(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022164605
(43)【公開日】2022-10-27
(54)【発明の名称】フィルタエレメント
(51)【国際特許分類】
B01D 29/11 20060101AFI20221020BHJP
B01D 29/07 20060101ALI20221020BHJP
B01D 46/52 20060101ALI20221020BHJP
B01D 46/24 20060101ALI20221020BHJP
【FI】
B01D29/10 510E
B01D29/10 510G
B01D29/10 530A
B01D29/06 510E
B01D46/52 A
B01D46/24 B
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022065652
(22)【出願日】2022-04-12
(31)【優先権主張番号】17/231,611
(32)【優先日】2021-04-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】596064112
【氏名又は名称】ポール・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】Pall Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ヘバール, ララ
(72)【発明者】
【氏名】ヴェルシュナイダー, マシュー ジェイ.
【テーマコード(参考)】
4D058
4D116
【Fターム(参考)】
4D058JA02
4D058JA10
4D058KA01
4D058KA06
4D058KA08
4D058KA13
4D058LA01
4D116BB01
4D116BC13
4D116BC23
4D116BC27
4D116BC45
4D116BC46
4D116BC75
4D116DD06
4D116EE02
4D116EE04
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4D116GG01
4D116GG12
4D116HH24B
4D116QB03
4D116QB15
4D116QB25
4D116QB26
4D116QB50
4D116ZZ01
(57)【要約】
【課題】所望の長さのフィルタを提供するために、短いフィルタエレメント及び/又はフィルタカートリッジは、ジョイナキャップ又はロック、例えば、機械的にロック又は係合されるエレメント及び/又はカートリッジのそれぞれのプラスチックピースを使用して結合される。所望の長さの改善されたフィルタが必要とされている。
【解決手段】そこで、2つの繊維状多孔質区域を接合することによって形成された繊維状多孔質フィルタエレメント、接合区域を含む多孔質フィルタエレメント及びフィルタを含むフィルタバスケット及びフィルタデバイス、フィルタエレメント及びフィルタの製造方法、並びにフィルタエレメント及びフィルタを用いる濾過方法を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)上端部、下端部、第1の側端部、第2の側端部、第1の平面、第2の平面、及び第1の繊維状多孔質区域厚さを有する第1の繊維状多孔質区域と、
(b)上端部、下端部、第1の側端部、第2の側端部、第1の平面、第2の平面、及び第2の繊維状多孔質区域厚さを有する第2の繊維状多孔質区域と
を備える繊維状多孔質フィルタエレメントであって、
前記第1の繊維状多孔質区域の前記上端部の前記第1の平面又は前記第2の平面が前記第2の繊維状多孔質区域の前記上端部の前記第1の平面又は前記第2の平面に接合部材によって接合され、
前記第1の繊維状多孔質区域の前記下端部の前記第1の平面又は前記第2の平面が前記第2の繊維状多孔質区域の前記下端部の前記第1の平面又は前記第2の平面に接合部材によって接合され、
前記接合部材が、前記第1の繊維状多孔質区域の前記第1の平面若しくは前記第2の平面上に、又は前記第2の繊維状多孔質区域の前記第1の平面若しくは前記第2の平面上に突出部を形成する部分を有する、繊維状多孔質フィルタエレメント。
【請求項2】
(a)上端部、下端部、第1の側端部、第2の側端部、第1の平面、第2の平面、及び第1の繊維状多孔質区域厚さを有する第1の繊維状多孔質区域と、
(b)上端部、下端部、第1の側端部、第2の側端部、第1の平面、第2の平面、及び第2の繊維状多孔質区域厚さを有する第2の繊維状多孔質区域と
を備える繊維状多孔質フィルタエレメントであって、
前記第1の繊維状多孔質区域の上端部の前記第1の平面又は前記第2の平面が前記第2の繊維状多孔質区域の上端部の前記第1の平面又は前記第2の平面に接合され、
前記第1の繊維状多孔質区域の下端部の前記第1の平面又は前記第2の平面が前記第2の繊維状多孔質区域の下端部の前記第1の平面又は前記第2の平面に接合され、
直立接合部材が形成され、その後、前記直立接合部材の表面が前記第1の繊維状多孔質区域の前記第1の平面若しくは前記第2の平面に、又は前記第2の繊維状多孔質区域の前記第1の平面若しくは前記第2の平面に接触するように前記直立接合部材が折り曲げられる、繊維状多孔質フィルタエレメント。
【請求項3】
