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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022164632
(43)【公開日】2022-10-27
(54)【発明の名称】空気圧縮機
(51)【国際特許分類】
   F04B 39/10 20060101AFI20221020BHJP
【FI】
F04B39/10 C
F04B39/10 M
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022067475
(22)【出願日】2022-04-15
(31)【優先権主張番号】110113843
(32)【優先日】2021-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】501164676
【氏名又は名称】周 文三
(71)【出願人】
【識別番号】519443952
【氏名又は名称】周 承賢
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】周 文三
(72)【発明者】
【氏名】周 承賢
【テーマコード(参考)】
3H003
【Fターム(参考)】
3H003AA02
3H003AB07
3H003AC02
3H003BE03
3H003CB02
3H003CC06
3H003CE04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】安全に使用することができる上、使用寿命が延び、気体被注入物に容易かつ速やかに気体を注入させることができる空気圧縮機を提供する。
【解決手段】ピストンのピストンヘッド21には、エアストップシート7が取り付けられる。エアストップシート7は、摺曲部71を有する。摺曲部71は、ピストンヘッド21の頂端上に取付ける位置決め領域72が一側に設けられ、ピストンの吸気流路23を覆う作用領域73が他側に設けられる。エアストップシート7の作用領域73と、エアストップシート7の位置決め領域72とは、摺曲部71を境界軸線として用いてエアストップシート7のシリンダーの上面に対向する上面に、180度より小さな鈍角が形成されるとともに、エアストップシート7の作用領域73のシリンダーの上面に背向する背向面が自ずとピストンヘッド21の頂端平面に対して小角度が形成されて開いた状態となり、通気空間が形成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータにより駆動され、シリンダー内で上下方向に往復運動するピストンを備えた、空気圧縮機であって、
空気圧縮機に取り付けられた前記ピストンのピストンヘッドには、エアストップシートが取り付けられ、
前記エアストップシートは、摺曲部を有し、
前記摺曲部は、前記ピストンヘッドの頂端上に取付ける位置決め領域が一側に設けられ、前記ピストンの吸気流路を覆う作用領域が他側に設けられ、
前記エアストップシートの前記作用領域と、前記エアストップシートの前記位置決め領域とは、前記摺曲部を境界軸線として用いて前記エアストップシートの前記シリンダーの上面に対向する上面に、180度より小さな鈍角が形成されるとともに、前記エアストップシートの前記作用領域の前記シリンダーの上面に背向する背向面が自ずと前記ピストンヘッドの頂端平面に対して小角度が形成されて開いた状態となり、通気空間が形成され、
前記ピストンヘッドから下方へ延びたピストンロッドの上端には、左右側辺に貫通された空洞が形成されるとともに、エア通路が形成され、前記空洞は、前記ピストンヘッドの前記吸気流路と連通し、前記空洞の底端面には、立設したピンが設けられ、その上にはばねが嵌設され、前記ばねは、前記ピストンロッドの前記空洞に沿って前記ピストンヘッドの前記吸気流路に挿通され、前記ばねの他端が前記エアストップシートの前記作用領域の背面に当接されると、前記エアストップシートが前記ばねの力を受けて前記エアストップシートの前記作用領域に小角度が形成されて開いた状態となり、前記エア通路及び前記吸気流路が大気と連通されることを特徴とする、空気圧縮機。
【請求項2】
前記摺曲部は、空気圧縮機の様々な大きさの出力パワーのニーズに対応し得るように複数の折曲げ線を有することを特徴とする請求項1に記載の空気圧縮機。
【請求項3】
前記摺曲部は、折曲げ線を有することを特徴とする請求項2に記載の空気圧縮機。
【請求項4】
