(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022164631
(43)【公開日】2022-10-27
(54)【発明の名称】医療機器コネクタのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61M 60/878 20210101AFI20221020BHJP
A61M 60/178 20210101ALI20221020BHJP
A61M 60/237 20210101ALI20221020BHJP
A61M 60/232 20210101ALI20221020BHJP
A61M 60/873 20210101ALI20221020BHJP
【FI】
A61M60/878
A61M60/178
A61M60/237
A61M60/232
A61M60/873
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022067466
(22)【出願日】2022-04-15
(31)【優先権主張番号】63/175,175
(32)【優先日】2021-04-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】517073591
【氏名又は名称】ティーシー1 エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】特許業務法人 大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ダスティン、セス、ウエスト
【テーマコード(参考)】
4C077
【Fターム(参考)】
4C077AA04
4C077BB10
4C077DD08
4C077DD10
4C077FF04
4C077JJ08
4C077JJ19
4C077KK25
(57)【要約】 (修正有)
【課題】医療機器システムにおいて使用するためのコネクタアセンブリが提供される。
【解決手段】コネクタアセンブリ500に含まれる雌型コネクタは、ジャックと、ジャック内に配置された少なくとも1つの雌側電気的接点508であって、外輪512と、外輪から半径方向内向きに、且つジャックに沿って長手方向に延びている複数の板ばね510とを含む、少なくとも1つの雌側電気的接点を有する。コネクタアセンブリに含まれる雄型コネクタは、雌型コネクタのジャックに挿入されるように適合されたプラグと、プラグ上に配置された少なくとも1つの雄側電気的接点516であって、雄型コネクタのプラグが雌型コネクタのジャックに挿入されたときに、対応する雌側電気的接点の複数の板ばねに接触することにより、少なくとも1つの雌側電気的接点の対応する雌側電気的接点に電気的に接続するように構成された、少なくとも1つの雄側電気的接点を有する。
【選択図】
図5A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療機器システムにおいて使用するための、医療機器に電力及び制御信号を通信するように構成されたコネクタアセンブリであって、
雌型コネクタと、雄型コネクタとを含み、
前記雌型コネクタは、
ジャックと、
前記ジャック内に配置された少なくとも1つの雌側電気的接点であって、外輪と、前記外輪から半径方向内向きに、且つ前記ジャックに沿って長手方向に延在する複数の板ばねとを含む、該少なくとも1つの雌側電気的接点と、を有し、
前記雄型コネクタは、
前記雌型コネクタの前記ジャックに挿入するように適合されたプラグと、
前記プラグ上に配置された少なくとも1つの雄側電気的接点であって、前記雄型コネクタの前記プラグが前記雌型コネクタの前記ジャックに挿入されたときに、対応する前記雌側電気的接点の前記複数の板ばねに接触することにより、前記少なくとも1つの雌側電気的接点の対応する前記雌側電気的接点に電気的に接続するように構成された、該少なくとも1つの雄側電気的接点と、を有することを特徴とするコネクタアセンブリ。
【請求項2】
前記複数の板ばねは、材料シートから製造されることを特徴とする請求項1に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項3】
前記複数の板ばねのそれぞれが湾曲したブレードを形成することを特徴とする請求項1に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項4】
前記湾曲したブレードはそれぞれ、少なくとも1つの雄側電気的接点に接触するように構成された端部チップを含むことを特徴とする請求項3に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項5】
前記端部チップが矩形または円形であることを特徴とする請求項4に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項6】
前記湾曲したブレードはそれぞれ、前記外輪から半径方向内向きに、且つ前記雄型コネクタの端部に向かって長手方向に延びていることを特徴とする請求項3に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項7】
前記少なくとも1つの雌側電気的接点が白金イリジウムを含むことを特徴とする請求項1に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項8】
前記医療機器システムは、無線で電力を供給される植え込み型のシステムまたは有線で電力を供給される植え込み型のシステムであることを特徴とする請求項1に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項9】
前記複数の板ばねが、前記少なくとも1つの雄側電気的接点を円周方向に取り囲むように配向されていることを特徴とする請求項1に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項10】
医療機器システムにおいて使用するための、医療機器に電力及び制御信号を通信するように構成されたコネクタアセンブリであって、
雌型コネクタと、雄型コネクタとを含み、
前記雌型コネクタは、
ジャックと、
