(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022164575
(43)【公開日】2022-10-27
(54)【発明の名称】組立式焚き火台
(51)【国際特許分類】
A47J 37/07 20060101AFI20221020BHJP
F24B 1/20 20060101ALI20221020BHJP
【FI】
A47J37/07
F24B1/20
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022045054
(22)【出願日】2022-03-22
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-10-18
(31)【優先権主張番号】P 2021069329
(32)【優先日】2021-04-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ・ウェブサイトの掲載日:令和2年10月15日~令和3年2月16日 ・ウェブサイトのアドレス:(早野研工インスタグラム:TOPページ)https://www.instagram.com/hayanokenko/ ・公開者:有限会社早野研工
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【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ・カタログ配置日:令和2年12月15日 ・配置場所 有限会社早野研工 ・配置者 有限会社早野研工 ・刊行物 「コンロ機能付き焚き火台」を「FireBase」として掲載したオリジナル商品のカタログ
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ・発行日:令和3年4月1日 ・刊行物:月刊誌 Sheetmetal ましん&そふと 4月号(P10-P13) ・公開者:マシニスト出版 株式会社
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ・カタログ配布日:令和3年2月3、4、5日 ・配布場所:東京ビックサイト 東京インターナショナルギフトショー2021春 ・公開者:有限会社早野研工 ・刊行物:「コンロ機能付き焚き火台」を「FireBase」として掲載したオリジナル商品のカタログ
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ・公開日 令和2年11月29日、令和2年12月13日 ・公開場所:道の駅夜叉が池の里さかうち マルシエ ・公開者:有限会社早野工研 ・展示販売した物の内容:「コンロ機能付き焚き火台」を公開展示、販売した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ・予約販売日 令和2年12月24日~令和3年2月15日 ・ウェブサイトのアドレス:http://www.makuake.com/ http://www.makuake.com/project/firebase クラウドファンディングサイト【Makuake】 ・公開者:有限会社早野研工 ・展示販売した物の内容:「コンロ機能付き焚き火台」を販売した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ・公開日:令和3年2月3、4、5日 ・配布場所:東京ビックサイト 東京インターナショナルギフトショー2021春 ・公開者:有限会社早野研工 ・展示物:「コンロ機能付き焚き火台」を「FireBase」としてブースに展示した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ・販売日 令和3年2月15日~令和3年4月15日 ・ウェブサイトのアドレス:http://hayanokenko.co.jp/shop/ 早野工研 オンラインショップ ・公開者 有限会社早野研工 ・展示販売した物の内容:「コンロ機能付き焚き火台」を販売した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ・販売日 令和3年2月15日~令和3年4月15日 ・ウェブサイトのアドレス:http://www.furusato-tax.jp ふるさとチョイス(ふるさと納税サイト) ・公開者:株式会社トラストバンク(大垣市プロモーション室) ・展示販売した物の内容:「コンロ機能付き焚き火台」を販売した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ・発行日:令和3年1月29日 ・刊行物:中部経済新聞 2021年1月29日付朝刊、第6面 ・公開者:株式会社中部経済新聞社 ・公開された発明の内容:「コンロ機能付き焚き火台」を掲載した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ・発行日:令和3年2月10日 ・刊行物:中部経済新聞 2021年2月10日付朝刊、第6面 ・公開者:株式会社中部経済新聞社 ・公開された発明の内容:「コンロ機能付き焚き火台」を掲載した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ・発行日:令和3年2月10日 ・刊行物:岐阜新聞 2021年2月10日付朝刊、第7面 ・公開者:株式会社岐阜新聞社 ・公開された発明の内容:「コンロ機能付き焚き火台」を掲載した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ・発行日:令和3年2月13日 ・刊行物:中日新聞 2021年2月13日付朝刊、第18面 ・公開者:株式会社中日新聞社 ・公開された発明の内容:「コンロ機能付き焚き火台」を掲載した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ・発行日:令和3年2月18日 ・刊行物:中日新聞 2021年2月18日付朝刊、第18面 ・公開者:株式会社中日新聞社 ・公開された発明の内容:「コンロ機能付き焚き火台」を掲載した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ・発行日:令和3年2月18日 ・刊行物:岐阜新聞 2021年2月18日付朝刊、第16面 ・公開者:株式会社岐阜新聞社 ・公開された発明の内容:「コンロ機能付き焚き火台」を掲載した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ・発行日:令和3年2月19日 ・刊行物:中部経済新聞 2021年2月19日付朝刊、第6面 ・公開者:株式会社中部経済新聞社 ・公開された発明の内容:「コンロ機能付き焚き火台」を掲載した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ・公開日:令和3年2月12日 ・ウェブサイトのアドレス:http://www.instagram.com/camp.takibi/ TAKIBIサイト内 ・公開者:株式会社フォーイット ・公開された発明の内容:「コンロ機能付き焚き火台」を紹介、公開した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ・公開日:令和3年3月9日 ・ウェブサイトのアドレス:http://www.fnn.jp/articles/-/152309 FNNプライムオンラインサイト ・公開者:フジテレビ系列28局(オンライン) ・公開された発明の内容:「コンロ機能付き焚き火台」を紹介、公開した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ・公開日:令和3年3月26日 ・ウェブサイトのアドレス:http://www.j-cast.com/kaisha/2021/03/26407993.html J-CASTニース ・公開者:株式会社ジェイ・キャスト ・公開された発明の内容:「コンロ機能付き焚き火台」を紹介、公開した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ・公開日:令和3年3月2日 ・ウェブサイトのアドレス:http://www.yomiuri.co.jp/economy/20210302-OYT1T50153/ 読売新聞オンライン ・公開者:読売新聞東京本社 ・公開された発明の内容:「コンロ機能付き焚き火台」を紹介、公開した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ・公開日:令和3年3月8日17時57分~18時30分 ・放送番組:ぎふチャンラジオ『ゆっこ学園 月曜なのに金パーソン』 ・公開者:岐阜放送ラジオ ・公開された発明の内容:「コンロ機能付き焚き火台」を紹介、公開した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ・公開日:令和3年3月12日18時~ ・放送番組:大垣ケーブルテレビ『デイリーUP 3/12』 ・公開者:株式会社大垣ケーブルテレビ(OCT) ・公開された発明の内容:「コンロ機能付き焚き火台」を紹介、公開した。同時にTWITTERにて番組内容を紹介した。https://twitter.com/ogaki_tv/status/1370283423538024448