プリーツ付きフィルタエレメントを備える、請求項1又は2に記載の繊維状多孔質フィルタエレメント。
【請求項4】
ドレネージエレメント及び/又はサポートエレメントを更に備える、請求項1又は2に記載の繊維状多孔質フィルタエレメント。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の少なくとも2つの繊維状多孔質フィルタエレメントを備える、多孔質フィルタ。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の少なくとも1つの繊維状多孔質フィルタエレメントを備える多孔質フィルタであって、外側ラップ及び/又はエンドキャップを更に備える、多孔質フィルタ。
【請求項7】
第1の端部及び第2の端部を有するハウジングと、貫通する開口部を有する側壁と、請求項6に記載の多孔質フィルタを受け入れるために前記第1の端部で開口した中空区域とを備える、フィルタバスケット。
【請求項8】
前記第1の端部で開口した少なくとも2つの区域を有し、前記少なくとも2つの区域のそれぞれが請求項6に記載の多孔質フィルタを受け入れるのに適したものである、請求項7に記載のフィルタバスケット。
【請求項9】
入口及び出口を有し、前記入口と前記出口との間に流体流路を設けたデバイスハウジングと、前記流体流路を横切って前記ハウジング内に配置された請求項6に記載の少なくとも1つの多孔質フィルタとを備える、フィルタデバイス。
【請求項10】
前記少なくとも1つの多孔質フィルタを保持するフィルタバスケットを含み、前記フィルタバスケットが前記流体流路を横切って前記デバイスハウジング内に配置される、請求項9に記載のフィルタデバイス。
【請求項11】
請求項1又は2に記載の繊維状多孔質フィルタエレメントに流体を通過させるステップを含む、流体を濾過する方法。
【請求項12】
第1の繊維状多孔質区域及び第2の繊維状多孔質区域のそれぞれの表面が互いに接触するように、第1の繊維状多孔質区域を第2の繊維状多孔質区域に接触させて配置するステップと、
前記第1の繊維状多孔質区域の端部と前記第2の繊維状多孔質区域の端部で前記第1の繊維状多孔質区域を前記第2の繊維状多孔質区域に接合し、前記第1の繊維状多孔質区域の前記端部が前記第2の繊維状多孔質区域の前記端部と接触して接合部材を形成するステップと、
前記第1の繊維状多孔質区域を前記第2の繊維状多孔質区域から離隔して広げ、前記第1の繊維状多孔質区域が前記接合部材によって前記第2の繊維状多孔質区域に接合されたままとするステップと
を含む、フィルタエレメントを作製する方法。
【請求項13】
前記接合部材の一部を折り曲げるステップを更に含む、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の背景】
【0001】
[0001]所望の長さのフィルタを提供するために、短いフィルタエレメント及び/又はフィルタカートリッジが、ジョイナキャップ(joiner cap)又はロック、例えば、機械的にロック又は係合されるエレメント及び/又はカートリッジのそれぞれのプラスチックピースを使用して結合される。所望の長さの改善されたフィルタが必要とされている。
【0002】
[0002]本発明は、従来技術の問題点のうちの少なくともいくつかを改良することを可能とする。本発明の上記及びその他の利点は、以下に記載される説明から明らかになろう。
【発明の概要】
【0003】
[0003]本発明の一態様は、(a)上端部、下端部、第1の側端部、第2の側端部、第1の平面、第2の平面、及び第1の繊維状多孔質区域厚さを有する第1の繊維状多孔質区域と、(b)上端部、下端部、第1の側端部、第2の側端部、第1の平面、第2の平面、及び第2の繊維状多孔質区域厚さを有する第2の繊維状多孔質区域とを備える繊維状多孔質フィルタエレメントであって、第1の繊維状多孔質区域の上端部の第1又は第2の平面が第2の繊維状多孔質区域の上端部の第1又は第2の平面に接合部材によって接合され、第1の繊維状多孔質区域の下端部の第1又は第2の平面が第2の繊維状多孔質区域の下端部の第1又は第2の平面に接合部材によって接合され、接合部材が第1の繊維状多孔質区域の第1若しくは第2の平面上又は第2の繊維状多孔質区域の第1若しくは第2の平面上に突出部を形成する部分を有する、繊維状多孔質フィルタエレメントを提供する。
【0004】
[0004]本発明の別の態様は、(a)上端部、下端部、第1の側端部、第2の側端部、第1の平面、第2の平面及び第1の繊維状多孔質区域厚さを有する第1の繊維状多孔質区域と、(b)上端部、下端部、第1の側端部、第2の側端部、第1の平面、第2の平面及び第2の繊維状多孔質区域厚さを有する第2の繊維状多孔質区域とを備え、第1の繊維状多孔質区域の上端部の第1又は第2の平面が第2の繊維状多孔質区域の上端部の第1又は第2の平面に接合され、第1の繊維状多孔質区域の下端部の第1又は第2の平面が第2の繊維状多孔質区域の下端部の第1又は第2の平面に接合され、直立接合部材が形成され、その後、直立接合部材の表面が第1の繊維状多孔質区域の第1若しくは第2の平面又は第2の繊維状多孔質区域の第1若しくは第2の平面に接触するように直立接合部材が折り曲げられる、繊維状多孔質フィルタエレメントを提供する。
【0005】