前記ジャック内に配置された少なくとも1つの雌側電気的接点であって、円周方向に延びる2つのレールと、前記レール間に延びる複数のリブとを含む、該少なくとも1つの雌側電気的接点と、を有し、
前記雄型コネクタは、
前記雌型コネクタの前記ジャックに挿入するように適合されたプラグと、
前記プラグ上に配置された少なくとも1つの雄側電気的接点であって、前記雄型コネクタの前記プラグが前記雌型コネクタの前記ジャックに挿入されたときに、対応する前記雌側電気的接点の前記複数のリブに接触することにより、前記少なくとも1つの雌側電気的接点の対応する前記雌側電気的接点に電気的に接続するように構成された、該少なくとも1つの雄側電気的接点と、を有することを特徴とするコネクタアセンブリ。
【請求項11】
前記複数のリブの各リブは、半径方向内向きに延び、且つ前記少なくとも1つの雄側電気的接点に接触するように構成された窪みを含むことを特徴とする請求項10に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項12】
前記複数のリブの各リブは、長手方向に延びていることを特徴とする請求項10に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項13】
前記複数のリブの各リブは、前記レールに対して斜めの角度をなして延びていることを特徴とする請求項10に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項14】
医療機器システムにおいて使用するための、医療機器に電力及び制御信号を通信するように構成されたコネクタアセンブリであって、
雌型コネクタと、雄型コネクタとを含み、
前記雌型コネクタは、
ジャックと、
前記ジャック内に配置され、チューブに接続されたワイヤメッシュを含む少なくとも1つの雌側電気的接点であって、前記ワイヤメッシュは前記チューブに沿って延びる複数のワイヤを含む、該少なくとも1つの雌側電気的接点と、を有し、
前記雄型コネクタは、
前記雌型コネクタの前記ジャックに挿入するように適合されたプラグと、
前記プラグ上に配置された少なくとも1つの雄側電気的接点であって、前記雄型コネクタの前記プラグが前記雌型コネクタの前記ジャックに挿入されたときに、対応する前記雌側電気的接点の前記複数のワイヤに接触することにより、前記少なくとも1つの雌側電気的接点の対応する前記雌側電気的接点に電気的に接続するように構成された、該少なくとも1つの雄側電気的接点と、を有することを特徴とするコネクタアセンブリ。
【請求項15】
前記複数のワイヤの各ワイヤは、半径方向内向きに延び、且つ前記少なくとも1つの雄側電気的接点に接触するように構成された窪みを含むことを特徴とする請求項14に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項16】
前記複数のワイヤの各ワイヤは、前記チューブに沿って長手方向に延びていることを特徴とする請求項14に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項17】
前記複数のワイヤの各ワイヤは、前記チューブに沿って斜めの角度をなして延びていることを特徴とする請求項14に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項18】
前記複数のワイヤの各ワイヤは、円筒形の断面を有していることを特徴とする請求項14に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項19】
コネクタアセンブリにおいて使用するための雌型コネクタを製造する方法であって、
材料シートを型抜きするステップと、
型抜きした前記材料シートを、外輪と、複数の板ばねとに形成するステップであって、前記雌型コネクタは前記材料シートを塑性変形させることによって形成され、前記複数の板ばねは、前記外輪から半径方向内向きに、且つ前記雌型コネクタに沿って長手方向に延びている、該ステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項20】
前記複数の板ばねのそれぞれが湾曲したブレードを形成することを特徴とする請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、植え込み型の医療機器に関するものであり、より具体的には、植え込み型の医療機器において使用するための接続システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
心室補助システム(VAS)には、一般に心不全またはうっ血性心不全と呼ばれる患者の心臓が適切な循環を提供できない場合に、短期(つまり、数日、数ヵ月)及び長期(つまり、数年または生涯)の両方の用途で使用される植え込み型の血液ポンプなどの心室補助装置(VAD)が含まれ得る。心不全を患っている患者は、心臓移植を待っている間、または長期の心臓移植代替治療として、VASを使用し得る。別の例では、患者は、心臓手術から回復している間にVASを使用し得る。したがって、VASは弱い心臓を補う(つまり、部分的にサポートする)か、自然な心臓の機能を効果的に置き換え得る。VASは、患者の体内に植え込まれ、患者の体内または体外に設けられた電源によって電力を供給され得る。
【0003】
アメリカ心臓協会によると、500万人を超えるアメリカ人が心不全を患っており、約67万人の新しい症例が毎年診断されている。心不全を患っている人は、多くの場合、息切れや倦怠感を覚える。動脈が詰まった状態や、高血圧の状態で何年も生きていると、心臓が弱くなりすぎて体に十分な血液を送り込むことができなくなる。症状が悪化すると、進行性心不全が発症する。
【0004】
