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特開2022-164582データネットワークのための中央制御装置
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  • 特開-データネットワークのための中央制御装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022164582
(43)【公開日】2022-10-27
(54)【発明の名称】データネットワークのための中央制御装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/115 20200101AFI20221020BHJP
   H05B 47/14 20200101ALI20221020BHJP
   H05B 47/175 20200101ALI20221020BHJP
【FI】
H05B47/115
H05B47/14
H05B47/175
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022052098
(22)【出願日】2022-03-28
(31)【優先権主張番号】10 2021 109 418.6
(32)【優先日】2021-04-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】522123636
【氏名又は名称】ターク ホールディング ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】TURCK Holding GmbH
【住所又は居所原語表記】Goethestr.7,58553 Halver(DE)
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】特許業務法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】シュトルンクマン,ペーター
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA09
3K273QA37
3K273QA38
3K273RA17
3K273SA03
3K273SA06
3K273SA12
3K273SA20
3K273SA35
3K273SA57
3K273SA58
3K273SA60
3K273TA03
3K273TA05
3K273TA15
3K273TA28
3K273TA47
3K273UA02
3K273UA05
3K273UA22
(57)【要約】      (修正有)
【課題】特に単純かつ効率的な操作を可能にする中央制御装置及びデータネットワークのためのシステム、並びに、そのような中央制御装置を操作するための方法を提供する
【解決手段】データネットワークのための中央制御装置30は、リクエスト信号を受信するための入力インタフェース32と、受信した前記リクエスト信号に応じて制御信号を生成するための制御ユニット34と、前記制御信号を少なくとも1つの参加者デバイス41,42,43に送信するための少なくとも1つの出力インタフェース36とを含む。前記制御信号は、前記参加者デバイス41,42,43の物理的位置を特定するための参加者出力信号を発信するように前記参加者デバイス41,42,43を動作させるよう設定されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データネットワークのための中央制御装置(30)であって、
リクエスト信号を受信するための入力インタフェース(32)と、
受信した前記リクエスト信号に応じて制御信号を生成するための制御ユニット(34)と、
前記制御信号を少なくとも1つの参加者デバイス(41,42,43)に送信するための少なくとも1つの出力インタフェース(36)と
を含み、
前記制御信号は、前記参加者デバイス(41,42,43)の物理的位置を特定するための参加者出力信号を発信するように前記参加者デバイス(41,42,43)を動作させるよう設定されている、中央制御装置(30)。
【請求項2】
前記入力インタフェース(32)は、第1のデータプロトコルによって、特に、イーサネット、シングルペアイーサネット(SPE)、フィールドバス、PROFIBUS又は別のバスプロトコルによって、前記リクエスト信号を受信するよう設定されており、
前記出力インタフェース(36)は、第2のデータプロトコルによって、例えば、IO-Link、ASインタフェース、HARTプロトコル又はセンサ-アクチュエータ通信用の別のプロトコルによって、前記制御信号を送信するよう設定されており、
前記第1のデータプロトコルと前記第2のデータプロトコルとは、互いに異なるように構成されている