[0005]本発明の他の態様は、少なくとも1つの繊維状多孔質フィルタエレメント(いくつかの態様では、少なくとも2つの多孔質フィルタエレメント)と、少なくとも1つの繊維状多孔質フィルタエレメント、又は繊維状多孔質フィルタエレメントを含む少なくとも1つの多孔質フィルタ、好ましくは少なくとも2つの繊維状多孔質フィルタエレメント、又は少なくとも2つの多孔質フィルタを保持するように構成されたフィルタバスケットハウジングを備えるマルチプルフィルタバスケットと、流体流路を横切ってフィルタハウジング内に配置された繊維状多孔質フィルタエレメントを備える少なくとも1つの多孔質フィルタを備えるフィルタデバイスと、繊維状多孔質フィルタエレメントの作製方法と、流体流路を横切ってフィルタデバイスハウジング内に配置された、少なくとも1つの繊維状多孔質フィルタエレメント又は多孔質フィルタエレメントを含む少なくとも1つの多孔質フィルタ、好ましくは少なくとも2つの繊維状多孔質フィルタエレメント又は少なくとも2つの多孔質フィルタを保持するように構成されたフィルタバスケットハウジングを備えるマルチプルフィルタバスケットを備えるフィルタデバイスと、繊維状多孔質フィルタエレメント及び多孔質フィルタの使用方法とを含む、多孔質フィルタを含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本発明の一態様による多孔質フィルタエレメントの作製方法の概略図である。
【
図2A】本発明の一態様による多孔質フィルタエレメントの側面図であり、フィルタエレメントは、プリーツ付き中空円筒形エレメントを形成するように、プリーツが付けられている。
【
図2B】
図2Aの詳細Cの線A-Aから線B-Bを通って垂直に切断した折り曲げられた接合部材の概略斜視図であり(プリーツは図示せず)、一方の側に折り曲げられた突出部を示す。
【
図2C】
図2Aの詳細Cの線A-Aから線B-Bを通って垂直に切断した折り曲げられた接合部材の概略側面図である。
【
図3】
図2Aに示す多孔質フィルタエレメントを含む多孔質フィルタの部分切断斜視図である。
【
図4A】
図4A~
図4Cは、本発明の一態様による、
図3に示す少なくとも1つの多孔質フィルタを保持するためのフィルタバスケットの斜視図であり、フィルタがフィルタバスケットに挿入されることを示す。
図4Aは、フィルタバスケットの第1の端部(上端部)に挿入されている多孔質フィルタを示す。
【
図4B】フィルタバスケットに挿入され、フィルタ保持具で保持されている多孔質フィルタを示す。
【
図4C】1つの多孔質フィルタが挿入されて保持され、別の多孔質フィルタが挿入されているマルチプルフィルタバスケットを示す。
【
図5A】
図5A~
図5Cは、入口及び出口を含み、入口と出口との間に流体流路を画定し、本発明の一態様による、流体流路を横切る1つ又は複数の多孔質フィルタを含むフィルタエレメントホルダを保持するためのフィルタデバイスを示す。
図5Aはフィルタデバイスの斜視図である。
【
図5B】入口及び出口を含み、入口と出口との間に流体流路を画定するフィルタデバイスの、
図4Cに示すマルチプルフィルタエレメントホルダを含む部分切断図であり、本発明の一態様による、
図3に示す多孔質フィルタの側面図でもあり、ホルダ内の多孔質フィルタは、挿入された多孔質フィルタが流体流路を横切るようにフィルタハウジング内に配置されている。
【
図5C】
図5Bに示すフィルタデバイスを示し、同じく多孔質フィルタを断面図で示し、フィルタの突出部のない側の2つの接合された繊維状多孔質区域間の継ぎ目をも示す(フィルタの下流側で下流ドレネージエレメントは図示せず)。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[0011]本発明の一態様によれば、(a)上端部、下端部、第1の側端部、第2の側端部、第1の平面、第2の平面、及び第1の繊維状多孔質区域厚さを有する第1の繊維状多孔質区域と、(b)上端部、下端部、第1の側端部、第2の側端部、第1の平面、第2の平面、及び第2の繊維状多孔質区域厚さを有する第2の繊維状多孔質区域とを備える、繊維状多孔質フィルタエレメントであって、第1の繊維状多孔質区域の上端部の第1又は第2の平面が第2の繊維状多孔質区域の上端部の第1又は第2の平面に接合部材によって接合され、第1の繊維状多孔質区域の下端部の第1又は第2の平面が第2の繊維状多孔質区域の下端部の第1又は第2の平面に接合部材によって接合され、前記接合部材が第1の繊維状多孔質区域の第1若しくは第2の平面上又は第2の繊維状多孔質区域の第1若しくは第2の平面上に突出部を形成する部分を有する、繊維状多孔質フィルタエレメントが提供される。
【0008】
[0012]本発明の別の態様は、(a)上端部、下端部、第1の側端部、第2の側端部、第1の平面、第2の平面、及び第1の繊維状多孔質区域厚さを有する第1の繊維状多孔質区域と、(b)上端部、下端部、第1の側端部、第2の側端部、第1の平面、第2の平面、及び第2の繊維状多孔質区域厚さを有する第2の繊維状多孔質区域とを備える繊維状多孔質フィルタエレメントであって、第1の繊維状多孔質区域の上端部の第1又は第2の平面が第2の繊維状多孔質区域の上端部の第1又は第2の平面に接合され、第1の繊維状多孔質区域の下端部の第1又は第2の平面が第2の繊維状多孔質区域の下端部の第1又は第2の平面に接合され、直立接合部材が形成され、その後、直立接合部材の表面が第1の繊維状多孔質区域の第1若しくは第2の平面又は第2の繊維状多孔質区域の第1若しくは第2の平面に接触するように直立接合部材が折り曲げられる、繊維状多孔質フィルタエレメントを提供する。
