している(図示せず)。
なお、直方体部36の上面の2箇所には、開口部36bが形成されている。
【0044】
下側部材取付部37における中央の前方寄りの箇所には、円柱孔37aが高さ方向の全体に設けられている。なお、円柱孔37aにおける内側部には孔壁がなく、下記ピニオンギア72を取り付けたときに、当該ピニオンギア72が露出するようになっている。
また、下側部材取付部37の側縁部の近傍には、カバー10の上板11の取付孔37bが形成されており、後端部には、鉛直板89の取付孔37cが形成されている。
【0045】
さらに、傾斜部32と直方体部36は、下記スライド体40の形状に対応した幅寸法であり、かつ、スライド範囲の長さに対応した形状である中空部38が形成されており、当該中空部38に、スライド体40を挿着可能となっている。この中空部38の内側における長手方向の後壁面には、下記付勢力調節手段65を取り付けるための2つの円孔36aが並設されている。
【0046】
ペダル21は、略山形食パン形状であり、前方の円弧部21aと対向する端辺の両端における突出部21bが、ペダル支持体31の傾斜部32における長形部34の左右の後端上部に形成されている係止部32aに軸支されている。ペダル21は、円弧部21aを足踏み操作することで、左右の係止部32aを支点として上下に回動自在であり、昇降動作できるようになっている。
【0047】
(スライド体)
スライド体40は、基体部41とラック取付部42を備えている((図5(a),(b))。
基体部41は、上面視で左右対称であり、前面には、傾斜面41aが設けられている。そして、傾斜面41aの後面における長手方向には、2つのバネ取付部41bが並設されている。このバネ取付部41bは、付勢バネ64(付勢手段)の形状である円筒形状に対応した曲面部を備えている。
【0048】
基体部41における長手方向の中央部には、第1リンク部材62及び第2リンク部材63を設けるためのスリット41cが形成されており、当該スリット41cの中央部における後ろ寄りの両側には、第2リンク部材63を係止するための係止長溝41dが形成されている。
また、基体部41の右側部における先端に、傾斜面41aと連続して、直方体形状のラック取付部42が設けられている。
【0049】
ラック取付部42の外側面部には、長手方向の全体にラック71が設けられている。
また、基体部41及びラック取付部42の下面には、長手方向に連続して、第1ダンパ取付溝43が形成されており、他方の基体部41における長手方向には、第2ダンパ取付溝44が形成されている。
【0050】
スライド体40は、ペダル支持体31のリンク部材装着溝34aと、スリット41cの位置とを合致させ、ペダル支持体31の中空部38において、付勢バネ64を介装させた状態でスライド自在に装着されている。この付勢バネ64の基端部には、付勢力調節手段65が設けられている。
【0051】
付勢力調節手段65は、付勢バネ64の後端部に設けられており、十字形状部66と、当該十字形状部66の後部に設けられているネジ部67とを備えている(図6(a),(b),図8(a),(b))。この付勢力調節手段65は、ペダル支持体31における直方体部36の円孔36aに十字形状部66が挿通されており、ネジ部67により取り付けられている。
そして、2体の各付勢バネ64の基端部は、十字形状部66に中空部が挿通され、ネジ部67を操作することで、押圧体66の位置を変化させ、付勢バネ64の長さを調節して、当該付勢バネ64の付勢力の大きさを適切に設定することができるようになっている。
【0052】
(回動部)
回動部50は、端面カム体53及び円筒部52を備える下側部材51と、当該端面カム体53の回動軸55と、ドアパネルDに取り付けられ、端面カム体53の傾斜カム面53aに沿って従動する転動ローラ81(従動部材,ローラ体)を主要部としている。
【0053】
下側部材51は、円筒部52と、当該円筒部52の上部の端面カム体53を備えている。端面カム体53は、扁平であり、円筒部52と比較して小径である円筒を斜め方向に切断した変形筒状に形成されている傾斜カム面53aを上面に有している。傾斜カム面53aは、最高頂部53bと最低谷部53cが回動中心に対して点対称の位置にあり、当該最高頂部53bと最低谷部53cに至るまで、連続勾配となるように形成されている(図8(a),(b))。