ことを特徴とする、請求項1に記載の中央制御装置(30)。
【請求項3】
前記参加者出力信号は、ユーザが感覚的に検出できるように構成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の中央制御装置(30)。
【請求項4】
前記参加者出力信号は、光パラメータを備えた光信号及び/又は前記参加者デバイスのディスプレイ上のグラフィック表示を含むことを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の中央制御装置(30)。
【請求項5】
前記中央制御装置(30)は、さらに出力ユニット(38)を有しており、
前記中央制御装置(30)の出力ユニット(38)は、前記制御信号に応じて前記中央制御装置(30)の物理的位置を識別するために、中央制御装置出力信号を発信するよう設定されており、
選択的には、前記中央制御装置出力信号は、(人間の)ユーザにとって知覚できるように、特に、視覚的又は音響的に知覚できるように構成されている
ことを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載の中央制御装置(30)。
【請求項6】
前記中央制御装置(30)はさらに、複数の参加者デバイス(41,42,43)にデータに関してリンクされることが可能であり、
前記制御ユニットは、さらに、受信された前記リクエスト信号に応じて前記制御信号を生成し、それによって前記中央制御装置(30)又はその定義されたサブセットにリンクされた全ての参加者デバイス(41,42,43)が前記参加者出力信号を発信するように動作するように構成されている
ことを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載の中央制御装置(30)。
【請求項7】
前記出力インタフェース(36)は、複数の出力接続(36.1,36.2,36.3)を含み、
リンクされた前記参加者デバイス(41,42,43)ごとに、1つの出力接続(36.1,36.2,36.3)が(一意に)割り当てられ、
前記制御信号は、さらに、前記参加者デバイス(41,42,43)によって発信された前記参加者出力信号が、割り当てられた出力接続(36.1,36.2,36.3)に応じてさらに構成されるように設定されている
ことを特徴とする、請求項6に記載の中央制御装置(30)。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の中央制御装置(30)と、
前記中央制御装置(30)にデータに関して結合されている、少なくとも1つの参加者デバイス(41,42,43)と
を含み、
前記参加者デバイス(41,42,43)は、前記参加者デバイス(41,42,43)の物理的位置を識別するための出力信号を発信するための出力ユニット(41a,42a,43)を含み、
選択的には、前記出力信号は、視覚的又は音響的に知覚できるように構成されている、データネットワークのためのシステム(10)。
【請求項9】
データネットワーク内で中央制御装置(30)を操作する方法であって、
少なくとも1つの参加者デバイス(41,42,43)が、前記中央制御装置(30)にデータに関して割り当てられ、
リクエスト信号が受信され、
受信された前記リクエスト信号に応じて制御信号が生成され、前記制御信号は、前記参加者デバイス(41,42,43)の物理的位置を特定するための参加者出力信号を発信するように前記参加者デバイス(41,42,43)を動作させるよう設定されている、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データネットワークのための中央制御装置、データネットワークのためのシステム、及び、データネットワーク内で中央制御装置(30)を操作するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複雑なネットワークでは、数多くのアクチュエータとセンサとが、及び、制御デバイスと監視デバイスとが、互いにリンクされて異なる場所に配置されることがよくある。障害対応の際には、時折、メンテナンス又はその他の目的のために特定のデバイスを物理的に見つける必要が生じることがある。しかしながら、デバイスの外観が標準化されている場合、外部から容易に認識できないため、かなりの困難を伴う可能性がある。
【0003】
DE 10 2018 118 872によれば、電気スイッチング装置のデータ転送をチェックするための方法が知られており、この方法では、LEDが光信号を生成する。この光信号は、観察者には定常光として知覚されるが、これによって光学式リーダーがユーザデータを検出することができる。
【0004】
