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特開2022-164577イコライゼーション用のルックアップ・テーブルを有するエンドツーエンド・リンク・チャネル
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022164577
(43)【公開日】2022-10-27
(54)【発明の名称】イコライゼーション用のルックアップ・テーブルを有するエンドツーエンド・リンク・チャネル
(51)【国際特許分類】
   H04B 10/50 20130101AFI20221020BHJP
   H04B 10/69 20130101ALI20221020BHJP
【FI】
H04B10/50
H04B10/69 170
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022046517
(22)【出願日】2022-03-23
(31)【優先権主張番号】17/231,747
(32)【優先日】2021-04-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】522116812
【氏名又は名称】メラノックス テクノロジーズ、リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フアン ホセ ベガス オルモス
(72)【発明者】
【氏名】エラド メントヴィチ
(72)【発明者】
【氏名】リアン リス
【テーマコード(参考)】
5K102
【Fターム(参考)】
5K102AA18
5K102AH01
5K102AH02
5K102AH23
5K102AH24
5K102AH26
5K102AL11
5K102KA01
5K102KA39
5K102PB04
5K102PB14
5K102PH03
5K102PH31
5K102RD01
5K102RD04
5K102RD05
5K102RD28
(57)【要約】      (修正有)
【課題】コンピュータ・ネットワーク・システムの性能を向上させつつ、電力消費を削減するシステム及び方法を提供する。
【解決手段】イコライゼーション用の1つ又は複数のルックアップ・テーブルを有するエンドツーエンド・リンク・チャネル106を容易にするシステム100は、第1の送受信機及び第2の送受信機を含む。第1の送受信機は、通信データをスイッチ102から受信し、通信データのイコライゼーションに関連付けられるルックアップ・テーブルを管理するCDR回路を含む。第1の送受信機はまた、CDR回路に通信可能に接続され、通信データに関連付けられる電気信号を生成する第1のドライバ回路を含む。第2の送受信機は、第1の送受信機に通信可能に接続され、電気信号を第1の送受信機から受信し、電気信号に基づいてレーザ源を変調して光信号を生成する第2のドライバ回路を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信データをスイッチから受信し、前記通信データのイコライゼーションに関連付けられるルックアップ・テーブルを管理するように構成された、クロック・データ・リカバリ(CDR)回路、及び
前記CDR回路に通信可能に接続され、前記通信データに関連付けられる電気信号を生成するように構成された、第1のドライバ回路
を含む、第1の送受信機と、
前記第1の送受信機に通信可能に接続され、前記電気信号を前記第1の送受信機から受信し、前記電気信号に基づいてレーザ源を変調して前記レーザ源により光信号を生成するように構成された、第2のドライバ回路
を含む、第2の送受信機と
を備える、システム。
【請求項2】
前記CDR回路が、前記通信データのプリイコライゼーション用に前記ルックアップ・テーブルを調節するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記CDR回路が、前記通信データのフィードフォワード・イコライゼーションを実装するために前記ルックアップ・テーブルを調節するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記CDR回路が、前記ルックアップ・テーブルによって設定された1つ又は複数のフィードフォワード・イコライザ係数をチューニングするように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記ルックアップ・テーブルが、前記CDR回路に埋め込まれる、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記第2の送受信機が、前記スイッチのフロント・パネルに取り付けられる、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記レーザ源が、垂直共振器型面発光レーザである、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記レーザ源が、外部変調レーザである、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
光信号に基づいて電気信号を生成するように構成された、フォトダイオード
を含む、第1の送受信機と、
前記第1の送受信機に通信可能に接続され、前記電気信号を前記第1の送受信機から受信し、前記電気信号に基づいて、調整された電気信号を生成するように構成された、ドライバ回路、及び
前記調整された電気信号に基づいて通信データを生成し、前記通信データのイコライゼーションに関連付けられるルックアップ・テーブルを管理するように構成された、クロック・データ・リカバリ(CDR)回路
を含む、第2の送受信機と
を備える、システム。
【請求項10】
前記CDR回路が、前記通信データのポストイコライゼーション用に前記ルックアップ・テーブルを調節するように構成される、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記CDR回路が、前記通信データのフィードフォワード・イコライゼーションを実装するために前記ルックアップ・テーブルを調節するように構成される、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記CDR回路が、前記ルックアップ・テーブルによって設定された1つ又は複数のフィードフォワード・イコライザ係数をチューニングするように構成される、請求項9に記載のシステム。
【請求項13】
前記ルックアップ・テーブルが、前記CDR回路に埋め込まれる、請求項9に記載のシステム。
【請求項14】
前記CDR回路が、前記通信データをスイッチに与えるように構成される、請求項9に記載のシステム。
【請求項15】
前記CDR回路が、前記通信データをメモリに記憶するように構成される、請求項9に記載のシステム。
【請求項16】
前記CDR回路が、前記通信データを処理装置に与えるように構成される、請求項9に記載のシステム。
【請求項17】
前記第1の送受信機が、
前記フォトダイオードによって与えられる前記電気信号を調整するように構成されたトランスインピーダンス増幅器(TIA)を含み、前記TIAが、前記第2の送受信機に通信可能に接続される、請求項9に記載のシステム。
【請求項18】
第1の送受信機の第1のクロック・データ・リカバリ(CDR)回路により、通信データに関して第1のイコライゼーション・プロセスを実施することと、
電気通信レーン及び光通信レーンを通じて前記通信データを伝送することと、
第2の送受信機の第2のCDR回路により、前記通信データに関して第2のイコライゼーション・プロセスを実施することと
含む、方法。
【請求項19】