前記ピストンヘッドは、互いに分離された2つの固定ピンを有し、前記固定ピンに対応した前記エアストップシートの前記位置決め領域には、互いに分離された円孔がそれぞれ形成され、前記エアストップシートの前記円孔が前記ピストンヘッドの前記固定ピンにそれぞれ位置決めされると、前記エアストップシートが前記ピストンヘッド上に固定され、前記エアストップシートは、前記作用領域に貫通されて形成された貫通孔を有し、前記ピストンヘッドの前記貫通孔に対応した箇所には、前記貫通孔に嵌合される位置規制フックが設けられるとともに、空気圧縮機の前記ピストンが静止状態にあるとき、前記エアストップシートの前記作用領域は、対応した前記ピストンヘッドの前記吸気流路を開くことを特徴とする請求項1に記載の空気圧縮機。
【請求項5】
前記ピストンヘッドの前記位置規制フックは、縦支柱及び横支柱を有し、
前記縦支柱は、前記エアストップシートの開閉経路を提供し、空気圧縮機の出力パワーの大きさに応じて前記縦支柱の長さ(又は高さ)及び前記横支柱を調整するようにされているため、前記エアストップシートの初期高さを調整し得ることを特徴とする請求項4に記載の空気圧縮機。
【請求項6】
前記エアストップシートの前記位置決め領域と前記作用領域との間には、機械工業技術を利用して形成された多線摺曲部が設けられ、前記多線摺曲部には、第1の折曲げ線及び第2の折曲げ線が形成され、パワーを有する空気圧縮機の上下動行程をスムーズにし得て、静止状態にあるとき、前記エアストップシートの前記作用領域と、前記ピストンヘッドの頂端平面との間が開かれた状態に維持され、前記エアストップシートの貫通孔に位置規制フックが係止されることを特徴とする請求項2に記載の空気圧縮機。
【請求項7】
前記第2の折曲げ線から後方へ延びた前記位置決め領域の円孔は、前記ピストンヘッドの頂端平面の上ステップにそれぞれ挿通されるとともに、前記ピストンヘッドの頂端平面の底ステップに係止されることを特徴とする請求項6に記載の空気圧縮機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気圧縮機に関し、特に、シリンダー内で上動行程及び下動行程を行うピストンを含む空気圧縮機に関する。
【背景技術】
【0002】
空気圧縮機の主な構造は、モータによりシリンダー内でピストンを往復させて圧縮動作を行うと、圧縮された空気がシリンダーを介して空気貯蔵ユニット内まで送られる。空気貯蔵ユニット上のマニホールドに接続されたホースは気体被注入物に接続され、従来のピストンのピストンヘッドは、上下方向に貫通されて形成されたエア通路を有する。ピストンヘッドの頂面は、エア通路上を覆うエアストップシートを有し、空気圧縮機が停止している状態下で、エアストップシートによりピストンヘッドのエア通路を閉じ、空気圧縮機の前回の稼働後、ピストンヘッドの円形周辺に設けた気密シール及びエアストップシートによりピストンヘッドのエア通路を閉じて形成された気密性により、シリンダー内に残留した高圧空気は排出することができなかった。空気圧縮機を再び稼働させると、ピストンが圧縮を開始する過程で、シリンダー内に残留した高圧空気と衝突し、空気圧縮機の負荷及び電流が瞬間的に増大し、空気圧縮機の寿命が短くなることがあった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そのため従来の問題点を改善するために、本発明者は、空気圧縮機が停止した状態で、ピストンヘッドの頂端面とエアストップシートとの間に小角度の通気空間を形成し、空気圧縮機の稼働が終了した後、シリンダー内に残留した圧縮空気を通気空間からエア通路を介して排出してシリンダー中の圧力を周囲の大気と均衡させ、空気圧縮機を再び稼働させたときにピストンの上動行程で余分な抵抗力が発生しないようにし、圧縮負荷及び電流が瞬間的に増大することを防ぎ、ピストンがシリンダー内で往復運動するときにスムーズに圧縮させるとともに、安全に使用することができる上、使用寿命が延び、気体被注入物に容易かつ速やかに気体を注入させることができる。
【0004】
