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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022164580
(43)【公開日】2022-10-27
(54)【発明の名称】釣糸の結び目形成用挟持器具
(51)【国際特許分類】
   A01K 91/03 20060101AFI20221020BHJP
【FI】
A01K91/03 Z
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022049651
(22)【出願日】2022-03-25
(31)【優先権主張番号】10-2021-0049959
(32)【優先日】2021-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】522120428
【氏名又は名称】モネックスコーリア カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョ,ヨン クン
(57)【要約】
【課題】釣り仕掛けの道糸とハリスを結束する過程で、最小限で巻き取っても、滑りが発生せず、しかも、釣糸の出入りによる耐久性弱化も防止することができる釣糸の結び目形成用挟持器具を提供する。
【解決手段】第1の円板21と第2の円板26の間に空間部を形成し、空間部に連通する円筒部25を備える本体20と、本体20の空間部に一対で装着され、誘導面32と対向面33を形成する外リング30と、本体20の円筒部25に、対向面33と連通するように装着される内リング40と、を含むことを特徴とする。
これにより、釣糸を最小限で巻き取っても、滑りが発生せず、しかも、釣糸の出入りに鑑みた耐磨耗性で耐久性が向上し、結束姿勢の自由な変動が可能で、便宜性を高めるという効果がある。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
釣糸間の結び目を形成するための挟持器具であって、
第1の円板(21)と第2の円板(26)の間に空間部を形成し、
空間部に連通する円筒部(25)を備える本体(20)と、
前記本体(20)の空間部に一対で装着され、誘導面(32)と対向面(33)を形成する外リング(30)と、
前記本体(20)の前記円筒部(25)に、前記対向面(33)と連通するように装着される内リング(40)と、を含むことを特徴とする釣糸の結び目形成用挟持器具。
【請求項2】
前記本体(20)は、一側の雌螺旋部(22)と他側の雄螺旋部(27)で噛合され、前記円筒部(25)の外面に凹溝部(23)を備えることを特徴とする請求項1に記載の釣糸の結び目形成用挟持器具。
【請求項3】
前記外リング(30)は、前記本体(20)に螺旋で噛合される調節リング(35)により、前記対向面(33)の押圧力を変えることを特徴とする請求項1に記載の釣糸の結び目形成用挟持器具。
【請求項4】
前記外リング(30)は、前記対向面(33)に波形部(37)を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の釣糸の結び目形成用挟持器具。
【請求項5】
前記内リング(40)は、密着面(41)と凹溝面(43)の物性に差をつけて構成し、その間に弾性片(45)を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の釣糸の結び目形成用挟持器具。
【請求項6】
前記本体(20)は、前記第1の円板(21)の前記円筒部(25)を用いて、前記第2の円板(26)を接合部(28)上に結合し、前記外リング(30)と噛合して、半径方向の揺動を拘束する凹凸部(29)を備えることを特徴とする請求項1に記載の釣糸の結び目形成用挟持器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、釣糸の結び目形成器具に係り、より具体的には、釣り仕掛けの道糸とハリスを結束する過程にかかる釣糸の結び目形成用挟持器具に関する。
【背景技術】
【0002】
世界的に釣りに関する人気が高くなることで、釣り用具に関する需要も増加しているのに対し、国内市場の規模が、米国や日本は勿論のこと、中国よりも小さくて、釣り産業の競争力向上が難しい実情である。釣り用具に関する技術の発展は、釣り需要の増加はもちろん、産業競争力の向上にも寄与する。
【0003】
例えば、釣り仕掛けにおいて、道糸に針を設置するために、ハリスを結束しなければならないという面倒があり、現場で細い釣糸を扱う作業を補助する器具も、技術開発の対象に含まれる。
【0004】
これに関する先行技術文献として、大韓民国公開特許公報第2011-0091947号、大韓民国公開特許公報第2018-0096120号などが知られている。
【0005】
前者は、前方に段部を形成し、スライド溝を構成した取っ手部と、取っ手部の上部に結合固定される結合固定部と、結合固定部に一体に形成されるフック状の輪部で構成された結束具と、取っ手部のスライド溝にスライド結合されて、結束具を開閉する開閉口とからなる。これにより、目がかすむ人々も釣り糸をスイベルに容易に差し入れることができるという効果がある。
【0006】
しかし、結束具の輪部に結び目を繋ぐための熟練度が必要であり、結び目の過程で輪部により損傷する虞もある。
【0007】
後者は、一定の長さを有し、全体又は一部が撓む弾性を有するアーム本体と、アーム本体の両端部にそれぞれ形成され、原糸の両側が固定される第1の結束具及び第2の結束具と、アーム本体の中間部に形成され、ショックリーダー糸の一側が固定されるようにした第3の結束具とを含む。これにより、結び目過程の時間短縮と、不要な過程を無くし、固い結び目を形成するという効果がある。