前記第1のイコライゼーション・プロセスを前記実施することが、前記電気通信レーン及び前記光通信レーンを通じて前記通信データを前記伝送することに先立って、前記通信データのプリイコライゼーションを実施することを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第2のイコライゼーション・プロセスを前記実施することが、前記電気通信レーン及び前記光通信レーンを通じて前記通信データを前記伝送することの後に、前記通信データのポストイコライゼーションを実施することを含む、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施例は、一般に、コンピュータ・ネットワーク・システムのエンドツーエンド・リンク・チャネル用のイコライゼーションに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ・ネットワーク・システム(例えば、データ・センタのインフラストラクチャ)は、通信システム(例えば、5G通信システム)、モノのインターネット(IoT:internet of things)、人工知能(AI:artificial intelligence)などに関する技術に対する高まる需要に耐えるよう開発されている。しかしながら、コンピュータ・ネットワーク・システムの向上した性能は、一般的にはコンピュータ・ネットワーク・システムによる電力消費の増大につながる。そのため、コンピュータ・ネットワーク・システムの性能を向上させつつも、電力消費を削減することが望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の実例の実施例は、一般に、コンピュータ・ネットワーク・システムに関するイコライゼーション用のルックアップ・テーブルを有するエンドツーエンド・リンク・チャネルを提供する、システム、方法、及び装置に関する。本明細書で説明される主題のいくつかの実施例の詳細を、添付の図面及び以下の説明において述べる。主題の他の特徴、態様、及び利点は、説明、図面、及び特許請求の範囲から明らかとなろう。
【0004】
一実施例では、システムは、第1の送受信機及び第2の送受信機を含む。第1の送受信機は、クロック・データ・リカバリ(CDR:clock data recovery)回路及び第1のドライバ回路を含む。CDR回路は、通信データをスイッチから受信し、通信データのイコライゼーションに関連付けられるルックアップ・テーブルを管理するように構成される。第1のドライバ回路は、CDR回路に通信可能に接続され、通信データに関連付けられる電気信号を生成するように構成される。第2の送受信機は、第2のドライバ回路を含む。第2のドライバ回路は、第1の送受信機に通信可能に接続される。さらには、第2のドライバ回路は、電気信号を第1の送受信機から受信し、電気信号に基づいてレーザ源を変調してレーザ源により光信号を生成するように構成される。
【0005】
いくつかの実施例では、CDR回路は、通信データのプリイコライゼーション用にルックアップ・テーブルを調節するように構成される。いくつかの実施例では、CDR回路は、通信データのフィードフォワード・イコライゼーションを実装するためにルックアップ・テーブルを調節するように構成される。いくつかの実施例では、CDR回路は、ルックアップ・テーブルによって設定された1つ又は複数のフィードフォワード・イコライザ係数をチューニングするように構成される。いくつかの実施例では、ルックアップ・テーブルは、CDR回路に埋め込まれる。いくつかの実施例では、第2の送受信機は、スイッチのフロント・パネルに取り付けられる。いくつかの実施例では、レーザ源は、垂直共振器型面発光レーザである。いくつかの実施例では、レーザ源は、外部変調レーザである。
【0006】
別の実施例では、システムは、第1の送受信機及び第2の送受信機を含む。第1の送受信機は、光信号に基づいて電気信号を生成するように構成された、フォトダイオードを含む。第2の送受信機は、ドライバ回路及びCDR回路を含む。ドライバ回路は、第1の送受信機に通信可能に接続され、電気信号を第1の送受信機から受信し、電気信号に基づいて、調整された電気信号を生成するように構成される。CDR回路は、調整された電気信号に基づいて通信データを生成し、通信データのイコライゼーションに関連付けられるルックアップ・テーブルを管理するように構成される。
【0007】
いくつかの実施例では、CDR回路は、通信データのポストイコライゼーション用にルックアップ・テーブルを調節するように構成される。いくつかの実施例では、CDR回路は、通信データのフィードフォワード・イコライゼーションを実装するためにルックアップ・テーブルを調節するように構成される。いくつかの実施例では、CDR回路は、ルックアップ・テーブルによって設定された1つ又は複数のフィードフォワード・イコライザ係数をチューニングするように構成される。いくつかの実施例では、ルックアップ・テーブルは、CDR回路に埋め込まれる。いくつかの実施例では、CDR回路は、通信データをスイッチに与えるように構成される。いくつかの実施例では、CDR回路は、通信データをメモリに記憶するように構成される。いくつかの実施例では、CDR回路は、通信データを処理装置に与えるように構成される。いくつかの実施例では、第1の送受信機は、トランスインピーダンス増幅器(TIA:transimpedance amplifier)を含む。いくつかの実施例では、TIAは、フォトダイオードによって与えられる電気信号を調整するように構成される。いくつかの実施例では、TIAは、第2の送受信機に通信可能に接続される。
【0008】
さらに別の実施例では、第1の送受信機の第1のCDR回路により、通信データに関して第1のイコライゼーション・プロセスを実施する方法が提供される。方法はまた、通信データを、光通信レーンを通じて伝送することを提供する。さらには、方法は、第2の送受信機の第2のCDR回路により、通信データに関して第2のイコライゼーション・プロセスを実施することを提供する。
【0009】
いくつかの実施例では、第1のイコライゼーション・プロセスを実施することは、光通信レーンを通じて通信データを伝送することに先立って、通信データのプリイコライゼーションを実施することを含む。いくつかの実施例では、第2のイコライゼーション・プロセスを実施することは、光通信レーンを通じて通信データを伝送することの後に、通信データのポストイコライゼーションを実施することを含む。
【0010】
上の要約は、本発明のいくつかの態様の基本的な理解を与えるために、いくつかの実例の実施例を要約する目的で提供されるに過ぎない。したがって、上述の実施例は、単なる実例であり、決して本発明の範囲又は思想を狭めるように解釈されるべきではないことを諒解されたい。本発明の範囲は、ここで要約されたものに加え、その一部が以下でさらに説明される、多くの潜在的な実施例を包含することを諒解されたい。
【0011】
このように本開示を一般的な用語で説明してきたが、次に必ずしも縮尺通りではないが添付の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本開示の1つ又は複数の実施例による、エンドツーエンド・リンク・チャネルを採用する実例のコンピュータ・ネットワーク・システムの図である。
図2】本開示の1つ又は複数の実施例による、実例の送受信機の図である。
図3】本開示の1つ又は複数の実施例による、別の実例の送受信機の図である。
図4】本開示の1つ又は複数の実施例による、実例のエンドツーエンド・リンク・チャネルの図である。
図5】本開示の1つ又は複数の実施例による、実例のイコライゼーション・チャネルの図である。
図6】本開示の1つ又は複数の実施例による、実例のルックアップ・テーブルの図である。
図7】本開示の1つ又は複数の実施例による、イコライゼーション用の1つ又は複数のルックアップ・テーブルを有するエンドツーエンド・リンク・チャネルを容易にする実例の方法を図示するフローチャートである。
図8】本開示の1つ又は複数の実施例による、通信システムに埋め込まれ得る実例のコンピューティング・システムの図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以降では、すべてではないがいくつかの実施例が示されている添付の図面を参照して、実例の実施例をさらに十分に説明する。実際、実施例は、多くの異なる形態を取ることができ、本明細書で説明される実施例に限定されると解釈されてはならない。むしろ、これらの実施例は、本開示が適用可能な法的な要件を満たすよう、与えられる。全体を通じて同じ符号は同じ要素を指す。本明細書で使用され得るような「例示的な」及び「実例の」という用語は、定性的な評価を伝えるために与えられるのではなく、実例の例示を伝えるに過ぎない。故に、そのような用語の使用は、本発明の実施例の思想及び範囲を限定するものと取られるべきではない。
【0014】
高性能コンピューティング(HPC:high-performance computing)及びデータ・センタ(DC:data center)通信の分野は、大容量、低レイテンシ、低電力消費、及び小さいフットプリントの内部接続に対して、急激な需要の高まりを絶えず経験している。HPCクラスタ化、通信(例えば、5G通信など)、モノのインターネット(IoT)、人工知能(AI)、深層学習、クラウド・コンピューティング、コンピュータ・データ・ストレージ、グラフィック処理装置(GPU:Graphics processing unit)、並列処理、モバイル・システムなどの様々な応用例は、すべて大容量、低レイテンシ、低電力消費、及び小さいフットプリントの内部接続の恩恵を享受している。