デバイスが規定の期間点滅することによって、該デバイスの位置を示すようにリクエストされることが可能な方法が知られている。しかしながら、この方法によってシステム内の多数のデバイスを識別するには、多大な操作労力を要する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、特に単純かつ効率的な操作を可能にする中央制御装置及びデータネットワークのためのシステム、並びに、そのような中央制御装置を操作するための方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的は、独立請求項の特徴を備えた中央制御装置、システム及び方法によって達成される。本発明の有利な実施形態及び発展形態は、従属請求項に明記される。
【0007】
データネットワークのための中央制御装置は、リクエスト信号を受信するための入力インタフェースと、受信したリクエスト信号に応じて制御信号を生成するための制御ユニットと、制御信号を少なくとも1つの参加者デバイスに送信するための少なくとも1つの出力インタフェースとを含む。参加者デバイスは、中央制御装置の出力インタフェースに、特にデータに関してリンクされている。制御信号は、参加者デバイスの物理的位置を特定するための参加者出力信号を発信するように参加者デバイスを動作させるよう設定されている。
【0008】
これにより、有利には、参加者デバイスが特に容易に見つけられ得る。加えて、出力信号を発信するリクエストが特に効率的に評価され得る。
【0009】
一設計では、入力インタフェースは、第1のデータプロトコルによって、特に、イーサネット、シングルペアイーサネット(SPE)、フィールドバス、PROFIBUS又は別のバスプロトコルによって、リクエスト信号を受信するよう設定されている。さらに、出力インタフェースは、第2のデータプロトコルによって、例えば、IO-Link、ASインタフェース、HARTプロトコル又はセンサ-アクチュエータ通信用の別のプロトコルによって、制御信号を送信するよう設定されている。第1のデータプロトコルと第2のデータプロトコルとは、互いに異なるように構成されている。例えば、中央制御装置がバスシステムに接続されて、IO-Linkマスターとして構成され得る。このとき、参加者デバイスはIO-Linkデバイスとして構成され、IO-Linkマスターに割り当てられる。
【0010】
これにより、有利には、動作がマルチプロトコル方式で行われる。
【0011】
第1のデータプロトコルは、中央制御装置をアドレス指定してリクエスト信号を送信するために使用される。動作のこの部分は、例えば、中央制御装置にデータに関して結合されている外部デバイスによって行われ、該外部デバイスは、例えばバスシステムを介して結合されている。外部デバイスは、操作インタフェースを有することができ、該操作インタフェースは、例えば、プログラミングのためのインタフェース、及び/又は、データネットワーク内のエラーや技術的な問題を排除するためのインタフェースであり得る。
【0012】
続いて、第2のデータプロトコルが、参加者出力信号の発信リクエストを、中央制御装置から該中央制御装置にリンクされている参加者デバイスへと送信するために使用される。第2のプロトコルは第1のプロトコルとは異なるため、この動作は、例えば外部デバイスから直接実行することはできないが、中央制御装置は、中間のステップにおいて、例えばIO-Linkシステム内で転送を実行する。中央制御装置は、選択的にはリクエストの修正を行うことができ、結果として、発信された参加者出力信号は、特に容易かつユーザフレンドリーな方法で構成され得る。
【0013】
これにより、中央制御装置は、第1及び第2のデータプロトコルの層間の動作を仲介する。ユーザは、中央制御装置と接続された参加者デバイスのこの動作を個別に構成する必要がない。代わりに、中央制御装置への単純な命令によって、発信をサブシステム全体に分散させることができる。
【0014】
出力信号は、様々な方法で形成することができる。出力信号は、特に、人間のユーザがそれぞれのデバイスを見つけられるようにするのに適している。特に、ユーザは、部屋の中で出力信号が発信されているデバイスを正確に特定することが可能になる。
【0015】
さらなる設計では、参加者出力信号は、ユーザが感覚的に検出できるように構成されている。特に、出力信号は、人間の聴覚又は視覚について検出可能である。
【0016】
これにより、有利には、操作が非常に単純に設計され、ユーザは追加の機器なしでデバイスを物理的に特定することができる。既知のシステムとは対照的に、出力信号を検出するために、さらなるデバイスが必要とされない。
【0017】
参加者出力信号の発信には、様々な様式が使用可能である。これらの様式は、特に、出力信号を発信するためのユニットによって定義され、例えば、音響的又は視覚的に知覚可能な発信のために、例えばディスプレイ、発光素子又はスピーカーによって、出力信号を発信するためのユニットによって定義される。