【0008】
但し、釣糸が結束具から滑りやすくて、複数回巻き取るという不便さがあり、結束具に多数の薄いリング部材を用いるため、耐久性に劣るという不都合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】大韓民国公開特許公報第2011-0091947号
【特許文献2】大韓民国公開特許公報第2018-0096120号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
前記のような従来の問題点を改善するための本発明の目的は、釣り仕掛けの道糸とハリスを結束する過程で、最小限で巻き取っても、滑りが発生せず、しかも、釣糸の出入りによる耐久性弱化も防止することができる釣糸の結び目形成用挟持器具を提供することである。
【0011】
本発明の他の目的は、結び目を結束する姿勢を様々に変えても、釣糸の緊密な挟持状態を維持することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記目的を達成するために、本発明は、釣糸間の結び目を形成するための挟持器であって、第1の円板と第2の円板の間に空間部を形成し、空間部に連通する円筒部を備える本体と、前記本体の空間部に一対で装着され、誘導面と対向面を形成する外リングと、前記本体の円筒部に、前記対向面と連通するように装着される内リングと、を含むことを特徴とする。
【0013】
前記本体は、一側の雌螺旋部と他側の雄螺旋部で噛合され、前記円筒部の外面に凹溝部を備える。
【0014】
前記外リングは、前記本体に螺旋で噛合される調節リングにより、前記対向面の押圧力を変える。
【0015】
前記外リングは、前記対向面に波形部を更に備える。
【0016】
前記内リングは、密着面と凹溝面の物性に差をつけて構成し、その間に弾性片を更に備える。
【0017】
前記本体は、前記第1の円板の前記円筒部を用いて、前記第2の円板を接合部上に結合し、前記外リングと噛合して、半径方向の揺動を拘束する凹凸部を備える。
【発明の効果】
【0018】
本発明によると、釣糸を最小限で巻き取っても、滑りが発生せず、しかも、釣糸の出入りに鑑みた耐磨耗性で耐久性を向上し、結束姿勢の自由な変動が可能で、便宜性を高める。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明による器具の使用状態を示す模式図である。
図2】本発明による器具を拡大して示す斜視図である。
図3】本発明による器具を分解して示す斜視図である。
図4】本発明による器具を断面で示す構成図である。
図5】本発明による器具の変形例を示す構成図である。
図6】本発明による器具の他の実施例を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付の図面に基づいて、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0021】
本発明は、釣糸間の結び目を形成するための挟持器具に関して提案する。釣糸の道糸とハリスを結束して、結び目を形成する器具を対象としているが、これに限定されるものではない。
【0022】
図1に、使用者が足に結束バンド10を着用した状態で、道糸11とハリス15を、8字結び目で結束する過程を示す。本発明の器具は、結束バンド10の所望する位置に固定することができる。ハリス15は、ボビン13に巻き取った状態で、結束バンド10の所望する位置に固定することができる。
【0023】
本発明によると、第1の円板21と第2の円板26の間に空間部を形成する本体20が、空間部に連通する円筒部25を備える構造をなしている。
【0024】
図2及び図3には、本体20を構成する第1の円板21、第2の円板26、円筒部25などを示している。第1の円板21と第2の円板26は、同一サイズのディスク状に形成する。第1の円板21と第2の円板26の円形構造が、釣糸を巻き取る作業に有利であるが、これに限定されない。第1の円板21と第2の円板26が対向する中間には、空間部が形成される。円筒部25は、第1の円板21及び第2の円板26のいずれか一側に形成される。円筒部25は、後述する内リング40と連携して、釣糸を緊密に支持する。
【0025】
本発明の細部構成によると、本体20は、一側の雌螺旋部22と他側の雄螺旋部27が噛合して、円筒部25の外面に凹溝部23を設けることを特徴とする。
【0026】
図3に、本体20を構成する雌螺旋部22と雄螺旋部27を示す。第1の円板21の中心に形成された円筒部25に、同心で雌螺旋部22が設けられ、第2の円板26の中心に形成された丸棒の外面に、雄螺旋部27が設けられる。第1の円板21と第2の円板26が螺旋部で噛合されることは、後述する外リング30、内リング40などの構成品の入れ替えに容易である。円筒部25の外周面には、凹溝部23が設けられる。凹溝部23は、略‘コ’字状、又は‘U’字状の断面で形成され、第1の円板21と第2の円板26からなる空間部に連通する。
【0027】
一方、本体20の第1の円板21の一側に、輪部24が設けられ、結束バンド10の所望する位置に、所望する姿勢で固定することができる。
【0028】
また、本発明によると、外リング30が本体20の空間部に一対で装着され、誘導面32と対向面33を形成する構造をなしている。
【0029】