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ・公開日:令和3年3月26日 ・ウェブサイトのアドレス:http://www.machinist.co.jp/2021/03/14141/ Sheetmetal ましん&そふと ・公開者:マシニスト出版 株式会社 ・公開された発明の内容:「コンロ機能付き焚き火台」を紹介、公開した。
(71)【出願人】
【識別番号】318017501
【氏名又は名称】有限会社早野研工
(74)【代理人】
【識別番号】100137327
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 勝義
(72)【発明者】
【氏名】早野 文仁
(72)【発明者】
【氏名】松井 勇樹
【テーマコード(参考)】
4B040
【Fターム(参考)】
4B040AA04
4B040AA08
4B040AD04
4B040AE14
4B040CA03
4B040CA14
4B040GD02
(57)【要約】
【課題】堅牢かつ組立が容易で、分解した際も収納スペースが小さく、保管・持ち運びが容易な構造の組立式焚き火台を提供する。
【解決手段】組立式焚き火台10は、一対の平板状の本体部材1、2を互いに交差して立設形成し、上部内面側を火床として用いる。一対の前記本体部材1、2には、水平方向に互いに挿通係合するためのスリット1s、2sが形成され、スリット1s、2sの下方及び該スリットの延長線1se、2seの下方であって、本体部材1,2の左右両端に内面側に立設した一対の上下方向に長尺の立設片1j、2jを備え、一方の本体部材1の立設片1jの上端部が、他方の本体部材2jの外面端部に互いに当接して支持することにより自立可能である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の平板状の本体部材を互いに交差して立設形成し、上部内面側を火床として用いる組立式焚き火台であって、
一対の前記本体部材には、水平方向に互いに挿通係合するためのスリットが形成され、該スリットの下方及び該スリットの延長線の下方であって、該本体部材の左右両端に立設した一対の上下方向に長尺の立設片を備え、
一方の前記本体部材の立設片の上端部が、他方の該本体部材の外面端部に互いに当接して支持することにより自立可能であることを特徴とする組立式焚き火台。
【請求項2】
前記上端部は平面状の上端面であり、前記外面端部に平面的に当接することで、更に安定して自立可能な請求項1に記載の組立式焚き火台。
【請求項3】
一方の前記本体部材の内面側において、前記スリットの延長線の直近上部に他方の前記本体部材の挿通をガイドする1又は2以上の突起を備えている請求項1又は2に記載の組立式焚き火台。
【請求項4】
前記スリット近辺の上部に水平方向に長尺な1又は2以上の突条を形成し、前記本体部材の歪・反りを軽減する請求項1又は2に記載の組立式焚き火台。
【請求項5】
前記挿通係合を容易にするため、挿入される側の立設片の上端部が内側に傾斜する傾斜面を備えた請求項1又は2に記載の組立式焚き火台。
【請求項6】
前記立設形成した本体部材の、左右端に固定する一対の側板部材、内面底部に載置する底板部材、及び上部に載置する1又は2以上の五徳部材のうちの少なく1種以上を更に備え、
前記側板部材は、該本体部材に形成された側板部材差し込み用孔に該側板部材に形成された側板部材差し込み爪を差し込み固定するものであり、
前記底板部材は、該本体部材に形成された底板部材差し込み用孔に該底板部材に形成された底板部材差し込み爪を差し込み固定するものであり、
前記五徳部材は、該本体部材上端に形成された五徳部材差し込み用スリット切欠部に該五徳部材差し込み爪を差し込み固定するものである請求項1又は2に記載の組立式焚き火台。
【請求項7】
一対の平板状の本体部材を互いに交差して立設形成し、上部内面側を火床として用いる組立式焚き火台であって、
一対の前記本体部材には、水平方向に互いに挿通係合するためのスリットが形成され、該スリットの下方及び該スリットの延長線の下方であって、該本体部材の左右両端に立設した一対の上下方向に長尺の立設片を備え、
一方の前記本体部材の立設片の上端面が、他方の該本体部材の外面端部に互いに当接して支持することにより自立可能であり、