【0009】
[0013]本発明の別の態様は、本発明の一態様による少なくとも1つの繊維状多孔質フィルタエレメントを含む多孔質フィルタを提供する。いくつかの態様では、繊維状多孔質エレメントは、1つ又は複数の追加の繊維状多孔質区域を含み、及び/又は多孔質フィルタは、少なくとも2つの多孔質フィルタエレメントを含む。好ましい一態様では、多孔質フィルタはプリーツ付きフィルタである。
【0010】
[0014]別の態様では、第1の端部及び第2の端部を有するフィルタバスケットハウジングと、貫通する開口部を有する側壁とを備えるフィルタバスケットが提供され、フィルタバスケットは、本発明の一態様による、少なくとも1つの多孔質フィルタエレメント又は多孔質フィルタエレメントを含む少なくとも1つの多孔質フィルタを保持するように構成され、フィルタバスケットは、多孔質フィルタエレメント又は多孔質フィルタエレメントを含む多孔質フィルタを受け入れるために第1の端部で開口した中空区域を有する。フィルタバスケットの態様は、多孔質フィルタエレメント又は多孔質フィルタエレメントを含む多孔質フィルタを受け入れるために第1の端部で開口した別個の中空区域を含むことができるので、フィルタバスケットは、任意の数の多孔質フィルタエレメント又は多孔質フィルタエレメントを含む多孔質フィルタを保持するように(適切な数の区域を含むことによって)構成することができる。
【0011】
[0015]別の態様では、入口及び出口を有し、入口と出口との間に流体流路を画定するデバイスハウジングと、流体流路を横切ってハウジング内に配置された、本発明の一態様による、少なくとも1つの繊維状多孔質フィルタエレメント又は繊維状多孔質フィルタエレメントを含む少なくとも1つの多孔質フィルタとを備えるフィルタデバイスが提供される。必要に応じて、フィルタデバイスは、少なくとも1つの多孔質フィルタエレメント又は多孔質フィルタエレメントを含む少なくとも1つの多孔質フィルタを含むフィルタバスケットを含むことができ、フィルタバスケットは、多孔質フィルタエレメント又は多孔質フィルタエレメントを含む多孔質フィルタのそれぞれが流体流路を横切るように、フィルタデバイスハウジング内に配置される。
【0012】
[0016]本発明の他の態様は、繊維状多孔質フィルタエレメント及び多孔質フィルタの作製方法、並びに繊維状多孔質フィルタエレメント及び多孔質フィルタの使用方法である。
【0013】
[0017]一態様では、フィルタエレメントの作製方法は、第1の繊維状多孔質メディア及び第2の繊維状多孔質メディアのそれぞれの表面が互いに接触するように、第1の繊維状多孔質メディアを第2の繊維状多孔質メディアと接触させて配置するステップと、第1の繊維状多孔質メディアの端部及び第2の繊維状多孔質メディアの端部で、第1の繊維状多孔質メディアを第2の繊維状多孔質メディアに接合し、第1の繊維状多孔質メディアの端部が第2の繊維状多孔質メディアの端部と接触して接合部材を形成するステップと、第1の繊維状多孔質メディアを前記第2の繊維状多孔質メディアから離隔して広げ、第1の繊維状多孔質メディアが接合部材によって第2の繊維状多孔質メディアに接合されたままとするステップとを含む。
【0014】
[0018]好ましい態様では、本方法は、接合部材の一部を折り曲げることを更に含む。
【0015】
[0019]本方法の態様は、追加のフィルタエレメントを作製するステップと、続いて、多孔質フィルタを製造する前に1つのフィルタエレメントを別のフィルタエレメントの上に配置するステップとを含むことができる。
【0016】
[0020]好適には、本発明の態様によるフィルタエレメントは、フィルタエレメント同士を接合するためのジョイナキャップを有するフィルタエレメントの製造と比較して、より少ない部品点数、より複雑でない機械、及びより少ない労力のうちの1つ又は複数のいずれかを用いて製造することができる。更に、フィルタエレメントはジョイナキャップなしで接合されているため、フィルタエレメントの誤った接合に起因する故障モードのリスクが少ない。
【0017】
[0021]本発明の態様によるフィルタエレメントのフィルタ品質/フィルタ効率は、ジョイナキャップを有するフィルタエレメントのフィルタ品質/フィルタ効率と本質的に同じである。
【0018】
[0022]以下、本発明の各構成要素をより詳細に説明するが、同様の構成要素は同様の参照番号を有する。
【0019】
[0023]
図1に示すように、2枚の繊維状多孔質メディア10、20(平らな繊維状多孔質メディアとして示す)を互いに接触させて配置する。
【0020】