【0018】
様々な参加者デバイスが、例えば、利用可能な出力ユニットの種類に応じた様々な発信様式によって、参加者出力信号を発信できる。例えば、ディスプレイを備えた参加者デバイスは、ディスプレイを使用して参加者出力信号を発信することができる。一方で、ディスプレイを備えていない他の参加者デバイスは、例えば、発光素子を点滅させることによって、参加者出力信号を発信する。また、種々異なる様式の発信の組み合わせも想定され得る。
【0019】
特に、制御信号が参加者出力信号又は中央制御装置出力信号の発信のために特定の発信様式を指定するのではなく、デバイス自体がそれぞれの出力信号の発信様式を決定するようにされ得る。さらに、リクエスト信号及び/又は制御信号は、出力信号の好ましい様式に関する情報、又は、特定の様式の指示に関する情報の項目を含むようにされ得る。
【0020】
発展形態では、参加者出力信号は、光パラメータを備えた光信号及び/又は参加者デバイスのディスプレイ上のグラフィック表示及び/又は英数字表示を含む。
【0021】
これにより、有利には、例えば文字の検出が困難な照明不良のような悪条件にあっても、環境内におけるデバイスを特定することが、特に容易かつ明確になる。
【0022】
光パラメータは、例えば、色や明るさに関連付けられ得る。特に、そのような光信号は、発光素子(例えば、発光ダイオード(LED)等)によって出力可能なであり得るが、バックライト又は別の方法で照明されるディスプレイ要素もまた使用され得る。
【0023】
光信号の光パラメータは、例えば、参加者デバイス又は中央制御装置で実行される構成を通じて、又は、制御信号に含まれている対応する情報の項目を通じて、設定可能であり得る。
【0024】
光信号は、一定期間経過後に出力が自動的に終了してもよく、ユーザによる入力又は別の制御信号に応じて終了してもよい。光パラメータは、静的に生成されても動的に生成されてもよく、特に、例えば点滅によって、明るさ及び/又は色を周期的に変化させることができる。
【0025】
参加者デバイスに含まれる又はその物理的環境内に配置されたディスプレイは、種々異なる方法により構成され得る。例えば、ディスプレイは、実質的に任意の文字が出力可能となるピクセルのアレイを含んでいてもよく、表示可能な文字をセグメントが事前定義するセグメントディスプレイを含んでいてもよい。
【0026】
一設計では、中央制御装置は、さらに出力ユニットを有している。中央制御装置の出力ユニットは、制御信号に応じて中央制御装置の物理的位置を識別するために、中央制御装置出力信号を発信するよう設定されている。
【0027】
これにより、有利には、中央制御装置もまた容易に特定され得る。
【0028】
特に、この中央制御装置出力信号は、参加者出力信号と区別できるように構成されている。
【0029】
さらに、中央制御装置出力信号は、ユーザにとって知覚できるように、特に、視覚的又は音響的に知覚できるように構成され得る。
【0030】
特に、この中央制御装置出力信号は、参加者出力信号に類似するように構成されることができ、本事例において説明した特徴を有し得る。
【0031】
さらなる設計では、中央制御装置はさらに、複数の参加者デバイスにデータに関してリンクされることが可能である。制御ユニットは、さらに、受信されたリクエスト信号に応じて制御信号を生成し、それによって中央制御装置又はその定義されたサブセットにリンクされた全ての参加者デバイスが参加者出力信号を発信するように動作するように構成されている。様々な参加者デバイスの参加者出力信号が、同一又は個別に異なるように構成され得る。
【0032】
接続された参加者デバイスのサブセットのみが発信のために動作する場合、サブセットの定義は、例えばリクエスト信号によって行われ得る。さらに、サブセットを定義するために、例えばユーザ入力によって中央制御装置の構成を行うことができる。例として、データネットワークの特定のアドレス範囲が、サブセットとして定義可能である。
【0033】
発展形態では、出力インタフェースは、複数の出力接続を含んでいる。リンクされた参加者デバイスごとに、1つの出力接続が割り当てられる。特に、参加者デバイスと出力接続の間の一意な割り当てが提供される。さらに、該発展形態では、制御信号は、さらに、参加者デバイスによって発信された参加者出力信号が、割り当てられた出力接続に応じてさらに構成されるように設定されている。
【0034】
特に、参加者デバイスの参加者出力信号は、中央制御装置の特定の出力接続に一意に割り当てられるように構成され得る。
【0035】
これにより、有利には、特定の方法で中央制御装置にデータに関してリンクされた参加者デバイスの物理的位置をより容易に見つけることができる。これにより、例えば、システム内におけるエラーの検索がより容易になる。
【0036】