一方の前記本体部材の内面側において、前記スリットの延長線の直近上部に他方の前記本体部材の挿通をガイドする1又は2以上の突起を備え、
前記スリット近辺の上部に水平方向に長尺な1又は2以上の突条を形成し、
前記挿通係合を容易にするため、挿入される側の立設片の上端部が内側に傾斜する傾斜面を備えたことを特徴とする組立式焚き火台。
【請求項8】
一対の平板状の本体部材を互いに交差して立設形成する組立式焚き火台を構成する、複数の板状部材を積層した積層体を貫通する1又は2以上の締結用孔又は締結用溝が同軸をなすように形成され、重なる複数の前記1又は2以上の締結用孔又は締結用溝に対して締結具で締結収納を可能とした組立式焚き火台であって、
前記複数の板状部材は、一対の平板状の本体部材と、一対の側板部材と、底板部材と1又は2以上の五徳部材であることを特徴とする組立式焚き火台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組立式焚き火台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、キャンプや庭先でのBBQなど、調理目的や暖をとる目的で、焚き火が行われるが、直接地面に薪を置いて焚き火をすることは、地面や芝生を高温にさらすことになり、地中の微生物を死滅させる要因となるため、地面から浮かせて焚き火を行う事が求められている。一般的には、金属製パイプからなる脚部に金網状の火床体を積載した焚火スタンド(文献1)や、連結された支持枠部材に上方開口の箱型の火床体を積載した屋外式火床装置(文献2)、2つの脚部材とシート部材、2つの支持棒部材とで構成される焚火台(文献3)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3207183号公報
【特許文献2】特開2020-130741号公報
【特許文献3】特開2021-032468号公報
【特許文献4】特開平8-49853号公報
【特許文献5】特開2012-167920号公報
【特許文献6】実用新案登録第3225179号公報
【特許文献7】意匠登録第1677954号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従前の焚き火スタンドや焚き火台は、床体や網板体からなる火床部材と脚部材で構成されているが、焚き火の際に投入する薪などの燃料を増やそうとすると、それに伴い、焚き火台の火床部材が大きくなってしまい、コンパクト収納、コンパクト携帯を実現していない。文献4、5、6のように、板状の部材を組み合わせた折り畳み式のものも知られているが、組み立てのオペレーションが、煩雑で、初心者が扱うには、煩わしさがある。また、組み立てた際、必ずしも堅牢とは言えず、鉄板やダッチオーブンといった重量のある調理用器具を載せることは難しい。文献7において4枚の部材を想定した簡単組立となっているが、焚き火台を自立させるまでに2オペレーション必要とし、4部材を組み立てるまで、自立安定せず、他パーツが外れないように抑えながら組立をするため、手軽さが損なわれている。
【0005】
枠体と脚部材と金網シートを組み合わせた構成の焚き火台(文献3)においても、強度の面で、鉄板やダッチオーブンといった重量のある調理用器具を安定して載せることは難しく、薄板のフレーム構造体の筐体から構成される焚き火台においても、強度面と、形成される火床スペースが十分でないため、調理の際の自由度はかなり制限される。
また、持ち運び、コンパクト収納についても、板形状のみの組立式焚き火台(文献7)は、コンパクトにはなるが、各部材を固定する機構がなく、収納袋やバッグなどを用意しないと持ち運びができない。
【0006】
本発明は、簡単組立が可能で、数少ない板状の部材を使用して、大きな火床を確保でき、本体部材2部品のみで、確実に自立する機構を設けているため組立が極めて容易である。また分解時は、コンパクトに薄く収納可能で、片手で携帯できる焚き火台を提案したものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決し、かつ目的を達成するため、この発明は、以下のような構成とした。添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0008】
請求項1に記載の組立式焚き火台は、一対の平板状の本体部材を互いに交差して立設形成し、上部内面側を火床として用いる組立式焚き火台であって、一対の前記本体部材には、水平方向に互いに挿通係合するためのスリットが形成され、該スリットの下方及び該スリットの延長線の下方であって、該本体部材の左右両端に立設した一対の上下方向に長尺の立設片を備え、一方の前記本体部材の立設片の上端部が、他方の該本体部材の外面端部に互いに当接して支持することにより自立可能であることを特徴とする。