【0054】
また、端面カム体53の下端部には、スライド体40のラック71と歯合するピニオンギア72が設けられている(図6(a),(b))。ピニオンギア72は、円筒体73の下縁の周面に形成されており、当該円筒体73が、端面カム体53の円筒部52に挿設されることにより一体となっている。
【0055】
なお、傾斜カム面53aの傾斜角度は、下記付勢バネ64の付勢力の大きさ及び第1ダンパ68の減衰力の大きさにより定められるものであり、閉ドア動作時において、下記転動ローラ81が傾斜カム面53aを転動する際に、端面カム体53の最高頂部53bの回転位置が、当該転動ローラ81の位置を追い越し、前方に達することがないように適切に設定される必要がある。
また、端面カム体53の回転角度は、ラック71及びピニオンギア72の仕様により異なるが、本実施形態では、スライド体40の一方向へのスライド動作により、端面カム体53が約120度、回転するようになっている。
【0056】
端面カム体53は、傾斜カム面53aが上向きとなるように配置され、ペダル支持体31における下側部材取付部37の円柱孔37aに挿設されている。
そして、カバー10の底板12における取付孔12aの位置に、下側部材取付部37の円柱孔37aの中心が一致するようにして、回動軸55が底板12に垂設されており、スラスト軸受54を介して、端面カム体53が、回動軸55に対して回動自在に軸支されている。
なお、回動軸55は、端部に設けられている取付金具56により、底板12の下側からボルト91を用いて取り付けられている。
【0057】
また、端面カム体53の下面には、ペダル21の下降時に、当該端面カム体53の回動力を付加するための助勢バネ57(助勢手段)が設けられている。助勢バネ57は、中空部に回動軸55が挿通され、上端部が端面カム体53の下面に当接するように設けられており、端面カム体53に対して常時上向きに付勢力を付与することができるようになっている。
【0058】
ドアパネル取付部80は、転動ローラ81と、取付金具82と、スラスト軸受87と、軸受取付枠88を備えている(図7)。
取付金具82は、側面視で山高帽形状に形成されており、凸部83と、両側のドアパネル取付部84,85と、凸部83の対向する2辺に付設されている側板86を備えている。取付金具82の各側板86には、軸受取付枠88が設けられている。
【0059】
軸受取付枠88は、中空の直方体箱体であり、底面に球冠孔88aが形成されている。軸受取付枠88の内部には、スラスト軸受87が中央部が球冠孔88aの位置に合致するように、回動自在に設けられている。また、取付金具82の凸部83の戸尻側における内側面には、転動ローラ81が、水平方向に回動軸を有するようにして、回動可能に軸支されている。端面カム体53が挿通されている回動軸55の先端部は、軸受取付枠88の球冠孔88aに挿通され、スラスト軸受87の下面に接しており、当該回動軸55により、ドアパネルDを支持できるようになっている。
【0060】
ドアパネルDの下面端縁部には、長円柱形状の孔部D1が形成されており、当該孔部D1に、ドアパネル取付部80における取付金具82の凸部83が挿設され、ドアパネル取付部84,85においてネジ止めされることにより、ドアパネルDの下面に取り付けることができるようになっている。
【0061】
また、転動ローラ81は、端面カム体53の傾斜カム面53aの傾斜に沿って、転動可能となっている。そして、転動ローラ81の動作に伴い、当該転動ローラ81が取り付けられているドアパネルDが、転動ローラ81とともに動作することができるようになっている。
【0062】
(下側部材回動手段)
下側部材回動手段60は、スライド体40の往復動作と連動して、下側部材51(特に、端面カム体53)を回動させるための手段であり、ペダル21の昇降動作とスライド体40の往復動作を連動させるための連動機構61と、既説であるラック71及び当該ラック71と歯合するピニオンギア72とを備えている。
【0063】
連動機構61は、第1リンク部材62及び第2リンク部材63と、付勢バネ64と、第1ダンパ68及び第2ダンパ69(制動手段)と、を備えている。