【0015】
HPCシステム又はDCシステムの性能は、一般的に、限定はしないが、処理性能、1秒当たりの演算、フットプリント、電力消費などの様々なパラメータにより測定される。特に、電力消費は、通常、HPCシステム又はDCシステムの性能と非常に関連性が高い。しかしながら、数多くの技術的態様は、一般的に電力消費を考慮する必要がある。例えば、差し外し可能なデバイスの電力消費は、一般的には技術上の規格によって制限される。したがって、新しい差し外し可能なデバイスを設計する際、電力消費は一般的に、優先順位の高い設計ファクタである。さらには、例えば14G、28G、50G、100G、又は200Gなどの、特定のデータ・レートでHPCシステム又はDCシステムを設定する際、HPCシステム又はDCシステムのコンポーネントに十分に給電するために、一般的には、より多くの電力が必要とされる。
【0016】
追加的に、変調フォーマットもまた進化しており、HPCシステム又はDCシステムは、一般的に共通の変調技法としてパルス振幅変調(PAM:pulse amplitude modulation)-4を採用している。例えば、PAM-4は、おおよそ同一の帯域幅において、非ゼロ復帰(NRZ:non-return to zero)と比べて2倍の容量を提供する。しかしながら、PAM-4もまた、一般的には、複雑な基礎システム・アーキテクチャを必要とする。例えば、NRZリンクでは、受信機は、受信するレベルを決定するために2つのスライサを有する場合がある。この点において、第1のスライサは、メインの識別機(discerner)として設定することができ、第2のスライサは、信号を監視し、ビット誤り率プロファイルを生成し、第1のスライサに関して変更が必要かどうかを判断するように構成することなどが可能である。PAM-4システムでは、一般的には、4つのスライスが採用される。例えば、PAM-4システムでは、各レベルに1つのプライマリ・スライサが存在する場合があり、4番目のスライサは、監視用である。したがって、PAM-4は、一般的に基礎シリコンがより複雑となり、NRZと比べてさらなる電力を消費する。
【0017】
HPCシステム又はDCシステムでは、エンドツーエンド・リンク・チャネルは、1つ又は複数のレーザ源、1つ又は複数のフォトダイオード、1つ又は複数のトランスインピーダンス増幅器、1つ又は複数の変調器ドライバ、1つ又は複数のボンド・ワイヤ接続、1つ又は複数の光ファイバ接続などの、様々な処理ブロックから構成されてもよい。エンドツーエンド・リンクにおいて許容可能な信号の整合性を確保するために、システムはチャネルによって引き起こされる信号の歪みが、受信機若しくは送信機においてイコライゼーションを実装すること、又は送信機においてプリコーディングを実装することなどによって、適切に補償されることを確実にする必要がある。
【0018】
イコライゼーションは、フィードフォワード・イコライザ(FFE:feed-forward equalizer)により実装されてもよい。FFEは、通常、デジタルな有限インパルス応答(FIR:finite impulse response)フィルタを用いて実装される。FIRフィルタは、一般的に、それぞれが異なる重みを有するプリカーサ(pre-cursor)のタップ及びポストカーサ(post-cursor)のタップを有しており、これらはエンドツーエンド・リンクのインパルス応答の逆数と一致し、それによりそのようなリンクで伝送される信号を効果的にイコライズする。FFEイコライザは、送信機側、受信機側、又は両方の側に同時的に配置されてもよい。代替的に、判定フィードバック・イコライザ(DFE:decision-feedback equalizer)が、ポストカーサ干渉をイコライズするために受信機側に配置されてもよい。DFEは、現在の修復ビットのサンプルを得て、チャネル伝達関数の逆数を適用し、ポストカーサ干渉の量を推定し、入来信号からその量を減じることで、次のビットの適切な修復を可能にする。
【0019】
今日、スイッチなどのネットワーク・コンポーネントは、光学的で、差し外し可能なデバイスを通じてコンポーネントに接続される。例えば、スイッチ(又はエンドシステム)は、第1の送受信機を通じてフロント・パネルに接続され得る。スイッチからフロント・パネルへの接続は、一般的に電気的レーンに基づいているため、光学的レーンは、スイッチとフロント・パネルとの間には一般的に採用されない。さらには、フロント・パネル同士の間では、光学的-電気的チェーン、及び電気的-光学的チェーンを含む接続が一般的に採用される。光学的-電気的チェーン、及び/又は電気的-光学的チェーンは、一般的に、信号のイコライゼーション、信号のリタイミング、及び/又は信号の振幅調節用に構成された、多数のクロック・データ・リカバリ(CDR)回路を含む(例えば、光学的-電気的チェーン、及び/又は電気的-光学的チェーン内の、複数の送受信機におけるCDR回路)。しかしながら、多数のCDR回路を採用することは、フットプリント、レイテンシ、及び電力消費の点で、犠牲が多くなる可能性がある。さらには、多数のCDR回路を採用することは、PAM-4シグナリング・チャネルのような特定の高次のシグナリング・チャネル又は高次のシグナリング・チャネルでは、一般的にフットプリントを増大させ、レイテンシを増大させ、及び/又は電力消費を増大させる。
【0020】
故に、これらの及び/又は他の問題に対処するために、本明細書において、イコライゼーション用の1つ又は複数のルックアップ・テーブルを有するエンドツーエンド・リンク・チャネルが開示される。1つ又は複数の実施例では、コンピュータ・ネットワーク・システムの電力消費は、エンドツーエンド・リンク・チャネルにおいて1つ又は複数の処理ブロックの場所を最適化することによって低減することができる。例えば、一実施例では、コンピュータ・ネットワーク・システムの電力消費は、エンドツーエンド・リンク・チャネルにおいて1つ又は複数のCDR回路の場所を最適化することによって低減することができる。1つ又は複数の実施例では、イコライゼーションは、(例えば、エンドツーエンド・リンク・チャネルの各インターフェースにおいてではなく)エンドツーエンド・リンク・チャネルの最初と最後において実装することが可能である。1つ又は複数の実施例では、エンドツーエンド・リンク・チャネルにおいて1つ又は複数のCDR回路の場所を最適化することによって、送受信機のイコライゼーション機能が向上し、コンピュータ・ネットワーク・システム向けにエンドツーエンドの再生成フリーなリンクを提供することが可能である。1つ又は複数の実施例では、1つ又は複数のCDR回路のイコライザは、エンドツーエンド・リンク・チャネルを通じて伝送されるデータの線形及び/又は非線形特徴をイコライズするように構成されたルックアップ・テーブルに基づくことができる。1つ又は複数の実施例では、1つ又は複数のCDR回路のルックアップ・テーブルは、コンピュータ・ネットワーク・システムのリアルタイム動作の間に再設定することが可能である。
【0021】
図1は、本開示の1つ又は複数の実施例による、イコライゼーション用の1つ又は複数のルックアップ・テーブルを有するエンドツーエンド・リンク・チャネルを提供するシステム100を図示している。1つ又は複数の実施例では、システム100は、コンピュータ・ネットワーク・システムである。例えば、システム100は、HPCシステムであり得る。別の実例では、システム100は、DCシステムであり得る。システム100は、スイッチ102及びエンド・システム104を含む。スイッチ102は、例えば、Ethernet(登録商標)スイッチ、InfiniBandスイッチ、又は別のタイプのネットワーク・スイッチなどのネットワーク・スイッチであり得る。一実施例では、エンド・システム104は、別のスイッチであってもよい(例えば、別のネットワーク・スイッチ)。別の実施例では、エンド・システム104はメモリであり得る。さらに別の実施例では、エンド・システム104は、中央処理装置、グラフィック処理装置、又は別のタイプの処理装置などの処理装置であり得る。
【0022】