本発明の第1の課題は、空気圧縮機に取り付けられたピストンのピストンヘッドには、エアストップシートが取り付けられ、このエアストップシートは、摺曲部を有し、この摺曲部は、前述したピストンヘッドの頂端上に取付けられる位置決め領域を一側に有し、ピストンのエア通路を覆う作用領域を他側に有し、前述したエアストップシートの作用領域と、エアストップシートの位置決め領域とは、摺曲部を境界軸線として用いてエアストップシートの外向面に、180度より小さな鈍角が形成されるとともに、エアストップシートの作用領域の内向面が自ずと前述したピストンヘッドの頂端平面に対して小角度が形成された開いた状態となり、通気空間が形成され、前述したピストンヘッドの軸心には、下方に延びたピストンロッドが空洞を有し、その底端に立設されたピンにはばねが嵌設され、そのばねの他端は、ピストンヘッドに沿って上下方向に貫通されたエア通路を介して上方に突出されるとともに、前述したエアストップシートに当接して僅かに押し上げ、空気圧縮機のピストンが停止した状態下で、エアストップシートの作用領域がエア通路に対して開いた状態に維持され、ピストンのエア通路は流れがスムーズとなり、シリンダー中の圧力は、周囲の大気と均衡し、空気圧縮機が再び稼働されると、そのピストンの上動行程時に余計な抵抗力(背圧抵抗力)は発生せず、シリンダー内でピストンが往復運動を行うときに、スムーズな圧縮を維持することができ、安全に使用することができる上、使用寿命が延び、気体被注入物に容易かつ速やかに気体を注入させることができる空気圧縮機を提供することにある。
【0005】
本発明の第2の課題は、空気圧縮機内に設けられたシリンダー内で運動するピストン上にエアストップシートが設けられ、このエアストップシートの位置決め領域に円孔が形成され、前述した円孔に対応したピストンヘッドの頂端平面が固定ピンを有し、前述したエアストップシートは、作用領域に貫通されて形成された貫通孔を有し、前述したピストンヘッドの上述した貫通孔に対応した箇所には、貫通孔に嵌合される位置規制フックが設けられるとともに、上述した位置規制フックが空気圧縮機の出力パワーの大きさに応じてエアストップシートを開く高さを調整し、ピストンの上動行程において、エアストップシートの作用領域が前述したピストンヘッドの頂端平面上に接触され、エアストップシートにより吸気流路を閉じ、ピストンの下動行程では、エアストップシートが外気の押圧力を受けて開く幅が大きくなりやすいが、上述した位置規制フックにより制限され、エアストップシートが無制限に開かれることによりエアストップシートがへたったり損壊したりすることを防ぐことができ、ピストンが静止状態にあるとき、前述したエアストップシートの作用領域と、前述したピストンヘッドの頂端平面とが開かれた状態に維持され、上述したエアストップシートの貫通孔が、前述した位置規制フックに係止される空気圧縮機を提供することにある。
【0006】
本発明の第3の課題は、空気圧縮機内に設置したシリンダー内で運動するピストン上にエアストップシートが設けられ、このエアストップシートの位置決め領域と作用領域との間には、機械工業技術を利用してシート上に多線摺曲部が形成され、この多線摺曲部には、第1の折曲げ線及び第2の折曲げ線を含む複数の折曲げ線が形成され、大きめのパワーの空気圧縮機が緩衝機能を得て、上下動行程をスムーズにし得て、静止状態にあるとき、このエアストップシートの作用領域と、前述したピストンヘッドの頂端平面との間が開かれた状態に維持され、上述したエアストップシートの貫通孔が、前述した位置規制フックに係止される空気圧縮機を提供することにある。
【0007】
本発明の第4の課題は、シリンダー内で運動するピストンが、ピストンヘッドと、その軸心から下方に延びたピストンロッドと、を有し、前述したピストンロッドは、左右側辺に貫通された空洞と、外界と連通して形成されたエア通路とを有し、空洞は、前述したピストンヘッドの吸気流路と連通し、空洞の底端面には、立設したピンが設けられ、その上にばねが嵌設され、そのばねがピストンロッドの空洞に沿って、上述したピストンヘッドの吸気流路に挿通される空気圧縮機を提供することにある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る空気圧縮機のピストンを示す分解斜視図である。
図2図2は、本発明の一実施形態に係る空気圧縮機のピストンを示す斜視図である。
図3図3は、本発明の一実施形態に係る空気圧縮機のピストンが停止している状態を示す部分拡大断面図である。
図4図4は、本発明の一実施形態に係る空気圧縮機のピストンの下動行程時の状態を示す部分拡大断面図である。
図5図5は、本発明の一実施形態に係る空気圧縮機のピストンの上動行程時の状態を示す部分拡大断面図である。
図6図6は、本発明の一実施形態に係る空気圧縮機のピストンの下動行程時の圧縮空気の流れを示す説明図である。
図7図7は、本発明の一実施形態に係る空気圧縮機のピストンの上動行程時の動作を示す説明図である。
図8図8は、本発明の一実施形態に係る空気圧縮機が筐体に設置された状態を示す分解斜視図である。