VADの動作は、VADと通信可能に接続されたコントローラによって制御され、及び/または影響を受け得る。コントローラは、外部コントローラまたは植え込まれたコントローラであり得る。コントローラの動作は、例えばVADの速度などの、VADの動作の全部または一部を制御し得る。いくつかのコントローラは、例えば、患者に関連する1以上のパラメータを監視し、1以上の監視されたパラメータに従ってVADの動作に影響を与え得る。これには、例えば、身体活動の増加または減少に応じたVAD速度の変更などが含まれ得る。コントローラは通常、有線接続によってVADに接続される。さらに、いくつかのコントローラは、有線接続によって1以上の電源に接続される。使いやすさ及び耐久性を向上させるために、これらの有線接続のコネクタを改善することが望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、医療機器システムにおいて使用するためのコネクタアセンブリに関する。コネクタアセンブリは、医療機器に電力及び制御信号を通信するように構成されている。コネクタアセンブリは、雌型コネクタを含み、雌型コネクタは、ジャックと、ジャック内に配置された少なくとも1つの雌側電気的接点であって、外輪と、外輪から半径方向内向きに、且つジャックに沿って長手方向に延びている複数の板ばねとを含む、該少なくとも1つの雌側電気的接点と、を有する。コネクタアセンブリはまた、雄型コネクタを含み、雄型コネクタは、雌型コネクタのジャックに挿入されるように適合されたプラグと、プラグ上に配置された少なくとも1つの雄側電気的接点であって、雄型コネクタのプラグが雌型コネクタのジャックに挿入されたときに、対応する雌側電気的接点の複数の板ばねに接触することにより、少なくとも1つの雌側電気的接点の対応する雌側電気的接点に電気的に接続するように構成された、該少なくとも1つの雄側電気的接点と、を有する。
【0006】
本開示はまた、医療機器システムにおいて使用するためのコネクタアセンブリに関する。コネクタアセンブリは、医療機器に電力及び制御信号を通信するように構成されている。コネクタアセンブリは、雌型コネクタを含み、雌型コネクタは、ジャックと、ジャック内に配置された少なくとも1つの雌側電気的接点であって、円周方向に延びる2つのレールと、レール間に延びる複数のリブとを含む、該少なくとも1つの雌側電気的接点と、を有する。コネクタアセンブリはまた、雄型コネクタを含み、雄型コネクタは、雌型コネクタのジャックに挿入されるように適合されたプラグと、プラグ上に配置された少なくとも1つの雄側電気的接点であって、雄型コネクタのプラグが雌型コネクタのジャックに挿入されたときに、対応する雌側電気的接点の複数のリブに接触することにより、少なくとも1つの雌側電気的接点の対応する雌側電気的接点に電気的に接続するように構成された、該少なくとも1つの雄側電気的接点と、を有する。
【0007】
本開示はまた、医療機器システムにおいて使用するためのコネクタアセンブリに関する。コネクタアセンブリは、医療機器に電力及び制御信号を通信するように構成されている。コネクタアセンブリは、雌型コネクタを含み、雌型コネクタは、ジャックと、ジャック内に配置され、チューブに接続されたワイヤメッシュを含む少なくとも1つの雌側電気的接点であって、ワイヤメッシュはチューブに沿って延びる複数のワイヤを含む、該少なくとも1つの雌側電気的接点と、を有する。コネクタアセンブリはまた、雄型コネクタを含み、雄型コネクタは、雌型コネクタのジャックに挿入されるように適合されたプラグと、プラグ上に配置された少なくとも1つの雄側電気的接点であって、雄型コネクタのプラグが雌型コネクタのジャックに挿入されたときに、対応する雌側電気的接点の複数のワイヤに接触することにより、少なくとも1つの雌側電気的接点の対応する雌側電気的接点に電気的に接続するように構成された、該少なくとも1つの雄側電気的接点と、を有する。
【0008】
本開示はさらに、コネクタアセンブリにおいて使用するための雌型コネクタを製造する方法に関する。本開示の方法は、材料シートを型抜きするステップと、型抜きした材料シートを、外輪と、複数の板ばねとに形成するステップであって、雌型コネクタは材料シートを塑性変形させることによって形成され、複数の板ばねは、外輪から半径方向内向きに、且つ雌型コネクタに沿って長手方向に延びている、該ステップとを含む。
【0009】
本開示の、前述した、及び他の態様、特徴、詳細、有用性及び利点は、以下の説明及び特許請求の範囲を読み、添付の図面を検討することから明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】有線電力システムを含む機械的循環サポートシステムの一実施形態の概略図
【
図2】無線電力システムを含む機械的循環サポートシステムの一実施形態の概略図
【
図3】
図1及び2に示すシステムと共に使用され得る隔壁コネクタの概略図
【
図4A】
図1及び2に示すシステムと共に使用され得る電気コネクタの様々な図
【
図4B】
図1及び2に示すシステムと共に使用され得る電気コネクタの様々な図
【
図4C】
図1及び2に示すシステムと共に使用され得る電気コネクタの様々な図
【
図5A】
図4A-4Cに示す電気コネクタと共に使用され得る雌側電気的接点アセンブリの様々な実施形態を示す図
【
図5B】
図4A-4Cに示す電気コネクタと共に使用され得る雌側電気的接点アセンブリの様々な実施形態を示す図
【
図5C】
図4A-4Cに示す電気コネクタと共に使用され得る雌側電気的接点アセンブリの様々な実施形態を示す図
【
図5D】
図4A-4Cに示す電気コネクタと共に使用され得る雌側電気的接点アセンブリの様々な実施形態を示す図
【
図5E】
図4A-4Cに示す電気コネクタと共に使用され得る雌側電気的接点アセンブリの様々な実施形態を示す図
【
図5F】
図4A-4Cに示す電気コネクタと共に使用され得る雌側電気的接点アセンブリの様々な実施形態を示す図
【0011】
対応する参照符号は、複数の図面にわたって対応する部分を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示は、医療機器システムにおける接続のためのシステム及び方法を提供する。一実施形態では、コネクタシステム(本明細書では「コネクタアセンブリ」とも呼ばれる)は、雌型コネクタを含み、雌型コネクタは、ジャックと、ジャック内に配置された少なくとも1つの雌側電気的接点とを含む。少なくとも1つの雌側電気的接点は、外輪と、外輪から半径方向内向きに、且つジャックに沿って長手方向に延びている複数の板ばねとを含む。コネクタシステムはまた、雄型コネクタを含み、雄型コネクタは、プラグと、少なくとも1つの雄側電気的接点とを含む。プラグは、雌型コネクタのジャックに挿入されるように適合され、少なくとも1つの雄側電気的接点は、プラグ上に配置されている。少なくとも1つの雄側電気的接点は、雄型コネクタのプラグが雌型コネクタのジャックに挿入されたときに、対応する雌側電気的接点の複数の板ばねに接触することにより、少なくとも1つの雌側電気的接点の対応する雌側電気的接点に電気的に接続するように構成されている。