例えば、
図1~5に示すように、本発明の組立式焚き火台は、本体部材1、2の左右両端に互いに支持する立設片1j、2jを設けて、互いの本体部材1、2を端部で支えあう構造としており、スリット1s、2sの突き当りまで差し込むことで位置決めを可能としている。
ここで、前記「立設片」は本体部材と一体に形成されていてもよいが、本体部材に着脱可能に別体として備えていてもよい。ここで、前記「左右両端」は、左右両端近傍の内側も含む。
【0009】
請求項2に記載の組立式焚き火台は、請求項1に記載の組立式焚き火台において、前記上端部は平面状の上端面であり、前記外面端部に平面的に当接することで、更に安定して自立可能であることである。
例えば、
図9~11に示すように、本体部材1、2を支持する立設片1j、2jの上端部形状の上端面1v、2vで、本体部材同士の開口角度を決めることができる。上端面の形状を変えることで、開口部の角度、クリアランスを調整することが可能である。
【0010】
請求項3に記載の組立式焚き火台は、請求項1又は2に記載の組立式焚き火台において、一方の前記本体部材の内面側において、前記スリットの延長線の直近上部に他方の前記本体部材の挿通をガイドする1又は2以上の突起を備えていることである。
例えば、
図2に示すように、本体部材1、2に、突起としてのダボ1r,2r、ブリッジ1g、2gと呼ばれるプレス成形を施すことにより、その突起は、本体部材1、2を差し込む際の案内ガイドとして差し込みをしやすくし、想定外の方向に差し込むことを防ぐ備えとなる。
また、これらの突起は、組立式焚き火台使用の際に発生する熱影響で、本体部材1、2が湾曲状に歪もうとすることを抑制し、火床装置全体の歪みを軽減でき、本体部材1、2の差し込み用孔に差し込まれた側板や五徳部材が、差し込み用孔から脱落を防ぐ役割も果たすものである。
【0011】
請求項4に記載の組立式焚き火台は、請求項1又は2に記載の組立式焚き火台において、前記スリット近辺の上部に水平方向に長尺な1又は2以上の突条を形成し、前記本体部材の歪・反りを軽減することである。
例えば、
図2に示すように、本体部材1、2に、突条としてのビード1w、2wと呼ばれるプレス成形を施すことにより、組立式焚き火台使用の際に発生する熱影響で、本体部材1、2が歪み・反りを軽減することができる。
【0012】
請求項5に記載の組立式焚き火台は、請求項1又は2に記載の組立式焚き火台において、前記挿通係合を容易にするため、挿入される側の立設片の上端部が内側に傾斜する傾斜面を備えたことである。
例えば、
図6~8に示すように、立設片1j、2jの上端部が内側に傾斜する傾斜面1p、2pを備えていることで、本体部材、2の挿通係合が容易となる。
【0013】
請求項6に記載の組立式焚き火台は、請求項1又は2に記載の組立式焚き火台において、前記立設形成した本体部材の、左右端に固定する一対の側板部材、内面底部に載置する底板部材、及び上部に載置する1又は2以上の五徳部材のうちの少なく1種以上を更に備え、前記側板部材は、該本体部材に形成された側板部材差し込み用孔に該側板部材に形成された側板部材差し込み爪を差し込み固定するものであり、前記底板部材は、該本体部材に形成された底板部材差し込み用孔に該底板部材に形成された底板部材差し込み爪を差し込み固定するものであり、前記五徳部材は、該本体部材上端に形成された五徳部材差し込み用スリット切欠部に該五徳部材差し込み爪を差し込み固定するものであることである。
例えば、
図16、22、23に示すように、本体部材1、2に設けた差し込み用孔に上記各部材を差し込み固定することができる。本体部材1、2に側板部材3A、3Bが固定されることで本体部材1、2の開口部と火床が安定する。五徳部材5A、5Bには、調理器具を載置することができると共に、薪を立てて配置させることもでき、燃焼効率を上げる効果をもたらす。同様に底板部材(ロストル)4も火床の底面に空気層を形成することで、同効果をもたらす。
【0014】
請求項7に記載の組立式焚き火台は、一対の平板状の本体部材を互いに交差して立設形成し、上部内面側を火床として用いる組立式焚き火台であって、