図9図9は、本発明の一実施形態に係る空気圧縮機の他のピストンを示す分解斜視図である。
図10図10は、本発明の一実施形態に係る空気圧縮機の他のピストンを示す断面図である。
図11図11は、本発明の一実施形態に係る空気圧縮機の他のピストンの一部を示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、これによって本発明が限定されるものではない。
【0010】
図8を参照する。図8に示すように、本発明の一実施形態に係る空気圧縮機10は、チャンバ、筐体1又はその他現場に設置されてもよい。図8に示すように、筐体1内には、空気圧縮機10が配設され、この空気圧縮機10は、気体を注入するために用いるか、シール・ポンプアップ装置と接続して(この技術は従来技術であるため図示しない)気体注入及びパンク修理を行うことができる。空気圧縮機10は、モータ12を固定する基板11と、基板11上に結合するシリンダー13と、を含む。基板11には、空気圧縮機10の伝動機構14が配設される。伝動機構14には、ピストンが接続される。図1図7を併せて参照する。図1図7に示すように、ピストンは、ピストンヘッド21を含む。ピストンヘッド21の外周縁部には、気密シール24が取り付けられる。気密シール24は、空気圧縮機10が稼働中でもピストンの周囲及びシリンダー13内の表面を密封し続けることができる。前述したピストンヘッド21には、上下方向に貫通された吸気流路23が形成される。前述したピストンヘッド21には、下方に延びたピストンロッド5が延設される。ピストンロッド5は、伝動機構14中のクランクシャフト141が枢着される円孔51が下端に形成される。前述したピストンロッド5の上端には、左右側辺に貫通された空洞50が形成されるとともに、エア通路52が形成される。空洞50は、前述したピストンヘッド21の吸気流路23と連通する。空洞50の底端面には、立設したピン53が設けられ、その上にはばね54が嵌設される。ばね54は、ピストンロッド5の空洞50に沿って上述したピストンヘッド21の吸気流路23に挿通され、ばね54の他端がエアストップシート7の作用領域73の背面に当接されると、エアストップシート7がばね54の力を受けてエアストップシート7の作用領域73に小角度θが形成されて開いた状態となる。このような設計によりエア通路52及び吸気流路23が大気と連通されるようにしてもよい。モータ12の出力軸は、伝動機構14のクランクシャフト141を旋回させるとともに、シリンダー13内でピストンが上動及び下動の動作を行って発生させた圧縮空気を空気貯蔵ユニット15内に進入させ、排気マニホールドを介して圧縮空気を圧力計16に進入させて圧力を表示させ、排気ホースを接合して気体被注入物に気体を注入してもよいし、排気ホース又はバルブを介して破損したタイヤにシール剤を注入してタイヤを修理するとともにタイヤの気圧を高めてもよいが(図示せず)、これらは従来技術であるため図示しておらず、細部の構造についても省略していることをここで併せて述べておく。
【0011】
本発明に係る空気圧縮機10は、ピストンのピストンヘッド21に取り付けられたエアストップシート7を有する。このエアストップシート7は、摺曲部71を有する。摺曲部71は、少なくとも折曲げ線711を有し、摺曲部71が複数の折曲げ線を有するため、空気圧縮機の様々な出力パワーのニーズに対応することができる。本明細書の折曲げ線711は、不用意にエアストップシート7を折曲げて折曲げ角度を形成するのではなく、機械工業技術を利用して精確にエアストップシート7に予め折曲げ角度を形成する。外部の圧力がエアストップシート7に印加されると、エアストップシート7は既定の折曲げ線711(又は軌道)に沿って応力が発生し、上下方向に開閉動作を行う。折曲げ線711の一側に設けられた位置決め領域72は、前述したピストンヘッド21の頂端平面上に取付けられてもよい。即ち、ピストンヘッド21は、互いに分離された2つの固定ピン211,212を有し、固定ピン211,212に対応したエアストップシート7の位置決め領域72には、互いに分離された円孔721,722がそれぞれ形成され、エアストップシート7の円孔721,722がピストンヘッド21の固定ピン211,212にそれぞれ位置決めされると、エアストップシート7がピストンヘッド21上に堅牢に固定される。前述したエアストップシート7は、折曲げ線711の他側を作用領域73として用いる。作用領域73は、ピストンの吸気流路23を覆うことができる。