[0024]図示の第1の繊維状多孔質メディア10は、第1の平面10aと、第2の平面10bと、上端部11と、下端部12と、第1の側端部13と、第2の側端部14と、第1の多孔質メディア厚さ15とを有する。図示の第2の繊維状多孔質メディア20は、第1の平面20aと、第2の平面20bと、上端部21と、下端部22と、第1の側端部23と、第2の側端部24と、第2の多孔質メディア厚さ25とを有する。この概略図での参照をしやすくすると、平面10a及び20aは、互いに接触して配置されており、これらの上端部11及び21で接合部材50によって接合されるが、一方の多孔質メディアのいずれかの平面を他方の多孔質メディアのいずれかの平面と接触するように配置でき、「上」、「下」、又は「側」端部への言及は任意であり、接合部材は、多孔質メディアのある端部が他の多孔質メディアの端部と接触する接触部分で形成され、メディアがそれらの端部で接合されるということは明らかである。
【0021】
[0025]
図1に更に示すように、接合後、多孔質メディアを離隔して広げ、第1の繊維状多孔質区域100及び第2の繊維状多孔質区域200が準備され、接合部材50(多孔質メディア10及び20の一部を含む)は、上向きに、例えば、平面10b及び20に略垂直に向き、その後、接合部材は折り曲げられて(一方の側に突出部51を形成し)、多孔質フィルタエレメント500(プリーツ付きフィルタエレメントとして
図2A、
図2D、及び
図3に示す)が実現される。好ましくは、多孔質フィルタエレメントを含むフィルタの上流側となる繊維状多孔質フィルタエレメントの表面は、折り曲げられた接合部材を含み(
図2Cの側面552は、折り曲げられた接合部材を含む)、側面551は、接続の継ぎ目57(
図3及び
図5Cも参照)を示し、接合部材にかかる剥離応力を低減する。
【0022】
[0026]
図2B及び
図2Cにより詳細に示すように、接合部材50は、第1の繊維状多孔質区域の第1若しくは第2の平面上又は第2の繊維状多孔質区域の第1若しくは第2の平面上に突出部51を形成する部分と、繊維状多孔質区域が接合される面(突出部が形成される面と対向する面)上に形成される継ぎ目57とを有する。いくつかの態様では、突出部は、第1の繊維状多孔質区域厚さ15よりも厚く、かつ第2の繊維状多孔質区域厚さ25よりも厚い突出部厚さ55を有するか、又は、第1の繊維状多孔質区域厚さ15よりも薄く、かつ第2の繊維状多孔質区域厚さ25よりも薄い突出部厚さを有する。例えば、突出部厚さは、第1の繊維状多孔質区域厚さ15及び繊維状多孔質区域厚さ25の約半分~約2倍の範囲とすることができる。
【0023】
[0027]必要に応じて、少なくとも2つの繊維状多孔質フィルタエレメントを上記のように別々に製造することができ、繊維状多孔質フィルタエレメントを含む多孔質フィルタを製造する前に、一方の製造されたエレメントを他方の製造されたエレメントの上に(例えば、一方のエレメントの下面が他方のエレメントの上面に接触するように)配置することができ、例えば、多孔質フィルタは、前濾過を行う上流の繊維状多孔質フィルタエレメントと、高精度な濾過を行う下流の繊維状多孔質フィルタエレメントとを有する。
【0024】
[0028]好ましい態様では、
図2A、
図2D、及び
図3に示すように、多孔質フィルタエレメントはプリーツ付きであり、中央空洞550、内面551(両方とも
図2Dに示されており、継ぎ目57は図示されておらず、
図3に示されている)、外面552、及び複数のプリーツ575(両方とも
図2A、
図2D、及び
図3に示されている)を有する中空円筒形のプリーツ付き多孔質フィルタエレメント500を形成する。
図3及び
図5Cに示す態様(多孔質フィルタエレメント500を含む多孔質フィルタ600を示す)では、継ぎ目57が内面551上に示されている。例示を目的として(例えば、継ぎ目57を説明するために)、多孔質フィルタ600内の多孔質フィルタエレメント500が短縮された図で示されている。
【0025】
[0029]本発明の態様による多孔質フィルタ及び繊維状多孔質フィルタエレメントは、例えば、米国特許第5,543,047号及び第9,744,484号に開示されているエレメント、層及び/又は構成要素、並びに構成を含むことができる。
【0026】
[0030]いくつかの態様では、本発明の1つ又は複数の態様による、繊維状多孔質フィルタエレメント及び/又は多孔質フィルタエレメントを含む多孔質フィルタは、異なる構造及び/又は機能、例えば、前濾過、支持、ドレネージ、間隔、及び緩衝作用のいずれか1つ又は複数のうち少なくとも1つを有することができる追加のエレメント、層、及び/又は構成要素を含むことができる。例示的には、本発明の一態様による、多孔質フィルタエレメント及び/又は多孔質フィルタエレメントを含む多孔質フィルタは、コア、ドレネージエレメント、及びサポートエレメントのいずれか1つ又は複数を更に備える。
【0027】
[0031]一般的には、繊維状多孔質フィルタエレメント及び/又は少なくとも1つの多孔質フィルタエレメントを含む多孔質フィルタは、メッシュ及び/又はスクリーンなどの少なくとも1つの追加のエレメント(例えば、ドレネージエレメント)を含み、いくつかの態様では、上流面及び下流面に接触する追加のエレメントを有する。必要に応じて、追加のエレメントの少なくとも1つを、プリーツを付ける前に多孔質フィルタエレメントの表面と接触させて配置することができる。
【0028】
[0032]
図3に示す多孔質フィルタエレメント500を含む多孔質フィルタ600の態様では、多孔質フィルタは、多孔質フィルタエレメント500の下流面及び上流面にそれぞれ接触する下流ドレネージエレメント614及び上流ドレネージエレメント613を含み、下流ドレネージエレメントの一部は継ぎ目57を説明するために示されておらず、上流ドレネージエレメントの一部は突出部51を説明するために示されていない。