システム100はまた、スイッチ102とエンド・システム104との間にエンドツーエンド・リンク・チャネル106を含む。1つ又は複数の実施例では、エンドツーエンド・リンク・チャネル106は、送受信機108、送受信機110、送受信機112、及び送受信機114を含む。一実施例では、送受信機108及び送受信機114は、第1のタイプの送受信機として構成することが可能である。さらには、送受信機110及び送受信機112は、第2のタイプの送受信機として構成することが可能である。例えば、一実施例では、送受信機108及び送受信機114は、同じタイプ及び/又は数の処理ブロックを用いて構成することが可能である。さらには、送受信機110及び送受信機112は、同じタイプ及び/又は数の処理ブロックを用いて構成することが可能であり、この場合、送受信機110及び送受信機112の処理ブロックは、送受信機108及び送受信機114の処理ブロックとは異なる。1つ又は複数の実施例では、送受信機108及び送受信機114の処理ブロックは、埋め込まれたルックアップ・テーブル、ドライバ、トランスインピーダンス増幅器(TIA)を有する第1のCDR回路、及び/又は異なる埋め込まれたルックアップ・テーブルを有する第2のCDR回路を含む。1つ又は複数の実施例では、送受信機110及び送受信機112の処理ブロックは、ドライバ、レーザ源、フォトダイオード、及び/又はTIAを含むことが可能である。
【0023】
送受信機108は、スイッチ102に通信可能に接続され得る。一実施例では、送受信機108は、スイッチ102の1つ又は複数のポートに取り付ける、及びそれから取り外しするように構成された、差し外し可能な送受信機であり得る。別の実施例では、送受信機108は、スイッチ102に一体化され得る。別の実施例では、送受信機108は、スイッチ102の回路基板に一体化され得る。1つ又は複数の実施例では、送受信機108は、エンドツーエンド・リンク・チャネル106を通じてのエンド・システム104への伝送用に、スイッチ102から通信データを受信するように構成され得る。送受信機108はまた、電気通信レーン116を通じて送受信機110に通信可能に接続され得る。特定の実施例では、送受信機110は、スイッチ102のフロント・パネル118に取り付け可能である。一実施例では、送受信機110は、フロント・パネル118に一体化され得る。別の実施例では、送受信機110は、フロント・パネル118の回路基板に一体化され得る。特定の実施例では、送受信機108及び/又は送受信機110は、1つ又は複数のリムーバブル接続を通じてフロント・パネル・スイッチ102の集積回路装置に取り付け可能である。しかしながら、特定の実施例では、送受信機108及び/又は送受信機110は、スイッチ102及び/又はフロント・パネル118に関して異なる構成で実装することが可能であることを諒解されたい。送受信機110は、光通信レーン120を通じて送受信機112に通信可能に接続され得る。特定の実施例では、送受信機112は、エンド・システム104のフロント・パネル122に取り付け可能である。送受信機112は、電気通信レーン124を通じて送受信機114に通信可能に接続され得る。さらには、送受信機114は、エンド・システム104に通信可能に接続され得る。
【0024】
図2は、本開示の1つ又は複数の実施例による、実例の送受信機200のブロック図を図示している。送受信機200は、送受信機108及び/又は送受信機114に対応し得る。送受信機200は、CDR回路202、ドライバ回路204、CDR回路206、及び/又はドライバ208を含む。特定の実施例では、送受信機200は、M個のレーンに対して構成され得、ここでMは整数である。さらには、送受信機200の各レーンは、CDR回路202、ドライバ回路204、CDR回路206、及び/若しくはドライバ208を含むことが可能である、並びに/又はそれらを採用するよう構成することが可能である。特定の実施例では、送受信機200は、追加的に、CDR回路202、ドライバ回路204、CDR回路206、及び/若しくはドライバ208内に、並びに/又はそれらの間に、1つ又は複数の増幅ブロックを含むことが可能である。特定の実施例では、1つ又は複数の増幅ブロックは、信号の電圧レベルを特定の電圧レベルに調節して、CDR回路202、ドライバ回路204、CDR回路206、及び/又はドライバ208による処理を促進するように構成することが可能である。
【0025】
CDR回路202は、通信データ210のイコライゼーション、リタイミング、及び/又は振幅調節のために構成することが可能である。いくつかの実施例では、通信データ210は、1つ又は複数のビットを含むディジット信号であり得る。通信データ210は、データのバイナリ・ストリームであり得る。さらには、1つ又は複数の実施例では、通信データ210は、変調信号であり得る。例えば、一実施例では、通信データ210は、パルス振幅変調4(PAM-4)信号であり得る。別の実施例では、通信データ210はPAM-8信号であり得る。別の実施例では、通信データ210はPAM-N信号であり得、ここでNは整数である。別の実施例では、通信データ210は、NRZ信号であり得る。別の実施例では、通信データ210はポリバイナリ信号であり得る。別の実施例では、通信データ210はデュオバイナリ信号であり得る。しかしながら、特定の実施例では、通信データ210は、様々なタイプの信号として構成され得ることを諒解されたい。1つ又は複数の実施例では、CDR回路202は、通信データ210の線形及び/又は非線形特徴をイコライズするように構成されたルックアップ・テーブル203に基づいて、通信データ210のイコライゼーションを実施することができる。さらには、1つ又は複数の実施例では、CDR回路202は、通信データ210のイコライゼーションに関連付けられるルックアップ・テーブル203を管理するように構成することが可能である。例えば、特定の実施例では、CDR回路202は、通信データ210のプリイコライゼーション用に(例えば、通信データ210が光通信レーンを通じて伝送される前に)ルックアップ・テーブル203を調節するように構成することが可能である。特定の実施例における、別の実例では、CDR回路202は、通信データ210のフィードフォワード・イコライゼーションを実装するためにルックアップ・テーブル203を調節するように構成することが可能である。特定の実施例では、CDR回路202は、ルックアップ・テーブル203によって設定された1つ又は複数のフィードフォワード・イコライザ係数をチューニングするように構成され得る。1つ又は複数の実施例では、ルックアップ・テーブル203は、CDR回路202に埋め込まれる。
【0026】
1つ又は複数の実施例では、CDR回路202は、スイッチ102からエンド・システム104に向けてイコライズするように構成することが可能である。例えば、1つ又は複数の実施例では、CDR回路202は、エンドツーエンド・リンク・チャネル106をスイッチ102からエンド・システム104に向けてイコライズするために、伝達関数(例えば、チャネル伝達関数)を用いて構成することが可能である。1つ又は複数の実施例では、CDR回路202は、スイッチ102からエンド・システム104に向けてのエンドツーエンド・リンク・チャネル106のプリイコライゼーション用に構成することが可能である。特定の実施例では、CDR回路202によって実現されるプリイコライゼーションの度合いは、CDR回路202のチューニング・メカニズムの構成に基づいて決定され得る。追加的に、又は代替的に、特定の実施例では、CDR回路202によって実現されるプリイコライゼーションの度合いは、ルックアップ・テーブル203(例えば、ルックアップ・テーブル203のタップ数、ルックアップ・テーブル203のプリタップ数、ルックアップ・テーブル203のポストタップ数など)に基づいて決定され得る。
【0027】