前述したエアストップシート7の作用領域73とエアストップシート7の位置決め領域72とは、折曲げ線711を境界軸線として用い、エアストップシート7の正面(即ち、上動動作を行うときのエアストップシート7はシリンダー13の上面に対向する)に、180度より小さな鈍角が形成されるとともに、エアストップシート7の作用領域73がシリンダー13の上面に背向する背向面が自ずと前述したピストンヘッド21の頂端平面に小角度θが形成される開いた状態となって通気空間Zが形成され、空気圧縮機10のピストンが停止した状態下で、エアストップシート7の作用領域73が吸気流路23及びエア通路52に対して開いた状態に維持されるとともに、ピストンロッド5の空洞50内にばね54を設ける。ばね54の他端は、エアストップシート7の作用領域73の背面に接触され、エアストップシート7のピストンヘッド21の頂端平面が開いた状態の通気空間Zが形成され、エアストップシート7に折曲げ線711が設けられ、ばね54がエアストップシート7の作用領域73の背向面に当接されることにより、エアストップシート7の開く動作又はピストンヘッド21が静止している段階で、エアストップシート7の動作をスムーズに維持しながら保護し、弾性疲労が発生することを防ぎ、ピストンの吸気流路23の流れがスムーズとなり、シリンダー13中の圧力は、周囲の大気と均衡し、空気圧縮機10が再び稼働されると、そのピストンの上動行程時に余計な抵抗力(背圧抵抗力)は発生せず、シリンダー13内でピストンが往復運動を行うときに、スムーズな圧縮動作を維持することができ、安全に使用することができる上、使用寿命が延び、気体被注入物に容易かつ速やかに気体を注入させることができる。図3図7を参照する。図3図7は、シリンダー13内のピストンの上動行程及び下動行程の動作を示す。図5及び図7は、ばね54が圧縮されてエアストップシート7により吸気流路23が閉じられた状態を示し、ピストンが下動行程の段階のとき、ばね54が伸びてエアストップシート7を押し開いて吸気流路23から離して開口状態にする(図4及び図6を参照する)。ピストンが静止状態にあるとき、ばね54によりエアストップシート7及び折曲げ線711を押し上げ、エアストップシート7の作用領域73に開口角度θが形成されるため、その状態は図3に示すように、シリンダー13の内部に残留した高圧空気が通気空間Z及び吸気流路23を介して外気の圧力と均衡し、次回、ピストンが再び稼働されるときにエアストップシート7の背圧に打ち勝つことができる。前述したエアストップシート7は、作用領域73に貫通されて形成された貫通孔731を有する。前述したピストンヘッド21の上述した貫通孔731に対応した箇所には、貫通孔731に嵌合される位置規制フック20が設けられる。位置規制フック20は、縦支柱213及び横支柱214を含む。ピストンの上動行程において、エアストップシート7の作用領域73が前述したピストンヘッド21の頂端平面上に接触されると、エアストップシート7により吸気流路23が閉じられる。ピストンの下動行程では、エアストップシート7が外気の押圧力を受けて開く幅が大きくなりやすいが、上述した位置規制フック20に設けられた横支柱214により制限され、エアストップシート7が無制限に開かれることによりエアストップシート7がへたったり損壊したりすることを防ぐことができる。位置規制フック20に設けた縦支柱213の長さは、空気圧縮機の出力パワーの大きさに応じて適宜長くしたり短くしたりし、エアストップシート7の動作の振幅を動作原理に合致させることができる。ピストンが静止状態にあるとき、前述したエアストップシート7の作用領域73と、前述したピストンヘッド21の頂端平面とが開かれた状態に維持される。即ち、予め開かれた角度θ及び通気空間Zを有する。上述したエアストップシート7の貫通孔731は、前述した位置規制フック20の横支柱214に係止される。本発明の位置規制フック20に設けた縦支柱213は、エアストップシート7の開閉経路を提供し、空気圧縮機の出力パワーの大きさに応じて縦支柱213の長さ(又は高さ)及び横支柱214を調整するようにされているため、エアストップシート7の初期高さを調整することができる。
【0012】
