IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 周 文三の特許一覧 ▶ 周 承賢の特許一覧

<>
  • 特開-空気圧縮機装置 図1
  • 特開-空気圧縮機装置 図2
  • 特開-空気圧縮機装置 図3
  • 特開-空気圧縮機装置 図4
  • 特開-空気圧縮機装置 図5
  • 特開-空気圧縮機装置 図6
  • 特開-空気圧縮機装置 図7
  • 特開-空気圧縮機装置 図8
  • 特開-空気圧縮機装置 図9
  • 特開-空気圧縮機装置 図10
  • 特開-空気圧縮機装置 図11
  • 特開-空気圧縮機装置 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022164602
(43)【公開日】2022-10-27
(54)【発明の名称】空気圧縮機装置
(51)【国際特許分類】
   F04B 39/10 20060101AFI20221020BHJP
   F04B 53/12 20060101ALI20221020BHJP
【FI】
F04B39/10 M
F04B53/12
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022064972
(22)【出願日】2022-04-11
(31)【優先権主張番号】110113841
(32)【優先日】2021-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】501164676
【氏名又は名称】周 文三
(71)【出願人】
【識別番号】519443952
【氏名又は名称】周 承賢
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】周 文三
(72)【発明者】
【氏名】周 承賢
【テーマコード(参考)】
3H003
3H071
【Fターム(参考)】
3H003AA02
3H003AC02
3H003CB04
3H003CC06
3H003CE04
3H071AA06
3H071BB03
3H071CC14
3H071DD03
3H071DD27
(57)【要約】
【課題】安全に使用することができる上、使用寿命が延び、気体被注入物に容易かつ速やかに気体を注入させることができる空気圧縮機装置を提供する。
【解決手段】空気圧縮機装置に取り付けられたピストンのピストンヘッドプレート21には、エアストップシート7が取り付けられる。エアストップシートは、摺曲部71を有する。摺曲部は、ピストンヘッドプレート上に取付ける位置決め領域72が一側に設けられ、ピストンの吸気流路23を覆う作用領域73が他側に設けられる。エアストップシートの作用領域と、エアストップシートの位置決め領域とは、摺曲部を境界軸線としてエアストップシートのシリンダーに対向する上面に180度より小さな鈍角が形成されるとともに、エアストップシートの作用領域のシリンダーに背向する背向面が自ずとピストンヘッドプレートの頂端平面に対して小角度が形成されて開いた状態となり、通気空間が形成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータにより駆動され、シリンダー内で上下方向に往復運動するピストンを備えた空気圧縮機を含む、空気圧縮機装置であって、
前記空気圧縮機装置に取り付けられた前記ピストンのピストンヘッドプレートには、エアストップシートが取り付けられ、
前記エアストップシートは、摺曲部を有し、
前記摺曲部は、前記ピストンヘッドプレート上に取付ける位置決め領域が一側に設けられ、前記ピストンの吸気流路を覆う作用領域が他側に設けられ、
前記エアストップシートの前記作用領域と、前記エアストップシートの前記位置決め領域とは、前記摺曲部を境界軸線として前記エアストップシートの前記シリンダーに対向する上面に、180度より小さな鈍角が形成されるとともに、前記エアストップシートの前記作用領域の前記シリンダーに背向する背向面が自ずと前記ピストンヘッドプレートの頂端平面に対して小角度が形成されて開いた状態となり、通気空間が形成されることを特徴とする、空気圧縮機装置。