いくつかの実施例では、CDR回路202は、ルックアップ・テーブル203を校正するように構成することが可能である。ルックアップ・テーブル203は、1つ又は複数の入力値を、ある出力値にマッピングするように構成することが可能である。いくつかの実施例では、ルックアップ・テーブル203は、CDR回路202に埋め込まれ、CDR回路202によって制御される、ハードウェアベースのルックアップ・テーブル回路である。例えば、ルックアップ・テーブル203は、1つ若しくは複数のハードウェア・ゲート、1つ若しくは複数のハードウェア・ラッチ、1つ若しくは複数のハードウェア・リレー、及び/又は1つ若しくは複数のハードウェア・コンポーネントを含むことが可能である。一実施例では、CDR回路202は、ルックアップ・テーブル203の1つ又は複数の遷移をチューニングすることが可能である。ルックアップ・テーブル203の遷移は、開始状態と終了状態を含むことが可能である。追加的に、特定の実施例では、ルックアップ・テーブル203のハードウェア・コンポーネントは、対応する遷移に関連付けられ得る。例えば、特定の実施例では、ルックアップ・テーブル203の遷移は、1つ若しくは複数の内部接続、及び/又は1つ若しくは複数のハードウェア・コンポーネントを含むことが可能である。別の実施例では、ルックアップ・テーブル203の1つ又は複数のハードウェア・コンポーネントの重みは、CDR回路202によってチューニングすることが可能である。特定の実施例では、ルックアップ・テーブル202の1つ又は複数のハードウェア・コンポーネントの重みは、通信データ210が規定の品質基準を満たすまで繰り返しチューニングすることが可能である。例えば、特定の実施例では、ルックアップ・テーブル202の1つ又は複数のハードウェア・コンポーネントの重みは、通信データ210が規定の光通信品質基準を満たすまで繰り返しチューニングすることが可能である。
【0028】
いくつかの実施例では、CDR回路202及び/又はドライバ回路204は、ルックアップ・テーブル203を利用して電気信号212を生成することが可能である。いくつかの実施例では、ルックアップ・テーブル203は、イコライゼーションだけを実施するように構成されてもよい。例えば、いくつかの実施例では、ルックアップ・テーブル203はまた、(イコライゼーションを考慮するように、ルックアップ・テーブル値を調節することなどによって)通信データ210のイコライゼーションを考慮するように構成されてもよい。イコライゼーションに関するいくつかの実施例では、ルックアップ・テーブル203の入力値は、イコライゼーション・ファクタを含む所望の出力値に一致するよう重み付けすることが可能である。ルックアップ・テーブル203は、場合によっては、追加的に、又は代替的に、Costaプリコーディング、Tomlinson-Harashimaプリコーディング、Gray符号化などの様々な符号化を実装するために使用することが可能である。いくつかの実施例では、シンボル持続時間、振幅、又は他の信号パラメータなどの通信データ210の1つ又は複数の信号パラメータは、ルックアップ・テーブル203に基づいて調節される。符号化に関する別の実施例では、ルックアップ・テーブル203の入力値は、符号化に関連するデジタル値に基づいて重み付けすることが可能である。例えば、特定の実施例では、ルックアップ・テーブル203の入力値は、Costaプリコーディングに関連付けられるデジタル値、Tomlinson-Harashimaプリコーディングに関連付けられるデジタル値、又はGray符号化に関連付けられるデジタル値に基づいて重み付けすることが可能である。
【0029】
ドライバ回路204は、通信データ210を、電気通信レーン(例えば、電気通信レーン116又は電気通信レーン124)を通じた伝送用に、電気信号212に変換するように構成することが可能である。例えば、ドライバ回路204は、CDR回路202に通信可能に接続され得る。さらには、ドライバ回路204は、通信データ210に関連付けられる電気信号212を生成するように構成することが可能である。特定の実施例では、ドライバ回路204は、通信データ210に基づいて差動出力電圧及び/又は増幅された出力電圧を生成して、電気信号212の伝送を容易にするように、及び/又はエンドツーエンド・リンク・チャネル106を通じて光源の変調を容易にするように構成することが可能である。例えば、特定の実施例では、ドライバ回路204は、差動ドライバ回路であり得る。別の実例では、ドライバ回路204は、増幅回路(例えば、シングルエンド式の増幅回路)であり得る。送受信機200が送受信機108に対応する一実施例では、通信データ210は、スイッチ102によって提供され得る。さらには、この実施例では、電気信号212は、電気通信レーン116を通じて伝送することが可能である。
【0030】
ドライバ208は、CDR回路206用に、電気信号214を、調整された電気信号(例えば、増幅された電気信号)に、構成、調整、及び/又は増幅されるように構成することが可能である。例えば、ドライバ208は、CDR回路206用に、差動出力電圧及び/又は増幅された出力電圧を(例えば、電気信号214に基づいて)生成するように構成することが可能である。特定の実施例では、ドライバ208は、電気信号214の利得制御を提供するように構成することが可能である。特定の実施例では、ドライバ回路208は、差動ドライバ回路であり得る。特定の実施例では、ドライバ回路208は、増幅回路(例えば、シングルエンド式の増幅回路)であり得る。特定の実施例では、ドライバ回路208は、コンディショニング回路であり得る。
【0031】
CDR回路206は、通信データ216を提供するために、イコライゼーション、リタイミング、及び/又は振幅調節用に構成することが可能である。1つ又は複数の実施例では、CDR回路206は、通信データ216の線形及び/又は非線形特徴をイコライズするように構成されたルックアップ・テーブル207に基づいて、通信データ216用のイコライゼーションを実施することができる。さらには、1つ又は複数の実施例では、CDR回路206は、通信データ216のイコライゼーションに関連付けられるルックアップ・テーブル207を管理するように構成することが可能である。例えば、特定の実施例では、CDR回路206は、通信データ216のポストイコライゼーション用に(例えば、電気信号215が光通信レーンを通じて伝送された光信号に基づいて生成された後に)ルックアップ・テーブル207を調節するように設定可能である。別の実例では、特定の実施例では、CDR回路206は、通信データ216のフィードフォワード・イコライゼーションを実装するためにルックアップ・テーブル207を調節するように構成することが可能である。特定の実施例では、CDR回路207は、ルックアップ・テーブル206によって設定された1つ又は複数のフィードフォワード・イコライザ係数をチューニングするように構成され得る。1つ又は複数の実施例では、ルックアップ・テーブル207は、CDR回路206に埋め込まれる。送受信機200が送受信機114に対応する一実施例では、電気信号214は、電気通信レーン124を通じて送受信機112によって提供され得る。さらには、この実施例では、通信データ216は、エンド・システム104に与えられることが可能である。1つ又は複数の実施例では、エンド・システム104に与えられる通信データ216の値は、スイッチ102によって与えられる通信データ210の値に対応することが可能である。
【0032】
1つ又は複数の実施例では、CDR回路206は、エンド・システム104からスイッチ102に向けてイコライズするように構成することが可能である。例えば、1つ又は複数の実施例では、CDR回路206は、エンドツーエンド・リンク・チャネル106をエンド・システム104からスイッチに向けてイコライズするために、伝達関数(例えば、チャネル伝達関数)を用いて構成することが可能である。一実施例では、CDR回路206の伝達関数は、CDR回路202の伝達関数とは異なっていてもよい。一実施例では、CDR回路206の伝達関数は、CDR回路202の伝達関数とおおよそ等しくてもよい。1つ又は複数の実施例では、CDR回路206は、エンド・システム104からスイッチ102に向けてのエンドツーエンド・リンク・チャネル106のポストイコライゼーション用に構成されてもよい。特定の実施例では、CDR回路206によって実現されるプリイコライゼーションの度合いは、CDR回路206のチューニング・メカニズムの構成に基づいて決定され得る。例えば、CDR回路206のチューニング・メカニズムは、CDR回路202のチューニング・メカニズムとは異なるように構成することができる。追加的に、又は代替的に、特定の実施例では、CDR回路206によって実現されるプリイコライゼーションの度合いは、ルックアップ・テーブル207(例えば、ルックアップ・テーブル207のタップ数、ルックアップ・テーブル207のプリタップ数、ルックアップ・テーブル207のポストタップ数など)に基づいて決定され得る。特定の実施例では、ルックアップ・テーブル207のタップ数及び/又はタップのタイプは、ルックアップ・テーブル203のタップ数及び/又はタップのタイプとは異なっていてもよい。
【0033】