本発明のエアストップシート7の技術的特徴は、シート本体上に設けた摺曲部71にある。この摺曲部71が有する折曲げ線711は、エアストップシート7により作用領域73におけるシートと、前述したピストンヘッド21の頂端平面とにより共同で形成された小角度θで開いた状態が形成される。空気圧縮機に必要な様々な大きさのパワーに応じ、エアストップシート7のサイズ及び硬さを変えなければならないが、本発明は、出力パワーが大きめの空気圧縮機に使用することができ、エアストップシートは上下で接触させることができる大きめの振幅を有する。そのため、上述したように実際に使用する際、摺曲部71が有する複数の折曲げ線711により、空気圧縮機の様々な大きさの出力パワーのニーズに対応することができる。本実施形態の摺曲部71の構造は多線摺曲部94である。多線摺曲部94は、第1の折曲げ線941及び第2の折曲げ線942を有する。図9図11に示すように、このエアストップシート9は、位置決め領域91と、位置決め領域91上に形成された円孔911,912と、他側に設けられた作用領域93と、を有する。作用領域93は、貫通されて形成された貫通孔931を有する。ピストンヘッド81の前述した貫通孔931に対応した位置には、貫通孔931に嵌合される位置規制フック80が設けられ、ピストンヘッド81には、下方に延びたピストンロッド82が延設される。ピストンロッド82は、空洞840が上端に設けられるとともに、エア通路84が形成される。空洞840の底端面には、立設したピン841が設けられ、その上にばねが嵌設され、ピストンの上動行程において、エアストップシート9の作用領域93が前述したピストンヘッド81の頂端平面上に接触され、エアストップシート9によりエア通路84が閉じられる。ピストンの下動行程において、エアストップシート9が外気の押圧力を受けると開く幅が大きくなるが、上述した位置規制フック80により制限されるため、エアストップシート9が無制限で開かれてエアストップシート9がへたったり損壊したりしてしまうことを防ぐことができる。本実施形態の技術的特徴は、エアストップシート9の位置決め領域91と作用領域93との境界に多線摺曲部94を設けることにある。本明細書で述べる多線摺曲部94には、機械工業技術を利用して摺曲形状が形成される。即ち、多線摺曲部94には、第1の折曲げ線941及び第2の折曲げ線942が形成される。前述した第2の折曲げ線942から後方へ延びた位置決め領域91の円孔911,912は、ピストンヘッド81の頂端平面の上ステップ85,86にそれぞれ挿通されるとともに、ピストンヘッド81の頂端平面の底ステップ87,88に係止される。空気圧縮機が大パワーを出力する際、第1の折曲げ線941がピストンヘッド81の頂端平面上に当接され、エアストップシート9の作用領域93のプレートと、前述したピストンヘッド81の頂端平面とにより共同で形成された小角度θで開いた状態が形成され、空気圧縮機のピストンが停止した状態下で、ばね54がエアストップシート9及び第1の折曲げ線941を押し上げて、エアストップシート9の作用領域93に開口角度θを形成する。エアストップシート9の作用領域93がピストンの吸気流路89に対して開いた状態に維持され、ピストンの吸気流路89を介して連通し、シリンダー13中の圧力と周囲の大気とが均衡し、空気圧縮機が再び稼働された後、ピストンが上動行程にあるときでも余計な抵抗力(背圧抵抗力)が発生しないため、ピストンがシリンダー13内で往復運動を行うときに、スムーズな圧縮動作が維持され、安全に使用することができる上、使用寿命が延び、気体被注入物に容易かつ速やかに気体を注入し、大パワーがエアストップシート9に出力されるため、多線摺曲部94を設けることにより、エアストップシート9全体が行う上下振幅の開閉動作をスムーズにし、エアストップシート9全体が破壊されることを防ぐことができる。
【符号の説明】
【0013】
1:筐体
5:ピストンロッド
7:エアストップシート
9:エアストップシート
10:空気圧縮機
11:基板
12:モータ
13:シリンダー
14:伝動機構
15:空気貯蔵ユニット
16:圧力計
20:位置規制フック
21:ピストンヘッド
23:吸気流路
24:気密シール
50:空洞
51:円孔
52:エア通路
53:ピン
54:ばね
71:摺曲部
72:位置決め領域
73:作用領域
80:位置規制フック
81:ピストンヘッド
82:ピストンロッド
84:エア通路
85:上ステップ
86:上ステップ
87:底ステップ
88:底ステップ
89:吸気流路
91:位置決め領域
93:作用領域
94:多線摺曲部
141:クランクシャフト
211:固定ピン
212:固定ピン
213:縦支柱
214:横支柱
711:折曲げ線
721:円孔
722:円孔
731:貫通孔
840:空洞
841:ピン
911:円孔
912:円孔
931:貫通孔
941:第1の折曲げ線
942:第2の折曲げ線
Z:通気空間
θ:角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11