【請求項2】
前記摺曲部は、前記空気圧縮機の様々な大きさの出力パワーのニーズに対応し得るように複数の折曲げ線を有することを特徴とする請求項1に記載の空気圧縮機装置。
【請求項3】
前記摺曲部は、折曲げ線を有することを特徴とする請求項2に記載の空気圧縮機装置。
【請求項4】
前記ピストンヘッドプレートは、互いに分離された2つの固定ピンを有し、前記固定ピンに対応した前記エアストップシートの前記位置決め領域には、互いに分離された円孔がそれぞれ形成され、前記エアストップシートの前記円孔が前記ピストンヘッドプレートの前記固定ピンにそれぞれ位置決めされると、前記エアストップシートが前記ピストンヘッドプレート上に堅牢に固定され、前記エアストップシートは、前記作用領域に貫通されて形成された貫通孔を有し、前記ピストンヘッドプレートの前記貫通孔に対応した箇所には、前記貫通孔に嵌合される位置規制フックが設けられるとともに、前記空気圧縮機の前記ピストンが静止状態にあるとき、前記エアストップシートの前記作用領域は、対応した前記ピストンヘッドプレートの前記吸気流路を開くことを特徴とする請求項1に記載の空気圧縮機装置。
【請求項5】
前記ピストンヘッドプレートの前記位置規制フックは、縦支柱及び横支柱を有し、
前記縦支柱は、前記エアストップシートの開閉経路を提供し、前記空気圧縮機の出力パワーの大きさに応じて前記縦支柱の長さ(又は高さ)及び前記横支柱を調整するようにされているため、前記エアストップシートの初期高さを調整し得ることを特徴とする請求項4に記載の空気圧縮機装置。
【請求項6】
前記エアストップシートの前記位置決め領域と前記作用領域との間には、機械工業技術を利用して形成された多線摺曲部が設けられ、前記多線摺曲部には、第1の折曲げ線及び第2の折曲げ線を含む複数の折曲げ線が形成され、大きめのパワーの前記空気圧縮機の上下動行程をスムーズにし得て、前記作用領域は、貫通されて形成された貫通孔を有し、前記ピストンヘッドプレートの前記貫通孔に対応した位置には、前記貫通孔に嵌合される位置規制フックが設けられ、静止状態にあるとき、前記エアストップシートの前記作用領域と、前記ピストンヘッドプレートの頂端平面との間が開かれた状態に維持され、前記エアストップシートの前記貫通孔に前記位置規制フックが係止されることを特徴とする請求項2に記載の空気圧縮機装置。
【請求項7】
前記第2の折曲げ線から後方へ延びた前記位置決め領域の円孔は、前記ピストンヘッドプレートの頂端平面の上ステップにそれぞれ挿通されるとともに、前記ピストンヘッドプレートの頂端平面の底ステップに係止されることを特徴とする請求項6に記載の空気圧縮機装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気圧縮機に関し、特に、シリンダー内で上動行程及び下動行程を行うピストンを含む空気圧縮機に関する。
【背景技術】
【0002】
空気圧縮機の主な構造は、モータによりシリンダー内でピストンを往復させて圧縮動作を行うと、圧縮された空気がシリンダーを介して空気貯蔵ユニット内まで送られる。空気貯蔵ユニット上のマニホールドに接続されたホースは気体被注入物に接続され、従来のピストンのピストンヘッドは、上下方向に貫通されて形成されたエア通路を有する。ピストンヘッドの頂面は、エア通路上を覆うエアストップシートを有し、空気圧縮機が停止している状態下で、エアストップシートによりピストンヘッドのエア通路を閉じ、空気圧縮機が前回の稼働後、ピストンヘッドの円形周辺に設けられた気密シール及びエアストップシートによりピストンヘッドのエア通路を閉じて形成された気密性により、シリンダー内に残留した高圧空気は排出することができなかった。空気圧縮機を再び稼働させると、ピストンが圧縮を開始する過程で、シリンダー内に残留した高圧空気と衝突し、空気圧縮機の負荷が瞬間的に増大してサージ電流が発生し、空気圧縮機の寿命が短くなることがあった。