いくつかの実施例では、CDR回路206は、ルックアップ・テーブル207を校正するように構成することが可能である。ルックアップ・テーブル207は、1つ又は複数の入力値を、ある出力値にマッピングするように構成することが可能である。いくつかの実施例では、ルックアップ・テーブル207は、CDR回路206に埋め込まれ、CDR回路206によって制御される、ハードウェアベースのルックアップ・テーブル回路である。例えば、ルックアップ・テーブル207は、1つ若しくは複数のハードウェア・ゲート、1つ若しくは複数のハードウェア・ラッチ、1つ若しくは複数のハードウェア・リレー、及び/又は1つ若しくは複数のハードウェア・コンポーネントを含むことが可能である。一実施例では、CDR回路206は、ルックアップ・テーブル207の1つ又は複数の遷移をチューニングすることが可能である。ルックアップ・テーブル207の遷移は、開始状態と終了状態を含むことが可能である。追加的に、特定の実施例では、ルックアップ・テーブル207のハードウェア・コンポーネントは、対応する遷移に関連付けられ得る。例えば、特定の実施例では、ルックアップ・テーブル207の遷移は、1つ若しくは複数の内部接続、及び/又は1つ若しくは複数のハードウェア・コンポーネントを含むことが可能である。別の実施例では、ルックアップ・テーブル207の1つ又は複数のハードウェア・コンポーネントの重みは、CDR回路206によってチューニングすることが可能である。例えば、ルックアップ・テーブル207の1つ又は複数のハードウェア・コンポーネントの重みは、通信データ216が規定の品質基準を満たすまで繰り返しチューニングすることが可能である。
【0034】
いくつかの実施例では、CDR回路206は、ルックアップ・テーブル207を利用して、電気信号214に基づいて通信データ216を生成することが可能である。いくつかの実施例では、ルックアップ・テーブル207は、イコライゼーションを実施するように構成されてもよい。例えば、いくつかの実施例では、ルックアップ・テーブル207はまた、(イコライゼーションを考慮するように、ルックアップ・テーブル値を調節することなどによって)通信データ216のイコライゼーションを考慮するように構成されてもよい。イコライゼーションに関するいくつかの実施例では、ルックアップ・テーブル207の入力値は、イコライゼーション・ファクタを含む所望の出力値に一致するよう重み付けすることが可能である。ルックアップ・テーブル207は、場合によっては、追加的に、又は代替的に、Costaプリコーディング、Tomlinson-Harashimaプリコーディング、Gray符号化などの様々な符号化を実装するために使用することが可能である。いくつかの実施例では、シンボル持続時間、振幅、又は他の信号パラメータなどの通信データ216の1つ又は複数の信号パラメータは、ルックアップ・テーブル207に基づいて調節される。符号化に関する別の実施例では、ルックアップ・テーブル207の入力値は、符号化に関連するデジタル値に基づいて重み付けすることが可能である。例えば、特定の実施例では、ルックアップ・テーブル207の入力値は、Costaプリコーディングに関連付けられるデジタル値、Tomlinson-Harashimaプリコーディングに関連付けられるデジタル値、又はGray符号化に関連付けられるデジタル値に基づいて重み付けすることが可能である。
【0035】
図3は、本開示の1つ又は複数の実施例による、実例の送受信機300のブロック図を図示している。送受信機300は、送受信機110及び/又は送受信機112に対応し得る。送受信機300は、ドライバ回路302、レーザ源回路304、TIA306、及び/又はフォトダイオード308を含む。特定の実施例では、送受信機300は、M個のレーンに対して構成され得、ここでMは整数である。さらには、送受信機300の各レーンは、ドライバ回路302、レーザ源304、TIA306、及び/若しくはフォトダイオード308を含むことが可能である、並びに/又はそれらを採用するよう構成することが可能である。
【0036】
ドライバ回路302は、送受信機(例えば、送受信機200)に通信可能に接続され得る。例えば、ドライバ回路302は、電気通信レーン(例えば、電気通信レーン116又は電気通信レーン124)を通じてドライバ回路204に通信可能に接続され得る。さらには、ドライバ回路302は、電気信号310を受信することが可能である。一実施例では、電気信号310は、ドライバ回路204によって与えられる電気信号212に対応し得る。1つ又は複数の実施例では、ドライバ回路302は、電気信号310に基づいてレーザ源304を変調して、レーザ源304により光信号312を生成するように構成することが可能である。光信号312は、光通信レーン120を通じて伝送することが可能である。送受信機300が送受信機110に対応する一実施例では、電気信号310は、送受信機108によって提供され得る。さらには、この実施例では、光信号312は、光通信レーン120を通じて送受信機112に伝送することが可能である。
【0037】
レーザ源304は、1つ又は複数の光源を含むことが可能である。例えば、1つ又は複数の実施例では、レーザ源304は、少なくとも1つの垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL:vertical cavity surface emitting laser)、少なくとも1つの外部変調レーザ(EML:externally modulated laser)、及び/又は少なくとも1つの電界吸収変調器若しくは直接変調レーザ(DML:directly modulated laser)を含むことが可能である。1つ又は複数の実施例では、レーザ源304は、光信号312の通信を促進するように構成することが可能である。一実施例では、レーザ源304は、光信号312を発するように構成することが可能である。光信号312は、例えば、光通信レーン120を通じる伝送用の通信データに関連付けられる光信号であり得る。例えば、1つ又は複数の実施例では、光信号312は、10G、25G、40G、50G、100G、200G、400G又は別のデータ速度で、光通信レーン120を通じてデータを伝送する、電磁信号であり得る。1つ又は複数の実施例では、レーザ源304は、特定の波長(例えば、850nm又は別の波長)で光信号312を発することが可能である。
【0038】
特定の実施例では、レーザ源304は、レーザ源304の上面に対して垂直に光信号312を発する半導体レーザ・ダイオードである。例えば、1つ又は複数の実施例では、レーザ源304は、光信号用のレーザ光の生成を促進するために、ウエハ表面に平行な一組のミラー(例えば、一組の分布ブラッグ反射ミラー)、1つ若しくは複数の酸化物層、利得領域、及び/又はレーザ空洞(例えば、アクティブ領域)を含むことが可能である。1つ又は複数の実施例では、レーザ源304の一組のミラー(例えば、一組の分布ブラッグ反射ミラー)は、光信号用のレーザ光の生成を促進するために、高屈折率と低屈折率が交互する一組の層を含むことが可能である。非限定的な実例では、レーザ源304は、4xファイバ・チャネルのデータ・リンクに関連付けることが可能である。特定の実施例では、光信号312の光路は、光通信レーン120を通じて光信号312の伝送を促進するためのミラーを含むことが可能である。例えば、1つ又は複数の実施例では、ミラーは、光信号312を光通信レーン120にリダイレクトする及び/又は案内する光路素子(例えば、反射面)であり得る。1つ又は複数の実施例では、光通信レーン120は、赤外光のパルスを伝送する1つ又は複数の光ファイバ(例えば、1つ又は複数の透明な光ファイバ接続、1つ又は複数の光ファイバ線など)であり得る。一実施例では、光通信レーン120は、光信号の伝送用の第1の光ファイバ線、及び光信号の受信用の第2の光ファイバ線を含むことが可能である。
【0039】
フォトダイオード308は、光信号314に基づいて電気信号を生成するように構成することが可能である。送受信機300が送受信機112に対応する実施例では、光信号314は、送受信機110のレーザ源304によって与えられる光信号312に対応し得る。1つ又は複数の実施例では、光信号314に基づいてフォトダイオード308によって生成された電気信号は、TIA306によって電気信号316に変換される、電流信号であり得る。例えば、TIA306は、フォトダイオード308によって生成された電気信号に関連付けられる電流を、電気信号316により表される差動電圧に変換するように構成することが可能である。送受信機300が送受信機112に対応する一実施例では、電気信号316は、電気通信レーン124を通じて送受信機114に提供され得る。さらには、送受信機300が送受信機112に対応する実施例では、電気信号316は、ドライバ208によって受信される電気信号214に対応し得る。