【0013】
循環器サポートシステムは、患者の血液循環をサポートするべく、使用されることが多くなっている。これらの循環システムは、VADなどの植え込み型の血液ポンプと、コントローラとを含む。いくつかの実施形態では、コントローラは、1以上の制御信号を介して植え込み型の血液ポンプを直接制御し、及び/または、コントローラは、植え込み型の血液ポンプの動作への影響(例えば、植え込み型の血液ポンプの速度の変更など)を与えるために、植え込み型の血液ポンプによって使用され得る1以上のパラメータを提供する。
【0014】
植え込み型の血液ポンプの動作に影響を与えるコントローラのこの役割に起因して、コントローラの信頼性及び耐久性が重要である。しかしながら多くの場合、コントローラは、1以上のケーブル、ワイヤ、ドライブラインなどを介して、外部電源などの電源、または植え込み型の血液ポンプのいずれかに接続される。コントローラと他の構成要素との接続は、この接続を形成するコネクタに依存している。コネクタ及びコネクタの一部を形成する接点が、長期間にわたって確実に機能するためのコネクタの能力に影響を与える環境要因に曝され得るので、これらのコネクタは、このような循環システムにおける弱点となり得る。コネクタの損傷のリスクを最小限に抑え、コネクタの信頼性を向上させるべく、多くの改善がコネクタになされているが、さらなる改善が望まれている。
【0015】
このような改善により、コネクタが強化され、環境要因、腐食、及び/または、接続を妨げ得る異物によるコネクタの全部または一部の汚染に対する感受性が最小限に抑えられ得る。このような改善により、コネクタの接続がさらに容易になり、コネクタ挿入部(コネクタインサート)とコネクタ受容部(コネクタレセプタクル)との位置合わせが容易になり、接続が改善され得る。いくつかの実施形態では、例えば、コネクタは、接点をシールする、及び/または接点を分離する、1以上のシールを含む。いくつかの実施形態では、コネクタは、接続時にコネクタ内に存在し得る任意の流体のコネクタからの排出を容易にし得る1以上の機構を含む。さらに、いくつかの実施形態では、コネクタは、接続されたときにコネクタを自動的に位置合わせする、及び/または、コネクタの接続を容易にする、1以上の機構を含む。
【0016】
位置合わせを容易にするこれらの機構は、例えば、コネクタ挿入部及び/またはコネクタ受容部の形状を含み得る。いくつかの実施形態では、例えば、コネクタ挿入部は特定の形状を有し、コネクタ受容部は、コネクタ受容部への有限数の方向のうち1つの方向でのコネクタ挿入部の挿入を可能にする相補的な形状を有する。いくつかの実施形態では、形状は、コネクタ挿入部をコネクタ受容部に複数の方向で(例えば、互いに対して180°方向付けられた2つの方向で)挿入することを可能にする。いくつかの実施形態では、コネクタ受容部の接点と、コネクタ挿入部の接点とは、考えられる有限数の方向のうちいずれかの方向でコネクタ挿入部がコネクタ受容部に挿入される場合に、適切に嵌合するように構成される。
【0017】
以下では図面を参照するが、同様の参照符号が、複数の図において同一の構成要素を識別するために使用されている。
図1は、本明細書では植え込み型の血液ポンプシステムとも呼ばれる機械的循環サポートシステム(システム100)の一実施形態を示している。システム100は、患者の体112に部分的に植え込まれている。システム100は、植え込み型の血液ポンプ114、心室カフ116、流出カニューレ118、システムコントローラ120、及び外部電源122を含む。
【0018】
植え込み型の血液ポンプ114は、図示のように心臓124の左心室の頂点、右心室、または両方の心室に取り付けられたVADを含む。VADは、肺循環から左心室に送達される出力全体(すなわち、最大10リットル/分)をポンピングすることができる遠心ポンプ(図示のように)または軸流ポンプを含む。本開示に適用可能な関連する血液ポンプは、以下により詳細に記載され、且つ、米国特許第5,695,471号、第6,071,093号、第6,116,862号、第6,186,665号、第6,234,772号、第6,264,635号、第6,688,861号、第7,699,586号、第7,976,271号、第7,997,854号、第8,007,254号、第8,152,493号、第8,652,024号、及び第8,668,473号明細書、並びに、米国特許出願公開第2007/0078293号、第2008/0021394号、第2009/0203957号、第2012/0046514号、第2012/0095281号、第2013/0096364号、第2013/0170970号、第2013/0121821号、及び第2013/0225909号明細書により詳細に記載されており、これらはすべて、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0019】
血液ポンプ114は、心室カフ16を介して心臓124に取り付けられる。心室カフ16は、心臓124に縫い付けられ、且つ血液ポンプ114に接続されている。血液ポンプ114の他端は流出カニューレ18を介して上行大動脈に接続され、VADは、血液を弱まった心室から効果的に迂回させ、患者の血管系の残りの部分に循環させるために大動脈に送る。
【0020】
図1では、システム100が、外部電源122によって電力供給され、運転可能となる構成で示されている。患者の腹部128を通って外に延びるドライブライン126は、植え込まれた血液ポンプ114を、システム100の動作を監視するシステムコントローラ120に接続する。本開示に適用可能な関連するコントローラシステムは、以下により詳細に記載され、且つ、米国特許第5,888,242号、第6,991,595号、第8,323,174号、第8,449,444号、第8,506,471号、第8,597,350号、及び第8,657,733号明細書、並びに、米国特許出願公開第2005/007101号、及び第2013/0314047号明細書により詳細に記載されており、これらはすべて、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0021】