中央制御装置の出力接続は、例えば、情報技術それ自体から知られているような「ポート」であり得る。それらは中央制御装置の物理的又は仮想的な接続を表すことができ、そのような接続としては、例えば、参加者デバイスのデータケーブルを接続するための個々のリンク要素、及び/又は、共通のケーブル接続を介して参加者デバイスのデータに関連して提供される接続、及び/又は、無線リンク要素(例えば、無線、WLAN、Bluetooth若しくは他の方法)を介して参加者デバイスのためにデータに関して提供される接続が挙げられる。
【0037】
例えば、参加者出力信号は、それぞれ割り当てられた出力接続に関する情報の感覚的に検出可能な項目を含むようにして構成される。これにより、ユーザは、参加者デバイスが中央制御装置にリンクされるために経由する出力接続を、例えば視覚的に検出することができる。
【0038】
例えば、リンクされた各参加者デバイスは、ビープ信号又は点滅信号を発信することができ、特定の数のビープ音又は点滅が、一時停止により区切られて定期的に発信される。そして、周期毎におけるビープ音又は点滅の数が、出力接続に割り当てられた番号、例えば、出力接続の番号(例えば、連続番号)に割り当てられ得る。
【0039】
リンクされた参加者デバイスがディスプレイを使用して参加者出力信号を発信する場合、割り当てられた中央制御装置の出力接続を識別するために、英数字又はグラフィック要素を使用することもできる。
【0040】
さらに、参加者デバイスの出力信号と併せて、さらなる出力が中央制御装置に発信され、それによって、それぞれの出力接続が検出又は物理的に特定されるようにされ得る。例えば、接続における光源は、特定の参加者デバイスが該接続に接続されていることを示すために、別の光信号を点滅又は発信することができる。例えば、同じように構成された光信号は、出力接続及び参加者デバイスの両方において発信される。
【0041】
データネットワークのシステムは、本説明に係る中央制御装置と、中央制御装置にデータに関して結合されている少なくとも1つの参加者デバイスとを含む。参加者デバイスは、参加者デバイスの物理的位置を識別するための出力信号を発信するための出力ユニットを含む。選択的には、出力信号は、視覚的又は音響的に知覚できるように構成され得る。
【0042】
データネットワーク内で中央制御装置を操作する方法では、少なくとも1つの参加者デバイスが、前記中央制御装置にデータに関して割り当てられる。リクエスト信号が受信され、受信されたリクエスト信号に応じて制御信号が生成される。制御信号は、参加者デバイスの物理的位置を特定するための参加者出力信号を発信するように参加者デバイスを動作させるよう設定されている。
【0043】
該方法は、特に、デバイスを操作するように構成される。したがって、該方法は、本発明に係るデバイスと同じ利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
本発明は、添付の図面を参照して、以下にてより詳細に説明される。
図1図1は、中央制御装置を備えたシステムの例の実施形態である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
中央制御装置を備えたシステムの例の実施形態について、図1を参照して説明する。
【0046】
システム10は、中央制御装置30と、外部デバイス20と、複数の参加者デバイス41,42,43とを含んでいる。
【0047】
この例では、外部デバイス20及び中央制御装置30は、それ自体は既知の方法により、イーサネットリンク11を介してデータに関して相互にリンクされている。
【0048】
さらなる実施形態の例では、データリンクについての他の方法、例えば、シングルペアイーサネット(SPE)、又は、フィールドバスのようなバスリンク(例えばPROFIBUS)が使用され得る。
【0049】
さらに、参加者デバイス41,42,43は、それ自体は既知の方法により、IO-Link12によって中央制御装置30にリンクされている。
【0050】
さらなる実施形態の例では、データリンクについての他の方法、例えば、HART又はASインタフェースプロトコルが使用され得る。
【0051】
この例のシステム10では、外部デバイス20は、第1のプロトコル、すなわちイーサネットを介して、中央制御装置30をアドレス指定することができる一方で、第2のプロトコル、すなわちIO-Linkを介して、参加者デバイス41,42,43をアドレス指定することができる。参加者デバイス41,42,43の直接アドレス指定は、「プロトコル境界」を克服する必要があるため、外部デバイス20からは実行できない。
【0052】
中央制御装置30は、入力インタフェース32を含み、これによって外部デバイス20へのデータリンクが確立される。
【0053】