【0040】
図4は、本開示の1つ又は複数の実施例による、エンドツーエンド・リンク・チャネル106の実例のブロック図を図示している。例えば、図4に図示されるエンドツーエンド・リンク・チャネル106は、スイッチ102とエンド・システム104との間の、実例のエンドツーエンド・リンク・チャネルであり得る。1つ又は複数の実施例では、エンドツーエンド・リンク・チャネル106の処理ブロックのチェーンは、送受信機108のCDR回路202及びドライバ回路204、送受信機110のドライバ回路302及びレーザ源304、送受信機112のフォトダイオード308及びTIA306、並びに送受信機114のドライバ208及びCDR回路206を含み、スイッチ102とエンド・システム104との間の通信データの伝送を容易にしている。そのようにして、スイッチとエンド・システムとの間により多数の処理ブロック(例えば、より多数のCDR回路)を有する処理ブロックの従来的なチェーンと比較して、エンドツーエンド・リンク・チャネル106は、通信データの伝送に関して、レイテンシ及び電力消費の低減を実現することが可能である。
【0041】
図5は、本開示の1つ又は複数の実施例による、エンドツーエンド・リンク・チャネル106によって提供されるイコライゼーション・チャネル500の実例のブロック図を図示している。例えば、1つ又は複数の実施例では、エンドツーエンド・リンク・チャネル106の処理ブロックのチェーンは、送受信機108のCDR回路202及びドライバ回路204、送受信機110のドライバ回路302及びレーザ源304、送受信機112のフォトダイオード308及びTIA306、並びに送受信機114のドライバ208及びCDR回路206を含み、スイッチ102とエンド・システム104との間の通信データの伝送を容易にしている。したがって、エンドツーエンド・リンク・チャネル106は、送受信機108のドライバ回路204、送受信機110のドライバ回路302及びレーザ源304、送受信機112のフォトダイオード308及びTIA306、並びに送受信機114のドライバ208に関連付けられる、単一のイコライゼーション・チャネル(例えば、イコライゼーション・チャネル500)を提供することができる
【0042】
従来、スイッチとエンド・システムとの間のエンドツーエンド・リンク・チャネルは、従来的なエンドツーエンド・リンク・チャネルが、イコライゼーションを必要とする3つ以上の異なるチャネルを含むように、処理コンポーネント間の中間的なインターフェースにおいて、2つ以上の追加的なCDR回路を利用する。したがって、一般的に各CDR回路は、個々のチャネルをイコライズするのに最適なポイントを判断するように構成され、エンドツーエンド・リンク・チャネルに追加的な電力の利用及び/又は追加的なレイテンシをもたらすため、従来的なエンドツーエンド・リンク・チャネルは、一般的に望ましくないオーバヘッドをもたらす。
【0043】
そのため、エンドツーエンド・リンク・チャネル106は2つのCDR回路しか含まないため、エンドツーエンド・リンク・チャネル106は、従来的なエンドツーエンド・リンク・チャネルと比較して、単一のチャネルまで低減される。エンドツーエンド・リンク・チャネル106では、CDR回路202は、ルックアップ・テーブル203がプリイコライゼーション用に最適なフィードフォワード・イコライザタップ値を有するよう調節することが可能である。さらには、CDR回路206は、ポストイコライゼーション用に最適なFFEタップ値を有するようにルックアップ・テーブル207を調節することが可能である。特定の実施例では、CDR回路206は、通信データの信号品質をさらに改善するために、判定フィードバック・イコライザをさらに実装することが可能である。エンドツーエンド・リンク・チャネル106を採用することによりイコライゼーション・チャネルを削減することはまた、処理の複雑さを劇的に低減する。さらには、エンドツーエンド・リンク・チャネル106は、従来的なエンドツーエンド・リンク・チャネルと比較して、改善されたイコライゼーションを実現することが可能である。加えて、CDR回路202及びCDR回路206は、ルックアップ・テーブルに基づいているため、信号対ノイズ比をさらに改善するために、もたらされるオーバヘッドを無視できるかオーバヘッドがない、1つ又は複数の符号化技法(例えば、Tomlinson-Harashimaプリコーディング、Costaプリコーディング、Gray符号化など)を、実装することが可能である。
【0044】
図6は、2つの入力シンボルを伴う実例のルックアップ・テーブル600を図示している。2つの入力シンボルである、メイン・シンボルNとプリカーサは、それぞれ最下位ビット及び最上位ビット、並びにMビットの出力を含む。ルックアップ・テーブル600は、異なる数のプリカーサ・シンボル及びポストカーサ・シンボルを伴う2つ以上の入力シンボルを有する場合があることを諒解されたい。Mビットは、デジタル-アナログ変換器への入力として使用してもよい。一実施例では、ルックアップ・テーブル600は、ルックアップ・テーブル203及び/又はルックアップ・テーブル207に対応し得る。
【0045】
以下では、本開示の実施例を、ブロック図及びフローチャート図を参照して説明する。故に、ブロック図及びフローチャート図の各ブロックは、実行用のコンピュータ可読記憶媒体上で命令、動作、ステップ、及び互換的に使用される類似の語句(例えば、実行可能命令、実行用命令、プログラム・コードなど)を遂行する、コンピュータ・プログラム製品、全体的にハードウェアの実施例、ハードウェアとコンピュータ・プログラム製品との組合せ、及び/又は装置、システム、コンピューティング・デバイス/エンティティ、コンピューティング・エンティティなどの形態で実装されてもよいことを理解されたい。例えば、1つの命令が一度に取り出され、ロードされ、及び実行されるように、コードの取り出し、ロード、及び実行は、順次に実施されてもよい。いくつかの実例の実施例では、複数の命令が、一緒に取り出し、ロード、及び/又は実行されるように、取り出し、ロード、及び/又は実行は、並列的に実施されてもよい。故に、そのような実施例は、ブロック図及びフローチャート図で指定されるステップ又は動作を実施する具体的に構成されたマシンを作り出すことが可能である。それにより、ブロック図及びフローチャート図は、指定された命令、動作、又はステップを実施するために様々な組合せの実施例をサポートする。
【0046】
図7は、本開示の1つ又は複数の実施例によるイコライゼーション用の1つ又は複数のルックアップ・テーブルを有するエンドツーエンド・リンク・チャネルを容易にする実例の方法700を図示するフローチャートである。フローチャートの各ブロック、フローチャートのブロックの組合せは、様々な手段により実装され得ることを理解されたい。いくつかの実例の実施例では、本明細書における動作のうちの特定の動作は、調整され得るか、以下で述べるように、さらに増幅され得る。さらには、いくつかの実施例では、追加的な任意選択の動作がまた含まれ得る。本明細書で説明される調整、任意選択の追加、又は増幅のそれぞれは、単独で、又は本明細書で説明される特徴のうちの任意の他のものと組合せとして、本明細書の動作と併せて含まれ得ることを諒解されたい。図7に図示される動作は、例えば、ネットワーク・インターフェース・モジュールに埋め込まれた実例のコンピューティング・システム800(図8に示される)、送受信機(例えば、送受信機108、送受信機110、送受信機112、送受信機114、送受信機200、及び/又は送受信機300)、レーザ源(例えば、レーザ源304)、及び/又は集積回路によって実施され得る。いくつかの実施例では、コンピューティング・システム800は、ネットワーク・インターフェース・モジュールに埋め込まれたファームウェア・コンピューティング・システム、送受信機(例えば、送受信機108、送受信機110、送受信機112、送受信機114、送受信機200、及び/又は送受信機300)、レーザ源(例えば、レーザ源304)、及び/又は集積回路であり得る。1つ又は複数の実施例では、図7に図示される動作のうちの1つ又は複数は、例えば、ネットワーク・インターフェース・モジュール、送受信機(例えば、送受信機108、送受信機110、送受信機112、送受信機114、送受信機200、及び/又は送受信機300)、レーザ源(例えば、レーザ源304)、及び/又は集積回路によって実施され得る。1つ又は複数の実施例では、動作702において、コンピューティング・システム800は、第1の送受信機の第1のクロック・データ・リカバリ(CDR)回路により、通信データに関して第1のイコライゼーション・プロセスを実施する。1つ又は複数の実施例では、動作704において、コンピューティング・システム800は、電気通信レーン及び光通信レーンを通じて、通信データを伝送する。1つ又は複数の実施例では、動作706において、コンピューティング・システム800は、第2の送受信機の第2のCDR回路により、通信データに関して第2のイコライゼーション・プロセスを実施する。いくつかの実施例では、第1のイコライゼーション・プロセスを実施することは、電気通信レーン及び光通信レーンを通じて通信データを伝送することに先立って、通信データのプリイコライゼーションを実施することを含む。いくつかの実施例では、第2のイコライゼーション・プロセスを実施することは、電気通信レーン及び光通信レーンを通じて通信データを伝送することの後に、通信データのポストイコライゼーションを実施することを含む。