一対の前記本体部材には、水平方向に互いに挿通係合するためのスリットが形成され、該スリットの下方及び該スリットの延長線の下方であって、該本体部材の左右両端に立設した一対の上下方向に長尺の立設片を備え、一方の前記本体部材の立設片の上端面が、他方の該本体部材の外面端部に互いに当接して支持することにより自立可能であり、一方の前記本体部材の内面側において、前記スリットの延長線の直近上部に他方の前記本体部材の挿通をガイドする1又は2以上の突起を備え、前記スリット近辺の上部に水平方向に長尺な1又は2以上の突条を形成し、前記挿通係合を容易にするため、挿入される側の立設片の上端部が内側に傾斜する傾斜面を備えたことを特徴とする。
請求項7は、請求項1~5のすべての構成を備えているため、請求項1~5のすべての
作用効果を奏する。
【0015】
請求項8に記載の組立式焚き火台は、一対の平板状の本体部材を互いに交差して立設形成する組立式焚き火台を構成する、複数の板状部材を積層した積層体を貫通する1又は2以上の締結用孔又は締結用溝が同軸をなすように形成され、重なる複数の前記1又は2以上の締結用孔又は締結用溝に対して締結具で締結収納を可能とした組立式焚き火台であって、前記複数の板状部材は、一対の平板状の本体部材と、一対の側板部材と、底板部材と1又は2以上の五徳部材であることを特徴とする。
例えば、
図23~28に示すように、上記各部材を分解時に一括に収納可能とする締結用孔又は締結用溝を設け、締結具としての蝶ボルト6A、6Bで締結することで、コンパクトに収納可能を可能としている。また、本体部材1、2に取手用の長孔1y、2yを同芯上に設けることで、片手での携帯を可能とすることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、簡単組立が可能で、数少ない板状の部材を使用して、大きな火床を確保でき、本体部材2部品のみで、確実に自立する機構を設けているため組立が極めて容易である。また、収納時には各部材を締結具で一括に締結ができるため、薄くコンパクトに収納可能である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本実施例1の組立状態の概略説明斜視図である。
【
図2】本実施例1の本体部材1、2の組立前状態姿図である。
【
図3】本実施例1の本体部材1、2の組立途中の状態姿図である。
【
図4】
図3の平面姿図(組立途中の状態姿図)である。
【
図5】本実施例1の本体部材1、2の組立完成時の平面図である。
【
図6】本実施例1の本体部材1、2の組立完成直前時の両端姿図である。
【
図7】
図6より更に完成に近い完成直前時の両端姿図である。
【
図8】本実施例1において(a)立設片に他方の本体部材を載置する直前の断面図、(b)更に、本体部材を移動して傾斜面に当接した状態の断面図、(c)組立完成時の立設部材の上端面に本体部材2が載置された状態の断面図である。
【
図9】本実施例1の本体部材1、2の組立完成時の立設片周辺部である。
【
図10】
図9の右側面図であり、自立した状態の説明図である。
【
図11】本体部材1、2の開口角度が
図10と比較して小さい場合を示す説明図である。
【
図12】本実施例1の本体部材2の立設片の成形状態を示し、拡大図は、ブリッジ、ダボの状態を示す。
【
図13】本実施例1に係り、(a)焚き火状態において、熱影響を受けた際の本体部材1、2の状態変形図、(b)その変形を防ぐ突起部を示す説明詳細図、(c)突起部が存在しない場合の説明詳細図である。
【
図14】本実施例1に係り、(a)焚き火状態において、熱影響を受けた際の本体部材1、2の状態変形図、(b)その変形を防ぐ突条を示す説明詳細図、(c)突条が存在しない場合の説明詳細図である。
【
図15】
図14における変形を防ぐ突条の状態図に係り、(a)本体部材の平面図、(b)E-E断面図、(c)F-F断面図である。
【
図16】本実施例1の変形例に係り、本体部材25の立設片の組付け前の姿斜視図である。
【
図17】本実施例1の変形例に係り、組立状態の概略説明斜視図である。
【
図18】本実施例2の組立状態の概略説明斜視図である。
【
図22】本実施例2の組立完成時の左側面図である。
【
図23】本実施例2の組立完成時の右側面図である。
【
図24】本実施例2の本体のみ組立時に他部材組付け前の姿斜視図である。
【
図25】本実施例3に係り、全部品の平面図である。
【
図26】本実施例3に係り、全部品を収納時の姿図である。
【
図27】本実施例3に係り、本実施例2の全部品の収納時の断面図であり、拡大断面図に突起部(ダボ、ブリッジ)の状態を示す。
【
図28】本実施例3に係り、全部品を収納前の分解断面図である。
【
図29】本実施例3に係り、本実施例2の全部品を収納前の分解斜視図ある。
【