中央制御装置30は、さらに出力インタフェース36を含み、出力インタフェース36の一部が出力接続36.1,36.2,36.3を含む。参加者デバイス41,42,43は、この出力インタフェース36に接続されており、それぞれ接続された参加者デバイス41,42,43に、出力接続36.1,36.2,36.3の1つが一意に割り当てられている。
【0054】
中央制御装置30は、さらに、入力インタフェース32と出力インタフェース36とに結合された制御ユニット34を含んでいる。
【0055】
さらに、制御ユニット34に結合された出力ユニット38が中央制御装置30に提供され、この例では、出力ユニット38は発光ダイオード(LED)を含んでいる。
【0056】
このシステムにおける上記実施形態の例に基づき、方法の実施形態の例について、以下に説明する。
【0057】
ステップ100では、外部デバイス20がリクエスト信号を生成し、このリクエスト信号は、データリンク11を介して中央制御装置30へと送信される。この例では、中央制御装置30の入力インタフェース32が、このために使用されている。
【0058】
この例ではイーサネットプロトコルが使用されているが、別のプロトコルもまた使用可能である。そのようなプロトコルとしては、シングルペアイーサネット(SPE)、PROFIBUS、フィールドバス又は他の同等のプロトコル等が挙げられる。
【0059】
ステップ200では、インタフェース32によって受信されたリクエスト信号が、中央制御装置30の制御ユニット34へと転送されて、そこで評価される。制御ユニット34は、さらなるユニットを動作させるために、受信されたリクエスト信号に応じて1つの制御信号又は複数の制御信号を生成するよう設定されている。
【0060】
この例示的な場合において、制御信号は、それにより、中央制御装置の出力ユニット38、並びに、出力ユニット41a,42a,43aに接続された参加者デバイス41,42,43が動作させられるように構成される。
【0061】
ステップ300では、この制御信号が、制御ユニット34によって発信される。
【0062】
この制御信号の発信の場合、方法の実施形態の例のステップ310では、中央制御装置30の出力ユニット38が直接動作させられる。この出力ユニット38は、LED38として構成され、制御信号に規定された方法で応答して点滅する。
【0063】
これと並行して、ステップ320では、接続された参加者デバイス41,42,43が、出力インタフェース36及びデータリンク12を介して動作させられる。実施形態の例では、これはIO-Link規格に従うリンク12である。
【0064】
出力ユニット41a,42a,43aは、同様にLED41a,42a,43aとして構成されており、規定された方法で制御信号に応答して出力信号を点滅させることにより、出力信号を発信する。
【0065】
システム10内における中央制御装置30及び参加者デバイス41,42,43の発光ダイオード38,41a,42a,43aの規定された点滅は、光パラメータを有する。これらの光パラメータは、全てのデバイス30,41,42,43について同じように構成されてもよく、異なるように構成されてもよい。
【0066】
特に、光パラメータには、例えば、ある時間間隔又は期間内における輝度、光色、点滅頻度又は点滅数、個々の点滅の持続時間、並びに、相互の間隔及び点滅の間における暗期の持続時間が含まれる。さらに、点滅の発信の持続時間が光パラメータとして(例えば、発信された出力信号のタイムアウトとして)事前定義され得る。
【0067】
実施形態の例では、光パラメータは、中央制御装置30及び参加者デバイス41,42,43の各出力ユニットに対して個別に構成され、中央制御装置30の制御ユニット34によって事前定義される。参加者デバイス41,42,43の参加者出力信号は、参加者デバイス41,42,43が中央制御装置30の出力インタフェース36に接続されている、それぞれのポート又は出力接続36.1,36.2,36.3に関する情報の項目を含むように構成されている。
【0068】
例えば、出力接続36.1,36.2,36.3には番号が振られ得ると共に、出力接続36.1,36.2,36.3に割り当てられた番号を、点滅信号によって参加者デバイス41,42,43のそれぞれの出力信号が発信することができる。例えば、第1の参加者ユニット41についての出力信号は、該第1の参加者ユニット41が中央制御装置30の出力インタフェース36の第1の出力接続36.1に接続されていることを示すために、単一の点滅を含み得る。
【0069】
さらなる実施形態の例では、中央制御装置の出力インタフェース36は、さらなる出力ユニットにさらに割り当てられ得る。それによって、出力接続36.1,36.2,36.3が制御信号に応じて強調され、その結果、例えば、ユーザは、特定の参加者デバイス41,42,43がデータに関してリンクされている出力接続36.1,36.2,36.3を識別できる。