【0029】
[0033]一態様では、多孔質フィルタは、例えば、支持のために、多孔質(例えば、メッシュ又はスクリーン)又は非多孔質であり得る外側ラップ部材を含む。必要に応じて、ラップ部材は、螺旋状ラップとして備えることができる。例えば、
図3に示す態様は、外側ラップ部材625を含む。螺旋状ラップは、ラップの隣接する巻回部間の重なりの有無にかかわらずフィルタエレメントの周りに巻き付けることができ、必要に応じて、
図2E及び
図3に示すように、ラップ部材の隣接する巻回部間に隙間626があり得る。
【0030】
[0034]代替的又は追加的に、いくつかの態様では、多孔質フィルタは、エンドキャップ、内側コア、及び外側ケージのいずれか1つ又は複数を含む。例示的には、
図3に示す態様は、多孔質フィルタの内側有孔コア650及びその一端にあるエンドキャップ641を示す(いくつかの態様では、多孔質フィルタは各端部にエンドキャップを含み、例えば、
図4A~
図4Cはフィルタの他端部にエンドキャップ642を示し、図示のエンドキャップ642はハンドル643を含む)。いくつかの態様では、エンドキャップ642は閉じたエンドキャップであり、エンドキャップ642は(例えば、
図4A~
図4Cに示すように)開いたエンドキャップである。
【0031】
[0035]別の態様では、フィルタバスケットが提供され、フィルタバスケットは、第1の端部及び第2の端部と貫通する開口部を有する側壁とを有するハウジングを備え、本発明の一態様による、少なくとも1つの多孔質フィルタエレメント又は多孔質フィルタエレメントを含む少なくとも1つの多孔質フィルタを保持するように適合され、多孔質フィルタエレメント又は多孔質フィルタエレメントを含む多孔質フィルタを受け入れるために第1の端部で開口した中空区域を有する。フィルタバスケットは、任意の数の、多孔質フィルタエレメント又は多孔質フィルタエレメントを含む多孔質フィルタを保持するように(適切な数の区域を含めることによって)構成することができる。
【0032】
[0036]
図4A~
図4Cは、フィルタバスケット700を示し、当該フィルタバスケットは、流体流路が第1の端部から側壁の開口部を通って確保され、多孔質フィルタエレメント又は多孔質フィルタエレメントを含む多孔質フィルタが流体流路を横切るように、第1の端部(上端部)701及び第2の端部(下端部)702を有するフィルタバスケットハウジング710と、貫通する開口部(又は穿孔)715を有する側壁と、本発明の一態様による、多孔質フィルタエレメント又は多孔質フィルタエレメントを含む多孔質フィルタを受け入れるための第1の端部701で開口した中空部703とを備える。フィルタバスケットは、側壁に任意の数の開口部を有することができ、開口部を必要に応じて様々なパターンで配置することができる。
【0033】
[0037]フィルタバスケットは、本発明の一態様による、多孔質フィルタエレメント又は多孔質フィルタエレメントを含む多孔質フィルタを任意の数だけ受け入れるための開口した端部を備えた対応区域を有するように構成することができる。
図4Cでは、フィルタバスケットは、7つの多孔質フィルタ600を受け入れるように構成されている。いくつかの態様では、
図4B及び
図4Cに示すように、フィルタバスケットハウジング内に多孔質フィルタを保持するために、フィルタ保持器751(屈曲したワイヤとして図示されている)が挿入される(例えば、区域の開口した端部の近くの溝に嵌合する)。必要に応じて、
図4A~
図4Cに示すように、フィルタバスケットは、例えば、フィルタ及びホルダを通る流れを均等化するためにフィルタを分離しておくために、及び/又は浸透液が落下するための経路を可能にするために、及び/又はホルダの「自由」端を支持するために、各フィルタのフィルタバスケットハウジングの外側表面上に装着された1つ又は複数のスパイダプレート711を含むことができる。
【0034】
[0038]必要に応じて、特にフィルタバスケットが複数の多孔質フィルタエレメント又は多孔質フィルタエレメントを含む多孔質フィルタを保持するように構成されている場合、フィルタバスケットは、
図4Cに示すように、フィルタバスケットハウジングの第1の端部701に固定(例えば、溶接)されたエンドプレート712を含むことができる。一般的には、第2の端部(下端部)702は閉じているが、いくつかの態様では、小さな開口部を含む場合がある。
【0035】
[0039]別の態様では、入口及び出口を有し、入口と出口との間に流体流路を画定するフィルタデバイスハウジングと、流体流路を横切ってハウジング内に配置された、本発明の一態様による、少なくとも1つの多孔質フィルタエレメント又は多孔質フィルタエレメントを含む少なくとも1つの多孔質フィルタとを備えるフィルタデバイスが提供される。必要に応じて、フィルタデバイスは、少なくとも1つの多孔質フィルタエレメント又は多孔質フィルタエレメントを含む少なくとも1つの多孔質フィルタを含むフィルタバスケットを含むことができ、フィルタバスケットは、多孔質フィルタエレメント又は多孔質フィルタエレメントを含む多孔質フィルタのそれぞれが流体流路を横切るように、フィルタデバイスハウジング内に配置される。
【0036】
[0040]
図5A~