そのため従来の問題点を改善するために、本発明者は、空気圧縮機の稼働が停止した状態下で、ピストンヘッドの頂端面とエアストップシートとの間に小角度の通気空間を形成し、空気圧縮機の稼働が終了した後、シリンダー内に残留した圧縮空気を通気空間からエア通路を介して排出してシリンダー中の圧力を周囲の大気と均衡させ、空気圧縮機を再び稼働させたときにピストンの上動行程で余分な抵抗力が発生しないようにし、瞬間的に増大する圧縮負荷及びサージ電流が発生することを防ぎ、ピストンがシリンダー内で往復運動するときにスムーズに圧縮させるとともに、安全に使用することができる上、使用寿命が延び、気体被注入物に容易かつ速やかに気体を注入させることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の第1の課題は、空気圧縮機装置に取り付けられたピストンのピストンヘッドプレートには、エアストップシートが取り付けられ、このエアストップシートは、摺曲部を有し、この摺曲部は、前述したピストンヘッドプレート上に取付ける位置決め領域が一側に設けられ、ピストンの吸気流路を覆う作用領域が他側に設けられ、前述したエアストップシートの作用領域と、エアストップシートの位置決め領域とは、摺曲部を境界軸線としてエアストップシートの外向面に、180度より小さな鈍角が形成されるとともに、エアストップシートの作用領域の内向面が自ずと前述したピストンヘッドプレートの頂端平面に対して小角度が形成された開いた状態となり、通気空間が形成され、空気圧縮機のピストンが停止した状態下で、エアストップシートの作用領域がエア通路に対して開いた状態に保持され、ピストンのエア通路は流れがスムーズとなり、シリンダー中の圧力は、周囲の大気と均衡し、空気圧縮機が再び起動されると、そのピストンの上動行程時に余計な抵抗力(背圧抵抗力)は発生せず、シリンダー内でピストンが往復運動を行うときに、スムーズな圧縮を維持することができ、安全に使用することができる上、使用寿命が延び、気体被注入物に容易かつ速やかに気体を注入させることができる空気圧縮機装置を提供することにある。
本発明の第2の課題は、空気圧縮機装置内に設けられたシリンダー内で運動するピストン上にエアストップシートが設けられ、エアストップシートの位置決め領域に円孔が形成され、前述した円孔に対応したピストンヘッドプレートが固定ピンを有し、前述したエアストップシートは、作用領域に貫通されて形成された貫通孔を有し、前述したピストンヘッドプレートの上述した貫通孔に対応した箇所には、貫通孔に嵌合される位置規制フックが設けられるとともに、上述した位置規制フックが空気圧縮機の出力パワーの大きさに応じてエアストップシートを開く高さを調整し、ピストンの上動行程において、エアストップシートの作用領域が前述したピストンヘッドプレートの頂端平面上に接触され、エアストップシートにより吸気流路を閉じ、ピストンの下動行程では、エアストップシートが外気の押圧力を受けて開く幅が大きくなりやすいが、上述した位置規制フックにより制限され、エアストップシートが無制限に開かれることによりエアストップシートがへたったり損壊したりすることを防ぐことができ、ピストンが静止状態にあるとき、前述したエアストップシートの作用領域と、前述したピストンヘッドプレートの頂端平面とが開かれた状態に維持され、上述したエアストップシートの貫通孔は、前述した位置規制フックに係止される空気圧縮機装置を提供することにある。
本発明の第3の課題は、空気圧縮機装置内に設置したシリンダー内で運動するピストン上にエアストップシートが設けられ、このエアストップシートの位置決め領域と作用領域との間には、機械工業技術を利用してシート上に多線摺曲部が設けられ、この多線摺曲部には、第1の折曲げ線及び第2の折曲げ線を含む複数の折曲げ線が形成され、大きめのパワーの空気圧縮機が緩衝機能を得て、上下動行程をスムーズにし得て、静止状態にあるとき、このエアストップシートの作用領域と、前述したピストンヘッドプレートの頂端平面との間が開かれた状態に維持され、上述したエアストップシートの貫通孔は、位置規制フックに係止される空気圧縮機装置を提供することにある。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る空気圧縮機装置のピストンを示す分解斜視図である。