図30】本実施例4の本体部材1、2のマーク、ロゴの同芯に重なる状態姿図に係り、(a)本体部材1、2を含む全部品の収納時の断面図、(b)正面図、(c)側面図、(d)分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、この発明の組立式焚き火台の実施の形態について説明する。各部材の材質等は、焚き火に耐えうる素材であり金属等に限定するものではない。
この実施の形態は組立式焚き火台の好ましい形態を示すが、本発明はこれに限定されない。
実施例1は、請求項1~5及び7記載のいずれの発明にも属する実施例であり、実施例2は、請求項6記載の発明に属する実施例であり、実施例3及び4は、請求項8記載の発明の実施例である。
【実施例0019】
本実施例1の組立式焚き火台10は、本発明を具体化している。
この組立式焚き火台10の構成を
図1~
図15に基づいて説明する。材質は薄板の鉄板を仮定としている。
図1は、組立式焚き火台10の組立状態の概略説明斜視図である。
【0020】
この組立式焚き火台10は、
図1に示すように、一対の平板状の本体部材1、2を互いに交差して立設形成し、上部内面側を火床として用いる。本体部材1、2の上部には、それぞれ取手用の長孔1y、2yが形成されている。更に、それぞれ4個ずつの通気孔1z、2zが形成されている。また、下部には、それぞれ左右両端に一対の脚部1i、2iが形成されている。
一対の本体部材1、2には、
図2に示すように、水平方向に互いに挿通係合するためのそれぞれスリット1s、2sが形成されている。
そして、スリット1sの下部及びスリット1sの延長線1seの下部であって、本体部材1の左右両端に立設した一対の上下方向に長尺の立設片1jを備えている。
同様に、スリット2sの下部及びスリット2sの延長線2seの下部であって、本体部材2の左右両端に内面側に立設した一対の上下方向に長尺の立設片2jを備えている。
こうして、一方の本体部材1の立設片1jの上端部が、他方の本体部材2の外面端部に当接して支持し、他方の本体部材2の立設片2jの上端部が、一方の本体部材1の外面端部に互いに当接して支持することにより自立可能となる。
この「上端部」は、他方の本体部材の外面端部に当接して支持することが可能であれば必ずしも平面状であることを要しないが、後述のように、他方の本体部材の外面端部に安定して当接するように平面状の「上端面」であることが好ましい。
ここで、立設片は、その上端部が、他方の本体部材の外面端部に当接して支持するものであれば、図に示された板状のものに限らず、角柱状、円柱状等であってもよい。
【0021】
なお、立設片1j、2jは、別体として製作してそれぞれ本体部材1、2の左右両端に接合してもよいが、本体部材1、2の左右両端を折り曲げ形成したものとすることができる。折り曲げ形成することで、製作作業が効率化すると共に、強度的にも優れたものとなる。なお、
図2に示す突起1r、1g、2r、2g、突条1w、2wについては後述する。
【0022】
組立式焚き火台10の本体部材1、2の組立手順を
図1~5を参照に説明する。
図2に示すように、本体部材1、2を各々のスリット1s、2sへ差し込みスライドさせると
図3に示す状態になり、スリットの端末部まで差し込むことで、挿通係合して
図1に示すように、自立・固定させることができる。
図4、5は、組立中から組立完成までの2状態を平面図で示している。
【0023】
前記挿通係合を容易にするため、
図6に示すように、立設片1j、2jの上端部が内側に傾斜する傾斜面1p、2pを備えていることが好ましい。
本体部材1、2を組立の際の両端部の状態を
図6~8に示す。本体部材1、2をスリット1s、2sに差し込んでいくと、
図6の状態から
図7の状態へと進み、更に
図9に示すように各々1j、2jの上端部まで到達する。
すなわち、
図8(a)に示すように、本体部材2は、本体部材1の立設片1jに近づいて、同図(b)に示すように立設片1jの上端部の傾斜面1pに当接した後更に滑り上がり、同図(c)に示すように、立設片1jの上端面1vが本体部材2の外面端部2mに当接して、本体部材2を立設片1jで支持する。
同様に本体部材1も本体部材2の立設片2jの上端部の傾斜面2pに当接した後、更に滑り上がり、立設片2jの上端面2vが本体部材1の外面端部1mに当接して支持する。
【0024】
以上により、
図9に示すように、お互いの本体部材の1、2を立設片1j,2jで支持させる作用を発揮する。その際、立設片1j、2jの上端面1v、2vの本体部材1、2の板面に対する角度により、本体部材1、2からなる開口角度を固定することを可能にした。同時に、はめ込みの際のクリアランスの調整も可能とした。
すなわち、