図5Cは、入口1001及び出口1002を有し、入口と出口との間に流体流路を画定するハウジング1010を備えるフィルタデバイス1000を示し、複数の多孔質フィルタ600を含む
図4Cに示すようなフィルタバスケット700は、複数の多孔質フィルタも流体流路を横切るように、流体流路を横切ってフィルタデバイス内に配置される(例えば、流体は、入口1001、開いたエンドキャップ642を通り、多孔質フィルタ(インサイドアウトフロー)を通り、開口部715を通り、出口1002を通過する)。任意選択的に、フィルタデバイスは、追加の構成要素、例えば、1つ又は複数のポート1020(例えば、サンプリング用及び/又はベント用)を含むことができる。
【0037】
[0041]好ましくは、少なくともフィルタエレメントは滅菌可能である。
【0038】
[0042]フィルタバスケットハウジング及びフィルタデバイスハウジングは、処理される流体に適合している任意の適切な剛性の不浸透性材料から製造することができる。一般的には、ハウジングは、ステンレス鋼などの金属から製造される。
【0039】
[0043]更に別の態様では、流体を濾過する方法が提供され、流体流路に沿って流体を繊維状多孔質フィルタ(例えば、フィルタバスケット内又はフィルタバスケットの有無にかかわらずフィルタデバイス内)に通すステップと、流体が繊維状多孔質フィルタを通過する際に流体から望ましくない材料を除去するステップとを含む。
【0040】
[0044]多孔質膜及び繊維状多孔質メディアを含む様々な多孔質メディアは、本発明の態様に従って接合することができ、接合されたメディアは、フィルタエレメント及びフィルタを形成するように構成することができる。適切な多孔質メディアには、ガラス繊維メディア、及び例えば、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリフェニレンスルフィド、及びナイロンなどの繊維メディアがある。
【0041】
[0045]多孔質メディアは、当技術分野で知られている様々な技術によって、例えば、溶融接着(圧力あり又は圧力なし)、又は圧力及び熱(熱インパルス接合又は連続バンドシーラ接合など)、又は熱及び振動を伴う圧力(超音波接合など)を用いて接合(熱溶接又は熱的接合を含む)することができる。
【0042】
[0046]フィルタエレメントは、任意の適切な細孔構造、例えば、細孔サイズ(例えば、バブルポイントによって、又は、例えば、米国特許第4,340,479号に説明されているようなKLによって、又は、毛管凝縮フローポロメトリによって証明される)、細孔率、細孔径(例えば、米国特許第4,925,572号に説明されるように修正OSU F2試験を用いて特徴付けられる場合)、又は流体がエレメントを通過するときに対象とする1つ又は複数の物質の通過を減少させる、若しくは通過を可能にする除去率を有することができる。
【0043】
[0047]フィルタエレメントは、任意の所望の臨界湿潤表面張力(CWST、例えば、米国特許第4,925,572号明細書に定義されている)を有することができる。CWSTは、当技術分野で知られているように、例えば、米国特許第5,152,905号、第5,443,743号、第5,472,621号、及び第6,074,869号に更に開示されているように選択することができる。
【0044】
[0048]本発明の態様によれば、繊維状多孔質エレメント及び/又は繊維状多孔質エレメントを含む多孔質フィルタは、平面、プリーツ付き、及び中空円筒形を含む様々な構成を有することができる。好ましい態様では、フィルタエレメントは、プリーツ付きエレメント、より好ましくは、(例えば、米国特許第5,543,047号に説明されているように)「レイドオーバープリーツ」(LOP)フィルタ構成を含むプリーツ付き中空円筒形エレメントとして構成される。
【0045】
[0049]以下の実施例は、本発明を更に例示するが、当然のことながら、その範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【実施例0046】
[0050]この実施例は、本発明の一態様による繊維状ガラスメディアを含むフィルタエレメントの形成を実証する。
【0047】
[0051]ポリエステル基材に幅22インチの繊維状多孔質メディア(ガラス繊維)の2枚の平面シートを、結合される側面(ポリエステル基材)同士を互いに接触させて、重ね合わせる。互いに接触する側面は、互いに接触しない側面よりも融点が低い。別個のシーラント材料は使用しない。
【0048】
[0052]温度310℃(590°F)で圧力30psiを印加するOK連続式サーマルバンドシーラ(マサチューセッツ州マルボロのOK International Corp.)を使用して、2枚のシートの上縁部に、公称速度60フィート/分(fpm)(測定速度約10fpm)で加圧と加熱が行われ、より低い融点を有する側面が一緒に溶融して少なくとも約0.1インチの幅を有する接合部材又はスプライスを形成するように、シートが少なくとも約0.1インチの重なりで互いに接触している場所にこの圧力と熱が加えられる。
【0049】
[0053]次いで、メディアシートの結合されていない下縁部を分離して広げ、接合されたメディアシートが両方とも平らになるようにする。
【0050】