システム100は、1、2、または3以上の外部電源122によって電力を供給され得る。いくつかの実施形態では、システムコントローラ120内の1以上のエネルギー貯蔵構成要素(例えば、1以上のバッテリ)が、システム100に電力を供給する。システムコントローラ120及び外部電源122は、患者の体の外側/外部にあるものとして図示されているが、ドライブライン126、システムコントローラ120及び/または外部電源122は、別個の構成要素として、または血液ポンプ114と一体で、患者内に部分的または完全に植え込み可能であり得ることが理解されよう。いくつかの実施形態では、例えば、システムコントローラ120は、患者の体内に植え込まれ、患者の体の外部に設けられた外部電源122から電力を受け取る。いくつかの実施形態では、この電力は、システムコントローラ120と外部電源122との間の有線接続または無線接続を介してシステムコントローラ120に提供される。いくつかの実施形態では、無線接続は、例えば1以上の共振回路を含む、経皮的エネルギー伝送システム(TETS)を含む。このような変形例は、米国特許第8,562,508号明細書及び米国特許出願公開第2013/0127253号明細書にさらに記載されており、これらはすべて、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0022】
図2は、機械的循環サポートシステム(システム200)の一実施形態の概略図である。システム200は、植え込まれた医療機器202(心室補助デバイスとして示される)と、植え込まれた医療機器202に電力及び制御信号を供給するために、体外から無線電力を受け取るように構成された植え込まれたモジュール204とを含む。システム200は、
図1に示すように、システム100と同様の機能を実行し得る。隔壁コネクタ206及びドライブラインケーブル208は、植え込まれたモジュール204を植え込まれた医療機器202に接続して、植え込まれたモジュール204から植え込まれた医療機器202へ電力、データ、及び/または制御信号を提供する。一実施形態では、植え込まれた医療機器202は、比較的高出力のデバイスである。いくつかの実施形態では、植え込まれたモジュール204は、約5VAC、約10VAC、または約15VACの平均電力を供給する。いくつかの実施形態では、植え込まれたモジュール204は、5VAC、10VAC、15VAC、または25VACのピーク電力を供給する。一実施形態では、植え込まれたモジュール204は、患者の体内に最低3年間留まり、植え込まれた医療機器202の電源及びコントローラとして機能するように構成される。例示的な実施形態では、植え込まれたモジュール204は、植え込まれた医療機器202を駆動するために約16VACの電力を供給するように構成される。他の実施形態では、外部コントローラは、植え込まれたモジュール204と通信し得る。これらの実施形態では、外部コントローラは、パーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォン、またはラップトップコンピュータなどの電子計算デバイスを含む。
【0023】
別の実施形態では、植え込まれたモジュール204は、受信機共振器コイルと、外部送信機210から無線エネルギーを受信するように構成された電子機器とを含み、外部送信機210は、送信機共振器コイルに接続されたパルス発生器などの電源を含む。隔壁コネクタ206は、植え込まれたモジュール204からドライブラインケーブル208を取り外し、植え込まれたモジュール204を取り外し、植え込まれた医療機器202を取り外すことなくドライブラインケーブル208を新たなモジュールに再接続することによって、臨床医が植え込まれたモジュール204を外科的に交換することを可能にし得る。同様に、臨床医は、植え込まれたモジュール204を所定の位置に残したまま、ドライブラインケーブル208及び/または植え込まれた医療機器202を外科的に交換し得る。いくつかの実施形態では、外部ユーザインターフェース212は、患者の手首などに装着され、植え込まれたモジュール204と通信するように構成される。他の実施形態では、外部ユーザインターフェース212は、パーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォン、またはラップトップコンピュータなどの電子計算デバイスに含まれる。
【0024】
図3は、隔壁コネクタ206(
図2に示す)などの隔壁コネクタ300と、例えば
図1及び
図2に示すシステム100、200と共に使用され得るドライブラインケーブル208(
図2に示す)などのドライブラインケーブル302との接点を示す。隔壁コネクタ300は、雌型コネクタ304、雌型コネクタ304を植え込まれたモジュール204(
図2に示される)などの植え込まれたモジュール308に接続する機械的接点306、及び電気的接点310を含む。ドライブラインケーブル302は、雄型コネクタ312、機械的接点314、電気的接点318、及び雄型コネクタ312の端部におけるドライブラインケーブル302上のストレインリリーフ320を含む。雌型コネクタ304と植え込まれたモジュール308との機械的接点306、及び雄型コネクタ312とドライブラインケーブル302との機械的接点314は、それぞれ、接着剤、例えば、エポキシを含み得る。他の実施形態では、隔壁コネクタ300は、雄型コネクタ312を含み、ドライブラインケーブル302は、雌型コネクタ304を含むことを理解されたい。
【0025】