第1リンク部材62と第2リンク部材63は、略三日月状である同一形状に形成されており、一方の端部には、取付孔62a,63aが形成されているとともに、他方の端部には、薄環状の突部62b,63bが設けられている。
【0064】
同一形状である第1リンク部材62と第2リンク部材63は、表裏を反対にして、裏面同士を対向させて、双方の突部62b,63bに形成されている孔部に連結ピン58が挿通されることで、連結されている。また、第1リンク部材62は、取付孔62aに取付ピン59が挿通され、当該取付ピン59がペダル支持体31の両側の係止長溝34bに摺動自在に懸架されている。また、第2リンク部材63は、取付孔63bに取付ピン59が挿通され、当該取付ピン59がスライド体40の両側の係止長溝41dに摺動自在に懸架されている。そして、第1リンク部材62の上縁部は、ペダル21の下面に当接しながら、所定範囲で摺動可能となるように設けられている。
【0065】
付勢バネ64は、スライド体40に対し、ペダル21の下降時におけるスライド体40のスライド動作に抗する向きに付勢力を付与するための部材であり、上記のとおり、付勢バネ64は、一端がバネ取付部41bの先端に取り付けられるとともに、他端がペダル支持体31における直方体部36の円孔36aに取り付けられている。この付勢バネ64により、スライド体40には、常時、スライド体40の傾斜面41a側(ペダル21の下降時におけるスライド体40のスライド動作に抗する向き)に付勢力が付与されている。
【0066】
上記構成により、第1リンク部材62と第2リンク部材63は、突部62b,63bの位置を支点とするとともに、連結ピン58を支軸として、回動自在に連結(軸支)されており、ペダル21とスライド体40の相互の動作に関し、一方の動作を他方の動作に追従させ、両部材の動作を連動させることができるようになっている。
【0067】
スライド体40は、足操作部20のペダル21の上昇時に作用するスライド力及び付勢力に抗する制動力を付与するための第1ダンパ68と、足操作部20のペダル21の踏込み時に作用する第2ダンパ69を備えている。
【0068】
すなわち、上記場合において、端面カム体53が回動軸55に対して、反時計回りに回転した場合には、ピニオンギア72及びラック71により、回転力から変化したスライド力がスライド体40に作用することになる。第1ダンパ68は、上記端面カム体53に作用する上記回転力及びスライド体40のスライド力に抗する制動力をスライド体40に付与するために設けられる要素であり、ロッドがスライド体40における後面に接する向きに配置され、第1ダンパ取付溝43に挿設されている。
【0069】
第2ダンパ69は、ペダル21を踏み込む際に緩やかに踏み込むことができるように設けられている。そのため、ペダル21の下降力に抗する抵抗力が付与されるように、ロッドがスライド体40における傾斜面41aの後面に接する向きに配置され、第2ダンパ取付溝44に挿設されている。
【0070】
(取付態様等)
上記各構成要素は、所定位置に配設されており、カバー10の上板11から底板12の間の所定箇所に設けられているボルト94及びナット95(図7図9(a),(b),図10)により挟持されている。
そして、本開き扉開閉装置Hは、足操作部20のペダル支持体31における後面に取り付けられる鉛直板89により、左パネルLの下部隅角部に取り付けられている。
【0071】
上記構成である本開き扉開閉装置Hは、第1リンク部材62、第2リンク部材63及び付勢バネ64の作用により、ペダル21の昇降動作と連動して、スライド体40が前後方向にスライド自在(往復動作自在)となっている。
【0072】
すなわち、第1リンク部材62は、ペダル21の下面と当接し、当該ペダル21により押圧操作可能であり、当該ペダル21を踏んだ場合に、下方への押圧力が作用することにより、付勢バネ64が縮退し、第1リンク部材62がペダル21の下面と摺動しながら下方に移動することで、突部62b,63bの位置を支点として、第2リンク部材63も下方に移動することができるようになっている(図8(a),図9(b))。また、ペダル21から足を離すことにより、付勢バネ64が伸長し、第2リンク部材63が上方に移動し、突部62b,63bの位置を支点として、第1リンク部材62も上方に移動することにより前方に復帰し、ペダル21が上昇できるようになっている(図8(b),図10)。