[0054]上向き(例えば、平らなシート面に対して略垂直)になっている接合部材を、メディアシートの一方の平面に対して平行にし、フィルタの上流側となる側面には、折り曲げられた接合部材があり、接合部材にかかる剥離応力を低減させることができる。
【0051】
[0055]その後、結果として得られた1枚の平らなメディアシートは、ナイロンメッシュのシートとリーメイ(Reemay)(登録商標)ポリエステル布地メディアのシートとの間に配置された後に、波形にし(又はプリーツを付け)、メッシュの外側螺旋状ラップ及び両端にエンドキャップを有するプリーツ付き中空円筒形フィルタパックが形成される。
[0057]幅22インチの繊維状多孔質メディア(ポリプロピレン)の平面シート2枚を一対として、二対をそれぞれ別個に重ね合わせる。一方の対のシートはグレーデッドメディアであり、他方の対のシートはアブソリュートグレードメディアである。別個のシーラント材料は使用しない。
[0058]約32μmの振幅振動及び35lbfの力を用いた超音波溶接機により、約240°Fの温度で20psiの力が2枚のシートからなる各対の上縁部に加えられ、熱的結合は、側面が一緒に溶融して接合部材又はスプライスを形成するように、シートが少なくとも約0.1インチの重なりで互いに接触する場所で行われ、接合部材は少なくとも約0.1インチの幅を有する。
[0060]上向き(例えば、平らなシート面に対して略垂直)になっている接合部材を、接合されたメディアの各対の一方のシート平面に対して平行にし、フィルタの上流側となる側面には、折り曲げられた接合部材があり、接合部材にかかる剥離応力を低減させることができる。
[0061]平らな媒体の2枚の単一シートを重ねて配置し、ポリフェニルスルフィド(PPS)メッシュのシートの間に(内側メッシュと外側メッシュが存在するように)挟み、続いて波形にし(又はプリーツを付け)、メッシュの外側螺旋状ラップ及び両端にエンドキャップを有するプリーツ付き中空円筒形フィルタパックが形成され、グレーデッドメディアの平らなシートはプレフィルタ層を提供し、アブソリュートグレードメディアの平らなシートはフィルタ層を提供する。
[0062]本明細書に引用した公開、特許出願、及び特許を含むあらゆる参照文献は、各参照文献が参照により組み込まれており、全体として本明細書に記載されると個別かつ具体的に示された場合と同じ程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
[0063]本発明を説明する文脈(特に以下の特許請求の範囲の文脈)において、「a」及び「an」及び「the」及び「少なくとも1つ(at least one)」という用語並びに類似の指示語の使用は、本明細書に別途指示しない限り、又は文脈に明らかに矛盾しない限り、単数形及び複数形の両方を包含すると解釈されたい。「少なくとも1つ(at least one)」という用語と、それに続く1つ又は複数の項目の一覧の使用(例えば、「A及びBのうちの少なくとも1つ(at least one of A and B)」)は、本明細書に別途指示しない限り、又は文脈に明らかに矛盾しない限り、列挙された項目から選択された1つの項目(A又はB)又は列挙された項目の2つ以上のあらゆる組合せ(A及びB)を意味すると解釈されたい。「具備する、備える、含む、構成する(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」、及び「含む(containing)」という用語は、別途記載しない限り、オープンエンド(open-ended)の用語であると解釈されたい(すなわち、「~を含むが、それだけに限定されるものではない(including,but not limited to)」を意味する)。本明細書における値の範囲の記述は、本明細書に別途指示しない限り、その範囲内に入るそれぞれ別個の値を個別に参照する簡潔な方法として働くことのみを意図したものであり、それぞれ別個の値は、本明細書に個別に記述された場合と同様に、本明細書に組み込まれる。本明細書に記載するあらゆる方法は、本明細書に別途指示しない限り、又はそうでない場合、文脈に明らかに矛盾しない限り、任意の適した順序で実行することができる。本明細書に提供されるあらゆる例又は例示的な言語(例えば、「など(such as)」)の使用は、別途記載しない限り、本発明に更に光をあてることのみを意図したものであり、本発明の範囲に限定を加えるものではない。本明細書におけるいずれの言語も、記載されていない要素が本発明の実施に本質的であることを示すと解釈されるべきではない。
[0064]本発明を実施する本発明者らには知られている最良の形態を含めて、本発明の好ましい態様が本明細書に記載されている。それらの好ましい態様の変形例は、上記の説明を読めば当業者には明らかになるであろう。本発明者らは、当業者であれば、そのような変形例を適切に用いることを予期し、本発明者らは、本明細書に具体的に記載した以外の方法で本発明が実施されることも意図する。したがって、本発明は、準拠法によって認められる添付の特許請求の範囲に記載の主題のあらゆる修正例及び均等物を含む。更に、本明細書に別途指示しない限り、又はそうでない場合、文脈に明らかに矛盾しない限り、本発明のあらゆる可能な変形例における前述の要素のあらゆる組合せが、本発明によって包含される。