隔壁コネクタの様々な態様は、米国特許第4,655,462号、第4,826,144号、第4,876,781号、第4,907,788号、第4,915,366号、第4,961,253号、第4,964,204号、第5,139,243号、第5,160,122号、第5,503,375号、第5,615,870号、第5,709,371号、第5,791,638号、第7,055,812号、第4,678,210号、第5,082,390号、第5,411,348号、第5,545,842号、第6,749,358号、第6,835,084号、第7,070,455号、及び第7,195,523号明細書に示され、記載されているものと類似しており、これらはすべて、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0026】
図4Aは、例えば、隔壁コネクタ300とドライブラインケーブル302との接点(
図3に示す)を実装するために使用され得るコネクタアセンブリ400の実施形態を示す。コネクタアセンブリ400は、雌型コネクタ304(
図4に示す)などの雌型コネクタ404を備えた第1のケーブル402と、雄型コネクタ312(
図3に示す)などの雄型コネクタ408を備えた第2のケーブル406とを含む。図示のように、雌型コネクタ404は、雄型コネクタ408に含まれる雄型プラグ410が挿入され得るジャック(図示せず)またはスロットを含む。雄型プラグ410が挿入されることにより、雌型コネクタ404と雄型コネクタ408との間に電気的接続が提供される。
図4Aの実施形態では、雄型コネクタ408は単一のプラグを含み、雌型コネクタ404は単一のジャックを含むが、他の実施形態は任意の適切な数のジャック及びプラグが含まれていてよいことを理解されたい。さらに、第1のケーブル402は固定ねじ412を含み、第2のケーブル406は固定ねじロック溝414を含む。一実施形態では、雄型コネクタ408と雌型コネクタ404との間に静水圧ロックを含めることは、接続が提供されるときに過剰な流体または圧力を解放するために、雌型コネクタ404などのコネクタにベント416を含めることによって回避される。ベント416は、例えば、受動逆止弁を含む。
【0027】
図4Bは、
図4Aに示すコネクタアセンブリ400の断面図である。雌型コネクタ404は、雌型コネクタ404のジャック内に配置された1以上のOリング418を含み、Oリング418は、雌型コネクタ404のジャック内に配置された雌側電気的接点420を取り囲むか、または雌側電気的接点420の両側に配置される。いくつかの実施形態では、Oリング418の代わりに、またはOリング418に加えて、他の流体シール機構が使用されてもよい。以下で
図4Cに示すように、雌側電気的接点420を取り囲むOリング418は、ワイパーシールとして実装され得る。雌側電気的接点420及びOリング418は、雄型コネクタ408が雌型コネクタ404に挿入されたときに、雄型コネクタ408のプラグ上の雄側電気的接点422との締まりばめを形成するように構成される。
【0028】
ワイパーシールとして機能するOリング418は、以下の2つの機能を実行するように構成されている。Oリング418は、挿入中に雄型コネクタ408の流体、デブリ、及び/または体液をふき取り、また、雄型コネクタ408が雌型コネクタ404に完全に挿入されたときに雌側電気的接点420と雄側電気的接点422との電気接続を電気的に絶縁する。雌型コネクタ404は、電気的接点310(
図3に示す)などの電気的接点424を含む。雄型コネクタ408は、電気的接点318(
図3に示す)などの電気的接点426を含む。電気的接点424及び電気的接点426は、それぞれ、雌型コネクタ404及び雄型コネクタ408を介して電力及び制御信号を伝える。
【0029】
ワイパーシールとして機能するOリング418は、雌型コネクタ404の雌側電気的接点420を絶縁するように設計された電気絶縁材料を含み得る。ワイパーシールは、雄型コネクタ408に挿入されるときに、雄型コネクタ408から流体または他のデブリを削り落とし、拭き取り、または除去するように構成される。当業者は、前述のことから、Oリング418により、個々の雌側電気的接点420が互いに対して絶縁されることを理解するであろう。このようにして、安全且つ絶縁された接続が各接点に形成される。
【0030】
図4Cは、雌型コネクタ404のOリング418及び雌側電気的接点420の拡大図である。雌側電気的接点420は、板ばね、及び/またはワイヤメッシュ(以下でさらに詳細に説明される)を含み、これにより、雌側電気的接点420は、対応する雄側電気的接点422(
図4Bに示す)と接続するときに変位可能である。図示のように、雌型コネクタ404は3つの雌側電気的接点420を含み、3つの雌側電気的接点420は、雄型コネクタ408(
図4Bに示す)が雌型コネクタ404に挿入されたときに3つの雄側電気的接点422に接続されるように構成される。
【0031】
一実施形態では、雌側電気的接点420は、白金イリジウム合金(Pt-Ir)を含む。白金イリジウムは、高い耐食性を有している。例示的な実施形態では、コネクタアセンブリ400(
図4A及び4Bに示す)は、体内で取り外されると血液及び体液に浸されるので、これは、植え込まれたデバイスにとって特に重要である。Pt-Irは優れた耐食性を示すが、その機械的特性及び製造性の悪さにより、コネクタの用途には適さない。したがって、従来の医療機器は、通常、製造がより容易な他の材料を使用する。例えば、ペースメーカーは通常、ワイヤに抵抗溶接され得るMP35Nをコネクタに使用する。これらの材料は、ほとんどの体液に曝されても抵抗は十分であるが、血液に長期間浸されると、抵抗が不十分になる。これらの材料は通常、植え込まれた医療機器からの連続的な高電圧に曝されると、腐食して故障する。
【0032】
したがって、ペースメーカーは通常、ストレスや負荷への曝露を制限するために、胴体上部のペースメーカーポケット内に皮下配置される。ペースメーカーの位置も、構成要素の交換のために比較的簡単にアクセスできる。対照的に、コネクタアセンブリ400は、コネクタアセンブリ400が高い引張力及び応力に曝される腹部領域の奥深くに配置される。この用途は、典型的な医療用途よりも要求がはるかに厳しい。解剖学的な差異に加えて、高い電力(例えば、数ワット以上の連続出力)が例示的なコネクタアセンブリ400を通って流れることにより、ペースメーカーリードなどの従来のデバイスと比較して、腐食のリスクがさらに高まる。
【0033】
図5Aは、コネクタアセンブリ400(