図10に示すように、本体部材1(2)の板面と立設片1j(2j)の上端面1v(2v)のなす角度αにより上端面1v(2v)が当接する外面端部2m(1m)の傾斜が決まることで本体部材1、2からなる開口角度θが決まる。
【0025】
例えば、
図11に示すように、本体部材1(2)の板面と立設片1j(2j)の上端面1v(2v)のなす角度αを、より大きくすると、上端面1v(2v)が当接する外面端部2m(1m)の傾斜が大きくなり、本体部材1、2からなる開口角度θは、小さくすることができる。
逆に、本体部材1(2)の板面と上端面1v(2v)のなす角度αを、より小さくすると、上端面1v(2v)が当接する外面端部2m(1m)の傾斜が小さくなり、本体部材1、2からなる開口角度θは、大きくすることができる。
【0026】
図12に示すように、一方の本体部材2の内面側において、スリット2sの延長線1seの直近上部に他方の本体部材1の挿通をガイドする1又は2以上の突起2g、2rを備えていることが好ましい。突起の形状、大きさ、形成方法は特に限定されないが、本実施例1に係る突起2gはブリッジ、突起2rはダボとして本体部材2に対してプレス成型により形成することができる。
他方の本体部材1の内面側においても、スリット1sの延長線1seの直近上部に一方の本体部材2の挿通をガイドする1又は2以上の突起1g、1rを備えていることが好ましい。
【0027】
焚き火の際の熱変形により本体部材2(1)のスリット2s(1s)付近から歪みが起き始め、
図13(a)に示すように、焚き火の熱影響で、スリット上部の本体部材2(1)が前後方向内面側(内側矢印方向)に反りやすい。
そこで、本体部材2(1)に施された突起2g、2r(1g、1r)を設けることで、
図13(a)に示すように、焚き火の熱影響で、本体部材2(1)が前後方向内面側に反るのを抑制し、部材の変形を最小限にすることが可能となる。
具体的には、本体部材1、2のスリット1s、2s辺から熱影響により外面端部1m(2m)周辺部が内面側へ変形を始める。そのまま変形状態が続くと焚き火が終わって冷めた状態になっても、大きな歪みが残った状態になる。本発明は、突起(ダボ、ブリッジ)を歪みの発生する位置に施すことで、本体部材1、2が大きく反ることを抑制し、全体の歪みを抑制することができる。例えば、
図13(b)に示すように、本体部材1に備えたブリッジ1gによって本体部材2が反るのを制止することができる。
一方、ブリッジ1g等の突起を備えていない場合には、同図(c)に示すような反りが生じやすい。
【0028】
また同様に、
図14(a)に示すように、焚き火の熱影響で、スリット上部の本体部材2(1)が左右方向内面側(内側矢印方向)に反りやすい。
そこで、本体部材2(1)の内面側において、スリット2s(1s)近辺の上部に水平方向に長尺な1又は2以上の突条2w(1w)を形成していることが好ましい。
例えば、
図14(b)に示すように、本体部材2に備えた突条(ビード)2w(1w)によって本体部材2が反るのを制止することができる。水平方向に長尺な突条がリブとしての役割を果たし、水平方向の反りを制止することができる。
一方、ビード2w(1w)等の突条を備えていない場合には、同図(c)に示すような反りが生じやすい。突条の大きさ、形成方法は特に限定されないが、本実施例1に係る突条2w(1w)もプレス成形によって形成することができる。
【0029】
[実施例1の変形例]
図16に示す本体部材25は、前記本体部材2に代えて、本体部材用板材2Aと本体部材用板材2Aに着脱可能の立設片7A、7Bを備えている。立設片7A、7Bの差し込み用爪7a、7bを、本体部材用板材2Aの差し込み用孔2o、2qに挿入して固定することができる。
また、
図17に示すように、本体部材15は、本体部材用板材1Aと本体部材用板材1Aに着脱可能の立設片7A(不図示)、7Bを備えている。立設片7A、7Bの差し込み用爪7a、7bを、本体部材用板材1Aの差し込み用孔1o、1qに挿入して固定することができる。
こうして、立設片7A、7Bを装着した本体部材15、25をそれぞれに設けたスリットにより挿通係合して、組立式焚き火台50が形成される。
本実施例2は、本体部材11、21の2つの部材を差し込み自立させると同時に、設けてあるすべての差し込み用孔に側板部材、底板部材、五徳部材を装着することで付属のすべての部材の位置決めを正確に行うことができる。また、プレス成形によって形成したブリッジ1g、2g、ダボ1r、2rによって本体部材が正確に位置決めされると共に焚き火による前後方向の熱影響を最小限にとどめている。また、同様にプレス成形によって形成したビード1w、2wによっても、左右方向の熱影響を最小限にとどめる工夫を備えている。