【0070】
さらなる実施形態の例では、出力信号についての少なくとも1つの光パラメータが、それぞれのデバイス30,41,42,43自体によって構成される。このことは、出力信号は、全てのデバイス30,41,42,43のために、中央制御装置30の制御ユニット34によって全ての光パラメータを備えて事前定義されているのではなく、中央制御装置及び参加者デバイスが、例えば利用可能な出力ユニット38,41a,42a,43aに応じて、出力信号を決定できることを意味している。例えば、この場合において、出力ユニット38,41a,42a,43aが光源(例えば、LED)を含んでいる場合、出力信号として点滅が発信され得る。出力ユニット38,41a,42a,43aが対応する発信に適したディスプレイを備えている場合、出力信号は、さらに英数字を含み得る。さらに、参加者デバイス41,42,43は、データに関してリンクされている中央制御装置30のポート又は出力接続36.1,36.2,36.3を独立して認識でき、それに応じて出力信号を構成することができる。その結果、これら出力信号には、それぞれ接続されているポート又は出力接続36.1,36.2,36.3を識別するための情報の項目が含まれる。例えば、出力信号は、定期的に繰り返される点滅の数で点滅することを含む。ここで、点滅の数は、接続されたポート又は出力接続36.1,36.2,36.3の数に対応する。
【0071】
点滅と同様に、他のタイプの出力信号、例えば、出力ユニット38,41a,42a,43aによって出力可能である他の視覚的又は音響的な知覚信号もまた発信可能である。これらの出力信号は、全てのデバイス30,41,42,43について同じ又は異なるように構成され得ると共に、制御ユニット34によって事前定義され得るか、例えば出力ユニット38,41a,42a,43aに応じて、デバイス30,41,42,43自体によって構成され得る。
【0072】
さらなる実施形態の例では、中央制御装置30の出力ユニット38,41a,42a,43a又は参加者デバイス41,42,43は、ディスプレイを含むことができ、それによって、光信号及び/又は英数字が出力可能となる。この場合、制御信号は、ディスプレイによって出力信号を発信するように出力ユニット38,41a,42a,43aを動作させるよう構成され得る。この出力信号の発信は、それぞれの中央制御装置30及び/若しくは参加者デバイス41,42,43の物理的位置が決定されるように、並びに/又は、中央制御装置30と接続された参加者デバイス41,42,43との間のデータリンクに関するさらなる情報の項目が発信されるために行われる。そのような情報の項目としては、例えば、接続に使用される出力インタフェース36の物理的又は仮想的な出力接続36.1,36.2,36.3若しくはポート、又は、使用される物理的な出力接続36.1,36.2,36.3の物理的位置が挙げられる。
【0073】
さらなる実施形態の例では、中央制御装置30又は参加者デバイス41,42,43の物理的位置を識別するための出力信号に加えて、上記のようなディスプレイを使用して又はそれ自体は既知である別の方法で、診断データ、特にデータリンク12の機能及び/又は品質に関する診断データが出力され得る。
【0074】
さらなる設計では、リクエスト信号は、少なくとも1つの出力パラメータ、例えば、光パラメータに関する情報の項目を含む。制御信号は、発信された出力信号、例えば光信号が、リクエスト信号に対応する特性を備えて生成されるように生成される。例えば、リクエスト信号によって、中央制御装置30及び/又は参加者デバイス41,42,43が生成し、例えば点滅する光信号の色を定義することができる。
【符号の説明】
【0075】
10 システム
11 イーサネットリンク
12 IO-Link
20 外部デバイス
30 中央制御装置;IO-Linkマスター
32 入力インタフェース;イーサネットインタフェース
34 制御ユニット
36 出力インタフェース;IO-Linkインタフェース
36.1,36.2,36.3 出力接続;(IO-Linkインタフェースの)ポート
38 出力ユニット;発光ダイオード(LED)
41,42,43 参加者デバイス;IO-Linkデバイス
41a,42a,43a 出力ユニット;発光ダイオード(LED)
100,200,300,310,320 ステップ
図1
図2
【手続補正書】
【提出日】2022-08-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0044】
本発明は、添付の図面を参照して、以下にてより詳細に説明される。
図1図1は、中央制御装置を備えたシステムの例の実施形態である。
図2図2は、図1のシステムの例に基づく方法の例の実施形態である。
【外国語明細書】
【Fig1】
【Fig2】