図2図2は、本発明の一実施形態に係る空気圧縮機装置のピストンを示す斜視図である。
図3図3は、本発明の一実施形態に係る空気圧縮機装置のピストンがシリンダー内にあるときの状態を示す部分断面図である。
図4図4は、本発明の一実施形態に係る空気圧縮機装置のピストンを示す部分拡大断面図である。
図5図5は、本発明の一実施形態に係る気圧縮機装置の一部を示す分解斜視図である。
図6図6は、本発明の一実施形態に係る空気圧縮機装置のピストンの下動行程時の圧縮空気の流れの説明図である。
図7図7は、本発明の一実施形態に係る空気圧縮機装置のピストンの上動行程時の説明図である。
図8図8は、本発明の一実施形態に係る空気圧縮機装置の他のピストンを示す分解斜視図である。
図9図9は、本発明の一実施形態に係る空気圧縮機装置の他のピストンを示す断面図である。
図10図10は、本発明の一実施形態に係る空気圧縮機装置の他のピストンの一部を示す断面拡大図である。
図11図11は、本発明の一実施形態に係る空気圧縮機装置の他のピストンの下動行程時の圧縮空気の流れの説明図である。
図12図12は、本発明の一実施形態に係る空気圧縮機装置の他のピストンの上動行程時の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、これによって本発明が限定されるものではない。
【0006】
図5を参照する。図5に示すように、本発明の一実施形態に係る空気圧縮機装置が含む空気圧縮機10は、チャンバ、筐体1又はその他現場に設置されてもよい。図5に示すように、筐体1内には、空気圧縮機10装置が配設され、この空気圧縮機10装置は、気体を注入するために用いるか、シール・ポンプアップ装置と接続して(この技術は従来技術であるため図示しない)気体注入及びパンク修理を行うことができる。空気圧縮機10は、モータ12を固定する基板11と、基板11上に結合するシリンダー13と、を含む。基板11には、空気圧縮機10の伝動機構14が配設される。伝動機構14には、ピストンが接続される。図1図4を併せて参照する。図1図4に示すように、ピストンは、ピストンヘッドプレート21及び底板22を含む。ピストンヘッドプレート21及び底板22の外周縁部には、気密シール24が取り付けられる。気密シール24は、空気圧縮機10が稼働中でもピストンの周囲及びシリンダー13内の表面を密封し続けることができる。前述したピストンヘッドプレート21及び底板22には、上下方向に貫通された吸気流路23が形成される。前述した底板22には、下方に延びたピストンロッド5が延設される。ピストンロッド5は、伝動機構14中のクランクシャフト141が枢着される円孔51が下端に形成される。前述したピストンロッド5の上端には、左右方向に貫通されたエア通路52が形成され、前述した吸気流路23がエア通路52と連通する。モータ12の出力軸は、伝動機構14のクランクシャフト141を旋回させるとともに、シリンダー13内でピストンが上動及び下動の動作を行って発生させた圧縮空気を空気貯蔵ユニット15内に進入させ、排気マニホールドを介して圧縮空気を圧力計16に進入させて圧力を表示させ、排気ホースの接合を介し、気体被注入物に対して気体を注入してもよいし(図示せず)、排気ホース又はバルブにより破損したタイヤにシール剤を注入してタイヤを修理するとともにタイヤの気圧を高めることができるが(図示せず)、これらは従来技術であるため図示しておらず、細部の構造についても省略していることをここで併せて述べておく。
【0007】
本発明に係る空気圧縮機10は、ピストンのピストンヘッドプレート21に取り付けられたエアストップシート7を有する。エアストップシート7は、摺曲部71を有する。摺曲部71は、少なくとも折曲げ線711を有し、摺曲部71が複数の折曲げ線を有するため、空気圧縮機の様々な出力パワーのニーズに対応することができる。折曲げ線711は、不用意にエアストップシート7を折曲げて折曲げ角度を形成して本明細書の折曲げ線711を形成するのではなく、機械工業技術を利用して精確にエアストップシート7に予め折曲げ角度を形成して折曲げ線711を形成する。