図3及び図4には、本体20の空間部に同一構造の外リング30が対称的に配置された状態を示している。外リング30は、弾性と耐磨耗性を有する素材に、貫通孔31、誘導面32、対向面33を設けている。前記素材は、ゴム材、樹脂材、その複合材より選択する。貫通孔31は、第1の円板21と第2の円板26に嵌合される形状である。誘導面32は、曲面で傾斜をなすので、対称に配置されると、略‘V’字状で釣糸の迅速な進入を案内する。対向面33は、適切な隙間を維持し、釣糸を緊密に把持する。一対の外リング30だけを使うので、本体20のサイズを最小化且つ厚く形成することができる。
【0030】
また、本発明によると、内リング40が、本体20の円筒部25に、対向面33と連通するように装着される構造をなしている。
【0031】
図4において、本体20の円筒部25に装着された内リング40が、一対の外リング30と対向する状態を示している。内リング40は、凹溝部23と類似した略‘コ’字状又は‘U’字状の断面を少なくとも一面に設ける。内リング40は、外リング30よりも耐磨耗性と弾性を有して、摩擦係数も高いのが望ましい。外リング30による対向面33は、内リング40の略中心と一致する。
【0032】
これにより、使用者が道糸11にハリス15を連結するとき、道糸11を、外リング30の対向面33から、内リング40の凹溝面43に1回乃至2回巻きつけると、緊密な支持状態が維持される。道糸11は、対向面33に噛合すると共に、略‘U’字状断面の凹溝面43に緊密に密着される。道糸11の緊密な支持状態で、ハリス15の8字結び目の結束が便利で且つ迅速である。
【0033】
本発明の変形例として、外リング30は、本体20に螺旋で噛合される調節リング35により、対向面33の押圧力を変えることを特徴とする。
【0034】
図5の(a)には、本体20の空間部に、調節リング35が、外リング30と隣接して装着された状態を示している。調節リング35は、第2の円板26の一部に螺旋で結合し、外周面にローレット部を設けるように形成する。調節リング35のローレット部を把持して回転させると、対向する外リング30が押圧されるので、対向面33において、道糸11に対する押圧力を増加するのが可能である。
【0035】
本発明の他の変形例として、外リング30は、対向面33に、波形部37を更に設けることを特徴とする。
【0036】
図5の(a)において、外リング30の対向面33が、波形部37を備えた状態を示している。波形部37は、道糸11が通る経路を延ばすので、摩擦力を高めて、緊密な支持と離脱を防止することに有利である。波形部37は、多数の凸部と凹部を同心で配置した構造として形成される。一方、調節リング35と波形部37は、同時に構成することも可能である。
【0037】
本発明の更に他の変形例として、内リング40は、密着面41と凹溝面43の物性に差をつけて構成し、その間に、弾性片45を更に設けることを特徴とする。
【0038】
図5の(b)には、内リング40に設けられる密着面41、凹溝面43、弾性片45を示している。密着面41、凹溝面43、弾性片45は、別に構成しても、同時に構成してもよい。密着面41は、本体20の凹溝部23に接触する部分であって、弾性力の高い素材を用いる。凹溝面43は、道糸11が巻き取られる部分であって、耐磨耗性と摩擦係数の高い素材を用いる。弾性片45は、内リング40の内部にインサートされて、弾性力を補強する。
【0039】
本発明の他の実施例として、本体20は、第1の円板21の円筒部25を用いて、第2の円板26を接合部28上に結合し、外リング30と噛合して、半径方向の揺動を拘束する凹凸部29を設けることを特徴とする。
【0040】
図6には、本体20を構成する円筒部25、接合部28、凹凸部29を示している。第1の円板21と円筒部25は、同心で一体化され、第2の円板26は、円筒部25の外端に噛合可能である。第2の円板26は、第1の円板21の円筒部25及び外リング30に同時に連結される。円筒部25と第2の円板26の間の連結のための接合部28は、超音波融着、高周波融着、UV硬化などを適用する。外リング30は、第1の円板21及び第2の円板26にそれぞれ、凹凸部29に噛合されて、使用中に常時同心状態を維持する。凹凸部29は、四角形の断面で示しているが、これに限定されず、様々な形状に適用可能である。また、第1の円板21の円筒部25と外リング30の内面の間に、内リング40を一定の間隙で収容する空間が維持される。このような構成によると、前述した雌螺旋部22、雄螺旋部27、凹溝部23を排除することができるので、構造の単純化に多少有利である。
【0041】
ここで、図6の実施例は、図1の本体20、外リング30、内リング40に設けられるその他の構成を少なくとも部分的に同様に備えることができる。
【0042】
一方、本体20の円筒部25は、指をかけるか、周辺物品にかけて支持する用途として活用可能である。
【0043】
本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、本発明の思想及び範囲を逸脱することなく、様々に修正及び変形できることが、当該技術分野における通常の知識を有する者にとって自明である。従って、このような変形例又は修正例は、本発明の特許請求の範囲に属していると言えるだろう。
【符号の説明】
【0044】
10 結束バンド
11 道糸
13 ボビン
15 ハリス
20 本体
21 第1の円板
22 雌螺旋部
23 凹溝部
24 輪部
25 円筒部
26 第2の円板
27 雄螺旋部
28 接合部
29 凹凸部
30 外リング
31 貫通孔
32 誘導面
33 対向面
35 調節リング
37 波形部
40 内リング
41 密着面
43 凹溝面
45 弾性片
図1
図2
図3
図4
図5
図6