図4A及び4Bに示す)などのコネクタアセンブリ500の一実施形態を示している。コネクタアセンブリ500は、雌型コネクタ404(
図4A-4Cに示す)などの雌型コネクタ502と、雄型コネクタ408(
図4A及び4Bに示す)などの雄型コネクタ504とを含む。雌型コネクタ502は、雌側電気的接点420(
図4B及び4Cに示す)などの複数の雌側電気的接点508を含む。雌側電気的接点508はそれぞれ、単一の材料シート(図示せず)から製造された複数の板ばね510を含む。例えば、板ばね510の製造方法は、(a)材料シートをダイで剪断することによって材料シートを型抜きするステップと、(b)同一のダイまたは異なるダイを使用し、1枚の材料シートを塑性変形させることによって材料シートを特定の形状(例えば、板ばね510の形状)に形成するステップとを含み得る。板ばね510を1枚の材料シートから製造することにより、板ばね510は同一の材料シートを使用して形成されるので、互いに相互接続される。これにより、雌側電気的接点508は一体に形成される。板ばね510を形成するために1枚の材料シートを使用することにより、板ばね510を形成するために使用されない(すなわち、無駄になる)材料の量が大幅に削減され、これにより、板ばね510を形成するために複数の材料シートを必要とする方法と比較して、必要な材料の量が少なくなる。
【0034】
例示的な実施形態では、雌側電気的接点508はそれぞれ外輪512を含み、板ばね510は外輪512から内向きに延びる。板ばね510はそれぞれ、雄側電気的接点422(
図4Bに示す)などの雄側電気的接点516に接触するように構成された湾曲したブレード514を形成する。特に、湾曲したブレード514はそれぞれ、雄側電気的接点516のうち1つに接触する端部チップ518を含む。端部チップ518は、例えば矩形または円形であり、雄型コネクタ504の端部520に向かって延びている。端部チップ518の断面は、例えば矩形または円形である。
【0035】
例示的な実施形態では、湾曲したブレード514はそれぞれ、外輪512から半径方向内向きに、且つ端部520に向かって長手方向に延び、これにより、湾曲したブレード514はそれぞれ、雄型コネクタ504が雌型コネクタ502に挿入されたときに、対応する雄側電気的接点516に接触する。湾曲したブレード514が、半径方向内向きに、且つ端部520に向かって長手方向に延びることにより、湾曲したブレード514と雄側電気的接点516との間の摩擦は減少し得るが、湾曲したブレード514と雄側電気的接点516との間の接触量は増加し得る。
【0036】
さらに、板ばね510は、以下の利点のうち、少なくとも1つを提供する:(i)板ばね510を湾曲したブレード514と組み合わせること、及び複数の板ばね510を後日に分離され得る部品ごとに製造すること(例えば、金型がショットごとに複数の部品を生産方法と同様)により、構成要素を電気的及び/または機械的に接合するために必要な製造プロセスが削減されること、(ii)外輪512の半径方向の表面領域は、雄型コネクタ504が雌型コネクタ502に挿入されたときに、セラミック絶縁体による気密のろう付けを作り出すことができる大きさであるため、コネクタレセプタクルに開口部が設けられず、気密なコネクタレセプタクルのスタックが作成されること、及び、(iii)外輪512の外部表面領域は比較的小さいため、加えられた大きな圧力に対する抵抗が増加すること。これらの圧力は比較的大きいので、この抵抗の増加は、植え込み型の材料の射出成形に典型的に用いられる圧力でレセプタクルスタックが直接オーバーモールドされる可能性を考慮すると、製造プロセス中に特に重要である。例えば、熱可塑性ポリウレタン(TPU)(例えば、心臓リズム管理(CRM)デバイスや神経デバイスなどの植え込み型のデバイス全体に電気ヘッダを封入するために使用される材料)は、約10,000psiで成形される。この圧力に耐えるために必要な壁厚は非常に大きいため、PtやPdなどの貴金属の合金が使用されることにより、非常にコストがかかる。
図5Aに示される例示的な実施形態は、板ばね510のそれぞれの間にセラミックブッシング(例えば、固定具)が追加されるが、化学結合の有無にかかわらずセラミックが板ばね510に結合するオーバーモールディング中に、固定具によって板ばね510が高圧縮下で保持されることが可能になるため、厚い壁を必要としない。
【0037】
図5Bは、チューブ604に接続された複数の板ばね602を含む、別の雌側電気的接点600の斜視断面図である。板ばね602は、単一の材料シート(図示せず)から製造され、板ばね602の製造プロセスは、
図5Aを参照して説明されたものと同様であってよい。板ばね602はそれぞれ、雄側電気的接点(図示せず)に接触するように構成された湾曲したブレード606を形成する。板ばね602は、チューブ604に沿って略長手方向に(例えば、一般に円筒形に)延び、半径方向内向きに突出する窪み608を含む。板ばね602は、窪み608が付勢され雄側電気的接点を押すように構成される。
【0038】
図5Cは、別の雌側電気的接点700の斜視断面図を示す。雌側電気的接点700は、円周方向に延びる2つのレール702と、レール702間に延び、雄側電気的接点(図示せず)に接触するように構成された複数のリブ704とを含む。リブ704はそれぞれ、半径方向内向きに延びる窪み706を有し、窪み706が付勢され雄側電気的接点を押すように構成される。本実施形態では、リブ704はそれぞれ、略長手方向に延びる。雌側電気的接点700は、例えば、材料シート(図示せず)を打ち抜いた後、それを円筒形状またはチューブ708に成形することによって製造される。別の実施形態では、雌側電気的接点700は、折り畳まれたシートの端部間の継ぎ目がチューブ708にもたらされることを回避するために、あるチューブ(図示せず)を切断した後、それをチューブ708の形状に形成することによって製造される。別の実施形態では、シートの端部間の継ぎ目は、一緒に溶接される。チューブ708は、継ぎ目のないチューブの製造や溶接によるチューブの製造の方法によって形成され得る。
【0039】