【0073】
さらに、スライド体40のラック71と歯合するピニオンギア72の動作により、当該ラック71が後面にスライド移動した場合には、端面カム体53が時計回りに回転し、ラック71が前面にスライド移動した場合には、端面カム体53が反時計回りに回転することになる。そして、端面カム体53の傾斜カム面53aに沿って、転動ローラ81が転動し、当該転動ローラ81と一体となっているドアパネルDも同時に回転することになるため、端面カム体53の動作に連動して、本開き扉開閉装置Hが取り付けられているドアパネルDが開閉されるようになっている。
【0074】
[本開き扉開閉装置の動作]
続いて、本開き扉開閉装置Hの動作について説明する。
なお、本開き扉開閉装置Hは、左パネルLにおける右パネルR側の下部隅角部に取り付けられている。
【0075】
以下の説明において、開ドア状態(最大の開ドア角度)におけるドアパネルDは、入口に対して、トイレブースの内側に90度回転した位置となっていることを前提とする(図11)。この場合において、端面カム体53の最高頂部53bは、ドアパネルDを確実に動作させるために、作動時における余裕角度を見込み、右パネルRの側であり、当該右パネルRと平行となる方向から、わずかに外側に離間する方向(平面視において、転動ローラ81との当接部と、端面カム体53の最高頂部53bのなす角が鈍角となる方向)となっている。
【0076】
また、転動ローラ81は、左パネルLに直行する方向であり、かつ、トイレブースの内側方向において、端面カム体53の傾斜カム面53aと当接している。上記開ドア状態では、転動ローラ81は、傾斜カム面53aの最低谷部53cの近傍に位置しているため、転動ローラ81は回転動作しない状態となっている。
【0077】
(閉ドア時)
ドアパネルDを閉める場合について説明する。
本開き扉開閉装置Hの足操作部20のペダル21を踏むことにより下降させると、第1リンク部材62と第2リンク部材63の連結部がペダル21に押圧されて下方に移動する。それに連動して、第2リンク部材63の後端が後面に移動し、スライド体40が後方にスライド移動する。その際、スライド体40に設けられているラック71が後方に移動するため、当該ラック71に歯合するピニオンギア72も回転することになる(図6(b),8(b),図10)。そして、端面カム体53が回動軸55のまわりを約120度時計回りに回転し、当該端面カム体53における傾斜カム面53aの最高頂部53bの位置が、転動ローラ81における開ドア状態の位置を通過する(図12)。
【0078】
このとき、端面カム体53の下側に設けられている助勢バネ57により、当該端面カム体53に上向きの付勢力が付与されているため、ドアパネルDの自重に抗して、端面カム体53がスムーズに回転することになる。
【0079】
この状態において、ペダル21から足を離して踏み込みをやめると、付勢バネ64の付勢力により、スライド体40が前面に押圧され、当該スライド体40のラック71が前方に移動する。それに伴い、ピニオンギア72が上記の場合と逆回転し、回動軸55を中心として、端面カム体53が反時計回りに回転を開始する。そして、スライド体40が前面に押圧されることに伴い、第2リンク部材63と第1リンク部材62の連結部が前方上方に移動し、ペダル21を下面から押し上げることになる。
【0080】
同時にドアパネルDの自重が作用することにより、転動ローラ81が、下方に傾斜している端面カム体53の傾斜カム面53aに沿って移動して、端面カム体53と同一方向に回転する。それに伴い、転動ローラ81と一体的に動作するドアパネルDが閉まる方向に回転することになる(図13)。
その後、ドアパネルDが入口部を完全に閉塞した状態で(図14)、足操作錠Jのペダル部J1を操作して、施錠体J2をドアパネルD側に突出させることにより施錠する。
【0081】