【0047】
図8は、コンピュータ・ネットワーク・システムに埋め込まれ得るコンピューティング・システム800を図示している。場合によっては、コンピューティング・システム800は、ネットワーク・インターフェース・モジュール(例えば、QSFPネットワーク・インターフェース・モジュール、光学送受信機モジュールなど)に関連付けられる1つ又は複数の回路モジュールに通信可能に接続され、それらを制御するように構成された、ファームウェア・コンピューティング・システムであってもよい。例えば、コンピューティング・システム800は、ネットワーク・インターフェース・モジュール、送受信機(例えば、送受信機108、送受信機110、送受信機112、送受信機114、送受信機200、及び/又は送受信機300)、レーザ源(例えば、レーザ源304)、及び/又は集積回路など、1つ又は複数の回路モジュールに通信可能に接続されたファームウェア・コンピューティング・システム及び/又はコントローラ・コンピューティング・システムであってもよい。コンピューティング・システム800は、プロセッサ810、メモリ回路820、及び通信回路830を含むか、そうでなければそれらと通信状態にあってもよい。いくつかの実施例では、プロセッサ810(マルチプロセッサ若しくはコプロセッサ、又はプロセッサに関連付けられるあらゆる他の処理回路を含み得る)は、メモリ回路820と通信状態にあってもよい。メモリ回路820は、非一時的なメモリ回路を含んでもよく、1つ又は複数の揮発性メモリ及び/又は不揮発性メモリを含んでもよい。いくつかの実例では、メモリ回路820は、プロセッサ810により取り出し可能であり得るデータを記憶するように構成された電子的記憶デバイス(例えば、コンピュータ可読記憶媒体)であってもよい。いくつかの実例では、メモリ820に記憶されるデータは、装置が、本明細書で説明される本発明の実施例にしたがって、様々な機能又は方法を遂行できるようにする、通信プロトコル・データなどを含んでもよい。
【0048】
いくつかの実例では、プロセッサ810は、多数の異なる方法で具体化され得る。例えば、プロセッサは、マイクロプロセッサ、コプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:digital signal processor)、CPU、GPU、コントローラ、又はDSPが付属する若しくは付属していない処理要素など、様々なハードウェア処理手段のうちの1つ又は複数として具体化されてもよい。プロセッサ810はまた、様々な他の処理回路として具体化されてもよく、例えば、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA:field programmable gate array)、マイクロコントローラ・ユニット(MCU:microcontroller unit)、特定用途向け集積回路(ASIC:application specific integrated circuit)、ハードウェア・アクセラレータ、又は専用電子チップなどの集積回路が挙げられる。さらには、いくつかの実施例では、プロセッサは、独立的に実行するように構成された1つ又は複数の処理コアを含んでもよい。マルチコアのプロセッサは、単一の物理的なパッケージ内で、マルチプロセッシングを可能にできる。追加的に、又は代替的に、プロセッサは、命令の独立的な実行、パイプライン処理、及び/又はマルチスレッド化を可能にするために、バスを介して連携して構成された1つ又は複数のプロセッサを含んでもよい。いくつかの実施例では、プロセッサ810は、マイクロプロセッサである。
【0049】
実例の実施例では、プロセッサ810は、メモリ回路820に記憶された、又はそうでなければプロセッサ810がアクセス可能である、コンピュータ・プログラム・コード又は命令などの命令を実行するように構成されてもよい。代替的に、又は追加的に、プロセッサ810は、ハードコーディングされた機能性を実行するように構成されてもよい。そのため、ハードウェア命令又はソフトウェア命令によって構成されているか、それともその組合せによって構成されているかに関わらず、プロセッサ810は、本明細書で説明される本発明の実施例にしたがって、動作を実施するように構成されたコンピューティング・エンティティを表すことができる(例えば、物理的に回路として具体化される)。例えば、プロセッサ810が、ASIC、FPGA、又は類似物として具体化される場合、プロセッサは、本発明の実施例の動作を行なうためにハードウェアとして構成される場合がある。代替的に、プロセッサ810がソフトウェア又はコンピュータ・プログラム命令を実行するために具体化される場合、命令は、命令実行時に本明細書で説明されるアルゴリズム及び/又は演算を実施するために、具体的にプロセッサ810を構成してもよい。しかしながら、場合によっては、プロセッサ810は、本明細書で説明されるアルゴリズム及び/又は演算を実施するための命令を用いたプロセッサのさらなる構成により、本発明の実施例を採用するように具体的に構成されたデバイス(例えば、モバイル端末又は固定のコンピューティング・デバイス)のプロセッサであり得る。プロセッサ810は、とりわけ、プロセッサ810の演算をサポートするように構成された、クロック、算術論理ユニット(ALU:arithmetic logic unit)、及び論理ゲートをさらに含んでもよい。
【0050】
コンピューティング・システム800はまた、任意選択的に、通信回路830を含んでもよい。通信回路は、コンピューティング・システム800と通信しているネットワーク及び/又はあらゆる他のデバイス若しくはモジュールと、データの受信及び/又は伝送をするように構成された、ハードウェア、又はハードウェアとソフトウェアとの組合せのいずれかとして具体化された、あらゆる手段であり得る。この点で、通信インターフェースは、例えば、通信を可能にするためのハードウェア及び/又はソフトウェアをサポートすることを含み得る。そのように、例えば、通信回路830は、ケーブル、ユニバーサル・シリアル・バス(USB:universal serial bus)、集積回路受信機、又は他のメカニズムによって通信をサポートするための、通信モデム及び/又は他のハードウェア/ソフトウェアを含む場合がある。
【0051】
前述の説明及び関連する図面において提示された教示の恩恵を受ける、これらの発明が関係する当業者には、本明細書で説明された本発明の多くの修正形態及び他の実施例が思い浮かぶものである。したがって、本発明は、開示された具体的な実施例に限定されず、修正形態及び他の実施例が、添付の特許請求の範囲の範囲に含まれるよう意図されていることを理解されたい。さらには、前述の説明及び関連する図面は、要素及び/又は機能の特定の実例の組合せのコンテキストで実例の実施例を説明するが、要素及び/又は機能の異なる組合せが、代替的な実施例により添付の特許請求の範囲の範囲を逸脱することなく、提供されてもよいことを諒解されたい。この点において、例えば、上で明示的に説明したものとは異なる要素及び/又は機能の組合せがまた、添付の特許請求の範囲の一部で説明され得るように、企図される。本明細書では具体的な用語が用いられるが、これらの用語は、限定の目的ではなく、単に一般的で説明的な意味で用いられる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【外国語明細書】