外部の圧力がエアストップシート7に印加されると、エアストップシート7の応力が既定の折曲げ線711(又は軌道)に沿って上下方向に開閉動作を行う。折曲げ線711の一側に設けられた位置決め領域72は、前述したピストンヘッドプレート21上に取付けられてもよい。即ち、ピストンヘッドプレート21は、互いに分離された2つの固定ピン211,212を有し、固定ピン211,212に対応したエアストップシート7の位置決め領域72には、互いに分離された円孔721,722がそれぞれ形成され、エアストップシート7の円孔721,722がピストンヘッドプレート21の固定ピン211,212にそれぞれ位置決めされると、エアストップシート7がピストンヘッドプレート21上に堅牢に固定される。前述したエアストップシート7は、折曲げ線711の他側を作用領域73として用いる。作用領域73は、ピストンの吸気流路23を覆うことができる。前述したエアストップシート7の作用領域73とエアストップシート7の位置決め領域72とは、折曲げ線711を境界軸線としてエアストップシート7の正面(即ち、上動動作を行うときのエアストップシート7はシリンダー13の上面に対向する)に、180度より小さな鈍角を形成する構造にするとともに、エアストップシート7の作用領域73がシリンダー13に背向する背向面が自ずと前述したピストンヘッドプレート21の頂端平面に小角度θが形成される開いた状態となって通気空間Zが形成され、空気圧縮機10のピストンが停止した状態下で、エアストップシート7の作用領域73が吸気流路23及びエア通路52に対して開いた状態に維持され、ピストンの吸気流路23は流れがスムーズとなり、シリンダー13中の圧力は、周囲の大気と均衡し、空気圧縮機10が再び稼働されると、そのピストンの上動行程時に余計な抵抗力(背圧抵抗力)は発生しない。図6及び図7に示すように、シリンダー13内でピストンが往復運動を行うときに、スムーズな圧縮を維持することができ、安全に使用することができる上、使用寿命が延び、気体被注入物に容易かつ速やかに気体を注入させることができる。前述したエアストップシート7は、作用領域73に貫通されて形成された貫通孔731を有する。前述したピストンヘッドプレート21の上述した貫通孔731に対応した箇所には、貫通孔731に嵌合される位置規制フック20が設けられる。位置規制フック20は、縦支柱213及び横支柱214を含む。ピストンの上動行程において、エアストップシート7の作用領域73を前述したピストンヘッドプレート21の頂端平面上に接触され、エアストップシート7により吸気流路23が閉じられる。ピストンの下動行程では、エアストップシート7が外気の押圧力を受けて開く幅が大きくなりやすいが、上述した位置規制フック20に設けられた横支柱214により制限され、エアストップシート7が無制限に開かれることによりエアストップシート7がへたったり損壊したりすることを防ぐことができる。位置規制フック20に設けた縦支柱213の長さは、空気圧縮機の出力パワーの大きさに応じて適宜長くしたり短くしたりし、エアストップシート7の振幅を動作原理に合致させることができる。ピストンが静止状態にあるとき、前述したエアストップシート7の作用領域73と、前述したピストンヘッドプレート21の頂端平面とが開かれた状態に維持されている。即ち、予め開かれた角度θ及び通気空間Zを有する。上述したエアストップシート7の貫通孔731は、前述した位置規制フック20の横支柱214に係止される。本発明の位置規制フック20に設けた縦支柱213は、エアストップシート7の開閉経路を提供し、空気圧縮機の出力パワーの大きさに応じて縦支柱213の長さ(又は高さ)及び横支柱214を調整するようにされているため、エアストップシート7の初期高さを調整することができる。
【0008】