上記動作において、端面カム体53が、反時計回りに回転する場合には、第1ダンパ68の作用により、端面カム体53の回転力及びスライド体40のスライド力に対して制動力が作用するため、ペダル21の踏込み時(下降時)と比較して、緩やかな回転速度となる。したがって、端面カム体53の回転速度は、転動ローラ81の速度に依存するドアパネルDの回転速度と比較して遅い速度となる。
【0082】
なお、ドアパネルDは、回転限度である右パネルRと平行となる位置で移動が止まることになる。しかし、閉ドア後に、端面カム体53は、付勢バネ64の付勢力により、スライド体40がペダル21の踏込み前であった位置に復帰するため、傾斜カム面53aの最高頂部53bの位置は、転動ローラ81の位置を通過し、上記動作前の位置に復帰することになる。
【0083】
(開ドア時)
ドアパネルDが入口部を閉塞した状態で、足操作錠Jのペダル部J1を操作して、施錠体J2を右パネルR側に退出させて解錠する(図15)。
【0084】
このとき、転動ローラ81は、端面カム体53の最高頂部53bと比べて、トイレブースの内側方向に位置しており、端面カム体53の最高頂部53bを乗り越えることができない。そのため、転動ローラ81は、下方に傾斜している、当該端面カム体53におけるトイレブースの内側方向の傾斜カム面53aに沿って移動し、時計回りに回転することになる。したがって、特段の操作を行うことなく、転動ローラ81が、開ドア状態の位置に復帰することになり、転動ローラ81と一体となっているドアパネルDが開放され、本開き扉開閉装置H上に復帰することになる。
【0085】
[本開き扉開閉装置の作用効果]
本開き扉の開閉装置Hは、ペダル21の昇降動作と連動して、往復動作自在であるスライド体40と、当該スライド体40の往復動作と連動して、端面カム体53を回動させることが可能となるように構成されている下側部材回動手段60を備えている。この下側部材回動手段60は、ペダル21の昇降動作とスライド体40の往復動作を連動させるための連動機構61を有している。また、この連動機構61は、第1リンク部材62及び第2リンク部材63と、付勢バネ64とを備えており、下側部材回動手段60は、スライド体40に設けられているラック71と、端面カム体53に取り付けられており、ラック71と歯合するピニオンギア72とを備えている。
【0086】
そのため、ペダル21を下降させることで、第1リンク部材62及び第2リンク部材63の作用によりスライド体40をスライド移動させることができる。そして、スライド体40に設けられているラック71とピニオンギア72を歯合させて、端面カム体53を所定位置にまで回転させ、その傾斜カム面53aを適宜位置に移動させることができる。
また、ペダル21の押圧を解除することにより、付勢バネ64の作用により、スライド体40を上記と反対方向にスライドさせ、ラック71とピニオンギア72の動作により、端面カム体53を反対方向に回転させることができる。
【0087】
このとき、転動ローラ81は、傾斜カム面53aの最高頂部53bの近傍に位置しているため、ドアパネルDの自重により、当該ドアパネルDに取り付けられている転動ローラ81を、端面カム体53の傾斜カム面53aに沿って移動させることにより、ドアパネルDを自開又は自閉させることができる。
このように、本発明によれば、簡易な構造であり、ペダル21の簡単な操作により、自閉及び自開が可能となる本開き扉の開閉装置Hを提供することができる。
【0088】
また、本開き扉の開閉装置Hによれば、上端部が端面カム体53の下面に当接し、端面カム体53に対して常時上向きに付勢力を付与するための助勢バネ57が設けられている。そのため、端面カム体53に作用するピニオンギア72の回転力と、助勢バネ57の上向きの付勢力の合力により端面カム体53を回転させることができるため、ドアパネルDの重量が重い場合であっても、円滑に端面カム体53を回転させることが可能となる。
【0089】
また、本開き扉の開閉装置Hにおいて、ペダル21の上昇時(スライド体40の前方への移動時)において、スライド体40に対して、制動力を作用させるための第1ダンパ68を備えている。そのため、ペダル21の上昇時において、端面カム体53の回転動作及びスライド体40のスライド動作を抑制し、ドアパネルDの閉ドア動作を緩やかに行わせることができるため、利用者がドアパネルDに衝突等をすることを防止可能となる。
【0090】