図5Dは、別の雌側電気的接点800の斜視断面図を示す。雌側電気的接点800は、円周方向に延びる2つのレール802と、レール802間に延び、雄側電気的接点(図示せず)に接触するように構成された複数のリブ804とを含む。リブ804はそれぞれ、半径方向内向きに延びる窪み806を有し、窪み806が付勢され雄側電気的接点を押すように構成される。本実施形態では、リブ804はそれぞれ、概して、レール802に対して斜めの角度をなして延びている。雌側電気的接点800は、材料シート(図示せず)を打ち抜いた後、それを円筒形状またはチューブ808に形成することによって製造される。別の実施形態では、雌側電気的接点800は、折り畳まれたシートの端部間の継ぎ目がチューブ808にもたらされることを回避するために、あるチューブ(図示せず)を切断した後、それをチューブ808の形状に形成することによって製造される。別の実施形態では、シートの端部間の継ぎ目は、一緒に溶接される。チューブ808は、継ぎ目のないチューブの製造や溶接によるチューブの製造の方法によって形成され得る。
【0040】
図5Eは、別の雌側電気的接点900の斜視断面図を示す。雌側電気的接点900は、チューブ904に接続された、ステントと同様のワイヤメッシュ902を含む。ワイヤメッシュ902は、チューブ904に沿って略長手方向に延び、雄側電気的接点(図示せず)に接触するように構成された複数のワイヤ906を含む。ワイヤ906はそれぞれ、半径方向内向きに延びる窪み908を有し、窪み908が付勢され雄側電気的接点を押すように構成される。本実施形態では、ワイヤ906はそれぞれ、円筒形の断面を有する。他の実施形態では、ワイヤ906はそれぞれ、任意の適切な形状を有していてよい。雌側電気的接点900は、材料シート(図示せず)を打ち抜いた後、それを円筒形状またはチューブ904に形成することによって製造される。別の実施形態では、雌側電気的接点900は、折り畳まれたシートの端部間の継ぎ目がチューブ904にもたらされることを回避するために、あるチューブ(図示せず)を切断した後、それをチューブ904の形状に形成することによって製造される。別の実施形態では、シートの端部間の継ぎ目は、一緒に溶接される。チューブ904は、継ぎ目のないチューブの製造や溶接によるチューブの製造の方法によって形成され得る。
【0041】
図5Fは、別の雌側電気的接点1000の斜視断面図を示す。雌側電気的接点1000は、チューブ1004に結合された、ステントと同様のワイヤメッシュ1002を含む。ワイヤメッシュ1002は、概して、チューブ1004に沿って斜めの角度をなして延び、雄側電気的接点(図示せず)に接触するように構成されている。ワイヤ1006はそれぞれ、半径方向内向きに延びる窪み1008を有し、窪み1008が付勢され雄側電気的接点を押すように構成される。本実施形態では、ワイヤ1006はそれぞれ、円筒形の断面を有する。他の実施形態では、ワイヤ1006はそれぞれ、任意の適切な形状を有していてよい。雌側電気的接点1000は、材料シート(図示せず)を打ち抜いた後、それを円筒形状またはチューブ1004に形成することによって製造される。別の実施形態では、雌側電気的接点1000は、折り畳まれたシートの端部間の継ぎ目がチューブ1004にもたらされることを回避するために、あるチューブ(図示せず)を切断した後、それをチューブ1004の形状に形成することによって製造される。別の実施形態では、シートの端部間の継ぎ目は、一緒に溶接される。チューブ1004は、継ぎ目のないチューブの製造や溶接によるチューブの製造の方法によって形成され得る。
【0042】
本明細書に記載の実施形態は、医療機器システムにおける接続のためのシステム及び方法を提供する。本開示の特定の実施形態は、ある程度の特殊性をもって上記で説明されたが、当業者は、本開示の精神または範囲から逸脱することなく、開示された実施形態に多数の変更を加えることができる。すべての方向基準(例えば、上側、下側、上向き、下向き、左、右、左向き、右向き、上部、下部、上方、下方、垂直、水平、時計回り、及び反時計回り)は、読者による本開示の理解を支援するための識別目的でのみ使用され、特に、開示の位置、方向、または使用に関して制限を生じさせるものではない。接合の基準(例えば、取り付けられた、結合された、接続されたなど)は、広く解釈されるべきであり、要素の接続間の中間メンバ及び要素間の相対変位を含み得る。このため、接合の基準は、2つの要素が直接接続され、互いに固定されていることを必ずしも暗示するものではない。上記の説明に含まれる、または添付の図面に示されるすべての事項は、例示としてのみ解釈され、限定されないものとして解釈されることが意図されている。詳細または構造の変更は、添付の特許請求の範囲で定義されている開示の精神から逸脱することなく行うことができる。
【0043】
本開示の要素またはその好ましい実施形態を導入する場合、冠詞「a」、「an」、「the」及び「said」は、1以上の要素の存在を意味することを意図している。「含む」、「備える」及び「有する」という用語は、包括的であることを意図しており、列挙された要素以外の追加の要素が存在し得ることを意味している。
【0044】
本開示の範囲を逸脱することなく上記の構成に様々な変更を加えることができるので、上記の説明に含まれる、または添付の図面に示されるすべての事項は、限定的な意味ではなく例示として解釈されることが意図される。
【0045】
本明細書に含まれる実施例及び図は、限定ではなく例示として、主題が実施され得る特定の実施形態を示している。前述のように、他の実施形態を利用し、そこから別の実施形態を導き出すことができ、本開示の範囲から逸脱することなく、構造的及び論理的な置換及び変更を行うことができる。本発明の主題のこのような実施形態は、実際に複数が開示されている場合に本出願の範囲を任意の単一の発明または発明の概念に自発的に限定することを意図することなく、単に便宜のために、本明細書において「発明」という用語によって個別または集合的に言及され得る。したがって、特定の実施形態を本明細書で例示及び説明したが、同一の目的を達成するために計算された任意の構成を、示された特定の実施形態の代わりに使用してもよい。本開示は、様々な実施形態のあらゆる適応または変形を包含することを意図している。上記の実施形態、及び本明細書で具体的に説明されていない他の実施形態の組み合わせは、上記の説明を検討すると、当業者には明らかであろう。