本発明のエアストップシート7の技術的特徴は、抵抗片本体上に設けた摺曲部71にある。この摺曲部71が有する折曲げ線711は、エアストップシート7により作用領域73におけるシートと、前述したピストンヘッドプレート21の頂端平面とにより共同で形成された小角度θの開いた状態が形成される。空気圧縮機に必要な様々な大きさのパワーに応じ、エアストップシート7のサイズ及び硬さを変えなければならず、本発明は、出力パワーが大きめの空気圧縮機に使用することができ、エアストップシートは上下で接触させることができる大きめの振幅を有する。そのため、上述したように実際に使用する際、摺曲部71が有する複数の折曲げ線711により、空気圧縮機の様々な大きさの出力パワーのニーズに対応することができる。本実施形態の摺曲部71の構造は多線摺曲部94である。多線摺曲部94は、第1の折曲げ線941及び第2の折曲げ線942を有する。図8図12に示すように、このエアストップシート9は、位置決め領域91と、位置決め領域91上に形成された円孔911,912と、他側に設けられた作用領域93と、を有する。作用領域93は、貫通されて形成された貫通孔931を有する。ピストンヘッドプレート81の前述した貫通孔931に対応した位置には、貫通孔931に嵌合される位置規制フック80が設けられ、ピストンの上動行程において、エアストップシート9の作用領域93が前述したピストンヘッドプレート81の頂端平面上に接触され、エアストップシート9によりピストンの吸気流路89が閉じられる。ピストンの下動行程において、エアストップシート9が外気の押圧力を受けると開く幅が大きくなるが、上述した位置規制フック80により制限されるため、エアストップシート9が無制限で開かれてエアストップシート9がへたったり損壊したりしてしまうことを防ぐことができる。本実施形態の技術的特徴は、エアストップシート9の位置決め領域91と作用領域93との境界に多線摺曲部94を設けることにある。本明細書で述べる多線摺曲部94には、機械工業技術を利用して折曲げ角度が形成される。即ち、多線摺曲部94には、第1の折曲げ線941及び第2の折曲げ線942が形成される。前述した第2の折曲げ線942から後方へ延びた位置決め領域91の円孔911,912は、ピストンヘッドプレート81の頂端平面の上ステップ85,86にそれぞれ挿通されるとともに、ピストンヘッドプレート81の頂端平面の底ステップ87,88に係止される。空気圧縮機が大パワーを出力する際、第1の折曲げ線941がピストンヘッドプレート81の頂端平面上に当接され、エアストップシート9の作用領域93のプレートと、前述したピストンヘッドプレート81の頂端平面とにより共同で小角度θを形成する開いた状態となり、空気圧縮機のピストンが停止した状態下で、エアストップシート9の作用領域93がピストンの吸気流路89に対して開いた状態に維持され、ピストンの吸気流路89を介して連通し、シリンダー13中の圧力と周囲の大気とが均衡し、空気圧縮機が再び起動された後、ピストンが上動行程にあるときでも余計な抵抗力(背圧抵抗力)が発生しないため、ピストンがシリンダー13内で往復運動を行うときに、スムーズな圧縮動作が維持され、安全に使用することができる上、使用寿命が延び、気体被注入物に容易かつ速やかに気体を注入し、大パワーがエアストップシート9に出力されるため、多線摺曲部94を設けることにより、エアストップシート9全体が行う上下振幅の開閉動作をスムーズにし、エアストップシート9全体が破壊されることを防ぐことができる。
【符号の説明】
【0009】
1:筐体
5:ピストンロッド
7:エアストップシート
9:エアストップシート
10:空気圧縮機
11:基板
12:モータ
13:シリンダー
14:伝動機構
15:空気貯蔵ユニット
16:圧力計
20:位置規制フック
21:ピストンヘッドプレート
22:底板
23:吸気流路
24:気密シール
51:円孔
52:エア通路
71:摺曲部
72:位置決め領域
73:作用領域
80:位置規制フック
81:ピストンヘッドプレート
85:上ステップ
86:上ステップ
87:底ステップ
88:底ステップ
89:吸気流路
91:位置決め領域
93:作用領域
94:多線摺曲部
141:クランクシャフト
211:固定ピン
212:固定ピン
213:縦支柱
214:横支柱
711:折曲げ線
721:円孔
722:円孔
731:貫通孔
911:円孔
912:円孔
931:貫通孔
941:第1の折曲げ線
942:第2の折曲げ線
Z:通気空間
θ:角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12