また、本開き扉の開閉装置Hは、付勢力調節手段65を備えることにより、装置全体を取り外すことなく、簡易に付勢バネ64の付勢力を調節することにより、ドアパネルDの開閉速度を調節することができる。また、ドアパネルDの重量に応じて、付勢力を調節することができるため、汎用性を高めることが可能となる。
【0091】
また、本開き扉開閉装置Hによれば、別に取り付けられている足操作錠J(施錠装置)を使用して、ドアパネルD(開き扉)の施解錠を行う構造としている。そのため、故意に、何者かが本開き扉開閉装置Hを作動させて、トイレブースの外部から退出した等の場合であっても、ドアパネルDが自開することになり、意図しないドアパネルDの動作等を防止することができる。
【0092】
[本開き扉開閉装置の他の実施形態]
(第2実施形態)
続いて、第2実施形態の本開き扉開閉装置H’について説明する。
第2実施形態の本開き扉開閉装置H’と、第1実施形態の本開き扉開閉装置Hは、下側部材回動手段60’を構成する回動力助勢手段のみが異なっている(以下の説明において、第A実施形態の本開き扉開閉装置H及びその構成要素を説明する場合には、各構成要素等に対して、「第A実施形態の」という呼称を付す場合がある。)。
【0093】
すなわち、第1実施形態の回動力助勢手段は、端面カム体53の下面に設けられている助勢バネ57として構成されている。一方、本開き扉開閉装置H’の回動力助勢手段は、ドアパネル取付部80’に設けられている。なお、他の構成要素に関しては、第1実施形態の開き扉の開閉装置Hと同様であるため、相違点であるドアパネル取付部80’のみについて説明する(図16中の符号50’は、回動部を示す)。
【0094】
ドアパネル取付部80’は、取付金具82’と、転動ローラ81’(転動部材)と、スラスト軸受87’と、助勢バネ57’と、助勢バネ取付部材88’を備えている(図16)。
取付金具82’は、側面視で山高帽形状に形成されており、凸部83’と、両側のドアパネル取付部84’,85’と、助勢バネ57’を巻装するための円筒部86’を備えている。
【0095】
取付金具82’の凸部83’は、第一実施形態の場合と比較して、鉛直方向の長さが長く形成されており、内側頂面の下方には、円筒部86’が設けられている。また、凸部83’の戸尻側における内側面には、転動ローラ81’を取り付けるための取付孔83a’が形成されている。
助勢バネ取付部材88’は、溝形形状であり、開口部を水平にした際のウェブ部には円孔88a’が形成されるとともに、一方のフランジ部には、転動ローラ81’の取付孔88b’が形成されている。
【0096】
転動ローラ81’の水平方向の回動軸81a’は、凸部83’の取付孔83a’と、助勢バネ取付部材88’の取付孔88b’を合致させた状態で、両孔にネジ93で取り付けられている。転動ローラ81’は、回動軸81a’に回動可能に軸支されている。
【0097】
取付金具82’の円筒部86’には、助勢バネ57’が巻装されている。助勢バネ57’の下端部は、常に上向きの付勢力を付与できる態様で、助成バネ取付部材88’に取り付けられており、端面カム体53に対して、上向きの付勢力を作用させることができるようになっている。
また、円筒部86’の下端部には、スラスト軸受87’が取り付けられている。そして、回動軸55の上側の先端部が、当該スラスト軸受87’における中心部の下面に接しており、当該回動軸55により、ドアパネルDを支持できるようになっている。
【0098】
本開き扉開閉装置H’によっても、助勢バネ57’により、端面カム体53に対して、常時上向きの付勢力を作用させることができるため、第1実施形態の本開き扉開閉装置Hと同様の作用効果を奏させることができる。
【0099】
(第3実施形態)
第3実施形態の本開き扉開閉装置H”は、ドアパネルDに、第2転動ローラ81”(第2ローラ体)を設けるとともに、下側部材51”の主要構成要素として、傾斜カム体のかわりに、第1転動ローラ53”(第1ローラ体)を用ける構成としている。
第1転動ローラ53”と第2転動ローラ81”は、それぞれの回動軸が上面視で所定角度交差するように配置され、第1転動ローラ53”の転動面と第2転動ローラ81”の転動面が摺動するようになっている。すなわち、第1転動ローラ53”の回動軸は、ぺダル21の最上昇時において、第2転動ローラ81”の回動軸に対して、上面視で直交するように配置されている(以下、この位置を「基準位置」という)(図17)。また、ペダル21の最下降時において、第2転動ローラ81”の回動軸に対して、基準位置から90度から120度回動した位置(本実施形態では、時計回りに回転した場合としている)となるように配置されている(図18)。
【0100】
なお、第1転動ローラ53”は、第1実施形態の下側部材回動手段と同様の手段により、回動自在に構成されている(符号50”は回動部を、55”は回動軸をそれぞれ示している)。
【0101】
本開き扉開閉装置H”では、第1転動ローラ53”を所定角度回転させた後に、当該第1転動ローラ53”の復元方向への回転を生じさせるとともに、第1転動ローラ53”を回転させ、第2転動ローラ81”との接触面の向きを斜め方向に変化させることにより、第2転動ローラ81”の従動動作(第1転動ローラ53”の転動面に対する第2転動ローラ81”の転動面の摺動動作)を行わせることができる。
このように、本開き扉開閉装置H”によれば、上記第1転動ローラ53”と第2転動ローラ81”の動作により、端面カム体を使用した第1実施形態の本開き扉開閉装置Hと同様に、ドアパネルDの自開及び自閉させることができる。
【0102】
(第4実施形態)
第4実施形態の本開き扉開閉装置H’’’と第1実施形態の本開き扉開閉装置Hとは、主として、下側部材回動手段460の連動機構461が異なっており、それに伴い、ペダル支持体431及びスライド体440の形態が異なっている。以下、相違点を中心に説明する。
【0103】
ペダル支持体431には、第1実施形態のペダル支持体31のリンク部材装着溝34aのかわりに、傾斜部432の長形部434において、連動機構461を形成する後記板カム部材462を装着するためのカム部材装着溝434aが形成されている。カム部材装着溝434aにおける上側端部の近傍には、板カム部材462の軸支部462bの係止溝434bが形成されており、略中間部には、板カム部材462のガイド凸部462cをスライド移動させるための、ガイド溝434cが形成されている(図19)。
【0104】
また、カム体装着溝434aは、ペダル支持体431を貫通しており、装着された板カム部材462がスライド体440のラック取付部442と近接しない左側の前面において当接可能となっている(図21(a),(b))。
【0105】
スライド体440の基本形状は、第1実施形態のスライド体40とほぼ同様である(図20)。但し、本開き扉開閉装置H’’’では、第1実施形態の本開き扉開閉装置Hに設けられていた第1リンク部材62、第2リンク部材63が不要となるため、スリットは形成されてない。また、第2ダンパ69も設けられていない。
【0106】
連動機構461は、扇形形状の板カム部材462を有している。板カム部材462の中心角は、約90度である。板カム部材462の要部(かなめぶ)の両面には、軸支部462bが突出するように形成されており、扁平である両面の中間部には、周縁部(円弧)と平行となるように、ガイド凸部462cが円弧状に形成されている(図19)。
【0107】
板カム部材462は、回動自在となるように、ペダル支持体431のカム部材装着溝434aにおいて、ガイド溝434cにガイド凸部462cが位置するようにして、係止溝434bに軸支部462bが取り付けられている。板カム部材462は、周縁部の先端部462dがスライド体440の前面部を押圧可能であり、他端部462eは、ペダル21の下面と当接して押圧可能となっている。上記構造により、板カム部材462は、軸支部462bにおいて、ペダル支持体431に回動自在に軸支されるとともに、板カム部材462の周縁部の先端部462dが、上記スライド体440を押圧可能であり、かつ、ペダル21により押圧操作可能となっている。
【0108】
本開き扉開閉装置H’’’における足操作部20のペダル21は、初期状態において、板カム部材462の他端部462eと当接している。この状態で、ペダル21を踏むことにより下降させると、板カム部材462の他端部462eがペダル21の下面により押圧されて下方に移動する。そして、板カム部材462が、軸支部462bを支軸として回転し、先端部462dがスライド体440に当接して押圧力を付与し、当該スライド体440は、押圧力の作用方向である後方に移動する。その後、第1実施形態の本開き扉開閉装置Hと同様に、下側部材51(端面カム体53)等を動作させることになる(図21(a))。
【0109】
一方、この状態において、ペダル21から足を離して踏み込みをやめると、第1実施形態の本開き扉開閉装置Hと同様に、付勢バネ64によりスライド体440が前面に押圧されることに伴い、板カム部材462が、軸支部462bを支軸として上記の場合と逆方向に回転し、ペダル21を下面から押し上げて、板カム部材462及びペダル21が初期状態に復帰することになる(図21(b))。
このように、本開き扉開閉装置H’’’によれば、部品点数を少なくし、簡易な構造により、第1実施形態の本開き扉開閉装置Hと同様の作用効果を奏させることができる。
【0110】
以上、本発明について、好適な実施形態についての一例を説明したが、本発明は当該実施形態に限られず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜設計変更が可能である。
【0111】
特に、本開き扉の開閉装置の取付個所に制限はなく、取付を行う場所及び開き扉等に応じて、操作性(操作時において邪魔にならないこと、あるいは、操作者と開き扉が衝突しないこと等を含む)を考慮して、適切に定めることができる。
【0112】
また、取付を行う開き扉の形態についても制限はなく、個室の外側に開放されるタイプの開き扉であってもよい。なお、その場合には、本開き扉の開閉装置の足操作体は、個室の外側に突出した状態で取り付けられる必要がある。
【0113】
また、上記第1実施形態及び第2実施形態の本開き扉の開閉装置では、従動部材にローラ体を使用した構成とした。しかし、従動部材に、端面カム体と同一形状である一対の第2の端面カム体を使用する構成とすることも可能である。この場合には、傾斜カム面が端面に形成された筒状部を有する形状とし、相互に傾斜カム面を対向させ、重ね合わせられた状態で回動自在に軸支されるように配置することが好ましいものである。
【0114】
また、上記第1実施形態及び第2実施形態の本開き扉の開閉装置では、開き扉にローラ体を設け、下側部材に端面カム体を設ける構成とした。しかし、開き扉に端面カム体を設け、下側部材にローラ体を設ける構成とすることも可能である。
【0115】
さらに、請求項に記載する、足操作体、足操作体支持部材、スライド体、端面カム体、下部部材の回動手段(連動機構(第1リンク部材、第2リンク部材、付勢手段及び付勢力調節手段、並びにカム部材)、制動手段及び回動力助勢手段)は、基本的な構成を備え、その作用効果を奏するものであれば、種々の構成要素を用いることができる。
【符号の説明】
【0116】
H,H’,H”,H’’’ 開き扉開閉装置
D ドアパネル
J 足操作錠
10 カバー
20 足操作部
21 ペダル(足操作体)
31,431 ペダル支持体(足操作体支持部材)
32,432 傾斜部
32a 係止部
33 先端部
34a リンク部材装着溝
434a カム部材装着溝
37 下側部材取付部
40,440 スライド体
41 基体部
42 ラック取付部
50,50’,50” 回動部
51,51” 下側部材
52 円筒部
53 端面カム体
53” 第1転動ローラ(第1ローラ体)
53a 傾斜カム面
53b 最高頂部
53c 最低谷部
54 スラスト軸受
55,55” 回動軸
57,57’ 助勢バネ(助勢手段)
60,60’,460 下側部材回動手段
61,461 連動機構
62 第1リンク部材
462 板カム部材
63 第2リンク部材
62a,63a 取付孔
62b,63b 突部
64 付勢バネ(付勢手段)
65 付勢力調節手段
68 第1ダンパ(制動手段)
69 第2ダンパ(制動手段)
71 ラック
72 ピニオンギア
80,80’ ドアパネル取付部
81,81’ 転動ローラ(従動部材,ローラ体)
81” 第2転動ローラ(第2ローラ体)
82,82’ 取付金具
88 軸受取付枠
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